JPH01236918A - 有機溶剤蒸気の分離回収方法 - Google Patents

有機溶剤蒸気の分離回収方法

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JPH01236918A
JPH01236918A JP6425388A JP6425388A JPH01236918A JP H01236918 A JPH01236918 A JP H01236918A JP 6425388 A JP6425388 A JP 6425388A JP 6425388 A JP6425388 A JP 6425388A JP H01236918 A JPH01236918 A JP H01236918A
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organic solvent
solvent vapor
membrane
silicone resin
separating
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JP6425388A
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Inventor
Osami Tozawa
戸沢 修美
Akira Shimazu
彰 島津
Kenji Matsumoto
松本 憲嗣
Akio Iwama
昭男 岩間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 主栗上皇剋里公団 本発明は、有機溶剤蒸気の分離回収方法に関し、詳しく
は、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水
素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アルコール類
、カルボン酸エステル類等の有機溶剤の蒸気を含む気体
、例えば、空気からかかる有機溶剤蒸気を効率よく分離
回収する方法に関する。
鴛】呆υえ古 比較的高濃度の炭化水素蒸気を含む空気は、例えば、油
槽所から多量に排出される。例えば、ガソリンをタンク
に充填する工程においてガソリンが蒸発し、その結果、
ガソリンを含む空気が大気中に放散される。
近年、光化学大気汚染による人体への有害な影響が問題
化しているが、大気中に放散された上記炭化水素蒸気を
含む有機溶剤蒸気がその原因の一つであることが明らか
にされている。即ち、光化学大気汚染は、種々の発生源
から排出された有機溶剤蒸気及び窒素酸化物を含む空気
が種々の気象条件の影響を受けつつ、太陽光線の下で反
応して、オゾン、パーオキシアシルナイトレート、硝酸
塩、アルデヒド等を生成する現象である。更に、有機溶
剤蒸気は、かかる光化学大気汚染の一因であるばかりで
なく、それ自体が有害であることも少なくない。また、
有機溶剤蒸気の大気中への放散は、エネルギーの浪費で
もある。
そこで、有機溶剤蒸気を含む気体混合物から有機溶剤蒸
気を回収するために、例えば、吸着法、吸収法、凝縮法
等の方法が既に種々知られている。
吸着法は、通常、約100〜20000 ppmの濃度
範囲の有機溶剤蒸気を含む気体混合物を活性炭に接触さ
せて、これに吸着させた後、スチームにて有機溶剤蒸気
を脱着させ、これを濃縮し、冷却して、有機溶剤蒸気を
回収する方法である。しかし、この方法は、大型の設備
を必要とすると共に、有機溶剤蒸気の活性炭への吸着の
後、それを脱着させる周期操作を必要とするのみならず
、有機溶剤蒸気の活性炭からの脱着に大量のエネルギー
を必要とするので、工業的に大規模に行なうには、経済
性の点で不利である。更に、活性炭への吸脱着を利用す
るこの方法は、本来的に、高濃度の有機溶剤蒸気を含む
混合物の処理には不適当である。
吸収法は、有機溶剤蒸気を液状の有機溶剤に接触させ、
これに吸収させて回収する方法であって、通常、比較的
高濃度の有機溶剤蒸気を含む気体混合物から有機溶剤蒸
気を濃縮分離するために採用されている。例えば、油槽
所において、ガソリン等をタンクローリ−に充填する際
に排出される比較的高濃度の炭化水素素気の濃縮分離に
用いられている。しかし、この方法も、設備費及び運転
費が高く、経済的に決して有利な方法ではない。
日が解ンしようとする1 本発明者らは、有機溶剤蒸気の分離回収における上記し
た問題を解決するために鋭意研究した結果、有機溶剤蒸
気を含む気体混合物、特に、比較的高濃度にて有機溶剤
