JP2020041208A - 析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】適度な強度及び靱性と、高い耐食性とを示す析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼を提供すること。【解決手段】析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、C<0.10mass%、0.01≦Si≦0.10mass%、0.01≦Mn≦0.10mass%、P≦0.010mass%、S≦0.010mass%、7.5≦Ni≦11.0mass%、10.0≦Cr≦14.0mass%、1.0≦Mo≦2.5mass%、0.001≦N≦0.010mass%、0.40≦Al≦1.40mass%、Cu<0.10mass%、0.30≦Ti≦1.40mass%、及び、0≦Nb≦0.50mass%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、1.00≦[Al]+[Ti]+[Nb]≦2.00、4.00≦[Ni]/([Al]+[Ti]+[Nb])≦8.00、8.00≦Nieq≦12.00、及び、16.00≦Creq≦21.00を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼に関し、さらに詳しくは、適度な強度及び靱性を維持しつつ、耐食性に優れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼に関する。
析出硬化型ステンレス鋼とは、Cr−Ni系ステンレス鋼にAl、Cu、Mo、Tiなどを少量添加し、熱処理によって母相中に金属間化合物を析出させた鋼をいう。析出硬化型ステンレス鋼は、母相の組織に応じて、マルテンサイト系、セミオーステナイト系、及びオーステナイト系に分類される。
これらの中でも、SUS630をはじめとする析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、耐食性、強度、及び靱性に優れていることから、航空宇宙構造部材などに用いられている。しかしながら、従来の析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、強度と靱性のバランスが悪いという問題がある。
例えば、SUS630では、主要な硬化元素としてCuを用いているが、比較的低い降伏強度を示す。一方、強度を上昇させるために、硬化元素としてAlやTiを用いた合金(例えば、PH13−8Mo、Custom450など)が設計されてきた。しかし、これらの合金では、高い引張強度(>1450MPa)を維持しつつ、高衝撃特性を得るのは困難である。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)質量%で、C:≦0.2%、7%≦Ni≦14%、0%≦Co≦3.5%、9.5%≦Cr≦14%、0.5%≦Mo≦3%、0.25%<Al<1%、及び、0.75%<Ti≦2.5%を含み、残部がFe及び不純物からなり、さらに、
(b)所定の関係式を満足する
析出強化型ステンレス鋼が開示されている。
同文献には、Cを低く抑えた析出強化型マルテンサイト系ステンレス鋼にMoを添加し、さらに、Niと化合物を形成するAl及びTiの割合及び量を最適化すると、耐食性、引張強さ及び延性を維持しつつ、0.2%耐力を大きく改善できる点が記載されている。
特許文献2には、
(a)重量%にて、Cr:10〜19%、Ni:5.5〜10%、Si:0.4%以下、Mn:2.0%以下、Al:1.10〜2.00%、Ti:0.5〜2.0%、C:0.03%以下、及び、N:0.04%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、さらに、
(b)所定の関係式を満たす
マルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。
同文献には、
(a)Al、Ti、Niの積極的複合添加により、従来鋼よりも優れた強度が得られる点、及び、
(b)C、Nの低減を行うと共にSi量を限定することにより、加工性が著しく改善される点
が記載されている。
特許文献3には、
(a)組成が重量%において、9%≦Cr≦13%、1.5%≦Mo≦3%、8%≦Ni≦14%、1%≦Al≦2%、Al+Ti≧2.25%という条件で、0.5%≦Ti≦1.5%、測定限界値≦Co≦2%、Mo+(W/2)≦3%という条件で、測定限界値≦W≦1%、測定限界値≦P≦0.02%、測定限界値≦S≦0.0050%、測定限界値≦N≦0.0060%、測定限界値≦C≦0.025%、測定限界値≦Cu≦0.5%、測定限界値≦Mn≦3%、測定限界値≦Si≦0.25%、測定限界値≦O≦0.0050%であり、さらに、
(b)所定の関係式を満たす
マルテンサイトステンレス鋼が開示されている。
同文献には、このようなマルテンサイトステンレス鋼は、耐食性、強度、及び靱性に優れている点が記載されている。
