JPH0126862B2 - - Google Patents

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JPH0126862B2
JPH0126862B2 JP27600684A JP27600684A JPH0126862B2 JP H0126862 B2 JPH0126862 B2 JP H0126862B2 JP 27600684 A JP27600684 A JP 27600684A JP 27600684 A JP27600684 A JP 27600684A JP H0126862 B2 JPH0126862 B2 JP H0126862B2
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film
liner
heat
corrugated board
double
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Yoshio Ishizaki
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ISHIZAKI SANGYO KK
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ISHIZAKI SANGYO KK
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  • Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ダブルバツカーライナに、工業的に
耐水性と美粧性とを合わせ持たせた安価な段ボー
ルの製造装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、フイルムラミネート段ボールを工業的に
製造する技術には、合成樹脂フイルムをラミネー
トしたフイルムラミネート原紙を片面段ボール側
のライナ原紙とし、これをコルゲートマシンのシ
ングルフエーサ部で段ロールに加圧することによ
り、段頂に糊付けされた中芯と結合接着させる技
術があり(特開昭54−148696号)、この技術によ
り得られるフイルムラミネート段ボールは、片面
段ボール側ライナ(これを通常は裏ライナといつ
ている)の外面側にラミネートフイルム層を有す
るものであつた。
一方、両面ライナが紙製である段ボールシート
を一旦製造後に、そのライナ表面にプラスチツク
フイルムをラミネートすることも行なわれている
(特開昭57−107832号)。
また、加熱圧着部に続く乾燥冷却部の両工程に
亘つて、その上下に各一本の上下ベルトをそれぞ
れ対向させて周回動させ、その上下ベルト間にお
いて例えば塩ビフイルムを素材に用いた段ボール
を挟着させながら貼合せと乾燥冷却とを行なう技
術も開示されている(実開昭56−26238号)。
更にダブルフエーサ部の冷却部を省略すること
により、表ライナと片面段ボール間の接着ずれを
防止すると共に設備費の低減を目的として、冷却
部を省略したダブルフエーサ部に無端ベルトを配
設した技術も知られている(特公昭49−37995)。
〔従来技術の問題点〕
元来、シングルフエーサ部において段ロールと
プレスロールとにより中芯段頂に貼られるライナ
即ち片面段ボール側のライナを裏ライナと言い、
ダブルフエーサ部の加熱圧着部において片面段ボ
ールの中芯の他の段頂に貼られるライナ即ちダブ
ルバツカーライナを表ライナと言つている。
これは、片面段ボール側のライナには中芯の段
頂に沿つて約4〜6Kg/cm2の段ロール圧が瞬間的
に加わるため、その表面側にどうしても段ボール
の加圧跡が擦り傷跡のように縞模様状に表われ
る。このため、外観的にはダブルバツカーライナ
と比較してどうしても見劣りすることから、裏ラ
イナとされているわけである。
ところで、上記従来技術(特開昭54−148696
号)によつて製造された裏ライナ表面にフイルム
をラミネートしたものにあつては、フイルム自体
軟質でその表面は軟いため、第4図に示すよう
に、上記加圧跡41はフイルム42をラミネート
しない原紙43そのまゝの時以上に拡大し、且つ
フイルム42表面の加圧跡41は擦り傷の如く白
色化して表われ、耐水性はともかく、美粧性はか
