JPH0127689B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、脱穀後において揺動選別装置によつ
て選別された藁屑を、再度脱穀するための処理胴
を使用する一方、機外への排塵に横断流フアンを
使用した脱穀機の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

このように、脱穀後において揺動選別装置によ
つて選別された藁屑を、再度脱穀するための処理
胴を使用する一方、機外への排塵に横断流フアン
を使用した脱穀機として、先行技術としての、実
開昭56−150342号公報は、扱胴を内蔵した扱室の
下方に、前記扱胴の軸線方向に揺動する揺動選別
装置を備えた選別通路を形成し、該選別通路を前
記扱室の後端における排塵口より更に後方に位置
する機外への三番口に向つて延長し、この延長部
分内に、外周に複数の処理歯を備えた処理胴と、
機外への排塵用の横断流フアンとを、これら処理
胴及び横断流フアンの軸線を前記扱胴の軸線と略
直角にして配設し、且つ、前記処理胴の下部に対
する受網の下方に、二番受樋を設け、この二番受
樋に、前記扱室への二番還元装置を設けることを
提案している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、この従来の脱穀機においては、処理胴
に対する受網の下部と横断流フアンとは非連通で
あつて、処理胴によつて処理された藁屑のうち受
網の目より落下した細かい藁屑は、総て二番受樋
に入るので、二番受樋から二番還元装置を介して
扱室に還元する二番還元物の量が多くなるから、
扱胴による脱穀負荷が増大して、扱胴の回転数が
下がると云う問題が発生するのである。

しかも、この先行技術のものは、横断流フアン
を、揺動選別装置の終端部よりも高い部位に配設
しているものの、処理胴を、揺動選別装置の終端
部と同じ高さ位置で、前記横断流フアンよりも可
成り離れた位置に設けることにより、この処理胴
で脱穀処理した後の藁屑を、処理胴の回転によつ
て上向きに投げ出し、この上向きに投げ出した藁
屑を、横断流フアンによつて吸引して、機外に排
出するように構成しているので、処理胴より上向
きに投げ出された藁屑が長いものである場合に
は、この長い藁屑を、横断流フアンによつて機外
に排出することができない事態が発生したり、或
いは、長い藁屑が、横断流フアンにおける羽根の
間を通過するときにおいて、羽根に引つ掛つて、
横断流フアンに詰りが発生することを招来するの
であつた。

本発明は、これらの問題を解消した脱穀機を提
供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため本発明は、扱胴を内蔵
した扱室の下方に、前記扱胴の軸線方向に揺動す
る揺動選別装置を備えた選別通路を形成し、該選
別通路を前記扱室の後端における排塵口より更に
後方に位置する機外への三番口に向つて延長し、
この延長部分内に、外周に複数の処理歯を備えた
処理胴と、機外への排塵用の横断流フアンとを、
これら処理胴及び横断流フアンの軸線を前記扱胴
の軸線と略直角にして配設し、且つ、前記処理胴
の下部に対する受網の下方に、二番受樋を設け、
この二番受樋に、前記扱室への二番還元装置を設
けて成る脱穀機において、前記選別通路における
延長部分内に、選別通路から処理胴を経て横断流
フアンに至る処理通路と、選別通路から前記処理
胴に対する受網の下部を経て横断流フアンに至る
風選通路とを形成し、前記横断流フアンを、前記
揺動選別装置の終端部より高い部位に配設する一
方、前記処理胴を、前記揺動選別装置の終端部と
横断流フアンの中心とを結ぶ線上又はこの線に近
い部位で、且つ、前記横断流フアンに近接する部
位に配設し、更に、前記横断流フアンを前記処理
胴とは逆方向に回転する構成にした。

〔発明の作用・効果〕

このように、選別通路における延長部分内に、
選別通路から前記処理胴に対する受網の下部を経
て横断流フアンに至る風選通路を形成すると、処
理胴における受網の目から落下する細かい藁屑
は、選別通路から風選通路を通つて横断流フアン
に向つて流れる風に乗つて横断流フアンに扱い込
まれたのち機外に排出される。

その結果、二番受樋に入る藁屑を少なく、延い
ては、扱室への二番還元物の量を少なくできるか
ら、扱胴における脱穀負荷を軽減することができ
るのである。

そして、横断流フアンを、揺動選別装置の終端
部より高い部位に配設し、処理胴を、揺動選別装
置の終端部と横断流フアンの中心とを結ぶ線上又
はこの線に近い部位で、且つ、横断流フアンに近
接する部位に配設したことにより、処理胴で処理
された藁屑は、当該処理胴の回転により、横断流
フアンの外周に向つて接線の方向に投げ出される
一方、横断流フアンの回転方向を処理胴とは逆方
向にしたことにより、処理胴から横断流フアンの
外周に向つて接線の方向に投げ出された長い藁屑
は、その投げ出し方向のまま、横断流フアンの外
周に対してこれに巻き付くように受継がれ、次い
で、横断流フアンの回転に伴い三番口の箇所に来
た時点で、横断流フアンからの吐出風によつて、
当該横断流フアンの外周面から剥がれて、三番口
から機外に放出されることになり、換言すると、
処理胴によつて脱穀処理された長い藁屑は、横断
流フアンの外周を巡つて三番口から機外に放出さ
れるのである。

