JPS6114896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用サイドドアの上端コーナー
部に設けられるコーナーブラケツトの取付構造に
関するものである。

従来、第１図に示すごとくサツシユ付サイドド
アにおいては、サイドドア１上方のサツシユ２開
口部全体をウインドガラス３にすると、ウインド
ガラス３とサイドドア１との形状により、このウ
インドガラス３を降ろしてサイドドア１内に完全
に収容することが困難な場合があるため、サイド
ドア１の前方の上端コーナー部に三角形状のコー
ナーブラケツト４を設け、ウインドガラス３の前
端部をカツトしてサイドドア１内に容易に収容で
きるようにしている。この種のサツシユ付サイド
ドアのコーナーブラケツト４では、インナ部分と
アウタ部分とを別部品に形成し、これをそれぞれ
別途にドアパネルおよびサツシユに固定する構造
が一般的であるが、インナ部分とアウタ部分との
間に挿入されるウインドガラス３に対するシール
性および組付作業性の面で問題があるばかりでな
く、コーナーブラケツト４をドアパネルに固着し
ても、ドアパネルが強度の小さな薄肉板であるた
め十分な取付強度が得られないという欠点があ
る。

一方、例えばハードトツプ型自動車のように、
サツシユレス型サイドドアを採用したものもある
が、この種のサツシユレス型サイドドアにおいて
も、コーナーブラケツトを設けてウインドガラス
の昇降性を改善するとともに、ウインドガラスの
保持強度を向上させることが試みられている。し
かしながら、サツシユレス型サイドドアでは、サ
ツシユ付サイドドア以上にコーナーブラケツトの
取付強度が要求され、単にサイドドアのインナー
パネルおよびアウターパネルに取付けただけのコ
ーナーブラケツトでは、小さな衝撃で両パネルの
変形をきたし、シール性の悪化等の不具合を有し
ている。

本考案は、上記従来の欠点に鑑みてなされたも
ので、コーナーブラケツトを上方へ延長成形する
とともに、上側ヒンジレインフオースメントを上
方へ延長成形し、コーナーブラケツト延長部とヒ
ンジレインフオースメント延長部とインナーパネ
ルとを３枚重ねにして溶着することにより、シー
ル性、組付作業性を改善するとともに、取付強度
の向上を図つた自動車用サイドドアのコーナーブ
ラケツト取付構造を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例である添付図面にした
がつて説明する。

第２図、第３図は本考案にかかるサツシユ付自
動車用サイドドアの上端コーナー部を示し、１０
はインナーパネル、１１はアウターパネル、１２
はサツシユ、１３はコーナーブラケツト、１８は
上側ヒンジレインフオースメントで、インナーパ
ネル１０、アウターパネル１１およびサツシユ１
２は従来と同様のものである。

コーナーブラケツト１３は、第４図に示すごと
く側面が略三角形状で、アウタ部１４とインナ部
１５とが前方の連結部１６を介して一体に結合さ
れた断面略コ字状に形成され、後方と下方とが開
放している。そして、前方の連結部１６はサツシ
ユ１２とスポツト溶接にて結合されている。この
コーナーブラケツト１３の下部には、インナーパ
ネル１０の上縁よりも下方へ延長成形した延長部
１７が一体に設けられている。

上側ヒンジレインフオースメント１８（第５図
参照）はサイドドアを車体に枢着する上側ヒンジ
部を内方より補強するもので、板厚が1.4〜2.0mm
の金属板から構成され、上記インナーパネル１０
（板厚0.7〜0.8mm）に比べてかなり大きな曲げ強
度を有している。なお、第５図中、１９はヒンジ
取付孔である。このヒンジレインフオースメント
１８の上部には、インナーパネル１０上縁まで上
方へ延長成形した延長部２０が一体に設けられて
いる。

なお、第２図〜第５図中、×印は溶接箇所を示
す。

ここで、上記サイドドアを構成する各部品の組
付方法を説明する。まず、コーナーブラケツト１
３の連結部１６とサツシユ１２とをスポツト溶接
にて結合する一方、インナーパネル１０とヒンジ
レインフオースメント１８とを第２図中Ａ、Ｂ、
Ｃの箇所でスポツト溶接する。つぎに、上記コー
ナーブラケツト１３をインナーパネル１０および
ヒンジレインフオースメント１８の側面に接合さ
せ、コーナーブラケツト延長部１７とインナーパ
ネル上縁部１０ａとをヒンジレインフオースメン
ト延長部２０を間に３枚重ねにして、Ｄの箇所で
スポツト溶接する。その後、第３図に示すごとく
コーナーブラケツト１３とアウターパネル１１と
をＥの箇所でロウ付けするとともに、アウターパ
ネル１１の外周端部を内側に折り込んでインナー
パネル１０と結合し、組付を完了する。

上記のように、コーナーブラケツト延長部１７
とインナーパネル上縁部１０ａとヒンジレインフ
オースメント延長部２０とを３枚重ねで溶着した
ので、強度の大なるヒンジレインフオースメント
１８によつて、コーナーブラケツト１３の取付強
度が従来に比べて大巾に向上し、衝撃によるシー
ル性の悪化やウインドガラスの昇降性の悪化等の
不具合を解消することができるとともに、上記両
延長部１７，２０はインナーパネル１０の上縁部
１０ａで覆われているため、外部に露出すること
なく外観を損わない。

また、コーナーブラケツト１３は略三角形状で
かつ断面略コ字状であつて、アウタ側とインナ側
とが一体に形成されているので、両者間の寸法精
度が良好で、シール性、組付作業性に優れるとい
う特長がある。

なお、上記実施例ではサツシユ付サイドドアに
ついて説明したが、本考案はサツシユレス型サイ
ドドアにおいても同様に適用することができる。

以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、略三角形状でかつ断面略コ字状のコーナーブ
ラケツトの延長部とヒンジレインフオースメント
の延長部とインナーパネルとを３枚重ねにして溶
着したので、簡単な構造でかつ部品点数を増加さ
せることなくシール性、組付作業性を改善できる
とともに、コーナーブラケツトの取付強度を大巾
に向上させることができる。また、このようにコ
ーナーブラケツトの取付強度を向上させているの
で、このコーナーブラケツトにドアミラー等を取
付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサツシユ付サイドドアの全体斜視図、
第２図は本考案の要部であるコーナーブラケツト
取付部の斜視図、第３図は第２図の−線切断
端面図、第４図はコーナーブラケツトの斜視図、
第５図は上側ヒンジレインフオースメントの斜視
図である。 １０……インナーパネル、１０ａ……上縁部、
１３……コーナーブラケツト、１７……延長部、
１８……上側ヒンジレインフオースメント、２０
……延長部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用サイドドアの上端コーナー部に設けら
   れるコーナーブラケツトの取付構造において、略
   三角形状でかつ断面略コ字状のコーナーブラケツ
   トをサイドドアのインナーパネル上縁より下方へ
   延長成形するとともに、サイドドアの上側ヒンジ
   レインフオースメントをインナーパネル上縁まで
   上方へ延長成形し、上記コーナーブラケツト延長
   部とヒンジレインフオースメント延長部とインナ
   ーパネル上縁部とを３枚重ねにして溶着したこと
   を特徴とする自動車用サイドドアのコーナーブラ
   ケツト取付構造。