えつて原紙43単独の場合よりも劣り、とても箱
の外面側に採用できるものではなかつた。実際、
裏ライナ面を箱の内面側に、表ライナ面を箱の外
面側として、各種段ボール箱が形成されている。
なお裏ライナにフイルムをラミネートする工程が
たとえシングルフエーサ部以後又はダブルフエー
サ部においてであつても、一旦形成された裏ライ
ナの段跡はフイルムのラミネートによつて消える
ものではない(特開昭58−22151号)。
一方、漁箱等の耐水性段ボール箱の防水化は、
片面側のみならず、両面ともにフイルム被覆され
て完全に防水化されることが強く望まれていた。
しかし、両面ライナが紙製である段ボールシー
トを一旦製造後に、そのライナ表面にプラスチツ
クフイルムをラミネートする場合は、段ボール製
造装置に連続してフイルムのラミネート加工装置
を別途設備しなければならず、現業設備の変更や
設備費及び工数の増加を伴ない、更には現業の操
業条件(速度など)にまでも影響し、製品がコス
ト高となることは避けられず、実用的ではなかつ
た。
さらに、上記実開昭56−26238号の技術にあつ
ては、ベルトや複合素材(プラスチツクフイル
ム)の熱伝導性が大きいこととも関係して、ダブ
ルフエーサ部の「熱板群+冷却部」の長さを現業
の設備よりも少なくとも2倍以上に拡延しなけれ
ばならず、その設備費や設置床面積の増大のため
ほとんど実施不可能な状態であつた。加えて、長
すぎる下ベルトは蛇行調整が難しく、特に段ボー
ルへの伝熱を必要とするので充分な厚みを持たせ
て強度を確保するということもできず、ベルトの
テフロン加工面のクラツク発生の問題、ベルトと
フイルムとの押圧着状態が長時間に亘ることに原
因するフイルムと紙との剥離問題など、多くの欠
点を有していた。
また、ダブルバツカーライナの外層がプラスチ
ツクフイルム層である特殊段ボールにおいては、
通常の紙製段ボール以上に断熱性があるため、熱
圧着工程後に強制冷却部のない製造装置では、製
品が熱圧着工程から出たとたんにフリーの状態に
なるため、紙質とフイルム質との違いから冷却バ
ランスが崩れ、忽ち反りを発生してしまう。ま
た、冷却に著しく時間を要する等の欠点があり、
上記特公昭49−37995号装置では上記特殊製品を
製造することは到底不可能である。
〔発明の目的〕
本発明は、このような実情に鑑みなされたもの
で、フイルム層に加圧跡がなく表面が平滑であ
り、耐水性と美粧性とを兼ね備えた段ボールを現
業の操作条件をほとんど変更することなく安価に
製造することができる製造装置を提供することを
目的としている。
ダブルバツカーライナ(表ライナ)は、片面段
ボールの中芯の段形状が潰れないように、10m以
上の長さの加熱圧着部において、約0.1〜0.2Kg/
cm2程度の圧力を時間をかけて緩く加圧され貼付け
られているので、上記片面側ライナ(裏ライナ)
のような縞模様状の加圧跡はほとんど発生せず、
且つその表面は片面側ライナ(裏ライナ)よりも
滑らかになつている。本発明はこの点に着目した
ものである。
ところが従来は、約180℃にまで加熱されたダ
ブルフエーサの加熱圧着部に低融点のプラスチツ
クフイルムを長時間かけて通す技術は未だ確立さ
れていなかつた。
しかし、本発明者等は、現業の段ボール製造設
備及び操業条件をほとんど変更することなく、ダ
ブルバツカーライナ即ち表ライナの外層にプラス
チツクフイルムを被覆させた耐水・美粧性段ボー
ルを最大限低コストで市場に提供できないものか
と鋭意研究した結果、本発明装置を見出したもの
である。
〔発明の構成〕
本発明の構成は、それぞれ独立工程として加熱
圧着部と冷却部とを有し、ダブルバツカーライナ
の外層がプラスチツクフイルム層である耐水・美
粧性段ボールを製造する装置において、上記加熱
圧着部の熱板表面上に上記冷却部とは独立したシ
ート状介在物を滑走自在に設けたことをその要旨
としている。
ここにプラスチツクフイルムとしては、ポリエ
チレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ
エステルフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポ
リスチレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリ
カーボネートフイルム、ポリイミドフイルムなど
を使用することができるが、上記のうちでも特に
ポリオレフイン系フイルムは安価であることか
ら、本発明の目的達成のためには最も好ましい材
料である。
〔実施例〕
次に図面に基づいて実施例を説明する。
第1図aは本発明の一実施例により得られた段
ボールの構造を示した拡大断面図、同図bはそれ
を裏ライナ側より見た一部破断斜視図、同図cは
表ライナ側より見た一部破断斜視図である。第2
図はそれにより組立てられた段ボール箱の一部を
破断して示す斜視図、第3図は本発明実施例製造
装置の構成図である。なおこの実施例では、表裏
ライナが共にプラスチツクフイルムラミネート紙
で構成されている場合を示したが、裏ライナ側は
前記した従来技術(特開昭54−148696号)によつ
て製造することができ、表ライナ側が本発明実施
例装置によつて得られる部分である。
第1図において、1はコルゲート加工された紙
製の中芯、2,2′はこの中芯1の両面側にそれ
ぞれ接着された表ライナ及び裏ライナである。表
裏ライナ2,2′は、クラフト紙あるいは段ボー
ル原紙などの紙3,3′を基材としこれに前記し
たプラスチツクフイルムをラミネートしたフイル
ムラミネート紙で、この実施例ではポリエチレン
あるいはポリプロピレンなどの熱溶融性フイルム
原料をエキストルージヨンラミネート加工して得
られる「紙+熱溶融性フイルム」のラミネート紙
である。この実施例による両面段ボールにおいて
は、表裏ライナ2,2′ともに紙3,3′層を内側
とし熱溶融性フイルム4,4′層を外側として中
芯1に接着されている。中芯1と紙3,3′との
接着は通常使用される澱粉糊30である。従つ
て、第2図に示すような箱体では、内壁表面、外
壁表面とも熱溶融性フイルム4,4′層で構成さ
れることになる。
熱溶融性フイルムラミネート紙をダブルバツカ
ーライナのライナ原紙として、現業段ボール製造
装置の加熱圧着部において、片面段ボールに澱粉
糊にて直接加熱圧着した例は過去にはなかつた。
それは、ライナと中芯との貼合せ工程で現業の澱
粉糊を使用していることから180℃程度の高熱と
適度の加圧は絶対に必要であり、このため、ラミ
ネートフイルムは当然に溶融の問題を生じ、段ボ
ールとしての製造が不可能なためであつた。
それに対し、シングルフエーサ部での片面段ボ
ール製造時においては、片面用ライナと中芯とは
プレスロールと段ロール間で瞬間的に加圧接着さ
れるため、片面用ライナとしてフイルムラミネー
ト紙を使用したとしても、外面側のフイルムに対
してはそれが溶融するほどに熱量が伝導しないう
ちに片面用ライナと中芯との加圧接着が完了する
ため、片面段ボール側のライナにフイルムラミネ
ート紙を工業的に使用することはできたわけであ
る(特開昭54−148696号)。
ところが第4図に示すように、片面段ボール側
のフイルム層42は段圧跡41の擦り傷が縞状に
大きく残るのが最大の欠点で、防水性はともか
く、美粧性は通常の紙ライナのものよりも却つて
劣るものとなつていた。
しかし本発明者等は、ダブルフエーサ部の加熱
圧着部分において、表ライナの外面にフイルム層
を形成した段ボールを完成することができたので
ある。
以下、第3図に基づいて、上記した本発明実施
例装置による両面段ボールの製造を説明する。
中芯原紙1aはプレヒーターで加熱されたのち
二本の段ロール5,5の間に入れられ、段ロール
の回転に従つて段の形がつくられる。また、糊ロ
ール6から運ばれた澱粉糊は均一に段の頂部に付
けられる。
一方、外面側に熱溶融性フイルム4′をラミネ
ートした裏ライナ用原紙21は、無加熱状態のプ
レスロール7の下部から入り、糊付けされた中芯
1と合わさり、プレスされ、片面段ボール8が形
成される。
この段ロール5とプレスロール7とによる瞬間
貼合せ工程では、加熱は段ロール5側より与えら
れプレスロール7は加熱されていないため、外側
の熱溶融性フイルム4′層に段圧の跡(擦り傷)
は残るが、フイルムの溶融はない。なお、段ロー
ルとプレスロールとによるフイルムラミネートラ
イナ原紙と中芯との加熱圧着製造方法は従来から
行なわれていた(特開昭54−148696号)。
この片面段ボール8は、接着剤槽内に装置され
た糊ロール9とその上部のライダロール10との
間を通り段頂に糊付けされ、ダブルフエーサ部1
