JPH01281052A - 辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する方法に
関する。

香辛料類はそれぞれ独特の香味を有し、その特有の香味
を付与するため、各種の加工食品や調理笠に使用されて
いる。

これらの香辛料類は、各香辛料固有の香味成分に基づい
て、その香気成分が主として利用される香気性香辛料類
、その辛味成分が主として利用される辛味性香辛料類、
及び香気と辛味の両者を併せて利用される香味性香辛料
類とに大別される。

そして実際の使用に際しては、上記した香気性香辛料類
、辛味性香辛料類及び香味性香辛料類とが適宜に選択さ
れて、単一であるいは組合わせて使用される。

また使用される香辛料類には、生のままの物、乾燥物、
粉砕物、抽出液、抽出液を他の素材で被覆乃至吸着した
物等、種々の形態のものがある。

そしてこれらの中で、主としてその使用上の便宜性及び
効果の点から、抽出液或はその加工物が多用されている
。

ところで、この抽出液を得るに際しては、各香辛料を特
徴づける固有の香味成分を、変質や劣化させることなく
高歩留まりで抽出することが要請されるのはいうまでも
ない。

本発明は、特に辛味性香辛料類に着目して、かかる要請
に応える、辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する方法
に関するものである。

〈従来の技術、その課題〉 従来、香辛料類から香味成分を抽出する方法として一般
に、有機溶剤によるものや水蒸気蒸留によるもの等が知
られている。

しかし４これらの従来法によると、例えば水蒸気蒸留に
よる場合、熱によって香味成分が変質や劣化することを
避けられない、また有機溶剤による場合、溶剤回収時に
香味成分の損失を避けられず、特に使用した有機溶剤を
完全には回収し難いため、該有機溶剤が抽出物中に残存
する。

近年、抽出溶剤として液化炭酸ガスが注目されている。

液化炭酸ガスは、香味成分に対する抽出効果があり、低
温操作ができるために抽出物へ悪影響を及ぼさず、抽出
操作後におけるその完全除去が容易で、しかも毒性がな
いために食品へ使用しても危険性がない等、多くの利点
を有するところから、そのままの状態で或は超臨界状態
で、食品関係に活用されている（持分１１４５２−４６
３１８、特開昭５５−５４００３、特開昭５７−２６５
８５、特開昭５７−１８１６４１．特開昭５８−８９１
７６、特開昭６１−２０９５６７、特開昭６１−２４２
５５９、特開昭６２−２６９６６２等）。また特定成分
の選択的抽出を主目的として、有機溶剤と液化炭酸ガス
とを併用する改良法も促案されている（特開昭６２−２
２５５６、特開昭６２−３６１７６）。

しかし、これらの従来法も、それぞれ相応の利点を何し
ているが、抽出歩留まりの点で未だ充分とはいえない。

液化炭酸ガスの特性を活用して、香辛料類からその固有
の香味成分を変質や劣化させることなく高歩留まりで抽
出する方法の出現が望まれているのである。

〈発明が解決しようとする課題、その解決手段〉本発明
は、叙上の如き従来の課題を解決して、前述した要請に
応える、更に改良された、辛味性香辛料類から辛味成分
を抽出する方法を提供するものである。

しかして本発明者らは、上記観点で鋭意研究した結果、
抽出溶剤としてエタノール及び液化炭酸ガスを併用し、
しかもこれらを辛味性香辛料類に対してそれぞれ特定割
合で併用すると、辛味成分の抽出歩留まりが一層改菩さ
れ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち本発明は、 乾燥しそして粉砕した辛味性香辛料類を耐圧抽出容器内
へ装入し、次いで該耐圧抽出容器内へ辛味性香辛料類１
００重量部に対し７０〜３００重量部のエタノールを充
填し、更に譲エタノールに対し３〜５０重貴％の液化炭
酸ガスを導入して、辛味性香辛料類を加圧下で抽出処理
した後、エタノール及び液化炭酸ガスを耐圧抽出容器外
へ排出して該液化炭酸ガスを気化させ、辛味成分のエタ
ノール抽出液を得ることを骨子とする辛味性香辛料類か
ら辛味成分を抽出する方法に係る。

