JP2512884Y2 - 脱穀機における二番還元装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は穀稈を脱穀処理して選別
する脱穀機における二番還元装置に関する。

【０００２】

【従来技術】従来、扱室の下方からその後方の選別室に
亙る選別風路に、一番漏下選別部と二番選別部を有する
揺動選別体を架設し、選別物を機外に搬出すべくその下
方に一番受樋の移送終端には揚穀筒を、二番受樋の移送
終端には二番還元手段を立設し、二番物を前記揺動選別
体上に還元するようにした脱穀機において、前記二番還
元手段としてスロワーを採用すること及び螺旋筒を採用
することは既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】前記既知の脱穀機にお
ける二番還元手段中、スロワー方式は、安価であるが、
脱穀物が濡れていると詰まり易く、かつ、投擲筒が前後
方向になっているため揺動選別体の側部に片寄って集中
的に還元されてその側の被選別物量が異常に多くなるの
で選別性能が低下した。このような問題点を解決せんと
して、投擲筒の吐出口に傾斜した案内板を付設すると、
それが投擲風の抵抗になって投擲性能が低下した。ま
た、螺旋筒方式は、二番還元筒の吐出口が扱室の側方部
位に開口され扱室の受網と直接対向していたので、上記
吐出口から投擲される二番物が受網に邪魔されて他側へ
投擲することができず、しかも投擲される二番物が吐出
口の口元において受綱から落下中の脱穀物に直接衝突す
るので、この脱穀物が障害となり二番物を遠くまで分散
状態で放出することができず、そのため還元された二番
物が揺動選別体の一側のみに還元されて前者と同様な問
題点が生じる。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本考案は、扱室の下方
からその後方の選別室に亙る選別風路に一番漏下選別部
を有する揺動選別体を架設し、その下方に一番移送螺旋
が内装された一番受樋と二番移送螺旋が内装された二番
受樋を設け、前記一番受樋の終端に連設した揚穀筒と、
二番受樋の終端に連設されていて揚送螺旋を内装した二
番還元筒とを立設した脱穀機において、前記二番還元筒
の上端に投擲羽根が内装された投擲ケーシングを装着
し、該投擲ケーシングの吐出口を、扱室の出口板より後
方部位で、かつ選別室の側板の前記一番漏下選別部の上
方近傍と対応する部位に、斜め前方に向けて開口させ
て、二番還元筒により揚送された二番物を前記揺動選別
体の一番漏下選別部より前方部位に幅広く投擲還元する
ように構成することにより前述の課題を解決した。

【０００５】

【作用】扱室内で扱胴により脱穀処理された脱穀物は、
受網から揺動選別体上に落入し、該揺動選別体により移
送される間に篩選別と風選がなされ、一番物は一番受樋
に落入して機外に搬出され、二番物は二番受樋に落入し
て搬出されてから螺旋型の二番還元筒により揚送されて
その上端の投擲羽根により前記揺動選別体上に投擲され
る。その際、投擲ケーシングの吐出口は扱室の側部とは
直接対向しない扱室の出口板より後方部位で、かつ選別
室の側板の前記一番漏下選別部の上方近傍と対応する部
位に斜め前方に向けて開口しているので、投擲羽根によ
り投擲された二番物は、扱室に邪魔されたり、扱室から
の落下物に邪魔されることなく、揺動選別体の略全幅に
亙って分散還元され、この二番物は受網から漏下した脱
穀物と共に一番漏下選別部にて再選別処理される。

【０００６】

【実施例】本考案の一実施例を図面について説明する
と、１は走行装置２を有する機台３の一側寄りに搭載し
た脱穀装置であって、他側には前部から順に操作盤４、
エンジン５と運転席６及び穀粒タンク７等を設け、前部
には刈取装置８と縦送装置９と揚送装置9aとからなる前
処理装置を、また後部にはカッタ10（又は結束装置）等
の排藁処理装置を装着してある。

【０００７】また、前記脱穀装置１は扱胴11を前部が低
くなるようにして扱室12内に軸架し、進行方向右側の扱
室12の後半部から選別室13の終端部に亘ると共に前部が
後部及び扱室12より低くなった処理部14を設け、該処理
部14を前部の移送室14a と後部の処理室14b とで構成
し、移送螺旋15と処理胴16を一体になして前記処理室14
b に内装し、その処理軸17の前端は入口板18に、後端は
処理室14b の後壁19a にそれぞれベアリング17a を介し
て支承されており、前記移送室14a と扱室12は送塵口20
により連通している。

