JPH0140910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は立体駐車装置の昇降装置の改良に関す
るもので、特に二段式駐車装置の昇降装置に最適
である。

従来より、二段式駐車装置には多種多様な形式
のものが存在するが、最近の傾向として、上段及
び下段パレツトそれぞれについて、独立に自由に
自動車を入出庫できる方式のピツト式二段駐車装
置が注目されはじめている。

このようなピツト式二段駐車装置では路面を深
く掘り下げてピツトを設けねばならず、このピツ
トの深さをできるだけ少なくすることが大きな課
題であつた。

本考案はこの課題を解決するためになされたも
ので、従来よりもピツトの深さが少なくてもむ立
体駐車装置の昇降装置を提供することを目的とす
る。

以下、図面を用いて本考案装置の一実施例につ
いて説明する。

第１図は本考案の昇降装置の一実施例を示す側
面図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１図
におけるＡ−Ａ線部分断面図、第４図は第１図に
おけるＢ−Ｂ線部分断面図、第５図は第１図にお
けるＣ−Ｃ線部分断面拡大図、第６図は第１図に
おけるローピングを説明する説明図、第７図は第
６図におけるＤ−Ｄ線矢視図、第８図は第１図に
おけるＥ−Ｅ線矢視図、第９図は第８図に示すク
ランプ装置の動作説明図であり、図中１は上段パ
レツト、１ａは上段パレツト１の前後両側床裏面
に下方にむけて設けられた支柱で、支柱１ａの下
端にはシーブ１ｂが取り付けられている。この支
柱１ａの長さは通常収納される自動車の高さより
も若干長い程度の長さである。１ｃはこの支柱１
ａの下端に固定されたカムで、上方に行くほど後
述する架台３から遠ざかる方向に傾斜している。
２は下段パレツト、２ａは下段パレツト２の側面
に回動自在に複数個設けられたシーブ、２ｂは同
じく下段パレツト２の前後両側面に回動自在に設
けられたガイドローラ、３はピツトＰ内に固定さ
れた架台で、架台３の前後両側に、下段パレツト
２に回動自在に軸止されたガイドローラ２ｂを介
して下段パレツト２の昇降を案内するガイドレー
ル４が設けられ、下段パレツト２の上方には両側
に支柱１ａを介して上段パレツト１の昇降を案内
するガイドレール５が設けられている。３ａは下
段パレツト２のシーブ２ａと対向する架台３の両
側面位置に回動自在に複数個設けられたシーブ、
５ａはガイドレール５の前後両上端に回動自在に
設けられたシーブ、５ｂはガイドレール５の前後
両側面に設けられた補助ガイドレール、６は一端
が架台３の下方に軸受け７ａ及び軸７ｂを介して
両側に２個ずつ設けられた巻取りドラム７に固定
され、途中架台３の上方両側面に回動自在に軸止
されたシーブ３ａ、下段パレツト２の両側面に回
動自在に軸止されたシーブ２ａ、ガイドレール５
の上端に回動自在に設けられたシーブ５ａ、上段
パレツト支柱１ａの下端に回動自在に設けられた
シーブ１ｂに巻き掛けられて他端がガイドレール
５の中間部に取り付けられたブラケツト５ｃに固
定されているロープ。１０は架台３の下方後端片
側に設けられた減速装置付電動機、１１は減速装
置付電動機１０の軸に設けられたチエンホイル、
１２は軸受１３ａを介して架台３に設けられた連
動軸１３のチエンホイル１１と対向する位置に取
り付けられたチエンホイル、１４はチエンホイル
１１と１２の間に掛けられたチエン、１３ｂは連
動軸１３の両端に取り付けられた傘歯車で、軸７
ｂの一端に取り付けられた傘歯車７ｃとかみ合つ
ている。１５は第８図に示すように、ローラー１
５ａとレバー１５ｂとピン１５ｃ，１５ｄとスプ
リング１５ｅからなるクランプ装置で、レバー１
５ｂの下端は下段パレツト２を支持できるように
折れ曲つた支持部１５ｆを有し、略中央部をピン
１５ｄにより回動自在に架台３に取り付けられ、
常時レバー１５ｂの下端と架台３との間に設けら
れたスプリング１５ｅにより、ピン１５ｂを中心
に時計方向に回転する力が加えられている。そし
て、レバー１５ｂの上端にピン１５ｃを介して回
動自在に設けられたローラー１５ａは支柱１ａの
カム１ｃに常時案内されるようになつている。

このような構成のため、減速装置付電動機１０
が途中の動力伝達機構を経て巻取りドラム７が第
７図の時計方向に回転するように駆動されると、
各ロープはそれぞれ第６図の矢印の方向へ移動し
て上段パレツト１及び下段パレツト２を上昇さ
せ、減速装置付電動機１０が途中の動力伝達機構
を経て巻取りドラム７が第７図の反時計方向に回
転するように駆動されると、今度は反対に上段パ
レツト１及び下段パレツト２を下降させる。この
場合、上段パレツト１及び下段パレツト２の荷重
状態あるいは拘束状態によつて、上段パレツト１
が下段パレツト２に載置された状態で同時に昇降
するか、あるいは上段パレツト１のみ昇降するか
が異なる。

この点につき、以下詳細に説明する。

今仮に、第６図において上段パレツト１の荷重
状態あるいは拘束状態によりシーブ１ｂにW₁の
重量がかかり、下段パレツト２の荷重状態あるい
は拘束状態によつてシーブ２ａにW₂の重量がか
かるとすると、ロープ６の張力は、 T₁＝W₁／２，T₂＝W₂／３×１／２＝W₂／６ となる。ここで、各パレツトの自重と格納される
自動車の重量との関係にもよるが、通常上下段パ
レツト１，２の自重がほぼ等しく、自動車の重量
がパレツトの重量の２倍以内であることから、下
段パレツト２がストツパー３ｂに拘束されていな
い静止状態では常に張力T₁＞T₂（W₁＞W₂／３）
の関係が成り立ち上段パレツト１と下段パレツト
２とは間隔を縮める方向に力が働く。故に第１図
で示す上昇位置から下降するときには、まず上段
パレツト１のみが下降し、上段パレツト１が下段
パレツト２に支柱１ａを介して載置してのち、上
下段パレツト１，２が同時に下降して、下段パレ
ツト２が完全にピツトＰに収納された下降位置で
停止する。一方上昇時には、まず上段パレツト１
と下段パレツト２が３：１の速度の割合で同時に
上昇し、ストツパー３ｂにより下段パレツト２が
拘束されると、上段パレツト１のみが距離ｇだけ
さらに上昇して停止する。周知のように巻取りド
ラム７が予め決められたロープの長さ分だけ巻き
取るかあるいは巻き外すと減速装置付電動機１０
は停止するしくみになつている。

ところで、本考案装置ではクランプ装置１５と
ストツパー３ｂとで下段パレツト２を自動的にう
まく拘束できるようにしてあるため、各パレツト
の相対的な昇降動作をさらに円滑に行なうことが
できる。即ち、上昇位置から下降するときには第
８図に示すとおり下段パレツト２がクランプ装置
１５のレバー１５ｂの支持部１５ｆとストツパー
３ｂ間に挟まれて拘束されているため、まず上段
パレツト１のみが下降し、この下降動作につれて
カム１ｃも下降するので、クランプ装置１５のロ
ーラー１５ａがこのカム１ｃの斜面に案内されて
レバー１５ｂが傾き下段パレツト２の拘束を解除
する。この拘束を完全に解除するタイミングは丁
度上段パレツト１が下段パレツト２に支柱１ａを
介して載置される時に行われるようにクランプ装
置１５とカム１ｃを構成すればよい。そうすれ
ば、上段パレツト１が下段パレツト２に載置され
たのち、上下段パレツト１，２が同時に下降し
て、下段パレツト２が完全にピツトＰに収納され
た下降位置で停止する。次に上昇時には、上段パ
レツト１が下段パレツト２に載置された状態で、
上下段パレツト１，２が同時に上昇し、ストツパ
ー３ｂにより下段パレツト２が拘束されると、上
段パレツト１のみが距離ｇだけさらに上昇する
が、この上昇動作につれてカム１ｃも上昇するの
で、クランプ装置１５のローラー１５ａがカム１
ｃの斜面にそつて案内されレバー１５ｂが垂直状
態になり、下段パレツト２をクランプ装置１５と
ストツパー３ｂとで完全に拘束する。

このように各パレツトは相対的な昇降動作を行
なうため、上昇時には下段パレツト２が架台３に
設けられたストツパー３ｂにて停止しても、上段
パレツト１は下段パレツト２よりさらに適当な距
離ｇだけ上昇して、上下パレツト間の間隔が大き
くなるように動作するので、下段パレツト２への
自動車の入出庫動作が何の不安もなく行なえる一
方、下降時には上段パレツト１が下段パレツト２
に載置するまで下降して、各パレツト間の間隔を
必要最小限度まで縮めて後、下段パレツト２をピ
ツトＰ内に収納するため、ピツトの深さを必要最
小限にとどめることができる。

以上の説明では、ロープとシーブ等を使用した
動力伝達機構を利用して、単一の駆動装置によ
り、上下段パレツトを相対的に昇降させる実施例
について述べたが、動力を伝達する方法には種々
のものが考えられ実施例に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す側面図、
第２図は第１図の平面図、第３図は第１図におけ
るＡ−Ａ線部分断面図、第４図は第１図における
Ｂ−Ｂ線部分断面図、第５図は第１図におけるＣ
−Ｃ線部分断面拡大図、第６図は第１図における
ローピングを説明する説明図、第７図は第６図に
おけるＤ−Ｄ線矢視図、第８図は第１図における
Ｅ−Ｅ線矢視図、第９図は第８図に示すクランプ
装置の動作説明図である。 １……上段パレツト、２……下段パレツト、３
……架台、１ａ……支柱、１ｃ……カム、１ｂ，
２ａ，３ａ，５ａ……シーブ、６……ロープ、７
……巻取りドラム、１５……クランプ装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上段パレツトと下段パレツトとが間隔をおい
   て配置され、前記上段パレツトの裏面には下方
   にむけて延出した支柱と、前記下段パレツトの
   上面には上方にむけて延出したガイドレール
   と、ピツト内には架台とを設け、前記上段パレ
   ツトの支柱には第１のシーブ等と、前記下段パ
   レツトのガイドレールには第２のシーブ等と、
   前記下段パレツトには第３のシーブ等と、前記
   架台には第４のシーブ等とを回動自在に備え、
   前記上段パレツト及び前記下段パレツト駆動用
   ロープ等は途中前記第１のシーブ等、前記第２
   のシーブ等、前記第３のシーブ等及び前記第４
   のシーブ等に捲き掛けられた構成とし、前記上
   段パレツトと前記下段パレツトとは互いに連動
   して駆動されるとともに、前記下段パレツトは
   前記ピツト内に収納可能とした立体駐車装置に
   おいて、 前記上段パレツトの前記支柱にはカムを設
   け、前記架台には前記下段パレツトの上昇を拘
   束するストツパーと、前記上段パレツト下降時
   前記カムに案内されて前記上段パレツトが所定
   の位置に達すると前記下段パレツトの支持を解
   くクランプ装置を備えたことを特徴とする立体
   駐車装置の昇降装置。 (2) 前記クランプ装置は、レバーの下端が折り曲
   げられた前記下段パレツトを支持する支持部を
   有し、該レバーの上端には前記カムに案内され
   るローラーを回動自在に備え、該レバーの中間
   部が前記架台に回動自在に取付けられてなり、
   前記架台と前記レバーの下端の間には前記レバ
   ーを常に所定方向に回転付勢させるスプリング
   を備えてなる装置であることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の立体駐車装置
   の昇降装置。 (3) 前記カムは上方に行くほど前記架台から遠ざ
   かる方向に傾斜しており、前記スプリングは常
   時前記ローラーが前記カムに接する方向に付勢
   させる構成をなすことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第２項記載の立体駐車装置の昇降
   装置。 (4) 前記上段パレツトが前記下段パレツト上に載
   つたときに、前記レバーの前記ローラーが前記
   カムの傾斜に接するように配置したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第３項記載の立
   体駐車装置の昇降装置。