1の加熱圧着部分12に送り込まれる。
一方、別のミルロールスタンド13からも、外
面側に熱溶融性フイルム4をラミネートしたダブ
ルバツカー用ライナ原紙22(以下「表ライナ原
紙22」とする)が、上記片面段ボール8の糊付
けされた段頂部と内面側の紙3とが接着されるよ
うに、上記加熱圧着部12に送り込まれる。
この場合、従来の加熱圧着面露出のままでは、
180℃程度に保たれた熱板14の表面プレートに、
表ライナ原紙22の熱溶融性フイルム4の表面が
直接圧接されることになり、フイルム4の溶融、
傷付きと共に摩擦抵抗が大きく、貼合わされたシ
ート16の運びが不能となり、ダブルフエーサ部
11のこの加熱圧着部分12でのこの種の段ボー
ル構造体の製造は不可能であつた。また、フイル
ム4の溶融や傷付きを防ぐために熱板14の温度
を上記温度より低くすれば、接着剤(澱粉糊)の
溶解が不充分となり、貼合せ不良が生じ、いずれ
にしてもこの加熱圧着部12での表ライナ2の外
面をフイルムラミネート層4とした段ボールの製
造は不可能であつた。
本発明者等は、このダブルフエーサ部11の加
熱圧着工程において、表ライナ原紙22外面側の
フイルム層4と熱板14のプレート表面との間
に、ベルト状に循環使用可能に構成した適当な厚
みのベルト状介在物15を圧接状態に設け、この
ベルト状介在物15が、表ライナ原紙22のフイ
ルム層4との摩擦抵抗により貼合せシート16に
付着して一緒に熱板14上を移動し、貼合せシー
ト16が次工程の冷却工程18に運び去られる
と、ベルト状介在物15は熱板14の下を潜り通
るように構成し、循環使用可能とした。
この特殊装置により、表ライナ2外面の熱溶融
性フイルム層4が適当に保護され、かつフイルム
4の摩擦抵抗を巧みに利用してシート16の運び
も円滑となり、さらに片面段ボール8と表ライナ
原紙22との接着が確実となり、上記した耐水・
美粧性段ボールの製造が可能となつたものであ
る。
ベルト状介在物15は、熱溶融性フイルム層4
との接合面が平滑であり、且つ熱板14の表面上
を通過中に、熱溶融性フイルム層4の熱溶融を防
止しながら、片面段ボール8の段頂部とダブルバ
ツカー用ライナ原紙22の内面側の紙3との接着
剤である澱粉糊に対しその瞬間接着に要する温度
を緩和して伝熱し、更に上記熱溶融性フイルム層
4の接合面とは加熱圧着工程の最終端において容
易に剥離する材質のものが好ましく、例えば表面
が平滑な薄い紙質のもの又は耐熱性合成樹脂フイ
ルム(ポリテトラフロロエチレンフイルムなど)
が、フイルム層4との接合面に使用される。
しかし、例えば表面が平滑なクラフト紙や段ボ
ールなどをそのままベルト状に形成し、数個所の
空回り又は駆動プーリー17を介して熱板14の
下方を潜り通すように構成してもよい。
このベルト状介在物15は、熱板14からの熱
に耐えることができ、且つ熱板14からの熱量を
緩和して熱溶融性フイルム層4を溶融させること
なく澱粉糊に伝熱し、この加熱圧着工程において
貼着を完了させ得るものでなければならない。加
えて、熱溶融性フイルム層4との接合関係にあつ
ては、加熱圧着工程の終端において、フイルム層
4とベルト状介在物15とが円滑に離脱し得るよ
う、その表面が平滑で且つフイルム層4とは剥離
性の良いものでなければならない。
かかる観点から、ベルト状介在物15の材質が
決定され、フイルム層4との接合面が、平滑であ
る紙質又は耐熱性合成樹脂フイルムによつて構成
されているものが最適とされるわけである。
この場合、例えば熱板14表面に薄い平板状の
ものを介在物として固定して敷くと、フイルム層
4との摩擦抵抗によりシート16の運びが低下す
る。また、介在物をベルト状に構成せず単にシー
ト16との摩擦抵抗により共に移動させる構成で
もよいが、介在物の消耗経費を考えなければなら
ない。
また、このベルト状介在物15の厚み範囲は、
現業の加熱温度及び速度をほとんど変えることな
く、且つ貼合せ強度及びフイルム層4に対し悪影
響を与えないことを条件に決定され、その厚み範
囲は0.2m/m〜4m/mが好ましいことが解つ
た。しかし、使用する介在物の材質、断面形状な
どにより異なるため、予め実験によつてその適当
な厚みを決定しなければならない。
ベルト状介在物15はフイルム層4に接合し、
接合状態で加熱圧着部を移動するが、その移動の
間に、片面段ボールの他の段頂とダブルバツカー