【０００８】更に、進行方向左側の扱口21に沿ってフィ
ードチエン22と挟扼レール23を併設し、受網24の下方か
ら扱室12の後方の前記選別室13に亘って架設した揺動選
別体25は、略機幅全体に亘っていて側面視で前記受網24
の下面に臨む波型移送板26と、移送室14a の下面に臨む
下降傾斜した流板27a と、一番受樋28上に臨む波型移送
板27b 及び選別網からなる一番漏下選別部29と、二番受
樋30上に臨むストローラック31とからなり、前記一番漏
下選別部29とストローラック31の下方にはそれぞれ風向
板32, 32を設けてあり、前記波型移送板26の下部に設け
た送風風車33と選別室13の奥側（穀粒タンク７側）上部
でかつ前記処理室14b の後端部と対向する部位に装着し
た吸引風車34は選別風路を構成しており、前記二番受樋
30の前部に設けた横断流ファン35の選別風は前記ストロ
ーラック31を吹き抜けて排塵口36へ吹き出している。

【０００９】更にまた、デスク型の前記カッタ10は奥側
の機台３から立上がったを梯子型の枠体37に回動自在に
軸支されており、手前側は脱穀装置１の機壁に係止具で
着脱可能に係止されており、刈取作業中は図２に示す如
く選別室13の後面に密着した状態にセットし、選別室13
を整備したり揺動選別体25を取出す時は係止具を外して
前記軸支部を中心として90度旋回させてクランプ39によ
り枠体37に係止することができ、前記梯子型の枠体37は
穀粒タンク７の後部を連杆38で支持している。次に各部
の構成について説明する。

【００１０】［脱穀部］ 扱胴11の前部の円錐状部は前端部のソリッド歯40・・
を、後部に低い線状歯40a ・・を、円筒部の前部寄りに
ソリッド歯40b ・・を、それに続く部分に通常の線状の
扱歯40c ・・を植設し、終端部には狭い間隔で列状に植
設した線状歯40d・・とソリッド歯40e ・・とを周方向
に間隔を隔てて交互に植設してあり、前記受網24の前部
を取付けた板24a は前端の急傾斜部とそれに続く緩傾斜
部24b とからなり、緩傾斜部24b には多数の漏下孔24c
・・を穿設してある。また、脱穀処理中に扱口21からフ
ィードチエン22側へ飛散した穀粒は側壁と移送室14a と
の間を通って図５に矢印で示す如く揺動選別体25上に落
入する。

【００１１】［処理部］ 処理胴16は外周面に処理物を後方へ移行させるリード角
を有する多数のソリッド型の処理歯16a ・・を有し、排
出口42と対応する部位には板面が処理軸17と直交する処
理歯16b ・・を植設してあり、前記排出口42は前記吸引
風車34の吸入口に直接対面しており、該吸引風車34は前
記揺動選別体25より上方に位置して選別室13を上方へ吸
引して一番物及び二番物の風選性能を向上させると共に
前記排出口42より低位になっているので、藁屑が濡れて
いてもそれを確実に吸引排出することができ、処理胴受
網41は処理胴16と対向する部位に図６に示す如く外側中
間部から内側上部に亘って張設してある。

【００１２】また、前記排出口42と吸引風車34の前部側
には図４に示す如く平面視で該吸引風車34に向けて拡開
した前誘導板43を連設してあり、排出口42から処理歯16
a により放擲された排塵物は吸引風車34により吸引排出
され、その間に風選され、残留する穀粒が落下して回収
される。その際、図７ｂに示すように前記排出口42の下
部近傍の後壁19と前誘導板43から垂下したブラケット43
a とで支承した支軸49a に、多数の平行なスポーク49・
・を櫛歯状に配列すると共に上記支軸49a をクランクア
ーム49b とロッド49c を介して処理軸17により駆動する
と、濡れた穀稈を脱穀した場合には比重の大なる藁屑が
前記スポーク49・・により藁屑が落下することなく篩選
別され、藁屑は吸引風車34により機外に確実に排出され
る。

【００１３】更に、前記処理室14b の後壁19a はボルト
45, 45に着脱可能になっており、前記カッタ10を穀粒タ
ンク７側ヘ90度旋回させて選別室13の後面を開放し、ボ
ルト45, 45を抜き取って処理胴16を後方へ引き出すと、
処理軸17の前端がスプロケット17b から抜け出し、処理
胴16及び移送螺旋15並びに処理軸17を一体的に取出すこ
とができる。

