JPH05184888A - 分離膜システムおよびそれを用いる分離方法 - Google Patents

分離膜システムおよびそれを用いる分離方法

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JPH05184888A
JPH05184888A JP4187376A JP18737692A JPH05184888A JP H05184888 A JPH05184888 A JP H05184888A JP 4187376 A JP4187376 A JP 4187376A JP 18737692 A JP18737692 A JP 18737692A JP H05184888 A JPH05184888 A JP H05184888A
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membrane
separation
water
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layer
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JP4187376A
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Kechia J Chou
ケチャ・ジョセフ・チョー
Kathleen M Hellmuth
キャスリーン・メリー・ヘルムス
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Texaco Development Corp
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    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
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    • B01D71/06Organic material
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 膜分離層および膜支持層を含む分離膜システ
ムにおいて、前記の膜支持層が、−CN基を含有し、か
つその表面に−COOH基またはその塩を有する炭素−
炭素骨格のポリマーを含むことを特徴とする分離膜シス
テム;およびそのような分離膜システムを用いた水と有
機酸素化物とを分離する方法。 【効果】 水と有機酸素化物とを、良好な透過流束およ
び選択率で分離することができ、しかも、膜分離層と膜
支持層との間の接着性が優れ、機械的および化学的に安
定な分離膜システムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は膜分離方法に関する。さ
らに詳しくは、本発明は、エチレングリコールまたはイ
ソプロピルアルコールの水性混合物で代表される供給系
を分離するのに用いるときの、改良された寿命を特徴と
する膜システムに関する。
【0002】
【従来の技術】当業者には十分に公知のとおり、エチレ
ングリコールまたはイソプロピルアルコールの水溶液の
ような水と有機液体との混合物で代表される液体混合物
を、吸着または蒸留などの各種の手法を用いて分離する
ことが可能である。ところが、これら慣用の方法、特に
蒸留は、高い資本コストを要することを特徴とする。た
とえば蒸留の場合、この方法には、高価な蒸留塔、加熱
器、熱交換器( リボイラー、凝縮器など) に加えて、ポ
ンプ、回収容器、真空発生装置に代表される多数の補助
的装置が必要である。
【0003】このような操作は、主として加熱および冷
却、さらに加えてポンプ輸送のコストである高い運転コ
ストを特徴とする。
【0004】さらに、分離しようとする物質の性質は、
蒸留曲線が証明するとおり、多数の棚段を必要とするこ
とがある。その物質が水との共沸混合物を形成する場合
は、たとえば、一連の段階により( たとえば二塔式にお
けるように) 、または装置系に外部から物質を添加する
ことにより、分離を生み出す必要があるという問題が、
さらに加わることがある。
【0005】吸着を用いた装置系においても、上記に匹
敵する固有の問題点がある。
【0006】混和可能な液体の混合液をパーベーパレー
ションを用いて分離するのに、膜装置系を利用できるこ
とが見出されている。この方法では、仕込液を薄膜状の
膜に接触させ、供給液の1成分を優先的に膜を透過させ
る。ついで、透過物を蒸気の形で薄膜の下流側から取り
除くのであるが、これには、キャリヤーガスで掃気し、
または透過した化学種の飽和蒸気圧以下に減圧する方法
を用いるのが一般的である。
【0007】先行技術の手法に用いられる膜の例として
は、下記に列挙のものがある([] 内に出典を示す) 。 ナフィオン(Nafion)という商標のペルフルオロスルホン
酸[ カバッソ(Cabasso) およびリウ(Liu) :ジャーナル
・オブ・メンブレイン・サイエンス(J. Membrane Sc
i.)、第24巻(1985 年)101ページ] スルホン化ポリエチレン[ カバッソ、コルンゴルト(Kor
ngold)およびリウ:ジャーナル・オブ・ポリマー・サイ
エンス(J. Polymer Sci.) 、レターズセクション、第23
巻(1985 年)57 ページ] フッ素化ポリエーテルまたはカルボン酸フッ化物[ 米国
特許第4,526,948 号明細書] セレミオン(Selemion)AMV という旭硝子社の商標であ
る、架橋スチレンブタジエンポリマー(ポリ塩化ビニル
のバッキング上に第四級アンモニウム残基を有する)[
ヴェンツラフ(Wentzlaff) 、ボデカー(Boddeker)および
ハッタンバッハ(Hattanbach):ジャーナル・オブ・メン
ブレイン・サイエンス、第22巻(1985 年)333ページ] 三酢酸セルロース[ 同上] ポリアクリロニトリル[ ニール(Neel)、アプテル(Apte
l) およびクレメント(Clement) :デサリネーション(De
salination)、第53巻(1985 年)297ページ] 架橋ポリビニルアルコール[ ヨーロッパ特許公開公報第
0,096,339 号明細書] ポリマレイミドアクリロニトリル[ ヨシカワ(Yoshikaw
a) ら:ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、第2
2巻(1984 年)2,159ページ] デキストリン- ジイソシアン酸イソホロン[ ケミカル・
アンド・エコノミカル・エンジニアリング・レビューズ
(Chem. Econ. Eng. Rev.) 、第17巻(1985 )34 ページ]
【0008】膜の費用効率は、選択性と生産性とを用い