特許文献4には、質量で、0.1%以下のC、0.1%以下のN、9.0%以上14.0%以下のCr、9.0%以上14.0%以下のNi、0.5%以上2.5%以下のMo、0.5%以下のSi、1.0%以下のMn、0.25%以上1.75%以下のTi、及び、0.25%以上1.75%以下のAlを含み、残部がFeおよび不可避不純物である析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。
同文献には、このような析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、組織の安定性、強度、靭性、耐食性、及び生産性に優れている点が記載されている。
特許文献5には、
(a)重量パーセントで、微量≦C≦0.03%、微量≦Si≦0.25%、微量≦Mn≦0.25%、微量≦S≦0.020%、微量≦P≦0.040%、8%≦Ni≦14%、8%≦Cr≦14%、1.5%≦Mo+W/2≦3.0%、1.0%≦Al≦2.0%、0.5%≦Ti≦2.0%、2%≦Co≦9%、微量≦N≦0.030%、及び、微量≦O≦0.020%を含み、残部が鉄及び不純物からなり、さらに、
(b)所定の関係式を満たす
マルテンサイトステンレス鋼が開示されている。
同文献には、このようなマルテンサイトステンレス鋼は、高い機械的強度特性及び靱性、並びに、高い耐腐食性を有する点が記載されている。
特許文献6には、
(a)質量で、0.1%以下のC、0.1%以下のN、9.0%以上14.0%以下のCr、9.0%以上14.0%以下のNi、0.5%以上2.5%以下のMo、0.5%以下のSi、1.0%以下のMn、0.25%以上1.75%以下のTi、0.25%以上1.75%以下のAlを含み残部がFeおよび不可避不純物からなる析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼製の蒸気タービン低圧最終段長翼を具備し、
(b)所定の組成を有するディスクを、低合金鋼からなるタービンロータの最終段部に接合した
蒸気タービンロータが開示されている。
同文献には、このような方法により、高効率大容量の蒸気タービンを製造することができる点が記載されている。
さらに、特許文献7には、
(a)質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:≦0.25%、Mn:0.001〜0.10%、P:≦0.010%、S:≦0.010%、Ni:8.5〜10.0%、Cr:10.5〜13.0%、Mo:2.0〜2.5%、N:0.001〜0.010%、Al:1.15〜1.50%、Cu:<0.10%、及び、Ti:≦0.20%を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなり、さらに、
(b)所定の関係式を満たす
蒸気タービンブレード用鋼が開示されている。
同文献には、このような蒸気タービンブレード用鋼は、1450MPa以上の0.2%耐力と、15J以上のシャルピー衝撃特性を両立できる点が記載されている。
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、今後さらなる強度と靱性のバランスが必要とされる。例えば、航空機部材や高強度ファスナーなどには、引張強度≧1550MPa、衝撃値≧30J/cm2が求められている。
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼において、強度は、析出物の種類及び量の影響を受ける。特に、昨今の析出硬化型ステンレス鋼では、金属間化合物を高強度化に積極的に利用している。一方、靱性もまた、析出物の種類及び量が関係していると推定されているが、詳細は明らかにされていない。そのため、析出硬化型ステンレス鋼において、単に強化元素を過剰に添加すると、強度特性の向上は得られるものの、靱性の著しい低下を伴うという問題がある。
さらに、航空宇宙部材などでは、強度、靱性、及び耐食性に優れていることが求められている。しかしながら、適度な強度及び靱性を維持しつつ、高い耐食性を示す析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼が提案された例は、従来にはない。
国際公開第2012/002208号 特開平02−310339号公報 特表2008−546912号公報 特開2013−147698号公報 特表2017−503083号公報 特開2013−209742号公報 特開2013−241670号公報
本発明が解決しようとする課題は、適度な強度及び靱性を維持しつつ、高い耐食性を示す析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、
C<0.10mass%、
0.01≦Si≦0.10mass%、
0.01≦Mn≦0.10mass%、
P≦0.010mass%、
S≦0.010mass%、
7.5≦Ni≦11.0mass%、
