JPH0153586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は複数の色の塗料を各色ごとに切換えて
吐出できるようにした塗装装置の構造に関するも
のである。

〔従来の技術〕

工場での多種製品への塗装工程において、一つ
の塗装ラインに乗る適宜数の製品に一つの色彩の
塗装を一つの塗料吐出ノズルガンにて施した後、
その後の適宜数の別の製品には前記と同じ塗料吐
出ノズルガンを使つて別の色の塗装を施すという
ように、適宜数の製品ごとに色彩の異なる塗装を
施すことができる色替え塗装装置の従来例とし
て、先行技術の実願昭53−144263号（実開昭55−
61474号）明細書及び図面並びに本願に添付の第
１図に示すように、色の異なる塗料を収容するタ
ンク等の容器１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄごとにリリ
ーフ弁や定容量吐出開閉弁等の塗料吐出量調整装
置２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを継ぎ、該各塗料吐出
量調整装置からのパイプをカラーチエンジバルブ
３に接続し、カラーチエンジバルブ３から一本の
パイプ４にてON・OFFバルブ５を介して吐出ノ
ズルガン６に継ぎ、所定の色の塗料吐出量調整装
置のみを駆動すると共にカラーチエンジバルブ３
の所定弁箇所を開放し、該カラーチエンジバルブ
３に対して前記各塗料吐出量調整装置２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄとは並列状に接続したエアータン
ク７からの高圧空気と共に塗料を吐出ノズルガン
６から吐出させて塗装する構成であつた。

〔発明が解決しようとする課題〕

このように、上記先行技術の装置では各塗料タ
ンクからカラーチエンジバルブの間に一つの塗料
ごとに一つの塗料吐出量調整装置を備えているか
ら、色替えの塗料ごとに高価な塗料吐出量調整装
置が必要であるため、塗装装置全体としてコスト
が非常に高くなるのであつた。

また、これらの先行技術によれば、色替えする
に先立つて、エアータンク７からの高圧空気と、
洗浄用シンナータンク８からの洗浄用シンナーを
前記各塗料吐出量調整装置２ａ，２ｂ，２ｃ，２
ｄと並列状に、つまり前記高圧空気及び洗浄用シ
ンナーを各塗料吐出量調整装置の箇所を通過しな
い状態で、カラーチエンジバルブ３に供給し、該
カラーチエンジバルブ３内及びパイプ４、ON・
OFFバルブ５並びに吐出ノズルガン６の各内部
に残存した塗料を排出し、これら各部品内に付着
した塗料を洗い出した後に別の塗料吐出量調整装
置を作動させて色替え塗装作業を実行することに
なる。

従つて、洗浄作業に際しては空気や洗浄用シン
ナーはカラーチエンジバルブ３内は通過するけれ
ども、前記各塗料吐出量調整装置２ａ，２ｂ，２
ｃ，２ｄの箇所を通過しないので、塗料吐出量調
整装置を長期間使わないと内部の塗料の沈澱物等
がこびり付いて正常に作動しないことがあり、塗
料吐出量調整装置の洗浄がまつたく不要とは云え
ず、上記従来の先行技術の装置であれば塗料吐出
量調整装置を取り外してから内部を洗浄しなけれ
ばならないという問題があつた。

本願の発明は、前記の複数の問題を解決するこ
とを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため、第１項に記載の発明
は、色ごとの塗料が収容された複数の塗料タンク
を、そこから一色ごとに選択して流入できるよう
にした一つのカラーチエンジバルブに接続し、こ
のカラーチエンジバルブにエアータンク及び洗浄
用シンナータンクを接続し、前記カラーチエンジ
バルブから塗料吐出ノズルガンへの主通路には、
塗料吐出ノズルガンに近い側にON・OFFバルブ
を、カラーチエンジバルブに近い側に塗料吐出量
調整装置を各々接続し、前記カラーチエンジバル
ブとON・OFFバルブと間の主通路には塗料吐出
量調整装置を設けた構成であり、第２項の発明
は、前記第１項の発明の構成に加えて、前記塗料
吐出量調整装置とON・OFFバルブとの間の主通
路には、大気に開放するバイパスバルブを備えた
バイパス管を接続した構成としたものである。