蒸気を含む気体混合物を所定の活性薄膜を備えた選択透
過性複合膜にて処理することによって、効率よく有機溶
剤蒸気を分離回収することができることを見出して、本
発明に至ったものである。
課 を”するための 本発明による有機溶剤蒸気を含む気体混合物からの有機
溶剤蒸気の分離回収方法は、多孔質支持膜上にシリコー
ン樹脂が架橋されてなる活性薄膜が形成された選択透過
性複合膜に有機溶剤蒸気を含む気体混合物を接触させ、
有機溶剤蒸気を選択的に上記膜を透過させ、これを分離
することを特徴とする。
本発明において、有機溶剤蒸気とは、一般には、炭化水
素類、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類
、カルボン酸エステル類等の蒸気をいい、具体的には、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、イソペンタン、
イソオクタン等に代表される飽和脂肪族炭化水素類、エ
チレン、プロピレン、ブテン、イソブチン、ペンテン等
に代表される不飽和脂肪族炭化水素類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等に代表されるケトン類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等に代表される芳香族炭化水素類、メ
タノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等に代表されるアルコール類、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン
、トリクロロエタン等に代表されるハロゲン化炭化水素
、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸ブ
チル等に代表されるカルボン酸エステル類の蒸気等をい
う。しかし、特に、本発明の方法は、飽和又は不飽和脂
肪族炭化水素類の蒸気の濃縮分離に有効である。
本発明において、有機溶剤蒸気を含む気体混合物とは、
有機溶剤の蒸気又はガスと共に、その他の任意の蒸気又
はガス、例えば、水、窒素、酸素等の蒸気又はガスの−
又は二辺上を含む混合物をいい、本発明は、−船釣には
、約2〜50容量%の有機溶剤の蒸気又はガスを含むか
かる気体混合物から有機溶剤蒸気を分離回収するのに有
効である。尚、本発明において、蒸気とは、常温常圧下
で液体であるが、気体混合物中に気体として含まれるも
のをいい、ガスとは常温常圧下で気体であり、且つ、気
体混合物中に気体として含まれるものをいう。
本発明の方法において用いる選択透過性複合膜とは、多
孔質支持膜上に架橋性シリコーン樹脂が架橋されてなり
、ガスの透過性について選択性、即ち、分離性を有する
活性薄膜が形成されてなる複合膜をいい、かかる複合膜
は、例えば、特開昭59−225705号公報、特開昭
60−94106号公報、特開昭61−103506号
公報、特開昭61−248732号公報等に記載されて
いるように、既に知られており、例えば、多孔質支持膜
上に架橋性シリコーン樹脂を塗布し、必要に応じて、架
橋剤の存在下に、これを架橋させることによって得るこ
とができる。
上記多孔質支持膜としては、濃縮分離しようとする有機
溶剤蒸気や、好ましくはその他の有機性ガスにも膨潤し
ないものであれば、任意のものを用いることができるが
、特に、多くの有機溶剤蒸気やガスに膨潤しない性質に
すぐれるポリイミド、ポリスルホン、ポリアミド等から
なる多孔質膜が好ましい。
これら多孔質膜は、通常、膜形成素材としての樹脂を含
む有機溶液を適宜の基材上に塗布し、これを樹脂を溶解
しない溶剤中に浸漬して、樹脂を凝固させると共に、脱
溶剤する相転換法又は湿式製膜法によって、限外濾過膜
や精密濾過膜等の分離水準を存する所謂湿潤膜として得
ることができる。このようにして得られる多孔質膜は、
表面層としての緻密層と、この緻密層を一体に支持する
多孔質層とからなる異方性構造を有し、本発明において
は、多孔質支持膜としては、このような異方性膜が複合
膜の製造上の有利性から好ましく用いられる。
次いで、このような湿潤膜を乾燥させて乾燥膜とし、そ
の表面に必要に応じて架橋剤を含有する架橋性シリコー
ン樹脂の溶液を塗布し、溶剤を蒸発揮散させた後、常温
又は必要に応じて加熱下に架橋性シリコーン樹脂を架橋
させれば、多孔質支持膜の表面に活性薄膜としての架橋
されたシリコーン樹脂薄膜を形成することができる。