従つて、処理胴によつて脱穀処理された長い藁
屑を、機外に確実に排出することができると共
に、処理胴によつて脱穀処理された長い藁屑が、
横断流フアンに詰ることを低減できるのである。

その上、横断流フアンを、揺動選別装置の終端
部より高い部位に配設し、処理胴を、揺動選別装
置の終端部と横断流フアンの中心とを結ぶ線上又
はこの線に近い部位で、且つ、横断流フアンに近
接する部位に配設することに加えて、横断流フア
ンの回転方向を処理胴とは逆方向にしたことによ
り、処理胴から横断流フアンの外周に向つて接線
の方向に投げ出される藁屑中の穀粒は、横断流フ
アンにおける羽根の裏面に当たつて外向きに跳ね
出されるから、横断流フアンに吸引される穀粒、
つまり、横断流フアンによつて三番口から機外の
排出される穀粒の三番ロスを低減できるのであ
る。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
ると、図において符号１は、脱穀機における機枠
を示し、該機枠１の内部に区成した扱室２内に
は、扱胴３が、その軸線４が略水平になるように
配設され、また、前記機枠１の一側面には、扱室
２の前端側における穀稈供給口５と後端側の空穀
稈排出口との間を継ぐ扱口に沿つてフイードチエ
ン５が沿設され、該フイードチエン６の後端に
は、機枠１の後方に向つて延びる空穀稈搬送チエ
ン７が、前記フイードチエン６の後端に対して一
部重複させるようにして配設されている。

前記扱室２の下部には、当該扱室２の終端下部
における排塵口８を除いてクリンプ網９が張設さ
れ、前記空穀稈搬送チエン７の下部には、傾斜板
１１によつて形成される四番受口１０が、前記排
塵口８の後に隣接する部位に開口している。

前記扱室２におけるクリンプ網９の下部、排塵
口８及び四番受口１０の下部には、選別通路１２
が、前記扱胴３における軸線４の方向に延びるよ
うに形成されている。

符号１３は、前記選別通路１２内に配設され、
扱胴３における軸線４の方向に前後往復揺動する
揺動選別装置を示し、該揺動選別装置１３は、前
記クリンプ網９の下部から後方に向つて斜め下向
きに傾斜するフイードパン１４と、該フイードパ
ン１４の後端から四番受口１０又はそれより後方
の部分に配列したグレンシーブ１５と、これらフ
イードパン１４及びグレンシーブ１５の上部に配
列したチヤフシーブ１６と、該ストローラツク１
７の後端から後方に延びるふるい線１７とによつ
て構成されている。

この揺動選別装置１３の下部には、唐箕風を前
記グレンシーブ１５を通過した後、後述する処理
胴１８に向つて吹き出すようにした唐箕フアン１
９と、前記グレンシーブ１５の下部に位置する螺
旋コンベヤ付き一番受樋２０と、該一番受樋２０
の後方に位置する螺旋コンベヤ付き二番受樋２１
とが各々配設され、前記二番受樋２１の一端に
は、これに連絡した二番還元スロワー２２が設け
られ、該二番還元スロワー２２からの二番還元ス
ロワー通路２３を、前記扱室２内に開口すること
により、二番受樋２１に入つた二番還元物を、扱
室２内に還元するように構成されている。

前記選別通路１２は、前記二番受樋２１の上部
を通つて前記機枠１の後端における三番口３０に
延びるように延長され、この延長部分内には、外
周に複数個の処理歯２５を備えた処理胴１８が、
その軸線２４が前記扱胴３における軸線４と略直
角になるようにして配設されると共に、横断流フ
アン２７が、その羽根２８の軸線２９が前記扱胴
３における軸線４と略直角になるようにして配設
され、また、前記処理胴１８の下部には、コーン
ケーブ等の受網２６が略半円周上にわたつて設け
られている。

この場合、処理胴１８は、前記排塵口８、ふる
い線１７及び四番受口１０からの藁屑を、当該処
理胴１８下周面と受網２６との間を通つて後方に
送るような方向に回転され、また、横断流フアン
２７は、処理胴１８と逆方向に回転されている。

そして、前記選別通路１２からの延長部分内に
は、選別通路１２から処理胴１８を経て横断流フ
アン２７に至る処理通路３３と、選別通路１２か
ら前記処理胴１９に対する受網２７の下部を経て
横断流フアン２８に至る風選通路３４とを形成す
る。

更に、前記横断流フアン２７を、前記揺動選別
装置１３の終端におけるふるい線１７よりも高い
部位に配設する一方、前記処理胴１８を、前記揺
動選別装置１３の終端におけるふるい線１７と前
記横断流フアン２７の中心とを結ぶ線３３上又は
この線３３に近い部位で、且つ、横断流フアン２
７に近接する部位に配設する構成にする。

この構成において、フイードチエン６によつて
搬送される穀稈は、扱室２内の扱胴３で脱穀さ
れ、扱室２の後端における空穀稈排出口から排出
され、次いで四番受口１０の上方で空穀稈搬送チ
エン６に受け継がれて機枠１の後端へ搬送され
る。