【００１４】更にまた、前記移送螺旋15の下部側は多数
の漏下孔15a ・・を有する鉄板15bで覆われており、処
理胴受網41は図６に示すように内側下部で２分割されて
いて該分割部を、パイプが熔接されている貫通枠44に固
定し、該貫通枠44は前記鉄板15b をも図５に示す如く支
持していて、前端は入口板18に螺着され、中間部は扱室
の出口板18a を貫通して支持され、後端は後壁19a に螺
着されている。

【００１５】［穀粒排出装置及び二番還元装置］ 一番受樋２８の移送終端には揚穀筒４６を立設してあ
り、この揚穀筒４６の上端の放出部は前記穀粒タンク７
の上部に開口して連通しており、二番受樋３０の移送終
端には斜め前方上方に向かう螺旋型の二番還元筒４７を
立設してあり、この二番還元筒４７の上端に取付けた投
擲ケーシング４７ａの吐出口は、図４及び図１４に示す
如く、前記扱室１２の側部とは直接対向しない扱室１２
の出口板１８ａより後方部位で、かつ選別室１３の側板
の前記一番漏下選別部２９の上方近傍と対応する部位
に、斜め前方の前記流板２７ａ上に向けて開口してお
り、二番移送螺旋３０ａで穀粒タンク７側へ移送された
二番物は二番還元筒４７内の揚送螺旋により揚送され、
上端ではその螺旋軸に固定されていて上方からみて反時
計方向に回転する投擲羽根４７ｃにより流板２７ａに向
けて投擲され、その際、前記吐出口が対面する選別室１
３は扱室１２の後方にあってその上部は全幅に亙って高
くなっているので、従来の吐出口が扱室１２の側部（受
網等）と対向しているもののように、吐出口から投擲さ
れる二番物がその口元において扱室１２の受網２４等か
ら落下中の脱穀物に邪魔されたり、扱室１２によって投
擲範囲を制限されたりすることがなく、流板２７ａの全
幅に亙って良く分散した状態で投入されることとなり、
投擲された二番物は受網２４から漏下した被選別物と共
に幅方向において略均等な厚さになり、この状態で波型
移送板２６により揺動移送される間に比重選別されて穀
粒が下層になり、藁屑のような軽いものが上層になって
流下する平板状の流板２７ａ上を流下している被選別物
に衝突して全幅に亘り広範囲に分散する。

【００１６】また、前記揚穀筒46と二番還元筒47の交叉
部は図18に示す如く連結金48及び螺子により着脱可能に
連結して両者が機壁を介して枠組をなすようにしてあ
り、揚穀筒46と二番還元筒47の基部の対向する部位には
取出口46a , 47d を設けてあり、それらの取出口46a ,
47d には第15図に示すように蓋50, 50を着脱可能に螺着
するか、又は図17に示すように上部を螺着すると共に外
周に穀粒を溜める縁50aを有し下部は蝶着した蓋50, 50
を付設して掃除することができるようにしてあり、前記
揚穀筒46及び二番還元筒47の直下には上記取出口46a, 4
7dから掻き出した穀粒を受けることが可能な単一の受皿
51を設けてある。更に、前記投擲ケーシング47a の外周
板47b は一端を蝶着し、他端を螺着して第16図に示すよ
うに開閉可能にしてある。

【００１７】［処理室と四番口］ 処理室14b は図５〜７に示すように扱室12と反対側へ偏
位していてその前部は扱室12の下部寄りに位置してお
り、排稈口52の後方には、平面視で後部が穂側へ偏位
し、側面視で水平で、かつ平行な一対の搬送チエンから
なる排藁搬送装置53を設け、該排藁搬送装置53により搬
送される穀稈から落下する穀粒を回収する四番口55は図
６及び図13に示す如くフィードチエン22の内側から機幅
の中間部に向けて斜めに垂下した内側流板ａと、後部か
ら斜め前下方へ垂下した後部流板ｂと、排藁搬送装置53
の穂側に沿って斜め外側方へ張出した部位から機壁内に
向けて垂下した外側流板ｃとを漏斗状に結合して構成し
てあり、処理胴受網41から漏下した被選別物は前記内側
流板ａに阻止されて揺動選別体25のフィードチエン22側
へ落入し、四番口55に落下した刺粒はフィードチエン22
と反対側へ落入して選別される。

【００１８】また、前記内側流板ａの下端と処理胴16寄
りの側板との間隔Ｌ₁ は他方の側板との間隔Ｌ₂ より大
となして吸引風車34から離れた側で送風風車33からの選
別風が多く吹き上げるようにしてある。