本発明においては、特に、多孔質支持膜は、実質的に次
の一般式 (式中、R1は2価の芳香族、脂環族若しくは脂肪族炭
化水素基、又はこれら炭化水素基が2価の有機結合基で
結合された2価の有機基である。)で表わされるポリイ
ミド樹脂からなることが好ましい。更に、その極限粘度
〔η〕 (30℃においてN−メチル−2−ピロリドン
溶液として測定、以下、同じ。)は0.5〜2の範囲に
あることが好ましい。極限粘度が余りに小さいときは膜
形成能に劣り、一方、余りに大きいときは、溶剤に溶解
し難くなって、製膜作業性に劣るようになるからである
上記ポリイミド樹脂からなる異方性膜は例えば、特開昭
55−152507号や特開昭56−139104号公
報に記載されている湿式製膜法に従って、限外濾過性を
有する異方性膜として得ることができる。
本発明においては、上記ポリイミド樹脂からなる異方性
膜は、すぐれた耐有機溶剤性を有するように、特に、R
1は2価の芳香族炭化水素基、又は二つ若しくはそれ以
上の芳香族炭化水素基が前記した有機結合基で結合され
てなる2価の芳香族基が好ましく、かかる芳香族基の好
ましい具体例として、例えば、 を挙げることができる。
本発明においては、上記のようなポリイミド樹脂からな
る異方性膜は、その分画分子量が5000〜10000
0であることが好ましい。分画分子量が5000よりも
小さい異方性膜の場合には、得られる複合膜のガス透過
流束が十分に大きくなく、一方、分画分子量が1000
00よりも大きいときは、後述する架橋シリコーン樹脂
活性薄膜の形成時に、架橋性シリコーン樹脂が膜内に浸
透して、膜内でも3次元網状構造を有する緻密なシリコ
ーン樹脂層を形成し、膜のガス透過流束を小さくするお
それがあるからである。
ここに、分画分子量は、分子量が既知の溶質に対する支
持膜の排除率を測定することにより求めることができ、
本発明においては、分子量分布が単分散性であるポリエ
チレングリコールを溶質として5000 ppm t1
度で含有するトルエン溶液を温度25℃、圧力4 kg
 / ctAで膜面に供給し、排除率が少なくとも90
%であるポリエチレングリコールの分子量をその膜の分
画分子量とする。このような分画分子量を有する異方性
膜は、−iに液体分離において、限外濾過膜と称される
ので、本発明においても、異方性膜の代わりに限外濾過
膜ということがある。
本発明において用いる架橋性シリコーン樹脂とは、架橋
前は有機溶剤に可溶性であるが、架橋後には有機溶剤に
不溶性の樹脂を与えるシリコーン樹脂をいう。かかる架
橋性シリコーン樹脂は、各分子鎖末端に種々の反応性基
を有し、この反応性基によって、場合によっては架橋剤
又は硬化剤の存在下に、相互に架橋する。
即ち、本発明において用いる架橋性シリコーン樹脂は、
通常、一般式 で表わされ、式中、Xは反応性基を示し、R2はアルキ
ル基又は了り−ル基を示し、繰返し単位の一部は、一般
式 であってもよい。R2は上記と同じである。
上記一般式において、反応性基Xとしては、例えば、ビ
ニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアル
キル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基、アシロキシ基
、アルコキシ基、アミノアルキル基、カルボキシルアル
キル基、ケトキシム基、アルキルアミノ基、アミ+″基
等を挙げることができる。R2は、一部は、かがる反応
性基であってもよい。R2は代表的にはメチル基又はフ
ェニル基である。
上記のような反応性基を有する架橋性シリコーン樹脂は
、既に種々のものが知られており、市販品として入手す
ることができる。
上記のような分子鎖末端に反応性基を有する架橋性シリ
コーン樹脂を架橋させるに際しては、必要に応じて、架
橋剤、硬化剤又は重合開始剤が用いられる。例えば、末
端ビニルオルガノポリシロキサンや末端(メタ)アクリ
ロキシアルキルオルガノポリシロキサンを用いる場合は
、ラジカル発生剤が架橋剤として用いられる。かかるラ
ジカル発生剤としては種々のものを用いることができる
が、例えば、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケ
トンパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、アゾ
ビスイソブチロニトリル等の有機過酸化物やアゾ化合物
を挙げることができる。
水酸基、ヒドロキシアルキル基、アシロキシ基、アルコ
キシ基、アルキルアミノ基、アミド基、ケトキシム基等
