JP3235442B2 - 高強度・低延性非調質鋼 - Google Patents
高強度・低延性非調質鋼Info
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Description
調質鋼に関し、より詳しくは、高い強度が要求されるも
のの延性は必要とせず、むしろ常温での冷間分割加工が
可能でその破断面がフラットな脆性破面を呈し、自動車
エンジンなどのコネクティングロッドやコネクティング
ロッドキャップ用の材料として好適な高強度・低延性非
調質鋼に関する。
示すコネクティングロッド(通称コンロッド)の本体1
及びコネクティングロッドキャプ(通称コンロッドキャ
ップ)2は、従来、別の工程で熱間鍛造された後で焼入
れ焼戻しの調質処理を施され、次いで、機械加工による
ボルト穴の加工と仕上げ整形加工を受け、その後でボル
ト3によって形状の複雑なクランクシャフトに結合・組
み立てられていた。
映して、各種自動車部品の製造コスト低減の動きが活発
化しており、この動きはエンジン部品においても例外で
はなくなってきている。
体1及びコネクティングロッドキャプ2に関しては、製
造コスト低減対策として、両者を熱間鍛造にて一体成形
しこれに焼入れ焼戻しの熱処理を施すか、あるいは熱間
鍛造後放冷し、その後でコネクティングロッド本体1及
びコネクティングロッドキャプ2に分割し、接合部(接
合面どうし)に対する仕上げ整形のための機械加工は施
すことなく、ボルト3でクランクシャフトに結合して組
み立てるという方法が検討されている。この方法では、
ボルト穴の加工は前記の一体成形材を分割する前あるい
は後に行う。
本体1及びコネクティングロッドキャプ2を分割する方
法としては、例えば治具を挿入することによって図1中
に矢印で示した方向に働く力を与えて分割する方法が考
えられる。この方法ではコネクティングロッド本体1及
びコネクティングロッドキャプ2に分割した分割面をフ
ラットにすることが極めて重要となる。
IS規格のS45CやS48C相当鋼など)をそのまま
用いて熱間鍛造で一体成形し、その後常温でコネクティ
ングロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2に
分割すると、分割面がアメやガムを千切ったような所謂
「延性破断面」となってフラットな「脆性破面」が得ら
れず、機械加工による仕上げ整形加工を行わなければな
らないという問題がある。上記の分割を低温(例えば液
体窒素温度)で行えば脆性破壊が生じて容易にフラット
な脆性破面が得られるが、大量の製品が流れる実操業ラ
インにおいて低温状態とすることは技術的に容易ではな
く、更に設備を建設し維持する費用が嵩むため必ずしも
コスト低減には結びつかないといった問題がある。
はコストが嵩むため、熱処理を省略できる新しいタイプ
の鋼に対する要望も生じている。
の調質処理を省略できる非調質鋼としては、例えば特開
平5−195140号公報に「非調質高強度鋼」が提案
されている。しかし、この公報に記載された非調質鋼
は、連続鋳造時にブルーム表面に生ずる割れを防止した
タイプの高強度非調質鋼である。そのため、上記の提案
鋼をコネクティングロッド本体1及びコネクティングロ
ッドキャプ2用鋼として用いた場合、所望の強度は得ら
れるものの、前記した一体成形した後でコネクティング
ロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2に常温
で分割する方法に対しては、延性が大き過ぎて脆性破面
が得られない。従って、機械加工による仕上げ整形加工
を行う必要がある。
エンジンを稼働させた場合でも、コネクティングロッド
に座屈を生じることがないように、座屈強度に優れた非
調質鋼に対する要望も大きくなっている。
鑑みなされたもので、引張強度は従来鋼と同等以上であ
って、且つ熱間鍛造した一体成形材を前記したような方
法によって常温で分割した時の破面が、フラットな脆性
破面を呈する高強度・低延性非調質鋼の提供を課題とす
る。本発明にあっては前記の特性に加えて、更に、高い
座屈強度を有する非調質鋼の提供をも課題とする。
