JP2001293340A - 酸性ガス用透過分離膜 - Google Patents

酸性ガス用透過分離膜

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浩幸 吉村
Masaaki Teramoto
正明 寺本
Hideto Matsuyama
秀人 松山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、酸性ガスの透過速度及び
分離選択性に優れ、更に幅広い温度範囲において長期安
定性に優れる酸性ガス用透過分離膜を提供することであ
る。 【解決手段】酸性ガスのキャリヤーとして、特定の環状
アミン化合物を用いた酸性ガス用透過分離膜を製造し、
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性ガス用分離膜
に関するもので、詳しくは、工業上の酸性ガス含有混合
気体から特定の酸性ガスを分離・濃縮するための酸性ガ
ス用透過分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化現象の原因の一つとし
て、二酸化炭素などの酸性ガスによる温室効果が指摘さ
れ、二酸化炭素の排出抑制及び分離除去する技術の確立
が検討されている。従来、燃焼排ガスから二酸化炭素を
分離回収する方法として、ゼオライト等の二酸化炭素を
吸着し易い無機剤を用いて吸着量が圧力及び温度により
差があることを利用したPSA(圧力スイング)法,P
TSA(圧力温度スイング)法、アミン類,アルカリ金
属,アルカリ土類金属など塩基性化合物の水溶液に二酸
化炭素を吸収させる化学吸収法などが検討されている
が、いずれの方法においても、分離・回収に対して高い
エネルギーが必要であり実用化には経済的に困難な問題
があった。また、PSA法では、混合ガス中の水分、S
X、NOXによる吸着剤の性能低下が課題であり、化学
吸収法では、吸収と再生を繰り返すことにより吸収液の
劣化、損失が大きいだけではなく、装置の腐蝕が増大す
る問題があるため燃焼排ガス中の二酸化炭素の分離回収
法として工業的な実用化には至っていない。
【0003】これらの分離法に対して、最近、二酸化炭
素の分離選択性が高く、透過速度の高い分離膜による二
酸化炭素の分離・回収技術の確立が検討されている。ガ
ス分離膜としては、特開平5−031341号公報や特
開平10−330482号公報に含フッ素系ポリイミド
分離膜を用いた方法が提案されているが、二酸化炭素と
窒素の分離係数(PCO2/PN2)が50以下と満足す
るものではなく、十分なガスの透過速度を有するもので
はない。二酸化炭素等の酸性ガスの分離選択性能を向上
させる目的で、高分子分離膜中に、酸性ガスに対し親和
性の高い化合物(キャリヤー)を担持し、膜中で酸性ガ
スを選択的に吸着、移動させることにより、酸性ガスの
透過速度、分離選択性の向上を図った分離膜が提案され
ている。例えば、特開平06−154541号公報に
は、ポリイミド膜に二酸化炭素のキャリヤーとしてポリ
エチレングリコール又はモノエタノールアミンを含浸さ
せた膜が、J.Member.Sci.,6(3),3
39,1980には、スルホン酸基を有するフッ素系イ
オン交換樹脂にエチレンジアミンの水溶液を含浸させた
分離膜の分離係数(CO2/N2)が600であること
が、報告されている。更に、特開平07−060078
号公報には、ポリプロピレン多孔膜にポリアクリル酸を
グラフト重合させた膜にトリエタノールアミンをキャリ
ヤーとして使用した膜が提案されている。しかし、これ
らの分離膜においても、分離性能の向上には限度があり
満足するものではなかった。また、高い温度領域におい
ては、二酸化炭素のキャリヤーの揮発性が高いためにキ
ャリヤーの分離膜からの漏出(washout)、乾燥
により長期的に安定して特性を維持することが困難であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸性ガスの
透過速度及び分離選択性に優れ、更に幅広い温度範囲に
おいて長期安定性に優れる酸性ガス用透過分離膜を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の酸性
ガス用分離膜の持つ様々な問題点を解決するために鋭意
検討した結果、酸性ガスのキャリヤーとして特定の環状
アミン化合物を用いることにより、広範な温度範囲での
酸性ガスの透過速度及び分離選択性が著しく改善される
と同時に分離膜の長期安定性が改善されることを見いだ
し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、支持膜に下記一般式
(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ
独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニ
ル基又は炭素数1〜5のアルキル基で置換されたフェニ
ル基を示し、R5、R6は各々独立して水素原子、炭素数
1〜5のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜5のアル