を反応性基として有する架橋性シリコーン樹脂の場合は
、雰囲気中の水分によって樹脂を架橋させることができ
る。
7ミノアルキル基やカルボキシアルキル基、水酸基、ヒ
ドロキシアルキル基等を反応性基として有する場合は、
2官能以上のポリイソシアネートやエポキシ樹脂が硬化
剤として好適に用いられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、I・リレンジイ
ソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,
4゛−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリテトラ
メチレングリコールジイソシアネート、ポリプロピレン
グリシジルジイソシアネート等を用いることができる。
更に、アシロキシ基、アルコキシ基、ケトキシム基、ア
ルキルアミノ基、アミド基等を反応性基として有する架
橋性シリコーン樹脂は、多価アルコールによって容易に
架橋させることができる。
かかる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
ベンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコ
ール、グリセリン等ヲ挙げることができる。
上記多価アルコールのなかでも、グリセリンやトリエチ
レングリコールは、特に加熱を要せず、常温にて架橋性
シリコーン樹脂を架橋させることができるので、架橋剤
として有用である。これら多価アルごz−ルは、所謂−
液型硬化性樹脂のように、架橋性シリコーン樹脂溶液に
含有させてもよいが、また、例えば、湿潤膜として得ら
れた異方性膜に含浸させ、常温又は加熱下に加熱し、多
孔質支持膜中に多価アルコールを含有させたまま、水分
を除去し、これを乾燥膜として用いることもできる。
上記架橋性シリコーン樹脂の有機溶液を多孔質支持膜上
に接触させるに際して、樹脂が膜内部に浸透するとき、
これを架橋させた場合に、膜内部にも緻密な架橋シリコ
ーン樹脂が生成され、結果として緻密層の厚みが厚くな
る。従って、架橋性シリコーン樹脂は、用いる支持膜の
分画分子量と同等か若しくはこれよりも大きい平均分子
量を有することが好ましく、従って、用いる架橋性シリ
コーン樹脂は、用いる支持膜の分画分子量を考慮して、
上記条件を満足するように選ばれる。通常は、1000
0〜300000の平均分子量を有する架橋性シリコー
ン樹脂が好ましい。かかる平均分子量を有する架橋性シ
リコーン樹脂は、前記一般式において、nが100〜4
000であるシリコーン樹脂に含まれる。また、上記平
均分子量は、GPC法によって求めることができる。
架橋性シリコーン樹脂の有機溶液を形成するための有機
溶剤は、特に制限されず、樹脂に応じて適宜に選ばれ、
例えば、脂肪族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ア
ルコール系溶剤、カルボン酸系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、ハロゲン化炭化水素系
溶剤等が用いられる。
このような有機溶剤に前記架橋性シリコーン樹脂を溶解
した比較的希薄な溶液を多孔質支持膜上、好ましくは、
異方性構造を有する多孔質支持膜の緻密層表面上に接触
させるが、実用的には、緻密層表面にシリコーン樹脂溶
液を塗布するか、又は緻密層表面を樹脂溶液に浸漬すれ
ばよい。また、スピンコード法によることもできる。こ
の後、溶剤に応じ、且つ、必要に応じて、適宜温度、例
えば、室温乃至約80℃程度の温度にて溶剤を除去する
と共に、前述したように、架橋剤、硬化剤又はラジカル
重合開始剤の存在下、又は不存在下に架橋性シリコーン
樹脂を3次元的に架橋させる。
但し、架橋温度としては、必要に応じて、上記より高い
温度を採用してもよいのは勿論である。
このようにして多孔質支持膜上に形成される架橋シリコ
ーン樹脂からなる活性薄膜は、できる限り薄いことが望
ましい。即ち、前記したように、得られる複合膜のガス
透過流束は、実質的にこの活性薄膜の厚みによって支配
され、膜厚が薄いほどガス透過流束が大きくなるからで
ある。
従って、上記架橋性シリコーン樹脂の有機溶液は比較的
希薄であることが望ましく、通常は、樹脂濃度が0.0
1〜15重量%、好ましくは、0.1〜10重量%とな
るように調製される。樹脂濃度が0.01重量%よりも
小さいときは、形成される薄膜にピンホール等の膜欠陥