本発明において、対象となる辛味性香辛料類（かっこ内
はその主要な辛味成分）は、トウガラシ（カブサイシン
）、黒ガラシ（７リルイソチオシアネート）、白ガラシ
（パラヒドロキシベンジルイソチオシアネート）、サン
ショウ（サンショオール）等、主としてその辛味成分を
利用するものである。

これらは通常、乾燥物として流通しているが、その水分
含量には５〜２０％ぐらいのバラツキがあり、後述する
粉砕や抽出処理を効果的にするため、水分１０％以Ｆに
乾燥しておくことが好ましい。

次に、乾燥した辛味性香辛料類を好ましくは粒度１ＯＮ
１５０メツシユ、より好ましくは粒度２０〜６０メツシ
ユに粉砕する０粒度が粗過ぎると、後述する抽出処理の
際に溶剤との接触面積が小さくなって抽出歩留まりが低
ドするようになり、粒度が細か過ぎると、抽出処理後に
おいて溶剤との分離が難しくなる。

本発明では、抽出溶剤としてエタノール及び液化炭酸ブ
スを使用する。エタノールはできるだけ高濃度のものを
使用するのが抽出率の点で有利であるが、目的とする辛
味成分以外の成分、例えば色素等が抽出されるため、好
ましくは濃度８０〜９８％、より好ましくは濃度８５〜
９５％のものを使用する。また、液化炭酸ガスは、装置
面及び操作面での制約が少ないため、液化炭酸ガスそれ
自体を使用する。

種々の辛味性香辛料類について、エタノールや液化炭酸
ガスをそれぞれ単独で抽出処理すると、抽出力の点では
エタノールの方が優れている。ここで、前述したような
利点を有する液化炭酸ガスを併用して、加圧状態とする
ことにより、−層抽出歩留まりを向上させることができ
るのである。

具体的には、エタノールを対象物である辛味性香辛Ｆ４
ｆｆｌ　ｌｏ　ｏ　ｍ＠部に対し７０〜３００重量部、
好ましくは８０〜１５０ｆｆ！５１部、そして液化炭酸
ガスを該エタノールに対し３〜５０ｆｆｉ量％、好まし
くは５〜１２重１％の割合で使用することが重要である
。

辛味性香辛料類に対して使用するエタノールは、上記範
囲未満の使用量では抽出歩留まりが悪く、また上記範囲
を越えてエタノールを使用しても、その使用量の割には
抽出歩留まりが向上せず、抽出液の濃度が低くなって実
用的でない。

同様に、エタノールに対する液化炭酸ガスの割合が−に
記範囲未満では、抽出時の圧力が低くなり、また上記範
囲を越えると、その分エタノールの比串が下がり、とも
に抽出歩留まりが悪くなる。

以下、図面に基づいて本発明の構成を更に詳細に説明す
る。

第１図は本発明において抽出状態を例示する略視図であ
る。蓋体ｌの開閉可能な耐圧抽出容器２内に、辛味性香
辛料類Ａが装入され、そして該辛味性香辛料類１００重
啜重盪対し７０〜３００重量部のエ装置−ルＢが充填さ
れている。蓋体１にはバルブ３．４を介して、ボンベ５
が配管接続され、義ボンベ５内には液化炭酸ガスＣが圧
入されている。そして蓋体ｌには圧力計６が取付けられ
、また耐圧抽出容器２の底部にはバルブ７を備える排出
管８がフィルター９を介して取付けられている。

図示した状態で、バルブ３．４を操作して、ボンベ５か
ら前述したように、エタノールＢに対して：３〜５０！
ｔｅ１％の液化炭酸ガスＣを耐圧抽出容器２内に導入す
る。

次いで、バルブ３．４を閑じ、５〜３０℃の温度ドに、
４０〜７５　ｋｇ／ｃｍ”の圧力下で、０．５〜２４時
間、好ましくは１〜４時間抽出処理を行なう。

か（して抽出処理後、バルブ７を開くと、辛味性香や科
類から分離されたエタノール及び液化炭酸ガスがフィル
ター９を通過して、導出管８から排出される。ここで共
存する液化炭酸ガスは直ちに気化するので、辛味成分を
含むエタノール抽出液が受器１０に収容される。

この際の急激な圧力降下により、辛味性香辛料類からエ
タノール抽出液を効果的に分離して回収することができ
るのである。実際、後述する実施例において示すように
、エタノールのみを使用して抽出処理した場合に比較し
て、エタノール液の回収量は飛躍的に増加する。

