JPH01202487A - 孔版印刷物裏移り防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、孔版印刷の技術分野に係り、特に孔版印刷物
の裏移りを防止する装置に係る。

従来の技術 孔版印刷は孔版原紙に明けられた微細な孔を通って孔版
原紙の一方の側よりその他方の側へ押出されたインキを
被印刷面上に付着させることにより行われるものである
ことから、極く微細な画像部に於ても鮮明な印刷画像を
得んとすれば、印刷画像を構成するインキ層の厚みは、
比較的粗い画像部では、平版印刷或いは凸版印刷に於け
るそれが４〜６μ程度であるのに比して、４０μ又はそ
れ以上となり、そのインキ層が乾燥する前に印刷画像が
他のもの、特に引続き行われた次の印刷物の裏面に接触
すると、印刷画像を構成するインキの一部が次の印刷物
の裏面に移転するという所謂裏移りを生ずる。

かかる裏移りの問題に対処して、孔版印刷画面上に熱風
を吹付は或いはこれに赤外線等の熱線を照射し、インキ
を早期に乾燥させることが試みられてはきたが、上述の
如くインキ層はかなり厚く、また孔版印刷に使用される
に好ましいインキは一般に油相中に５０〜７５ｖｔ％に
及ぶ微細な水滴を含むＷ１０型エマルジョンインキであ
り、水の比熱は大きいことから、これを短時間に乾燥さ
せるには極めて強力な熱風或いは熱線を必要とし、実用
機に於てそれを十分に実施することは非常に困難であり
、また費用を要することである。しかも尚、今日孔版印
刷機は著しく高速化しており、短時間に多量の印刷物が
作られることから、−枚の印刷物の画面の乾燥に許され
る時間は著しく短縮されて来ており、熱風或いは熱線等
による印刷画面の十分な乾燥はより一層困難となってい
る。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記の如き孔版印刷に於ける裏移りの問題に
対処し、この裏移りをより簡単に且効果的に防止するこ
とのできる装置を提供することを目的としている。

かかる目的は、本発明によれば、孔版印刷物の裏移りを
防止する装置にして、シリコン樹脂、ポリテトラフルオ
ルエチレン等の臨界表面張力の低い物質を用いて剥離性
向上加工を施された周表面を有し中心軸線の周りに回動
可能なよう支持された第一のローラと、前記第一のロー
ラの中心軸線に平行に配置された中心軸線の周りに回動
可能なよう支持されその周表面と前記第一〇ローラの周
表面との間に孔版印刷物を挾んで送る挾み領域を形成す
る第二のローラと、前記第一のローラと前記第二のロー
ラの少なくとも一方をその中心軸線の周りに回転駆動す
る回転駆動手段と、前記第一のローラの周表面に当接し
該第一のローラがその中心軸線の周りに回転するときそ
の周表面に対し相対的に移動して該周表面を拭う拭い手
段とを有し、前記挾み領域を通って孔版印刷物をその印
刷面が前記第一のローラの周表面に接触するよう送るべ
く構成されていることを特徴とする装置によって達成さ
れる。

作用及び効果 孔版印刷画像が裏移りを生ずるのは、上述の如く印刷画
像を構成するインキ層が特に印刷画像の粗い部分に於て
必要以上に厚くなっていることによるものであり、この
ことは、印刷画像の裏移りが生じても、裏移りを起させ
た印刷画像の画像濃度は何ら実質的な劣化を生じないこ
とからも理解される。従って孔版印刷に於ける裏移りを
防止する一つの新たな方法として、孔版印刷のメカニズ
ム上印刷に当って止むを得ず生ずるインキの局部的余剰
供給に対処し、画像濃度に実質的に影響しないその局部
的余剰分のみをインキが未だ柔かいうちに剥離除去する
ことが考えられる。

一方、昨今、ドアや壁に種々の表示を施したり、包装物
に封止を施したり、郵便物に宛名を付したりするための
手段として、一般に「シール」と称される、裏面に予め
接着剤を施された紙片が多く使用されており、これらの
「シール」はシリコン樹脂、ポリテトラフルオルエチレ
ン等の臨界表面張力の低い物質を用いて剥離性向上加工
を施された裏紙上に貼り付けられた状態にて供給され、
使用者は使用の都度各シール片を裏紙より引き剥して所
要の箇所に貼り付けることができるようになっている。

このシール担持用裏紙の剥離性向上加工を施された面は
、シールの裏面に施された接着剤の層に対しシールを安
定に保持するに必要な接合性を呈し、しかもシールの引
き剥しに当ってはその接着層と容易且良好に分離する性
質を有するものであるが、かかる剥離性向上加工面は、
上述の如く４０μ又はそれ以上の如き比較的厚いインキ
層にその上から押し当てられまたそれより引離されると
、インキ層の分断に抗するインキの凝集力よりも強い力
にてインキ層と接合し、インキ層の上層部を残りのイン
キ層より剥ぎ取ることができる。しかもかくして剥離性
向上加工面上に保持されたインキは、剥離性向上加工面
内へ浸透することはなく、剥離性向上加工面が布等の拭
い手段により拭われる時にはそこに付着し保持されてい
たインキは容易に拭い取られる。

