JPH0120244B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0120244B2
JPH0120244B2 JP60030584A JP3058485A JPH0120244B2 JP H0120244 B2 JPH0120244 B2 JP H0120244B2 JP 60030584 A JP60030584 A JP 60030584A JP 3058485 A JP3058485 A JP 3058485A JP H0120244 B2 JPH0120244 B2 JP H0120244B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
coagulable
spinning
spinning dope
coagulable liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP60030584A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60215809A (ja
Inventor
Shigeo Aoyanagi
Kazuaki Takahara
Yukio Kyota
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP3058485A priority Critical patent/JPS60215809A/ja
Publication of JPS60215809A publication Critical patent/JPS60215809A/ja
Publication of JPH0120244B2 publication Critical patent/JPH0120244B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、中空糸の製造装置に関するものであ
る。詳しく述べると、人工腎臓装置等に使用され
る透析用中空糸の新規な製造装置に関するもので
ある。 先行技術 最近、浸透作用、限外濾過作用等を利用する人
工腎臓装置の発展はめざましく、医療界において
広く使用されている。しかして、このような人工
腎臓装置においては極めて細い透析用中空糸が最
も重要な部材となつている。 透析用中空糸の代表的なものとしては、(1)全繊
維長ならびに全周にわたつて数μmないし60μmの
均一な壁厚および外径10μmないし数百μmの均一
な真円形の横断面を有し、かつ延伸配向されてな
る全繊維長にわたつて連続貫通した中空糸(特公
昭50−40168号)、(2)断面構造において外表面に近
い構成部分が内面に近い構成部分および中間部分
に比べて密な多孔構造に組成されてなる銅アンモ
ニア再生繊維素からなる中空人造繊維体(特公昭
55−1363号)、(3)中空コアを有する銅アンモニア
再生セルロース管状体の湿潤時における電子顕微
鏡的観察において、横断面ならびに縦断面の全体
が大きくとも200Å以下の微細間隙を有する実質
上均質かつ緻密な多孔構造体からなり内外表面と
もスキンレスで平滑な表面性状を有する銅アンモ
ニア再生セルロースからなる透析用中空繊維(特
開昭49−134920号)等がある。しかして、これら
の中空糸は、いずれも銅アンモニアセルロース紡
糸原液を環状紡糸孔から空気中に押出し、その下
方に自重落下させ、その際、線状に紡出される紡
糸原液の内部中央部に該紡糸原液に非凝固性液体
を導入充填して吐出させ、それから自重落下によ
り充分に延伸したのち、希硫酸溶液中に浸漬し凝
固再生を行なうことにより製造している。 これらの中空糸を用いて人工腎臓装置のような
透析装置を作るには、例えば両端部付近に入口管
および出口管をそれぞれ設けてなる管状本体に、
前記中空糸の束を挿入したのち、その両端をポリ
ウレタン等の樹脂で前記管状本体の両端部ととも
にそれぞれシールすることにより行なわれ、例え
ば熱交換器におけるシエル・アンド・チユーブ式
装置に類似した構成のものとされている。 従来技術の問題点 しかしながら、前記のように、従来、これらの
中空糸は、いずれも銅アンモニアセルロース紡糸
原液を空気等のガス状雰囲気中に押出して自重落
下させたのちに、凝固液中に浸漬して凝固再生し
て製造されるので、ガス状雰囲気中を落下する間
にアンモニアがある程度分離して表面から凝固し
始める。したがつて、得られる中空糸はその製法
によつて程度の差こそあれ、いずれも外側表面に
スキンが生成するので、内外両表面部および内部
