JPH11199924A - 高強度低延性の非調質鋼部品の製造方法 - Google Patents
高強度低延性の非調質鋼部品の製造方法Info
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Abstract
熱間鍛造し、機械加工した後一体化しているが、熱間鍛
造を一体物素材で成形し、これを2部分に引張破断させ
て上記2部分に分け、その後で一体化することによりコ
スト低減を図る方法に適した高強度で適切に低延性な非
調質鋼部品を製造する。 【解決手段】 成分の内特にC、Si、Mn、V含有率
を最適にし(重量%でC:0.40〜0.70%、S
i:1.0超え〜2.0%、Mn:0.10〜0.30
%未満、V:0.05〜0.30%、Cr:0.05〜
1.0%、V:0.05〜0.30%、Al:0.01
0%未満、及び、N:0.0020〜0.0200%
)、Ceq:0.80〜1.10%の鋼材を熱間鍛造し
空冷して、フェライト面積率10%以下と残部パーライ
ト又はパーライト+ベイナイトとからなり、引張脆性破
面で且つ600N/mm2 以上の降伏応力をもつ鋼材に
する。
Description
性であって、熱間鍛造による非調質鋼を用いた部品を製
造する方法に関するものである。
ングロッドは、ピストンの往復運動を回転運動に変えて
クランクシャフトに伝える媒体機能をもつ重要な部品で
る。
状況を説明する概略斜視図を示す。同図に示すように、
コネクティングロッド(以下、コンロッドという)は、
コンロッド本体1とコンロッドキャップ2とに分けられ
る。コンロッドは従来、S45C等の機械構造用鋼を用
いて、コンロッド本体1とコンロッドキャップ2との二
つの部品を別々に鍛造した後、コンロッドの大端部4を
構成するこれら両部品の接合面1a、2aを切削加工に
より仕上げて、一体の物(部品)に構成するという製造
方法がとられてきた。このように、本来一体となる部品
を二つの部品に分けて鍛造し、後で一体の部品に構成す
る方法では、加工工程を煩雑にするのみならず、コンロ
ッドボルト5を通すボルト穴7の切削加工に極めて高い
精度が要求されることもあり、コスト高となる。
とコンロッドキャップ2とを一体物として鍛造加工する
方法を検討した。図2に、コンロッド本体部分とコンロ
ッドキャップ部分とが一体物で鍛造されたものの概略斜
視図を示す。この方法は、同図において、大端部4の両
側のそれぞれに上下方向に貫通するボルト穴7を切削加
工により開けた後、適切な治具等を用いて大端部4の中
央部で上下に引張破断させて、コンロッド本体部分1’
とコンロッドキャップ部分2’とに分割するというもの
である。重要な点は、破断された面が平らで変形が極め
て小さいことである。このようにすれば、鍛造加工工程
が簡素化されるのみならず、コンロッド本体部分1’と
コンロッドキャップ部分2’とのボルト穴7のずれもな
く、従来のようにコンロッドボルト5を通すボルト穴7
を極めて高い精度で切削加工する手間も省ける。従っ
て、低コストでコンロッドを製造することが可能とな
る。
高強度高延性のコンロッドを提供することに研究開発が
向けられてきた。これに対して上記方法によるコンロッ
ドの製造は、高強度で且つ適切な程度に低延性化したコ
ンロッドを開発することにより達成し得るものであり、
全く新しい着想によるものである。
2分割してコンロッドを製造する(以下、分割型コンロ
ッドの製造という)との観点から従来技術を概観する。
コンロッドの素材としてS45C等の機械構造用鋼を用
いた場合には、材料の機械的性質の特性確保のため、鍛
造した後に焼入れ及び焼戻しを施さなければならない。
この熱処理コストを低減するために、近年、材料を熱間
鍛造後の冷却ままで使用する非調質鋼が広く採用されて
きた。
加したフェライト+パーライト組織の非調質鋼が広く採
用されてきている。一般にフェライト+パーライト系の
非調質鋼は、従来の焼入れ及び焼戻し鋼に比べて、絞り
値や衝撃値等の延性や靱性が低いのが特徴であるにもか
かわらず、上記V、Nb添加のフェライト+パーライト
系非調質鋼においても一般のフェライト+パーライト系
