JPH0139743Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案はミシンの刺しゆう枠に関する。殊に
特種形状の布地例えばスリツパ等に刺しゆうを施
す際に使用されるミシンの刺しゆう枠に関する。

(ロ) 従来の技術 従来より使用されているミシンの刺しゆう枠は
単独ミシンにおいては、円形状のフープが一般的
であり、又多頭ミシンを用いて電子制御により刺
しゆうを実施する場合には、作業台上に設けたほ
ぼ四辺形の枠に刺しゆうする布地を挾着しこの枠
を所定方向に移動制御し、ミシン針により布地に
所望の刺しゆうを施す方式が採用されている。更
に特種形状の布地を刺しゆうする多頭ミシン方式
では、作業台上に配設した刺しゆう枠に厚紙を取
り付け、その厚紙を適宜な形状に切り抜き、その
切り抜き縁に両面接着テープ等を貼着し、その上
に生地を接着して、切り抜き口を生地でふさぎ、
刺しゆうを所定方向に作動させることにより、こ
の生地に刺しゆうを施している。

更に一歩進んだミシンの刺しゆう枠として、
上、下枠の間に布地を係着自在とした構成のもの
も存在する。（実開昭50−27457号）。この刺しゆ
う枠では、上枠を下枠に対し布地をはさんで開閉
自在に装着するために、上枠端部にヒンジを設け
たり、又上枠他端部に回動自在のとめねじ等を利
用して、上枠を下枠に係止自在としている。

この考案は極めて簡単なヒンジやとめねじを利
用しているという利点はある。

(ハ) 考案の解決しようとする問題点 ところが上述の特種形状の布地刺しゆう用の枠
は、使用済後は破棄しなければならず、再度利用
することが出来ず、従つて特種形状の布地に刺し
ゆうを実施する場合には、その都度、枠を製作し
なければならない等の煩雑性があり、製造コスト
の上昇を招く等の問題点があつた。又、布地を上
下枠間に係着自在としたミシン刺しゆう枠は、
上、下枠を開閉、係止する部材が、使用中破損等
の不具合が発生し、布地の挾着が不正確となり
屡々取り換えを必要とし、従つて耐久性に乏しい
という問題点があつた。そこで本考案では上述の
不具合を解決することを目的として考案したもの
である。

(ニ) 問題点を解決するための手段、作用 以下本考案の極めて簡単な構成を有する特種形
状の布地用刺しゆう枠の構成、作用を説明する。

本考案の刺しゆう枠は、枠ベースのほぼ中央に
被刺しゆう体の形状にならつて形成した孔をおお
うように布地を取り付けるために孔の縁部で枠ベ
ースとの間に動かないように布地を挾持する縁部
を具えた孔の形状と同一の枠押え板とこの枠押え
板を開閉自在に保持する開閉部材とこの開閉部材
に対向する側の枠ベース上に枠押え板の縁部を介
して枠押え板を係脱自在に保持するクランプ部材
と電子制御等により所定方向に移動可能の本刺し
ゆう枠に枠ベースを連結するジヨイント枠とを有
する構成よりなる。前記開閉部材はブラケツト板
に取り付けたブラケツト腕に枢支される軸に嵌挿
固定され且つ枠押え板の縁部に連結した押え腕を
有し、前記軸に巻着されたキツクばねにより、押
え腕を介して枠押え板が上下に開閉自在に設けら
れる。又クランプ部材は、クランプベース内をそ
の一端部に設けたクランプレバの傾動により巻着
されたコイルスプリングを介してその他端部に設
けたクランプ爪と共に横動自在のクランプ軸を有
する。クランプ軸の横動により、クランプ爪と枠
押え板縁部とは係脱自在となり、更に枠押え板縁
部をクランプ爪のテーパに沿つて下方に押圧する
ことにより、クランプ爪はクランプ軸に巻着した
コイルスプリングに抗して一旦後退するが、元の
位置に復帰すると同時に枠押え板縁部を係止す
る。前記枠ベースの孔の縁部に位置する枠ベース
の部分と断面ほぼ逆Ｕ字状枠押え板縁部との間に
刺しゆうすべき布地を取り付ける。枠ベースの部
分上面のくぼみに一対の下丸ベルトを嵌合固定
し、この一対の下丸ベルトの中間に入り込んで位
置するように、上丸ベルトを枠押え板縁部の下面
くぼみに嵌合固定する。枠押え板縁部を枠ベース
孔の縁部上に配設したときは、前記一対の下丸ベ
ルトと上丸ベルトとの間隙で刺しゆうすべき布地
を挾着することができる。