10.0≦Cr≦14.0mass%、
1.0≦Mo≦2.5mass%、
0.001≦N≦0.010mass%、
0.40≦Al≦1.40mass%、
Cu<0.10mass%、
0.30≦Ti≦1.40mass%、及び、
0≦Nb<0.50mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
(2)前記析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、次の式(1)〜式(4)の関係を満たす。
1.00≦[Al]+[Ti]+[Nb]≦2.00 …(1)
4.00≦[Ni]/([Al]+[Ti]+[Nb])≦8.00 …(2)
8.00≦Nieq≦12.00 …(3)
16.00≦Creq≦21.00 …(4)
但し、
Nieq=[Ni]+0.11[Mn]−0.0086[Mn]2+0.44[Cu]+18.4[N]+24.5[C]、
Creq=[Cr]+1.21[Mo]+0.48[Si]+2.2[Ti]+2.48[Al]、
[X]は、元素Xの含有量(mass%)を表す。
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼において、Cr量及びNi量を最適化すると、母相の高い耐食性を維持したまま、母相の強度及び靱性を適度に向上させることができる。さらに、Cr量及びNi量が最適化された析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼に対し、適量のAl及び適量のTiを同時に添加すると、高い耐食性を維持したまま、強度と靱性をさらに向上させることができる。これは、B2相(NiAl)と、η相(Ni3Ti)の2相による複合強化によると考えられる。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼]
[1.1. 主構成元素]
本発明に係る析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、以下のような元素を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。添加元素の種類、その成分範囲、及び、その限定理由は、以下の通りである。
(1) C<0.10mass%:
Cは、M2X型炭窒化物を析出して母材の強度向上に寄与する。また、Cは、旧オーステナイト粒径の微細化にも寄与する。しかしながら、C量が過剰になると、M2X炭窒化物が多量に析出するために、固溶温度を上げる必要が生じる。そのため、固溶化時にオーステナイト粒が粗大化し、特性バラツキの原因となる。また、時効処理時に(Cr,Mo)系炭化物が過剰に析出し、靱性及び耐食性を低下させる。さらに、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)が低下し、オーステナイト相を安定化させる。従って、C量は、0.10mass%未満である必要がある。C量は、好ましくは、0.08mass%以下、さらに好ましくは、0.05mass%以下である。
(2) 0.01≦Si≦0.10mass%:
Siは、脱酸剤として作用する。Si量が少なすぎると、溶解時の脱酸が不十分となり、清浄度が低下する。従って、Si量は、0.01mass%以上である必要がある。
一方、Si量が過剰になると、酸化物系介在物が形成され、靱性が低下する。従って、Si量は、0.10mass%以下である必要がある。
(3) 0.01≦Mn≦0.10mass%:
Mnは、Sの粒界偏析を抑制する効果がある。このような効果を得るためには、Mn量は、0.01mass%以上である必要がある。
一方、Mn量が過剰になると、硫化物が増加し、靱性が低下する。従って、Mn量は、0.10mass%以下である必要がある。Mn量は、好ましくは、0.05mass%以下である。
(4) P≦0.010mass%:
Pは、粒界に偏析し、熱間加工性を低下させる。従って、P量は、0.010mass%以下である必要がある。
(5) S≦0.010mass%:
Sは、粒界に偏析し、熱間加工性を低下させる。また、Sは、Tiと結合し、硫化物系介在物を形成する。従って、S量は、0.010mass%以下である必要がある。
(6) 7.5≦Ni≦11.0mass%:
Niは、NiAl、Ni3(Al,Ti)などの金属間化合物相を析出させ、母材の強度向上に寄与する重要な元素である。また、Niは、δフェライト相の形成を抑制する作用がある。さらに、Niは、母相の延性脆性遷移温度(ductile-brittle transition temperature, DBTT)を下げ、常温での靱性向上に寄与する。このような効果を得るためには、Ni量は、7.5mass%以上である必要がある。Ni量は、好ましくは、8.0mass%以上である。
一方、Ni量が過剰になると、Ms点が低下する。そのため、残留オーステナイトが増加し、強度が低下する。従って、Ni量は、11.0mass%以下である必要がある。Ni量は、好ましくは、10.0mass%以下、さらに好ましくは、9.0mass%以下である。
