JPH0120834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は農業機械、特に扱室の下方からその後
方の選別室に亘つて揺動選別体を設け、前記扱室
の終端下部に送塵口を設けた脱穀機における送塵
装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来の脱穀機における送塵口は単に開口しただ
けであつて、扱室内で発生した送塵物をそのまま
下方の揺動選別体に排出していた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知の装置は湿潤した穀稈又は倒伏穀稈を
刈取つて脱穀する場合、扱室内で発生した切り藁
や穂切れ等の送塵物が塊状になり、それがそのま
ま下方の揺動選別板に排出されるので、送塵物中
に混入する穀粒が藁屑と共に三番飛散として機外
に排出されたり、二番物が多くなつて二番還元ス
ロワーに詰りを生じ、選別性能が低下する欠点が
あつた。

このような欠点を解決する手段として送塵口に
複数枚の仕切板を設けて、前記塊状物を扱歯によ
り持ち回らせると或る程度処理して仕切板間から
落下させることができる。

しかし、切藁が扱胴の周方向に沿う姿勢になる
と、そのまま揺動選別板上に落下してしまう欠点
を解決することができない。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案の目的は湿潤した穀稈又は倒伏した穀稈
を刈取つて脱穀した場合、扱室内で発生した切藁
や穂切れ等の送塵物が塊状になつても、それをほ
ぐすことができると共に切藁及び穂切れを良く処
理してから揺動選別板に排出することができる脱
穀機における送塵装置を提供することにあつて、
この目的を達成するための装置は扱室の下方から
その後方の選別室に亘つて揺動選別体を設け、前
記扱室の終端下部に送塵口を設けた脱穀機におい
て、前記送塵口の下部に扱歯の回転軌跡に沿う円
弧状の仕切板を複数枚併設し、該仕切板の上縁に
前記扱歯の回転軌跡間に入る凹凸を形成し、前記
仕切板の間を底板で閉鎖したことを特徴とするも
のである。

(ホ) 作用 本考案は前述のように構成したので、扱室で発
生した切藁や穂切れは扱室の終端部に至ると、そ
れが塊状になつていても複数の仕切板の上縁の凹
凸が受け止め、その状態で扱歯が仕切板間を通過
して穂切れと切藁の処理を行ない、底板は送塵物
を支持案内し、螺旋状に配列されている扱歯によ
り後方へ移動させて送塵口の後方の開口部から排
出する。

(ヘ) 効果 本考案の脱穀機における送塵装置は濡れた穀稈
や倒伏穀稈のように含水率の高い穀稈を脱穀し
て、扱室内にて発生した切藁や穂切れが塊状にな
つて送塵口に移行した時、上記塊状物は仕切板の
上縁の凹凸に受け止められた状態で扱胴の扱歯が
処理することとなり、確実かつ、迅速に前記塊状
物を分散させると共に脱粒及び細分化させ、以つ
て穀粒が三番飛散になつたり、二番物量が多くな
つて二番還元スロワーが詰つたりするのを防止し
て選別性能を向上することができる。

また、仕切板で受け止められた状態で扱歯によ
り処理されると、切藁が扱胴の周方向、即ち、仕
切板と平行になる底板がそれを受け止めるので長
いまま揺動選別板に落入することがない。

更に、小さな藁屑等は底板で受止められて循還
すると共に凹凸の谷部を越えて移動するので詰る
ことがなく、送塵物の円滑な処理と後方への移行
排出を行なうことができる。

(ト) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
第１〜４図において、扱胴１を軸架内装した扱室
２の下部に受網３を設け、該受網３の終端下部は
送塵口４に構成してあり、受網３の下方から後方
の排塵選別室６に亘つて揺動選別体５が前後揺動
するように架設し、該揺動選別体５の始端下部に
設けた送風唐箕７ａと排塵選別室６の上部一側に
設けた吸引風車７ｂは選別風路を構成しており、
前記揺動選別体５は下部選別経路と上部選別経路
とを有しており、下部選別経路は受網３の下面に
臨む移送流板８と、波型移送板９と、一番受樋１
０上に臨む選別網１１と、二番受樋１２上に臨ん
でいて終端が排塵口１３に指向するストローラツ
ク１４と構成してあり、上部選別経路は基部が前
記送塵口４の下面に臨み、終端が前記吸引風車７
に指向する上部ストローラツク１６により構成し
てある。