が均質なものは得られない。このため、このよう
な中空糸を透析装置に使用した場合、内側表面部
および内部と外側表面部とで生成する微細孔の孔
径が異なるので、性能が一定せず良好な透析効果
は得られ難いという欠点があつた。また、前記従
来法においては、紡糸ノズルはガス状雰囲気中に
あるため、吐出原液および内部非凝固性液体の温
度管理が困難であつた。 さらに、前記従来法においては、ノズルから紡
出された線状紡糸原液内部の非凝固液が洩れた場
合、これが凝固液の上層に浮上するので、前記線
状紡糸原液が凝固液中に浸漬する際に該非凝固液
層中をも通過するので、これが切糸の原因となつ
ている。 発明の目的 本発明は、前記のごとき従来法の諸欠点を解消
するためになされたもので、環状紡糸原液および
該環状紡糸原液の内部に該紡糸原液に対する非凝
固性液を吐出する口金装置と、該口金装置に連通
する紡糸原液供給手段および非凝固性液供給手段
と、前記口金装置の環状紡糸孔より非凝固性液体
の液面までの距離が50〜250mmとなるように、前
記口金装置を底部に収納した非凝固性液槽と、該
非凝固性液槽を底部に収納した凝固性液槽と、該
凝固性液槽内であつて、前記非凝固性液の液面か
らの距離が5〜30mmの位置に設けられた前記口金
装置より吐出された紡糸原液の進行方向を変向す
る変向棒と、前記凝固性液槽より凝固した紡糸原
液を引き上げる引き上げ装置とを有することを特
徴とする中空糸製造装置である。 発明の具体的説明 つぎに、図面を参照しながら本発明の中空糸の
製造装置を詳細に説明する。 第1図において、環状紡糸原液および該環状紡
糸原液の内部に該紡糸原液に対する非凝固性液を
吐出する口金装置25は、紡糸原液供給手段およ
び非凝固性液供給手段とに連通している。該口金
装置25には、環状紡糸孔が上向きまたは凝固性
液面に向つてに設けられており、該口金装置25
は、非凝固性液槽1内に設けられている。該非凝
固性液供給手段は、流量計12と導管13から、
また該紡糸原液供給手段は、フイルター9、ポン
プ7および導管8から構成されている。 口金装置25の環状紡糸孔より非凝固性液の液
面までの距離が50〜250mmとなるように、前記口
金装置を底部に収納した非凝固性液槽1は、凝固
性液槽26の底部に収納されており、また該非凝
固性液槽1内部には、紡糸口金装置25が収納さ
れている。ここで、該紡糸口金装置25の上部に
設けられている環状紡糸孔から非凝固性液の液面
までの距離(L2)は、50〜250mm、好ましくは
100〜200mmである。 変向棒15は、凝固性液槽26内で、かつ非凝
固性液槽1の上方に設けられている。該変向棒1
5と紡糸口金装置25との間に、非凝固性液また
は凝固性液の液面があり、該変向棒15と該液面
との距離(L1)は、5〜30mm、好ましくは、10
〜20mmである。 引き上げ装置は、ロール16と巻取り装置17
から構成されており、該ロール16は、凝固性液
槽26の上部に取り付けられている。 また、本発明の中空糸製造装置は、次ぎのよう
に説明される。 第1図に示すように、底部に非凝固性液槽1を
設けた浴槽2において、前記非凝固性液槽1に下
層としてハロゲン化炭化水素よりなりかつ前記セ
ルロース系紡糸原液に対する非凝固性液3を、ま
た上層として前記非凝固性液よりも比重が小さく
かつ前記セルロース系紡糸原液に対する凝固性液
4を供給して二層からなる浴液を形成させる。 原液貯槽5内のセルロース系紡糸原液6をポン
プ(例えばギヤポンプ)7により導管8よりフイ
ルター9に圧送し、濾過したのち、紡糸口金装置
25の上向きに設けられた環状紡糸孔(図示せ
ず)から前記下層の非凝固性液3中に直接押す。
その際、内部液貯槽10内に貯蔵されている前記
紡糸原液に対する非凝固性液11を内部液として
自然落差により流量計12に供給したのち、導管
13より前記紡糸口金装置25に供給し、前記環
状に押出された環状紡糸原液14の内部中央部に
導入して吐出させる。環状紡糸孔より押出された
線状紡糸原液14は、内部に非凝固性液11を含
んだままなんら凝固することなく下層の非凝固性
液3中を上方へ進む。この場合、線状紡糸原液1
4は前記非凝固性液との比重差によりその浮力を
受けながら上昇する。ついで、この線状紡糸原液
14は上層の凝固性液4中に上昇するので、これ
を該凝固性液4中に設けられた変向棒15により
変向させて前記凝固性液4中を充分通過させたの
ち、ロール16により引上げたのち、巻取装置1
7により巻取つて次工程へ送る。 なお、この場合、前記浴槽2には供給口18よ
り恒温循環液19を供給し、かつ排出口20より
