JPH0680205B2 - 中空繊維の製造方法 - Google Patents

中空繊維の製造方法

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JPH0680205B2
JPH0680205B2 JP61187905A JP18790586A JPH0680205B2 JP H0680205 B2 JPH0680205 B2 JP H0680205B2 JP 61187905 A JP61187905 A JP 61187905A JP 18790586 A JP18790586 A JP 18790586A JP H0680205 B2 JPH0680205 B2 JP H0680205B2
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文夫 木田
政司 吉田
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/08Hollow fibre membranes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高分子化合物からなる選択分離能を有する改
良された中空繊維、特に高い透水性と優れた分離能とを
有する中空繊維の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
海水の淡水化、人工腎臓あるいはガス分離等の工業・医
療分野において、選択分離能を有する中空繊維膜が使用
されているのは周知のことである。例えば、海水の淡水
化に使用される逆浸透膜は高い透水性と脱塩性が要求さ
れ、また人工腎臓に使用される透析膜は、尿素、クレア
チニン等の老廃物を選択的に除去しかつバランスのとれ
た限外濾過性を有する等幅広い透水性と分離能が要求さ
れる。そこで、本出願人は既に特願昭60-255017号にお
いて高い透水性と優れた分離能とを有する二層構造の膜
濾過型中空繊維およびその製造方法を開示した。この中
空繊維によりかなりの改善が得られたが、その製造方法
は殆んど外部からの凝固によって構造形成されるため、
特に断面および内表面の壁膜における細孔形成のコント
ロールに若干問題が残されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従って、本発明は、内表面に多数の細孔を備えた開孔率
の高い平滑な壁膜と、この壁膜を支持する網目状組織と
からなる組織的に二層構造の中空繊維を製造し、特にそ
の中空繊維の断面および内表面の壁膜における細孔分布
および寸法を幅広くコントロールしうる方法を得ること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、本発明によれば、高分子化合物を溶剤に溶
解させた紡糸原液を環状紡糸口から吐出すると共に、こ
の環状紡糸口の中央から芯液を吐出させ、次いで吐出し
た紡糸原液を凝固液中で凝固させる中空繊維の製造方法
において、紡糸原液に対し凝固性の液体と紡糸原液に対
し凝固性および溶解性が共に小さい液体とからなるエマ
ルジョンを、凝固液中に導入される前または凝固液中を
通過する際に、芯液として使用することにより達成され
る。
細孔のサイズが0.01〜3μの膜濾過型の中空繊維を製造
するには、さらに−10〜+40℃でゲル化する紡糸原液を
ゲル化温度以上で吐出させる方法を用いれば良い。この
ように、芯液として、紡糸原液に対し凝固性の液体と紡
糸原液に対し凝固性および溶解性が共に小さい液体とか
らなるエマルジョンを使用すれば、外面と内面との両方
から凝固する結果、網目構造を支持層としてかつその内
面側に多数の細孔を有する開孔率の大きい平滑な薄い壁
膜を持った中空繊維が安定して得られることが判明し
た。また、この際、芯液と凝固液との凝固バランスによ
って支持体である網目組織の断面方向の構造が変化する
ことも判明した。例えば、芯液の方がより小さい凝固性
を持てば、内面側が外表面よりも粗い構造を示す。ま
た、芯液中の凝固性液体の比率が多い程、内面壁膜の開
孔率が大きくなる。本明細書において「凝固性および溶
解性が共に小さい」という表現は、45℃で該当する二液
を等量混合して静置した際に相分離を発生すると共に凝
固状態を殆んど示さない状態を意味する。また、ポアサ
イズの大きい網目構造を示す支持体を形成させるには、
紡糸原液はゲル化を容易にするため有機もしくは無機溶
剤の他に凝固剤や膨潤剤などを含有するのが好ましい。
また、環状紡糸口より吐出させる際、ゲル化温度よりも
高い温度(好ましくは、+5〜+50℃の範囲)で吐出さ
せ、迅速に凝固液中に導入してゲル化させるのが好適で
ある。
材料として使用する高分子化合物は、溶剤中に溶解して
繊維形成能を示すものであれば特に限定はないが、使用
中に吸着などによる目詰りのため分離能や透水性の低下
を惹起しないものが望ましく、高い透水性と優れた分離
能とを有する膜を容易に製造しうる点でセルロース誘導
体、特にセルロースアセテートが有利である。
