JPH07102310B2 - 二酸化炭素分離ゲル膜及びその製造方法 - Google Patents
二酸化炭素分離ゲル膜及びその製造方法Info
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- JPH07102310B2 JPH07102310B2 JP28443693A JP28443693A JPH07102310B2 JP H07102310 B2 JPH07102310 B2 JP H07102310B2 JP 28443693 A JP28443693 A JP 28443693A JP 28443693 A JP28443693 A JP 28443693A JP H07102310 B2 JPH07102310 B2 JP H07102310B2
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- membrane
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は混合ガス中の二酸化炭素
を分離・濃縮するための二酸化炭素分離ゲル膜及びその
製造方法に関するものである。
を分離・濃縮するための二酸化炭素分離ゲル膜及びその
製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】二酸化炭素と親和性を有する物質（二酸
化炭素キャリヤー）を含む分離膜（二酸化炭素促進輸送
膜）としては、アルカリ金属炭酸塩水溶液、アルカノー
ルアミン等を用いた液膜が知られている。これらの膜
は、二酸化炭素の分離透過性能にすぐれているものの、
液状であるために溶液の漏出、乾燥等により長期に安定
して特性を維持することが困難であった。一方、気体分
離用のゲル膜としては、特公平３−６３４１３号公報に
示されているように、撥水性の非対称膜上に形成した主
にヒドロキシエチルメタアクリレートからなるプラズマ
重合層を硝酸銀水溶液でぬらした膜や、硝酸銀溶液を含
むゼラチンゲル膜が知られている。これらの膜は、飽和
炭化水素と不飽和炭化水素の分離膜として使用されてい
る。
化炭素キャリヤー）を含む分離膜（二酸化炭素促進輸送
膜）としては、アルカリ金属炭酸塩水溶液、アルカノー
ルアミン等を用いた液膜が知られている。これらの膜
は、二酸化炭素の分離透過性能にすぐれているものの、
液状であるために溶液の漏出、乾燥等により長期に安定
して特性を維持することが困難であった。一方、気体分
離用のゲル膜としては、特公平３−６３４１３号公報に
示されているように、撥水性の非対称膜上に形成した主
にヒドロキシエチルメタアクリレートからなるプラズマ
重合層を硝酸銀水溶液でぬらした膜や、硝酸銀溶液を含
むゼラチンゲル膜が知られている。これらの膜は、飽和
炭化水素と不飽和炭化水素の分離膜として使用されてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
した二酸化炭素キャリヤーを含む分離膜（液膜）の最大
の欠点である長期安定性に欠ける点及びこの膜を薄膜状
に保持することが困難であるという問題を解決し、実用
に供せられる二酸化炭素促進輸送膜及びその製造方法を
提供することにある。
した二酸化炭素キャリヤーを含む分離膜（液膜）の最大
の欠点である長期安定性に欠ける点及びこの膜を薄膜状
に保持することが困難であるという問題を解決し、実用
に供せられる二酸化炭素促進輸送膜及びその製造方法を
提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するたの手段】本発明者らは、前記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、架橋構造を有するビニル
アルコール−アクリル酸塩共重合体が十分な吸水能力と
同時に高吸水時における強度を有し、この共重合体膜に
二酸化炭素キャリヤーを含む水溶液を吸収させて形成し