を解決するため種々検討を重ねた結果、下記の知見を得
た。
鋼の常温における破壊形態は、下記fn2と相関を有す
る。そして、「fn2≧0」を満たす場合に脆性破壊が
促進される。但し、 fn2=Si+2V+5P−0.8、 な お、式中における元素記号はその元素の重量%での含
有量を表す。
引張試験した時の鋼材の伸び値が10%以下である場合
に、熱間鍛造した一体成形材の常温分割面はフラットな
脆性破面となる。
常温引張試験した時の鋼材の伸び値が10%以下)に加
えて、熱間鍛造した一体成形材の分割したい部位の少な
くとも一部に0.5mmR以下の切り欠きを設けておけ
ば、僅かな力を加えるだけで容易に当該一体成形材の常
温分割が可能で、且つその分割面は一層確実にフラット
な脆性破面となる。
時、非調質鋼の引張強度は下記fn61、fn62で整理で
き、この値が0以上の場合に800MPa以上の引張強
度が得られる。 fn61=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V− 0.8、 fn62=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V− (5S/7)−0.8、 なお、fn61、fn62中の元素記号もその元素の重量%
での含有量を表す。以下の説明においては、上記の各式
で表されるfn61とfn62をまとめてfn6ということ
もある。
記のfn2≧0と常温引張試験した時の鋼材の伸び値
≦10%、並びにfn6≧0の条件を満足できれば、
常温での分割でフラットな脆性破面となり、且つ高強度
が得られる。従って、前記した新しいプロセスによって
所望強度である800MPa以上の引張強度を有するコ
ネクティングロッド本体1及びコネクティングロッドキ
ャプ2を製造することができる。この場合、の一体成
形材の分割したい部位である大端部穴の内側(図1にお
けるN部)の少なくとも一部に0.5mmR以下の切り
欠きを設けておけば、上記のコネクティングロッド本体
1及びコネクティングロッドキャプ2を一層容易、且
つ、確実に製造することができる。
高めることが有効である。
載したfn2≧0を満たせば、鋼の脆性破壊が促進され
るだけでなく降伏比(降伏強度/引張強度)が高まり、
非調質鋼でも0.7以上の降伏比が得られる。
上で、fn2≧0と常温引張試験した時の鋼材の伸び値
が10%以下、並びにfn6≧0の条件を満足できれ
ば、高い降伏比が得られると共に常温での分割でフラッ
トな脆性破面となり、且つ高強度が得られる。この場
合、引張強度が800MPa以上であるため560MP
a以上の高い降伏強度が得られることとなって、前記し
た新しいプロセスによって座屈強度にも優れたコネクテ
ィングロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2
を製造することができる。
(2)に記載の高強度・低延性非調質鋼を要旨とする。
更に、 Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.5
0%、Mo:0.01〜0.50%、B:0.0003
〜0.0100%、V:0.005〜0.50%、N
b:0.003〜0.17%及びN:0.0030〜
0.030%のうちの1種以上をも含有 し、残部はFe
及び不可避不純物からなり、fn2≧0を満たし、且
つ、fn61≧0であることを特徴とする高強度・低延性
非調質鋼。但し、 fn2=Si+2V+5P−0.8、 fn61=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V− 0.8、 なお、式中の元素記号はその元素の重量%での含有量を
表す。
に、重量%で、S:0.005〜0.10%、Pb:
0.10〜0.30%から選ばれる1種以上をも含み、
残部はFe及び不可避不純物からなり、fn2≧0を満
たし、且つ、fn62≧0であることを特徴とする高強度
・低延性非調質鋼。但し、 fn2=Si+2V+5P−0.8、 fn62=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V− (5S/7)−0.8、 なお、式中の元素記号はその元素の重量%での含有量を
