JPH0240938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はオーバーロツクミシンの布押え装置に
関する。

（従来の技術） 従来より使用されているオーバーロツクミシン
の布押え装置について、添付第３図乃至第６図を
参照して説明する。第３図乃至第５図においては
ホールダと押え金とを着脱自在となしたオーバー
ロツクミシンの布押え装置が開示されており、又
第６図はホールダと押え金とが着脱下能に結着さ
れたオーバーロツクミシンの布押え装置が開示さ
れている。（実開昭61−118573号公報参照）。

第１に着脱自在のオーバーロツクミシンの布押
え装置は、ホールダ１の側面に設けた突子２にト
ーシヨンばね３を巻着し、その一端部３ａの基部
をホールダ１の側面に設けた支持用突子４で支持
し、一方ホールダ１の下面に設けた嵌合溝５を押
え金６に横架するピン７に嵌合せしめ、前記トー
シヨンばね３の一端部３ａの湾曲端部で押え金６
を上下動可能に弾圧してなる構成である。

次に着脱下能のオーバーロツクミシンの布押え
装置は、第６図に図示のように、押え金ａは、ホ
ールダｈに支軸ｂにより軸支され、ホールダｈの
側面に装着されたトーシヨンばねｓの一端により
押え金ａの前方部を布に向けて弾圧した構成であ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 前述の従来例の構成においては、トーシヨンば
ねの一端部は、ホールダの後面（第５図）又はそ
の前面（第６図）に巻着されているから外部に露
出している。従つて押え金装置をミシンの押え棒
に取りつけて、その下面で縫成すべき布地を押
え、別に設けたルーパと縫い糸によりオーバーロ
ツク縫いを形成する際又は縫い糸を通したミシン
針を取りつけた針棒の上下動により布地に縫い目
を形成する作業中に、縫い糸くずや布地のほつれ
部が、ホールダに巻着したトーシヨンばねの一端
部にひつかかり、そのために作業能率に悪影響を
与える等の欠陥があつた。

又押え金を布地に押圧するために前述の従来例
の外にトーシヨンばね又はその他のばね材を採用
したその他の従来例もあるが（特開昭50−91450
号公報、実開昭50−135348号公報）、これらは縫
成する布地の厚さその他の情況に応対して、押え
金の布地に対する押圧力を変える必要があるとき
は、その都度弾発力の異なる別のトーシヨンばね
又はその他のばねを取り換えねばならないので面
倒である等の問題点があつた。

（問題点を解決するための手段並びに作用） そこで本考案は前記の問題点を解決することを
目的とするもので、ホールダ突子に巻着するトー
シヨンばねの一端部をコ字状湾曲部に形成し、突
子を設けたホールダ側面に複数の孔部を突子を中
心としてほぼ同一円周状に穿設した構成を提供す
る。複数孔のいづれか一つを選んで、湾曲端部を
差し替えることにより、トーシヨンばねによる押
え金への弾圧力を変更し、布押え装置の布地への
適宜な押圧力を得ることができる。従つて布地の
情況に応じて押圧力を変化させるためにその都度
別のトーシヨンばね自体を取り換える必要はな
い。

（実施例） 以下添付図面にもとづき、本考案の実施例を説
明する。

第１図は押え金２０とホールダ１８とが着脱不
能に結着したオーバーロツクミシンの布押え装置
である。ホールダ１８の脚部１９を押え金２０に
横架したピン１６に回動自在に嵌着する。

本考案に用いられるトーシヨンばね１２は第１
図Ｂに図示のように、長脚端湾曲部１２ａは押え
金２０の上面を弾圧し、他端短脚部１２ｂはホー
ルダ１８の側面に穿設した複数の孔１４のいづれ
かに嵌挿される。これらの孔は第１図に向つて右
より左へ突子２を芯としてほぼ同一円周状に配設
され、最右端の孔にトーシヨンばね１２の短脚部
１２ｂを係止したときにトーシヨンばね１２のね
じりモーメントは強く、左へ移行するに従つてそ
のねじりモーメントは弱くなるように設定してあ
る。

従つてトーシヨンばねの長脚端湾曲部１２ａを
係止する孔１４の位置を選択することにより、ト
ーシヨンばね１２の反撥力を調整でき、ひいては
押え金２０の布地に対する押圧力を加減できる。

第２図は、本考案に係る別の実施例を図示する
もので、ホールダ１と押え金６とが把手９を操作
することにより、把手９と連結する係止部材（図
示せず）が押え金６に横架したピン７の下を移動
しホールダ１の嵌合溝５とピン７とを係着自在と
なしたホールダ１と押え金６とが着脱自在の布押
え装置である。この布押え装置にも同様なトーシ
ヨンばね１２と孔部１４を採用して、第１実施例
と同一の作用効果を得ることができる。

（効果） 本考案においては、トーシヨンばねの一端湾曲
部をホールダに設けた複数のいづれかの孔に嵌挿
することにより、ばねのねじりモーメントを調整
できる。又従来例のようにホールダ外周にトーシ
ヨンばねの端部が巻着してないので、縫成作業中
における糸くず等の不用物がばねに引掛かり作業
能率が阻害されるのを防止できると共にトーシヨ
ンばねの短脚部を複数の孔のいづれかに差替える
ことによりトーシヨンばねのねじりモーメントを
変化させ、その結果押え金の布地に対する押圧力
を加減できる。従つて従来例のように押圧力を変
える都度ばね部材を取換える煩わしさより開放さ
れ、使用する布地の情況に対応して布押え装置の
布地に対する押圧力を容易に調整できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案に係るオーバーロツクミシン
の布押え装置の斜視図。同Ｂはトーシヨンばねの
側面図。第２図は本考案に係る別の実施例の斜視
図。第３図は従来例のオーバーロツクミシンの布
押え装置の斜視図。第４図は第３図のホールダと
押え金とを分解した斜視図。第５図は第３図の底
面図。第６図はも一つの従来例のオーバーロツク
ミシンの布押え装置の斜視図。 １，１８……ホールダ、２……突子、６，２０
……押え金、１２……トーシヨンばね、１２ａ…
…長脚端湾曲部、１２ｂ……短脚部、１４……
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホールダと押え金とを着脱自在となした布押え
   装置において、ホールダの一側面に突子を設け、
   この突子を中心として、ホールダ側面の同一円周
   上に複数の孔を設け、この突子にトーシヨンばね
   を巻着し、このトーシヨンばねの長脚部の一端湾
   曲部で押え金の上面を押圧し、その他端短脚部を
   前記複数の孔のいづれかに嵌挿することにより、
   トーシヨンばねのねじりモーメントを変化させて
   押え金に対する弾圧力を加減し、布押え装置の布
   地に対する押圧力を調整することを特徴とするオ
   ーバーロツクミシンの布押え装置。