JPH0135389B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、乗車券発行装置に関する。

従来技術 利用者が硬貨または紙幣を投入し、行先の選択
ボタンを押すことにより、自動的に乗車券を発行
する装置が知られている。この装置によつて発行
される乗車券の一面には、可視情報として、発行
駅名（乗車駅名）、行先駅名（または料金もしく
は区数）、発券の日付および追番等が印刷される。
乗車券の他面は磁性面であつて、この面には自動
改札のために上記のような情報が磁気記録され
る。たとえば特公昭55−37037号公報の第１図に
は、発行駅名、料金、日付および追番が印刷され
た乗車券が図示されている。乗車券には発車時刻
に関する情報は一切印刷されていない。電車の発
車時刻は、通常は、駅構内外の適宜な箇所に設け
られた掲示板に記載されている。

発明が解決しようとする課題 しかし上記の掲示板には、上りおよび下りの発
車時刻が平日と休日とに分けて多数羅列されてい
るだけであるから非常に見にくい。また、発車時
刻掲示板の設置箇所が改札場所や乗車券発行装置
から離れて設置されている場合には非常に不便で
ある。

この発明は乗車券発行装置を用いて乗車券を購
入したときに、その購入時に近い時刻で乗車可能
な電車の発車時刻を、発車時刻掲示板をわざわざ
見にいかなくても乗車券に関連して容易に知るこ
とのできる乗車券発行装置を提供するものであ
る。

課題を解決するための手段 この発明による乗車券発行装置は、第１図にそ
の機能ブロツク図が示されているように、利用者
の希望する行先を指定する行先選択ボタン６１、
必要な情報を乗車券６２に印刷する印刷装置６
３、時刻を出力する時計６４、電車の電車番号に
関連してその電車の発車時刻およびのり場番号を
記憶する発車時刻メモリ６５、発車時刻またはの
り場番号に変更があつた場合に変更のあつた電車
の電車番号に関連して変更された発車時刻および
のり場番号を入力する入力装置６６ａとこの入力
装置６６ａから入力されたこれらの情報を記憶す
る変更メモリ６６ｂとを備えた変更装置６６、上
記行先選択ボタン６１からの入力に応答して、上
記時計６４の出力するその時の時刻を読込む手段
６７、上記行先選択ボタン６１の入力に応答し
て、上記発車時刻メモリ６５および変更メモリ６
６ｂから、上記行先選択ボタン６１によつて指定
された行先に向う電車の発車時刻のうち上記読込
み手段６７によつて読込まれたその時の時刻に近
くかつこの時刻よりも後の時刻の発車時刻の電車
を検索する手段６８、ならびに上記検索手段６８
によつて捜し出された電車の発車時刻およびのり
場番号を上記印刷装置６３によつて乗車券６２に
印刷するよう制御する手段６９を備えていること
を特徴とする。

作 用 発車時刻メモリ６５には電車番号に関連してそ
の電車の発車時刻およびのり場番号があらかじめ
記憶されている。発車時刻またはのり場番号に変
更があつた場合には、変更装置６６の入力装置６
６ａを用いて変更のあつた発車時刻、のり場番号
が電車番号に関連して入力され、変更メモリ６６
ｂにこれらの変更情報が記憶される。利用者が乗
車券を購入するために行先選択ボタン６１を用い
て所望の行先を選択すると、これに応答して上記
読込み手段６７によつて上記時計６４からその時
の時刻が読込まれる。また上記検索手段６８によ
つて、上記発車時刻メモリ６５および変更メモリ
６６ｂを参照して、上記行先選択ボタン６１によ
つて指定された行先に向う電車の発車時刻のう
ち、上記読込み手段６７によつて読込まれたその
時の時刻に近くかつこの時刻よりも後の時刻の発
車時刻の電車が検索される。そして、この検索さ
れた電車の発車時刻およびのり場番号が上記制御
手段６９による制御のもとに上記印刷装置６３に
よつて乗車券６２に印刷され、乗車券が発行され
る。

発明の効果 以上のようにこの発明によれば、乗車券に、乗
車券を購入する時点以降でかつこの時点に近い時
刻に発車する電車の発車時刻およびのり場番号が
印刷されるから、乗車券の購入と同時にその利用
者は乗車可能な電車の発車時刻およびのり場を容
易に知ることができ、掲示板の発車時刻表を調べ
る煩雑さがない。しかも、事故その他で電車のダ
イヤに一時的かつ部分的な変更があつた場合に
も、上記変更装置によつて変更されたダイヤを入
力して設定しておけば、変更された発車時刻、の
り場番号が乗車券に印刷される。このことにより
ダイヤの変更にも即応できる。