たハイドロゲル膜は、二酸化炭素分離用ゲル膜として非
常にすぐれた特性を有することを見い出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明によれば、二酸化炭素キ
ャリヤーを含む水溶液を架橋構造を有するビニルアルコ
ール−アクリル酸塩共重合体に吸収させて形成したハイ
ドロゲル膜からなることを特徴とする二酸化炭素分離ゲ
ル膜が提供される。また、本発明によれば、未架橋のビ
ニルアルコール−アクリル酸塩共重合体水溶液を、二酸
化炭素透過性支持体上へ膜状に塗布した後、加熱し、架
橋させて水不溶化し、この水不溶化物に二酸化炭素キャ
リヤー水溶液を吸収させてゲル化することを特徴とする
二酸化炭素分離ゲル膜の製造方法が提供される。
解決すべく検討を重ねた結果、架橋構造を有するビニル
アルコール−アクリル酸塩共重合体が十分な吸水能力と
同時に高吸水時における強度を有し、この共重合体膜に
二酸化炭素キャリヤーを含む水溶液を吸収させて形成し
たハイドロゲル膜は、二酸化炭素分離用ゲル膜として非
常にすぐれた特性を有することを見い出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明によれば、二酸化炭素キ
ャリヤーを含む水溶液を架橋構造を有するビニルアルコ
ール−アクリル酸塩共重合体に吸収させて形成したハイ
ドロゲル膜からなることを特徴とする二酸化炭素分離ゲ
ル膜が提供される。また、本発明によれば、未架橋のビ
ニルアルコール−アクリル酸塩共重合体水溶液を、二酸
化炭素透過性支持体上へ膜状に塗布した後、加熱し、架
橋させて水不溶化し、この水不溶化物に二酸化炭素キャ
リヤー水溶液を吸収させてゲル化することを特徴とする
二酸化炭素分離ゲル膜の製造方法が提供される。
【０００５】本発明においては、炭酸ガスキャリヤーを
含む水溶液を吸収させ、ハイドロゲル化させる高分子材
料として、架橋構造を有するビニルアルコールアクリル
酸塩共重合体を用いる。従来、ハイドロゲルを形成する
高分子材料としては、デンプンやセルロース等の多糖類
やそれらの変性品の他、ポリアクリル酸、ポリエチレン
オキサイド等が知られている。しかし、多糖類やその変
成品から形成されるハイドロゲルは、長期の保水性に欠
け、高吸水倍率において強度が低下する等の欠点があ
る。一方、ポリアクリル酸等の電解質高分子は、吸水能
力は高いものの、強度が弱く、膜状に成形することが困
難である。ポリエチレンオキサイド等の非電解質高分子
は吸水能力に劣るという欠点がある。
含む水溶液を吸収させ、ハイドロゲル化させる高分子材
料として、架橋構造を有するビニルアルコールアクリル
酸塩共重合体を用いる。従来、ハイドロゲルを形成する
高分子材料としては、デンプンやセルロース等の多糖類
やそれらの変性品の他、ポリアクリル酸、ポリエチレン
オキサイド等が知られている。しかし、多糖類やその変
成品から形成されるハイドロゲルは、長期の保水性に欠
け、高吸水倍率において強度が低下する等の欠点があ
る。一方、ポリアクリル酸等の電解質高分子は、吸水能
力は高いものの、強度が弱く、膜状に成形することが困
難である。ポリエチレンオキサイド等の非電解質高分子
は吸水能力に劣るという欠点がある。
【０００６】本発明で用いる前記共重合体は、他のハイ
ドロゲル形成性高分子に見られる前記欠点のないもの
で、吸水能が高い上に、高吸水時においてもそのハイド
ロゲルの強度が大きいという特徴を有する。本発明で用
いる前記共重合体において、そのポリアクリル酸塩の含
有率は５〜９５モル％、好ましくは３０〜７０モル％で
あり、そのポリアクリル酸塩は、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩の他、アンモニウム塩や有機ア
ンモニウム塩等であることができる。
ドロゲル形成性高分子に見られる前記欠点のないもの
で、吸水能が高い上に、高吸水時においてもそのハイド