(7) 10.0≦Cr≦14.0mass%:
Crは、耐食性を確保するために必要な元素である。また、Cr量が少ないと、M2X型炭窒化物よりも粗大なM236型炭化物が安定化し、0.2%耐力が低下する。従って、Cr量は、10.0mass%以上である必要がある。Cr量は、好ましくは、11.0mass%以上、さらに好ましくは、12.0mass%以上である。
Crはまた、Ms点の調整に寄与し、Cr量が少なくなるほど、Ms点が高くなる。そのため、Cr量が少なくなるほど、固溶化熱処理後又はサブゼロ処理後の残留オーステナイトが少なくなる。また、これによって、微細組織の均質性が改善され、0.2%耐力が向上する。
逆に、Cr量が多くなるほど、Ms点が下がるために、残留オーステナイト量が増加する。また、Cr量が過剰になると、時効処理前の残留オーステナイト量が過剰になり、0.2%耐力が低下する。さらに、Cr量が過剰になると、δフェライト相が形成されやすくなる。従って、Cr量は、14.0mass%以下である必要がある。Cr量は、好ましくは、13.5mass%以下、さらに好ましくは、13.0mass%以下である。
(8) 1.0≦Mo≦2.5mass%:
Moは、耐食性の向上に寄与する。また、Moは、M2X型炭窒化物を析出させ、母材の強度向上に寄与する。さらに、Moは、旧オーステナイト粒径の微細化にも寄与する。このような効果を得るためには、Mo量は、1.0mass%以上である必要がある。Mo量は、好ましくは、1.5mass%以上、さらに好ましくは、2.0mass%以上である。
一方、Mo量が過剰になると、M2X型炭窒化物が多量に析出するために、固溶温度を上げる必要が生じる。そのため、固溶化時にオーステナイト粒が粗大化し、特性バラツキの原因となる。さらに、Mo量が過剰になると、δフェライト相が形成されやすくなる。従って、Mo量は、2.5mass%以下である必要がある。Mo量は、好ましくは、2.4mass%以下である。
(9) 0.001≦N≦0.010mass%:
Nは、M2X型炭窒化物に含まれる。しかし、Nは、強化元素として添加しているAlと結合して窒化物を形成し、靱性を低下させる。また、Nは、Ms点を低下させ、オーステナイトを安定化させる。従って、N量は、0.010mass%以下である必要がある。
一方、N量を必要以上に低減しても、強度や靱性に与える影響は少なく、むしろ製造コストを上昇させる原因となる。従って、N量は、0.001mass%以上である必要がある。
(10) 0.40≦Al≦1.40mass%:
Alは、Niと金属間化合物(2〜5nmの球状NiAl)を形成する重要な元素であり、母材の強度向上に寄与する。また、Alは、脱酸元素としても機能する。このような効果を得るためには、Al量は、0.40mass%以上である必要がある。Al量は、好ましくは、0.50mass%以上であり、さらに好ましくは、0.60mass%以上である。
一方、Al量が過剰になると、靱性が低下する。また、Al量が過剰になると、δフェライト相が形成されやすくなる。従って、Al量は、1.40mass%以下である必要がある。Al量は、好ましくは、1.35mass%以下、さらに好ましくは、1.30mass%以下である。
(11) Cu<0.10mass%:
Cuは、微量であれば、靱性を大きく損なうことなく、強度を向上させる効果がある。しかし、Cu量が過剰になると、靱性及び熱間加工性が低下する。従って、Cu量は、0.10mass%未満である必要がある。
(12) 0.30≦Ti≦1.40mass%:
Tiは、Alと同様に、Niと金属間化合物(幅2〜5nm、長さ数十nm程度の棒状Ni3Ti)を形成する重要な元素であり、母材の強度向上に寄与する。また、Ti量が十分であると、Ni3Ti析出物により粒界が被覆される。その結果、粒界強度が向上し、靱性の向上に寄与する。このような効果を得るためには、Ti量は、0.30mass%以上である必要がある。Ti量は、好ましくは、0.50mass%以上であり、さらに好ましくは、0.60mass%以上である。
一方、Ti量が過剰になると、介在物が増加し、靱性を低下させる。また、Ti量が過剰になると、δフェライト相が形成されやすくなる。従って、Ti量は、1.40mass%以下である必要がある。Ti量は、好ましくは、1.35mass%以下、さらに好ましくは、1.30mass%以下である。
(13) 0≦Nb<0.50mass%:
Nbは、Al及びTiと同様に、Niと金属間化合物(NiAlやNi3(Al,Ti)中のAlやTiの一部がNbで置換された、Ni(Al,Nb)、Ni3(Al,Ti,Nb)など)を形成し、母材の強度向上に寄与する。また、Nbは、炭窒化物を形成し、結晶粒の微細化に寄与する。そのため、Nbは、必要に応じて添加することができる。
一方、Nb量が過剰になると、炭窒化物が増加し、靱性を低下させる。また、Nb量が過剰になると、δフェライト相が形成されやすくなる。従って、Nb量は、0.50mass%未満である必要がある。Nb量は、好ましくは、0.40mass%以下、さらに好ましくは、0.30mass%以下である。