〔実施例〕

次に本発明の実施例を説明すると、第２図にお
いて、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，はＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄの４色
の塗料を各々別個に収容した塗料タンク、１０は
エアータンク、１１は洗浄用シンナータンクを示
す。１２はカラーチエンジバルブで、該バルブ１
２へは各々パイプにて前記各タンクＡ，Ｂ，Ｃ，
Ｄ，１０，１１と接続されており、カラーチエン
ジバルブ１２の切換により各色ごとに塗料を択一
的に後述の主通路１３に供給することができる。
またこのカラーチエンジバルブ１２の切換にてエ
アーのみ、又は、シンナーのみを主通路１３に供
給することができる。

カラーチエンジバルブ１２の吐出側に一端を接
続した主通路１３の他端には塗料吐出ノズルガン
１４を接続し、主通路１３の中途部には前記カラ
ーチエンジバルブ１２寄りにリリーフ弁等の塗料
吐出量調整装置１５を、吐出ノズルガン１４寄り
にはON・OFFバルブ１６をそれぞれ介挿する。

さらに塗料吐出量調整装置１５とON・OFFバ
ルブ１６との間の主通路１３にはバイパス管１７
の一端を接続し、該バイパス管１７に接続したバ
イパスバルブ１８を介して大気に開放するように
構成する。なお第２図の実施例では主通路１３を
中途で２つに分岐して、各々主通路１３，１３に
それぞれ塗料吐出量調整装置１５、ON・OFFバ
ルブ１６、吐出ノズルガン１４を備えるものと
し、カラーチエンジバルブ１２から吐出される塗
料の量が分岐する箇所で各通路に等量づつ流入で
きるように分岐箇所をＹ字状等に構成している。

この構成により、例えばＡ色の塗料を吐出ノズ
ルガン１４から吐出させるには、カラーチエンジ
バルブ１２の切換でタンクＡから主通路１３を経
て塗料吐出量調整装置１５に塗料を送り、ここで
所定の圧力に調整する。そしてON・OFFバルブ
１６を開けば吐出ノズルガン１４から図示しない
高圧空気と共にＡ色の塗料が単位時間に所定量だ
け霧状に吐出する。

次にＢ色の塗料を使用したい場合には、まずカ
ラーチエンジバルブ１２を切換えてタンクＡから
の塗料の供給を遮断する。この状態では、カラー
チエンジバルブ１２、主通路１３、塗料吐出量調
整装置１５、ON・OFFバルブ１６、並びに吐出
ノズルガン１４の各内部にＡ色の塗料が残存して
いることになるので、これを速やかに排出洗浄し
なければならない。

そのため、前記塗料吐出量調整装置１５を最大
吐出量に開放し、ON・OFFバルブ１６を開放す
ると共にカラーチエンジバルブ１２を切換えてエ
アーのみ主通路１３に供給すると、前記吐出ノズ
ルガン１４からＡ色の塗料が排出される。しか
し、当該吐出ノズルガン１４による単位時間あた
りの最大吐出量は限られたものであるので、これ
だけは短時間内に前記カラーチエンジバルブ１２
から吐出ノズルガン１４までの各部内の塗料を排
出できない。

そこで前記バイパス管１７のバイパスバルブ１
８も開放することで、バイパスバルブ１８と吐出
ノズルガン１４の両者から同時にＡ色塗料を短時
間で排出できることになる。

そして、前記エアーのみではカラーチエンジバ
ルブ１２、主通路１３、塗料吐出量調整装置１
５、ON・OFFバルブ１６、吐出ノズルガン１４
の各部内に付着したＡ色塗料がとれないので、カ
ラーチエンジバルブ１２の切換操作により、洗浄
シンナー、とエアーを交互に送り、前記各部内の
塗料を効率良く洗い出す。このときも吐出ノズル
ガン１４とバイパスバルブ１８の両者開放してお
くことより吐出ノズルガン１４のみによるときに
比べ短時間で塗料を洗い出すことができる。

このようにしてＡ色の塗料の排出、洗浄後にバ
イパス管バルブ１８を閉じ、塗料吐出量調整装置
１５の吐出量を調整し、カラーチエンジバルブ１
２の切換でＢ色塗料を送り出せば良いのである。

