JPH0723634U - 自動車のシート構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 快適なベッドに変形可能な自動車のシート構
造を提供する。 【構成】 前部シート及び後部シートを有する自動車に
おいて、前記前部シートのシートクッションは下クッシ
ョン部と上クッション部に上下に分割されて、上クッシ
ョン部が下クッション部に対して前後方向に開放自在に
取付けられ、前記前部シートのシートバックに取付けら
れたヘッドレストは該シートバック内に収納可能に設け
られ、前記後部シートのシートクッションは上下方向に
伸縮自在に形成されている構成よりなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のシート構造に関し、より詳細には、通常のシートからベッ ドに変形可能なシート構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車のシートは、図４に示すように前部シート５１及び後部シート５ ２を有し、前部シート５１は前後にスライド可能に配設されたシートクッション ５３及び該シートクッション５３に対して前後に揺動可能に取付けられたシート バック５４からなり、シートバック５４の上端部にはヘッドレスト５５が脱着自 在に装着され、また後部シート５２は固定のシートクッション５６及びシートバ ック５７からなり、シートバック５７の上端部にはヘッドレスト５８が脱着自在 に装着されて構成されている。

【０００３】 このような自動車において、運転者等が車室内で休息や仮眠等をとるために横 になろうとする場合には、前部シート５１のシートバック５２を後方に倒して使 用する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述したような従来の自動車のシートの場合、次のような問題 がある。すなわち、 図５に示すように前部シート５１のヘッドレスト５５を取り外してシートバ ック５４を最大限後方に倒し、シートクッション５３の前後の位置を調整しても 、元々ベッドとして使用されることまで予定されていないために、シートクッシ ョン５３、５５及びシートバック５４の断面形状が平坦でないので、全体的に起 伏が生じるために使い難く、疲労が取れない。 前部シート５１のシートクッション５３の前方に足持たせがないので、使用 者が横になってもシートクッション５３の前から足が出て、足を曲げたままの姿 勢で横にならなければならず、疲労が取れない。

【０００５】 本考案は、上述したような点に対処して創案したものであって、その目的とす る処は、快適なベッドに変形可能な自動車のシート構造を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そして、上記目的を達成するための手段としての本考案の自動車のシート構造 は、前部シートのシートクッションは下クッション部と上クッション部に上下に 分割されて、上クッション部が下クッション部に対して前後方向に開放自在に取 付けられ、前部シートのシートバックに取付けられたヘッドレストは該シートバ ック内に収納可能に設けられ、後部シートのシートクッションは上下方向に伸縮 自在に形成されている構成としている。

【０００７】

【作用】

本考案の自動車のシート構造は、前部シートのシートクッションを構成する上 クッション部を前方に開き、前部シートバックのヘッドレストを該前部シートバ ック内に収納して後方に倒し、後部シートのシートクッションを縮ませた状態に することで、ほぼ平坦面が形成されるとともに、足持たせもできるように作用す る。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照しながら、本考案を具体化した実施例について説明する。こ こに、図１〜図４は、本考案の一実施例を示し、図１は自動車の側面図、図２は 前部シートバックの変形状態の正面図、図３はベッドに変形した状態の側面図で ある。

【０００９】 本実施例の自動車のシート構造は、通常のシートとして使用できるととも、ベ ッドとしても使用でき、ベッドに変形したときにはほぼ平坦面が得られるととも に、足持たせも形成されるシートであって、自動車１の室内前列側に配設される 前部シート２と後列側に配設される後部シート３とから構成されている。

【００１０】 前部シート２は車室内のフロア面４に固定されるベース５上に前後に摺動自在 に装着されたスライドベース６上に設けられたシートクッション７と、このシー トクッション７に対して前後に揺動可能に取付けられたシートバック８とからな る。シートクッション７は上下方向に上クッション部１０と下クッション部１１ とに分割形成されて、上クッション部１０と下クッション部１１は上クッション 部１０が下クッション部１１に対して前後方向に開放自在にヒンジ部材１２にて 連結されている。

【００１１】 シートバック８の上端部にはヘッドレスト１３が脱着自在に装着され、このヘ ッドレスト１３はシートバック８の上端部に形成された凹部８ａに収納可能とさ れている。このシートバック８はその前面側がほぼ水平になるまで後方に回動可 能とされている。

【００１２】 後部シート３は固定のシートクッション１４とシートバック１５とからなり、 シートバック１５の上端部にはヘッドレスト１６が着脱自在に装着されている。 シートクッション１４は上下方向に伸縮自在に形成されている。

【００１３】 次ぎに、本実施例の自動車用シートの作用（使用方法）を説明すると、走行時 等の通常の使用時には、図１に示すように前部シート２のシートクッション７は 上クッション部１０を下クッション部１１の上側に折り畳んだ状態にし、シート バック８のヘッドレスト１３は上方に引き出した状態にし、更に後部シート３の シートクッション１４は上下方向に伸ばした状態にすることで、通常のシートと して使用できるように作用する。

【００１４】 そして、休息等でベッドとして使用するときには、図３に示すように前部シー ト２の前後位置を調整し、シートクッション７の上クッション部１０をヒンジ部 材１２を中心にして前方に回動して開き、その前端部を車室内の傾斜部１ａに当 接させた状態にし、シートバック８のヘッドレスト１３を凹部８ａ内に収納して 後方に回動させた状態にし、後部シート３のシートクッション１４を縮ませた状 態にすることで、全体的に起伏の少ないほぼ平坦な面が形成されるとともに、上 クッション部１０が足持たせと機能することで、ベッドとして使用できるように 作用する。

【００１５】 なお、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を変 更しない範囲内で変形実施できる構成を含むものである。

【００１６】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案の自動車のシート構造は、前部シート のシートクッションが下クッション部と上クッション部に上下に分割されて、上 クッション部が下クッション部に対して前後方向に開放自在に取付けられ、前部 シートのシートバックに取付けられたヘッドレストは該シートバック内に収納可 能に設けられ、後部シートのシートクッションは上下方向に伸縮自在に形成され ているので、通常のシートとして使用することができるとともに、前部シートの シートクッションを構成する上クッション部を前方に開き、前部シートバックの ヘッドレストを該前部シートバック内に収納して後方に倒し、後部シートのシー トクッションを縮ませた状態にすることで、起伏が少なく、足持たせも有する快 適なベッドとしても使用できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の自動車の側面図である。

【図２】前部シートバックの変形状態の正面図である。

【図３】ベッドに変形した状態の側面図である。

【図４】従来の自動車の側面図である。

【図５】従来のシートを変形した状態の側面図である。

【符号の説明】

１・・・自動車、２・・・前部シート、３・・・後部シ
ート、４・・・フロア面、５・・・ベース、６・・・ス
ライドベース、７・・・シートクッション、８・・・シ
ートバック、１０・・・上クッション部、１１・・・下
クッション部、１２・・・ヒンジ部材、１３・・・ヘッ
ドレスト、１４・・・シートクッション、１５・・・シ
ートバック

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前部シート及び後部シートを有する自動
   車において、前記前部シートのシートクッションは下ク
   ッション部と上クッション部に上下に分割されて、上ク
   ッション部が下クッション部に対して前後方向に開放自
   在に取付けられ、前記前部シートのシートバックに取付
   けられたヘッドレストは該シートバック内に収納可能に
   設けられ、前記後部シートのシートクッションは上下方
   向に伸縮自在に形成されていることを特徴とする自動車
   のシート構造。