ライナの内層を構成する紙面との間の澱粉糊が瞬
間接着するに必要な熱量を、熱板5より接合部を
介して、然もフイルム層4の表面を溶融させない
ように、徐々に緩和して伝熱する。
なお、上記澱粉糊は、現業の段ボール構造で常
用されているステインホールの発明に係るもの
で、糊化した澱粉溶液中に生澱粉を懸濁分散させ
たものであつて、加熱されると生澱粉が糊化して
溶液中の水分を吸収し、粘度が急激に上がるた
め、加熱によつて瞬間接着が行われるものであ
る。
このように、本発明に係るベルト状介在物15
によつて、熱溶融性フイルム層4は溶融問題を生
じることなく、且つ澱粉糊が瞬間的に接着する熱
量をこの加熱圧着工程中に緩和して伝熱すること
ができるのである。
一方、片面段ボール側の上方より加圧する上ベ
ルトは、厚さが約10m/m〜15m/m、綿織物よ
りなる現業のものが使用されている。
ところで、この現業の上ベルトを本発明に係る
ベルト状介在物15として使用すれば、たとえ厚
みを薄くしたとしても表面が平滑でないため、熱
溶融性フイルム層4が傷付き、本発明に係る段ボ
ールシートの美粧性は全く得られず、とても使用
に耐え得ないものとなる。そればかりか、フイル
ム層が逆にベルトの綿織物表面に付着することに
なり、加熱圧着部終端におけるフイルム層4とベ
ルト表面との離脱性が悪く、フイルム層4の剥
離、ベルト表面の汚れ、傷み、走行困難などの発
生により、本発明の目的を到底達成することはで
きない。
なお、ベルト状介在物15が、金属など非常に
熱伝導率の良い材質であれば、フイルム層4の溶
融の問題を生じ、逆に、極端に熱伝導性の悪い材
質であれば、澱粉糊の接着が困難となるので、い
ずれも好ましくないと言える。
さらにこの加熱部分12において、シート16
の反りを防止するため、片面段ボール側の上方よ
り適当に加湿20することが好ましい。
加熱部分12において加熱圧着されながら貼合
わされたシート16は、次に冷却部分18にて冷
却され、カツター19により所定の寸法に切断さ
れる。
〔発明の効果〕
本発明は、以上説明した如く、現業の一般的な
段ボールの製造工程及び能率を変えることなくフ
イルムラミネート段ボールを合理的に量産するこ
とができ、その場合において、表裏のうち、商品
価値を左右する表面側にフイルムをラミネートし
た段ボールを品質良好に且つ安価に製造すること
ができることから、次のような諸効果を顕著に発
揮する。
ほとんどの段ボールシート製造工場では、通
常のオール紙製の段ボール生産が主で、本発明
に係るような特殊複合段ボールの生産はまだ少
ないはずである。しかし、本発明装置によれ
ば、同一の段ボール製造装置をそつくりそのま
ま利用して、通常の紙製段ボールもフイルム貼
り特殊複合段ボールの製造もでき、その品種の
切換えが容易なのである。即ち、特別の設備や
改造及び操業条件を取らずに済むので、生産が
容易であり、非常に安価に製造できるのであ
る。
コスト安に加えて、安定して品質の良好な製
品を得ることができる。即ち、プラスチツクフ
イルムと紙という互いに異質の物質を同時に加
熱するわけであるが、熱伝導率や熱収縮率、熱
膨張率等の相違からくる反りの問題、澱粉糊に
よる中芯への接着の問題、耐熱性の問題などが
一挙に解決され、全く反りがなく、且つフイル
ム表面が溶融したり傷付いたりしない美粧性に
優れたダブルバツカーライナがプラスチツクフ
イルム貼りの段ボールを円滑に製造できるので
ある。
本発明装置により得られる表ライナ表面のフ
イルムラミネート層は、従来の裏ライナ表面に
設けられたフイルムラミネート層と違い、縞状
の段圧跡が全く生じないことから、美粧性のあ
る段ボールが得られる。
現業の段ボール製造条件の加熱温度及び速度
並びに接着剤をほとんど変えることなく、ダブ
ルフエーサの加熱圧着部分にのみ本件発明装置
に係るシート状介在物を巧みに採用しているこ
とから、非常に能率的に生産することができ、
コスト的にはフイルムラミネート紙の単価のみ
が影響するだけである。
比較的安価に製造し得る熱溶融性フイルムの
ラミネート紙も使用でき、且つ、完成した段ボ
ールシートにフイルムを貼着する手法によらな
いので、製法が極めて合理的且つ安価であつ
て、従つてこの種段ボールを従来品よりも安価
に製造し得る。
更に、本発明に係る表ライナのラミネートフ