排出させることにより凝固性液4を所定の温度、
例えば20±2℃の温度に保持させることができ
る。使用後あるいは液交換時には非凝固性液3は
排出口21より弁22を介して排出される。同時
に、使用後あるいは液交換時には凝固性液4は排
出口23より弁24を介して排出される。 本発明方法において使用されるセルロース系紡
糸原液としては、銅アンモニアセルロース等の金
属アンモニアセルロースである。セルロースとし
ては種々のものが使用できるが、一例を挙げる
と、例えば平均重合度200〜2500のものが好まし
く使用される。しかして、銅アンモニアセルロー
ス溶液は常法により調製される。例えば、まずア
ンモニア水、塩基性硫酸銅水溶液および水を混合
して銅アンモニア水溶液を調製し、これに酸化防
止剤(例えば亜硫酸ナトリウム)を加え、ついで
原料セルロースを投入して撹拌溶解を行ない、さ
らに水酸化ナトリウム水溶液を添加して未溶解セ
ルロースを完全に溶解させて銅アンモニアセルロ
ース溶液を得る。この銅アンモニアセルロース溶
液には、さらに透過性能制御剤を混合して配位結
合させてもよい。 透過性能制御剤としては、例えば構成単量体単
位中に10〜70当量%、好ましくは15〜50当量%の
カルボキシル基を含有する数平均分子量500〜
200000、好ましくは1000〜100000を有する重合体
ないし共重合体のアンモニウム塩またはアルカリ
金属塩がある。このような重合体としては種々あ
るが、一例を挙げると、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体と
他の共重合性単量体との共重合体やポリアクリロ
ニトリルの部分加水分解生成物がある。しかし
て、共重合性単量体としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート等のアルキルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタク
リレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ヒドロ
キシアルキルアクリレート(またはメタクリレー
ト)、ジアルキルアミノアクリレート(またはメ
タクリレート)、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビ
ニル等があり、特にアルキルアクリレートおよび
アルキルメタクリレートが好ましい。したがつ
て、最も好ましい共重合体は、アクリル酸−アル
キルアクリレート(またはメタクリレート)共重
合体、メタクリル酸−アルキルアクリレート(ま
たはメタクリレート)共重合体、ポリアルキルア
クリレート(またはメタクリレート)の部分加水
分解生成物である。これらの透過性能制御剤は、
セルロース100重量部に対し、通常1〜40重量部、
好ましくは2〜30重量部、最も好ましくは3〜15
重量部使用される。例えば、この透過性能制御剤
を銅アンモニアセルロース溶液中に混合溶解さ
せ、8〜30℃、好ましくは14〜25℃の温度で20〜
120分間、好ましくは60〜100分間撹拌して前記銅
アンモニアセルロースに配位結合させることによ
り紡糸原液を得る。 このような紡糸原液は、通常比重が1.05〜1.15
であり、好ましくは1.06〜1.10である。しかしな
がら、後述するように紡糸孔から押出される線状
紡糸原液の内部には非凝固性液が充填されている
ので、通常は紡糸原液より比重は小さく、1.00〜
1.08であり、好ましくは1.01〜1.04である。 下層として用いられるセルロース系紡糸原液に
対する非凝固性液は、前記線状紡糸原液[非凝固
性液(内部液)を内包する紡糸原液]の嵩比重お
よび凝固性液よりもその比重が大きく、水に対す
る溶解性が低く、かつ表面張力が小さいハロゲン
化炭化水素であり、その比重は通常1.3以上であ
り、好ましくは1.4〜1.7である。一例を挙げる
と、例えば四塩化炭素(d20 4=1.632、水溶解度
0.08g/20℃−100ml、表面張力(25℃)
26.8dyne/cm)、1,1,1−トリクロルエタン
(d20 4=1.35)、1,1,2−トリクロルエタン
(d20 4=1.442)、トリクロルエチレン(d15=1.440、
水溶解度0.11g/25℃−100ml、表面張力(25℃)
31.6dyne/cm)、テトラクロルエタン(d25 0
1.542)、テトラクロルエチレン(d0=1.656、水不
溶性)、トリクロルトルフルオルエタン(d25
1.565、水溶解度0.009g/21℃−100ml、表面張