【００２０】［機枠］ 脱穀装置１の機枠は図１及び図14に示すように左右の側
板56, 56、入口板18及び後壁19は前部より後部が高くな
る斜めの分割線57で上下に分れており、この分割線部分
を複数の螺子58・・により着脱可能に締着してあるの
で、後部が高くなるように傾斜した揺動選別体25を下部
の機枠に支持し、扱胴11と処理胴16を上部機枠にそれぞ
れ前部が低くなるように軸支することにより、上部機枠
を分解して揺動選別部等を容易に整備することができ
る。

【００２１】［巻付防止装置］ 前記フィードチエン22の外側から排藁搬送経路の外側と
対応する部位は図１、図５及び図６に示すようにカバー
70で覆ってあり、該カバー70の上部は前記フィードチエ
ン22のチエンプレートに狭い間隙を隔てて立上がり、上
端は略水平に折曲して前記チエンプレートに更に近接せ
しめて端縁部に形成してある。また、前記カバー70のフ
ィードチエン終端回行部と対応する部位は図１に示すよ
うに上記フィードチエン22の終端回行部の回行軌跡より
遥かに大きな曲率半径の円弧状に弯曲せしめるか、又は
緩やかな角度のへ字状になるように折曲して屈曲部70a
に構成されており、その結果、前記終端回行部の前半部
より手前側部分、即ち、フィードチエン22が斜め後方へ
向かって下降する過程でカバー70の内側へ入り、側面視
における交叉角が鋭角をなしている。

【００２２】［作用］ 前述のコンバインにおける脱穀装置１において、供給さ
れた穀稈の株元部はフィードチエン22と挟扼レール23に
より挟持搬送され、穂側は供給口から扱室12に挿入され
て扱胴11により脱穀処理される。 その際、挿入された
穀稈は扱胴11の始端のソリッド歯40・・により急速に後
部へ移行し、円錐部の基部寄りの線状歯40a ・・とそれ
に続くソリッド歯40b とにより脱穀初期に一挙に多量の
穀粒が脱粒されるのを抑制しながら通常の扱歯40c ・・
に移行させて略平均的に脱粒処理し、終端部においては
列状に並んだ線状歯40d ・・により梳きながら該線状歯
40d ・・で移動を抑制される穀稈をリード角を有するソ
リッド歯40e により排出を促進して刺粒を取除き、排藁
は排稈口52から排出され、それが排藁搬送装置53により
斜め後方へ搬送される間に残留する刺粒が前述のように
四番口55へ落入する。

【００２３】一方、受網24及び漏下孔24c から漏下した
穀粒及び小さな藁屑は揺動選別体25の波型移送板26、流
板27a 上へ落下して移送選別され、二番還元筒47からの
二番物は前記流板27a の幅全体に衝突して分散合流し、
穀粒は送風風車33の選別風により風選されながら漏下選
別部29から一番受樋28に落入し、上記漏下選別部29上に
残った二番物を含む藁屑はストローラック31に移行して
篩選別されると共に横断流ファン35からの選別風により
風選されて二番受樋30に落入し、前記二番還元筒47へ移
送される。

【００２４】他方、前記扱室12内で発生した脱穀物の
内、長藁や穂切れ等は送塵口20から処理部14の移送室14
a に入り移送螺旋15により分離されると共に移送されな
がら或程度処理されてから処理室14b に送込まれ、同時
に穀粒は漏下孔15a ・・から漏下し、処理胴16は被処理
物をその周面に植設された処理歯16a ・・により後方へ
移動させながら穂切れの脱粒と長藁の切断を行ない、単
粒化された穀粒及び細分化された藁屑等は処理胴受網41
から漏下して前記揺動選別体25上の他側寄りに合流して
揺動選別される。

【００２５】その間、前記送風風車33からの選別風は一
番漏下選別部29を吹き抜けながら一番穀粒を選別すると
共に図６に示す如く機幅の中間部に向けて斜めに垂下し
た内側流板ａにより集められ、これが前記処理胴受網41
から処理室14b 内を通って被処理物の分散を助長してか
ら排出口42（一部は処理胴受網41から吹き出す）から吹
き出し、処理室14b の後端に移動した処理済の藁屑はリ
ード角を有しない処理歯16b ・・により排出口42から吸
引風車34に向けて投擲され、吸引風車34は前誘導板43と
後壁19とにより構成されるサイクロン選別風により風選
し、穀粒は下方のストローラック31上に落下して回収さ
れ、浮遊する藁屑等は主として前記吸引風車34により機
外に吸引排出され、残った藁屑等は横断流ファン35から
の選別風により風選されてストローラック31で排塵口36
から後方へ排出される。

