JPH0134783B2 - - Google Patents

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JPH0134783B2
JPH0134783B2 JP59276005A JP27600584A JPH0134783B2 JP H0134783 B2 JPH0134783 B2 JP H0134783B2 JP 59276005 A JP59276005 A JP 59276005A JP 27600584 A JP27600584 A JP 27600584A JP H0134783 B2 JPH0134783 B2 JP H0134783B2
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JP
Japan
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film
liner
heat
corrugated board
paper
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Yoshio Ishizaki
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ISHIZAKI SANGYO KK
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ISHIZAKI SANGYO KK
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  • Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ダブルバツカーライナに、工業的に
耐水性と美粧性とを合わせ持たせた安価な段ボー
ルに関する。
〔従来の技術とその問題点〕 従来、フイルムラミネート段ボールを工業的
に製造する技術には、先ず、合成樹脂フイルム
をラミネートしたフイルムラミネート原紙を片
面段ボール側のライナ原紙とし、これをコルゲ
ートマシンのシングルフエーサ部で段ロールに
加圧することにより、段頂に糊付けされた中芯
と結合接着させる技術があり(特開昭54−
148696号)、この技術により得られるフイルム
ラミネート段ボールは、片面段ボール側ライナ
(これを通常は「裏ライナ」といつている)の
外面側にラミネートフイルム層を有するもので
あつた。
元来、シングルフエーサ部において段ロール
とプレスロールとにより中芯段頂に貼られるラ
イナ即ち片面段ボール側のライナを「裏ライ
ナ」と言い、ダブルフエーサ部の加熱圧着部に
おいて片面段ボールの中芯の他の段頂に貼られ
るライナ即ちダブルバツカーライナを「表ライ
ナー」と言つている。
これは、片面段ボール側のライナには中芯の
段頂に沿つて約4〜6Kg/cm2の段ロール圧が瞬
間的に加わるため、その表面側にどうしても段
ボールの加圧跡が擦り傷跡のように縞膜様状に
表われる。このため、外観的にはダブルバツカ
ーライナと比較してどうしても見劣りすること
から、裏ライナとされているわけである。
ところで、上記従来技術(特開昭54−148696
号)によつて製造された裏ライナ表面にフイル
ムをラミネートしたものにあつては、フイルム
自体軟質でその表面は軟いため、第4図に示す
ように、上記加圧跡41はフイルム42をラミ
ネートしない原紙43そのまゝの時以上に拡大
し、且つフイルム42表面の加圧跡41は擦り
傷の如く白色化して表われ、耐水性はともか
く、美粧性はかえつて原紙43単独の場合より
も劣り、とても箱の外面側に採用できるもので
はなかつた。実際、裏ライナ面を箱の内面側
に、表ライナ面を箱の外面側として、各種段ボ
ール箱が形成されている。
次いで、合成樹脂フイルムをダブルフエーサ
部の加熱された上面ライナ上に直接供給する製
造方法もあるが(特開昭58−22151号)、この従
来例でいう上面ライナとは、シングルフエーサ
部で段成形された中芯に接着剤により貼り合わ
された片面段ボールのライナのことであること
は明らかである。ということは、この上面ライ
ナは、上記した「裏ライナ」であり、ダブルバ
ツカーライナ即ち「表ライナ」とは違う。
そして、裏ライナは必ずプレスロールと段ロ
ールとの間に繰り込まれる工程を経るため、裏
ライナ原紙(クラフト紙)表面に樹脂フイルム