ロゲルの強度が大きいという特徴を有する。本発明で用
いる前記共重合体において、そのポリアクリル酸塩の含
有率は５〜９５モル％、好ましくは３０〜７０モル％で
あり、そのポリアクリル酸塩は、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩の他、アンモニウム塩や有機ア
ンモニウム塩等であることができる。
【０００７】本発明で用いる架橋構造のビニルアルコー
ル−アクリル酸塩共重合体は、未架橋構造のビニルアル
コール−アクリル酸塩共重合体を架橋化することによっ
て得ることができる。未架橋構造のビニルアルコールア
クリル酸塩共重合体としては、従来各種のものが知られ
ており、例えば、スミカゲルＬ−５Ｈ（住友化学工業
社）が市販されている。本発明における架橋構造のビニ
ルアルコール−アクリル酸塩共重合体は、このような市
販品を用い、これを架橋化することにより製造すること
ができる。
ル−アクリル酸塩共重合体は、未架橋構造のビニルアル
コール−アクリル酸塩共重合体を架橋化することによっ
て得ることができる。未架橋構造のビニルアルコールア
クリル酸塩共重合体としては、従来各種のものが知られ
ており、例えば、スミカゲルＬ−５Ｈ（住友化学工業
社）が市販されている。本発明における架橋構造のビニ
ルアルコール−アクリル酸塩共重合体は、このような市
販品を用い、これを架橋化することにより製造すること
ができる。
【０００８】ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体
の架橋化は、あらかじめ形成した未架橋ビニルアルコー
ル−アクリル酸塩共重合体膜に対して行う。ビニルアル
コール−アクリル酸塩共重合体膜は、流延法、コーティ
ング法、押出成形法等の従来公知の方法で行うことがで
きる。また、架橋化は、未架橋のビニルアルコール−ア
クリル酸塩共重合体膜を１００〜１５０℃程度に加熱す
ることによって行うことができる。
の架橋化は、あらかじめ形成した未架橋ビニルアルコー
ル−アクリル酸塩共重合体膜に対して行う。ビニルアル
コール−アクリル酸塩共重合体膜は、流延法、コーティ
ング法、押出成形法等の従来公知の方法で行うことがで
きる。また、架橋化は、未架橋のビニルアルコール−ア
クリル酸塩共重合体膜を１００〜１５０℃程度に加熱す
ることによって行うことができる。
【０００９】本発明で用いる共重合体膜は、支持体に支
持させて用いるのが好ましい。この場合の支持体として
は、ＣＯ2透過性を示すものであれば任意のものを用い
ることができる。本発明で用いる支持体としては、孔径
１０μｍ以下、好ましくは１．０μｍ以下の多孔質体あ
るいはＣＯ2の透過速度が１０-5ｃｍ3（ＳＴＰ）／ｃｍ
2・ｓｅｃ以上の無孔質体を用いることができる。支持
体の厚さは特に制約されないが、５００〜１μｍ、好ま
しくは１００〜１μｍである。また、支持体の材質は特
に制約されず、プラスチック、セラミックス、金属、ガ
ラス等であることができる。支持体の形状は、平膜状、
中空糸状、筒体状等各種の形状であることができる。
持させて用いるのが好ましい。この場合の支持体として
は、ＣＯ2透過性を示すものであれば任意のものを用い
ることができる。本発明で用いる支持体としては、孔径
１０μｍ以下、好ましくは１．０μｍ以下の多孔質体あ
るいはＣＯ2の透過速度が１０-5ｃｍ3（ＳＴＰ）／ｃｍ
2・ｓｅｃ以上の無孔質体を用いることができる。支持
体の厚さは特に制約されないが、５００〜１μｍ、好ま
しくは１００〜１μｍである。また、支持体の材質は特
に制約されず、プラスチック、セラミックス、金属、ガ
ラス等であることができる。支持体の形状は、平膜状、
中空糸状、筒体状等各種の形状であることができる。
【００１０】本発明による支持体上に支持された二酸化
炭素分離ゲル膜を好ましく製造するには、先ず、未架橋
構造のビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の水溶