キル基で置換されたフェニル基、ヒドロキシエチル基、
ヒドロキシプロピル基、アミノエチル基又はアミノプロ
ピル基を示し、n、mはそれぞれ独立して1〜6の整数
を示す。)で示される環状化合物からなる群より選ばれ
る少なくとも一種の化合物を担持してなることを特徴と
する酸性ガス用透過分離膜に関するものである。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】本発明の酸性ガス用透過分離膜に担持され
る環状化合物は、一般式(1)で示される環状化合物で
あり、酸性ガスに対し親和性の高いキャリヤーとして膜
中で酸性ガスを選択的に透過分離させる物質であれば特
に限定するものではなく、例えば、ピペラジン、2−メ
チルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6
−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、2−ヒドロキ
シエチルピペラジン、2−アミノエチルピペラジン、ビ
ス(2−アミノエチル)ピペラジン、3−アミノプロピ
ルピペラジン、ビス(3−アミノプロピル)ピペラジ
ン、N−メチルピペラジン、N−フェニルピペラジン、
N−(4'−メチルフェニル)ピペラジン、2−フェニ
ルピペラジン、2−(4'−メチルフェニル)ピペラジ
ンなどが好適なもとして挙げるられる。特に、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、2
−アミノエチルピペラジンは、酸性ガスの透過速度、分
離選択性及び経済性の点で好ましい。また、環状化合物
の酸性ガスとの親和性を示すpKa値は、透過速度、分
離選択性の点でpKa1が8.0〜11.0、pKa2
が4.0〜8.0の範囲が好ましい。この範囲を超える
と酸性ガスの吸着性は高いものの脱着性に劣る。また、
この範囲未満では、透過速度と分離選択性が悪化する。
【0011】本発明の酸性ガス用透過分離膜において、
酸性ガスと親和性を有するキャリヤーを担持する支持膜
としては、従来公知の高分子膜が使用できる。使用する
高分子膜の種類は、特に限定されるものではないが、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプ
レン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、テト
ラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スルホン
酸基を含有するフッ素系イオン交換樹脂、ポリアクリロ
ニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸等の各種樹脂又はこれら樹脂の共重合体から形成さ
れる高分子多孔質膜が好適に使用される。
【0012】酸性ガス用透過分離膜の支持膜は、その多
孔質表面及び細孔表面上に酸性ガスのキャリヤーを安定
的に固定化する目的で親水性基を有する重合体の薄膜が
形成されていることが好ましい。支持膜に親水性基を有
する重合体を形成する方法としては、従来公知の方法で
あれば良く特に限定されないが、例えば、親水性基を有
するビニルモノマー重合体又はそれらの共重合体を溶解
させた溶液に支持膜を浸漬する方法、支持膜に親水性基
を有するビニルモノマーをグラフト重合する方法などが
挙げられる。特に、支持膜に親水性基を有するビニルモ
ノマーをグラフト重合させる方法は、多孔質表面及び細
孔表面上に均一に製膜出来るため好適に使用出来る。
【0013】親水性基を有するビニルモノマーをグラフ
ト重合させる方法としては、従来公知の方法であれば良
く、特に限定されないが、例えば支持膜をプラズマ処理
する方法が好適に使用される。この場合、プラズマ発生
ガスとして、水素、窒素、アルゴン、アンモニア、メタ
ン、エタン、プロパンなどのガスを用い、支持膜をプラ
ズマ処理した後、親水性ビニルモノマー蒸気又は液体を
接触、加熱反応しグラフト重合することが出来る。ま
た、親水性ビニルモノマーを予め支持膜に含浸させた
後、プラズマ処理させ多孔質高分子膜表面及び細孔内表
面に重合体を重合することも出来る。
【0014】グラフト重合させる親水性ビニルモノマー
は、従来公知のモノマーであれば良く特に限定されない
が、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボン酸
類、2−(N,N−ジメチル)アミノエチルメタクリレ
ート等のカルボン酸エステル類、スチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホ
ン酸やフルオロスルホン酸基を有するビニル重合体等の
親水性ビニルモノマーが好適に使用される。
【0015】親水性ビニルモノマーを支持膜である多孔
質高分子膜にグラフトさせる温度は、特に限定されるも
のではないが、0〜200℃、好ましくは0〜150℃
である。0℃未満ではグラフト重合反応が十分に進行せ
ず、200℃を越えると均一なグラフト重合化が困難で
ある。
【0016】本発明の酸性ガス用透過分離膜において、