また、前記扱室２の扱口２ａには挟扼レール１
７ａとフイードチエン１７ｂを併設し、排稈口１
８の後部には四番口１９及び排塵室天板２０上に
亘る排藁搬送装置２１を設け、前記二番受樋１２
の移送終端には吐出口が前記移送流板８の側部上
に臨む二番還元スロワー２２が連設してある。

そして、前記送塵口４には扱胴１の軸芯方向か
らみて扱歯１ａ…の回転軌跡に沿う円弧状の仕切
板２３…が複数枚間隔をおいて設けてあり、該仕
切板２３の上縁に形成した凹凸２４の山部２４ａ
は第３図及び第４図に示すように扱歯１ａ…の間
に侵入しており、仕切板２３…の間は前記凹凸２
４の谷部２４ｂと略等しい高さの底板２５…を固
定して閉鎖し、この底板２５…も扱胴１の軸芯方
向からみると円弧状をなしており、終端側の仕切
板２３と排稈口１８のある後壁板２６の下縁との
間は排出口２７に形成してある。

前述の脱穀装置において、穀稈の株元部を挟扼
レール１７ａとフイードチエン１７ｂとで挟持搬
送させ、穂部を供給口から扱室２内に挿入する
と、扱胴１が脱穀処理し、単粒化された穀粒及び
小さい藁屑は受網３から移送流板８上に漏下し、
比較的長い切藁、藁屑及び穂切れ等は順次排稈口
１８側の送塵口４に移行する。

そして、前記移送流板８上に漏下した脱穀物は
選別網１１上を移動する際に篩選別と風選を受け
て漏下した穀粒は一番受樋１０に落入して機外に
搬出され、ストローラツク１４に移行した網上物
は更に篩選別と風選処理されて藁屑は排稈口１３
から後方へ放出され、穂切れ及び切藁等からなる
二番物は二番受樋１２に落入して二番還元スロワ
ー２２により移送流板８上に還元されて再選別処
理を受ける。

また、前記送塵口４に移行した穂切れを含む送
塵物が扱歯１ａ…により処理される時、送塵物は
仕切板２３…の山部２４ａに引掛かると共に底板
２５に受け止められるので、送塵物が濡れていて
塊状になつていても良く分散し、切藁は細分化さ
れ、穂切れは脱粒処理される。

その際、底板２５は仕切板２３の凹凸２４の谷
部２４ｂと略同じ高さに固定してあるので、短い
切藁や藁屑が扱歯１ａ…の回転作用によつて仕切
板２３と平行な姿勢になつても底板２５に付着し
たり、堆積したりすることがなく、谷部２４ｂか
ら後方へ移行すると共に良く循還し、このように
して処理された藁屑等は排出口２７から排出さ
れ、上部ストローラツク１６により揺動移送され
る間に二番物が下方のストローラツク１４乃至選
別網１１上に漏下して前述の下部選別経路に合流
し、藁屑は吸引風車７ｂにより機外に排出され
る。

次に他の実施例を第５〜６図について説明する
と、この実施例は底板２５以外の構成は前述の実
施例と同様であり、底板２５は扱胴１の軸芯方向
からみて波型に形成してあり、その波型のピツチ
は第５図に示すように仕切板２３の凹凸のピツチ
と同一であつて位相が一致しており、底部は孔２
８…が穿設してある。

そして、送塵物は仕切板２３と底板２５に受け
止められながら扱歯１ａで処理されることにより
単粒化された穀粒は前記孔２８…から受網１１上
に漏下して選別され、残つた藁屑等は排出口２７
から上部ストローラツク１６上に落入する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀装置の縦断面図、第２図は同上横断
面図、第３図は要部の横断面図、第４図は同上縦
断面図、第５図は他の実施例の要部の横断面図、
第６図は同上縦断面図である。 １……扱胴、２……扱室、１ａ……扱歯、４…
…送塵口、５……揺動選別体、２３……仕切板、
２４……凹凸、２４ａ……山部、２４ｂ……谷
部、２５……底板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室２の下方からその後方の選別室６に亘つて
   揺動選別体５を設け、前記扱室２の終端下部に送
   塵口４を設けた脱穀機において、前記送塵口４の
   下部に扱歯１ａの回転軌跡に沿う円弧状の仕切板
   を複数枚併設し、該仕切板２３の上縁に前記扱歯
   １ａの回転軌跡間に入る凹凸２４を形成し、前記
   仕切板２３の間を底板２５で閉鎖したことを特徴
   とする脱穀機における送塵装置。