JPH0119654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、脱穀後において揺動選別装置によつ
て選別された藁屑を、再度脱穀するための処理胴
を使用すると共に、機外への排塵に横断流フアン
を使用した脱穀機の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

このように、脱穀後において揺動選別装置によ
つて選別された藁屑を、再度脱穀するための処理
胴を使用すると共に、機外への排塵に横断流フア
ンを使用した従来の脱穀機は、例えば、実開昭56
−150342号公報や実開昭57−155037号公報等に記
載されているように、扱胴を内蔵した扱室の下方
に、前記扱胴の軸線方向に揺動する選別装置を備
えた選別風路を形成し、該選別風路を扱室の後端
における排塵口より更に延長して、この延長した
選別風路内に、外周面に複数の処理歯を有する処
理胴と、機外への排塵用の横断流フアンとを、こ
れら処理胴及び横断流フアンの軸線を前記扱胴の
軸線と略直角にして配設し、且つ、前記処理胴の
下部に対する受網の下方に、二番受樋を配設した
ものに構成している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この従来の脱穀機では、揺動選別装置
から送り出される藁屑を、処理胴において細かく
砕くことができないので、前記藁屑に含まれてい
る穀粒の回収率が低いと共に、藁屑が長いまま横
断流フアンに移行して、横断流フアンに詰りが発
生するのであつた。

本考案は、この問題点を解消することを目的と
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、扱胴を内
蔵した扱室の下方に、前記扱胴の軸線方向に揺動
する揺動選別装置を備えた選別風路を形成し、該
選別風路を扱室の後端における排塵口より更に延
長して、この延長した選別風路内に、外周面に複
数の処理歯を有する処理胴と、機外への排塵用の
横断流フアンとを、これら処理胴及び横断流フア
ンの軸線を前記扱胴の軸線と略直角にして配設
し、且つ、前記処理胴の下部に対する受網の下方
に、二番受樋を配設して成る脱穀機において、前
記受網の内面には、前記処理胴の外周に向つて突
出する複数枚の仕切板を処理胴の軸線に対して傾
斜状に設け、更に、前記受網の内面のうち前記横
断流フアンへの出口に近い部分に、複数枚の切歯
を前記処理胴の外周に向つて突出するように設け
る構成にした。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、揺動選別装置から処理
胴における受網に移行した藁屑は、回転する処理
胴における処理歯によつて扱き作用を受けて、藁
屑に付着する穀粒が藁屑から脱穀され、この穀粒
は受網の目から二番受樋に落下するのであるが、
前記受網の内面に、処理胴の外周に向つて突出す
る複数枚の仕切板を処理胴の軸線に対して傾斜状
に設けたことにより、揺動選別装置から受網に移
行した藁屑は、処理胴における特定の箇所に集中
することなく、前記傾斜状の各仕切板によつて、
処理胴の軸線方向における各所に略等しく分散さ
れたのち、当該各仕切板と、処理胴における処理
歯とによつて強い扱き作用を受けるから、藁屑に
対する脱穀処理の能力を向上できるのである。

また、前記受網の内面のうち横断流フアンへの
出口に近い部分に、複数枚の切歯を前記処理胴の
外周に向つて突出するように設けたことにより、
前記のように脱穀処理したあとの藁屑は、この切
歯によつて細かく切断されたのち、横断流フアン
に吸引されて機外に放出されるから、藁屑が、横
断流フアンに詰ることを防止できるのである。

この場合において、切歯を、受網の内面のうち
処理胴の回転方向の手前側の部位に位置するとき
には、該切歯によつて細かく切断された藁屑が、
受網の目より二番受樋に落下するから、二番受樋
に穀粒と一緒に入る藁屑の量が増大することにな
る。

これに対して本考案は、前記切歯を、前記のよ
うに、受網の内面のうち横断流フアンへの出口に
近い部分に設けたもので、当該切歯によつて細か
く切断された藁屑は、切断と略同時に横断流フア
ンに吸引されるから、受網の目より二番受樋に落
下する藁屑の量が、切歯を設けたことによつて増
大することを防止できるのである。