なお、静電塗装の場合は従来周知の手段を用い
て本発明を適用できることは云うまでもない。

〔発明の作用・効果〕

このように特許請求の範囲の第１項に記載の発
明では、複数の色の塗料を択一的に流入させるこ
とができる一つのカラーチエンジバルブから吐出
ノズルガンのON・OFFバルブへの主通路中に塗
料吐出量調整装置を一つだけ設けるので、従来の
ように塗料タンクごとに塗料吐出量調整装置を接
続し、そこから一つのカラーチエンジバルブに塗
料を供給する場合のように色の数だけ塗料吐出量
調整装置を必要とせず、大巾に塗料吐出量調整装
置の数を減少でき、塗料装置全体のコストを大巾
に低減できる。

そして、一つのカラーチエンジバルブから吐出
ノズルガンのON・OFFバルブへの主通路中に塗
料吐出量調整装置を設けてあるから、色替え洗浄
時にカラーチエンジバルブ内を洗浄するために供
給したエアーや洗浄用シンナーが主通路中の塗料
吐出量調整装置箇所をも通過するから、色替えに
先立つて洗浄時に合せて、カラーチエンジバル
ブ、主通路、ON・OFFバルブ、吐出ノズルガン
ばかりでなく、塗料吐出量調整装置内部の洗浄も
同時にできる。

従つて、従来、塗料タンクとカラーチエンジバ
ルブとの間に塗料吐出量調整装置を設けた場合の
ように、洗浄するためのエアーや洗浄用シンナー
が通過し得ない構造の場合に生じる問題、即ち、
当該塗料吐出量調整装置内部の洗浄を実行するに
は、その装置を外すという手間を、本発明では省
くことができ、且つその洗浄作業も容易となると
いう顕著な効果を奏するのである。

さらに、特許請求の範囲の第２項の発明では、
第１項の発明の構成に加えて、塗料吐出量調整装
置と吐出ノズルガンのON・OFFバルブとの間の
主通路にバイパス管を接続し、これに続くバイパ
スバルブから大気に開放するように構成したか
ら、前記第１項の発明の作用・効果に加えて、色
替え作業に際して、カラーチエンジバルブから吐
出ノズルガンまでに残留した塗料を前記バイパス
バルブと吐出ノズルガンとの両者から排出でき、
これに供うエアー、洗浄用シンナーの排出も速や
かに行えるので、従来に比べて塗料吐出量調整装
置内に残留した塗料だけ余分に多くなつても排出
洗浄に要する時間を短縮できるという効果をも有
するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブロツク線図、第２図は本発明
のブロツク線図である。 １０……エアータンク、１１……洗浄用シンナ
ータンク、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ……塗料タンク、１３
……主通路、１５……塗料吐出量調整装置、１４
……吐出ノズルガン、１６……ON・OFFバル
ブ、１７……バイパス管、１８……バイパスバル
ブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 色ごとの塗料が収容された複数の塗料タンク
   を、そこから一色ごとに選択して流入できるよう
   にした一つのカラーチエンジバルブに接続し、こ
   のカラーチエンジバルブにエアータンク及び洗浄
   用シンナータンクを接続し、前記カラーチエンジ
   バルブから塗料吐出ノズルガンへの主通路には、
   塗料吐出ノズルガンに近い側にON・OFFバルブ
   を、カラーチエンジバルブに近い側に塗料吐出量
   調整装置を各々接続し、前記カラーチエンジバル
   ブとON・OFFバルブと間の主通路には塗料吐出
   量調整装置を設けたことを特徴とする色替え塗装
   装置。 ２ 色ごとの塗料が収容された複数の塗料タンク
   を、そこから一色ごとに選択して流入できるよう
   にした一つのカラーチエンジバルブに接続し、こ
   のカラーチエンジバルブにエアータンク及び洗浄
   用シンナータンクを接続し、前記カラーチエンジ
   バルブから塗料吐出ノズルガンへの主通路には、
   塗料吐出ノズルガンに近い側にON・OFFバルブ
   を、カラーチエンジバルブに近い側に塗料吐出量
   調整装置を各々接続し、前記カラーチエンジバル
   ブとON・OFFバルブと間の主通路には塗料吐出
   量調整装置を設け、該塗料吐出量調整装置と
   ON・OFFバルブとの間の主通路には、大気に開
   放するバイパスバルブを備えたバイパス管を接続
   したことを特徴とする色替え塗装装置。