JPH0146323B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ウインドウパネルをピラーに固定す
るウインドウパネルの固定構造に係り、特に折れ
部を両側部に有するウインドウパネルの固定構造
に関する。

自動車の車室内前面には、従来からウインドウ
パネルとして平板状のフロントウインドウガラス
が配設されているが（例えば昭和55年11月日産自
動車(株)発行日産ローレル整備要領書C31型）、近
年にあつては、フロントウインドウガラスの両側
部における空力特性を向上させるために、第１図
に示すようにフロントピラー１の外側面にまで廻
り込む折れ部２を両側に折曲形成したフロントウ
インドウガラスＷの使用が考えられている。

上記フロントウインドウガラスＷは第２図に示
すように２枚の折曲ガラス３，４の間に樹脂膜５
を挾み込んではり合せたものであり、フロントピ
ラー１の外表面を廻り込むように折曲成形された
折れ部２は、黒色の樹脂膜６によつて着色されて
いる。そしてこのフロントウインドウガラスＷの
フロントピラー１への取り付けは、フロントピラ
ー１の前面と側面とに接着剤７，８を配設し、フ
ロントウインドウガラスＷを自動車の前方（第２
図において上方）から嵌め込み、接着剤７，８を
フロントウインドウガラスＷとフロントピラー１
との間に挟み込んで、接着剤を硬化させた構造が
考えられている。なお図中、符号９は接着剤７の
漏出を防止するダムラバーを、符号１０は、サイ
ドウインドウガラスを、また符号１１は、サイド
ウインドウガラス１０の水密を行うウエザースト
リツプを示す。

しかしながら上記のフロントウインドガラスＷ
の固定構造にあつては、フロントウインドウガラ
スＷの製造誤差で発生する横幅の長さｌの変動
や、車体の製造誤差及びフロントウインドウガラ
スＷの組付け誤差によつて、フロントウインドウ
ガラスＷとフロントピラー１の外側面との間隔が
左右で異なり、フロントウインドウガラスＷの表
面と、サイドウインドウガラス１０表面とに車体
の左右で異なつたずれｄ，d′が発生する場合があ
り、フロントウインドウガラスＷの組付けには細
心の注意をはらう必要がある。また一担組付けた
フロントウインドウガラスＷを上記ずれｄ，d′の
差の解消のために移動したのでは接着性能が低下
してしまうという不具合が考えられる。

この発明は以上の不具合に鑑みなされたもので
あつて、ウインドウガラスＷの組付けに際し、ウ
インドウガラスＷの折れ部２内側面とピラー１外
側面との間隔を一定に保つて容易に固定できるウ
インドウパネルの固定構造を提供することを目的
とする。

そしてこの目的はウインドウパネルの両側部に
折れ部を折曲形成し、この折れ部をピラー外側に
廻し込み固定してなるウインドウパネルの固定構
造において、上記両折れ部の後部内側にナツトを
固定すると共に、ピラーの上記ナツトに対応する
部位に、ボルト挿通孔を設け、このボルトを挿通
孔にボルトを挿入し上記ナツトにボルトを螺入し
てウインドウパネルをピラーに固定するウインド
ウパネルの固定構造で達成される。

次に本発明の実施例に係るウインドウパネルの
固定構造について説明する。

第３図は本発明の第一の実施例に係るウインド
ウパネルの固定構造を示している。本実施例にお
いて、フロントウインドウガラスＷは、前述した
フロントウインドウガラスＷと同一で２枚の折曲
ガラス３，４の間に樹脂膜５を挟み込み、折れ部
２は有色の樹脂膜６で着色されている。そしてこ
の折れ部２の内側面の後方には、金属製ナツト１
２がナツト接着剤１３で接着されている。

フロントピラー１はフロントピラーアウタパネ
ル１ａとフロントピラーインナーパネル１ｂとで
構成されており、このフロントピラーアウタパネ
ル１ａには、組立時に上記フロントウインドウガ
ラスＷに接着されたナツト１２に対応する位置に
ボルト挿通孔１４が穿設され、またフロントピラ
ーインナパネル１ｂには上記フロントピラーアウ
タパネル１ａのボルト挿通孔１４に対応する位置
に作業孔１５が設けられている。

そして上記フロントウインドウガラスＷはフロ
ントピラーアウタパネル１ａの前方に設けられた
接着剤１６と、上記ボルト挿通孔１４に挿入さ
れ、フロントウインドウガラスＷに接着されたナ
ツト１２に螺入されたボルト１７でフロントピラ
ー１に固定されている。

