JPH0145361B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野〕 本発明は調理機に係り、被調理材料を切削、圧
搾してジユース加工を行なう螺旋状の切削刃部と
圧搾部とを形成した回転体に関する。

（従来の技術） 調理機本体内にこの本体に形成した被調理材料
投入口側を螺旋状の切削刃部とし、この切削刃部
に連続する螺旋状の切削刃部に連続された螺旋状
の圧搾部を周面に形成した回転体を回転自在に配
置し、この本体の下面にジユース流出口を形成
し、投入口から投入された被調理材料材料を回転
体によつて切削するとともに、圧搾しながら送り
込み、抽出分離されたジユース分を前記ジユース
流出口から流出させるようにした調理機におい
て、例えば、特開昭56−168720号公報に記載され
ている構造が知られている。そしてこの調理機
は、第１図および第２図に示すように、調理機本
体１に回転自在に支持された回転体２の螺旋状の
切削刃部３を螺旋方向に沿つて凹凸歯状に連続し
た刃部４にて形成し、この刃部４は略台形形状の
刃部のみにて形成されている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記第１図および第２図に示す調理機では、被
調理材料が切削されるのは、略台形形状の刃部４
の刃縁８，９、エツジ部１０であるため、第３図
に示すように、投入口１１から投入された被調理
材料１２が略台形形状の刃部４の上縁部にあたる
外径部に載ると、この被調理材料１２には刃部４
の外径部７が作用するのみで、被調理材料１２に
対する切れが悪く、ジユースの加工調理に時間が
掛かり、また刃部４の切れが悪いために、投入口
１１から投入した被調理材料１２を押棒１３にて
押圧するには強い押圧力を必要とする問題を有し
ている。

本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、回
転体の切削刃部による切削性を向上し、調理時間
を短縮でき、被調理材料を切削刃部に押付ける押
圧力を低減でき、回転体による切削、圧搾荷重を
低減し、圧搾効率のよい調理機を提供するもので
ある。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明の調理機は、投入口を基端側に形成する
とともに下面にジユース流出口を形成し内面を略
円筒形状に形成した調理機本体と、この本体内に
回転自在に軸架され前記投入口から投入された被
調理材料を切削する切削刃部およびこの切削刃部
に連続され被調理材料を圧搾する螺旋状の圧搾部
を有し前記投入口から投入された被調理材料を切
削、圧搾しながら先端側に移送させる回転体とを
具備し、前記回転体の前記投入口に位置する螺旋
状の切削刃部は螺旋状に沿つて凹凸歯状に連続す
る刃部で形成した調理機において、前記回転体の
切削刃部の各刃部の中間位置に軸方向に沿つて外
周方向に開口する凹部をそれぞれ形成し、この回
転体の切削刃部の各刃部はそれぞれ先端側に位置
する三角形状の刃部と基端側に位置する略台形形
状の刃部とからなることを特徴とするものであ
る。

（作用） 本発明の調理機は、調理機本体の投入口から投
入された被調理材料は回転体の切削刃部にて切削
され、この切削された被調理材料は圧搾部にて圧
搾されてジユースが搾られ、ジユース分はジユー
ス流出口から流出される。そして回転体の切削刃
部で切削される被調理材料は、回転体の切削刃部
の各刃部の中間位置に形成した凹部によつて先端
側に三角形状の刃部と基端側に略台形形状の刃部
とが形成され、各刃部における刃縁およびエツジ
部が増加するとともに三角形状の刃部の頂点のエ
ツジ部が突鋭部となつているため、この突鋭部に
よつて被調理材料は切り込みが入り、次の略台形
形状の刃部の被調理材料の移送方向側の側面部お
よび外径部とのそれぞれ交叉する刃縁およびその
交点のエツジ部で被調理材料は押し砕かれ、被調
理材料の切削が円滑に行われこの切り込み、押し
砕き作用が順次繰返されるものである。

（実施例） 次に本発明の一実施例の構成を図面第４図につ
いて説明する。

２１は調理機基体で、内部には電動機収容部２
２とこの電動機収容部２２の上部に位置した伝導
機構収容部２３が形成されている。またこの基体
２１の前記電動機収容部２２の一側段部の上面に
てジユース容器載置台部２４が形成されている。

また前記基体２１の電動機収容部２２の上壁部
に電動機２５がゴムクツシヨン２６を介して固着
されている。この電動機２５の上部に設けられこ
の電動機２５に連動する歯車伝導機構を設けたギ
ヤーケース２７は前記伝導機構収容部２３に位置
され、このギヤーケース２７から水平状に突出さ
れている駆動軸２８が設けられている。この駆動
軸２８の一端にはカツプリング部２９が形成さ
れ、このカツプリング部２９に対向する前記基体
２１の側壁３０には嵌合孔３１が形成され、この
嵌合孔３１の内側に前記カツプリング部２９が位
置されている。