【００２６】

【考案の効果】本考案は、扱室１２の下方からその後方
の選別室１３に亙る選別風路に一番漏下選別部２９を有
する揺動選別体２５を架設し、その下方に一番移送螺旋
２８ａが内装された一番受樋２８と二番移送螺旋３０ａ
が内装された二番受樋３０を設け、前記一番受樋２８の
終端に連設した揚穀筒４６と、二番受樋３０の終端に連
設されていて揚送螺旋を内装した二番還元筒４７とを立
設した脱穀機において、前記二番還元筒４７の上端に投
擲羽根４７ｃが内装されてた投擲ケーシング４７ａを装
着し、該投擲ケーシング４７ａの吐出口を、扱室１２の
出口板１８ａより後方部位で、かつ選別室１３の側板の
前記一番漏下選別部２９の上方近傍と対応する部位に、
斜め前方に向けて開口させて、二番還元筒４７により揚
送された二番物を前記揺動選別体２５の一番漏下選別部
２９より前方部位に幅広く投擲還元するように構成した
ので、脱穀物が濡れていても確実に揚送還元することが
できるものでありながら、扱室１２が障害にならない広
い選別室１３に投入し得て二番還元筒４７の詰まりを防
止することができる。また、揚送した二番物を投擲ケー
シング４７ａ内の投擲羽根により吐出口から揺動選別体
２５上に投入する際、従来の吐出口が扱室１２の側部と
対向しているもののように、扱室１２が障害になったり
吐出口から投擲される二番物がその口元において扱室１
２から落下中の脱穀物に邪魔されたりすることが極力防
止され、扱室１２の後方の広い選別室１３内に自在に分
散されながら還元することにより、二番還元物が揺動選
別体２５の一側に片寄ることがなく良好な篩選別及び風
選を行うことができる。しかも、揚送された二番物は、
投櫛ケーシング４７ａの吐出口が選別室１３の側壁から
斜め前方の一番漏下選別部２９の始端側へ還元すること
ができるので、二番物中の穀粒を一番漏下選別部２９で
漏下させて回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの側面図である。

【図２】同上平面図である。

【図３】脱穀装置の縦断側面図である。

【図４】同上縦断平面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ断面図である。

【図６】同上Ｂ−Ｂ断面図である。

【図７ａ】同上Ｃ−Ｃ断面図である。

【図７ｂ】同上他の例の断面図である。

【図８】背面図である。

【図９】扱室の供給部の正面図である。

【図１０】処理胴を抜き取った状態の側面図である。

【図１１】処理軸の取付装置の断面図である。

【図１２】図６のＤ−Ｄ断面図である。

【図１３】排藁搬送装置と四番口等を示す平面図であ
る。

【図１４】揚穀筒及び二番還元筒側の側面図である。

【図１５】同上一部の側面図である。

【図１６】揚穀筒の上部の平面図である。

【図１７】揚穀筒の下部の分解斜視図である。

【図１８】図１５のＥ矢視図である。

【図１９】カッタを後方へ退避回動させた状態の斜視図
である。

【図２０】背面図である。

【図２１】二番物放出状態を示す平面図である。

【符号の説明】

12 扱室 13 選別室 24 受網 25 揺動選別体 28 一番受樋 29 一番漏下選別部 30 二番受樋 47 二番還元筒 47a 投擲ケーシング 47c 投擲羽根

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大谷 貴則 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番 地１ 三菱農機株式会社内 (72)考案者 伊藤 昇 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番 地１ 三菱農機株式会社内 審査官 吉田 英一 (56)参考文献 特開 昭53−11654（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−62659（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−20844（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱室１２の下方からその後方の選別室１
   ３に亙る選別風路に一番選別部２９を有する揺動選別体
   ２５を架設し、その下方に一番移送螺旋２８ａが内装さ
   れた一番受樋２８と二番移送螺旋３０ａが内装された二
   番受樋３０を設け、前記一番受樋２８の終端に連設した
   揚穀筒４６と、二番受樋３０の終端に連設されていて揚
   送螺旋を内装した二番還元筒４７とを立設した脱穀機に
   おいて、前記二番還元筒４７の上端に投擲羽根４７ｃが
   内装された投擲ケーシング４７ａを装着し、該投擲ケー
   シング４７ａの吐出口を、扱室１２の出口板１８ａより
   後方部位で、かつ選別室１３の側板の前記一番漏下選別
   部２９の上方近傍と対応する部位に、斜め前方に向けて
   開口させて、二番還元筒４７により揚送された二番物を
   前記揺動選別体２５の一番漏下選別部２９より前方部位
   に幅広く投擲還元するように構成したことを特徴とする
   脱穀機における二番還元装置。