力(25℃)19.0dyne/cm)等がある。これらのう
ちでも特に水に対する溶解度が0.05g/21℃−
100ml以下でかつ表面張力(25℃)が20dyne/cm
以下のものを使用すると紡糸性が極めて良好とな
る。このような非凝固性液としては、例えばテト
ラクロルエチレン、トリクロルトルフルオルエタ
ン等がある。しかして、非凝固性液層高さ(第1
図における距離L1)は紡糸速度によつても異な
るが、通常50〜250mmであるので、紡糸口金装置
25の環状紡糸孔より吐出した紡糸原液は、浮力
により上昇するとともに、上昇中に一定のほぼ均
一な外径に収縮するため、均一な外径の中空糸を
製造することができる。好ましくは、上記距離
は、100〜200mmである。 また、線状紡糸原液中に導入充填される非凝固
性液(内部液)の選択は、中空糸の中空部の維持
あるいは中空糸壁面の凹凸の有無に大きく影響す
る。すなわち、中空糸の乾燥時に中空部に充填さ
れている非凝固性液が膜を透して急激に外部に出
ると、中空部内は減圧となり中空潰れを発生さ
せ、あるいは内壁に凹凸を生じる。そして、用い
られる非凝固性液は、乾燥時に透過性の低くかつ
比重が小さい液体から選ばれる。すなわち、セル
ロース系紡糸原液の比重は通常1.05〜1.15、例え
ば銅アンモニアセルロース紡糸原液の場合約1.08
であるので、前記非凝固性液体を内包する線状紡
糸原液の嵩比重が1.00〜1.08、好ましくは1.01〜
1.04、例えば約1.02となるような範囲から前記非
凝固性液体の比重は選択されるべきであり、通常
0.65〜1.00、好ましくは0.70〜0.90、例えば約0.85
であり、好適な非凝固性液としては、一例を挙げ
ると、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、n−デカン、n−ドデカン、流動パラ
フイン、ミリスチン酸イソプロピル、軽油、灯
油、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、
エチルベンゼン等がある。 セルロース系紡糸原液に対する凝固性液は、前
記のごとき下層の非凝固性液よりもその比重が小
さく、通常1.03〜1.10の比重を有するアルカリ水
溶液である。アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ア
ンモニウム等があり、好ましくは水酸化ナトリウ
ムである。その濃度は水酸化ナトリウム換算で30
〜150g−NaOH/、好ましくは35〜80g−
NaOH/g、最も好ましくは40〜60g−
NaOH/であり、特に約50g−NaOH/
(約4.8重量%、d=1.955)である。しかして、
前記非凝固性液との界面から変向棒端までの距離
(第1図における距離L2)は、通常5〜30mmであ
るので、安定した紡糸を行うことができる。5mm
以下であると上昇する紡糸原液による非凝固性液
体の抱き込み現象が起き、紡糸原液がほとんど凝
固しないまま変向棒に達するため、変向棒での切
糸が起こる。また、30mm以上であると、非凝固性
液体と凝固性液体の境界部分で紡糸原液の糸揺が
起こり、糸切が起こることがある。好ましくは、
上記距離は、10〜20mmである。 前記のごとく本発明装置では、約30m/分以上
の紡糸速度、特に0.05g/21℃−100以下の水
溶解度および20dyne/cm以下の表面張力を有す
る非凝固性液を使用すれば約38m/分以上、特に
約55m/分以上の紡糸速度が得られる。 このようにして凝固再生された中空糸は、水洗
を行なつて付着している凝固性液を除去したの
ち、必要により該中空糸中に残存している銅等の
金属を除去するために脱金属処理を施し、ついで
水洗される。脱金属処理は、通常濃度3〜30%の
希硫酸溶液あるいは硝酸溶液に浸漬して行なわれ
る。しかして、紡糸原液が前記のごとき透過性能
制御剤を含有している場合には、この中空糸は前
記アルカリ性凝固性液中で該制御剤が除去され、
これにより使用した重合体の分子量に相当する微
細孔が中空糸の管壁に形成される。 前記水洗後のまたは透過性能制御剤除去後の中
空糸は、さらに必要により35〜100℃、好ましく
は50〜80℃の温水で処理するか、または1〜10重
量%、好ましくは2〜5重量%濃度のグリセリン
水溶液を用いて過疎化して、なお残存している
銅、硫酸第二銅、硫酸水素銅、中低分子量セルロ
ース等を除去し、ついで乾燥したのち巻取りを行
なつて所望の中空糸を得る。このようにして得ら
れる中空糸は、内径50〜500μm、好ましくは150
