JP3173617B2 - セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法 - Google Patents

セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法

Info

Publication number
JP3173617B2
JP3173617B2 JP25462891A JP25462891A JP3173617B2 JP 3173617 B2 JP3173617 B2 JP 3173617B2 JP 25462891 A JP25462891 A JP 25462891A JP 25462891 A JP25462891 A JP 25462891A JP 3173617 B2 JP3173617 B2 JP 3173617B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
hollow
spinning
coagulation bath
cellulose acetate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25462891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0564730A (ja
Inventor
秀彦 桜井
実三 高田
利男 佐倉
政治 渡抜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP25462891A priority Critical patent/JP3173617B2/ja
Publication of JPH0564730A publication Critical patent/JPH0564730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3173617B2 publication Critical patent/JP3173617B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾湿式紡糸法で得られた
セルロースアセテート透析膜用中空糸およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来セルロースアセテート透析膜用中空
糸の乾湿式紡糸に於いては、セルロースアセテート紡糸
原液を二重管口金より吐出する際に、同時に中心部から
中空形成材として非凝固性の液体(例えば流動パラフィ
ンやイソプロプルミリステート)を導入し中空部を形成
させている。この製造方法によって、糸径にムラがな
く、膜厚の薄い、性能の優れたセルロースアセテート透
析膜用中空糸を安定に紡糸することが可能である。
【0003】しかしながら、この様にして製造された透
析膜用中空糸から血液透析器を組み立てる際には、中空
形成材である非凝固性液体を透析膜用中空糸から除去し
なければならない。すなわち両端を切断した束状中空糸
を遠心分離によって端部から中空形成材を除去する方法
や、血液透析器を組み立てた後に有機溶剤で洗浄する方
法が取られているが、これらの方法は非常に複雑であ
り、かつ高価である。また、前記有機溶剤として一部に
オゾン層を破壊する特定フロンを使用する場合があり、
地球環境保護の面からも問題である。さらに、血液透析
器として用いられる性質上、中空形成材の残留は少ない
ほど望ましいが、この様な中空形成材除去手段を種々組
み合わせて利用しても透析膜用中空糸から中空形成材を
完全に除去することは困難である。
【0004】この様なことから、中空形成材を用いない
紡糸方法の開発が求められている。中空形成材として空
気もしくは気体を用いる紡糸方法は血液透析器組立後に
有害となりうる物質が含まれないため透析膜用中空糸の
紡糸方法として望ましい。
【0005】事実、中空形成材として気体を用いた透析
膜用中空糸の製造方法としては特開昭58−98411
のセルロースアセテート中空糸膜の溶融紡糸方法、特開
昭53−86834のエチレンビニルアルコール共重合
体中空糸膜の湿式紡糸方法などが示されているが、これ
らは本報のセルロースアセテート中空糸膜の乾湿式紡糸
方法とは原理が根本的に異なるためそのまま応用するこ
とはできない。また、乾湿式紡糸において中空形成材に
気体を用いた例としては、特公平1−44803に示す
ように再生セルロース中空糸膜の紡糸方法がある。この
方法をセルロースアセテートの紡糸に応用したところ、
膜厚30μm以上の中空糸の紡糸は可能であったが、膜
厚をそれ以下にすると空中走行部で糸径ムラが発生し、
安定な紡糸はできなかった。すなわち、特公平1−44
803は再生セルロースのみに応用可能でポリマーが異
なるセルロースアセテートに用いることはできない。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はこのような
課題を解決することを目的としてなされたものである。
すなわち、中空形成材として気体を用いることによって
モジュール組立の効率と共に生体に対する安全性も向上
した糸径ムラが少なく膜厚の薄いセルロースアセテート