次に３２は調理機本体で、この本体３２の内径
は先端に向つて漸次縮径された略円筒形状に合成
樹脂にて成形され、この本体３２は軸方向を水平
状にして基部側は開口され前記基体２１に取着さ
れるようになつている。この本体３２の基端側の
上面には筒状の被調理材料投入口３３が形成さ
れ、この投入口３３の上端開口部３４から被調理
材料を押圧する押棒３５が進退自在に挿通されて
いる。

またこの本体３２の下面にはジユース流出口３
６が開口され、この本体３２の内面にはジユース
流出口３６に位置してフイルター３７が本体３２
の内面と同一面になるよう着脱自在に取着され、
このフイルター３７は金属板にて成形され多数の
小孔７２が形成されている。

また前記本体３２の先端側の上部後側に内面に
対し略接線方向に突出したかす排出口（図示せ
ず）が形成され、このかす排出口は前記フイルタ
ー３７部を通過した搾りかすを排出するように前
記ジユース流出口３６から本体３２の円周方向の
略中間に位置されている。

また前記本体３２の先端中心部には軸受凹部３
９が形成され、この軸受凹部３９に金属または合
成樹脂にて成形された軸受３８が嵌合固着されて
いる。

また前記本体３２の基端開口部側の外周には蓋
体４１を螺合するねじ部４０が形成され、この開
口部は蓋体４１にて開閉自在に閉塞される。蓋体
４１の内面中心部には軸支孔４２が形成され、こ
の軸支孔４２には金属または合成樹脂にて形成し
た軸受４３が嵌合固着されている。

またこの蓋体４１の内面には前記ねじ部４０に
螺合されるねじ溝４４が形成されている。

またこの蓋体４１の外端面には同心円状に嵌合
筒部４５が形成されている。この嵌合筒部４５に
は図示しないクランプ係止孔が形成されている。

次に４６は回転体で、この回転体４６は先端側
に向つて拡径した中空円筒状に形成され、この回
転体４６を貫通した回転軸４７の両端は回転体４
６の両端から突出され、この回転軸４７の両端は
前記軸受３８，４３に回転自在に軸架され、この
回転軸４７の基端には前記本体３２の軸支孔４２
から突出され前記駆動軸２８のカツプリング部２
９に係脱自在に係合されるカツプリング部７１が
形成される。

そしてこの回転体４６の中心は、前記本体３２
の略円筒状の内面の中心と略一致するようになつ
ている。この回転体４６の外周には螺旋状の切削
刃部７０と圧搾部４８とが形成されている。この
切削刃部７０は前記本体３２の投入口３３に位置
されている。そして第５図乃至第７図に示すよう
にこの螺旋状の切削刃部７０は凹凸歯状に連続し
た刃部４９で形成され、この各刃部４９は、螺旋
状切削刃部７０の進行方向と平行すなわち回転体
４６の軸方向に平行でかつ回転体４６の回転方向
に対向する面を回転体４６の外周面に対して略垂
直な垂直面部５０に形成され、この各刃部４９の
垂直面部５０と隣接する被調理材料の移送方向側
の側面部５１を前記垂直面部５０と略直角に形成
し、この垂直面部５０と側面部５１に隣接する刃
部４９の外径部５２は回転体４６の軸方向と略平
行な平面状に形成され、この垂直面部５０、側面
部５１および外径部５２とのそれぞれの交叉する
縁部は刃縁５３，５４に形成され、この両刃縁５
３，５４の交点はエツジ部５６に形成されてい
る。

またこの各刃部４９には軸方向に凹部５５が設
けられ、この凹部５５は回転体４６の被調理材料
の移送方向に対向する縁部外周先端すなわち前記
両刃縁５３，５４の交点のエツジ部５６が突鋭部
となる位置に形成する。またこの凹部５５によつ
て凹部５５の被調理材料の移送側の面５７と垂直
面部５０との交叉する縁部に刃縁５８が形成さ
れ、さらにこの凹部５５の被調理材料の移送方向
と反対側、すなわち、移送方向と対向する側面部
５９と垂直面部５０との交叉する縁部に刃縁６０
が形成され、さらにこの刃縁６０と外径部５２お
よび垂直面部５０との交点にてエツジ部６１が形
成されている。