が予めラミネートされているか否かに関係な
く、段圧跡が形成される。
従つて、たとえこの従来例の如く後工程のダ
ブルフエーサ部で裏ライナ表面上に樹脂フイル
ムをラミネートしても、第4図に示すような段
圧跡が消えるわけではない。
このような従来例段ボールは、耐水性の向上
はあつても、美粧性という点までも改良される
ものではなかつた。また当然に印刷適性は無
い。従つて、箱体にしたときはフイルム層はほ
とんどが箱の内側にのみ使用され、箱の外側面
は通常の紙ライナ面となつていることが多かつ
た。
このため従来より、外層のフイルム表面に縞
状の加圧跡が全く生じない、且つ、耐水性と美
粧性の両方を兼ね備えた段ボールの出現が要望
されていたわけである。
また、この従来列では、ホツトメルト型接着
剤を塗布した延伸強化フイルムを使用してい
る。これは、コスト的には、延伸ものはフイル
ムの二次加工やホツトメルト等の接着剤を必要
とするため、かなりコスト高である。
このように、この従来例では、材料費や製造
費において非常にコスト高なものになるという
大きな欠点も有していたのである。
また、一面にホツトメルト層を形成した合成
樹脂シートを、段ボールのライナの両面又は片
面に上記ホツトメルト層を密着させて貼着する
防水段ボールの製造方法が開示されている(特
開昭57−107832号)。
この開示技術によれば、上記した「表ライ
ナ」側にも合成樹脂フイルムシートが貼られる
構成である。しかし、その防水段ボールシート
のラミネート構造は、中芯側より順に〔ライナ
(紙)+ホツトメルト接着剤層+合成樹脂フイル
ムシート〕で構成されている。
プラスチツクフイルムのラミネート加工法と
して、ホツトメルトラミネート法は一般に知ら
れているが、このラミネート法は、加熱溶融し
たホツトメルト接着剤をプラスチツクフイルム
などの基材の上に塗布して第2の基材などに貼
り合わせて冷却する方法である。
そしてホツトメルト接着剤の組成は、(イ)ベー
スレジン(EVA系、感圧形、ポリアミド系、
ポリエステル系など)、(ロ)粘着付与剤(ロジン、
ビネン系樹脂、石油樹脂など)、(ハ)ワツクス類、
(ニ)酸化防止剤、(ホ)可塑剤又は充填剤より成り、
その加熱溶融温度は、比較的低温でも130〜150
℃で溶融させ、高温のものでは160〜200℃で加
熱溶融させる。
このような加熱溶融後に冷却して形成される
ホツトメルト接着剤層はとても無視することの
できない構成要素なのである。
また、上記の加熱溶融温度で溶触したホツト
メルトが塗布される基材がプラスチツクフイル
ムである場合は、このフイルムは耐熱性を必要
とし、耐熱性の劣る低密度ポリエチレンフイル
ム、即ち熱溶融性フイルムなどは到底使用に耐
え得るものではない。従つて、この開示技術に
おける合成樹脂フイルムシートは少なくともエ
キストルージヨンラミネート加工され得る熱溶
融性フイルムであるはずがなく、比較的耐熱性
のあるフイルムであることは明白である。
従つてこの開示されている従来例において
も、耐熱性フイルムやホツトメルト、更にはホ
ツトメルトの加熱溶融装置、塗布装置、加えて
補助ヒータ等を必要とするため、かなりコスト
高になるという大きな欠点を有していたのであ
る。
更に、両面ライナが紙製である段ボールシー
トを一旦製造後に、加圧ロールや冷却ロールを
通すことなく、そのライナ表面に樹脂コーデイ
ングすることにより耐水性を付加した段ボール
も存在する(実公昭40−21993号)。
しかし、この加圧せずに樹脂コーテイングす
る製法は、パラフインろう(ワツクス)の混入
なしには接着性を得ることはできない。即ち、
実公昭40−41993号公報はコーテイング材料が
塗布されているものであつて、フイルム形成を
伴なうものではない。
このような樹脂コーテイング段ボールは本来
の熱溶融性フイルムラミネート段ボールとはと
ても言えなく、耐水性及び美粧性のいずれの点
をとつてみても、熱溶融性フイルムラミネート
段ボールよりは劣るものである。
なお、熱溶融性フイルムを原紙表面にその熱
溶着性を利用して直接熱溶着する、例えば熱溶
融性樹脂フイルム原料をエキストルージヨン法
でラミネート加工してゆくには、必ず冷却及び
加圧、即ち冷却ロール及び加圧ロール中を通さ
なければならない。単なるたれ流し方式では、
原紙と樹脂材料との接着は不完全で、すぐ剥が
れてしまう。従つて、ダブルフエーサ部を終え
た両面段ボールに熱溶融性フイルム原料をエキ