酸性ガスのキャリヤー液を支持膜上に担持させる方法と
しては、キャリヤーを可溶な溶媒に溶解させ、支持膜を
浸漬することで、多孔質表面及び内部まで含浸すること
ができる。酸性ガスのキャリヤーを可溶な溶媒として
は、特に限定されるものではないが、水、有機溶媒及び
水と有機溶媒との混合液を挙げる事が出来る。有機溶媒
としては、一般公知の溶媒であれば良く特に限定されな
いが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキ
サンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾ
リジノン、N−メチルホルムアミド、1,4−ジオキサ
ンなどの溶媒が挙げられる。キャリヤーの長期安定性、
保持性の向上のため、沸点90℃以上の溶媒が好適に使
用される。
【0017】また、本発明の酸性ガス用透過分離膜に担
持される環状化合物は、本発明の目的を損なわない範囲
で、必要に応じて、酸性ガスと親和性の高い他のキャリ
ヤー、例えば、有機アミン類、アルカリ金属塩類、有機
酸金属塩類と併用することが出来る。有機アミン類とし
ては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチル
アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチル
アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、モノエタノールアミン、メチルエタノー
ルアミン、エチルエタノールアミン、n−ブチルエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノー
ルアミン、エチルジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン等が挙げられる。アルカリ金属塩類として
は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジ
ウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルジビウム、炭酸
水素セシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム等を挙げること
ができる。有機酸金属塩類としては、例えば、酢酸,蟻
酸,プロピオン酸,2−エチルヘキサン酸,アジピン酸
等の脂肪族モノ及びジカルボン酸、安息香酸,フタル酸
等の芳香族モノ及びジカルボン酸、グリシン等のアミノ
酸、などの有機酸のカリウム塩、リチウム塩、ナトリウ
ム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
【0018】本発明の酸性ガス用透過分離膜は、様々な
混合ガスより、酸性ガスを分離・濃縮することが出来る
が、分離する酸性ガスは、酸性のガスであれば特に限定
するものではなく、例えば、二酸化炭素、硫化水素及び
二硫化炭素からなる群より選ばれる少なくとも一種が好
ましい。更に、好適には天然ガスからの酸性ガス分離、
又は化石燃料燃焼ガスからの酸性ガスの分離、回収、除
去に有効に用いられる。 本発明の酸性ガス用透過分離
膜を用いて混合ガスから酸性ガスを分離濃縮するには、
分離膜を透過セルに装着し、混合ガスを分離膜の片側に
大気圧又は加圧下で接触させ、それとは反対側を大気圧
又は減圧状態に保持することにより、酸性ガスをキャリ
ヤーで選択的に透過分離する。その圧力差は、酸性ガス
の透過速度と分離選択性の点で0〜103気圧の範囲に
設定されることが好ましい。
【0019】本発明の酸性ガス用分離膜の厚みは、強度
と透過速度の点から0.5μm〜500μm厚みが好ま
しい。0.5μm未満では膜の機械強度が不十分であ
り、500μmを越えるとガスの透過速度が小さく実用
性に欠ける。
【0020】分離に供されるガスの温度は、特に限定さ
れるものではないが、通常−50℃〜150℃、好まし
くは−20℃〜120℃の範囲で用いることが出来る。
−20℃未満では、透過速度が不十分であり、120℃
を越えると樹脂の機械的強度が低下するため実用性に欠
ける。
【0021】本発明の酸性ガス用分離膜の形状は、従来
公知のものであれば良く、スパイラル状、平膜状、中空
糸状、管状のモジュール形状が利用できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例、比較例にもとづいて説明する
が、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではな
い。
【0023】<参考例1>酸性ガス用分離膜の支持膜と
して、住友電工製ポリテトラフルオロエチレン系多孔質
膜(フロロポアFP−101、膜厚:60μm、孔径:
0.1μm、多孔度:37%)を用いた。支持膜は、ア
ルゴンガス67Pa、出力10W、30秒プラズマ照射
した膜を、減圧下で脱気した3.86vol%アクリル
酸水溶液に30℃、60秒間浸漬させ、グラフト重合を
行った。酸性ガスのキャリヤーとしては、実施例1〜実
施例4、比較例2、比較例3に示すアミン類を用いた。