液を用意する。この水溶液中の共重合体濃度は、１０重
量％以下、好ましくは０．５〜５重量％にするのがよ
い。次に、この水溶液を、ＣＯ2透過性支持体上に従来
公知の方法で塗布した後、温度１００〜１５０℃で３０
分〜２時間加熱処理し、これによって共重合体膜を架橋
化し、水不溶性のものとする。次いで、浸漬法等により
二酸化炭素キャリヤー水溶液と接触させ、その架橋化共
重合体膜に二酸化炭素キャリヤー水溶液を吸収させ、ハ
イドロゲル膜とする。このようにして得られるハイドロ
ゲル膜の厚さは、水不溶性共重合体膜の厚さにもよる
が、一般的には、２００〜１μｍ程度である。
炭素分離ゲル膜を好ましく製造するには、先ず、未架橋
構造のビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体の水溶
液を用意する。この水溶液中の共重合体濃度は、１０重
量％以下、好ましくは０．５〜５重量％にするのがよ
い。次に、この水溶液を、ＣＯ2透過性支持体上に従来
公知の方法で塗布した後、温度１００〜１５０℃で３０
分〜２時間加熱処理し、これによって共重合体膜を架橋
化し、水不溶性のものとする。次いで、浸漬法等により
二酸化炭素キャリヤー水溶液と接触させ、その架橋化共
重合体膜に二酸化炭素キャリヤー水溶液を吸収させ、ハ
イドロゲル膜とする。このようにして得られるハイドロ
ゲル膜の厚さは、水不溶性共重合体膜の厚さにもよる
が、一般的には、２００〜１μｍ程度である。
【００１１】本発明で用いる二酸化炭素キャリヤー水溶
液としては、従来公知の各種のものを用いることができ
る。この場合の二酸化炭素キャリヤーは、二酸化炭素と
親和性を有する物質であり、塩基性を示す各種の水溶性
の無機及び有機物質が用いられる。本発明で好ましく用
いられる二酸化炭素キャリヤー水溶液は、アルカリ金属
炭酸塩及び／又はアルカリ金属重炭酸塩を含む水溶液、
アルカリ金属炭酸塩及び／又はアルカリ金属重炭酸塩を
含む水溶液にアルカリ金属イオンと錯体を形成する多座
配位子を添加した水溶液、アルカノールアミン水溶液等
を挙げることができる。これらの水溶液は、二酸化炭素
分離係数の高い二酸化炭素分離ゲル膜を与える。
液としては、従来公知の各種のものを用いることができ
る。この場合の二酸化炭素キャリヤーは、二酸化炭素と
親和性を有する物質であり、塩基性を示す各種の水溶性
の無機及び有機物質が用いられる。本発明で好ましく用
いられる二酸化炭素キャリヤー水溶液は、アルカリ金属
炭酸塩及び／又はアルカリ金属重炭酸塩を含む水溶液、
アルカリ金属炭酸塩及び／又はアルカリ金属重炭酸塩を
含む水溶液にアルカリ金属イオンと錯体を形成する多座
配位子を添加した水溶液、アルカノールアミン水溶液等
を挙げることができる。これらの水溶液は、二酸化炭素
分離係数の高い二酸化炭素分離ゲル膜を与える。
【００１２】二酸化炭素キャリヤーとして用いられる前
記アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウ
ムを挙げることができる。アルカリ金属重炭酸塩として
は、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムを挙
げることができる。アルカノールアミンとしては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールア
ミン、トリプロパノールアミン等の水溶性を有する各種
のものを挙げることができる。二酸化炭素キャリヤー
は、前記したものに限られるものではなく、二酸化炭素
と親和性を有し、かつ水溶性を示すものであればよく、
有機酸のアルカリ金属塩等各種のものを用いることがで
きる。
記アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウ
ムを挙げることができる。アルカリ金属重炭酸塩として
は、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムを挙