ストルージヨンラミネート加工してフイルムラ
ミネート段ボールを得ようとしても、ラミネー
ト加工中の加圧により中芯の段がつぶれ、商品
化は不可能である。
一方、ダブルフエーサ部の加熱圧着工程の熱
板は、現業では約180℃に加熱されている。こ
れは、現業の接着剤が澱粉糊を利用しており、
この澱粉糊が、生澱粉を糊化した澱粉溶液中に
懸濁分散させ加熱によりこの生澱粉を膨潤糊化
させ粘度を急激に上昇させて瞬間接着力を生じ
るステインホイール社の発明に係る接着剤だか
らである。
この現業の澱粉糊を使用せず、加熱の要らな
い又は加熱温度が低くて済む酢ビ系接着剤など
を使用した樹脂フイルムラミネート段ボールは
存在する。
しかし、上記した現業の澱粉糊を片面段ボー
ルと熱溶融性フイルムラミネート紙との接着剤
に使用して、両面段ボールを形成しているもの
はない。
これは、現業の澱粉糊を糊化させるために、
約180℃にまで加熱されたダブルフエーサの加
熱圧着部に低融点の熱溶融性プラスチツクフイ
ルムを長時間かけて通す技術は未だ確立されて
いなかつたためである。
なお、酢ビ系接着剤によるものは、接着完了
までに非常な長時間を要し、接着剤も高価であ
り、且つ現業の接着装置とは別個の接着装置を
装備しなければならず、製品がコスト高になる
のみならず、生産工程及び作業が非常に繁雑に
なる欠点があつた。
また、現業の澱粉糊を使用して、現業の熱板
温度を低下させて加熱圧着させても、澱粉糊自
体の接着力が得られないので、製品化は無理で
ある。
〔発明の目的〕
本発明は、このような実情に鑑みなされたもの
で、フイルム層に加圧跡がなく表面が平滑であ
り、耐水性と美粧性とを兼ね備え、然も現業の接
着剤である澱粉糊をそのまま使用した非常に安価
な段ボールを提供することを目的としている。
なお、ダブルバツカーライナ(表ライナ)自体
は、片面段ボールの中芯の段形状が潰れないよう
に、10m以上の長さの加熱圧着部において、約
0.1〜0.2Kg/cm2程度の圧力を時間をかけて緩く加
圧され貼付けられているので、上記片面側ライナ
(裏ライナ)のような縞模様状の加圧跡はほとん
ど発生せず、且つその表面は片面側ライナ(裏ラ
イナ)よりも滑らかになつている。本発明段ボー
ルはこの点を全く減ずることなく、本発明の目的
を達成させている。
ところが従来は、約180℃にまで加熱されたダ
ブルフエーサ部の加熱圧着部に低融点のプラスチ
ツクフイルムを長時間かけて通す技術は未だ確立
されていなかつた。
しかし、本発明者等は、現業の段ボール製造設
備及び操業条件をほとんど変更することなく、ダ
ブルバツカーライナ即ち表ライナの外層にプラス
チツクフイルムを被覆させた耐水・美粧性段ボー
ルを最大限低コストで市場に提供できないものか
と鋭意研究した結果、本発明段ボールを完成する
ことができたのである。
〔発明の構成〕
本発明段ボールの構成は、原紙の外側面に予め
熱溶融性フイルムが熱溶着されたダブルバツカー
ライナの原紙の内面側と、一方の段頂にライナを
貼付けてなる片面段ボールの中芯の他方の段頂と
が、澱粉糊にて貼合わせてあることを特徴としい
る。
ここに熱溶融性フイルムとしては、ポリエチレ
ンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエス
テルフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリス
チレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリカー
ボネートフイルム、ポリイミドフイルムなどを使
用することができるが、上記のうちでも特にポリ
オレフイン系フイルムは安価であることから、本
発明の目的達成のためには最も好ましい材料であ
る。
また、上記澱粉糊は、現業の段ボール製造で常
用されているステインホールの発明に係るもの
で、糊化した澱粉溶液中に生澱粉を懸濁分散させ
たものであつて、加熱されると生澱粉が糊化して
溶液中の水分を吸収し、粘度が急激に上がるた
め、加熱によつて瞬間接着が行なわれるものであ
る。
〔実施例〕
次に、図面に基づいて実施例を説明する。
第1図aは本発明実施例段ボールの構造を示し
た拡大断面図、同図bはそれを裏ライナ側より見
た一部破断斜視図、同図cは表ライナ側より見た
一部破断斜視図である。第2図はそれにより組立
てられた段ボール箱の一部を破断して示す斜視