て算出される。市販されて入手可能な膜の中で、高性能
のポリビニルアルコール膜の例は、ヨーロッパ特許公開
公報第0,096,339 号(GFT) に開示されたものである。同
公報には架橋剤として、二塩基酸(代表的にはマレイン
酸またはフマル酸) 、ジハロゲン化合物(代表的にはジ
クロロアセトンまたは1,3−ジクロロイソプロピルア
ルコール) 、アルデヒド、たとえばホルムアルデヒドを
代表とするジアルデヒドが開示されている。これらの膜
は、エタノールまたはイソプロピルアルコールの水溶液
の脱水には特に効果的であると言われる。
【0009】上記文献には、複合膜の利用によるアルコ
ール、エーテル、ケトン、アルデヒド、または酸からの
水の分離が開示されている。具体的には、この複合膜
は、(a) 厚さ約120μm のバッキングと、その上に
位置する(b) 約50μm の厚さのポリスルホンまたは
ポリアクリロニトリルの微孔性支持層と、その上に位置
する( c) 約2μm の厚さの架橋ポリビニルアルコール
の分離層とからなる。
【0010】ポリビニルアルコールは、そのヒドロキシ
ル基と反応する二官能性試薬を用いて架橋させることが
できる。代表的な架橋剤としては、ジアルデヒド( アセ
タール結合を形成する) 、二塩基酸または二塩基酸ハロ
ゲン化物( エステル結合を形成する) 、ジハロゲン化合
物またはエピクロロヒドリン( エーテル結合を形成す
る) 、オレフィン性アルデヒド( エーテル結合およびア
セタール結合を形成する) 、ホウ酸( ホウ酸エステル結
合を形成する) 、スルホンアミドアルデヒドなどがあ
る。
【0011】米国特許第4,992,176 号明細書は、脂肪族
ポリハロゲン化物で架橋されたポリ(ビニルピリジン)
の分離層を与えるポリアクリロニトリル支持層を包含す
る膜システムの使用によって、イソプロピルアルコール
のような有機酸素化物から水を分離することを意図して
いる。
【0012】関心が持たれるであろう先行技術として
は、さらに、下記の文献などある。 マキノ(Makino)、ハマダ(Hamada)およびイイジマ(Iijim
a):「 四級化ポリ(4−ビニルピリジン)膜におけるス
ピンプローブの移動度(Mobility of Spin Probes in Qu
aternized Poly(4-Vinylpyridine) Membranes)」 、ポリ
マー・ジャーナル(Polymer J.)、第19巻第6号(1987 )7
37〜745 ページ; ハマヤ(Hamaya)およびヤマダ(Yamada):「 ポリ(4−ビ
ニルピリジン)膜を透過する水のパーベーパレーション
率に対する四級化の効果(Effect of Quaternization on
the Pervaporation Rate of Water Through Poly(4-Vi
nylpyridine) Membranes)」、高分子論文集、第34巻第7
号(1977 年)545〜547 ページ; ヤマモト(Yamamoto)、トイ(Toi) およびミシマ(Mishim
a) :「 分離膜の調製(Preparation of Separation Memb
ranes)」、特開昭61-161109 号公報(1986 年7月21日
付); ヤマダおよびハマヤ:「 ポリ(4−ビニルピリジン)膜
を透過させるパーベーパレーションを用いる数種類のア
ミン水溶液の分離(Separation of Some Aqueous Amine
Solutions by Pervaporation through Poly(4-Vinylpyr
idine) Membrane)」 、高分子論文集第39巻第6号(1982
年)407〜414 ページ; ニシデ(Nishide) 、デグチ(Deguchi) およびツチダ(Tsu
chida):「 二価の銅を用いた架橋結合ポリ(4−ビニル
ピリジン)樹脂の錯体形成(Complex Formationof Cross
linked Poly(4-Vinylpyridine) Resins with Copper(I
I))」、ブレティン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー
・オブ・ジャパン(Bull. Chem. Soc. Japan)、第49巻第
12号(1976 年)3,498〜3,501 ページ。
【0013】これらの先行技術の膜システムの多くは満
足すべき透過流束と分離を示すとはいえ、実際に、膜ア
センブリを特別な分離を行うのに用い、または長時間用
いた後に、アセンブリは劣化してもろくなる傾向をもつ
ことが見出される。たとえば米国特許第4,992,176 号明
細書に記載された膜アセンブリにおいて、機械的安定性
の劣化が、分離の好ましくない低下の度合として見出さ
れる。この望ましくない状態に達する期間の長さは供給
物の性質および運転条件に大きく依存するとはいえ、数
時間以下ないし数日中に起こることがある。
【0014】膜システムを検査すると、劣化は分離層と
支持層の間の接着が破壊されることによるのが明らかに
なる。ポリアクリロニトリル支持体に装着されたポリ
(ビニルピリジン)分離膜層の例では、それらの間の接
着が破壊されていることが見出され、このことは、接着
が破壊された点で、分離膜層のき裂とともに、層の目に
見える分離によって証明される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高度
の機械的安定性を保つ膜システムを提供することであ
る。さらに他の目的は、このような膜システムを製造す
るのに適した方法を提供することである。該膜システム
は、水と有機酸素化物を含有する供給物の処理に用いる
ことができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、その特徴のひ
とつとして、−CN基を含有し、かつその表面に−CO
OH基またはその塩を有する炭素−炭素骨格のポリマー
を含み、その分離膜層への高度の接着能力を特徴とする
膜支持層を指向する。好適な塩には、ナトリウム塩−C
OONaなどがある。
【0017】本発明の複合構造は、多層アセンブリを包
含し、その好ましい実施態様では、機械的強度と該アセ
ンブリの支持を与える多孔性の担体層を包含する。
【0018】担体層 上記の担体層は、使用の際に、多孔度および機械的強度
の高いことが特徴的である。これは、繊維性であっても
非繊維性であっても、また織物の形態であっても不織布
の形態であってもよい。好適な実施態様においては、担
体層は多孔性で柔軟性に富み、不織布の形態または織物
の形態の繊維状ポリエステルであることができる。
【0019】好適な不織布の形態のポリエステル担体層
は、加熱接着された不織の繊維で構成することができ、
不織布の重量が96±9.6g/ m2(1平方ヤードあた
り80±8g) 、厚さが106.7±12.7μm(4.