表す。
組成を上記のように限定する理由について説明する。な
お、「%」は「重量%」を意味する。
るが、反面熱間加工性を低下させる元素でもある。最低
限の静的強度(引張強度で800MPa以上)を得るに
は、0.20%以上が必要である。一方、0.70%を
超えて含有させると、鋼の熱間加工性が低下して、成分
系によっては熱間での加工時に割れを生じる場合があ
る。従って、Cの含有量を、0.20〜0.70%とし
た。なお、より安定した強度(引張強度や座屈強度)を
確保するために、Cの含有量は0.25%以上とするこ
とが好ましい。C含有量が0.30%以上であれば一層
好ましい。
れ性を向上させる作用も有する。これらの効果を確実に
得るには、Siは0.05%以上の含有量を要する。し
かし、その含有量が1.50%を超えると熱間加工性が
極めて低下し、熱間での加工時に割れを生じ易くなる。
従って、Siの含有量を0.05〜1.50%とした。
なお、一層の安定した熱間加工性を確保するために、S
i含有量の上限は1.00%とすることが望ましい。
的強度を向上させる作用がある。しかし、その含有量が
0.30%未満では所望の効果が得られず、2.00%
を超えると熱間加工性が劣化するようになるので、その
含有量を0.30〜2.00%とした。
る作用があるので、前記したような常温での分割方法で
フラットな脆性破面を得るのに有効である。この効果を
確実に得るには、Pは0.037%以上の含有量を要す
る。しかし、その含有量が0.15%を超えると熱間加
工性が著しく劣化する。従って、Pの含有量は0.03
7〜0.15%とした。なお、安定した熱間加工性確保
のために、Pの含有量は0.037〜0.10%とする
ことが好ましい。
る。しかし、その含有量が0.02%未満では所望の効
果が得られず、1.37%を超えて含有してもその効果
は飽和し、コストのみが上昇し経済性を損うことになる
ので、その含有量を0.02〜1.37%とした。な
お、Cr含有量は0.10%以上とすることが好まし
い。
調質鋼の常温における破壊形態に影響を及ぼし、脆性破
壊を促進する効果を有する。これらの効果を確実に得る
には、Tiは0.002%以上の含有量を要する。しか
し、0.20%を超えて含有させると、熱間加工性の劣
化を招くようになる。従って、Tiの含有量を0.00
2〜0.20%とした。
とともに、窒化物を生成して結晶粒を微細化し、強度を
高める作用を有する。又、非調質鋼の常温における破壊
形態に影響を及ぼし、脆性破壊を促進する効果を有す
る。これらの効果を確実に得るには、Alは0.005
%以上の含有量を要する。しかし、0.100%を超え
て含有させると、熱間加工性の劣化を招くようになる。
従って、Alの含有量を0.005〜0.100%とし
た。
度を向上させるために上記の各成分元素に加えて更に、
Cu、Ni、Mo、B、V、Nb及びNのうちの1種以
上を含有させる。これらの合金元素の作用効果と含有量
は下記のとおりである。
せる効果を有する。Cuによるこの効果を確実に得る場
合、Cuは0.01%以上の含有量を要する。しかし、
その含有量が0.20%を超えると熱間加工性の劣化を
もたらし、熱間圧延時や熱間鍛造時に割れの発生を招
く。従って、Cuを添加して強度を向上させる場合の含
有量を0.01〜0.20%とした。
せる効果を有する。Niによるこの効果を確実に得る場
合、Niは0.01%以上の含有量を要する。しかし、
その含有量が0.50%を超えると延性と靭性の増加を
きたして、フラットな脆性破面が得られなくなる。従っ
て、Niを添加して強度を向上させる場合の含有量を
0.01〜0.50%とした。
効果を有する。Moに よるこの効果を確実に得る場合、
Moは0.01%以上の含有量を要する。しかし、0.
50%を超えて含有させても前記の効果は飽和するので
コストのみが上昇し、経済性を損うことになる。従っ
て、Moを添加して強度を向上させる場合の含有量を
0.01〜0.50%とした。なお、Mo含有量は0.