紡糸原液に対し凝固性および溶解性が共に小さい液体と
しては、特に限定しないが炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、カルボン酸誘導体、およびアルコール類のうち、少
なくとも1種を使用するのが内表面の壁膜形成上および
その壁膜の細孔形成上好ましい。
他方、凝固性液体としては水・アルコール類など紡糸原
液に対して凝固性のあるものなら特に限定はなく、単独
でまたは混合物として使用できる。
凝固性および溶解性が共に小さい液体と凝固性液体との
両者に使用しうるアルコール類は同一でも異なるもので
もよいが、これら両液体間でエマルジョンが形成される
ことを前提とする。
本発明において、凝固性液体と凝固性および溶解性の小
さい液体とのエマルジョンは、凝固性および溶解性の小
さい液体中に凝固性液体の小滴を分散させた系が適して
いる。これは凝固性液体を凝固性および溶解性が共に小
さい液体と所定の比率で混合分散して得られるが、その
組成や混合・分散の方法および条件はエマルジョン小滴
の寸法、安定性および要求される膜構造などに依存す
る。エマルジョンを安定化させるため、界面活性剤など
の乳化安定剤を少量添加することもできる。また、エマ
ルジョンになった芯液は、そのままの状態で使用しても
良いし、あるいは予め加温溶解しておき凝固過程で冷却
しエマルジョンを形成しても良い。要するに、凝固過程
でエマルジョンの芯液により内面の壁膜に略円形の細孔
を形成しうる限り、任意の状態で使用することができ
る。
紡糸原液中の高分子化合物の濃度は10〜45重量%、好ま
しくは15〜40重量%の範囲とすることができる。45%以
上では粘度が高くなり過ぎて紡糸が極めて困難となり、
また仕上り中空繊維の空孔率も小さくなり、要求される
透水性が得られにくい。他方、10%以下では製造される
中空繊維が著しく弱くなり、また圧密化も発生しやすく
なり、使用に耐え難くなる。
紡糸方式は湿式または乾湿式のいずれでもよいが、高速
紡糸が可能となる乾湿式法がより好適である。乾湿式紡
糸の場合、空間滞留時間は、延伸点の安定化のため0.01
〜5秒が好ましい。この空間域は空気、炭酸ガス、窒素
などの任意の気体とすることができ、また必要に応じて
加温したり調湿することも可能である。
凝固浴は紡糸原液から高分子化合物を凝固させうる周知
の液体でよいが、中空繊維の製造管理上紡糸原液用の溶
剤と同一の溶剤および水を使用するのが便利であり、無
機塩などの塩類あるいは細孔形成剤として少なくとも1
種のアルコール類を共存させてもよい。
〔作用〕
上記構成からなる本発明の中空繊維の製造方法によれ
ば、内表面に多数の細孔を備えた開孔率の高い平滑な壁
膜と、この壁膜を支持する網目状組織とにより構成され
た組織的に二層構造の中空繊維が安定して製造でき、特
にその中空繊維の断面および内表面の壁膜の細孔分布お
よび寸法を幅広くコントロールすることができる。従っ
て、この製造方法によれば、幅広い性能を持った中空繊
維が得られるだけでなく、その構造から明らかなように
高い透水性と優れた分離能を有する中空繊維が得られ
る。しかも目詰りや圧密化が少なく、特に膜濾過型の中
空繊維として使用するのに好適である。
〔実施例〕
以下、本発明を一層良く理解するため実施例により説明
するが、これらのみに限定されない。
実施例1 酢化度54.5%のセルロースアセテート15重量部をジメチ
ルスルホキシド73重量部および20重量%の塩化カルシウ
ム水溶液12重量部よりなる混液に60℃で加温溶解し、濾
過脱泡して紡糸原液を作成した。この紡糸原液は20℃で
ゲル化する。この紡糸原液を50℃にて慣用の環状紡糸口
から吐出させると共に、環状紡糸口の中央から、イソプ
ロピルミリステート66重量部とジフルオロテトラクロル
エタン30重量部とエタノール2重量部と水2重量部との
エマルジョン混液よりなる芯液を吐出させ、次いで空間
中を0.05秒間走らせた後、0℃に保たれたジメチルスル
ホキシドとグリセリンとエタノールと水との容量比4:2:
3:1の凝固液に導入して凝固せしめ、15m/minの速度で巻
取り、次いで後処理にて充分洗浄して溶剤などを除去し
た。エマルジョン化した芯液は下記の方法で作成した。
先ず、イソプロピルミリステートとジフルオロテトラク
ロルエタンとエタノールとを所定量計量し、室温(25〜
30℃)下でプロペラ式撹拌機により充分混合する。この
段階で液体は透明である。次に、前記混合液に所定量の
水を添加すると白濁した安定なエマルジョンが得られ、
1時間放置して脱気した。
上記手順で得られた中空繊維の走査型電子顕微鏡写真を
第1図および第2図に示す。第1図の断面図に見られる
ように、内側から外表面に向って密になる網目構造が存
在する。第2図から判るように、内表面は略円形に近い
細孔の壁膜を形成するのに対し、外表面は配向したフィ
ブリル構造を形成していた。走査型電子顕微鏡5000倍の
倍率にて外表面および内表面のポアサイズ(但し、細孔
の形状が橢円形の場合は短径の寸法による)および開孔
率を測定した。
開孔率は、観察総面積中の細孔総面積の比率を百分率で