の非調質鋼と同様、その引張破断による破面は、ディン
プルを伴う延性破面を呈する。このように破断面が、変
形の大きい延性破面を呈する材料を用いて、本発明者等
の着想による分割型コンロッドでコンロッドを製造しよ
うとする場合には、一体物で熱間鍛造された材料をコン
ロッド本体とコンロッドキャップとに引張破断で分割さ
れた破面同士の噛み合わせがうまくいかない。この噛み
合わせをうまく行なわせるためには、上記破断面を壁界
破壊のような平らな脆性破面を呈する材料を用いる必要
がある。従って、従来コンロッド用に使用されてきた非
調質鋼を、本発明者等の着想によるコンロッド製造方法
に用いるのは不可である。
焼結後、一体物でコンロッドに熱間鍛造した後、上記と
同様に引張破断させて、コンロッド本体とコンロッドキ
ャップとに分割すると、平らな脆性破面が得られる。こ
れは、鉄系粉末の焼結材が極めて靱性が低いことを利用
したものである。従って、両者の接合面をうまく噛み合
わせることができるという点においては、鉄系粉末をコ
ンロッド素材として用いるのは、分割型コンロッドの製
造方法に適している。しかしながら、粉末の焼結・鍛造
工程では製造コストが高くなるという問題がある。
589号公報には、重量%で、C:0.30〜0.90
%、Si:1.%以下、Mn:0.30〜2.0%、
P:0.10%以下、S:0.10%以下、Cr:0.
02〜2.00%、Mo:0.01〜0.50%、A
l:0.05%以下、Ti:0.08%以下、Nb:
0.17%以下、V:0.08%以下、N:0.005
〜0.030%、及びB:0.001%以下を含む非調
質鋼をコンロッド素材として用いることが開示されてい
る。しかし、本発明者等は、Si含有率が1.0%以下
ではフェライトの硬度が低く、フェライトが伸びや易い
こと、Mnが0.30%を超えると鋼の延性が向上して
延性破壊を起こし易いこと、また更に、Al、Ti、N
bの添加は結晶粒を微細化して鋼の靱性を向上させるこ
とにより、脆性破面が得られ難いことを突き止めた。
ッドの製造に当たり、従来法のS45C等の機械構造用
鋼を素材として用いた場合には、コンロッドの本体とキ
ャップとを別々に鍛造すること、及び熱間鍛造後の焼入
れ・焼戻しを必要とすることによる製造コストの上昇が
避けられない。また、熱間鍛造後の冷却ままで材料を供
するための非調質鋼は、熱処理費用の削減による効果は
あるが、コンロッドの本体とキャップとの接合技術上に
問題があり、鍛造工程の簡略化を図るための分割型コン
ロッドの製造方法を採用するには不適当である。そし
て、鉄系粉末の焼結材の適用では製造コストがかさむ。
一方、特開平9−3589号公報に開示された非調質鋼
を使用する方法においても、脆性破面が得られず延性破
面を呈するので、分割型コンロッドの製造方法に適用す
るには問題がある。
ンロッドの製造に当たり、材料の延性を適切に低延性化
させると共に、その素材を一体物で熱間鍛造し、得られ
た材料を常温で引張破断させた場合に平らな脆性破面が
得られ、こうして破断分割されたもの同士を再度一体化
させるときにその噛み合わせを容易に行なうことができ
る、熱間鍛造の非調質鋼部品の製造方法を開発すること
にある。かくして、この発明の目的は、上述した課題を
解決して、コンロッド等に適した高強度且つ比較的低延
性を有する熱間鍛造の非調質鋼部品を製造する方法を提
供することにある。
観点から、高強度且つ低延性の非調質鋼部品の製造方法
を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、C、Si、
Mn及びV等の化学成分を最適な含有率に調整すること
により、コンロッドの本体部分とキャップ部分とが一体
となった素材を熱間鍛造し、得られた鍛造材を冷却し、
そして冷却されたままの非調質鋼部材を引張破断させた
とき、平らな脆性破面が得られることを知見した。この
発明は、上述した知見に基づきなされたものであり、次
の通りである。
品の製造方法は、C:0.40〜0.70wt.%、Si:
1.0超え〜2.0wt.%、Mn:0.10〜0.30w
t.%未満、P:0.010〜0.100wt.%、S:0.