[1.2. 成分バランス]
本発明に係る析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、主構成元素が上述した範囲にあることに加えて、次の式(1)〜式(4)の関係を満たす。
1.00≦[Al]+[Ti]+[Nb]≦2.00 …(1)
4.00≦[Ni]/([Al]+[Ti]+[Nb])≦8.00 …(2)
8.00≦Nieq≦11.00 …(3)
16.00≦Creq≦21.00 …(4)
但し、
Nieq=[Ni]+0.11[Mn]−0.0086[Mn]2+0.44[Cu]+18.4[N]+24.5[C]、
Creq=[Cr]+1.21[Mo]+0.48[Si]+2.2[Ti]+2.48[Al]、
[X]は、元素Xの含有量(mass%)を表す。
[1.2.1. 式(1)]
式(1)は、Al、Ti、及びNbの総量の範囲を表す。これらの元素の総量が多くなるほど、B2相(NiAl)、η相(Ni3(Al,Ti)、Ni3(Al,Ti,Nb))などの金属間化合物の析出量が増加し、強度向上に寄与する。また、AlとTiを複合添加することで、B2相及びη相の双方の析出物が形成され、強度及び靱性の向上に寄与する。このような効果を得るためには、これらの元素の総量は、1.00mass%以上である必要がある。総量は、好ましくは、1.10mass%以上、さらに好ましくは、1.20mass%以上である。
一方、これらの元素の総量が過剰になると、金属間化合物が過剰に析出し、あるいは、δフェライト相が形成されやすくなるために、特性劣化の原因となる。従って、これらの元素の総量は、2.00mass%以下である必要がある。総量は、好ましくは、1.90mass%以下、さらに好ましくは、1.85mass%以下である。
[1.2.2. 式(2)]
式(2)は、Al、Ti、Nbの総量に対するNi量の比(以下、単に「Ni比」ともいう)の範囲を表す。Ni比が小さくなりすぎると、金属間化合物相(B2相、η相)の析出量が過剰となったり、母相の強度が不足したりして、靱性が低下する。強度と靱性を両立させるためには、Ni比は、4.00以上である必要がある。Ni比は、好ましくは、4.50以上である。
一方、Ni比が過剰になると、残留オーステナイト量の増大が著しくなり、CrやMoを低減しても残留オーステナイト量を低減することが困難となる。従って、Ni比は、8.00以下である必要がある。Ni比は、好ましくは、7.50以下、さらに好ましくは、7.00以下である。
[1.2.3. 式(3)、式(4)]
式(3)は、Ni当量(Nieq)の範囲を表す。式(4)は、Cr当量(Creq)の範囲を表す。Nieq及びCreqの組み合わせを最適化すると、均質化熱処理後(〜1240℃)にδフェライト相が残留するのが抑制され、かつ、時効処理前(固溶化熱処理後及びサブゼロ処理後)の残留オーステナイトが少なくなる(すなわち、生成マルテンサイトが多くなる)。その結果、鋼を高強度化することができる。
[A. Ni当量]
優れた耐食性を得るために必要なCreqにおいて、さらに適度な強度及び靱性を得るためには、Nieqは、8.00以上である必要がある。Nieqは、好ましくは、8.50以上である。
一方、後述するCreqにおいて、Nieqが過剰になると、時効処理前の残留オーステナイトが増大し、強度が低下する。従って、Nieqは、12.00以下である必要がある。Nieqは、好ましくは、11.00以下、さらに好ましくは、9.50以下である。
[B. Cr当量]
Creqが少なすぎると、十分な耐酸化性及び耐食性が得られない。従って、Creqは、16.00以上である必要がある。Creqは、好ましくは、17.00以上、さらに好ましくは、18.00以上である。
一方、Creqが過剰になると、均質化熱処理後もδフェライト相が残留し、衝撃値が低下する。また、Creqが過剰になると、時効処理前の残留オーステナイトが増大し、強度が低下する。従って、Creqは、21.00以下である必要がある。Creqは、好ましくは、20.00以下である。
[2. 析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法]
本発明に係る析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、
(a)所定の組成となるように配合された原料を溶解・鋳造し、
(b)得られた鋳塊に対し、均質化熱処理を行い、
(c)均質化熱処理後の素材を熱間鍛造し、
(d)熱間鍛造された素材に対し、固溶化熱処理を行い、
(e)固溶化熱処理後の素材に対して、必要に応じてサブゼロ処理を行い、
(f)サブゼロ処理後の素材に対して、時効処理を行う
ことにより製造することができる。
[2.1. 溶解鋳造工程]
まず、所定の組成となるように配合された原料を溶解・鋳造する。溶解・鋳造の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法及び条件を選択することができる。