従つて両側部に折れ部２を有するフロントウイ
ンドウガラスＷをフロントピラー１に固定するに
は、先ず、フロントピラーアウタパネル１ａの外
側面前方に接着剤１６を配し、車体前方からフロ
ントウインドウガラスＷを組み付ける。そして、
ナツト１２とボルト挿通孔１４とを合わせ、ボル
ト１７を上記作業孔１５から上記ボルト挿通孔１
４に挿入してナツト１２に螺入して締結する。こ
の際フロントウインドウガラスＷに製作誤作があ
り、このウインドウガラスＷの横幅や折れ部１３
の折曲角度が異なつたり、車体の製造誤差があつ
ても、フロントウインドウガラスＷをボルト１７
で機械的に固定しているから、上記誤差はフロン
トウインドウガラスＷが撓むことによつて吸収さ
れ、フロントウインドウガラスＷの折れ部２内側
面とフロントピラー１外側面との間の間隔は、常
にナツト１２の厚みと同一となり、左右のフロン
トウインドウガラスＷ内側とフロントピラー１の
外側との寸法は常に同一となる。

次に本発明の第２の実施例に係るウインドウパ
ネルの固定構造について説明する。第４図は本実
施例に係るフロントウインドウパネルの固定構造
を示し、第一の実施例に係る部材と同一の部材に
は同一の符号を付してその説明は省略する。

本実施例において、第一の実施例と異なる所
は、フロントピラー１８を構成するフロントピラ
ーアウタパネル１８ａとフロントピラーインナー
パネル１８ｂとの後部接合フランジ部１８ｃにボ
ルト挿通孔１９を設けてフロントウインドウガラ
スＷをフロントピラー１８に固定するようにして
いる点である。

従つて本実施例に係るフロントウインドウパネ
ルの構造方法にあつては、前述した第一の実施例
同様の手順でフロントウインドウガラスＷをフロ
ントピラー１８に取り付けることとなる。この場
合、第一の実施例と同様にフロントウインドウガ
ラスＷの折れ部２内側面とフロントピラー１８外
側面との間隔は常に一定となる他、ボルト１７を
第一実施例の場合のように作業孔１５等を通すこ
となく直接ボルト挿通孔１９に挿入してナツト１
２に螺入できるから、ボルト１７等がピラー１８
内に落ち込むことがなく、作業はより容易なもの
となる。

なお、上記２つの実施例においてはナツトが金
属性の場合について説明したが、これは樹脂製等
の他の材質であつてもよい。

以上説明したように、本発明に係るウインドウ
パネルの固定構造によれば、ウインドウパネルの
両折れ部の後部内側面にナツトを固定して、フロ
ントピラーに設けたボルト挿通孔にボルトを挿通
してこのナツトに螺入してフロントウインドウシ
ールドをフロントピラーに固定するようにしたか
ら、常にウインドウパネル内側とピラーの外側面
との間隔を一定にして容易に固定でき作業効率が
向上し、フロントウインドウパネル外側面とサイ
ドウインドウパネル外側面とのずれは常に同一と
なり、外観品質が向上するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は両端に折れ部を有するフロントウイン
ドウパネルを使用した自動車を示す斜視図、第２
図は第１図に示したフロントウインドウパネルの
固定構造の一例を示す第１図中の−線断面
図、第３図は本発明の第一の実施例に係るフロン
トウインドウパネルの固定構造を示す断面図、第
４図は本発明の第二の実施例に係るフロントウイ
ンドウパネルの固定構造を示す断面図である。 １，１８……フロントピラー（ピラー）、２…
…折れ部、１２……ナツト、１４，１９……ボル
ト挿通孔、１７……ボルト、Ｗ……フロントウイ
ンドウガラス（ウインドウパネル）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ウインドウパネルの両側部に折れ部を折曲形
   成し、この折れ部をピラー外側に廻し込み固定し
   てなるウインドウパネルの固定構造において、上
   記両折れ部の後部内側面にナツトを固定すると共
   に、ピラーの上記ナツトに対応する部位にボルト
   挿通孔を設け、このボルト挿通孔にボルトを挿入
   し上記ナツトにボルトを螺入してウインドウパネ
   ルをピラーに固定することを特徴とするウインド
   ウパネルの固定構造。