酸性ガス分離膜は、所定濃度のアミン水溶液(1mol
/l水溶液)を多孔質膜に含浸させて調製した。酸性ガ
スとして二酸化炭素の透過速度、分離選択性(分離係
数)は以下の方法で評価した。
【0024】透過実験は、参考例1で調整された酸性ガ
ス分離膜(26×26mm)をアクリル樹脂製の透過セ
ルに装着し、原料混合ガス(二酸化炭素とメタン)を予
め所定の温度(25℃〜55℃)の水蒸気で飽和した
後、透過セルの片側に流量260cm3/minで接触
させ(大気圧下)、それとは反対側はスイープガスとし
てヘリウムを流量58cm3/minで流した、スイー
プガス中の二酸化炭素及びメタンの濃度をガスクロマト
グラフィー分析し、ヘリウムガスの流量から両ガスの透
過速度(RCO2、RCH4[mol/(m2・s・kP
a)])及び分離係数(RCO2/RCH4)を求めた。ま
た、分離膜の長期安定性を評価する目的で、10日間連
続的に混合ガスの分離試験を行った。
【0025】実施例1〜実施例4 アクリル酸プラズマグラフト重合膜処理及び表1のアミ
ン類の水溶液を含浸した酸性ガス分離膜を用い、混合ガ
スの透過試験を行い、その結果を表1に示した。本発明
の酸性ガスのキャリヤーを含浸させた分離膜は、二酸化
炭素の透過速度が高いだけでなく、メタンに対する二酸
化炭素の分離係数に優れる。また、実施例2に示す様
に、比較的高い温度において透過速度及び分離係数の著
しい向上が見られる。更に、長期安定性試験では、透過
速度及び分離係数の低下が小さく、キャリヤーの保持性
及び長期安定性に優れるものであった。
【0026】
【表1】
【0027】比較例1〜比較例3 プラズマグラフト重合未処理の支持膜を用い表1の比較
例2、比較例3のアミン類の水溶液を含浸した酸性ガス
分離膜を使用し、混合ガスの透過試験を行い、その結果
を表1に示した。
【0028】比較例1に示す様に酸性ガスのキャリヤー
としてアミン類を含浸していない場合、透過速度及び分
離係数が著しく小さく、満足するものではなかった。比
較例2、比較例3に示す様に、アミン類を含浸させた分
離膜を用いた場合においても、透過速度及び分離係数は
比較的小さく満足するののではなかった。また、長期安
定性試験では、透過速度及び分離係数の著しい低下が見
られ、分離膜の安定性に劣るものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明の酸性ガス用分離膜は、室温及び
比較的高い温度において酸性ガスの透過速度及び分離選
択性(分離係数)に優れるのみならず、長期間の連続使
用においても酸性ガスのキャリヤー液の保持性に優れ、
酸性ガスの分離性能の低下を著しく改善するものであ
り、化石燃料燃焼排ガス及び天然ガスからの二酸化炭素
又は酸性ガスの分離膜として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持膜に下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立して水素
    原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又は炭素
    数1〜5のアルキル基で置換されたフェニル基を示し、
    5、R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜5のアル
    キル基、フェニル基、炭素数1〜5のアルキル基で置換
    されたフェニル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプ
    ロピル基、アミノエチル基又はアミノプロピル基を示
    し、n、mはそれぞれ独立して1〜6の整数を示す。)
    で示される環状化合物からなる群より選ばれる少なくと
    も一種の化合物を担持してなることを特徴とする酸性ガ
    ス用透過分離膜。
  2. 【請求項2】環状化合物が、ピペラジン、2−メチルピ
    ペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメ
    チルピペラジン、ホモピペラジン、2−ヒドロキシエチ
    ルピペラジン、2−アミノエチルピペラジン、ビス(2
    −アミノエチル)ピペラジン、3−アミノプロピルピペ
    ラジン、ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンである
    ことを特徴とする請求項1に記載の酸性ガス用透過分離
    膜。
  3. 【請求項3】支持膜が、高分子多孔質膜であり、支持膜
    上に親水性基を有する重合体の薄膜が形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸性ガス
    用透過分離膜。
  4. 【請求項4】酸性ガスが、二酸化炭素、硫化水素及び二
    硫化炭素からなる群より選ばれる少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の酸性ガス用透過分離膜。
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