中空糸膜とその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの様なセ
ルロースアセテート透析膜用中空糸を得るため鋭意検討
したところ、紡糸原液を口金より吐出させる行程と、中
空状の紡糸原液を空中走行させ、凝固浴に導く行程につ
いて深い考察を行った結果、以下に示すような製造方法
を発明するに至った。中空形成材として気体を用いた乾
湿式紡糸により製造されたセルロースアセテート中空糸
において、中空糸の平均内径が150〜250μm、中
空糸の平均膜厚が10〜30μmであり、かつ中空糸1
00本の内径の標準偏差が平均内径の5%以下であるこ
とを特徴とするセルロースアセテート透析膜用中空糸お
よび、セルロースアセテート紡糸原液を二重管口金から
下方に吐出させ、同時に口金の中心部から気体を供給し
て中空部を形成させ、次いで中空状の紡糸原液を空中走
行させた後、口金より下部に位置する凝固浴に導く乾湿
式紡糸において、凝固浴内の液中ガイドによって中空糸
の進行方向を変更させる際に、液中ガイド前後での中空
糸の角度が90度以上160度未満であることを特徴と
するセルロースアセテート透析膜用中空糸の製造方法で
ある。
【0008】本発明は、セルロースアセテート透析膜用
中空糸の平均内径が150μm〜250μmであること
を特徴とする。150μmよりも内径が小さくなると血
液を流したときの圧力損失が大きくなりすぎ、250μ
mよりも内径が大きいと、体積効率が下がるという問題
が発生する。
【0009】また本発明は、セルロースアセテート透析
膜用中空糸の平均膜厚が10μm〜30μmであること
を特徴とする。10μmよりも膜厚が薄いと強度が下が
り、モジュール化時の歩留まりが低下し、30μmより
も膜厚が厚いと透析膜として十分な性能をもつ中空糸膜
を得ることが困難になる。また、本発明はセルロースア
セテート透析膜用中空糸の100本の内径の標準偏差が
平均内径の5%以下であることを特徴とする。標準偏差
が平均内径の5%より大きくなると中空糸内の血液の流
れに偏りが生じ、圧力損失の増大や、血栓形成が起こり
易くなったり、プライミング時の泡抜け性が悪化するた
め好ましくない。
【0010】本発明における中空糸の製造方法の第1の
特徴は中空状の紡糸原液を空中走行させた後、口金より
下部に位置する凝固浴に導く乾湿式紡糸に於いて、凝固
浴内の液中ガイドによって中空糸の進行方向を変更させ
る際に、液中ガイド前後での中空糸の角度を90度以上
160度未満とすることである。通常の乾湿式紡糸で
は、凝固浴内の液中ガイド前後で中空糸の角度は直角よ
りやや小さい角度である。すなわち、口金からほぼ垂直
に落下し凝固浴に導入された中空糸は液中ガイドにより
進行方向を上方に変え凝固浴液面から再び空中を走行
し、回転ローラーを伝わって、水洗行程や他の行程へと
進む。この時液中ガイド前後での中空糸の角度は90度
より小さい角度である。なぜなら、90度以上の角度で
は中空糸の進行方向は水平か、もしくはそれより下方に
向かうことになり、凝固浴液面から外に出ることができ
ないからである。
【0011】しかしながら、液中ガイド前後での中空糸
の角度が小さければ小さいほど、液中ガイド部で進行方
向を変える際に中空糸が受ける力は大きくなる。この力
の方向は中空糸の中空部をつぶす方向であるが、中空形
成材として気体を用いた場合、中空糸の形状保持力が小
さいために該力が掛かりすぎたときに中空部がつぶれて
しまう。この液中ガイド前後での角度について検討を加
えたところ、該角度が90度よりも小さいときに中空糸
の形状保持力より液中ガイド部で中空糸が受ける力より
小さくなり、中空部がつぶれることが解った。すなわ
ち、該角度が90度より大きければ大きいほど液中ガイ
ド部で中空糸が受ける力は小さくなり、中空糸の形状は
保たれ易くなる。一方、該角度が大きくなると、中空糸
が凝固浴を走行する距離が長くなる。該角度が160度
を越えると、この距離が長くなりすぎ、事実上不必要な
設備や凝固液を用いることになり好ましくない。
【0012】第2の特徴は中空状の紡糸原液が凝固浴に
導かれるときの、凝固浴液面と中空状紡糸原液との角度
が90度未満とすることである。すなわち、先に示した
ような液中ガイド前後での中空糸の角度を90度以上1
60度未満とするためには、凝固浴液面と中空状紡糸原
液との角度が90度未満でなければ、液中ガイドで中空
糸の方向を上方に変えることができないからである。
【0013】また、本発明は、中空状の紡糸原液を空中
走行させる距離が1mm以上20mm以下であることを
特徴とする。中空形成材として気体を用いた場合、液体
を用いた場合に比べ形状保持力が小さいため、空中走行
部で糸径ムラが発生し易い。すなわち、空中走行距離が
20mm以上の場合、糸径ムラ発生のため安定な紡糸が
できなくなる。また、空中走行距離が1mmより短い場
合、凝固浴液面の揺れによって口金が凝固浴液面に接触
したり、空中走行距離の調節が困難となることがあり好
ましくない。
【0014】また、本発明は凝固浴中の液中ガイドの深
さが5mm以上100mm以下であることを特徴とす
る。すなわち、中空糸が100mm以上の深さまで凝固
浴中を走行すると、凝固液の水圧が増し、中空糸が潰れ
易くなり好ましくない。また、液中ガイドの深さが5m