05%以上とすることが好ましい。
果がある。Bによるこの効果を確実に得る場合、Bは
0.0003%以上の含有量を要する。しかし、その含
有量が0.0100%を超えると、焼入れ性向上効果が
飽和するばかりか、熱間加工性が著しく劣化するように
なる。従って、Bを添加して強度を向上させる場合の含
有量を0.0003〜0.0100%とした。
この効果を確実に得る場合、Vは0.005%以上の含
有量を要する。しかし、0.50%を超えて含有させて
も前記の効果は飽和し、コストのみが上昇して経済性を
損う。更に、熱間加工性の劣化を招く。従って、Vを添
加して強度を向上させる場合の含有量を0.005〜
0.50%とした。
よるこの効果を確実に得る場合、Nbは0.003%以
上の含有量を要する。しかし、0.17%を超えて含有
させても前記の効果は飽和し、コストのみが上昇し経済
性を損うことになる。更に、熱間加工性の劣化を招くよ
うになる。従って、Nbを添加して強度を向上させる場
合の含有量を0.003〜0.17%とした。なお、一
層の安定した熱間加工性を確保するためには、Nb含有
量の上限を0.10%とすることが好ましい。
粒を微細化し、強度を高める作用を有する。又、Tiや
Alとの関係で非調質鋼の常温における破壊形態に影響
を及ぼし、脆性破壊を促進する効果を有する。Nによる
これらの効果を確実に得る場合、Nは0.0030%以
上の含有量を要する。しかし、一般に、鋼の溶製におい
てNを0.030%を超えて含有させるには特殊な溶解
原料、設備や技術を必要とするので、コストが嵩み経済
性を損なうことになるし、熱間加工性の劣化を招く場合
もある。従って、Nを含有させて強度を向上させる場合
のの含有量を0.0030〜0.030%とした。
は、被削性を向上させるために上記の各成分元素に加え
て更に、SとPbのうちの1種以上を含ませても良い。
これらの合金元素の作用効果と望ましい含有量は下記の
とおりである。
作用がある。又、Sには粒界脆化を引き起こし延性を低
下させる作用があるので、Pと同様に前記したような常
温での分割方法でフラットな脆性破面を得るのに有効で
ある。これらの効果を確実に得るには、Sは0.005
%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、その含
有量が0.10%を超えると熱間加工性が著しく劣化す
る。従って、本発明の高強度・低延性非調質鋼の被削性
を向上させるために更にSを添加する場合、その含有量
を0.005〜0.10%とするのがよい。
せる効果を有する。この効果を確実に得るには、Pbは
0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しか
し、Pbを0.30%を超えて含有させると熱間加工性
が劣化して熱間圧延時や熱間鍛造時に割れの発生を招
く。従って、本発明の高強度・低延性非調質鋼の被削性
を向上させるために更にPbを含有させる場合、その含
有量を0.01〜0.30%とするのがよい。
2%以上のCrを含有する非調質鋼の常温における破壊
形態は前記fn2で整理でき、fn2≧0を満たす場合
に脆性破壊が促進される。そしてfn2≧0を満たし、
且つ常温引張試験した時の鋼材の伸び値が10%以下の
場合に、熱間鍛造した一体成形材の常温分割破面がフラ
ットな脆性破面となって、前記したような新しいプロセ
スによって、所望強度である800MPa以上の引張強
度を有するコネクティングロッド本体及びコネクティン
グロッドキャプを製造することができる。従って、fn
2≧0を満たすように規定する。
進されるだけでなく0.7以上の降伏比が安定して得ら
れる。従って、fn2≧0、且つ常温引張試験した時の
鋼材の伸び値が10%以下の場合には、降伏強度も高
い、換言すれば座屈強度にも優れた、800MPa以上
の引張強度を有するコネクティングロッド本体及びコネ
クティングロッドキャプを製造することができる。
はない。fn2の式から求められる上限値の2.45で
あっても良い。
0以上とした場合に初めて、コネクティングロッド本体
及びコネクティングロッドキャプとして必要な800M
Pa以上の引張強度を非調質鋼に付与できる。従って、
fn6≧0とする。この値の上限には特に制限はない。
fn6がfn61を指す場合、その式から求められる最大
値(1.586に近い値)であっても良く、fn6がf
n62を指す場合、その式から求められる最大値(1.5
83に近い値)であっても良い。
溶製された後、例えば、通常の方法による熱間での圧延
及び鍛造によって、コネクティングロッド本体1とコネ
クティングロッドキャプ2がつながった一体物に成形さ
れた後、ボルト穴加工を施される。その後、コネクティ
ングロッド本体1及びコネクティングロッドキャプ2に
前記したような方法によって常温で分割される。なお、
必要に応じて当該一体物の分割しようとする部位である
大端部穴の内側(図1におけるN部)の少なくとも一部
に0.5mmR以下の切り欠きが設けられることもあ
る。次いで、分割されたコネクティングロッド本体1及
びコネクティングロッドキャプ2はボルト3でクランク
シャフトに結合されて組み立てられる。
の方法により試験炉を用いて真空溶製した。表1におけ
る鋼2〜4、6、8、13、15、18、32及び34
は本発明鋼であり、表2における鋼35〜48はその成
分のいずれかが本発明で規定する含有量の範囲から外れ
た比較鋼である。
常の方法によって鋼片となした後、1250℃に加熱し
てから1200〜950℃の温度で直径30mmの丸棒
に熱間鍛造し、その後常温まで空冷した。
JIS4号試験片を切り出し、常温で引張試験を行っ
た。更に、常温引張試験後の破面の状態を走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察した。