2±0.5ミル) 、引張強さが213kPa(31psi)[ 機
械方向] および69kPa(10psi)[ 交差方向] 、および
フレーザー通気性が125Paで182cm3/ (min・cm2)(
0.5インチの水で6立方フィート/ 分・平方フィー
ト)であることができる。
【0020】多孔性支持層 本発明の多孔性支持層は、−CN基を含有し、かつその
表面にカルボキシル(−COOH)基またはその塩、た
とえば−COONa基を有する炭素−炭素骨格のポリマ
ーから形成される。この層を、その表面の−CN基の少
なくとも一部が加水分解されて、−COOHになってい
るポリアクリロニトリルから形成することができる。あ
るいは、この層をポリアクリロニトリルとポリアクリル
酸との混合物を流延して形成することもできる。
【0021】多孔性支持層がポリアクリロニトリルから
形成されるとき、ポリマーは、代表的には数平均分子量
が5,000〜100,000、好ましくは20,00
0〜60,000、たとえば40,000であることが
できる。それは不活性溶媒(代表的にはジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドまたはジメチルアセトア
ミド)中の5〜20重量%、たとえば15重量%の溶液
を流延して、40〜80μm 、たとえば50μm の層を
形成することができる。ついで、流延した膜を4〜5℃
から30℃の水に浸漬して、そこで溶媒を抽出し、膜を
完成する。膜の形成を助けるために、ポリアクリロニト
リルが溶解する溶媒を、別に水浴に添加してもよい。つ
いで膜を水洗して溶媒を除去する。
【0022】本発明の方法を実施するのに、その特徴の
ひとつによると、このようにして製造された、ポリアク
リロニトリルに特徴的な−CN基を有する炭素−炭素骨
格のポリマーから形成された多孔性支持層を加水分解し
て、表面の−CN基の少なくとも一部を−COOH基に
転換する。
【0023】薄膜に流延するのに先立って溶液中でポリ
アクリロニトリルを加水分解するか、ポリアクリロニト
リルとポリアクリル酸の(溶液中の)混合物を用いるこ
とも可能であるが、ポリアクリロニトリル膜を流延して
所望の支持材を製造し、それから表面を処理して−CN
を加水分解し、−COOHを生じさせるのが好ましい。
【0024】この実施態様では、加水分解は、硬化した
ポリアクリロニトリル支持膜の表面を加水分解剤と接触
させる結果として、もたらすことができる。加水分解剤
は、通常、水溶性の酸または塩基の水溶液などであり、
好ましくは中性のpH7から少なくとも1離れたpH(すな
わち6以下または8以上)を有するブレンステッド酸ま
たはブレンステッド塩基の水溶液である。加水分解剤が
酸のとき、該加水分解剤のpHは約1未満であることが好
ましい。加水分解剤が塩基のとき、該加水分解剤のpHは
8以上であるべきで、たとえば9〜13である。
【0025】加水分解をもたらすのに用いられる代表的
な酸は、次の強酸(すなわち実質的に完全にイオン化す
る酸)などでよい。硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸
【0026】使用される代表的な強酸は、硫酸の16.
