JPH0131729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建物開口部のドア取付枠にドアを開
閉自在に取付けるためのピボツトヒンジに係るも
のである。

ドアのピボツトヒンジは、上下一対のドアパネ
ル枢支体でドアパネルを開口部のドア取付枠に開
閉自在に取付けるものであるが、建物のドア取付
枠にドアパネルを取付ける際には、まず、建物の
ドア取付枠に下方のドアパネル枢支体をねじ止め
し、その枢支軸にドアパネルの下方に取付けた枢
支体の嵌入孔を嵌込んだ後、上方のドアパネル枢
支体をドアパネルの上方に取付けた枢支体の枢支
軸に嵌入したのち、ドアパネルに固定して建物の
ドア取付枠にねじ止めしている。

ところで、建物のドア取付枠、ドアパネルはも
とより、ドアパネル枢支体およびその取付ねじ穴
等には加工精度に誤差があるので、建物のドア取
付枠にドアパネル枢支体でドアパネルを取付ける
際には、ドアパネル枢支体の取付位置を調整する
必要を生じるが、従来のピボツトヒンジにあつて
は、その調整を容易に行うことができず、ドアパ
ネルの取付けに少からず支障をきたしている。

本考案は、上記の如き実情に鑑み、ドアパネル
の取付けに際して、その取付位置の調整を容易か
つ広範囲に行うことができ、しかも取付け強度を
全くそこなうことのないドアのピポツトヒンジを
提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図ないし第５図において、１
はドアパネル枢支体であつて、上下の一方に取付
けられるドアパネル枢支体１ａの基端部には枢支
軸２が軸受３によつて回動自在に軸支されてお
り、これに対向する他方の枢支体１ｂ（第６図）
は、前記枢支体１ａと略同形であつて、その基端
部には上記枢支軸２が嵌入する穿入孔２ａが設け
られ、両枢支体が枢着されてドアパネルを開閉自
在に枢支する。そして、枢支体１ａの枢支軸２か
ら離れた先端側には、他方の枢支体１ｂに対向す
る面においてドアパネルの見込厚さに対応する部
分を切り欠いて、取付部４が一体に延出形成され
ている。５は取付押え板であつて、該取付押え板
５はドアパネルに取付ける枢支体１の取付部４に
対接されるものであり、それと略同形状をなして
いる。取付押え板５には複数の取付穴６が穿設さ
れており、ドアパネルに取付ける枢支体１の取付
部４には、取付押え板５の取付穴６に対応して、
ドアパネルの面方向に長孔７が穿設されている。
また、上記ドアパネルに取付ける枢支体１の取付
部４およびこれと対接する取付押え板５には、互
いに噛合する凹凸８，９がパネル面に直交する方
向に形成されており、この凹凸８，９の方向には
長孔７の長手方向と直交している。なお、上記凹
凸８，９のピツチは0.5m／ｍ程度の小刻みに形
成されている。

第６図および第７図には、前記の如く構成され
たピポツトヒンジを用いたドアの取付態様が示さ
れている。すなわち、１０は建物のドア取付枠で
あつて、該ドア取付枠１０には、そのヒンジ取付
側を切欠いて形成したヒンジ取付部１１に、上方
のドアパネル枢支体１ｂが螺着固定されている。
一方、ドアパネルの上部枠体１２には、ヒンジ取
付側一端部に形成した切欠部１３にドアパネル枢
支体１ａの取付孔１４を穿設したライナー１５ａ
を溶着して枠体１２の上面と段差状のヒンジ取付
部１６が形成されている。１５ｂは上記ライナー
１５ａの下方に装着されるライナーであつて、取
付孔１４に対応したネジ孔１７が設けられてい
る。そして上記段差状のヒンジ取付部１６にドア
パネル枢支体１ａの取付部４をおき、上方から取
付押え板５を重ねて、取付押え板５の取付穴６か
ら取付部４の長孔１７とライナー１５ａの取付孔
１４を貫通してライナ１５ｂのネジ孔１７に螺入
される締付ボルト１８を緊締することにより、取
付部４およびこれに対接する取付押え板に形成さ
れた凹凸８，９が噛合して、ドアパネル枢支体１
は、取付押え板５が上部枠体１２から突出するこ
となく段差状のヒンジ取付部１６に強固に固定さ
れる。