表わしたものである。
空孔率は、セルロースアセテートの比重を1.35とし、中
空繊維の膜厚を光学顕微鏡で実測し、試料長を20cmとし
かつ試料の総乾重量(105℃2hrs.)を実測することによ
り限定した。すなわち、空孔率は、実測重量を断面積と
長さとの積により割算して計算した。
上記中空繊維の両端をウレタンで固定して有効面積0.5m
2のモジュールを作成した。このモジュールを使用し
て、蒸溜水を50mmHgにて1時間透過した際の透水量、牛
血清γ−グロブリンの透過率および4600Åのポリスチレ
ンラテックス粒子の阻止率を測定した。上記中空繊維を
3回繰返し作成して同じ測定を行い、その結果を第1表
に示す。
比較例1 芯液としてイソプロピルミリステート68重量部とジフル
オロテトラクロルエタン30重量部とエタノール2重量部
との混液を使用した以外は、実施例1と同様に中空繊維
を作成しかつ同様に測定した。走査型電子顕微鏡写真を
第3図および第4図に示し、測定結果を第2表に示す。
上記実施例および比較例の結果から、芯液として凝固性
液体と凝固性および溶解性が共に小さい液体とのエルマ
ジョンを使用することにより、中空繊維内表面の壁膜の
開孔率が大きくなり、しかも安定化し、それに伴って透
水量も高いレベルに安定化することが判る。
〔発明の効果〕 本発明によれば、安定した高い透水量と優れた分離能と
を有する中空繊維膜を製造することができる。さらに、
膜の製造条件に応じて、広範囲の細孔寸法および断面構
造を有するものが得られる。また、内表面に多孔性の平
滑壁膜を有するので使用時の目詰りも少ない。従って、
本発明の製造方法によって得られる中空繊維膜は、その
特徴から醸造、食品工業、医療、医薬品工業、化学工業
など多くの分野で幅広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明により得られた中空繊維の
走査型電子顕微鏡による組織図であって、第1図は中空
繊維の部分断面図、第2図はその内表面の拡大図であ
り、第3図および第4図は比較例としての中空繊維の同
様な組織図であって、第3図は比較中空繊維の部分断面
図、第4図はその内表面の拡大図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子化合物を溶剤に溶解させた紡糸原液
    を環状紡糸口から吐出すると共にこの環状紡糸口の中央
    から芯液を吐出させ、次いで吐出した紡糸原液を凝固液
    中で凝固させる中空繊維の製造方法において、紡糸原液
    に対し凝固性の液体と紡糸原液に対し凝固性および溶解
    性が共に小さい液体とからなるエマルジョンを凝固液中
    に導入される前または凝固液中を通過する際に芯液とし
    て使用することを特徴とする高開孔率と平滑壁膜とを備
    えた中空繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】エマルジョンが凝固性および溶解性の小さ
    い液体中に凝固性液体を小滴として分散させたエマルジ
    ョンである特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】−10〜+40℃でゲル化する紡糸原液を使用
    し、この紡糸原液を前記範囲のゲル化温度よりも高い温
    度で環状紡糸口から吐出させる特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】高分子化合物がセルロース誘導体である特
    許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】凝固性および溶解性の小さい液体が炭化水
    素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸誘導体およびアル
    コール類よりなる群から選択される少なくとも1種であ
    り、凝固性液体が水およびアルコール類よりなる群から
    選択される少なくとも1種である特許請求の範囲第1項
    乃至第4項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】環状紡糸口から環状に吐出された中空糸条
    を空間中に0.01〜5秒間走行させた後、凝固液中に導入
    して凝固させる特許請求の範囲第1項乃至第5項のいず
    れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】凝固液の組成が、紡糸原液用溶剤と同じ溶
    剤および水からなる特許請求の範囲第1項乃至第6項の
    いずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】凝固液に塩類および/または少なくとも1
    種のアルコール類を共存させる特許請求の範囲第7項記
    載の方法。
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