さらに各刃部４９の凹部５５は第７図に示すよ
うにその谷部６２と隣接する凹部５５の谷部６２
とをそれぞれ結ぶ線が一線上に連続するように形
成されている。

このような回転体３６の切削刃部７０はそれぞ
れ先端側に位置する三角形状の刃部と基端側に位
置する略台形形状の刃部とが形成される。

またこの回転体４６の圧搾部４８は前記切削刃
部７０に連続して螺旋状に形成され、この回転体
４６の一方方向（第６図図示矢指ａ方向）の回転
で被調理材料は先端側に移送されるようになつて
おり、この圧搾部４８の谷部６３と山部６４との
径差は先端側に向つて漸次小さくなつており、ま
たこの圧搾部４８の螺旋部のピツチ間隔は先端側
に向つて漸次小さくなつている。

またこの切削刃部７０と圧搾部４８の外径と本
体３２の内周との間隙は一定の小間隙に保持され
ている。そして第１４図乃至第１６図に示すよう
にこの圧搾部４８の谷部６３には回転体４６の山
部６４と略同一面の圧搾面６５と谷部６３に略垂
直となる垂直面６５ａとを有する複数の突部６６
が形成されている。

また第４図において６７はクランプケース体
で、このクランプケース体６７は基体２１に設け
られ、前記蓋体４１の嵌合筒部４５を嵌合固定す
るようになつている。

また６８はジユース容器で、前記基体２１の載
置台部２４に載置され、上端開口部は前記本体３
２のジユース流出口３６の下方に位置されるよう
になつている。

次にこの実施例の作用について説明する。

本体３２の基端開口部からフイルター３７を挿
入し、ジユース流出口３６に配設し、次いで本体
３２の基端開口部から回転体４６を挿入し、回転
軸４７を軸受３８に嵌挿し、本体３２の基端開口
部に蓋体４１を螺合締着すると、蓋体４１の軸受
４３に回転軸４７は挿通されてカツプリング部７
１が突出される。この状態でフイルター３７は本
体３２の内面と略同一面となり、この状態で蓋体
４１の嵌合筒部４５を基体２１に取付けられてい
るクランプケース体６７に嵌合し、図示しないク
ランプ手段にて蓋体４１は基体２１に取着固定さ
れ、回転軸４７のカツプリング部７１は駆動軸２
８のカツプリング部２９に係合される。電動機２
５が駆動されると、歯車伝導機構を介して駆動軸
２８は減速回転される。この駆動軸２８にカツプ
リング部２９，７１の係合を介して回転される回
転軸４７が回転され、回転体４６は回動される。
この状態で被調理材料投入口３３から被調理材料
を投入し、押棒３５にて押動すると材料は回転体
４６の切削刃部７０に押付けられ、各刃部４９の
回転体４６の被調理材料の移送方向に対する縁部
外周先端の突鋭状のエツジ部５６と、側面部５１
と外径部５２との交叉する刃縁５４とで切削さ
れ、さらにこの切削された被調理材料は垂直面部
５０と側面部５１との交叉する縁部の刃縁５３お
よび凹部５５の面５７，５９と垂直面部５０との
交叉する縁部５８，６０とにて切削され、特に突
鋭状のエツジ部５６で被調理材料には切込みが入
り、次いで刃縁６０と外径部５２および垂直面部
５０との交点のエツジ部６１および垂直面部５０
と外径部５２との縁部の刃縁５４で突鋭状のエツ
ジ部５６で切込みが入つた被調理材料が押くだか
れ、切削が円滑に行われる。

また切削刃部７０の各刃部４９の凹部５５はそ
の中心が連続しているため切削された被調理材料
が円滑に流れ、また投入口３３から投入した被調
理材料を押圧する押棒３５にかかる断続的な振動
が少なくなる。

このようにして切削刃部７０にて切削された被
調理材料は続いて次の螺旋状の圧搾部４８に送り
込まれ、大きな塊状となつて被調理材料が本体３
２内に送り込まれることがなく、しかも細かく切
削されて送り込まれるため、多量に送り込まれ
る。

そして圧搾部４８に送り込まれた被調理材料は
谷部６３と山部６４との径差が先端側に向つて漸
次小さくなつているため、本体３２の内面と谷部
６３との間で順次粉砕、圧搾され、抽出された液
分は下部のジユース流出口３６にフイルター３７
の小孔７２を通過して流出され、ジユース容器６
８に滴下され、また被調理材料の繊維分の搾りか
す分はかす排出口から排出されてかす受容器内に
収納される。

そして圧搾部４８にて圧搾される被調理材料は
突部６６の垂直面６５ａに当り、この突部６６を
乗越えるときに圧搾面６５と本体３２の内面との
間で圧搾される。

なお第８図に示すように回転体４６の切削刃部
４７の各刃部４９に形成した凹部５５の被調理材
料の移送方向と反対側面５９を略垂直面とし、こ
の面５９と外径部５２とのなす角を略直角とする
ことにより突鋭状のエツジ部５６の角度が最小と
なり、エツジ効果が向上される。