(ホ) 実施例 以下添付図面を参照して本考案に係る刺しゆう
枠の一実施例を説明する。本実施例の刺しゆう枠
は概略、刺しゆう枠ベースａ、布地押え部材ｂと
これを開閉するブラケツト部材ｃ、枠押え板に係
脱自在のクランプ部材ｄ、刺しゆう枠を電気的駆
動によりＸ，Ｙの方向に移動可能な本枠に連結す
るジヨイント枠部ｅよりなる。刺しゆう枠ベース
ａに布地押え部材ｂの枠押え板４が開閉自在のブ
ラケツト部材ｃと枠押え板４の縁部５に係脱自在
のクランプ部材ｄが装着される。布地押え部材ｂ
の枠押え板縁部５は押圧係止する被刺しゆう生地
にならつた形状に断面コ字状に構成される。本実
施例ではスリツパに刺しゆうを施すためのもので
あるからほぼハート型に形成されている。枠押え
板４の縁部５の内側にある刺しゆう枠ベースａは
切除されて、、枠押え板４と同一形状の孔ｈが設
けられている。この孔ｈは後述する刺しゆうすべ
き布地でふさがれる。枠押え板４の縁部５に設け
た一対の押え腕６，６は枠ベースａに設けたブラ
ケツト部材ｃのブラケツトベース板８に支持され
るコ字状ブラケツト腕部１２に回動自在に支承さ
れた軸１４に嵌合固定される。軸１４に設けたカ
ラ１６と押え腕６との間の軸１４の外周にキツク
ばね１８が巻着されてなり、このばねはその弾性
力により押え腕６を介して枠押え板４を開閉自在
に保持する。２０は軸１４をブラケツト腕１２に
係止するＥリングで、２２は押え腕６に突設した
ピンで、押え腕６が上昇の際、ブラケツト腕１２
に当接して上昇をストツプする。２４は湾曲状の
ジヨイント枠で、本考案に係る刺しゆう枠を連結
手段２６を介して、ミシンの作業台（図示せず）
上で、電動作用等によりＸ，Ｙ軸方向に適宜に移
動して、所望の刺しゆう縫いを可能とする本枠に
連結される。クランプ部材ｄは刺しゆう枠ベース
ａに設けられ、クランプベース３２に穿設した孔
３３内を横動自在のクランプ軸３４の枠押え板４
の側に、上面テーパ３６を形成するクランプ爪３
８を又この爪と対称位置のクランプ軸３４端部に
Ｌ字状クランプレバ４０を嵌挿する。前記孔３３
の底部とクランプ爪３８との間のクランプ軸３４
にコイルスプリング４２を巻着する。枠押え板４
の縁部５は枠ベースａの方向に開口した断面ほぼ
逆Ｕ字状部４４を有し、このＵ字状部内側のほぼ
中心に設けたくぼみに上丸ベルト４６を嵌合固定
し、更に枠ベースａに設けた孔ｈの縁の部分の上
面に設けた一対のくぼみにそれぞれ下丸ベルト４
８，５０を嵌合固定する。これらの丸ベルト４
６，４８，５０はほぼ三角形を形成するように配
設され、上丸ベルト４６は下丸ベルト４８，５０
の間に嵌入可能である。ブラケツト部材ｃの作動
により布地押え部材ｂの枠押え板の縁部５を持ち
上げて、枠ベースの孔ｈに刺しゆうすべき布地を
かぶせて後、縁部５を下降させると、クランプ爪
３８の作動によるか又は枠押え板４の縁部５を押
圧することによりこの縁部５をクランプ爪３８で
係止し、枠押え板４の縁部５と刺しゆう枠ベース
ａとの間に前記丸ベルト４６，４８，５０を介し
て、布地Ｗを挾持する。