010〜0.100wt.%、Cr:0.05〜1.0wt.
%、V:0.05〜0.30wt.%、Al:0.010wt.
%未満、及び、N:0.0020〜0.0200wt.%を
含み、残部Fe及び不可避不純物からなり、炭素当量C
eqが、0.80〜1.10wt.%の範囲内にある鋼材を、
熱間鍛造し、そして前記熱間鍛造の後で空冷し、こうし
て得られた鋼材に、その鋼材のミクロ組織が面積率で1
0%以下のフェライトと残部がパーライト又はパーライ
ト及びベイナイトとからなり、その鋼材の引張破断によ
る破面が脆性破面を呈し、且つその鋼材の降伏応力が6
00N/mm2 以上であるという、各特性を有する鋼材
を製造することに特徴を有するものである。
品の製造方法は、C:0.40〜0.70wt.%、Si:
1.0超え〜2.0wt.%、Mn:0.10〜0.30w
t.%未満、P:0.010〜0.100wt.%、S:0.
010〜0.100wt.%、Cr:0.05〜1.0wt.
%、V:0.05〜0.30wt.%、Al:0.010wt.
%未満、及び、N:0.0020〜0.0200wt.%を
含み、更に、Sb、As及びSnからなる群から1種以
上を合計で0.010〜0.100wt.%含み、残部Fe
及び不可避不純物からなり、炭素当量Ceqが、0.80
〜1.10wt.%の範囲内にある鋼材を、熱間鍛造し、そ
して前記熱間鍛造の後で空冷し、こうして得られた鋼材
に、その鋼材のミクロ組織が面積率で10%以下のフェ
ライトと残部がパーライト又はパーライト及びベイナイ
トとからなり、その鋼材の引張破断による破面が脆性破
面を呈し、且つその鋼材の降伏応力が600N/mm2
以上であるという、各特性を有する鋼材を製造すること
に特徴を有するものである。
用する鋼材の化学成分組成、並びに、熱間鍛造後空冷さ
れた鋼材のミクロ組織、破面形態及び降伏応力を上述し
たように限定した理由を説明する。
トの面積率が多くなって、当該鋼材に脆性破面が得られ
難くなる。また、所望の強度を得るのが困難になる。し
かしながら、C含有率が0.70wt.%を超えると、結晶
粒界のフェライト量が少なくなって、引張破断におい
て、軟質なフェライト相に応力が集中し難く、応力が分
散される結果、平らな脆性破面が得られ難い。従って、
C含有率は0.40〜0.70wt.%の範囲内に限定す
る。
延性を低下させる。Si含有率が1.0wt.%以下では、
脆性破面を得るのに十分な低延性なフェライトが得られ
ないので、Si含有率は1.0wt.%超えとする。しかし
ながら、Si含有率が2.0wt.%を超えると、鋼材の鍛
造加熱時の脱炭が多くなって、疲労強度が低下する。ま
た、熱間の延性が低下し過ぎて鍛造時の割れ発生の原因
になる。従って、Si含有率は1.0超え〜2.0wt.%
の範囲内に限定する。
を高める。引張破断において脆性破面を得るためには、
Mn含有率を0.30wt.%未満にする必要がある。しか
しながら、連続鋳造時や棒鋼圧延時の表面疵発生を防止
するためには、Mn含有率は0.10wt.%以上を確保す
る必要がある。従って、Mn含有率は、0.10〜0.