そして最後に、液化炭酸ガスヶ耐圧抽出容器内へ再び導
入しで、該耐圧抽出容器内に残存する辛味性香辛料類を
洗浄すれば、該辛味性香辛料中に残留するエタノール抽
出液をほぼ完全に回収することができ、また上記のよう
にして得られたエタノール抽出液を蒸留して濃縮すれば
、抽出液中の辛味成分濃度を高めることができる。

〈実施例〉 第１図に示した略視図にしたがい、以下の条件下に抽出
した。

辛味性香辛料：］・ウガラシ（水分１３％）を乾燥して
水分５％に調整し、３０メツシユバスに粉砕したもの、
１ｋｇ（カブサイシン濃度０、５１％） 耐圧抽出容器：内容２２のステンレス製容器エタノール
：ｌＱ 液化炭酸ガス：Ｏ，１４β 抽出処理条件：２４．５℃、５３　ｋｇ／ａｍ−３時間
。

抽出処理後、７５０ｍｊ！の抽出液（カブサイシン濃度
０．５５％）を得た。抽出液は均一なエタノール液で、
トウガラシ特有の強烈な辛味を有しおり、カブサイシン
の抽出歩留まりは約８０％であった。

対して、液化炭酸ガスを使用せずに、エタノールだけで
実施例と同様に抽出処理を行なった場合、（ｌられたエ
タノール液は２００ｍＡ＋で、８００ｍ２が回収されず
に耐圧抽出容器内に残留しており、カブサイシンの抽出
歩留まりは約２０％であった− 〈発明の効果〉 以上説明した通りであるから、本発明には、辛味性香辛
料類から辛味成分を変質や劣化させることなく高歩留ま
りで抽出することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明において抽出状態を例示する略視図であ
る。 ｌ・・蓋体　　　　　　２・・耐圧抽出容器３．４．７
・・バルブ　５・・ボンベ ６・・圧力計　　　　　８・・排出管 ９・・フィルター　　１０・・受器 Ａ・・辛味性香辛料　　Ｂ・・エタノールＣ・・液化炭
酸ガス 特許出願人　　　カゴメ株式会社 代理人　弁理士　入　山　宏　正 第１図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、乾燥しそして粉砕した辛味性香辛料類を耐圧抽出容
   器内へ装入し、次いで該耐圧抽出容器内へ辛味性香辛料
   類１００重量部に対し７０〜３００重量部のエタノール
   を充填し、更に該エタノールに対し３〜５０重量％の液
   化炭酸ガスを導入して、辛味性香辛料類を加圧下で抽出
   処理した後、エタノール及び液化炭酸ガスを耐圧抽出容
   器外へ排出して該液化炭酸ガスを気化させ、辛味成分の
   エタノール抽出液を得ることを特徴とする辛味性香辛料
   類から辛味成分を抽出する方法。 ２、水分１０％以下に乾燥しそして粒度１０〜１５０メ
   ッシュに粉砕した辛味性香辛料類を耐圧抽出容器内へ装
   入する請求項１記載の辛味性香辛料類から辛味成分を抽
   出する方法。 ３、濃度８５〜９５％のエタノールを充填する請求項１
   又は２記載の辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する方
   法。 ４、辛味性香辛料類１００重量部に対し８０〜１５０重
   量部のエタノールを充填する請求項１、２又は３記載の
   辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する方法。 ５、エタノールに対し５〜１２重量％の液化炭酸ガスを
   導入する請求項１、２、３又は４記載の辛味性香辛料類
   から辛味成分を抽出する方法。 ６、抽出処理を圧力４０〜７５ｋｇ／ｃｍ＾２、温度５
   〜３０℃で０．５〜２４時間行なう請求項１、２、３、
   ４又は５記載の辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する
   方法。 ７、エタノール及び液化炭酸ガスを耐圧抽出容器外へ排
   出した後、該耐圧抽出容器内へ液化炭酸ガスを再び導入
   して、該耐圧抽出容器内の辛味性香辛料類中に残留する
   エタノール抽出液を回収する請求項１、２、３、４、５
   又は６記載の辛味性香辛料類から辛味成分を抽出する方
   法。 ８、得られたエタノール抽出液を蒸留して濃縮する請求
   項１、２、３、４、５、６又は７記載の辛味性香辛料類
   から辛味成分を抽出する方法。