が生じやすいので好ましくなく、一方、15重世%より
も高いときは、形成される薄膜の厚みが大きすぎて、実
用上、その透過流束が小さすぎるので好ましくない。
このようにして多孔質支持膜の表面上に形成される架橋
性シリコーン樹脂からなる活性薄膜は、その樹脂溶液の
濃度や緻密層上に形成された溶液の薄層の厚みにもよる
が、通常、0.05〜20μm、好ましくは、0.2〜
10μmの範囲の厚みを有する。この活性allが余り
に薄い場合は、膜に欠陥が生じやすく、一方、余りに大
きいときは、活性薄膜のガス透過流束が実用上手さすぎ
るからである。
また、このような架橋シリコーン樹脂薄膜に更に放射線
を照射して架橋密度を高めることができる。ここに、放
射線は、電離性放射線であれば、特に限定されないが、
例えば、電子線、中性子線、α線、β線、γ線、紫外線
等を用いることができる。これらの放射線の照射線量は
、放射線の照射雰囲気の温度や圧力等によっても異なる
が、通常、1〜50Mrad、好ましくは3〜20 M
radの範囲である。
このような放射線照射によって、薄膜を形成している架
橋シリコーン樹脂の側鎖にラジカルが発生し、かかるラ
ジカル分子が相互に架橋するために、架橋密度を一層増
大させることができ、かく  ・して、機械的強度、耐
有機溶剤性、選択透過性を更に向上させることができる
このようにして得られる選択透過性複合膜は、強度を付
与するために、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等からなる不織布にて裏打ちされていてもよい。
本発明の方法は、上述したような選択透過性複合膜に有
機溶剤蒸気を含有する気体混合物を接触させ、透過側の
有機溶剤蒸気分圧を供給側の有機溶剤蒸気分圧よりも低
くして、有機溶剤蒸気を選択的に膜を透過させ、かくし
て、膜の供給側には有機溶剤蒸気が除去され、又は有機
溶剤蒸気濃度が低減された気体混合物を得、透過側には
有機溶剤蒸気に富む気体混合物を得、次いで、この膜を
透過した有機溶剤蒸気を圧縮、吸収又は凝縮等の手段に
よって分離する。
膜を介しての透過側と供給側の有機溶剤蒸気の分圧差が
大きいほど、透過側において高濃度の有機溶剤蒸気を得
ることができる。必要に応じて、供給側では有機溶剤蒸
気を含む気体混合物を循環してもよい。通常は、供給側
を1気圧以上に加圧するが、更に、必要に応じて、透過
側を1気圧以下に減圧してもよい。
透過側に得た有機溶剤蒸気は、これを冷却し、凝縮させ
て回収するか、又は他の有機溶剤に吸収させて回収する
ことができる。しかし、本発明の方法によれば、多くの
場合、透過側の有機溶剤蒸気の濃度が十分に高いために
、例えば、透過側を加圧することによって、容易に凝縮
させることができる。
このようにして、本発明の方法によれば、前述したよう
に、通常、2〜50容量%程度の有機溶剤蒸気を含有す
る気体混合物を処理して、膜透過側に有機溶剤蒸気を分
離回収するが、例えば、有機溶剤蒸気濃度が30容量%
程度の気体混合物を処理することによって、透過側に約
90容量%に濃縮することができる。
本発明の方法においては、用いる選択透過性透過膜の形
態や、従って、膜モジュールの形態としては、通常、シ
ート状の膜を巻回して内蔵させた所謂スパイラル型膜モ
ジュールが好ましく用いられる。しかし、本発明の方法
においては、膜やモジュールの形態は何ら限定されるも
のではな(、例えば、中空糸状膜を備えた膜モジュール
や、その他の構造形態のモジュールも用いることができ
る。
光y坏わ伽果 本発明の方法によれば、前述した活性炭を用いる吸着法
と異なり、周期操作を必要とせず、気体混合物を速続的
に処理することができ、しかも、何ら熱エネルギーを必
要としない。また、吸収法に比べて、設備費及び運転費
が低廉である。
本発明の方法は、有機溶剤蒸気を2〜50容量%程度含
む気体混合物から有機溶剤蒸気を分離回収するのに好適
に用いられるが、特に、5〜50容量%程度の高濃度の
有機溶剤蒸気、特に、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素
の蒸気を含有する気体混合物の分離に好適である。
実施■ 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 繰り返し単位が であるポリイミド(極限粘度〔η〕は0.75 dl/
g)22重量%とジエチレングリコール22重量%とを
含むN−メチル−2−ピロリドン溶液を用いて、特開昭
55−152507号公報に記載されている方法に従っ