また第９図に示すように回転体４６の切削刃部
７０は凹部５５を形成した刃部４９と凹部５５を
形成しない刃部４９ａとを交互に設けた構成とす
ることにより被切削材料の切削性がよく、細かく
切削して切削効率を高めることができる。

また第１０図、第１１図に示すように回転体４
６の切削刃部７０の各刃部４９の中心方向を回転
軸４７に対し直角方向とし、隣接する刃部４９の
凹部５５の中心線A₁，A₂，A₃……A_oを１ピツチ
Ｐずつ軸方向に階段状に偏位させて形成すること
により、凹部５５の谷部６２に当つた被調理材料
は次の刃部４９の凹部５５の被調理材料の移送方
向と反対側のエツジ部６１に当り、切削能率を高
められ、この構成では特に回転体４６の外径Ｄを
大きくとれず、切削刃部７０の刃部４９の高さが
低い場合に有効である。

さらに第１２図、第１３図に示すように回転体
４６の切削刃部７０の各刃部４９の凹部５５を複
数形成することにより各凹部５５の両縁に刃縁５
８，６０が形成されるとともに各エツジ部６１が
各凹部５５毎に形成され、被調理材料の切削速度
が向上される。

また回転体４６の切削刃部７０を複数条形成す
ることにより、被調理材料が切削刃部７０にて切
削される回数が多く、切削速度が速くなる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、回転体の調理機本体の投入口
に位置する螺旋状の切削刃部は螺旋方向に沿つて
凹凸歯状に連続する刃部で形成した調理機におい
て、回転体の切削刃部の各刃部の中間位置に軸方
向に沿つて外周方向に開口する凹部をそれぞれ形
成し、この回転体の切削刃部の各刃部はそれぞれ
先端側に位置する三角形状の刃部と基端側に位置
する略台形形状の刃部とから形成したので、調理
機本体の投入口から投入された被調理材料を回転
体の切削刃部にて切削するとき、被調理材料は、
回転体の切削刃部の各刃部の中間位置に形成した
凹部によつて形成される先端側の三角形状の刃部
と基端側の略台形形状の刃部の各刃縁およびエツ
ジ部が増加するとともに、三角形状の刃部の頂点
のエツジ部が突鋭部となつているため、この突鋭
部によつて被調理材料は切り込みが入り、次の略
台形形状の刃部の凹部の被調理材料の移送方向側
の側面部および外径部とのそれぞれ交叉する刃縁
およびその交点のエツジ部で被調理材料は押し砕
かれ、被調理材料の切削が円滑に行われ、この切
りこみ、押し砕き作用が順次繰返されるもので切
削効率が高められ、被調理材料の押し込み力を小
さくでき、被調理材料は大きな塊状となつて送り
込まれることがなく、円滑で効率のよいジユース
加工ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の調理機の一部の縦断面図、第２
図は同上回転体の縦断側面図、第３図は同上切削
時の状態を示す一部の縦断側面図、第４図は本発
明の一実施例を示す調理機の縦断側面図、第５図
は同上回転体の切削刃部の縦断側面図、第６図は
同上一部の縦断正面図、第７図は同上回転体の切
削刃部の一部の側面図、第８図は他の実施例を示
す回転体の一部の縦断側面図、第９図は他の実施
例を示す回転体の切削刃部の側面図、第１０図は
さらに他の実施例を示す回転体の切削刃部の側面
図、第１１図は同上刃部の拡大断面図、第１２図
は他の実施例を示す回転体の切削刃部の側面図、
第１３図は同上刃部の拡大断面図、第１４図は回
転体の圧搾部の一部の側面図、第１５図は同上一
部の縦断正面図、第１６図は同上縦断側面図であ
る。 ３２……調理機本体、３３……投入口、３６…
…ジユース流出口、４６……回転体、４８……圧
搾部、４９……刃部、７０……切削刃部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 投入口を基端側に形成するとともに下面にジ
   ユース流出口を形成し内面を略円筒形状に形成し
   た調理機本体と、この本体内に回転自在に軸架さ
   れ前記投入口から投入された被調理材料を切削す
   る切削刃部およびこの切削刃部に連続され被調理
   材料を圧搾する螺旋状の圧搾部を有し前記投入口
   から投入された被調理材料を切削、圧搾しながら
   先端側に移送させる回転体とを具備し、 前記回転体の前記投入口に位置する螺旋状の切
   削刃部は螺旋方向に沿つて凹凸歯状に連続する刃
   部で形成した調理機において、 前記回転体の切削刃部の各刃部の中間位置に軸
   方向に沿つて外周方向に開口する凹部をそれぞれ
   形成し、この回転体の切削刃部の各刃部はそれぞ
   れ先端側に位置する三角形状の刃部と基端側に位
   置する略台形形状の刃部とからなることを特徴と
   する調理機。