m以下の時は、紡糸原液の凝固が不十分であり、液中ガ
イド部での中空糸の走行が安定しないことがあり好まし
くない。
【0015】本発明において、中空形成材として用いる
気体は常温常圧で気体であれば特に限定されるものでは
ないが例として、空気あるいは空気成分の窒素、酸素、
二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられるが空気や窒素が
望ましい。また、言うまでもないが空気を用いるときに
は含まれる水蒸気によって紡糸原液の凝固性に大きな影
響があるので、水蒸気の管理を充分に行う必要がある。
【0016】また、本発明に於いて、セルロースアセテ
ートとはセルロースの水酸基をアセチル基で置換したも
のを指すが置換率は特に限定されるものではないが、2
置換したセルロースジアセテート、3置換したセルロー
ストリアセテートなどが挙げられる。また、セルロース
アセテート紡糸原液とは一般にセルロースアセテートを
溶媒と相分離の発生をコントロールする非溶媒を添加し
た系を加熱混合しフィルターで不純物を分離除去するこ
とによって得られることが知られているが特にこの方法
に限定されるものではない。溶媒としてはN−メチル2
−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミドなどが、非溶媒としてはエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリ
セリンなどが挙げられるが特にこれらに限定される物で
はない。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果並びにより
詳細な説明を加えるが、本発明は実施例によってなんら
限定される物ではない。
【0018】(実施例1)セルローストリアセテート2
3重量部、N−メチル2─ピロリドン61.6重量部、
トリエチレングリコール15.4重量部を170℃にて
加熱混合して溶解し、さらに真空脱泡してセルロースト
リアセテートの紡糸原液を得た。これを孔径20μmの
焼結フィルターで濾過し、不純物を除いた後、二重管口
金から下方に向かって1.5ml/minの割合で吐出
した。一方、二重管口金の内側からは空気を2.6ml
/minで供給し、中空形状を形成した。中空糸状の紡
糸原液は口金から吐出した後、5mm空中走行させ、凝
固浴に導いた。このときの凝固浴面と中空糸状の紡糸原
液との角度は60度であった。凝固浴に導かれた紡糸原
液は、凝固浴液面下20mmに設置された直径16mm
の梨地丸棒液中ガイドによって液面方向に角度を変え、
液中ガイドから50cm離れた凝固浴液面から再び空中
を走行させた。この時の液中ガイド前後での中空糸の角
度は118度であった。以降、回転ローラーに導かれ、
第2凝固浴、水洗浴、グリセリン浴、乾燥機を走行さ
せ、最後にワインダーにてチーズ状に巻き上げられた。
この時の巻き上げ速度は75m/minであった。この
様にして得られた中空糸100本の断面を顕微鏡にて観
察したところ、中空糸の平均内径は201.3μmであ
り、内径の標準偏差は5.8μmであった。また、平均
の膜厚は、14.8μmであった。次に、この中空糸膜
を長さ30cmに切断して、800本集束し、評価用の
中空糸膜モジュールを作製し、透析膜としての性能を既
知の方法により測定した。結果を表1に示す。
【0019】(実施例2)セルロースジアセテート30
重量部、N−メチル2─ピロリドン56重量部、トリエ
チレングリコール14重量部を120℃にて加熱混合し
て溶解し、さらに真空脱泡してセルロースジアセテート
の紡糸原液を得た。これを孔径20μmの焼結フィルタ
ーで濾過し、不純物を除いた後、二重管口金から下方に
向かって1.3ml/minの割合で吐出した。一方、
二重管口金の内側からは空気を2.6ml/minで供
給し、中空形状を形成した。中空糸状の紡糸原液は口金
から吐出した後、3mm空中走行させ、凝固浴に導い
た。このときの凝固浴面と中空糸状の紡糸原液との角度
は45度であった。凝固浴に導かれた紡糸原液は、凝固
浴液面下30mmに設置された直径12mmの梨地丸棒
液中ガイドによって液面方向に角度を変え、液中ガイド
から50cm離れた凝固浴液面から再び空中を走行させ
た。この時の液中ガイド前後での中空糸の角度は約13
2度であった。以降、実施例1と同様な処理を行い、7
5m/minの速度で巻き取った。得られた空中糸のデ
ィメンジョンを測定したところ、平均内径は200.9
μmであり、内径の標準偏差は3.7μmであり、平均
膜厚は12.4μmであった。実施例1と同様に評価用
モジュールを作製し、性能の測定を行った。
【0020】(比較例1)実施例1と同様のセルロース
トリアセテートの紡糸原液を用いた。二重管口金から紡
糸原液を下方に向かって1.5ml/minの割合で吐
出した。一方、二重管口金の内側からは空気を2.6m
l/minで供給し、中空形状を形成した。中空糸状の
紡糸原液は口金から吐出した後、30mm空中走行さ
せ、凝固浴に導いたところ、紡糸原液は空中走行部で激
しく脈打ち風船状の糸径ムラとなり安定した紡糸はでき
なかった。これは中空糸状紡糸原液を空中走行する距離
が長すぎたことが原因と考えられた。
