JPH0139864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、動力送風機や動力散布機等の作業機
が結合されるエンジンの構造に関する。

（従来の技術） 一般に、動力送風機や動力散布機等の作業機が
結合される小型エンジンにおいては、クランク軸
の出力端を突出せしめたクランクケースの外面に
上記クランク軸で駆動する作業機を結合するため
のフランジが突設されている。そして、上記クラ
ンクケースの外面と作業機との間に、磁鋼を内蔵
するフライホイールと上記磁鋼により作動する点
火コイルとを備えた磁鋼回転型の点火装置が配設
されているのが通常である。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上述のようなエンジンにおいて、さ
らに発電コイルを設けて補助用電源を得ようとす
る場合、上記クランクケースの外面と作業機との
間には既に点火コイルが配設されている関係で発
電コイルの設置スペースを確保することが難しい
のが通常である。さらに、発電コイルの設置スペ
ースが確保できても、クランクケースに対する発
電コイルの取付安定性を得るには、クランクケー
スの比較的狭い範囲内に複数のボルト孔を形成す
る必要があつて、ボルト孔の形成及び発電コイル
の取付作業が面倒であるのが実情である。

（課題を解決するための手段） 本考案は、このような課題に対して、クランク
ケース外面に作業機結合用のフランジを略方形に
配置し、このフランジで囲まれたスペース内にフ
ライホイールと点火コイルとを配置するととも
に、フライホイールを挾んで点火コイルの反対側
の上記スペースの隅部を発電コイルの設置場所と
して利用し、且つこの隅部においてＬ字状に連な
る上記スペースの内壁面の各々を発電コイルのぐ
らつきを防止する支持面として利用することによ
り、発電コイルを簡単に安定な状態に設置できる
るようにするものである。

すなわち、その手段は、クランク軸の出力端を
突出せしめたクランクケースの外面に上記クラン
ク軸で駆動させる作業機が結合されるエンジンに
おいて、上記クランクケースの外面に上記作業機
を結合するフランジが上記クランク軸の出力端を
囲む略方形に配置されて、上記クランクケースと
作業機との間に、磁鋼を内蔵し上記クランク軸の
出力端に結合されるクランクケースと点火コイル
と発電コイルとを収容する略方形のスペースが形
成され、上記点火コイルと発電コイルとはフライ
ホイールを挾んでその両側に配設されていて、点
火コイルは上記クランクケースの外面に固定され
ている一方、発電コイルは、上記スペースの隅部
において、上記フランジで構成されたＬ字状に連
なる内壁面の各々に両端を当接し中央部を上記ク
ランクケースの外面に１本のボルトで結合したブ
ラケツトに取り付けられていることを特徴とする
エンジン構造である。

（作用） 上記エンジン構造においては、フランジで囲ま
れたスペースの隅部を発電コイルの設置場所とし
て利用しているから、クランクケースの外面と作
業機との間に発電コイル設置用のスペースを別途
確保する必要がない。そして、上記スペースの隅
部においてＬ字状に連なる内壁面の各々に発電コ
イル用の取付ブラケツトの両端を当接するから、
この取付ブラケツトは１本のボルトによる結合で
もぐらつくことがなく、発電コイルをクランクケ
ースに安定して支持することになる。また、点火
コイルと発電コイルとは、フライホイールを挾ん
でその両側にあつて互いに十分に離れることにな
るから、互いに干渉し合うことはない。

（考案の効果） 従つて、本考案によれば、作業機結合用のフラ
ンジで形成した略方形のスペースにおける点火コ
イルの反対側の隅部に、そのＬ字状になつた内壁
面を利用して発電コイルを取り付けるようにした
から、クランクケースを改造して発電コイル用の
設置場所を形成する必要がないとともに、発電コ
イルを１本のボルトでクランクケースに安定な状
態で取り付けることができ、また、発電コイルは
点火コイルから十分に離れることになるので、点
火性能に悪影響を及ぼすことなく、補助用電源と
しての機能を十分に発揮することになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すエンジン構造におい
て、１はエンジン、２はクランクケース、３は磁
鋼を内蔵するフライホイール、５は作業機として
のフアン、６はフアンケース、７はマフラであ
る。上記クランクケース２は、上記フアン５を駆
動するクランク軸８の出力端８ａを突出せしめた
外面２ａに、上記クランク軸８の出力端８ａを囲
んで略方形のスペース２ｂを構成するよう配置さ
れたフランジ１１を備えている。