前記扱室２で脱穀され、クリンプ網９より漏下
された脱穀物は、揺動選別装置１３のチヤフシー
ブ１６、グレンシーブ１５で揺動選別され、この
とき唐箕フアン１９から吹き上られる風で風選別
も受け、穀粒が一番受樋２０に集められる。

一方、前記揺動選別装置１３の上面に推積す
る、藁屑、扱室２の排塵口８からの藁屑、及び前
記四番受口１０からの落下物は、揺動選別装置１
３の揺動に従つて後端のふるい線１７上に送ら
れ、このふるい線１７及び前記唐箕フアンからの
唐箕風によつて、処理胴１８とその受網２６との
間に誘導され、処理胴１８の回転によつて扱き作
用を受け、これにより藁屑から脱穀した穀粒及び
細かい藁屑は、受網２６の目から二番受樋２１内
に落下したのち、前記扱室２内に還元される一
方、処理胴１８で脱穀処理された藁屑は、横断流
フアン２７を経て三番口３０から機外に排出され
る。

この場合において、選別通路１２における延長
部分内に、選別通路１２から前記処理胴１８に対
する受網２６の下部を経て横断流フアン２７に至
る風選通路３２を形成したことにより、処理胴１
８における受網２６の目から落下する細かい藁屑
は、風選通路３２より横断流フアン２７に流れる
風に乗つて横断流フアン２７に扱い込まれて機外
に排出されるから、二番受樋２１内に細かい藁屑
が入ることを防止できる。

また、前記横断流フアン２７を、前記揺動選別
装置１３の終端におけるふるい線１７よりも高い
部位に配設する一方、前記処理胴１８を、前記揺
動選別装置の終端におけるふるい線１７と前記横
断流フアン２７の中心とを結ぶ線３３上又はこの
線３３に近い部位で、且つ、横断流フアン２７に
近接する部位に配設し、更に、横断流フアン２７
の回転方向を処理胴１８とは逆方向にしたことに
より、処理胴１８で処理された処理物は、当該処
理胴の回転により、横断流フアン２７の外周に向
つて接線の方向に投げ出される。

この処理物のうち長い藁屑は、その投げ出し方
向のまま、横断流フアン２７の外周に対してこれ
に巻き付くように受継がれ、次いで、横断流フア
ン２７の回転に伴い三番口３０の箇所に来た時点
で、横断流フアン２７からの吐出風によつて、当
該横断流フアン２７の外周面から剥がれて、三番
口３０から機外に放出されることになり、換言す
ると、処理胴１８によつて脱穀処理された長い藁
屑は、横断流フアン２７の外周を巡つて三番口３
０から機外に放出される。

また、処理胴１８で処理された処理物のうち穀
粒は、図に矢印Ａで示すように、横断流フアン２
８における羽根の裏面に当たつて外向きに跳ね出
されることにより、横断流フアン２７に吸引され
る穀粒の量を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は脱穀機
の縦断側面図、第２図は要部断面図である。 １……機枠、２……扱室、３……扱胴、４……
扱胴の軸線、６……フイードチエン、８……排塵
口、１０……四番受口、１２……選別通路、１３
……揺動選別装置、１７……ふるい線、１８……
処理胴、１９……唐箕フアン、２０……一番受
樋、２１……二番受樋口、２４……処理胴の軸
線、２６……受網、２７……横断流フアン、２９
……横断流フアンの軸線、３１……処理通路、３
２……風選通路、３３……揺動選別装置と横断流
フアンとを結ぶ線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 扱胴３を内蔵した扱室２の下方に、前記扱胴
   ３の軸線４方向に揺動する揺動選別装置１３を備
   えた選別通路１２を形成し、該選別通路１２を前
   記扱室２の後端における排塵口８より更に後方に
   位置する機外への三番口３０に向つて延長し、こ
   の延長部分内に、外周に複数の処理歯２５を備え
   た処理胴１８と、機外への排塵用の横断流フアン
   ２７とを、これら処理胴１８及び横断流フアン２
   ７の軸線を前記扱胴３の軸線４と略直角にして配
   設し、且つ、前記処理胴１８の下部に対する受網
   ２６の下方に、二番受樋２１を設け、この二番受
   樋２１に、前記扱室２への二番還元装置２２を設
   けて成る脱穀機において、前記選別通路１２にお
   ける延長部分内に、選別通路１２から処理胴１８
   を経て横断流フアン２７に至る処理通路３１と、
   選別通路１２から前記処理胴１８に対する受網２
   ６の下部を経て横断流フアン２７に至る風選通路
   ３２とを形成し、前記横断流フアン２７を、前記
   揺動選別装置１３の終端部より高い部位に配設す
   る一方、前記処理胴１８を、前記揺動選別装置１
   ３の終端部と横断流フアン２７の中心とを結ぶ線
   ３３上又はこの線３３に近い部位で、且つ、前記
   横断流フアン２７に近接する部位に配設し、更
   に、前記横断流フアン２７を前記処理同１８とは
   逆方向に回転したことを特徴とする脱穀機。