6重量%水溶液で、1より小さいpHを有する。
【0027】加水分解をもたらすのに用いられる代表的
な弱酸は、次のようなものでよい。ギ酸、シュウ酸、酢
酸、プロピオン酸、リン酸(H3 PO4
【0028】加水分解をもたらすのに用いられる代表的
な塩基は、次の強塩基(すなわち実質的に完全にイオン
化する塩基)などでよい。水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム
【0029】使用される代表的な強塩基は、水酸化ナト
リウムの10重量%水溶液である。
【0030】加水分解を生ずるのに用いられる代表的な
弱塩基は、次のようなものなどでよい。水酸化アンモニ
ウム、ピリジン、n−ブチルアミン、イソブチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン
【0031】加水分解は、ポリアクリロニトリル多孔性
支持層の表面を、70〜150℃、たとえば125℃で
1〜120分間、たとえば2分間、加水分解剤と接触さ
せることによって行うことができる。この期間に、1〜
100モル%、表面の−CN基の1〜100モル%、代
表的には1〜40モル%、たとえば15モル%が加水分
解されて−COOH基になることが、見出されよう。
【0032】他の実施態様では、流延に先立って、同様
な条件で加水分解を行うことも可能である。
【0033】加水分解が水酸化ナトリウムのような塩基
によって行われるとき、−CN基は加水分解して−CO
ONaになることができるということは、注目すべきで
ある。これは酸で処理することによって、酸すなわち−
COOH基に転換することができるが、その必要はな
い。事実、−COOHの酸の形よりも、たとえば−CO
ONaの塩の形のほうが、(再現性、分離および透過流
束の項目で)わずかに優れた結果を得ることができる。
【0034】この実施態様のひとつでは、多孔性支持層
をポリアクリロニトリルとポリアクリル酸との混合物か
ら形成することができる。これは、(i)数平均分子量
5,000〜100,000、好ましくは20,000
〜60,000、たとえば40,000のポリアクリロ
ニトリル60〜90重量%、たとえば85重量%と、
(ii)数平均分子量90,000〜300,000、好
ましくは200,000〜250,000、たとえば2
50,000のポリアクリル酸1〜40重量%、たとえ
ば15重量%とを含有する不活性溶媒の溶液から、40
〜80μm ,たとえば50μm の層に流延することによ
って、実施してもよい。
【0035】このようにして流延された多孔性支持層
を、125〜225℃、たとえば150℃で1〜30分
間、たとえば10分間硬化して、40〜80μm 、たと
えば50μm の厚さを有する薄膜を得ることができる。
【0036】支持層をポリアクリロニトリルとポリアク
リル酸との混合物から形成し、その後で硬化するとき、
交換反応が起こって、−CN基と−COOH基の両方を
有する炭素−炭素骨格を特徴とするポリマーが得られ、
該ポリマーはポリアクリロニトリルポリマーを部分加水
分解して形成したものと類似するように見える。
【0037】これらのいくつかの実施態様の特色は、ポ
リアクリロニトリル膜の同じ全体的性質(たとえば分離
能などに関して)にもかかわらず、同時に、本発明の処
理によって発生した改良された表面特性によって、膜シ
ステムの増大した接着力を所有することで特徴づけられ
ることである。
【0038】分離層 次に、上記のように処理された厚さ40〜80μm の支
持層の上に置かれた分離層が存在する。分離層は、分離
すべき供給物や分離条件に応じて、広範囲の膜のいずれ
かであることができる。例としては、(1)架橋ポリビ
ニルアルコール膜、(2)第四級アンモニウムで交換さ
れたフッ素化イオン交換膜、(3)スルホン化ポリエチ
レン膜、(4)シリコーン膜またはシリコーン/ポリカ
ーボネート膜、(5)架橋ポリイミン膜などを挙げるこ
とができよう。
【0039】本発明による分離の達成を可能にする分離
層または分離膜としては、好ましくは、架橋ポリ(ビニ
ルピリジン)の厚さ約1〜10μm 、好ましくは1〜5
μm、たとえば3μm の無孔性膜などがある。この層は
ポリ(ビニルピリジン)溶液から( 好ましくは流延によ
って) 形成される。ポリ(2−ビニルピリジン)を用い
ることもできるが、好適な分離層は、ポリ(4−ビニル
ピリジン)から、代表的には適当なアルコール溶媒、た
とえばメタノールに10重量%溶液として溶かしたレイ
ライン(Reilline)4200という商品名[ レイリー・タール
・アンド・ケミカル社(Reilly Tar and Chemical Co.)
