JPS634783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は竪軸回転窓における軸の調整装置に関
するものである。

この種、竪軸回転窓は第１図に示すように、窓
枠Ａの中央部に軸Ｂ，B′を取付け障子Ｃを回転
できるように構成されている。そして、軸Ｂ，
B′の取付手段は第２，３図に示すように構成さ
れていた。

即ち、矩形状をした軸座１の中央に取付部２を
一段高く形成し、取付部２に軸３を貫通突出さ
せ、軸３の下端に設けた鍔体４を取付部２の裏面
に溶接部５により固定している。そして、両端及
び中央側２個所の計４個の上下に突出部６……
（第２図参照）を設けたライナー７を軸座１の裏
面に当接し、窓枠Ａの下枠８に設けた取付溝９内
に挿入し、取付溝９の底部１０及び裏板１１に固
定する。この固定手段は裏板１１の両端を底部１
０にビス１２，１２′で螺合固定し、軸座１とラ
イナー７に夫々２個の長孔１３，１３′を設け、
この長孔１３，１３′に仮止用ビス１４，１４′を
挿通して裏板１１に仮止めし、窓枠Ａと障子Ｃの
左右の間隔を均等にした後仮止用ビス１４，１
４′を本締めし、軸座１の両端部から本締め用ビ
ス１５，１５′を裏板１１に螺合して固定する。

一方、障子Ｃの下框１６に設けた取付溝１７内
には軸受材１８を嵌入して４個所をビス１９，１
９′，１９″，１９で固定し、この軸受材１８の
中央に支持穴２０を設け、前記軸３を嵌入して障
子Ｃを自由に回動できるように構成している。

尚、窓枠Ａの上枠にも同様に軸３を取付けるも
のであるが、図示及び説明は省略する。

通常、現場において、窓枠Ａの取付け後、窓枠
Ａと障子Ｃとの間隔を障子の上下調整により一定
間隔に調整するものであるが、従来の軸３は前記
したように軸座１に溶接で固定されているため、
障子Ｃの上下調整に対応できないという欠点があ
つた。

本考案は前記の欠点を軸を上下移動可能にする
ことにより阻止することができる竪軸回転窓にお
ける軸の調整装置を提供するのが目的である。

本考案の構成を第４図以下に示す実施例に基き
詳細に説明すると、第５図に示すように軸座１に
隆起させて設けた取付部２の裏面に固定部材２１
を溶接部５で溶接固定する。この固定部材２１に
雌ネジ孔２２を設けている。尚、ライナー７、取
付溝９の底部１０及び裏板１１は従来と同様に形
成し、前記雌ネジ孔２２と連通する透孔２３を設
けている。

一方、軸３は下記のように構成している。即ち
先端に断面円形の軸支部２４を設けて従来と同様
に障子Ｃの下框に固定した軸受材１８の支持穴２
０に嵌合するようになつている。そして、軸支部
２４の下側に方形をした回転作動部２５を設け、
その下側に前記雌ネジ孔２２と螺合するネジ部２
６を設け、更にその下側に円形部２７を設けて前
記透孔２３内を貫通させ、下端に方形をした回転
作動部２８を設けている。

又、軸座１の表面には回転防止板２９を設けて
いる。この回転防止板２０は第６図に示すよう
に、矩形状をした板の先端に、前記回転作動部２
５に嵌合する一端を開放した方形をなす回転阻止
穴３０を設け、他端部は軸座１の表面に沿うよう
に一段低く折曲げて水平部分を形成し、その水平
部分の末端部に軸座１の長孔１３に通す仮止め用
ビス１４及び軸座１に螺合する本締め用ビス１５
を通す案内用の長孔３１を設けている。

更に下枠８には第４図に示すように、水切皿３
２の屋内端から立上つた垂直壁３３に作業用孔３
４を設け、蓋板３５で作業用孔３４を密閉できる
ようになつている。

尚、第４図中３６，３６′は気密材、３７は障
子Ｃの上框、３８は窓枠Ａの上枠である。

本実施例は前記のように構成したもので、軸３
を取付ける際には、固定部材２１に軸３のネジ部
２６を螺合して軸支部２４を突設させる。そし
て、軸座１の裏面にライナー７を合ね、表面に回
転阻止穴３０を回転作動部２５に嵌合した回転防
止板２９を重ねる。これを、下枠８の取付溝９に
嵌合し、回転防止板２９の長孔３１及び軸座１の
長孔１３に仮止用ビス１４を挿通して底部１０及
び裏板１１に仮止めし、反対側は従来と同様に長
孔１３′に仮止用ビス１４′を通して仮止めする。
そして、窓枠Ａと障子Ｃとの左右間隔を調整した
後、本締めを行う。その後、従来と同様に本締め
用ビス１５，１５′を螺合して固定する。