図、第3図は本発明実施例段ボールを製造するた
めの一実施例装置の構成図である。なおこの実施
例では、表裏ライナが共にプラスチツクフイルム
ラミネート紙で構成されている場合を示したが、
裏ライナ側は前記した従来技術(特開昭54−
148696号)によつて製造することができ、表ライ
ナ側が本発明に係る部分である。
第1図において、1はコルゲート加工された紙
製の中芯、2,2′はこの中芯1の両面側にそれ
ぞれ接着された表ライナ及び裏ライナである。表
裏ライナ2,2′はクラフト紙あるいは段ボール
原紙などの紙3,3′を基材とし、これに前記し
たポリエチレンあるいはポリプロピレンなどの熱
溶融性フイルム原料をエキストルージヨンラミネ
ート加工して得られる「紙+熱溶融性フイルム」
のラミネート紙である。この実施例両面段ボール
においは、表裏ライナ2,2′ともに紙3,3′層
を内側とし熱溶融性フイルム4,4′層を外側と
して中芯1に接着されている。中芯1と紙3,
3′との接着は通常使用される澱粉糊30である。
従つて、第2図に示すような箱体では、内壁表
面、外壁表面とも熱溶融性フイルム4,4′層で
構成されることになる。
このような熱溶融性フイルムラミネート紙は、
市販のもの又は予め別工程で「紙+熱溶融性フイ
ルム」のラミネート加工されたものを使用すれば
よい。
熱溶融性フイルムラミネート紙をダブルバツカ
ーライナのライナ原紙として現業段ボール製造装
置の加熱圧着部において片面段ボールに澱粉糊に
て直接加熱圧着させた例は過去にはなかつた。そ
れは、ライナと中芯との貼合せ工程で現業の澱粉
糊を使用していることから180℃程度の高熱と適
度の加圧は絶対に必要であり、このため、ラミネ
ートフイルムは当然に溶融の問題を生じ、段ボー
ルとしての製造が不可能なためであつた。
それに対し、シングルフエーサ部での片面段ボ
ール製造時においては、片面用ライナと中芯とは
プレスロールと段ロール間で瞬間的に加圧接着さ
れるため、片面用ライナとして上記した熱溶融性
フイルムラミネート紙を使用したとしても、外面
側のフイルムに対してはそれが溶融するほどに熱
量が伝導しないうちに片面用ライナと中芯との加
圧接着が完了するため、片面段ボール側のライナ
にフイルムラミネート紙を工業的に使用したもの
は存在していたわけである(特開昭54−148696
号)。
ところが第4図に示すように、片面段ボール側
のフイルム層42の段圧跡41の擦り傷が縞状に
大きく残るのが最大の欠点で、防水性はともか
く、美粧性は通常の紙ライナのものよりも却つて
劣るものとなつていた。
しかし本発明者等は、ダブルフエーサ部の加熱
部分において、表ライナの外面にフイルム層を形
成した段ボールを完成することができたのであ
る。
以下、第3図に基づいて上記した本発明実施例
両面段ボールの製造を説明する。
中芯原紙1aはプレヒーターで加熱されたのち
二本の段ロール5,5の間に入れられ、段ロール
の回転に従つて段の形がつくられる。糊ロール6
から運ばれた澱粉糊は均一にこの段の頂部に付け
られる。
一方、外面側に熱溶融性フイルム4′をラミネ
ートした裏ライナ用原紙21は、無加熱状態のプ
レスロール7の下部から入り、糊付けされた中芯
1と合わさり、プレスされ、片面段ボール8が形
成される。
この段ロール5とプレスロール7とによる瞬間
貼合せ工程では、加熱は段ロール5側より与えら
れ、プレスロール7は加熱されていないため、外
側の熱溶融性フイルム4′層に段圧の跡(擦り傷)
は残るが、フイルムの溶融はない。なお、段ロー
ルとプレスロールとによるフイルムラミネートラ
イナ原紙と中芯との加熱圧着製造方法は従来から
行なわれていた(特開昭54−148696号)。
この片面段ボール8は、接着剤槽内に装置され
た糊ロール9とその上部のライダロール10との
間を通り段頂に糊付けされ、ダブルフエーサ部1
1の加熱部分12に送り込まれる。
一方、別のミルロールスタンド13からも、外
面側に熱溶融性フイルム4をラミネートしたダブ
ルバツカー用ライナ原紙22(以下「表ライナ原
紙22」とする)が、上記片面段ボール8の糊付
けされた段頂部と内面側の紙3とが接着されるよ
うに、上記加熱部12に送り込まれる。
この場合、従来の加熱装置のままでは、180℃
程度に保たれた熱板14の表面プレートに、表ラ
イナ原紙22の熱溶融性フイルム4の表面が直接
圧接されることになり、フイルム4の溶融、傷付
きと共に摩擦抵抗が大きく、貼合わされたシート