実施例の説明 第２図は、乗車券発行装置の外観を示してい
る。この発行装置の接客パネル１の上部には、硬
貨投入口２、紙幣挿入口３および投入金額表示器
４が設けられている。パネル１の中央部には、案
内票請求ボタン５、子供選択ボタン６および行先
駅選択ボタン７が設けられ、下部には乗車券、案
内票および釣銭の放出口８があけられている。

第３図は、乗車券発行装置の内部構成を示すも
のである。乗車券発行装置は、中央処理装置
（CPUという）１０によつて制御され、このCPU
１０はその入出力装置として、スイツチ入力装置
１１、貨幣処理機構１２、印刷装置１３、カー
ド・ライタ１４および時計１５を備えている。ま
た、CPU１０には、変更装置１６、印刷パター
ン発生装置１７、CPU１０のプログラムを記憶
したプログラム・メモリ１８、データ・メモリ１
９および発車時刻メモリ２０が設けられている。

スイツチ入力装置１１は、案内票請求ボタン
５、子供選択ボタン６および行先駅選択ボタン７
を含むもので、これらのボタンによつて入力され
た信号はこの入力装置１１からCPU１０に送ら
れる。

貨幣処理機構１２は、検銭器を含む硬貨処理機
構、ビル・チエツカを含む紙幣処理機構および釣
銭機構などから構成され、硬貨投入口２や紙幣挿
入口３に投入された硬貨や紙幣の真偽と種類とを
判定し、投入金額を示す信号をCPU１０に送る。
また、必要な場合にはCPU１０からの指令に応
じて所要額の釣銭を放出する。

印刷装置１３は、CPU１０からの情報にもと
づいて発行すべき乗車券または案内票の一面に、
発行駅名（乗車駅名）と行先駅名（または料金も
しくは区数）とを含む乗車区間、行先駅に向う電
車のうち早く発車する２〜３の電車の発車時刻お
よびその電車ののり場を示すのり場番号、発券の
日付ならびに追番などの諸情報を印刷するもので
ある。印刷された乗車券および案内票の一例が第
４図および第５図にそれぞれ示されている。この
印刷装置１３は、たとえば熱印刷装置（サーマ
ル・プリンタ）である。

カード・ライタ１４は、発行する乗車券の他面
の磁性面に、CPU１０からの情報にもとづいて
発行駅名、行先駅名（または料金もしくは区数）、
発券の日付などを磁気記録するものである。この
磁気情報は自動改札のために用いられる。

時計１５は、年月日と時刻Ｔを出力する。別途
に日付設定器を設け、この日付設定器の出力によ
つて年月日の情報を得るようにしてもよい。

パターン発生装置１７は、乗車券に印刷すべき
情報のコードに対応してその情報をキヤラクタで
印刷するためのパターンを発生するものである。
印刷装置１３は、行先駅名などを構成するキヤラ
クタを点（ドツト）の集合で表わして印刷する。
発生装置１７は、行先駅名などのコードからその
情報を構成するキヤラクタを表わす点の集合を発
生するものである。

データ・メモリ１９には、行先駅選択ボタン７
によつて入力された行先駅、貨幣処理機構１２か
ら送られた投入金額、時計１５または日付設定器
から送られた日付、CPU１０によつて計数され
る追番、乗車券発行装置からのり場までの平均所
要時間ｔおよび発行駅名を示すコードなどが記憶
される。追番は発券ごとに更新される。時間ｔは
一定値である。

発車時刻メモリ２０には、上りおよび下りのす
べての電車について、その電車の番号Ｎ、発行駅
を発車する時刻ti、tj、その電車の行先、のり場
番号および種類が、時刻の順序に並べてあらかじ
め記憶されている。電車番号とはその電車を特定
するために用いられる番号である。電車の種類に
は、普通、準急、急行、特急などがある。上りお
よび下りの各時刻ti、tjが記憶されている場所の
アドレスをそれぞれｉ、ｊで示す。

変更装置１６は、事故その他の理由により一時
的にダイヤを変更した場合に、変更したダイヤを
設定するものであつて、変更のあつた電車の電車
番号、発車時刻、行先、のり場番号および種類を
入力する入力装置と、これらの情報を記憶する変
更メモリとから構成されている。入力装置として
は、たとえばキー・ボードがよい。変更の内容に
は、発車時刻の変更およびのり場の変更がある。

第６図は乗車券発行の手順を示している。利用
者が接客パネル１の硬貨投入口２または紙幣挿入
口３に硬貨を投入または紙幣を挿入すると（ステ
ツプ31）、投入された貨幣を検査してその種類と
枚数を判定し、投入金額を計数する。そして、こ
の投入金額をデータ・メモリ１９に記憶する。次
に利用者は行先駅選択ボタン７のうち所望のボタ
ンを押して行先を指定するので（ステツプ33）、
指定された行先をデータ・メモリ１９に記憶する
（ステツプ34）。そして、時計１５から現在の時刻
Ｔを読込んでレジスタなどに一時的に記憶してお
く（ステツプ35）。