本発明は、孔版印刷画像の裏移り防止を局部的余剰イン
キの剥離除去によって行わんとする上述の技術思想に、
シリコン樹脂、ポリテトラフルオルエチレン等の臨界表
面張力の低い物質を用いて剥離性向上加工を施された表
面の上述の如きインキに対する接着性と非浸透許容性と
拭いによる解放性とを合せ持つ性質を利用し、印刷直後
の湿った孔版印刷画像に剥離性向上加工を施された面を
押し当て、孔版印刷画像を構成するインキ中に於ける局
部的余剰インキを剥ぎ取ってこれを該剥離性向上加工面
へ移転させることにより、孔版印刷物の裏移りを防止す
ることを提案するものである。

そして剥離性向上加工面上に付性したインキは、該剥離
性向上加工面が拭い手段によって拭われることにより容
易にこれより拭い取られ、剥離性向上加工面はその上に
インキの蓄積を生ずることなく容易に元の状態に戻され
るので、かかる剥離性向上加工面を一つのローラの周表
面の形にて与え、この周表面をローラの回転によって順
次孔版印刷物の画像面に接触させ、この接触によって孔
版印刷画像よりインキを付加された周表面をローラの回
転に伴って順次拭い手段により拭い取るようにすれば、
多数の孔版印刷物の裏移り防止を単一のローラによって
連続的に行うことができる。

実施例 以下に添付の図を参照して本発明を一つの実施例につい
て詳細に説明する。

第１図は本発明による孔版印刷画像移り防止装置の一つ
の実施例の構造を解図的に示す側面図であり、第２図は
第１図に示す装置を第１図にて右方より見た側面を同じ
く幾分解図的に示す図である。

これらの図に於て、１はシリコン樹脂、ポリテトラフル
オルエチレン等の臨界表面張力の低い物質を用いて剥離
性向上加工を施された周表面を有するローラであり、そ
の両端に於ける軸２ａ１２ｂがそれぞれ軸受３ａｓ３ｂ
によってケーシング４より回動式に支持されることによ
り、その中心軸線の周りに回動可能なように支持されて
いる。

ローラ１の下方には弾力性に富む周表面を有し該周表面
にてローラ１の周表面に当接するローラ５が設けられて
おり、ローラ５はその両端に突き出た輔６ａ、６ｂがそ
れぞれ軸受７ａ、７ｂを経てケーシング４より回転可能
に支持されていることにより、その中心軸線の周りに回
動可能に支持されている。

ローラ１とローラ５とはそれらの軸２ｂ及び軸６ｂにそ
れぞれ取付けられて互いに噛合った歯車８及び９により
互いに同一の周速度にて第１図にて矢印により示されて
いる如く互いに反対方向に同期して回転するようになっ
ており、この回転は軸６ｂが電動機１０により駆動され
ることにより生ずるようになっている。但しローラ１及
びローラ５の回転駆動は、両者の直接の接触或いは後述
の如く両者の間に挾み込まれる印刷物シートを介しての
突合せによる摩擦係合により互いに同時に反対方向へ回
転しようとするので、その何れか一方のみが動力装置に
より直接駆動されるようにされてもよい。

かくしてローラ１と５の間には図示の如く孔版印刷物で
あるシートＳを挾んで送る挾み領域１１が形成され、こ
の領域にシートＳの先端が差込まれると、該シートはロ
ーラ１と５の間に押圧された状態にてこれらローラの回
転に伴って第１図にて左方より右方へ向けて送られる。

図に於て１２及び１３はそれぞれ挾み領域１１の上流側
及び下流側にてシートＳを支持するローラであり、また
１４及び１５はそれぞれ挾み領域１１の上流側及び下流
側にてシートＳを案内する案内板である。

ローラ１の上方にはその周表面へ向けてローラ１６が弾
力的に押付けられている。これは第２図に於てその一方
の端部についてのみ示されている如く、ローラ１６の端
部に設けられた軸１７がこれを下方へ弾性的に押付ける
ばね１８を含む軸受装置１９によりその両端部をケーシ
ング４より支持されていることにより達成されている。

ローラ１とローラ１６の周表面の間には拭いシート供給
ロール２０より引出された不織布の如き拭いシート２１
が通されており、この拭いシートがローラ１６によりロ
ーラ１の周表面に対し拭い作用を与えるに十分な強さに
て押付けられ、ローラ１の表面に対し拭い作用を与える
ようになっている。ローラ１の表面を拭い終えた拭いシ
ート２１は軸２２の周りにその一端より取外し可能に装
着されたボビン２３上に巻き取られるようになっている
。