16の運びが不能となり、ダブルフエーサ部11
のこの加熱圧着部分12でこの種の段ボールシー
トの製造は不可能であつた。また、フイルム4の
溶融や傷付きを防ぐために熱板14の温度を上記
温度より低くすれば、接着剤(澱粉糊)の溶解が
不充分となり、貼合せ不良が生じ、いずれにして
もこの加熱圧着部12での表ライナ2の外面をフ
イルムラミネート層4とした段ボールの製造は不
可能であつた。
本発明者等は、このダブルフエーサ部11の加
熱圧着工程12において、表ライナ原紙22外面
側のフイルム層4と熱板14のプレート表面との
間に、ベルト状に循環使用可能に構成した適当な
厚みのベルト状介在物15を圧接状態に設け、こ
のベルト状介在物15が、表ライナ原紙22のフ
イルム層4との摩擦抵抗により貼合せシート16
に付着して一緒に熱板14上を移動し、貼合せシ
ート16が次工程の冷却工程18に運び去られる
と、ベルト状介在物15は熱板14の下を潜り通
るように構成し、循環使用可能とした。
この特殊操作により、表ライナ2外面の熱溶融
性フイルム層4が適当に保護され、かつフイルム
4の摩擦抵抗を巧みに利用してシート16の運び
も円滑となり、さらに片面段ボール8と表ライナ
原紙22との接着が確実となり、本発明実施例段
ボールの製造が可能となつたものである。
ベルト状介在物15は、薄い平面状の紙質のも
のでもよく、例えばクラフト紙や段ボールなどを
そのままベルト状に形成し、数箇所の空回り又は
駆動プーリー17を介して熱板14の下方を潜り
通すように構成すればよい。
この場合、例えば熱板14表面に薄い平板状の
ものを介在物として固定して敷くと、フイルム層
4との摩擦抵抗によりシート16の運びが不能と
なる。また、介在物をベルト状に構成せず単にシ
ート16との摩擦抵抗により共に移動させる構成
でもよいが、介在物の消耗経費を考えなければな
らない。
なお、この薄いベルト状介在物15は必ずしも
紙質であることを必要としない。例えば、繊維
質、耐熱性合成樹脂フイルムであつても本発明の
目的を達成することができる。
またこのベルト状介在物15の厚み範囲は、現
業の加熱温度及び速度をほとんど変えることな
く、且つ貼合せ強度およびフイルム層4に対し悪
影響を与えないことを条件に決定されるが、しか
し、使用する介在物の材質、断面形状などにより
異なるため、予め実験によつてその適当な厚みを
決定しなければならない。
さらにこの加熱部分12において、シート16
の反りを防止するため、片面段ボール側の上方よ
り適当に加湿20することが好ましい。
加熱部分12において加熱圧着されながら貼合
わされたシート16は、次に冷却部分18にて冷
却され、カツター19により所定の寸法に切断さ
れる。
〔発明の効果〕
このようにして製造された本発明段ボールは、
従来のフイルムラミネート段ボールと比較して次
の様な優れた特長を有している。
従来の裏ライナ表面に設けられたフイルムラ
ミネート層と違い、縞状の段圧跡が全く生じな
いことから、美粧性のある段ボールが得られ
る。
現業の段ボール製造条件の加熱温度及び速度
並びに接着剤(生澱粉を懸濁分散させ加熱圧着
により瞬間接着する現業の澱粉糊)をほとんど
変えることなく、ダブルバツカーライナの表面
が熱溶融性フイルムで被覆された段ボールをダ
ブルフエーサの加熱圧着部分において製造する
ことができるので、本発明段ボールは単にフイ
ルムラミネートライナ原紙の単価のみがコスト
に影響するだけであつて、しかもそれは、材料
を安価な熱溶融性フイルム材とし、ホツトメル
ト等の接着剤を使用することなく、そのフイル
ム自体の熱溶着性を利用したラミネート加工に
よつているので、最低限のコストで耐水性と美
粧性とを合わせ持つた段ボールとなつている。
本発明段ボールは表面が熱溶融性フイルム層
であるため、延伸強化されたフイルムや耐熱性
フイルムのラミネート層と比較すれば、光沢が
やヽ低い点で美粧性は若干劣るが、耐水性はほ
とんど遜色がない。コスト的には延伸フイルム
や耐熱性フイルムものはフイルムの二次加工や
ホツトメルト等の特別の接着剤を必要とするた
め、本発明段ボールよりはかなりコスト高であ
る。一方、段ボール原紙などをライナとした通
常の耐水性のない紙製段ボールと比較すれば格
段の美粧性及び耐水性を有している。従つて、
経済的又は実用的には延伸フイルムラミネート
段ボールや耐熱性フイルムラミネート段ボール