従つて本考案によると、揺動選別装置から送出
される藁屑からの穀粒の回収率を、二番受樋への
藁屑の混入量を増大することなく、確実に向上で
きると共に、横断流フアンに藁屑の詰りが発生を
することを確実に低減できる効果を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、図において符号１は脱穀機の機枠を示し、
該機枠１の内部に区成した扱室２内には、扱胴３
がその軸線４が略水平になるように配設され、前
記機枠１の一側面には、前記扱室２の前端におけ
る穀稈供給口５と、後端における空穀稈排出口と
の間を継ぐ扱口に沿つてフイードチエン６が沿設
され、該フイードチエン６の後端には、機枠１の
後方に向つて延びる排藁チエン７が、前記フイー
ドチエン６に対して一部重複するように配設され
ている。

前記扱室２の下部には、扱室２における終端下
部の排塵口８を除いてクリンプ網９を張設し、ま
た、前記排藁チエン７の下部には、前記排塵口８
の後に隣接して四番受口１０が開口するように前
方に向つて下向きに傾斜するガイド板１１を配置
する。

前記クリンプ網９の下部には、当該箇所から前
記排塵口８及び四番受口１０の下部にわたつて選
別風路１２を形成し、且つ、この選別風路１２
を、前記四番受口１０の下部より更に後方にまで
延長して形成する。

符号１３は、前記選別風路１２内に配設され、
扱胴３の軸線４方向に前後往復揺動する揺動選別
装置を示し、該揺動選別装置１３は、前記クリン
プ網９の下部から後方に向つて斜め下向きに傾斜
するフイードパン１４と、該フイードパン１４の
後端から前記四番受口１０の略下部まで間に配設
したグレンシーブ１５と、これらフイードパン１
４及びグレンシーブ１５の上部に配設したチヤフ
シーブ１６と、該チヤフシーブ１６の後端に後向
きに延びるふるい線１７とによつて構成されてい
る。

この揺動選別装置１３の下部には、唐箕風を前
記グレンシーブ１５を通過した後、後述する処理
胴１８の下周面に向つて吹くようにした唐箕フア
ン１９と、グレンシーブ１５の下部に位置する螺
旋コンベヤ付き一番受樋２０と、該一番受樋２０
の後方に位置する螺旋コンベヤ付き二番受樋２１
とが配設され、この二番受樋２１の一端には、こ
れに連通した二番還元スロワー２２が設けられ、
該二番還元スロワー２２からの二番還元スロワー
通路２３の上端は、前記扱室２内に開口してい
る。

前記選別風路１２内のうち前記二番受樋２１の
上部の部位には、前記ふるい線１７の後端に近接
した位置に、外周面に複数本の処理歯２５を備え
た処理胴１８が、当該処理胴１８における軸線２
４が前記扱胴３の軸線４と略直角になるようにし
て配設され、該処理胴１８の下部には、コーンケ
ーブ等の受網２６が略半円周上にわたつて設けら
れている。また、前記処理胴１８は、前記排塵口
８、ふるい線１７及び四番受口１０からの藁屑を
処理胴１８の下面と受網２６との間を通つて後方
に送る方向に回転される。

また、選別風路１２内には、前記処理胴１８の
後端に隣接する部位に、排塵用の横断流フアン２
７が、当該横断流フアン２７における羽根２８の
軸線２９が前記処理胴１８の軸線２４と略平行に
なるようにして配設され、この横断流フアン２７
の吐出側からの三番口３０は、機外に開口してい
る。

そして、前記処理胴１８に対する受網２６の内
面には、処理胴１８に向つて突出する複数枚の仕
切板３４を、第５図及び第６図に示すように、処
理胴１８の軸線２４の方向に適宜間隔で設け、こ
の各仕切板３４を、処理胴１８の軸線２４に対し
て適宜角度に傾斜する。

更に、前記処理胴１８に対する受網２６の内面
のうち、当該受網２６の終端部、つまり横断流フ
アン２７に近い部位には、処理胴１８の外周に向
つて突出する複数枚の切歯３１を、処理胴１８の
軸線２４の方向に適宜間隔で設ける。

なお、これら各仕切板３４及び各切歯３１は、
回転する処理胴１８における各処理歯２５と接触
しないように各処理歯５の間の部位に位置してい
る。

また、実施例において前記各切歯３１は、第３
図に示すように断面コ字状の二股状等に形成し、
各切歯３１を、その支持軸３２の回りに回転調節
できるように構成されている。なお、この回転調
節式の各切歯３１には、その回転角度を、当該切
歯３１が処理胴１８における処理歯２５に接当し
ないように規制するための円弧状ガイド溝３３が
形成されている。

この構成において、フイードチエン６によつて
搬送される穀稈は、扱室２内の扱胴３で脱穀さ
れ、扱室２の後端における空穀稈排出口から排出
され、次いで四番受口１０の上方で排藁チエン７
に受け継がれて機枠１の後端へ搬送される。

前記扱室２で脱穀され、クリンプ網９より漏下
した脱穀物は、揺動選別装置１３のチヤフシーブ
１６、グレンシーブ１５で揺動選別され、このと
き唐箕フアン１９から吹き上げられる風による風
選別も受けることにより、穀粒が一番受樋２０に
集められる。

一方、前記揺動選別装置１３の上面に堆積する
藁屑、扱室２の排塵口８からの藁屑、及び４番受
口１０からの藁屑は、揺動選別装置１３の揺動に
より後端のふるい線１７上に送られ、該藁屑中に
穀粒は、ふるい線１７より一番受樋２０及び二番
受樋２１に落下する一方、ふるい線１７より落下
しなかつた藁屑は、前記唐箕フアン１９からの風
との共働作用により、処理胴１８と受網２６の間
に入り、回転する処理胴１８の処理歯２５と受網
２６との間で扱き作用を受け、藁屑より脱穀され
た穀粒は、受網２６の目より二番受樋２１に落下
する一方、藁屑は、各切歯３１に細かく切断され
たのち、横断流フアン２７に吸引されたのち三番
口３０から機外に排出される。

この場合において、前記処理胴１８に対する受
網２６の内面に、処理胴１８の外周に向つて突出
する複数枚の仕切板３４を処理胴１８の軸線２４
に対して傾斜状に設けたことにより、揺動選別装
置１３から受網２６に移行した藁屑は、処理胴１
８における特定の箇所に集中することなく、前記
傾斜状の各仕切板３４によつて、処理胴１８の軸
線２４方向における各所に略等しく分散されたの
ち、当該各仕切板３４と、処理胴１８における各
処理歯２５とによつて強い扱き作用を受けるか
ら、藁屑に対する脱穀処理の能力を向上できるの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は脱穀機
の縦断側面図、第２図は第１図の−線矢視
図、第３図は切歯の斜視図、第４図は第１図の要
部拡大図、第５図は第４図の−視断面図、第
６図は第５図の−視平面図である。 １……機枠、２……扱室、３……扱胴、４……
扱胴の軸線、８……排塵口、１２……選別風路、
１３……揺動選別装置、１７……ふるい線、１８
……処理胴、１９……唐箕フアン、２０……一番
受樋、２１……二番受樋、２５……処理歯、２６
……受網、２７……横断流フアン、３１……切
歯、３４……仕切板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴を内蔵した扱室の下方に、前記扱胴の軸線
   方向に揺動する揺動選別装置を備えた選別風路を
   形成し、該選別風路を扱室の後端における排塵口
   より更に延長して、この延長した選別風路内に、
   外周面に複数の処理歯を有する処理胴と、機外へ
   の排塵用の横断流フアンとを、これら処理胴及び
   横断流フアンの軸線を前記扱胴の軸線と略直角に
   して配設し、且つ、前記処理胴の下部に対する受
   網の下方に、二番受樋を配設して成る脱穀機にお
   いて、前記受網の内面には、前記処理胴の外周に
   向つて突出する複数枚の仕切板を処理胴の軸線に
   対して傾斜状に設け、更に、前記受網の内面のう
   ち前記横断流フアンへの出口に近い部分に、複数
   枚の切歯を前記処理胴の外周に向つて突出するよ
   うに設けたことを特徴とする脱穀機。