[2.2. 均質化熱処理工程]
次に、得られた鋳塊に対し、均質化熱処理を行う。均質化熱処理は、鋳造時に生じた偏析を除去するために行われる。均質化熱処理の条件は、このような効果を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。通常、均質化熱処理は、温度:1150〜1240℃、時間:10hr以上の条件で、鋳塊を加熱保持することにより行う。
[2.3. 熱間鍛造工程]
次に、均質化熱処理後の素材を熱間鍛造する。熱間鍛造は、粗大な鋳造組織を破壊し、組織を微細化するために行われる。熱間鍛造の条件は、このような効果を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。通常、熱間鍛造は、900〜1240℃×1hr以上の条件で素材を加熱し、鍛造終止温度900℃の条件下で鍛造し、その後空冷することにより行う。なお、熱間鍛造は、均質化熱処理を行った後、素材を室温まで冷却することなく、連続して実施しても良い。
[2.4. 固溶化熱処理工程]
次に、熱間鍛造後の素材に対して、固溶化熱処理を行う。固溶化熱処理は、素材をオーステナイト単相にした後、マルテンサイト変態させるために行う。固溶化熱処理の条件は、このような効果を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。通常、固溶化熱処理は、温度:900〜1100℃×加熱時間:1〜10hrの条件の下で素材を加熱し、冷却することにより行う。冷却方法としては、例えば、空冷、衝風冷却、油冷、水冷などがある。
[2.5. サブゼロ処理工程]
次に、固溶化熱処理後の素材に対して、必要に応じてサブゼロ処理を行う。サブゼロ処理は、固溶化熱処理後に残留しているオーステナイトをマルテンサイトに変態させるために行う。サブゼロ処理の条件は、このような効果を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。通常、サブゼロ処理は、素材を0℃以下の温度において、1〜10hr保持することにより行う。
[2.6. 時効処理工程]
次に、サブゼロ処理後の素材に対して、時効処理を行う。時効処理は、母相中に、B2相、η相などの金属間化合物相を析出させるために行う。時効処理の条件は、このような効果を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。通常、時効処理は、素材を400〜600℃において、1〜24hr加熱することにより行う。熱処理後、空冷にて冷却を行う。
[3. 作用]
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、強度、靱性、及び耐食性に優れている材料であるが、強度と靱性をバランスさせるのが難しいことが知られている。析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼において、高強度化は、主としてCuやAlなどの強化元素を添加することにより行われている。しかしながら、単に強化元素を過剰に添加すると、強度特性は向上するが、靱性が著しく低下する。
さらに、従来の析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、強度及び靱性を適度にバランスさせつつ、耐食性を更に向上させることが難しい。
これに対し、析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼において、Cr量及びNi量を最適化すると、母相の高い耐食性を維持したまま、母相の強度及び靱性を適度に向上させることができる。さらに、Cr量及びNi量が最適化された析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼に対し、適量のAl及び適量のTiを同時に添加すると、高い耐食性を維持したまま、強度と靱性をさらに向上させることができる。これは、B2相(NiAl)と、η相(Ni3Ti)の2相による複合強化によると考えられる。
(実施例1〜13、比較例1〜8)
[1. 試料の作製]
真空誘導炉にて、表1に示す組成の鋼50kgを溶解し、造塊した。その後、1220℃×20hr、空冷の条件下で均質化熱処理を施した。さらに、スタート温度1220℃、終止温度900℃の条件下でφ24mmの丸棒を鍛造し、その後空冷した。
次に、各鋼塊を、1000℃×1hr、水冷の条件下で固溶化熱処理を行った。続いて、−30℃×3hrの条件下でサブゼロ処理を行った。さらに、530℃×4hr、空冷の条件下で時効処理を行った。
[2. 試験方法]
[2.1. 引張試験(0.2%耐力の測定)]
ASTM A370に規定する金属引張試験方法に準じて引張試験を行い、0.2%耐力を測定した。試験片には、ASTM E8による試験部直径φ12.5mm、標点間距離50mmであるものを用いた。試験温度は、室温とした。