30wt.%未満の範囲内に限定する。
元素であり、その効果を発揮するためには、0.010
wt.%以上添加する必要がある。しかしながら、P含有率
が0.100wt.%を超えると、熱間鍛造時の割れ発生が
多くなる。従って、P含有率は0.010〜0.100
wt.%の範囲内に限定する。
を低下させると共に、被削性を向上させる。この効果を
発揮させるためにはS含有率を0.010wt.%以上添加
する必要がある。しかしながら、S含有率が0.100
wt.%を超えると、熱間鍛造時の割れ発生の原因となる。
従って、S含有率は0.010〜0.100wt.%の範囲
内に限定する。
果を発揮させるためには、0.05wt.%以上添加する必
要がある。しかしながら、Cr含有率が1.0wt.%を超
えると、フェライトの析出が抑えられ、ベイナイト主体
のミクロ組織となって平らな脆性破面が得られ難くな
る。従って、Cr含有率は0.05〜1.0wt.%の範囲
内に限定する。
て、降伏応力を高め、鋼材を塑性変形しにくくする。所
望の強度及び降伏応力を得るためには、0.05wt.%以
上の添加を必要とし、その効果を一層発揮させるために
は、0.10wt.%以上の添加をすることが望ましい。
た、0.30wt.%を超えて添加しても上記効果は飽和し
てくる。従って、V含有率は0.05 〜0.30wt.%
の範囲内に、望ましくは、0.10 〜0.30wt.%の
範囲内に限定する。
後の結晶粒を粗くして、鋼材の延性を低下させて脆性破
面を得るためには、Al含有率を0.010wt.%未満に
限定しなければならない。
させる作用を有する。上記作用による脆性破面を得るた
めの効果を発揮させるためには、N含有率は0.002
0wt.%以上必要とする。しかしながら、N含有率が0.
0200wt.%を超えると、鋳片等においてブローホール
として残存し、その後の熱間加工工程で鋼材の表面疵や
鍛造時の割れ発生の原因となる。従って、N含有率は
0.0020〜0.0200wt.%の範囲内に限定する。
010〜0.100wt.% Sb、As及びSnはいずれも、鋼中に溶解して鋼材を
脆化させる。また、鍛造加熱時に鋼材表面に濃化して表
面反応を抑制して脱炭を防止し、疲労強度を高める。上
記作用・効果を発揮させるためにはこれらの元素は少な
くとも合計で0.010wt.%以上添加する必要がある。
しかしながら、0.100wt.%を超えて添加すると鋼材
の熱間延性の低下及び表面疵の発生を招く。従って、上
記元素は合計で、0.010〜0.100wt.%の範囲内
添加することが望ましい。
o等は鋼材に不可避的に混入するが、これら元素はその
含有率の範囲内で含んでもよい。また、切削性を向上さ
せる元素であるPb、Bi、Se、Te及びCaを適宜
添加しても差し支えない。
とができない。一方、これが1.10wt.%を超えると硬
度が高くなり過ぎて切削性が劣化する。従って、炭素当
量Ceqを0.80〜1.10wt.%の範囲内に限定する。
ライトと残部がパーライト又はパーライト及びベイナイ
ト フェライトの面積率が10%を超えると粒内のフェライ
ト量が増大し、鋼材の延性が大きくなって、脆性破面を
得ることができなくなるので、フェライトの面積率を1
0%以下にする。残部は、強度を確保するためにパーラ
イトにする。ベイナイトが一部混じっても強度の変化は
小さく、却って延性を低下させることができるので差し
支えない。
にコンロッドにかかる衝撃的な力に対抗できず、コンロ
ッドに座屈が発生する。また、クランクシャフトの回転
に伴い、コンロッドにかかる引張−圧縮疲労に対する疲
労強度が低くなるため、降伏応力は600N/mm2 以
上であることが必要である。
説明する。各種化学成分組成を有する直径55mmの棒
鋼を調製し、当該棒鋼を熱間鍛造後空冷してコンロッド
を製造した。以下、その製造方法を説明する。
種No.1〜10及びNo.21は本発明方法で用いる素材
(鋼材)の化学成分組成の範囲内のものであり、鋼種N
o.11〜20及びNo.22は、その範囲外のものであ
る。そして、棒鋼の熱間鍛造条件は、1200〜130
0℃に加熱して熱間鍛造後、扇風機により空冷したが、
No.21のみは、扇風機を用いずそのまま放冷した。
〜10を行ない、そして本発明方法の範囲外の試験とし
て比較例11〜22を行なった。表2に、実施例1〜1
0、及び比較例11〜22におけるコンロッドの製造条
件を示す。実施例1〜10ではそれぞれ、鋼種No.1〜
10の棒鋼を用い、面積率でフェライトが10wt.%、残
部がパーライトのミクロ組織で引張破面が脆性破面を呈
し、且つ降伏応力が600N/mm2 以上となるよう
に、熱間鍛造及びその後の空冷処理を行なった。一方、
比較例11〜22ではそれぞれ、鋼種No.11〜22の
棒鋼を用い、ミクロ組織、引張破面及び降伏応力の内少
なくとも一つが上記特性値を満たさないように、熱間鍛
造及びその後の冷却処理を行なった。こうして、図2に
示したようなコンロッド本体部分1’とコンロッドキャ
ップ部分2’とが一体物となった形態の鍛造品を調製し
た。次いで、大端部4の両側部のそれぞれに、縦のボル
ト穴7をドリル加工であけた。次いで、大端部4に治具
を挟み、大端部4を中央で引張破断させて、コンロッド
のキャップ部と本体部とに分割した。
の有無の観察、鍛造品の穴明け加工性試験、鍛造品の引
張−圧縮疲労特性試験、及び分割後の大端部の噛み合わ
せの試験を行なった。これらの試験結果を、表2に併記
した。
ある実施例1〜10によれば、そのいずれにおいても、
鍛造時の割れの発生はなく、ミクロ組織がフェライト1
0%以下のフェライト+パーライト組織であったので分
割破面は平らな脆性破面であった。また、降伏応力が6
00N/mm2 以上であったので引張−圧縮疲労試験に
おいて良好な結果が得られた。また、ドリルによる穴明
け加工においても切粉の粉砕性及び工具寿命に問題はな
く、良好な加工性が得られた。
比較例11〜22においてはいずれも下記の問題があっ
た。比較例11は、C及びSi含有率が本発明の範囲よ
り低く、炭素当量も低いためにフェライト面積率が10
%より高く、分割破面は伸びた延性破面であった。この
ため大端部の噛み合わせ状況は不良であった。また、降
伏応力が低く、そのため疲労試験結果も不良であった。
率が高く、Mn含有率は低く、炭素当量は高い。このた
め鍛造時に割れが発生した。また、フェライト面積率が
0で、粒界にフェライトが存在せず、破面が延性になっ
た。このため大端部の噛み合わせ状況は不良であった。
また、硬くなり過ぎたので穴明け加工性が不良であっ
た。
の範囲より高く、熱間延性が不足して鍛造割れが発生し
た。比較例14は、Mn及びCr含有率が本発明の範囲
よりも高い。このため組織がベイナイト単相になって脆
性破面が得られなかった。そのため大端部の噛み合わせ
状況は不良であった。また、硬くなり過ぎたので穴明け
加工性が不良であった。
り高く、またSb+As含有率も本発明の範囲より高
い。このため、熱間延性が不足して鍛造割れが発生し
た。比較例16は、N含有率が本発明の範囲より高い。
このため、ブローホールに起因した鍛造割れが発生し
た。
り低い。このため、降伏応力が600N/mm2 未満と
低く、そのため疲労特性が不良であった。比較例18
は、Al含有率が本発明の範囲より高い。このため結晶
粒が微細になり、鋼材の延性が十分に低下しなかったた
め、破面が延性破面になったり、大端部の噛み合わせ状
況が不良となった。
り高い。このため、延性が不足し過ぎて、鍛造時に割れ
が発生した。比較例20は、Cr含有率が本発明の範囲
より低く、このため焼入れ性が不足して、フェライト面
積率が10%を超え、脆性破面が得られなかった。
が、熱間鍛造後、扇風機を用いずそのまま放冷した例で
ある。従って、冷却速度が十分大きくなく、フェライト
が12%発生し、脆性破面が得られなかった。そのた
め、大端部の噛み合わせ状況が不良となった。
コンロッド材を鍛造した例(従来例)である。フェライ
トの量が多く脆性破面が得られなかった。そのため、大
端部の噛み合わせ状況が不良となった。
コンロッド本体部分とコンロッドキャップ部分とを一体
ものの状態で鍛造し、しかる後に両者に分割してコンロ
ッドを製造することが可能となる。このような高強度低
延性の非調質鋼部品の製造方法を提供することができ、
工業上有用な効果がもたらされる。
図である。
とが一体物で鍛造されたものの概略斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】C :0.40〜0.70wt.%、 Si:1.0超え〜2.0wt.%、 Mn:0.10〜0.30wt.%未満、 P :0.010〜0.100wt.%、 S :0.010〜0.100wt.%、 Cr:0.05 〜1.0wt.%、 V :0.05 〜0.30wt.%、 Al:0.010wt.%未満、及び、 N :0.0020〜0.0200wt.%、を含み、残部
Fe及び不可避不純物からなり、炭素当量Ceqが、0.
80〜1.10wt.%の範囲内にある鋼材を、熱間鍛造
し、そして前記熱間鍛造の後で空冷し、こうして得られ
た鋼材に、前記鋼材のミクロ組織が面積率で10%以下
のフェライトと残部がパーライト又はパーライト及びベ
イナイトとからなり、前記鋼材の引張破断による破面が
脆性破面を呈し、且つ前記鋼材の降伏応力が600N/
mm2 以上である各特性を付与することを特徴とする、
高強度低延性の非調質鋼部品の製造方法。 - 【請求項2】C :0.40〜0.70wt.%、 Si:1.0超え〜2.0wt.%、 Mn:0.10〜0.30wt.%未満、 P :0.010〜0.100wt.%、 S :0.010〜0.100wt.%、 Cr:0.05 〜1.0wt.%、 V :0.05 〜0.30wt.%、 Al:0.010wt.%未満、及び、 N :0.0020〜0.0200wt.%、を含み、更
に、Sb、As及びSnからなる群から1種以上を合計
で0.010〜0.100wt.%含み、残部Fe及び不可
避不純物からなり、炭素当量Ceqが、0.80〜1.1
0wt.%の範囲内にある鋼材を、熱間鍛造し、そして前記
熱間鍛造の後で空冷し、こうして得られた鋼材に、前記
鋼材のミクロ組織が面積率で10%以下のフェライトと
残部がパーライト又はパーライト及びベイナイトとから
なり、前記鋼材の引張破断による破面が脆性破面を呈
し、且つ前記鋼材の降伏応力が600N/mm2 以上で
ある各特性を付与することを特徴とする、高強度低延性
の非調質鋼部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00967598A JP3756307B2 (ja) | 1998-01-21 | 1998-01-21 | 高強度低延性の非調質鋼部品の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11199924A true JPH11199924A (ja) | 1999-07-27 |
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JP (1) | JP3756307B2 (ja) |
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