は目視で観察して鍛造割れの有無を確認した。
割れ確認結果を表3に示す。
15、18、32及び34にあっては、いずれも鍛造割
れを生ずることもなく、所望の800MPa以上の引張
強度と10%以下の伸びとが得られており、常温引張試
験後の破面はすべてフラットな脆性破面であった。な
お、上記の本発明鋼はいずれもfn2≧0を満たしてい
るので0.7以上の降伏比を有しており、降伏強度が高
いことが分かる(以上表3参照)。
規定する含有量の範囲から外れた比較鋼のうち、C量と
fn6がそれぞれ規定値から低目に外れた鋼35及び4
8では引張強度が800MPaに達していない。
Nb量、B量、Al量及びPb量がそれぞれ規定値に対
して高目に外れた鋼36〜39、鋼41、42、44〜
46には熱間での鍛造割れが認められた。Cr量とTi
量の両方が規定値に対して高目に外れた鋼43にも熱間
での鍛造割れが認められた。
れた鋼40では常温伸びが10%を超え、常温引張試験
後の破面は延性破面であった。
で規定した条件から外れ、且つ、常温伸びが10%を超
えるため、常温引張試験後の破面は延性破面であった
(以上表3参照)。
ある鋼34を素材として通常の熱間鍛造法によって、コ
ネクティングロッド本体1とコネクティングロッドキャ
プ2がつながった一体物を各々20体ずつ熱間成形し
た。なお、各20体のうち5体には熱間成形の後、図1
のN部に0.3mmRの切り欠きを付けた。次いで、前
記した方法によって常温でコネクティングロッド本体1
及びコネクティングロッドキャプ2への分割テストを行
った。この結果、20体すべてにフラットな脆性破面が
得られ、機械加工による仕上げ整形なしで使用できるこ
とが分かった。なお、切り欠きを付けた5体の分割は特
に容易であった。
用いれば、コネクティングロッド本体及びコネクティン
グロッドキャプをコストの低い新プロセスで製造するこ
とが可能で、産業上の効果は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、 C:0.20〜0.70%、 Si:0.05〜1.50%、 Mn:0.30〜2.00%、 P:0.037〜0.15%、 Cr:0.02〜1.37%、 Ti:0.002〜0.20%、 Al:0.005〜0.100% を含有するとともに、
更に、 Cu:0.01〜0.20%、Ni:0.01〜0.5
0%、Mo:0.01〜0.50%、B:0.0003
〜0.0100%、V:0.005〜0.50%、N
b:0.003〜0.17%及びN:0.0030〜
0.030%のうちの1種以上をも含有 し、残部はFe
及び不可避不純物からなり、fn2≧0を満たし、且
つ、fn61≧0であることを特徴とする高強度・低延性
非調質鋼。但し、 fn2=Si+2V+5P−0.8、 fn61=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V− 0.8、 なお、式中の元素記号はその元素の重量%での含有量を
表す。 - 【請求項2】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
%で、 S :0.005〜0.10%、Pb:0.10〜0.3
0%から選ばれる1種以上をも含み、残部はFe及び不
可避不純物からなり、fn2≧0を満たし、且つ、fn
62≧0であることを特徴とする高強度・低延性非調質
鋼。但し、 fn2=Si+2V+5P−0.8、 fn62=C+(Si/10)+(Mn/5)+(5Cr/22)+1.65V− (5S/7)−0.8、 なお、式中の元素記号はその元素の重量%での含有量を
表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33855795A JP3235442B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 高強度・低延性非調質鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33855795A JP3235442B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 高強度・低延性非調質鋼 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09176785A JPH09176785A (ja) | 1997-07-08 |
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ID=18319306
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JP33855795A Expired - Lifetime JP3235442B2 (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 高強度・低延性非調質鋼 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009072445A1 (ja) | 2007-12-03 | 2009-06-11 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 破断分割型コネクティングロッド用鋼 |
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JPH09176785A (ja) | 1997-07-08 |
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