【0021】(比較例2)実施例1と同様のセルロース
トリアセテートの紡糸原液を用いた。二重管口金から紡
糸原液を下方に向かって1.5ml/minの割合で吐
出した。一方、二重管口金の内側からは空気を2.6m
l/minで供給し、中空形状を形成した。中空糸状の
紡糸原液は口金から吐出した後、5mm空中走行させ、
凝固浴に導いた。このときの凝固浴面と中空糸状の紡糸
原液との角度は45度であった。凝固浴に導かれた紡糸
原液は、凝固浴液面下150mmに設置された直径12
mmの梨地丸棒液中ガイドによって液面方向に角度を変
え、液中ガイドから50cm離れた凝固浴液面から再び
空中を走行させた。この時の液中ガイド前後での中空糸
の角度は約130度であった。以降、実施例1と同様な
処理を行い、75m/minの速度で巻き取った。得ら
れた中空糸のディメンジョンを測定したところ、断面は
中空部がつぶれており透析膜として用いることは不可能
であった。この中空部のつぶれの原因は凝固浴部での液
中ガイドの位置が深すぎたため、水圧によって中空形状
を保つことが出来なかったためと考えられる。
【0022】(比較例3)実施例1と同様のセルロース
トリアセテートの紡糸原液を用いた。二重管口金から紡
糸原液を下方に向かって1.5ml/minの割合で吐
出した。一方、二重管口金の内側からは空気を2.6m
l/minで供給し、中空形状を形成した。中空糸状の
紡糸原液は口金から吐出した後、5mm空中走行させ、
凝固浴に導いた。このときの凝固浴面と中空糸状の紡糸
原液との角度は90度であった。凝固浴に導かれた紡糸
原液は、凝固浴液面下30mmに設置された直径12m
mの梨地丸棒液中ガイドによって液面方向に角度を変
え、液中ガイドから50cm離れた凝固浴液面から再び
空中を走行させた。この時の液中ガイド前後での中空糸
の角度は約87度であった。以降、実施例1と同様な処
理を行い、75m/minの速度で巻き取った。得られ
た中空糸のディメンジョンを測定したところ、断面は中
空部がつぶれており透析膜として用いることは不可能で
あった。この中空部のつぶれの原因は凝固浴中の液中ガ
イド前後での中空糸の角度が小さく、ガイド部でかかる
力の為に中空形状を保つことが出来なかったためと考え
られる。
【0023】(比較例4)実施例1と同様のセルロース
トリアセテートの紡糸原液を用いた。比較例1では紡糸
ができなかったので、4.0ml/minに紡糸原液の
吐出量を増やしたところ、中空走行部の長さが30mm
でも安定した紡糸が可能であった。一方、二重管口金の
内側からは空気を2.6ml/minで供給し、中空形
状を形成した、以降実施例1と全く同じ操作を実施し
た。この中空糸100本の断面を顕微鏡にて観察したと
ころ、中空糸の平均内径は202.5μmであり、内径
の標準偏差は4.3μmであった。また、平均膜厚は3
5.2μmであった。次に実施例1と同様に、評価モジ
ュールを作製し、性能を測定したところ、実施例1に比
べると透析膜としての性能は低かった。この原因は中空
糸膜の膜厚が厚く、溶質の透過に対する抵抗が大きかっ
たためと考えられる。
【0024】(比較例5)実施例1と同様のセルロース
トリアセテートの紡糸原液を用いた。比較例1では紡糸
ができなかったので、2.0ml/minに紡糸原液の
吐出量を増やし、二重管口金の内側からは空気を2.6
ml/minで供給し、中空形状を形成した。空中走行
部の長さが25mmにしたところ、空中走行部で中空糸
の振動が観察されたが紡糸は可能であった。以降実施例
1と全く同じ操作を実施した。この中空糸100本の断
面を顕微鏡にて観察したところ、中空糸の平均内系は2
02.5μmであり、平均膜厚は22.4μmであっ
た。しかし、内径の標準偏差は25.3μm(12.5
%)であり、透析器として用いるには、牛血テストで偏
流が生じ不適切であった。内径の標準偏差が大きくなっ
た原因は、中空糸の空中走行部の長さが長すぎたため
に、空中走行部で中空糸の振動が発生したためと考えら
れた。
【0025】
【発明の効果】本発明のセルロースアセテート透析用中
空糸膜は中空形成材として気体を用いることによりモジ
ュールの組立の効率と共に生体に対する安全性も向上
し、また糸径ムラが少なく膜厚も薄いため、該中空糸膜
を用いることにより性能に優れた透析器を得ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明における紡糸方法を示す図である。図中の
番号は夫々次の様である。 1 二重管口金 2 凝固浴中の液中ガイド 3 凝固浴 4 中空糸状紡糸原液 4' 中空糸 5 液中ガイド前後での中空糸の角度 6 凝固浴面と中空糸状の紡糸原液の角度 7 中空糸状紡糸原液の空中走行距離 8 凝固浴中の液中ガイドの深さ
【表1】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空形成材として気体を用いた乾湿式紡
    糸により製造されたセルロースアセテート中空糸におい
    て、中空糸の平均内径が150〜250μm、中空糸の
    平均膜厚が10〜30μmであり、かつ中空糸100本
    の内径の標準偏差が平均内径の5%以下であることを特
    徴とするセルロースアセテート透析膜用中空糸。