すなわち、上記フランジ１１は、フアンケース
６をボルト１５で結合するためのものであり、こ
のフランジ１１で囲まれた上記スペース２ｂ内に
おいて、上記クランク軸８の出力端８ａにフライ
ホイール３が結合されているとともに、このフラ
イホイール３に上記フアン５が結合されている。
そして、上記フライホイール３を挾んでその両側
に点火コイル９と発電コイル１２とが配設されて
いる。この上記点火コイル９はフライホイール３
の磁鋼と相俟つて磁鋼回転型の点火装置１０を構
成するものであり、発電コイル１２は上記点火装
置１０の一部として、あるいは作業灯等の補助電
源として使用するものである。

しかして、上記点火コイル９はクランクケース
２の外面２ａに固定されている一方、上記発電コ
イル１２は、上記スペース２ｂの隅部（図面上の
右上隅）において、取付ブラケツト１７にてクラ
ンクケース２に固定されている。すなわち、上記
取付ブラケツト１７は、第３図及び第４図に示す
ように、その両端１７ａ，１７ａを上記フランジ
１１で形成されたＬ字状に連なる内壁面１９，１
９の各々に当接し、中央部を上記クランクケース
２の外面２ａに１本の締付ボルト１８で結合して
クランクケース２を取り付けられている。そし
て、この取付ブラケツト１７に上記発電コイル１
２が取付ねじ１６，１６を用いて固定されてい
る。

また、第５図に示すように、上記取付ブラケツ
ト１７は、上記クランクケー２の座面への取付面
２０が、締付ボルト１８のねじ孔の軸心に直交せ
ず、上記座面との間にフライホイール３の反対側
へ向けて拡がつた0.5度の傾斜角θができるよう
に上記ねじ孔に対して傾斜している。また、上記
締付ボルト１８は上記取付ブラケツト１７の固定
と、分割型クランクケース２におけるケースの組
立とを兼用することができる。

従つて、上記エンジン構造においては、フラン
ジ１１で囲まれたスペース２ｂの隅部を発電コイ
ル１２の設置場所として利用しているから、クラ
ンクケース２の外面２ａとフアンケース６との間
に発電コイル設置用のスペースを別途確保する必
要がない。そして、発電コイル１２用の取付ブラ
ケツト１７は、その両端１７ａ，１７ａが上記ス
ペース２ｂの隅部においてＬ字状に連なる内壁面
１９，１９の各々に当接しているから、１本の締
付ボルト１８による結合でもぐらつくことがな
く、しかも、その取付面２０とクランクケース２
の座面との間に傾斜角θが設けられているから、
フライホイール３側への倒れも防止され、発電コ
イル１２をクランクケース２に安定して支持する
ことになる。また、点火コイル９と発電コイル１
２とは、フライホイール３を挾んでその両側にあ
つて互いに十分に離れることになるから、互いに
干渉し合うことはなく、発電コイル１２は点火性
能に悪影響を及ぼすことなく、補助用電源として
の機能を十分に発揮することになる。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、種々に設計変更可能であり、例えば、第
２図において、右上隅と左上隅との左右対称位置
に発電コイルを設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はエンジ
ン構造の縦断面図、第２図は第１図の−線断
面図、第３図は発電コイル取付部分の縦断面図、
第４図は第３図の−線断面図、第５図は第３
図の−線断面図である。 １……エンジン、２……クランクケース、２ａ
……外面、２ｂ……スペース、３……フライホイ
ール、５……フアン（作業機）、６……フアンケ
ース、８……クランク軸、８ａ……出力端、９…
…点火コイル、１２……発電コイル、１７……取
付ブラケツト、１７ａ……両端、１８……締付ボ
ルト、１９……内壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランク軸の出力端を突出せしめたクランクケ
   ースの外面に上記クランク軸で駆動される作業機
   が結合されるエンジンにおいて、上記クランクケ
   ースの外面に上記作業機を結合するフランジが上
   記クランク軸の出力端を囲む略方形に配置され
   て、上記クランクケースと作業機との間に、磁鋼
   を内蔵し上記クランク軸の出力端に結合されるフ
   ライホイールと点火コイルと発電コイルとを収容
   する略方形のスペースが形成され、上記点火コイ
   ルと発電コイルとはフライホイールを挾んでその
   両側に配設されていて、点火コイルは上記クラン
   クケースの外面に固定されている一方、発電コイ
   ルは、上記スペースの隅部において、上記フラン
   ジで構成されたＬ字状に連なる内壁面の各々に両
   端を当接し中央部を上記クランクケースの外面に
   １本のボルトで結合したブラケツトに取り付けら
   れていることを特徴とするエンジン構造。