JPH0429817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、自動車座席のサイドヘツドレストに
関するものである。

＜従来の技術＞ 乗用自動車の後部座席は、一般にベンチタイプ
である。このベンチタイプの座席には三人掛けが
可能であるが、その背もたれの上端に設けられて
いるヘツドレストは左右二人掛けの場合に対応す
る位置である。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上記のような従来のベンチタイプの座席で左右
二人掛けした場合、乗員が仮眠するときに身体が
左右方向に振れて不安定な姿勢となり、極端では
隣の着座者に寄り掛かることになる不都合があ
る。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記従来の不具合を改善したもの
で、その特徴とする構成は、ベンチタイプの座席
で背もたれの左右二人掛け位置にヘツドレストを
備えた自動車座席において、前記左右のヘツドレ
ストの間の背もたれ中央位置上端に前後方向に貫
通した切欠凹部と、この切欠凹部内の平面上の前
後位置に左右方向に延在し、かつ平行して突出し
た一対のシートフオームワイヤと、前記切欠凹部
内に前後方向に進退移動可能に挿入された側頭部
支持用ヘツドレストと、ヘアピン状に折り曲げら
れ、この折り曲げ端を前方に向けて開放端の上方
を前記側頭支持用ヘツドレストの下面に固定し、
前記上方の開放端近傍に前記前方のシートフオー
ムワイヤに係合して側頭部支持用ヘツドレストの
前進移動位置を係止する係止部が形成され、前記
前方のシートフオームワイヤに前後方向に摺動可
能に嵌挿したスライダと、上端を前記スライダの
開放端の下方の自由端に結合され下端を背もたれ
に固定している引張スプリングに結合して前記後
方のシートフオームに掛架したワイヤとを備えた
ものである。

＜作用＞ 上記の構成により、側頭部支持用ヘツドレスト
は、引張スプリング並びにワイヤによつて常に後
方に引つ張られ、スライダの前方の折り曲げ部が
前方のシートフオームワイヤに当接係合して切欠
凹部内に位置決め格納されている。

この格納状態にある側頭部支持用ヘツドレスト
を前方に引き出してスライダに形成されている係
合部を前方のシートフオームワイヤに係合するこ
とにより側頭部支持用ヘツドレストは、引張スプ
リングで後方へ引つ張られた状態で前方に突出し
て保持され、着座者の側頭部支持として使用され
る。

この前方に突出した側頭部支持用ヘツドレスト
は、側頭部支持用ヘツドレストを前傾すると、前
方のシートフオームワイヤに係合していた係合部
が係合を解脱し、引張スプリング力によつて一挙
に後退し、スライダの前方の折り曲げ部が前方の
シートフオームワイヤに係合して切欠凹部内に位
置決め格納される。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。本考案の概要は第１図で示すように、ベンチ
タイプの座席（主として後席であるが前席にもベ
ンチタイプのものがある）の背もたれ１の左右上
端に設けられている通常のヘツドレスト２の中間
部に切欠凹部４を形成し、これに側頭部支持用ヘ
ツドレスト３を前後方向に進退移動可能に設け、
前方に突出した位置で、その両側端面に側頭部を
当接支持するようにしたものである。

次に本考案の具体的な構成について説明する。
第２図において、１は背もたれであり、前記通常
の左右のヘツドレスト２の中間部上端に前後方向
に貫通した切欠凹部４が形成され、これに側頭部
支持用ヘツドレスト３が前後方向に進退可能に嵌
挿される。

前記切欠凹部４内の平面上の前後位置には、左
右方向に延在し、かつ平行して突出した一対のシ
ートフオームワイヤ５，６が設けられている。

前記側頭部支持用ヘツドレスト３は、表皮、ウ
レタン、リンフオースによつて構成され、リンフ
オースの下面にはスライダ７が取り付けられてい
る。このスライダ７は、ヘアピン状に折り曲げら
れ、この折り曲げ端を側頭部支持用ヘツドレスト
３の前方に向けて開放端の上方を前記リンスフオ
ースの下面に固定し、前記上方の開放端近傍に前
記前方のシートフオームワイヤ５に係合する係合
部８が形成されている。

このスライダ７を前方のシートフオームワイヤ５
に前後方向に摺動可能に嵌挿して側頭部支持用ヘ
ツドレスト３を切欠凹部４に前後方向に進退可能
に配置する。

前記後方のシートフオームワイヤ６にはワイヤ
１０が掛けられ、このワイヤ１０の上端は前記ス
ライダ７の開放端の下方の自由端に結合され、下
端はを背もたれ１に固定している引張スプリング
１１に結合されている。