げることができる。アルカノールアミンとしては、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールア
ミン、トリプロパノールアミン等の水溶性を有する各種
のものを挙げることができる。二酸化炭素キャリヤー
は、前記したものに限られるものではなく、二酸化炭素
と親和性を有し、かつ水溶性を示すものであればよく、
有機酸のアルカリ金属塩等各種のものを用いることがで
きる。
【００１３】アルカリ金属イオンと錯体を形成する多座
配位子としては、従来公知のもの、例えば：１２−クラ
ウン−４、１５−クラウン−５、１８−クラウン−６、
ベンゾ−１２−クラウン−４、ベンゾ−１５−クラウン
−５、ベンゾ−１８−クラウン−６、ジベンゾ−１２−
クラウン−４、ジベンゾ−１５−クラウン−５、ジベン
ゾ−１８−クラウン−６、ジシクロヘキシル−１２−ク
ラウン−４、ジシクロヘキシル−１５−クラウン−５、
ジシクロヘキシル−１８−クラウン−６、ｎ−オクチル
−１２−クラウン−４、ｎ−オクチル−１５−クラウン
−５、ｎ−オクチル−１８−クラウン−６等の環状ポリ
エーテル；クリプタンド〔２．１〕、クリプタンド
〔２．２〕等の環状ポリエーテルアミン；クリプタンド
〔２．２．１〕、クリプタンド〔２．２．２〕、等の双
環式ポリエーテルアミンの他、ポルフィリン、フタロシ
アニン、ポリエチレングリコール、エチレンジアミン四
酢酸等を用いることができる。
配位子としては、従来公知のもの、例えば：１２−クラ
ウン−４、１５−クラウン−５、１８−クラウン−６、
ベンゾ−１２−クラウン−４、ベンゾ−１５−クラウン
−５、ベンゾ−１８−クラウン−６、ジベンゾ−１２−
クラウン−４、ジベンゾ−１５−クラウン−５、ジベン
ゾ−１８−クラウン−６、ジシクロヘキシル−１２−ク
ラウン−４、ジシクロヘキシル−１５−クラウン−５、
ジシクロヘキシル−１８−クラウン−６、ｎ−オクチル
−１２−クラウン−４、ｎ−オクチル−１５−クラウン
−５、ｎ−オクチル−１８−クラウン−６等の環状ポリ
エーテル；クリプタンド〔２．１〕、クリプタンド
〔２．２〕等の環状ポリエーテルアミン；クリプタンド
〔２．２．１〕、クリプタンド〔２．２．２〕、等の双
環式ポリエーテルアミンの他、ポルフィリン、フタロシ
アニン、ポリエチレングリコール、エチレンジアミン四
酢酸等を用いることができる。
【００１２】水溶液中のアルカリ金属炭酸塩及び／又は
アルカリ金属重炭酸塩の濃度は、０．１〜５．０ｍｏｌ
／ｌ好ましくは１．０〜４．０ｍｏｌ／ｌである。アル
カリ金属イオンと錯体を形成する多座配位子の水溶液中
濃度は、０．００１〜１．０ｍｏｌ／ｌ、好ましくは
０．０１〜０．１ｍｏｌ／ｌである。また、二酸化炭素
と親和性を有する物質の他の例であるアルカノールアミ
ンの水溶液中濃度は１０重量％以上に規定することが好
ましい。
アルカリ金属重炭酸塩の濃度は、０．１〜５．０ｍｏｌ
／ｌ好ましくは１．０〜４．０ｍｏｌ／ｌである。アル
カリ金属イオンと錯体を形成する多座配位子の水溶液中
濃度は、０．００１〜１．０ｍｏｌ／ｌ、好ましくは
０．０１〜０．１ｍｏｌ／ｌである。また、二酸化炭素
と親和性を有する物質の他の例であるアルカノールアミ
ンの水溶液中濃度は１０重量％以上に規定することが好
ましい。
【００１３】本発明の二酸化炭素分離ゲル膜を構成して
いるビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体は、ポリ
ビニルアルコールに富んだ部分とポリアクリル酸塩に富
んだ部分の二相から成る複合構造を有しているものと推
定される。この共重合体中のポリアクリル酸塩に富んだ
部分が、二酸化炭素キャリヤー水溶液を吸水、膨潤しゲ
ル相を形成する。ポリビニルアルコール相は、若干の水
膨潤性を示すが、ポリアクリル酸塩相が膨潤する際に延
伸されて配向し、高吸水状態のポリアクリル酸塩ゲル相
を支える作用を示す。ビニルアルコール−アクリル酸塩
共重合体に見られるこのような特異な構造により、従来
薄膜状に形成し、加圧下においてその形状を保持するの
が困難であった高吸水状態のハイドロゲル相を、分離膜
として有効な厚みに保持することができる。また、この
ハイドロゲル相はゲル膜の性能を長期に維持するため必
要である保水性、塩水溶液吸収性、耐候性にすぐれてい
る。本発明の二酸化炭素分離ゲル膜は、二酸化炭素をポ
リアクリル酸塩相に保持された二酸化炭素キャリヤー水
溶液（ハイドロゲル）中に選択的に溶解させ、非常に高
い二酸化炭素選択透過性を示す。
いるビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体は、ポリ
ビニルアルコールに富んだ部分とポリアクリル酸塩に富
んだ部分の二相から成る複合構造を有しているものと推
定される。この共重合体中のポリアクリル酸塩に富んだ
部分が、二酸化炭素キャリヤー水溶液を吸水、膨潤しゲ
ル相を形成する。ポリビニルアルコール相は、若干の水
膨潤性を示すが、ポリアクリル酸塩相が膨潤する際に延
伸されて配向し、高吸水状態のポリアクリル酸塩ゲル相
を支える作用を示す。ビニルアルコール−アクリル酸塩
共重合体に見られるこのような特異な構造により、従来
薄膜状に形成し、加圧下においてその形状を保持するの
が困難であった高吸水状態のハイドロゲル相を、分離膜
として有効な厚みに保持することができる。また、この
ハイドロゲル相はゲル膜の性能を長期に維持するため必
要である保水性、塩水溶液吸収性、耐候性にすぐれてい
る。本発明の二酸化炭素分離ゲル膜は、二酸化炭素をポ
リアクリル酸塩相に保持された二酸化炭素キャリヤー水
溶液（ハイドロゲル）中に選択的に溶解させ、非常に高
い二酸化炭素選択透過性を示す。
【００１４】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
する。
【００１５】実施例１ 住友化学工業（株）製のスミカゲルＬ−５Ｈ（ナトリウ
ム塩）（水溶液状）を、親水化処理を施したポリフッ化
ビニリデン多孔膜（ミリポア社製ＧＶＷＰ、孔径０．２
２μｍ、膜厚１１０μｍ）上にスピンコート法（１５０
０ｒｐｍ、１２ｓｅｃ）又はディッピング法により塗布
した後、１２０℃で１時間熱処理して掛橋化した。この
膜を２ｍｏｌ／ｌ濃度の炭酸カリウム水溶液中に３０分
間浸漬し、二酸化炭素分離ゲル膜を作製した。テストガ
スとしてＣＯ2／Ｎ2：１０／９０（容積比）の混合ガス
を飽和水蒸気圧下で流量６０ｍｌ／分、全圧１ａｔｍで
前記で得た膜（有効面積９．６２ｃｍ2）に供給し、透
過側を減圧とした。透過してきたガスをガスクロマトグ
ラフで分析し、ＣＯ2透過速度と分離係数を算出した。
その結果を表１に示す。
ム塩）（水溶液状）を、親水化処理を施したポリフッ化
ビニリデン多孔膜（ミリポア社製ＧＶＷＰ、孔径０．２
２μｍ、膜厚１１０μｍ）上にスピンコート法（１５０
０ｒｐｍ、１２ｓｅｃ）又はディッピング法により塗布
した後、１２０℃で１時間熱処理して掛橋化した。この
膜を２ｍｏｌ／ｌ濃度の炭酸カリウム水溶液中に３０分
間浸漬し、二酸化炭素分離ゲル膜を作製した。テストガ
スとしてＣＯ2／Ｎ2：１０／９０（容積比）の混合ガス
を飽和水蒸気圧下で流量６０ｍｌ／分、全圧１ａｔｍで
前記で得た膜（有効面積９．６２ｃｍ2）に供給し、透
過側を減圧とした。透過してきたガスをガスクロマトグ
ラフで分析し、ＣＯ2透過速度と分離係数を算出した。
その結果を表１に示す。
【００１６】実施例２ 実施例１と同様に、スミカゲルＬ−５Ｈをポリテトラフ
ルオロエチレン多孔膜（住友電気工業（株）製ＦＰ０１
０、孔径０．１μｍ、厚さ５５μｍ上にキャスティング
法によりコーティングした後、実施例１と同様に熱処理
してゲル膜を作り、そのＣＯ2透過特性を測定した。そ
の結果を表１に示す。
ルオロエチレン多孔膜（住友電気工業（株）製ＦＰ０１
０、孔径０．１μｍ、厚さ５５μｍ上にキャスティング