[2.2. シャルピー衝撃試験]
長手方向が鍛伸方向と一致するように、2mmVノッチ試験片を採取した。この試験片を用いて、ASTM A370規格に準拠して衝撃特性(吸収エネルギー)の測定を行った。試験温度は、室温とした。
[2.3. 孔食電位の評価試験]
JIS G 0577に規定する孔食電位測定方法に準じ、測定面積が1cm2となるように試料表面を絶縁被覆した。30±1℃の3.5mass%NaCl水溶液を試験液に用い、掃引速度を20mV/minとして孔食電位を測定し、耐食性を評価した。
[3. 結果]
表1に、結果を示す。なお、表1には、各試料の組成も併せて示した。表1より、以下のことが分かる。
Figure 2020041208
(1)比較例1は、C量が過剰であるために、0.2%耐力は高く(>1400MPa)、適度な耐食性を示す(100〜150mV)が、靱性は低い(<10J)。
(2)比較例2は、Al+Ti+Nb量が過剰であるために、0.2%耐力は高く(>1400MPa)かつ、適度な耐食性を示す(100〜150mV)が、靱性は低い(<10J)。
(3)比較例3は、Ti量が少ないために、適度な0.2%耐力(1300〜1400MPa)と適度な耐食性(100〜150mV)を示すが、靱性が低い(<10J)。これは、Ti量が少ないために、B2相とη相の複合析出による効果が十分に発揮されないためと考えられる。
(4)比較例4は、Al量が少ないために、靱性は高く(>20J)、適度な耐食性(100〜150mV)を示すが、0.2%耐力が低い(<1300MPa)。これは、Al量が少ないために、B2相とη相の複合析出による効果が十分に発揮されないためと考えられる。
(5)比較例5は、Ni量が過剰であるために、靱性は高く(>20J)、適度な耐食性を示す(100〜150mV)が、0.2%耐力は低い(<1300MPa)。これは、残留オーステナイト量が増加したためと考えられる。
(6)比較例6は、Al量及びTi量が共に少なく、かつ、Al+Ti+Nb量も少ないために、靱性は高く(>20J)、適度な耐食性を示す(100〜150mV)が、0.2%耐力が低い(<1300MPa)。
(7)比較例7は、Cr量が過剰であり、かつ、Creqも過剰であるために、0.2%耐力は高く(>1400MPa)、かつ、耐食性も高い(>150mV)が、靱性は低い(<10J)。これは、δフェライト相が生成したためと考えられる。
(8)比較例8は、Ni量が少なく、かつ、Nieqも少ないために、適度な耐食性を示す(100〜150mV)が、0.2%耐力を示す前に破断し、靱性も低い(<10J)。
(9)実施例1〜13は、いずれも0.2%耐力、靱性、及び耐食性がともに高い。
(10)実施例8〜13は、特に耐食性が高い。これは、Cr量及びMo量が相対的に多いためと考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、蒸気タービンブレード、航空宇宙構造部材、高強度ファスナーなどに用いることができる。

Claims (1)

  1. 以下の構成を備えた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼。
    (1)前記析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、
    C<0.10mass%、
    0.01≦Si≦0.10mass%、
    0.01≦Mn≦0.10mass%、
    P≦0.010mass%、
    S≦0.010mass%、
    7.5≦Ni≦11.0mass%、
    10.0≦Cr≦14.0mass%、
    1.0≦Mo≦2.5mass%、
    0.001≦N≦0.010mass%、
    0.40≦Al≦1.40mass%、
    Cu<0.10mass%、
    0.30≦Ti≦1.40mass%、及び、
    0≦Nb<0.50mass%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。
    (2)前記析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼は、次の式(1)〜式(4)の関係を満たす。
    1.00≦[Al]+[Ti]+[Nb]≦2.00 …(1)
    4.00≦[Ni]/([Al]+[Ti]+[Nb])≦8.00 …(2)
    8.00≦Nieq≦12.00 …(3)
    16.00≦Creq≦21.00 …(4)
    但し、
    Nieq=[Ni]+0.11[Mn]−0.0086[Mn]2+0.44[Cu]+18.4[N]+24.5[C]、
    Creq=[Cr]+1.21[Mo]+0.48[Si]+2.2[Ti]+2.48[Al]、
    [X]は、元素Xの含有量(mass%)を表す。
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