本考案は上記の通りの構造であるから、側頭部
支持用ヘツドレスト３をサイドヘツドレストとし
て使用しない原位置では第３図で示すように、引
張スプリング１１によりワイヤ１０を介してスラ
イダ７を後方に引張し、スライダ７の前方の折り
曲げ部が前方のシートフオームワイヤ５に当接係
合して側頭部支持用ヘツドレスト３は切欠凹部４
内に位置決め格納されている。

上記の原位置状態からサイドヘツドレストとし
て使用する場合は、側頭部支持用ヘツドレスト３
の前端に取り付けられている摘み９を前方に引く
ことにより側頭部支持用ヘツドレスト３は、引張
スプリング１１の引張力に抗して前方に引き出さ
れる。

このとき、スライダ７も側頭部支持用ヘツドレ
スト３と一体に前進し、第４図で示すように、前
方のシートフオームワイヤ５に係合部８が係合す
る。この係合部８の係合後は、引張スプリング１
１の引張力により係合部８が前方のシートフオー
ムワイヤ５に係止され、側頭部支持用ヘツドレス
ト３は背もたれ１の前面より突出した前進移動端
位置に位置決めロツクされる。

前記前進移動端位置に位置決めされている側頭
部支持用ヘツドレスト３を切欠凹部４内に格納す
るときは第５図で示すように、側頭部支持用ヘツ
ドレスト３の前端部を押し下げる。これにより、
スライダ７は撓みを生じ、この撓み部１２を支点
にして側頭部支持用ヘツドレスト３は前方に傾斜
し、この傾斜によつて係合部８が前方のシートフ
オームワイヤ５から係合を解脱して、引張スプリ
ング１１の引張力により側頭部支持用ヘツドレス
ト３は後退移動し、スライダ７の前方の折り曲げ
部が前方のシートフオームワイヤ５に係合して切
欠凹部４内に位置決め格納して原位置に戻され
る。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、ベンチタイプの
座席の背もたれの左右上端に設けられている通常
のヘツドレストの中間部に切欠凹部を形成し、こ
れに側頭部支持用ヘツドレストを前後方向に進退
移動可能に設け、前方に突出した位置で、その両
側端面に側頭部を当接支持するものであるから、
１つの側頭部支持用ヘツドレストにより、左右の
通常のヘツドレストを使用している二人の乗員が
共用してサイドヘツドレストとして使用すること
ができ、既に設置されている在来のヘツドレスト
の構造を複雑に改変することなく側頭部の支持機
能が実現される。

また、側頭部支持用ヘツドレストの進退移動構
造は、シートフオームワイヤ、前後端のストツパ
機能を備えたスライダ及びワーヤと引張スプリン
グとからなる簡単な構成であり、側頭部支持用ヘ
ツドレストの原位置戻しは、側頭部支持用ヘツド
レストの前端部を押し下げるワンタツチの簡単な
操作で復元させることができる格別な効果を有し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の概要説明図、第２図は本考案
の要部の構成を示す斜視図、第３図は本考案の格
納状態の断面図、第４図は使用状態の断面図、第
５図は使用状態より格納する場合の断面図であ
る。 １……背もたれ、３……側頭部支持用ヘツドレ
スト、４……切欠凹部、５，６……シートフオー
ムワイヤ、７……スライダ、８……係合部、１０
……ワイヤ、１１……引張スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベンチタイプの座席で背もたれの左右二人掛け
   位置にヘツドレストを備えた自動車座席におい
   て、前記左右のヘツドレストの間の背もたれ中央
   位置上端に前後方向に貫通した切欠凹部と、この
   切欠凹部内の平面上の前後位置に左右方向に延在
   し、かつ平行して突出した一対のシートフオーム
   ワイヤと、前記切欠凹部内に前後方向に進退移動
   可能に挿入された側頭部支持用ヘツドレストと、
   ヘアピン状に折り曲げられ、この折り曲げ端を前
   方に向けて開放端の上方を前記側頭部支持用ヘツ
   ドレストの下面に固定し、前記上方の開放端近傍
   に前記前方のシートフオームワイヤに係合して側
   頭部支持用ヘツドレストの前進移動位置を係止す
   る係合部が形成され、前記前方のシートフオーム
   ワイヤに前後方向に摺動可能に嵌挿したスライダ
   と、上端を前記スライダの開放端の下方の自由端
   に結合され下端を背もたれに固定している引張ス
   プリングに結合して前記後方のシートフオームに
   掛架したワイヤとを備えたことを特徴とするサイ
   ドヘツドレスト。