軸２２にはウオームホイール２４が取付けられており、
このウオームホイールがローラ１．の軸２ｂと共に回転
駆動されるかさ歯車２５、それと噛合ったかさ歯車２６
によってそれと同軸に駆動されるウオーム２７によって
回転駆動されることにより、ローラ１及び５の回転に伴
ってそれらの回転速度に比して大きく減速された速度に
て回転駆動され、ローラ１の回転に伴って拭いシート２
１を少しづつその供給ロール２０より引出し、ローラ１
の表面に当接する拭いシートを順次少しづつ新しくシ、
拭い終わった拭いシートをボビン２３上に巻き取るよう
になっている。

以上の如く構成された装置に於て、シートＳの如き印刷
直後の孔版印刷物をその印刷画面を上にしてローラ１と
５の間の挾み領域１１を通過させると、シートＳ上の孔
版印刷画像に於けるインキの内のシートに十分保持され
ない余剰分はローラ１のシリコン樹脂、ポリテトラフル
オルエチレン等の臨界表面張力の低い物質を用いて剥離
性向上加工を施された周表面上に移転してここに付着し
、シートＳより取去れ、これによってこの装置を通過し
たシートＳの孔版印刷面はその上に次の印刷物が重ねら
れても最早裏移りを生じなくなる。

ローラ１の剥離性向上加工を施された周表面上に付着し
たインキは、ローラの回転に伴って拭いシート２１によ
り拭い取られて該拭いシート上に移転し、拭いシート２
１との接触部を通過したローラ１の周表面は再び清浄な
表面となり、再び孔版印刷画面との接触のため挾み領域
１１へ向けて送られる。

拭いシート２１はローラ１の周表面との接触部に於てそ
こに付着したインキを拭い取ることによりインキにて汚
染されるが、シート２１は上述のシート送り機構によっ
て順次少しづつ送られているので、ローラ１の周表面に
対し常時必要な清浄作用を与えることができる。拭いシ
ート２１は供給ロール２０の形にて供給され、各供給ロ
ールが消尽する毎に新しいものと取換えられ、また同時
にボビン２３上に巻き取られた使用済みの拭いシートは
ボビン２３と共に廃棄され、新たなボビン２３が装着さ
れればよい。尚拭いシート２１の送り方向は図示の如く
ローラ１の周表面の移動方向に対し反対方向とされるの
がローラ１の周表面の拭い仕上りをより清浄にする上で
好ましい。

以上に於ては本発明を一つの特定の実施例について詳細
に説明したが、本発明がかかる実施例にのみ限られるも
のではなく、本発明の範囲内にて他に種々の実施例が可
能であることは当業者にとって明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による孔版印刷画像移り防止装置の一つ
の実施例を解図的に示す側面図、第２図は第１図に示す
装置を図の右方より見た状態を幾分解図的に示す図であ
る。 １−ｏ−ラ、２ａ１２ｂ−・・軸、３ａ％３ｂ・・・軸
受、４・・・ケーシング、５・・・ローラ、６ａ、６ｂ
・・・軸、７　ａ　ｓ　７　ｂ・・・軸受、８．９・・
・歯車、１０・・・電動機、１１・・・挾み領域、１２
．１３・・・ローラ、１４．１５・・・案内板、１６・
・・ローラ、１７・・・軸、１８・・・ばね、１９・・
・軸受装置、２０・・・拭いシート供給ロール、２１・
・・拭いシート、２２・・・軸、２３・・・ボビン、２
４・・・ウオームホイール、２５．２６・・・かさ歯車
、２７・・・ウオーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　孔版印刷物の裏移りを防止する装置にして、シリコン
   樹脂、ポリテトラフルオルエチレン等の臨界表面張力の
   低い物質を用いて剥離性向上加工を施された周表面を有
   し中心軸線の周りに回動可能なよう支持された第一のロ
   ーラと、前記第一のローラの中心軸線に平行に配置され
   た中心軸線の周りに回動可能なよう支持されその周表面
   と前記第一のローラの周表面との間に孔版印刷物を挾ん
   で送る挾み領域を形成する第二のローラと、前記第一の
   ローラと前記第二のローラの少なくとも一方をその中心
   軸線の周りに回転駆動する回転駆動手段と、前記第一の
   ローラの周表面に当接し該第一のローラがその中心軸線
   の周りに回転するときその周表面に対し相対的に移動し
   て該周表面を拭う拭い手段とを有し、前記挾み領域を通
   って孔版印刷物をその印刷面が前記第一のローラの周表
   面に接触するよう送るべく構成されていることを特徴と
   する装置。