法によりコーティングした後、実施例１と同様に熱処理
してゲル膜を作り、そのＣＯ2透過特性を測定した。そ
の結果を表１に示す。
【００１７】実施例３ 実施例１と同様の方法で作製したゲル膜を、２ｍｏｌ／
ｌの炭酸カリウムと０．０７ｍｏｌ／ｌのクリプタンド
〔２．１〕を含む水溶液に３０分間浸漬して二酸化炭素
分離ゲル膜を作製した。この膜の透過特性を実施例１と
同様の方法で測定した。その結果を表１に示す。前記ク
リプタンド〔２．１〕は次の構造式で表わされるもので
ある。
ｌの炭酸カリウムと０．０７ｍｏｌ／ｌのクリプタンド
〔２．１〕を含む水溶液に３０分間浸漬して二酸化炭素
分離ゲル膜を作製した。この膜の透過特性を実施例１と
同様の方法で測定した。その結果を表１に示す。前記ク
リプタンド〔２．１〕は次の構造式で表わされるもので
ある。
【化１】
【００１８】
【表１】
【００１９】実施例４ 実施例１で作製した二酸化炭素分離ゲル膜を実施例１と
同じ条件で、その長期特性を測定した。その結果を表２
に示す。
同じ条件で、その長期特性を測定した。その結果を表２
に示す。
【００２０】
【表２】
【００２１】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の二酸化炭
素分離ゲル膜を用いることにより混合ガスから選択的に
二酸化炭素を分離・濃縮することができる。特に本発明
の二酸化炭素分離ゲル膜は、地球温暖化問題の対策技術
等の分野において、燃焼排ガスのような水蒸気をほぼ飽
和に含んでいるガス中の二酸化炭素を回収、再利用する
ための有効な手段となり得るものである。
素分離ゲル膜を用いることにより混合ガスから選択的に
二酸化炭素を分離・濃縮することができる。特に本発明
の二酸化炭素分離ゲル膜は、地球温暖化問題の対策技術
等の分野において、燃焼排ガスのような水蒸気をほぼ飽
和に含んでいるガス中の二酸化炭素を回収、再利用する
ための有効な手段となり得るものである。
フロントページの続き (72)発明者 三島 隆之 東京都港区西新橋２−８−11 第７東洋海 事ビル８階 財団法人地球環境産業技術研 究機構 ＣＯ２固定化等プロジェクト室内 (72)発明者 真野 弘 東京都港区西新橋２−８−11 第７東洋海 事ビル８階 財団法人地球環境産業技術研 究機構 ＣＯ２固定化等プロジェクト室内 (72)発明者 原谷 賢治 茨城県つくば市東１丁目１番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 審査官 中野 孝一 (56)参考文献 特開 平２−9425（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−11003（ＪＰ，Ａ)
Claims (4)
- 【請求項１】 二酸化炭素キャリヤーを含む水溶液を架
橋構造を有するビニルアルコール−アクリル酸塩共重合
体に吸収させて形成したハイドロゲル膜からなることを
特徴とする二酸化炭素分離ゲル膜。 - 【請求項２】 ハイドロゲル層が二酸化炭素透過性支持
体上に支持されている請求項１の二酸化炭素分離ゲル
膜。 - 【請求項３】 二酸化炭素キャリヤー水溶液が、（ｉ）
アルカリ金属炭酸塩及び／又はアルカリ金属重炭酸塩を
含む水溶液、（ii）アルカリ金属炭酸塩及び／又はアル
カリ金属重炭酸塩を含む水溶液にアルカリ金属イオンと
錯体を形成する多座配位子を添加した水溶液又は（iii)
アルカノールアミン水溶液であることを特徴とする請求
項１又は２の二酸化炭素分離ゲル膜。 - 【請求項４】 未架橋のビニルアルコール−アクリル酸
塩共重合体水溶液を、二酸化炭素透過性支持体上へ膜状
に塗布した後、加熱し、架橋させて水不溶化し、この水
不溶化物に二酸化炭素キャリヤー水溶液を吸収させてゲ
ル化することを特徴とする二酸化炭素分離ゲル膜の製造
方法。
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