路線にある多数の駅は、一定の順序で駅順が定
められており、各駅を示すコードにはこの駅順デ
ータが含まれている。そこで、データ・メモリ１
９に記憶した行先駅および発行駅のコードにもと
づいて、行先駅が発行駅からみて上り方面にある
か下り方面にあるかを判断する（ステツプ36）。

上りの場合には、発車時刻メモリ２０のうち上
りの発車時刻の記憶エリヤの先頭アドレスｉを設
定して（ステツプ37）、このアドレスによつて指
定される記憶場所の発車時刻tiを読出す（ステツ
プ38）。そして、読出した発車時刻tiから現在の
時刻Ｔを差引いて、その減算結果が上記の所要時
間ｔ以上であるかどうかをみる（ステツプ39）。
ti−Ｔ≧ｔでなければ、アドレスｉに＋１して次
のアドレスを指定し（ステツプ40）、ステツプ38
に戻つて各発車時刻tiについて同様な検査を順次
繰返していく。メモリ２０には発車時刻が時刻の
順序で並べられているから、各時刻についての検
査で最初にti−Ｔ≧ｔを満足した場合にステツプ
39でYESとなり、ステツプ45に進む。

ステツプ36で下りと判断した場合にはステツプ
41に移り、同じように、下り発車時刻の記憶エリ
ヤに記憶されている時刻tjをその順序で読出し
て、tj−Ｔ≧ｔを満足するかどうかを調べる（ス
テツプ42〜44）。そして、ステツプ43でYESとな
つたときにステツプ45に進む。

ステツプ45では、ステツプ38または42で読出し
た発車時刻の電車の電車番号を索引として変更装
置１６の変更メモリ内に同一電車番号の電車情報
が記憶されているかどうかをみて、変更有りかど
うかを判定する（ステツプ46）。変更メモリ内に
同一電車番号の情報がなければ、ステツプ47に進
む。

ステツプ47では、ステツプ38または42で読み出
した発車時刻、この発車時刻に対応するのり場の
番号、行先および種類、データ・メモリ１９に記
憶されている行先駅名、発行駅名、日付、追番な
どを編集し、かつこれらのデータを表わす信号を
パターン発生装置１７から発生させて印刷装置１
３に送り、乗車券の一面にこれらの可視情報を印
刷する。もちろん、この印刷と前後して乗車券の
他面に必要な情報を磁気記録する。

ステツプ46で変更有と判断した場合には、まず
のり場番号のみに変更があるのかどうかをみる
（ステツプ48）。これは、ステツプ38または42で読
出した発車時刻およびそれに対応するのり場番号
と、変更メモリ内に記憶されている同一電車番号
の電車の発車時刻およびのり場番号を比較するこ
とにより行なわれ、もしのり場番号のみに変更が
あれば、メモリ２０のステツプ38または42で読出
した発車時刻に対応するのり場番号に代えて変更
メモリののり場番号を採用する（ステツプ49）。

のり場のみの変更でなければ発車時刻のみの変
更またはのり場と発車時刻の両方の変更である。
この場合には変更メモリ内に記憶されている発車
時刻のうちステツプ39または43と同一の判定式を
満足する最も早い発車時刻を検索して読出し（ス
テツプ50）、この読出した発車時刻とステツプ38
または42で読出した発車時刻とを比較して（ステ
ツプ51）早い方の発車時刻の電車の情報を採用す
る。

ステツプ49または51ののちステツプ47に移つ
て、変更後ののり場番号または最も早い発車時刻
を他の関連する情報とともに乗車券に印刷する。

なお、ダイヤ変更の有無に関係なく、常にメモ
リ２０および変更メモリを検索して、最も早い発
車時刻を読出すようにしてもよい。

以上の処理によつて、ダイヤ変更があつた場合
であつても乗車券発行時からホームまでの所用時
間を加えた時点において最も早く発車する電車の
発車時刻およびその電車ののり場番号等の諸情報
が乗車券に印刷されることが理解されよう。利用
者はこの発車時刻およびのり場番号をみて、自分
の乗車すべき電車および向うべきのり場を知るこ
とができるので、発車時刻表の掲示板を見る煩雑
さを避けて迅速な行動をとることができる。

上記の処理手順では、最も早い（先発）発車時
刻の電車情報のみが乗車券に印刷されるが、ステ
ツプ37〜40、45〜51または41〜51を繰返すことに
より２番目（次発）、３番目（次々発）の電車の
情報についても同じように乗車券に印刷できるの
はいうまでもない。