で製造] のポリ(4−ビニルピリジン)から製造され
る。
【0040】分離膜は、ポリ(4−ビニルピリジン)の
10〜30重量%、たとえば20重量%のメタノール溶
液0.5〜2部、たとえば1部を脂肪族ポリハロゲン化
物の架橋剤0.1〜0.8部、たとえば0.52部と混
合し、この混合液を支持材上に流延することによって、
形成することができる。
【0041】分離層を2−ビニルピリジンの、またはよ
り好ましくは4−ビニルピリジンの単独重合体または共
重合体とすることができる。共重合体を用いる場合は、
他の重合単位は、たとえば塩化ビニル、エチレン、ビニ
ルアルコール、スチレン、酢酸ビニル、酸化エチレンな
どとすることができる。好適な実施態様においては、分
離層は、粘度平均分子量が10,000〜500,00
0、好ましくは100,000〜300,000、たと
えば約200,000の4−ビニルピリジンの単独重合
体である。
【0042】重合体は架橋剤によって架橋させて、本発
明の実施に有用な膜を形成することができる。
【0043】代表的な架橋剤は、好ましくは炭素原子数
が2〜12の、代表的には炭素原子数が3〜6の、たと
えば炭素原子数が4の脂肪族部分を有することができ
る。架橋剤をポリハロゲン化物とすることもできるが、
代表的にはハロゲン原子数が2〜5、最も好ましくは2
のものである。ハロゲンは、好ましくは臭素であるが、
塩素またはヨウ素もやや好ましい。好ましくはハロゲン
化物を、直鎖脂肪族炭化水素のα, ω−ジハロゲン化物
とすることができる。代表的な架橋剤は、下記のような
ものであることができ、その最初に挙げられているもの
が好ましい。 1,4−ジブロモ−n−ブタン(DBB) 1,5−ジブロモ−n−ペンタン(DBP) 1,3−ジブロモプロパン 1,6−ジブロモヘキサン 1,8−ジブロモオクタン 1,4−ジクロロ−n−ブタン
【0044】その場で架橋を行わせるには、好適なポリ
アクリロニトリルの支持材上に、代表的にはメタノール
溶液の形で、重合体に対する架橋剤のモル比が0.2〜
2、たとえば約1.13の架橋剤( 代表的には1,4−
ジブロモブタン) を加えたポリ(4−ビニルピリジン)
を流延させることができる。
【0045】ひとつの実施態様においては、ポリ(4−
ビニルピリジン)とポリハロゲン化物の溶液を流延さ
せ、ポリ(4−ビニルピリジン)分離層を一段階で架橋
させることも可能であろう。
【0046】別の実施態様においては、多孔性の支持層
にポリ(4−ビニルピリジン)溶液を塗布することも可
能であろう。これを40〜80℃、たとえば50℃にお
いて2〜10分間、たとえば4分間で乾燥させて、薄膜
を形成することができる。ついで、この未架橋の薄膜の
表面に、メタノール中にポリハロゲン化物および2〜7
重量%の、たとえば3.5重量%のポリ(4−ビニルピ
リジン)を含有する溶液を添加することができる。
【0047】ついで、一段階工程または二段階工程のい
ずれかを用いて調製された複合膜をオーブン中で100
〜200℃、たとえば125℃において1 〜30分間、
たとえば2分間かけて硬化させて、厚さが1〜10μm
の、たとえば4μm の薄膜とすることができる。
【0048】複合膜 本発明の特徴として、複合膜は、(a) 多孔性支持層お
よび分離層を支持するために任意に用いられる、多孔性
および機械的強度を特徴とする担体層と、(b) 多孔性
支持層として、−CN基を含有し、かつその表面に−C
OOH基を有する炭素−炭素骨格、5,000〜10
0,000の数平均分子量、10〜80μm の厚さ、2
5,000〜100,000の遮断分子量を有する膜
と、(c) 好ましくは脂肪族ポリハロゲン化物を用いて
架橋させた粘度平均分子量が10,000〜500,0
00のポリ(ビニルピリジン)の無孔性分離層とを含む
ことができる。
【0049】本発明の複合膜は、各種の形態にして利用
できる。たとえば、この複合物を、分離層を担体層とと
もに多孔性支持層に取り付けることができるプレート−
フレーム形式として利用することが可能である。
【0050】多孔性支持層および担体層に取り付けた無
孔性分離層の膜を包含し、代表的にはこのアセンブリを
折り畳み、かつ1辺縁を開放する以外はすべての辺縁部
を接着または密封して、好ましくは分離層を外側に有す
る袋状のユニットを形成した、スパイラル状に巻き付け
たモジュールを使用することも可能である。袋状ユニッ
ト内に、透過物の流路、すなわち放出路として働く布製
のスペーサを取り付ける。放出路はこのユニットの開放
端から突出する。
【0051】ついで、袋状ユニットの、分離層に隣接し
てこれと完全に重なり合う1面に、供給路シート(代表
的にはプラスチック製ネットで形成する) を取り付け
る。
【0052】上記のように形成されたアセンブリを、好
ましくは袋状ユニットの全幅にわたる長さに線形に配列
された複数の穿孔を側壁に有する、好ましくは円筒形の
導管に巻き付ける。袋状ユニットの放出路の突出部を導
管の穿孔を覆うように取り付け、袋状ユニットを導管に
巻き付けて、スパイラル状に巻き込まれた配置を形成す
る。
【0053】供給路は1個のみ存在するが、巻き込まれ
たアセンブリにおけるこの1個の供給路が膜の層の2面
に隣接することになるのは明らかであろう。このアセン
ブリを導管に複数回巻き付けることによって、スパイラ