次に布地押え部材ｂの枠押え板４を刺しゆう枠
ベースａと係脱する作用について説明する。第５
図に図示のようにＬ字状クランプレバ４０がクラ
ンプベース３２に設けた壁部４１に当接し矢印の
方向へ回動して、レバ４０をほぼ水平位置に保持
すると（第５図）、クランプ爪３８は矢印の方向
に後退して枠押え板４の縁部５に対する押圧が外
れる。従つて枠押え板４は、ブラケツト部材ｃの
押え腕６を介して、軸１４に巻着しているキツク
ばね１８の弾性力により、軸１４を芯として上方
に回動し、開の状態となる。又前記と異なり枠押
え板４をキツクばね１８の弾性力に抗して下方に
移動させ、その縁部５をクランプ爪３８のテーパ
部３６に当接させ、更にテーパ部３６の傾斜に沿
つて強く下方に押圧すれば、クランプ爪３８はク
ランプばね４２に抗して、枠押え板４の縁部５に
接したまま後退する。一方この押え板縁部５の上
面がテーパ部３６の下端部終点に到達し、クラン
プベース３２の孔３３の下方水平内側面と同一平
面に位置すると、前記クランプ爪３８はクランプ
ばね４２の弾性力により前方へ押し出され、枠押
え板４の縁部５上をスライドして元の位置に復帰
するので、クランプ爪３８で縁部５を係止する。
同時に枠押え板の縁部５は刺しゆう枠ベースａと
の間で丸ベルト４６，４８，５０を介して、布地
Ｗを挾持する。尚Ｌ字状クランプレバ４０を押圧
した状態すなわちクランプ爪３８を孔３３より後
退させたままの状態で、枠押え板縁部５を押圧し
て刺しゆう枠ベースａとの間で布地Ｗを挾持する
ことができることは勿論である。尚本実施例にお
いてはほぼハート型の枠押え板を使用している
が、被刺しゆう体の生地の形状に合わせて数多く
の形状の枠押え板を採用できることは勿論であ
る。

(ヘ) 考案の効果 本考案においては、特種形状の生地を極めて容
易に刺しゆう枠内に着脱自在に保持し、能率的刺
しゆう作業を実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る刺しゆう枠の一実施例の
平面図。第２図は第１図の矢印Ｘ方向より見た側
面図。第３図は第１図の矢印Ｙ方向より見た側面
図。第４図は第１図の−の線に沿つた断面
図。第５図は第４図のクランプ爪を後退させた断
面図。第６図は枠ベースの孔部の平面図。 ａは刺しゆう枠ベース、ｂは布地押え部材、ｃ
はブラケツト部材、ｄはクランプ部材、ｅはジヨ
イント枠部、ｈは枠ベースの孔、Ｗは布地、４は
枠押え板、５は枠押え板縁部、６は押え腕、１２
はブラケツト腕、１４は軸（ブラケツト）、１８
はキツクばね、２４はジヨイント枠、３２はクラ
ンプベース、３４はクランプ軸、３６はテーパ、
３８はクランプ爪４０はクランプレバ、４１は壁
部、４６，４８，５０は丸ベルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ほぼ中央に被刺しゆう体の形状にならつた孔
   を穿設した枠ベースと孔の縁部で枠ベースとの
   間に刺しゆう布地を挾持するための縁部を具え
   た枠押え板と枠ベースに設けられ、この枠押え
   板を開閉自在に保持する開閉部材とこの開閉部
   材と対向する側の枠ベース上に、枠押え板の縁
   部を係脱自在に保持するクランプ部材と枠ベー
   スを所定方向に稼動可能な別の刺しゆう枠に連
   結するジヨイント部とを有するミシンの刺しゆ
   う枠において、 (イ) ブラケツト腕に回動自在に設けた軸にその
   端部が嵌合固定され、他端部が枠押え板の縁
   部に固定された押え腕を、前記回動自在の軸
   に巻回したキツクばねの弾性力により、枠押
   え板の縁部と共に開閉自在となした開閉部材
   と、 (ロ) クランプベース内を横動自在のクランプ軸
   の一端部にクランプ爪を、他端部にＬ字状ク
   ランプレバを取り付け、クランプレバの作動
   によりクランプ軸を進退せしめ、クランプ爪
   で枠押え板縁部と刺しゆう枠ベースとの間
   で、枠押え板縁部内側に設けた環状体と枠ベ
   ースの孔縁部に設けた環状体とを介して、布
   地を係止自在となしたクランプ部材とを具え
   たミシンの刺しゆう枠。 ２ クランプ軸の端部にＬ字状のクランプレバを
   嵌着し、クランプレバを回動する際にＬ字状頂
   部が当接する壁部をクランプベースに設けた実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載のミシンの
   刺しゆう枠。 ３ 枠ベースに設けた孔の縁部に設けた一対の環
   状体に枠押え板縁部の内側に設けた環状体を嵌
   合せしめることにより孔をおおうように配設し
   た刺しゆう用布地を係合してなる実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のミシンの刺しゆう
   枠。 ４ クランプ爪の端部にテーパ部を形成し、この
   テーパ部に沿つて断面コ字状の枠押え板縁部を
   押圧下降せしめ、枠ベース孔の縁部に設けた一
   対の丸ベルトに前記枠押え板縁部の内側に設け
   た丸ベルトを嵌合せしめることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第３項記載のミシンの刺
   しゆう枠。