よりも熱溶融性フイルムラミネートの本発明段
ボールの方が明らかに有利であり優れている。
更に、本発明に係る表ライナのラミネートフ
イルム層と、特開昭54−148696号公報に記載さ
れた製造方法によつてシングルフエーサ部にお
いて形成される裏ライナのラミネートフイルム
層とを組合せれば、段ボール箱において内側面
と外側面とが共に熱溶融性フイルム層となり、
美粧性はもとより、完全防水の段ボール箱が得
られ、漁箱等に最適のものとなる。
このように本発明段ボールは、段ボール箱など
の耐水性及び美粧性を向上させ、商品価値を高め
るが、そのために特別にコスト高となるものでは
なく、用途の拡販に大いに役立つものである。
なお段ボールの種類としては、上記実施例で示
した両面段ボールのほか、複両面段ボールについ
ても基本的には同様に製造することができ、箱体
などとして活用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図aは本発明実施例段ボールの構造を示し
た拡大断面図、同図bはそれを裏ライナ側より見
た一部破断斜視図、同図cは表ライナ側より見た
一部破断斜視図である。第2図はそれにより組立
てられた段ボール箱の一部を破断して示す斜視
図。第3図は本発明実施例段ボールを製造するた
めの一実施例装置の構成図。第4図は従来例フイ
ルムラミネート段ボールを一部剥離して示した外
観斜視図である。 1……中芯、1a……中芯原紙、2……表ライ
ナ、2′……裏ライナ、3,3′……紙層、4,
4′……熱溶融性フイルム層、21……裏ライナ
原紙、22……表ライナ原紙。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 原紙の外側面に予め熱溶融性フイルムが熱溶
    着されたダブルバツカーライナの原紙の内面側
    と、一方の段頂にライナを貼付けてなる片面段ボ
    ールの中芯の他方の段頂とが、澱粉糊にて貼合わ
    せてあることを特徴とする耐水・美粧性段ボー
    ル。
JP27600584A 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造方法 Granted JPS60184832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27600584A JPS60184832A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造方法

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JP27600584A JPS60184832A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造方法

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JPS60184832A JPS60184832A (ja) 1985-09-20
JPH0134783B2 true JPH0134783B2 (ja) 1989-07-20

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ID=17563448

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JP27600584A Granted JPS60184832A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造方法

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JPS54148696A (en) * 1978-05-13 1979-11-21 Fukuoka Paper Mfg Co Ltd Method and device for making laminate corrugated cardboard
JPS57107832A (en) * 1980-12-25 1982-07-05 Asahi Shikou Kk Manufacture of waterproof corrugated cardboard

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