ル状配置を形成し、容易に操作できるユニットを形成す
ることができる。該ユニットを、一端に取入口を、他端
に取出口を備えたシェル内に(シェル−管方式の熱交換
器と同様の方法で) 取り付ける。シェルの内側表面とそ
の内部のスパイラル状アセンブリの外側表面との間のバ
ッフル状シールは、機能を担うこの膜システムを液体が
迂回するのを防止し、液体がもっぱら一端から該システ
ムに流入するのを確実にする。透過物は供給路から流入
して分離層に接触し、ついでこれを通過して透過物流路
に流入し、その後、これに沿って導管の穿孔へと流入
し、そこを通過して、正味透過物として回収される。
【0054】このスパイラル状に巻きつけられた膜の使
用に際しては、供給液を、供給路として働くプラスチッ
クネットを通過させ、ついで無孔性分離膜に接触させ
る。膜を通過しない液体は、残留液として回収する。膜
を透過する液体または蒸気は、透過物スペーサに占拠さ
れた空間内に流入し、この透過物流路から円筒形導管の
穿孔へと通過し、さらにこれを通って膜システムから回
収される。この実施態様では、該システムが担体層を備
えなくてもよいことは、明らかであると思われる。
【0055】別の実施態様においては、本発明のシステ
ムを管状または中空の繊維として利用することが可能で
ある。この実施態様では、たとえばポリアクリロニトリ
ルによる多孔性支持層を、肉厚が典型的には0.001
〜0.1mmの微細な管として、押出成形することができ
る。押出成形された管を加水分解剤の水溶液槽に通し、
水洗し、ついで、たとえばポリ(ビニルピリジン)のn
−ブチルアルコール溶液槽に通し、ついで架橋させて硬
化させる。この管の束をそれぞれの末端で管寄せに収め
て堅固に束ね(エポキシ接着剤により) 、管寄せ側の末
端が揃うように繊維を切断する。この管束をシェルの内
部に取り付けて、典型的なシェル−管方式のアセンブリ
とする。
【0056】これを作動させるには、供給液を管側に流
入させ、管の内部を通過させて、留置分として排出させ
る。管内を通過する間に、透過物は無孔性分離層を通過
し、シェル側で回収される。
【0057】上記の実施態様においては、必ずしも担体
層を備える必要のないことは明らかであろう。
【0058】パーベーパレーション このシステムは、逆浸透法など、膜を用いる各種の方法
に有用であるが、パーベーパレーション法に用いた場合
に特に効果的であることが見出されるのが、膜支持層と
その上に装着された無孔性分離層を包含する膜アセンブ
リの特徴である。パーベーパレーションでは、相対的に
透過性に富む成分とそれに乏しい成分とを含有する供給
液と、無孔性分離層との接触を保ち、この層を通しての
圧力降下を維持する。供給液は膜に溶け込み、ついでこ
れを通って拡散する。膜を通過し、蒸気として流出する
透過物は、低温で凝縮させることによって回収し、ある
いはこれに代えて、気体の移動流を用いてこれを掃気す
ることができる。膜の透過物側を低圧に、典型的には5
mmHgに保つのが好ましい。
【0059】パーベーパレーションの一般的背景を知る
には、米国特許第4,277,344 号明細書、同第4,039,440
号明細書、同第3,926,798 号明細書、同第3,950,247 号
明細書、および同第4,035,291 号明細書などを参照され
たい。
【0060】
【発明の効果】この新規の膜は、水と有機酸素化物との
混合液の脱水のための、パーベーパレーション法に特に
有用であるということが、本発明の方法の特徴である。
酢酸エチルの場合のように(15℃での水に対する溶解
度は水100部あたり8.5部である) 、水と混和しな
い混合液から水を除去する方法に、本発明の方法を利用
することが可能である。たとえばデカンテーションによ
るなどして、部分的混和性の物質系から大量の水を分離
した後に、本発明の方法を利用して、最後の痕跡量の水
を除去するのが望ましい場合があることは、当業者には
明白であろう。
【0061】本発明の方法の利点は、たとえばイソプロ
ピルアルコールまたはエチレングリコールの水溶液の場
合のように、供給液が単一相の均質水溶液である場合
に、一層明白となる。(a) 水−酸素化物の第1相、お
よび(b) 第2相として水または酸素化物のいずれかが
存在する難溶性液体の場合にも、このシステムは有用で
あることが見出されよう。混和しない第二の液相をごく
小部分しか含まない上記の供給液が、本発明の方法の恩
恵に最も浴するのは明らかである。共沸混合物、たとえ
ばイソプロピルアルコール−水の分離に特に有用である
であろうことも、本発明の特徴である。
【0062】好ましくは表面を処理されたポリアクリロ
ニトリル支持材を使用する上記の膜システムを用いて、
かなり改良された機械的および化学的安定性に加えて、
処理しないポリアクリロニトリルを用いて得られる利益
のすべてを所有する分離システムを得ることを可能にす
ることが、本発明のとくに格別な特徴である。
【0063】本発明の方法を用いて処理できる供給有機
酸素化物としては、アルコール、グリコール、弱酸、エ
ーテル、エステル、ケトン、アルデヒドなどを挙げるこ
とができる。当業者には明白であろうが、これに用いら
れる供給有機酸素化物は、分離膜に対しては不活性でな
ければならない。膜が供給液の成分に侵されるようなシ
ステムは、いかに適正な時間をかけても有意な分離を実
現できるはずのないことは明らかである。アルコール
(たとえばイソプロピルアルコール) 、あるいはグリコ
ール( たとえばエチレングリコール) を処理する場合
に、最良の結果が得られる。酸を用いて得られる結果
は、一般にこれよりも不十分である。
【0064】アルコールの例としては、エタノール、プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコ
ール、アミルアルコール、ヘキシルアルコールなどを挙
げることができる。
【0065】グリコールの例としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ま
たはグリコールエーテル、たとえばジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、あるいはトリオール、た
とえばグリセリンなどを挙げることができる。
【0066】弱酸の例としては、ヘキサン酸、オクタン
酸などがある。酸が存在する場合は、仕込液のpH値は、
好ましくは約4以上でなければならない。本発明の方法
で処理できる典型的な酸としては、pKa が約4.8以上
のものを挙げることができる。
【0067】エステルの例としては、酢酸エチル、酢酸
メチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エチレングリコ
ールモノアセタート、プロピレングリコールモノステア
ラートなどがある。
【0068】エーテルの例としては、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどが
ある。
【0069】ケトンの例としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、アセトフェノンなどがある。
【0070】アルデヒドの例としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどがあ
る。
【0071】本発明の利点は、有機酸素化物がイソプロ
ピルアルコールまたはエチレングリコールを代表とす
る、無限に水と混和可能な液体である場合に、最も明白
であると考えられる。
【0072】[パーベーパレーションの典型的な実施態
様]典型的な供給物は、70〜95重量%、たとえば8
5重量%のイソプロピルアルコールを含有する水溶液で
ある。
【0073】本発明のパーベーパレーションの方法を実
施するには、典型的には40〜120℃、たとえば80
℃の供給有機酸素化物水溶液を、本発明の膜による無孔
性分離層に接触させる。通常、膜を通しての約1気圧の
圧力降下を維持する。典型的には、膜の供給側または仕
込側をほぼ大気圧とし、透過物側または放出側を2〜5
0mmHg、好ましくは5〜20mmHg、たとえば10mmHgと
する。
【0074】膜を通過する透過物には、仕込液からの水
および小部分の有機酸素化物が含まれる。典型的には、
透過物には、70〜99.5重量%、たとえば98重量
%の水が含まれる。透過物は蒸気相で回収される。
【0075】性能の判定には、透過物側を減圧にし、か
つ凝縮器( 液体窒素で冷却する) を用いて、所定の供給
温度での良好な透過流束[kg/(m2・h)]によって、( より
多量の有機酸素化物および水を含有する供給物から) 有
機酸素化物含量が減少した透過物を、膜装置系が生成さ
せる能力を用いる。本発明の対象範囲外の組成物は、分
離度または生産性(透過流束)、あるいはその両者が不
十分であるのが特徴的である。
【0076】典型的なパーベーパレーションは、約1〜
14kg/(m2・h) 、たとえば4kg/(m2・h) の透過流束で実
施される。代表的には、このユニットは、ポリ(4−ビ
ニルピリジン)による分離層を通過して有機酸素化物水
溶液をパーベーパレーションさせた際の、透過物中の有
機酸素化物を重量%で測定して、良好な分離度を示す。
【0077】供給物の濃度が上昇するにつれて、透過物
中の酸素化物の濃度も上昇し、透過流束は減少すること
に留意すべきであろう。
【0078】
【実施例】以下の実施例を精査することによって、本発
明の方法の実施方法は当業者にとって明らかになるであ
ろう。本明細書の他の箇所と同じく、部はすべて重量部
とした。
【0079】実施例1 本発明の方法を実施するのに現在知られている最良のや
り方である本実施例では、多孔性担体層として、ダイセ
ル社の商品名DUY−Lというポリエステル不織布を使
用した。多孔性支持層は、数平均分子量40,000の
微孔性ポリアクリロニトリル膜層を用いた。該層を、ア
クリロニトリル単位の一部分を相当するアクリル酸単位
に加水分解するのに十分に強いが、機械的安定性を低下
させないほどに十分に弱い酸で処理した。
【0080】加水分解剤の酸組成物は、pHが1より小さ
い溶液を得るように、1部の濃硫酸と5部の水を混合し
て調製した。この組成物を125℃で、ポリアクリロニ
トリル支持層に2分間接触させた。この期間中に、表面
−CN基の15モル%が−COOH基に転換した。この
ことは、赤外線吸収(FTIR)の 1749 〜1688cm-1
おける、カルボン酸の伸縮振動に対応する幅広いピーク
で証明された。生成物は表面−CN基と表面−COOH
基を含有していた。
【0081】この支持材に、n−ブチルアルコール2.
