JPS6120776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主にプリント基板上のトランジスタ
に使用する放熱板に関する。

従来では、第１図に示すようなトランジスタ
１、２に例えば第２図に示すような放熱器３、４
を取付けていた。放熱器３は中央にトランジスタ
１の筒体部５を嵌挿する丸孔６と両側部にフイン
７を列設したブロツク状のもの、放熱器４は平板
８の一端部にトランジスタ１の筒体部５を嵌め込
む円筒部９を折曲げ形成し他端部を他の部材に取
付けるために折曲げ部１０としたものである。し
かし、これらの放熱器３、４は、第３図に示すよ
うに全体がかさ張るのでトランジスタ周りの電子
部品は筒体部５からある程度離して配設される結
果プリント基板が大きくなる傾向があり、さらに
トランジスタの各端子に結線された電子部品相互
の電磁波結合による妨害が発生し易い欠点があつ
た。また、放熱器３の被放熱体取付部は丸孔６で
あり、放熱器４の被放熱体取付部は円筒部９であ
るから、トランジスタ１、２の筒体部５が非円筒
形では製作し難いためコスト高となると共に、丸
孔６、円筒部９がトランジスタ１、２の高さより
高い場合には、筒体部５の上方に丸孔６、円筒部
９による換気の悪い空胴部ができるため、放熱機
能が著しく阻害される。

本考案は前記の問題点を解決するためになされ
たもので、方形状平板に被放熱体取付部と方形状
平板をプリント基板に位置するための小突起とを
備えた放熱板において、前記小突起と並設する被
放熱体取付部を方形状平板の両側に設けると共
に、被放熱体取付部が、コ状の凹陥部とこの凹陥
部の両側縁にそれぞれ互に逆向きに折曲げ形成さ
れて被放熱体の側周部に当接する保持片からなる
ものであり、プリント基板上のトランジスタの筒
体部に凹陥部と保持片を嵌め小突起をプリント基
板の所定孔部に挿入することにより、放熱板はプ
リント基板で位置決めされて筒体部に安定よく取
付けできる。またかかる取付状態では、プリント
基板に占める放熱板の面積が小さいためプリント
基板の小型化に役立つ。しかも放熱板をトランジ
スタの筒体部に取付ける際、被放熱体取付部は方
形状平板の両側に設けるので、取付側の被放熱体
取付部の有無を確める作業が不要となつて作業能
率が向上する。また凹陥部の保持片は筒体部の形
状に沿わせることができるため、筒体部が非円形
であつても簡単に適用できると共に、凹陥部と保
持片で構成する被放熱体取付部は円筒ではないか
ら、被放熱体取付部内で熱がこもるという問題は
起らない。

以下本考案の実施例を図面について説明する。
第４図に示す放熱板１７は、方形をなす金属性の
平板１２の両側中央部にそれぞれトランジスタの
筒体部直径箇所に嵌め込むコ状の凹陥部１３を設
け、この凹陥部１３の両側縁にそれぞれトランジ
スタの筒体部の側周面に当接する二つの保持片１
４を互に逆向きに折曲げ形成すると共に、凹陥部
１３を中にしてその両側にプリント基板の所定孔
部に嵌め込むための小突起１８を突設してなるも
ので、プレス加工による打抜き製品であり、保持
片１４は打抜かれた後にトランジスタの筒体部の
形状に合せて折曲げるようにしている。

なお、保持片１４はトランジスタの筒体部側周
面に当接させるため、平板１２には適度の弾力を
有する金属材を使用している。

放熱板１７には、前述の如く平板１２の両側に
保持片１４を備える凹陥部１３を設けているた
め、プリント基板１９上のトランジスタ１に放熱
板１７を取付ける際、取付側の凹陥部１３の有無
を確めることなしに、直ちに放熱板１７を下方の
凹陥部１３とその四つの保持片１４とでプリント
基板１９上のトランジスタ１の筒体部に嵌めるこ
とができる。その際、下方の小突起１８をプリン
ト基板１９の孔部２２に挿入するので、放熱板１
７はプリント基板１９で位置決めされ、凹陥部１
３の底縁で筒体部５の頂面に当接した取付完了の
状態では放熱板１７は筒体部５に安定よく取付け
られるため、半田付け作業は不要である。