また、案内票請求ボタン５が押された場合に
は、同じような手順により第５図に示すような案
内票を印刷することができる。この場合、行先駅
指定ボタン７を押させるようにしてもよいし、上
りまたは下り指定用のボタンを設けておき、行先
駅指定ボタン７に代えてこの上りまたは下り指定
用のボタンを押させるようにしてもよい。

平日と休日とで電車ダイヤが変わる場合には、
発車時刻メモリ２０に平日用および休日用の発車
時刻およびのり場番号等を記憶させておけばよ
い。そして、時計１５または日付設定器に休日で
あることを示す信号を出力させるようにする。さ
らに、乗車券発行装置が複数台設置されている場
合にはこれら複数台の発行装置で１台の発車時刻
メモリを共用させるようにしてもよい。

上記の例では、電車の種類に関係なく特急、急
行、準急および普通のすべてを印刷しているが、
行先駅が特急、急行または準急電車の停車駅の場
合にのみ特急、急行および準急の発車時刻等を印
刷するか、または、行先駅への到着時刻を判定し
て、早く到着する電車の発車時刻を印刷するよう
にしてもよい。

または、特急、急行、準急および普通の選択ス
イツチを接客パネルに設けておき、この選択スイ
ツチによつて指定された種類の列車の発車時刻等
を印刷するようにしてもよい。さらに、上り、下
りの選択スイツチや、発車時刻印刷要求スイツチ
を操作パネルに設けておき、これらのスイツチが
操作された場合にのみ乗車券に発車時刻等を印刷
するようにすることもできる。行先駅ではなくて
線区または料金のみを選択して、行先駅に代えて
線区または料金を乗車券に印刷する方式の場合に
は、上り、下り選択スイツチを設け、このスイツ
チを利用者に操作させれば、利用者の行先が上り
方面かまたは下り方面かを知ることができる。こ
の上り、下り選択スイツチを設けない場合には上
りと下りの両方の発車時刻を乗車券に印刷すると
よい。

上記の例は、利用者が貨幣を投入して操作する
自動発行装置であるが、金銭の授受は駅係員が行
ない、駅係員がキー操作することにより乗車券を
発行する形式の装置にもこの発明は適用可能であ
る。

特許請求の範囲に記載の行先選択ボタンは上記
実施例において、行先選択ボタン７に対応し、以
下同じように、印刷装置は印刷装置１３に、時計
は時計１５に、発車時刻メモリは発車時刻メモリ
２０に、変更装置は変更装置１６にそれぞれ対応
し、時刻読込み手段、検索手段および印刷制御手
段はCPU１０に対応する。

また、第６図のフロー・チヤートは特許請求の
範囲における時刻読込み手段、検索手段および印
刷制御手段の機能を表わしており、ステツプ35の
処理が時刻読込み手段の機能を示し、ステツプ36
〜46および48〜51の処理が検索する手段の機能
に、ステツプ47の処理が印刷制御手段の機能をそ
れぞれ示している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の機能ブロツク図、第２図は
乗車券発行装置の外観を示す正面図、第３図は乗
車券発行装置の内部構成を示すブロツク図、第４
図は発行された乗車券を示す図、第５図は発行さ
れた案内票を示す図、第６図は乗車券発行処理手
順を示すフロー・チヤートである。 ７……行先駅選択ボタン、１０……CPU、１
３……印刷装置、１５……時計、１６……変更装
置、１７……印刷パターン発生装置、２０……発
車時刻メモリ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 利用者の希望する行先を指定する行先選択ボ
   タン、 必要な情報を乗車券に印刷する印刷装置、 時刻を出力する時計、 電車の電車番号に関連してその電車の発車時刻
   およびのり場番号を記憶する発車時刻メモリ、 発車時刻またはのり場番号に変更があつた場合
   に変更のあつた電車の電車番号に関連して変更さ
   れた発車時刻およびのり場番号を入力する入力装
   置、およびこの入力装置から入力されたこれらの
   情報を記憶する変更メモリを備えた変更装置、 上記行先選択ボタンからの入力に応答して、上
   記時計の出力するその時の時刻を読込む手段、 上記行先選択ボタン入力に応答して、上記発車
   時刻メモリおよび変更メモリから、上記行先選択
   ボタンによつて指定された行先に向う電車の発車
   時刻のうち上記読込み手段によつて読込まれたそ
   の時の時刻に近くかつこの時刻よりも後の時刻の
   発車時刻の電車を検索する手段、ならびに 上記検索手段によつて捜し出された電車の発車
   時刻およびのり場番号を上記印刷装置によつて乗
   車券に印刷するよう制御する手段、 を備えた乗車券発行装置。