て、常法の相転換法によって、厚さ200μm、分画分
子量20000の異方性構造を有する限外濾過膜を調製
した。
次に、特開昭61−248732号公報に記載されてい
る方法に従って、上記ポリイミド限外濾過膜上に架橋シ
リコーン樹脂からなる活性薄膜を備えて選択透過性複合
膜を調製した。
即ち、反応性基としてケトキシムを有し、平均分子量が
69000であるオルガノポリシロキサン(東芝シリコ
ーン■製5H−780)5.4重量部を酢酸エチル10
0重量部に溶解させて、シリコーン樹脂溶液を調製した
別に、前記ポリイミド限外濾過膜を40%グリセリン水
溶液に室温にて24時間浸漬した後、30℃の乾燥器内
で乾燥して、乾燥ポリイミド膜を得た。この乾燥膜の緻
密層上に室温にて上記架橋性シリコーン樹脂の溶液をア
プリケータにて厚さ45μmにて均一に塗布した。
この塗膜から室温で酢酸エチルを蒸発揮散させた後、室
温で24時間放置することによって、架橋性シリコーン
樹脂を架橋させて、ポリイミド膜の緻密層上に厚さ約1
μmの架橋シリコーン樹脂からなる活性薄膜を有する選
択透過性複合膜を調製した。
実施例2 実施例1と同様にして、厚さ約3μmの架橋シリコーン
樹脂からなる活性薄膜を有する選択透過性複合膜を調製
した。
実施例3 繰り返し単位が CH。
である芳香族ポリスルホン(ユニオン・カーバイド社製
P−3500)20重量部をN、N−ジメチルホルムア
ミド80重量部に120℃にて溶解させ、これを用いて
、通常の相転換法によって、分画分子量5oooo、厚
さ200μmの限外濾過膜を調製し、この限外濾過膜を
30℃で乾燥させて乾燥膜を得、これを支持膜とした。
イソオクタン90重量部、反応性基としてビニル基を有
する架橋性ポリジメチルシロキサンのプレポリマー(ゼ
ネラル・エレクトリック社製RTV−615)10重量
部及び架橋剤1重量部からなる溶液を70℃で7時間加
熱して、シリコーン樹脂溶液を調製した後、これをイソ
オクタンで希釈して、樹脂濃度1.8重量%の溶液とし
た。
前記支持膜の緻密層上に上記架橋性シリコーン樹脂溶液
をディッピング法にて均一に塗布した。
この塗膜を120℃の温度に加熱して、塗膜からイソオ
クタンを蒸発揮散させた後、室温で24時間放置して、
支持膜の緻密層上に厚さ約1μmの架橋シリコーン樹脂
からなる活性薄膜を有する選択透過性複合膜を調製した
以上のようにして得られたそれぞれの選択透過性複合膜
について、n−ペンタン、オクタン、アセトン、トルエ
ン、1,1.1− )リクロロエタン、酸素及び窒素の
透過速度を測定した。結果を第1表に示す。但し、この
測定においては、複合膜の供給側に上記それぞれの蒸気
又はガスをそれぞれ単独にて約150mmHgの圧力に
て接触させ、他方、透過側はそれぞれ約0.1〜1tm
Hgとした。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)多孔質支持膜上に架橋性シリコーン樹脂が架橋さ
    れてなる活性薄膜が形成された選択透過性複合膜に有機
    溶剤蒸気を含む気体混合物を接触させ、上記有機溶剤蒸
    気を選択的に上記膜を透過させ、これを分離することを
    特徴とする有機溶剤蒸気を含む気体混合物からの有機溶
    剤蒸気の分離回収方法。
  2. (2)多孔質支持膜が表面の緻密層とこれを一体に支持
    する多孔質層とからなる異方性構造を有する膜であつて
    、活性薄膜が上記緻密層上に形成されていることを特徴
    とする請求項第1項記載の有機溶剤蒸気の分離回収方法
  3. (3)多孔質支持膜が分画分子量5000〜10000
    0を有すると共に、架橋性シリコーン樹脂が平均分子量
    10000〜300000を有することを特徴とする請
    求項第1項又は第2項記載の有機溶剤蒸気の分離回収方
    法。
  4. (4)多孔質支持膜がポリイミド又はポリスルホンから
    なることを特徴とする請求項第1項乃至第3項いずれか
    に記載の有機溶剤蒸気の分離回収方法。
  5. (5)気体混合物が2〜50容量%の有機溶剤蒸気を含
    有することを特徴とする請求項第1項記載の有機溶剤蒸
    気の分離回収方法。
  6. (6)気体混合物が有機溶剤蒸気と共に窒素及び/又は
    酸素を含有することを特徴とする請求項第1項又は第5
    項記載の有機溶剤蒸気の分離回収方法。
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