5部、ポリ(4−ビニルピリジン)の20%メタノール
溶液2.5部および1,4−ジブロモブタン1.3部を
含有する溶液を塗布することによって、ポリ(4−ビニ
ルピリジン)で被覆した。この被覆を50℃で2分間乾
燥し、125℃で2分間硬化した。
【0082】この膜システムを、85重量%のエチレン
グリコールおよび15重量%の水を含有する供給物の分
離に用いた。供給物をパーベーパレーションセルに70
℃で導入した。透過物の凝縮液として、75重量%の水
とわずかに25重量%のエチレングリコールを含有する
水溶液が得られた。透過流束は0.7kg/(m2・h) であっ
た。
【0083】7日間運転した後に、膜を検査した。層間
の分離、脆化またはき裂を生じた証拠はなかった。表面
は、1週間(168時間)の運転の後も、初期と同様に
平滑であった。
【0084】実施例2(比較例) この比較例では、ポリアクリロニトリルを硫酸溶液で腐
食ないし処理しないことを除いて、実施例1を繰り返し
た。
【0085】3時間運転した後に分解して検査したとこ
ろ、ポリ(ビニルピリジン)分離層が脆化してき裂を生
じていることが認められ、そしてそれはポリアクリロニ
トリル支持層から分離していた。
【0086】実施例3 この実施例では、ポリアクリロニトリルを硫酸ではな
く、10重量%のグリセリン(粘度と沸点の高い混合物
を得るため)を含有する40重量%水酸化ナトリウム水
溶液を用いたことを除いて、実施例1を繰り返した。F
TIRによる分析の結果は、カルボン酸塩に対応する16
51cm-1の幅広いピークを示した。(該表面を10重量%
塩酸ですすぐと、1651cm-1のピークが1700cm-1に移動
し、それはカルボン酸の伸縮振動の領域である。)
【0087】得られた膜は1.6kg/(m2・h) の透過流束
を示し、7日の後も機械的分離の証拠はなかった。透過
物は80%の水を含有していた。
【0088】実施例4 この実施例では、支持層を、数平均分子量40,000
のポリアクリロニトリル85重量%と数平均分子量25
0,000のポリアクリル酸15重量%とを含有する水
溶液から、実施例1と同様にして形成した。結果として
得られた膜は、表面−CN基および表面−COOH基を
含有していた。
【0089】その他のことは実施例1を繰り返した。7
日後も、機械的分離の証拠はなかった。
【0090】実施例5〜9 分離膜層が表1のようなものである場合、実施例1で得
られたのと同程度の結果が得られた。
【0091】
【表1】
【0092】実施例10〜12(実施例10は比較例) 1,4−ジブロモブタンの代わりに等量の1,6−ジブ
ロモヘキサンでポリ(ビニルピリジン)分離膜を架橋し
たことを除いて、実施例1を繰り返した。比較例である
実施例10では、支持膜を酸またはアルカリのいずれに
よる処理を行わなかった。実施例11では支持膜を硫酸
水溶液で処理し、実施例12では支持膜を水酸化ナトリ
ウム40%水溶液で処理した。
【0093】比較例である実施例10では、隔壁は3〜
5時間後にき裂が入った。透過流束は0.4kg/(m2・h)
で、選択率は透過物中の水として70%であった。しか
し、明らかにシステムは洩れているので、この値は供給
物と同じ値まで低下するであろう。
【0094】実施例11及び12では、透過流束はそれ
ぞれ1.4kg/(m2・h) および1.2kg/(m2・h) であり、
選択率はそれぞれ70〜82%および80%であった。
1週間後運転した後も分離膜は初期と同様に平滑であ
り、膜層の分離は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キャスリーン・メリー・ヘルムス アメリカ合衆国、ニューヨーク 12533、 ホープウェル・ジャンクション、ディアウ ッド・ドライブ 12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜分離層および膜支持層を含む分離膜シ
    ステムにおいて、前記の膜支持層が、−CN基を含有
    し、かつその表面に−COOH基またはその塩を有する
    炭素−炭素骨格のポリマーを含むことを特徴とする分離
    膜システム。
  2. 【請求項2】 前記の支持層が、少なくともその表面の
    −CN基の一部が加水分解されて、−COOH基または
    その塩になっているポリアクリロニトリルを含む請求項
    1記載の分離膜システム。
  3. 【請求項3】 水および有機酸素化物を含有する供給物
    を処理する方法であって、該有機酸素化物水溶液供給物
    を非孔性分離エラストマー膜の一次(高圧)側に通し、
    該膜を横切っての圧力降下を維持し、そのことによっ
    て、前記の供給水溶液から、水の少なくとも一部および
    有機酸素化物のより少ない部分を、パーベーパレーショ
    ンによって分離エラストマー膜を経てその二次(低圧)
    側に通し、そのことによって、低圧側に、該供給水溶液
    に存在するよりも多い水と少ない有機酸素化物を含有す
    る希薄混合物を含む低圧側の透過物を与え、該希薄混合
    物をその蒸気圧以下の圧力において気相で回収し;そし
    て該供給水溶液に存在するよりも少ない水と多い有機酸
    素化物を含有する濃厚混合物を含む高圧側の残留物を与
    える方法において、該分離膜が請求項1または請求項2
    に記載の多孔性支持膜に装着されていることを特徴とす
    る方法。
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