このようにして放熱板１７を筒体部５に取付け
ると、第６図に示すように小突起１８をプリント
基板１９に半田付けし、これにより放熱板１７は
プリント基板１９の銅箔ケースおよびトランジス
タの筒体部と同電位となり筒体部周りのプリント
基板上に配設された電子部品からの放射電磁波を
それぞれの側でしや断することができる。

なお、放熱板１７の上端縁の小突起１８に金属
製平板２０をその孔部２３を利用して嵌め込んで
半田付けすれば、簡単に放熱面積の増大と電磁波
しや断効果の拡大を図り得る。

以上説明したように本考案に係る放熱板は、最
初方形状平板の両側に折曲げ前の保持片を備えた
凹陥部と位置決め用の小突起を形成しようとして
いるので、プレス加工による打抜きで量産でき安
価に提供することができる。また、方形状平板の
両側には保持片を備えた凹陥部を設けているの
で、トランジスタに放熱板を取付ける際、取付側
の凹陥部の確認作業が不要となつて作業能率が向
上する。また、放熱板は凹陥部とその両側縁の折
曲げられた保持片とでトランジスタの筒体部を抱
くので、筒体部に安定よく取付けできて筒体部と
の半田付け作業は不要となる。このためトランジ
スタに対する取付け取外しを簡単に行い得て大き
さの異なる放熱板と取替えて放熱量を変更するこ
とも適宜行い得る。さらに、凹陥部の保持片は筒
体部の形状に沿わせることができるので、筒体部
が非円形であつても簡単に適用できる利点があ
る。また、放熱板はトランジスタの筒体部の直径
方向に跨つて取付けできると共に、凹陥部と保持
片で構成する被放熱体取付部は筒部ではないから
これに取付けるトランジスタの筒体部の熱が被放
熱体取付部内にこもり放熱機能が低下するという
問題は起り得ない。しかして、放熱板がプリント
基板で位置決めされてトランジスタの筒体部に取
付けられた状態では、プリント基板に占める放熱
板の面積が小さいためプリント基板の小型化に役
立つ。また、小突起をプリント基板に半田付けさ
れた放熱板はプリント基板の銅箔ケースおよびト
ランジスタの筒体部と同電位となつて筒体部周り
のプリント基板上に配設された電子部品からの放
射電磁波をそれぞれの側でしや断することができ
るので、放熱板の両側のトランジスタの各端子に
結線された電子部品相互の電磁波結合による妨害
の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はトランジスタの斜視図、第２図は従来
のトランジスタ用放熱器の斜視図、第３図は従来
の放熱器を取付けたトランジスタの側面図、第４
図は本考案の実施例を示す斜視図、第５図は放熱
板をプリント基板上のトランジスタに取付けた状
態を示す斜視図、第６図は第５図に示す放熱板の
上端縁に平板を取付けたいま一つの放熱板使用例
の断面図である。 １，２……被放熱体（トランジスタ）、５……
筒体部、１２……方形状平板、１３……コ状の凹
陥部、１４……保持片、１７……放熱板、１８…
…小突起、１９……プリント基板、２２……孔
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形状平板に被放熱体取付部と方形状平板をプ
   リント基板に位置決めするための小突起とを備え
   た放熱板において、前記小突起と並設する被放熱
   体取付部を方形状平板の両側に設けると共に、被
   放熱体取付部が、コ状の凹陥部とこの凹陥部の両
   側縁にそれぞれ互に逆向きに折曲げ形成されて被
   放熱体の側周面に当接する保持片からなる放熱
   板。