〜300μmであり、また膜厚5〜60μm、好ましく
は8〜30μmであり、第2図に示すように最小膜
厚と最大膜厚との比が0.2:1〜0.8:1、好まし
くは0.5:1〜0.7:1であるような肉薄部T1と肉
厚部T2とを有する断面形状のものである。 発明の具体的効果 以上述べたように、本発明の中空糸の製造装置
は、環状紡糸原液および該環状紡糸原液の内部に
該紡糸原液に対する非凝固性液を吐出する口金装
置と、該口金装置に連通する紡糸原液供給手段お
よび非凝固性液供給手段と、前記口金装置の環状
紡糸孔より非凝固性液体の液面までの距離が50〜
250mmとなるように、前記口金装置を底部に収納
した非凝固性液槽と、該非凝固性液槽を底部に収
納した凝固性液槽と、該凝固性液槽内であつて、
前記非凝固性液体の液面からの距離が5〜30mmの
位置に設けられた前記口金装置より吐出された紡
糸原液の進行方向を変向する変向棒と、前記凝固
性液槽より凝固した紡糸原液を引き上げる引き上
げ装置とを有することを特徴とする中空糸製造装
置であるから、従来法のように空気等のガス状雰
囲気中に紡出されることなく非凝固性液体中に直
接紡出して行なわれ、このためガス状雰囲気通過
時さらに、内部液の漏洩があつても最上層(凝固
性液面上)に浮上して分離するので、漏洩による
切糸がなく、常に正常な界面を維持することがで
きる。また凝固性液濃度を広範囲に選ぶことがで
きるという利点がある。 つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、下記実施例においてパーセント
は、特にことわらない限りすべて重量による。 実施例 1 28%アンモニア水溶液5148gおよび塩基性硫酸
銅864gを1200mlの水に懸濁させて銅アンモニア
水溶液を調製し、これに10%亜硫酸ナトリウム水
溶液2725mlを添加した。この溶液に重合度約1000
(±100)のコツトンリンターパルブ1900gを投入
して撹拌溶解を行ない、ついで10%水酸化ナトリ
ウム水溶液1600mlを添加して銅アンモニアセルロ
ース水溶液(比重1.08)を調製して紡糸原液とし
た。 一方、第1図に示すような装置を用いて、浴槽
2の非凝固性液槽1に非凝固性液3として、1,
1,1−トリクロルエタンを供給して下層を形成
させ、ついで凝固性液として50g/の濃度の水
酸化ナトリウム水溶液を供給して上層を形成させ
た。前記紡糸原液6を原液貯槽5よりフイルター
9を経て、環状紡糸孔を上向きに装着した紡糸口
金装置25に導き、2.5Kg/cm2の窒素圧で紡糸孔
より前記下層の液温20±2℃の非凝固性液中3中
に直接吐出させた。紡糸孔の孔径は3.8mmであり、
紡糸原液(cell7.4%、1.750p(7.5℃))の吐出量は
6.47ml/分とした。一方、紡糸口金装置25に装
着した非凝固性液の導入管13よりミリスチン酸
イソプロピル(比重0.854)を導入し、前記線状
吐出原液に内包させて吐出させた。上記導入管の
管径は1.2mmであり、ミリスチン酸イソプロピル
の吐出量は2.60ml/分とした。ついで、吐出原液
(非凝固性液を内包)14(比重1.026)を1,
1,1−トリクロルエタン中に上昇させ、さらに
上層の水酸化ナトリウム水溶液(20±2℃)中を
上昇させたのち、変向棒15により水平方向に走
行させた。このときの非凝固性液の層高L1は150
mmであり、界面から変向棒15の上端までの距離
L2は15mmであり、紡糸速度60m/分、トラバー
スワインド80、走行距離4.4mであつた。この浴
槽から引上げたのち、浴長約10mで水洗を行なつ
たのち、巻取カセに巻取つた。カセに巻取つた糸
条はタンクに入れ、これに温水を注入したのち30
℃に加温して10時間洗つた。得られた糸条を120
℃±10℃に保たれたトンネル式乾燥炉(長さ5
m)中を10m/分の走行速度で走行させて乾燥し
て中空糸を得た。 このようにして得られた中空糸は、最小内径
180μm、最大内径220μm、平均内径200μm、最小
膜厚17μm、最大膜厚27μm、平均膜厚21μmの内
外両表面部および内部にわたつて均質なスキンレ
スのものであつた。また、紡糸性は良好で、伸長
率約30±10%、ドラフト比73であつた。 このようにして得られた中空糸を用いて(膜面
積0.88m2)、分子量既知の指標物質[尿素
(BUN):分子量60、リン酸イオン:分子量95、
クレアチニン:分子量113、ビタミンB:分子量
1355]についてそれらの流量200ml/分にてダイ
ヤリザンス試験を行なつたところ、第1表の結果