又、障子Ｃの高さ調整を行う際には、回転防止
板２９上の仮止用ビス１４と本締め用ビス１５と
を緩め、長孔３１を利用して回転防止板２９を第
５図において右側へ移動させ、回転阻止穴３０を
軸３の回転作動部２５から解放する。その後、ス
パナ等の工具を回転作動部２５に係合して軸３を
回転させ、昇降させることにより軸３の高さを調
整する。高さ調整後には、回転防止板２９を再び
元位置へ戻し、回転阻止穴３０を回転作動部２５
に嵌合し、仮止用ネジ１４及び本締め用ビス１５
を締付けて、軸３の回転を阻止する。

又、高さ調整の際には、回転防止板２９を前記
と同様に移動させ、下枠８に固定した蓋板３５を
取り除き、作業用孔３４からスパナ等の工具を挿
入して軸３の下端に設けた回転作動部２８に係合
させ、軸３を回転させて昇降させてもよいもので
ある。

尚、前記実施例においては軸３の下端に回転作
動部２８を設けるように説明したが、上部の回転
作動部２５のみでも十分に作業を行うことができ
るものである。

又、窓枠Ａの上枠３８にも同様な軸３を取付け
るのであるが、構成が同様なので、図示及び説明
を省略する。

又、前記実施例においては軸３に設ける回転作
動部２５を方形に形成するように説明したが、こ
れに限定するものではなく、長方形、多角形、橢
円形或は円形で一部を直線で切断した形状でもよ
いもので、要するに非円形であれば回転防止板２
９の回転阻止穴３０で、回転を阻止することがで
きるし、又回転させることもできるものである。

又、軸座１に設ける取付部２を一段高く形成す
るように説明したが、これは裏面に固定部材２１
を固定する関係において一段高く形成したもの
で、水平であつても固定部材２１を固定すること
はできるものである。更に固定部材２１は軸３の
ネジ部２６を螺合させるためのもので、固定部材
２１がなくても取付部２或はライナー７に螺合す
るようにしてもよいものである。

尚、軸座１と取付部２との形状が変われば、当
然回転防止板２９の形状も変わるものである。

本考案は前記のような構成、作用を有するか
ら、軸３を昇降させることができるので、現場に
おいて障子の上下調整により、窓枠に対して一定
間隔に調整することができる。

その結果、水密性が安定し、微少な隙間により
発生する笛鳴り現象を防止できる。

又、軸３には非円形をした回転作動部２５を回
転防止板２９により回転を防止できるので、使用
中に軸３が回転して昇降する恐れはないものであ
る。

回転防止板２９を水平に移動できるように設け
ているので、回転防止板２９を取外すことなく水
平移動させるだけで、軸３を回動させて障子の上
下調整を簡単確実に行うことができ、且つ作業中
に落下させる恐れがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は竪軸回転窓の正面図、第２図は従来の
軸部分を示す側面図、第３図は要部の縦断正面
図、第４図は本考案に係る竪軸回転窓における軸
の調整装置の一実施例の縦断側面図、第５図は要
部の縦断正面図、第６図は回転防止板の斜視図を
夫々示す。 尚、図中Ａは窓枠、Ｃは障子、１は軸座、２は
取付部、３は軸、７はライナー、９は取付溝、１
７は取付溝、１８は軸受材、２０は支持穴、２１
は固定部材、２４は軸支部、２５は回転作動部、
２６はネジ部、２８は回転作動部、２９は回転防
止板、３０は回転阻止穴である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓枠Ａに設けた取付溝９にライナー７を介して
   固定する軸座１の中央に取付部２を設け、軸３の
   先端に障子Ｃに設けた取付溝１７に固定した軸受
   材１８の支持穴２０に嵌合する軸支部２４を設
   け、この軸支部２４に続いて非円形状をした回転
   作動部２５を設け、続いて取付部２及びライナー
   ７に貫通螺合するネジ部２６を設け、前記回転作
   動部２５に嵌合する一方を開放した方形の回転阻
   止穴３０を一端に設け反対側水平面に案内用の長
   孔３１を設けた回転阻止板２９を、軸座１の表面
   に長孔３１にビスを通して水平移動できるように
   取付けたことを特徴とする竪軸回転窓における軸
   の調整装置。