JPH0134353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主にトランジスタに使用する放熱器
に関する。

従来では、第１図に示すようなトランジスタ
１，２に例えば第２図に示すような放熱器３，４
を取付けていた。放熱器３は中央にトランジスタ
１の筒体部５を嵌挿する孔６と両側部にフイン７
を列設したブロツク状のもの、放熱器４は平板８
の一端部にトランジスタ１の筒体部５を嵌め込む
円筒部９を折曲げ形成し他端部を他の部材に取付
けるために折曲げ部１０としたものである。しか
し、これらの放熱器は、第３図に示すようにトラ
ンジスタ１に対して単体使用のため簡単且つ安価
に放熱量の変更ができず、また、かさ張るのでト
ランジスタ周りの電子部品は筒体部５からある程
度離れて配設されプリント配線基板が大きくなる
傾向があり、さらにトランジスタの各端子に結線
された電子部品相互の電磁波結合による防害が発
生し易い欠点があつた。

本考案は、前記の点に鑑み、製作が簡単で放熱
効率が良く大きな放熱量が得られ且つプリント基
板の小型化並びに前記電磁波結合による防害の発
生の防止を図ることができる十字形状の安価な放
熱器を提供することを目的としている。この目的
を達成するため本考案においては、方形状平板の
両側中間部にそれぞれ被放熱体を嵌め込む凹陥部
を設け、一方の凹陥部の底縁中央部より底縁と直
角に幅が平板の厚みに相当するスリツトを所定長
さ形成した２枚の放熱板を、スリツトどうし咬み
合せて十字形状に交叉形成した放熱器としてい
る。

以下本考案の実施例を図面について説明する。
第４図に示す放熱板１１は、方形をなす金属製の
平板１２の両側中央部にそれぞれトランジスタの
筒体部直径箇所を嵌め込む凹陥部１３を形成し、
且つ一方の凹陥部１３の底縁１４の中央位置より
平板１２の中央位置に至る間幅が平板１２の厚み
に相当するスリツト１５を形成したもので、プレ
ス加工による打抜製品である。第５図に示す放熱
板１６は、凹陥部１３を中にしてその両側に小突
起１７を突設した点において前記放熱板１１と相
違するものである。

第６図に示すものは、同一形状である２枚の放
熱板１１をそのスリツト１５どうしで咬み合せて
同じ高さの十字交叉とした放熱器で、下端中央の
凹陥部１３でプリント配線された基板１８上のト
ランジスタ１の筒体部５に嵌挿する。そして、放
熱板１１とトランジスタ１さらに必要に応じ放熱
板１１相互を半田付けで結合している。第７図に
示すものは、同一形状である２枚の放熱板１６を
そのスリツト１５どうし咬み合せて同じ高さの十
字交叉とした放熱器で、下端中央の凹陥部１３で
トランジスタ１の筒体部５に嵌め込むと共に、下
端縁の小突起１７を基板１８の孔部２１に挿通
し、しかる後トランジスタ１と放熱板１６および
小突起１７と基板１８さらに必要に応じ放熱板１
６相互をはんだ付けで取付けた例である。第８図
は第７図の放熱器の上端縁にに金属製平板２０を
その孔部２２で小突起１７に嵌め込んでなるいま
一つの放熱器の縦断面図を示す。

尚、第６図に示す放熱器の上面を金属製平板で
蓋をする場合には、放熱器と金属製平板との接触
箇所を適宜はんだ付けで接合するか、あるいは金
属製平板を他の金属材を介して基板１８に接合し
てもよい。尚又、本実施例では放熱板交叉箇所１
９、放熱板とトランジスタの筒体部、小突起１７
と基板１８、小突起１７と平板２０等の各接触箇
所ははんだ付けとしたが、これをろう付け、導熱
性接着剤その他の接合剤で接合するようにしても
よい。

以上説明した如く本考案においては、放熱器は
一つのプレス型で打抜き量産できる同じ形状の放
熱板をスリツトどうし咬み合せて十字形状に交叉
形成してなるので、安価に製作することができ
る。また、十字交叉となる各放熱板は直接トラン
ジスタの筒体部と接して放熱することになるから
放熱効率が良く、さらに電子部品は放熱板間のト
ランジスタに近接して配設できるからプリント基
板の小型化を図り得るものである。また、トラン
ジスタの筒体部に立設された放熱板は、基板の銅
箔アースおよびトランジスタの筒体部と同電位と
なつてトランジスタの筒体部周りの基板上に配設
された電子部品からの電磁波をしや断するので、
トランジスタの各端子に結線された電子部品相互
の電磁波結合による防害の発生を防止することが
できる。また、第８図で示すように放熱器の上面
を金属製平板で蓋をすれば、前記電磁波結合によ
る防害の発生を一層有効に防止できると共に、放
熱面積が増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図はトランジスタの斜視図、第２図は従来
のトランジスタ用放熱器の斜視図、第３図は従来
の放熱器を取付けたトランジスタの側面図、第４
図および第５図はそれぞれ本案放熱器の構成要素
である放熱板の斜視図、第６図はトランジスタを
介して第４図に示す放熱板で構成された放熱器を
取付けた基板の斜視図、第７図は第５図に示す放
熱板で構成された放熱器を取付けたトランジスタ
および基板の斜視図、第８図は第７図の放熱器の
上面に金属製平板を取付けてなるいま一つの放熱
器の縦断面図である。 １……トランジスタ、５……筒体部、１１，１
６……放熱板、１２……平板、１３……凹陥部、
１４……底縁、１５……スリツト、１７……小突
起、１８……基板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 方形状平板の両側中間部にそれぞれ被放熱体
   を嵌め込む凹陥部を設け一方の凹陥部の底縁中
   央部より底縁と直角に幅が平板の厚みに相当す
   るスリツトを所定長さ形成した２枚の放熱板
   を、スリツトどうし咬み合せて十字形状に交叉
   形成してなる放熱器。 ２ 被放熱体がトランジスタの筒体部である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の放熱器。 ３ 凹陥部を中にしてその両側に小突起を突設し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の放熱
   器。