が得られた。 同様にして凝固性液として使用した水酸化ナト
リウム水溶液の濃度を変えて最高紡糸速度を調べ
たところ、第3図の曲線Aが得られた。 実施例 2 実施例1と同様な方法において、非凝固性液3
としてトリクロルトリフルオロエタン、凝固性液
として46g/の濃度の水酸化ナトリウム水溶液
を使用し、紡糸原液(cell8.7%、2.670p(20℃))
を6.47ml/分の吐出量で吐出させ、ミリスチン酸
イソプロピル(比重0.854)を導入して2.64ml/
分の吐出量で前記線状紡糸原液に内包させた以外
は同様な方法を行なつて、紡糸速度83m/分で中
空糸を得た。 このようにして得られた中空糸は、最小内径
150μm、最大内径170μm、平均内径160μm、最小
膜厚12μm、最大膜厚22μm、平均膜厚16μmの内
外両表面部および内部にわたつて均質なスキンレ
スのものであつた。また、紡糸性は良好で、伸長
率30±10%、ドラフト比101であつた。このよう
にして得られた中空糸を用いて実施例1と同様の
方法でダイアリザンス試験を行なつたところ、第
1表の結果が得られた。 同様にして凝固性液として使用した水酸化ナト
リウム水溶液の濃度を変えて最高紡糸速度を調べ
たところ、第3図の曲線Bが得られた。 比較例 実施例1と同様な紡糸原液を、環状紡糸孔を装
着した紡糸口金装置に導き、6Kg/cm2の窒素圧で
紡糸孔より吐出させた。紡糸孔の孔径は3.8mmで
あり、紡糸原液の吐出量は15.5ml/minとした。
一方、紡糸口金装置に装着した非凝固性液体の導
入管よりミリスチン酸イソプロピルを導入し、紡
糸原液に内包させて吐出させた。上記導入管の管
径は1.2mmであり、ミリスチン酸イソプロピルの
吐出量は5.0ml/minとした。ついで、吐出原液
を空間に200mm自由落下させ、ただちに浴温約20
℃の20%硫酸水溶液を満した凝固兼再生浴に浴長
12mで導入した。このときの紡糸速度は100m/
minであつた。ついで、浴温約20℃の浴槽に導き
浴長約4mで水洗をおこなつたのち、巻取カセに
巻取つた。このようにして巻取られた糸条を、5
%硫酸水溶液を満たした脱銅浴に浴長12mで走行
させたのち水洗し、さらに4%水酸化ナトリウム
を満したアルカリ浴に浴長8mで走行させること
により、前記共重合体塩を除去したのち、水洗
し、巻取つた。このときの処理速度は8m/min
であつた。カセに巻取つた糸条はタンクに入れ、
これに温水を注入したのち70℃に加温して260mm
Hg下で1時間撹拌し、排水する。この操作を3
回行なつて糸条中の低分子化合物を除去した。こ
のように温水処理した糸条を、120℃±10℃に保
たれたトンネル式乾燥炉(長さ3.45m)を4.8
m/minの走行速度で走行させて乾燥して中空糸
を得た。 このようにして得られた中空糸を用いて実施例
1と同様の方法でダイヤリザンス試験を行なつた
ところ、第1表の結果が得られた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による中空糸の製造装置の一実
施例を示す概略断面図、第2図は本発明を使用し
て得られる中空糸の横断面の模式図であり、また
第3図は本発明に使用し得る凝固性液濃度と最高
紡糸速度との関係を示すグラフである。 1…非凝固性液槽、2…浴槽、3…非凝固性
液、4…凝固性液、5…原液貯槽、6…セルロー
ス系紡糸原液、10…内部液貯槽、11…非凝固
性液、14…環状紡糸原液、15…変向棒、25
…紡糸口金装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 環状紡糸原液および該環状紡糸原液の内部に
    該紡糸原液に対する非凝固性液を吐出する口金装
    置と、該口金装置に連通する紡糸原液供給手段お
    よび非凝固性液供給手段と、前記口金装置の環状
    紡糸孔より非凝固性液の液面までの距離が50〜
    250mmとなるように、前記口金装置を底部に収納
    した非凝固性液槽と、該非凝固性液槽を底部に収
    納した凝固性液槽と、該凝固性液槽内であつて、
    前記非凝固性液の液面からの距離が5〜30mmの位
    置に設けられた前記口金装置より吐出された紡糸
    原液の進行方向を変向する変向棒と、前記凝固性
    液槽より凝固した紡糸原液を引き上げる引き上げ
    装置とを有することを特徴とする中空糸製造装
    置。