  2. 【請求項2】 セルロースアセテート紡糸原液を二重管
    口金から下方に吐出させ、同時に口金の中心部から気体
    を供給して中空部を形成させ、次いで中空状の紡糸原液
    を空中走行させた後、口金より下部に位置する凝固浴に
    導く乾湿式紡糸法において、凝固浴内の液中ガイドによ
    って中空糸の進行方向を変更させる際に、液中ガイド前
    後での中空糸の角度が90度以上160度未満であり、
    かつ中空糸状の紡糸原液を空中走行させる距離が1mm
    以上20mm以下であり、かつ凝固浴中の液中ガイドの
    深さが5mm以上100mm以下であることを特徴とす
    るセルロースアセテート透析膜用中空糸の製造方法。
JP25462891A 1991-09-04 1991-09-04 セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法 Expired - Fee Related JP3173617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25462891A JP3173617B2 (ja) 1991-09-04 1991-09-04 セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25462891A JP3173617B2 (ja) 1991-09-04 1991-09-04 セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0564730A JPH0564730A (ja) 1993-03-19
JP3173617B2 true JP3173617B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=17267666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25462891A Expired - Fee Related JP3173617B2 (ja) 1991-09-04 1991-09-04 セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3173617B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0564730A (ja) 1993-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0526857B1 (en) Hollow fiber membranes
US5013339A (en) Compositions useful for making microporous polyvinylidene fluoride membranes, and process
US4399035A (en) Polyvinylidene fluoride type resin hollow filament microfilter and process for producing the same
JP2571841B2 (ja) ガス脱水方法
US5871680A (en) Method and apparatus for spinning hollow fiber membranes
EP0321448B1 (en) Process for preparation of hollow fibers
JPS6133601B2 (ja)
US4857196A (en) Porous hollow fiber membrane and a method for the removal of a virus by using the same
JP2542572B2 (ja) 中空繊維
US5783124A (en) Cellulose acetate hemodialysis membrane
JP3173617B2 (ja) セルロースアセテート透析膜用中空糸及び製造方法
JP3427658B2 (ja) セルロース中空糸膜およびその製造方法
JP3093821B2 (ja) 銅アンモニア法再生セルロース多孔性中空糸膜の製造方法
JPH035847B2 (ja)
CN109922876B (zh) 醋酸纤维素系中空纤维膜
JPH0739731A (ja) 中空糸型分離膜の製造方法
JP3494466B2 (ja) 透析用中空糸の製造方法
JP2010063605A (ja) 耐衝撃性に優れた血液浄化器
JPS6229524B2 (ja)
JP5423326B2 (ja) 中空糸膜の製造方法
JP2739509B2 (ja) 中空糸膜の製造方法及びそれに用いられる筒状物
JPH0566169B2 (ja)
JP2818352B2 (ja) 中空糸膜の製造方法
JPH0362447B2 (ja)
JPH1119491A (ja) 中空糸膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080330

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees