JPH0131088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両座席に取付けて足を安めるために
使用する車両座席用可動フツトレストの改良に関
する。

乗員の脚部の疲れをいやすため、車両用座席に
はフツトレストを装備する場合がある。例えば、
第１図に示すように、足載部２を回動自在にステ
ー１に取付けた構造のフツトレストを座席３の前
方にスライドさせ、この足載部２に足首近くを載
せるように構成したものがある。しかし、この従
来のフツトレスト構造の場合、車両構造の関係上
フツトレストをスライドさせる近傍のフロアーに
はエアダクト等の突起物が配置されることが多い
ため、大きな面積の足載部２を取付けることが出
来ない。このため、足を載せた場合に不安定感を
与えていた。またこの足載部２の面積が小さいこ
とに起因して足の支持面積も小さく、時にはフツ
トレストによる圧迫感さえ感じた。

本考案は、安定して、しかも十分に足を安める
ことが出来る車両座席用可動フツトレストを提供
することを目的とするものである。

以下、本考案の構成を図面に示す一実施例に基
づいて詳細に説明する。

第２図に本考案を自動車の可動フツトレストに
応用した一実施例を示す。第３図は該フツトレス
トのロツク機構を分解斜視図で示す。第４図に該
フツトレストの動作状態を側面図にて示す。第５
図にフツトレストの使用状態を側面図で示す。こ
の可動フツトレストは足を載せる足載部１０を、
座席１２の下部に取付けたステー支持部１３のス
ライド部１４によつて前後方向にスライド可能に
支持されているステー１１に回動自在に取付ける
と共に、この足載部１０とステー支持部１３とを
フレキシブルワイヤ１５で連結してなる。

本実施例のステー支持部１３はｃ形チヤンネル
ベース形に成形されるとともに、その両端近傍の
側面部にはステー一貫通用の貫通孔１４ａが４個
所設けられ、この貫通孔１４ａにはステー１１の
スライド性を向上させるためのブツシユ１４ｂが
嵌合わされている。前記貫通孔１４ａとブツシユ
１４ｂにより、スライド部１４が構成されてい
る。またステー１１がブツシユ１４ｂ内を貫通す
ることにより、このステー１１を座席１２の前後
方向にスライド可能に支持する。ステー支持部１
３は上面に取付穴１３ａが穿孔されており、この
取付孔１３ａを介してスクリユーボルト等により
２本の前記フレキシブルワイヤ１５の一端ととも
に座席１２の底部に固定されている。フレキシブ
ルワイヤ１５の他端は足載部取付金具１６にスク
リユーネジ２２を以て取付けられている。ロツク
機構はビス２１によりステー支持部１３の端部近
傍で且つ水平方向に回動可能に取付られたステー
１１固定用のラチエツトを有するＬ形のロツクレ
バー１９と、一端がステー支持部１３に固定され
他端がロツクレバー１９に固定されたコイルバネ
２０とにより成り、このロツクレバー１９のラチ
エツトを常時ステー支持部１３内部に向つて引つ
張るように構成されている。前記ステー１１はス
テイール製のパイプ等を平面コ字状に成形して作
られ、前記スライド部１４をスライドする部分が
側面弓形となるとともに、その中央部がステー１
１のスライドする部分より高くなつている。即
ち、このステー１１が座席１２の前方にスライド
することにより、ステー１１の中央部が押し上げ
られる様に構成されている。更に、ステー支持部
１３のスライド部１４を貫通するステー１１の摺
動部分には使用時及び格納時に前記ロツクレバー
１９のラチエツトと嵌合するための切欠穴１１ａ
及び１１ｂと、ストツパー１７を割ピン１８によ
り取付けるための止め穴１１ｃが設けられてい
る。ストツパー１７はステー１１が座席前方にス
ライドした時、ステー１１のスライド規制を行う
とともに、一端が前記ステー支持部１３に固定さ
れているコイルバネ２３の他端が固定されてお
り、このコイルバネ２３のバネ力によつて常時座
席１２前方に引かれている。

足載部１０は若干湾曲した板状に形成され、そ
の表面は足を載せた場合に生じる違和感をおさえ
るため、本実施例ではパツド及びトリムカバーで
覆われている。そして、足載部１０は裏面に設け
たスタツトにステー１１を挾持した足載部取付金
具１６をナツトによつて固定することで回動自在
に取付けられており、フレキシブルワイヤ１５が
張り詰めない状態では、自重によつて垂直状態と
なるように構成されている。

なお、本実施例ではスライド部としてステー支
持部に貫通孔を穿孔しブツシユ１４ａを嵌合した
ものについて説明したが、この様な構成に限定す
るものではない。スライド部とステー支持部とを
夫々別体に形成したものを溶接等で一体化したも
のでも良い。更に、本実施例ではステー支持部は
ｃ形チヤンネルベースにて形成したがこの様なも
のに限定するものではなく、ステーを支持出来る
ものであれば良い。また、本実施例では自動車用
のフツトレストに応用した実施例を説明したが、
車両座席一に適用出来ることは言うまでもない。

以下、本実施例の動作を図面に基づき説明す
る。先ず、可動フツトレストが格納されている場
合、前記ステー１１の切欠穴１１ａとロツクレバ
ー１９のラチエツトが嵌合しており、足載部１０
が座席１２の前面側部と接触して格納されてい
る。次にロツクレバー１９を座席１２側面と反対
方向に引つ張ることによつて、ステー１１のロツ
クが解除され、コイルバネ２３のバネ力でストツ
パー７を介してステー１１を前進させる。この
時、ステー１１のスライド部分が弓形となつてい
るため、足載部１０は前進するとともに上方に向
つて押し上げられて行き、同時に、フレキシブル
ワイヤ１５の張力により、この足載部１０の下端
が上方に持ち上げられて行く。そして、ステー１
１の切欠穴１１ｂとロツクレバー１９のラチエツ
トが嵌合してステー１１の移動が規制され、使用
状態でロツクされる。そして乗員のふくらはぎを
載せて足を安める。

本考案に係る車両座席用可動フツトレストは叙
上の如く乗員の脚部を支える足載部が板状で側面
弓形状のステーの先端で揺動可能に取付けられて
いるため、ステーを後方に引き込むと、足載部の
一部が座席の前面側部に接触し格納され、この格
納状態において座席の前端より前方に突出しない
ため、フツトレストの非使用状態において、体裁
よく格納されフツトレストが邪魔にならない。

また、ロツク機構を操作してロツクを解除する
と、ステーは弓形状に形成されバネによつて前方
に付勢されているため、ステーの先端に設けた足
載部は前方に押し上げるように引き出されてフレ
キシブルワイヤによつて所定の傾きに保持され
る。従つて、構造が極めて簡単で乗員の脚部を安
定的に支えることができると共に、足載部は押し
上げるように引き出されるため、座席を取付けた
フロア、このフロア上に載置したエアダクトなど
の突起物に足載部は接触することなく引き出され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフツトレストの使用図、第２図
は本考案を車の可動フツトレストに応用した一実
施例の分解斜視図、第３図はそのロツク機構を示
す構成図、第４図はその動作状態を示す側面図で
ある。 １０……足載部、１１……ステー、１２……座
席、１３……ステー支持部、１４……スライド
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗員の脚部を支え非使用時に座席の前面側部に
   接触して格納される足載部と、該足載部を先端に
   揺動可能に取付けると共に車両用座席の下部に取
   付けたステー支持部のスライド部に前後方向に揺
   動可能に支持されバネによつて前方に付勢された
   ステーと、前記足載部に一端が取付けられると共
   に他端が車両用座席側に取付けられて前記ステー
   が引き出されたときに張り詰め前記足載部に所定
   の傾きを与えるフレキシブルワイヤとから成り、
   前記ステーは平面コ字状、側面弓形状に折曲成形
   し、前記ステー支持部には、ステーをロツクする
   ロツク機構に装着してなる車両座席用可動フツト
   レスト。