イルム層と、特開昭54−148696号公報に記載さ
れているようなシングルフエーサ部において形
成される裏ライナのラミネートフイルム層とを
組合せれば、段ボール箱において内側面と外側
面とが共にフイルム層となり、美粧性はもとよ
り、完全防水の段ボール箱が得られ、漁箱等に
最適のものとなる。
このように本発明装置により製造された段ボー
ルは、段ボール箱などの耐水性及び美粧性を向上
させ、商品価値を高めるが、そのために特別にコ
スト高となるものではなく、用途の拡販に大いに
役立つものである。
なお段ボールの種類としては、上記実施例で挙
げた両面段ボールのほか、複両面段ボールについ
ても基本的には同様に製造することができ箱体な
どとして実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図aは本発明の一実施例装置により得られ
た段ボールの構造を示した拡大断面図、同図bは
それを裏ライナ側より見た一部破断斜視図、同図
cは表ライナ側より見た一部破断斜視図である。
第2図はそれにより製造された段ボール箱の一部
を破断して示す斜視図。第3図は本発明実施例段
ボール製造装置の構成図。第4図はシングルフエ
ーサ部により得られたフイルムラミネート段ボー
ルを一部剥離して示した外観斜視図である。 1……中芯、1a……中芯原紙、2……表ライ
ナ、2′……裏ライナ、3,3′……紙層、4,
4′……熱溶融性フイルム層、11……ダブルフ
エーサ部、12……加熱圧着部、14……熱板、
15……ベルト状介在物、16……段ボールシー
ト、17……プーリー、21……裏ライナ原紙、
22……表ライナ原紙。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シングルフエーサ部で製造された片面段ボー
    ルの他方の段頂に澱粉糊を塗布する装置と、外層
    がプラスチツクフイルム層で構成されたダブルバ
    ツカーライナをダブルフエーサ部に供給する装置
    とを備え;上記片面段ボールの澱粉糊を塗布した
    段頂と、上記ダブルバツカーライナの内層とを加
    熱圧着し冷却するダブルフエーサ部において;そ
    れぞれ独立工程として加熱圧着部と冷却部とを構
    成し、この加熱圧着部の熱板表面上に、冷却部と
    は独立して、上記ダブルバツカーライナの外層と
    の接合面が平滑で、且つ上記熱板表面上を通過中
    に上記プラスチツクフイルム層の熱溶融を防止し
    ながら上記澱粉糊に対し瞬間接着に要する温度を
    伝熱し、更に上記プラスチツクフイルム層とは加
    熱圧着工程の最終端において剥離性を有するシー
    ト状介在物を滑走自在に設けたことを特徴とする
    耐水・美粧性段ボールの製造装置。 2 シート状介在物の材質が耐熱性合成樹脂フイ
    ルムであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の製造装置。 3 シート状介在物の材質が紙質であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造装置。
JP27600684A 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造装置 Granted JPS60184833A (ja)

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JP27600684A JPS60184833A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造装置

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JPS60184833A JPS60184833A (ja) 1985-09-20
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JP27600684A Granted JPS60184833A (ja) 1984-12-28 1984-12-28 フイルム貼着段ボ−ルの製造装置

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