ドアパネルの下部における下部取付枠とドアパ
ネルの下部枠体との間の取付は、枢支体１ａと１
ｂが交換される以外前記と同様である。

上記の如き構成において、すでに取付けた建物
のドア取付枠に後からドアパネルを現場で取付け
た際に、特にドアパネルの取付け誤差を生じたと
きには、まず締付ボルト１８を緩めて、取付部４
およびこれに対接する取付押え板５に形成された
凹凸８，９の噛合状態を解除すれば、ドアパネル
枢支体１は長孔７に沿つて自由に移動させること
ができるので、所望する寸法だけ凹凸８，９の噛
合位置を移動させてから上記締付ボルト１８を再
び緊締すれば、取付押え板５とライナー１５ａ，
１５ｂの相対的位置関係は常に一定であるため、
枢支体１のみを正確に移動させることができ、ド
アパネルの取付位置を容易に調整することができ
る。また、ドアパネル枢支体１の取付部４と取付
押え板５とは、互いに噛合する凹凸８，９によつ
て微調整可能に位置ぎめがなされ、かつ固定され
るので、ライナー１５によつて形成されるヒンジ
取付部１６に対するドアパネル枢支体１の取付け
強度はきわめて高く、ドアパネル１２が位置ずれ
を起すことがない。

これを要するに、本考案は、ドアパネルの面方
向から偏心した位置において基端部の枢支軸によ
つてドアパネルを枢支するようにしたドアパネル
枢支体において、該枢支体の先端部には、ドアパ
ネルの見込厚さと等しい長さだけ切欠いて取付部
を形成し、この取付部の上面にパネル面に直交す
る方向に凹凸を形成すると共に、ドアパネルの面
方向に長孔を穿設してあり、この切欠きに対応す
る大きさで別体の取付押え板には、前記長孔に対
応するねじ孔と下面の凹凸を形成してあり、取付
押え板を取付部に重合して両者の凹凸を噛合さ
せ、ドアパネルのライナーを介してねじ止め固定
し、他方の枢支体とによつてドアパネルをドアの
取付枠に取付位置調節自在に固定するように構成
したものであるから、ドアパネルの開閉度を大き
くとることができるばかりでなく、ドアパネルの
取付けに際して、ドアパネルの取付部および取付
押え板の凹凸の噛合い位置を変更することによつ
て容易に取付位置を調整することができ、ドアパ
ネル枢支体の位置ずれをなくして、その取付け強
度を高くすることができる等、きわめて有用な実
用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るドアのピポツトヒンジの一
実施例を示すものであつて、第１図は全体の分解
斜視図、第２図はドアパネル枢支体の平面図、第
３図は同上正面図、第４図は取付押え板の平面
図、第５図は同上正面図、第６図はドアパネルの
取付状態を示す一部の断面図、第７図は同上要部
の分解斜視図である。 １……ドアパネル枢支体、２……枢支軸、３…
…軸受、４……取付部、５……取付押え板、６…
…取付穴、７……長孔、８，９……凹凸、１０…
…建物のドア取付枠、１１……ヒンジ取付部、１
２……ドアパネルの上部枠体、１３……切欠部、
１４……取付孔、１５ａ，１５ｂ……ライナー、
１６……ドアパネルのヒンジ取付部、１７……ネ
ジ孔、１８……締付ボルトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアパネルの面方向から偏心した位置において
   基端部の枢支軸によつてドアパネルを枢支するよ
   うにしたドアパネル枢支体において、該枢支体の
   先端部には、ドアパネルの見込厚さと等しい長さ
   だけ切欠いて取付部を形成し、この取付部の上面
   にパネル面に直交する方向に凹凸を形成すると共
   に、ドアパネルの面方向に長孔を穿設してあり、
   この切欠きに対応する大きさで別体の取付押え板
   には、前記長孔に対応するねじ孔と下面の凹凸を
   形成してあり、取付押え板を取付部に重合して両
   者の凹凸を噛合させ、ドアパネルのライナーを介
   してねじ止めを固定し、他方の枢支体とによつて
   ドアパネルをドアの取付枠に取付位置調節自在に
   固定するように構成したことを特徴とするドアの
   ピボツトヒンジ。