JP3058485A 1985-02-20 1985-02-20 中空糸製造装置 Granted JPS60215809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3058485A JPS60215809A (ja) 1985-02-20 1985-02-20 中空糸製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3058485A JPS60215809A (ja) 1985-02-20 1985-02-20 中空糸製造装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP56082555A Division JPS57199808A (en) 1981-06-01 1981-06-01 Production of hollow fiber

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60215809A JPS60215809A (ja) 1985-10-29
JPH0120244B2 true JPH0120244B2 (ja) 1989-04-14

Family

ID=12307904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3058485A Granted JPS60215809A (ja) 1985-02-20 1985-02-20 中空糸製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60215809A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0680205B2 (ja) * 1986-08-12 1994-10-12 日機装株式会社 中空繊維の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57199808A (en) * 1981-06-01 1982-12-07 Terumo Corp Production of hollow fiber

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57199808A (en) * 1981-06-01 1982-12-07 Terumo Corp Production of hollow fiber

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60215809A (ja) 1985-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6133601B2 (ja)
JPS5860010A (ja) 中空糸およびその中空糸からなる透析膜
US4604326A (en) Porous regenerated cellulose hollow fiber and process for preparation thereof
JPS61282415A (ja) 表面にすじのある多孔質セルロ−スエステル製品
KR920003134B1 (ko) 중공 섬유막의 제조방법
JPH0120244B2 (ja)
JPS59150501A (ja) 透析用中空繊維
JPS6159764B2 (ja)
JPS6051363B2 (ja) 半透性複合膜
JPS5930122B2 (ja) 中空繊維形のセルロ−ス製透析膜及びその製法
JPS6256764B2 (ja)
JPS6132041B2 (ja)
JPS6132043B2 (ja)
JPH0359105A (ja) 紡糸口金及び中空繊維の製造方法
JPH035847B2 (ja)
JPS61167403A (ja) 中空糸
JPS6028925B2 (ja) 中空糸の製造方法
JPH0631145A (ja) 酢酸セルロースまたは酢酸セルロース誘導体からなる貫通する内部空隙を有する中空糸の形の透析膜およびその製造法
JPS6339264Y2 (ja)
JPS6028924B2 (ja) 中空糸製造用紡糸原液組成物
JPS60166007A (ja) 透析用中空繊維の製造方法
JP2003275300A (ja) 血液浄化用再生セルロース中空糸膜、その製造方法および血液浄化器
JP2707274B2 (ja) 多孔性再生セルロース中空糸の製造方法
JP3173617B2 (ja) セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法
JPH02187133A (ja) セルロース系中空系およびその製造方法