JP4725524B2 - セルロースアセテート系非対称中空糸膜 - Google Patents
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Description
本発明は、セルロースアセテート系ポリマーを主原料とし、少なくとも中空糸膜内表面に緻密層を有する非対称構造の中空糸膜であって、該中空糸膜の内径が150μm以上250μm以下、膜厚が10μm以上30μm未満、該中空糸膜の外表面の開孔率が15%以上30%以下で、その平均開孔面積が孔1個あたり0.01μm2以上0.05μm2未満であることを特徴とするセルロースアセテート系非対称中空糸膜である。
また、本発明において、該中空糸膜の単糸あたりのヤング率が5000kg/cm2以上、降伏強度が25g以上であることが好ましい。
また、該セルロースアセテート系ポリマーを塩化メチレン/メタノール=91/9に6重量%になるように溶解し、温度25℃で測定したときの粘度が140mPa・s超200mPa・s未満であることが好ましい。
また、該セルロースアセテート系ポリマーがセルロースジアセテートおよび/またはセルローストリアセテートであることが好ましい。
高強度のセルロースアセテート系非対称中空糸膜を得るためには、上記したような技術的課題を解決しなければならない。そこで、本発明者らは、紡糸原液の流動性を確保しつつ、芯液の沸騰を防ぐために鋭意検討を行った結果、紡糸原液と芯液とをノズルより吐出する直前まで別々に温度コントロールする手段を見出した。具体的には後述するような手段を用いることで芯液の沸騰を防ぎながら紡糸原液の流動性を確保することに成功し、ついに本発明を完成した。
酢化度が低いほどポリマーの溶解性や成形性はよくなるが、水酸基が増えるに従い補体活性に代表される血液適合性は低下する傾向にある。したがって、酢化度は55%以上がより好ましく、58%以上がさらに好ましい。
また、ノズルより吐出する際の紡糸原液の粘度としては、溶媒としてN-メチルピロリドン(NMP)、非溶媒としてトリエチレングリコール(TEG)を用い、セルロースアセテート系ポリマー/NMP/TEG=16〜25/49〜77/7〜26で測定したときの粘度が50〜9000mPa・s(50℃)であるのが好ましい。
ここで、膜孔保持剤とは、中空糸膜の乾燥時に細孔の収縮を防ぐとか、血液浄化器等のモジュールの完全性を試験するためにエアリークテストを実施する際、一時的に細孔を塞いでおく役割を担うものである。膜孔保持剤の具体例としては、グリセリンやグリセリン誘導体やポリエチレングリコールなどが挙げられ、本発明においてはグリセリンを用いるのが好ましい。
紡糸製膜の安定性を高めるためには空中走行部の長さは10mm以上300mm以下がより好ましく、紡糸口金からの紡糸原液の吐出斑の影響を相殺するには10mm以上150mm以下がさらに好ましい。空中走行部の温度はコントロールが容易な点で3℃以上45℃以下が好ましく、性能面で有用タンパクの漏れ量を抑制するには5℃以上40℃以下がより好ましい。
空中走行部の長さと温度は、ノズルドラフトや紡糸速度により適正範囲が変わるものであって、本発明の範囲はノズルドラフトが1〜5程度、紡糸速度が30〜90m/min.の場合を想定している。
凝固浴の組成としては、溶媒、非溶媒、水からなる混合液を用いるのが好ましい。溶媒としては、紡糸原液の調製に用いたのと同じ溶媒を用いるのが好ましい。非溶媒としては、紡糸原液の調製に用いたのと同じ溶媒を用いるのが好ましい。
凝固浴中の溶媒濃度および温度は、中空糸膜外表面側の構造に最も顕著な影響を与える。中空糸膜の外表面開孔率や平均孔面積を本件発明範囲にするためには、凝固浴中の溶媒濃度を40〜80重量%、温度を20〜60℃とするのが好ましい。
なお、凝固浴への非溶媒の添加は特に必要ないが、凝固浴組成の変化を抑制する意味から紡糸原液中の溶媒/非溶媒比に合わせるのが好ましい。
倍率200倍の投影機で中空糸膜の断面を投影し、各視野内で最大、最小、中程度の大きさの中空糸の内径(A)および外径(B)を測定し、各中空糸の膜厚を次式で求め、
膜厚=(B−A)/2
1視野15個の中空糸膜の平均を算出する。
透析器の膜面積は中空糸膜の内径基準として求める。
A=n×π×d×L
ここで、nは透析器内の中空糸膜本数、πは円周率、dは中空糸膜の内径(m)、Lは透析器内の中空糸膜の有効長(m)である。
中空糸膜外表面を10,000倍の電子顕微鏡で観察し、写真(SEM写真)を撮影する。その画像を画像解析ソフトで処理して、中空糸膜外表面の開孔率を求める。画像解析ソフトは、例えばImage Pro Plus(Media Cybernetics,Inc.)を使用して測定する。取り込んだ画像を孔部と閉塞部が識別されるように強調・フィルタ操作を実施する。その後、孔部をカウントし、孔内部に下層のポリマー鎖が見て取れる場合には、孔を結合して一孔とみなしてカウントする。測定範囲の面積(A)、および測定範囲内の孔の面積の累計(B)を求めて開孔率(%)=B/A×100を求める。これを10視野実施してその平均を求める。初期操作としてスケール設定を実施するものとし、また、カウント時には測定範囲境界上の孔は除外しないものとする。
前項と同様にカウントし、各孔の面積を求める。また、カウント時には測定範囲境界上の孔は除外する。これを10視野実施してすべての孔面積の平均を求める。
破断強力および降伏強力は、糸引っ張り試験機(インストロンエンジニアリングコーポレーション社製インストロン(モデルNo.TM))を用いて測定する。全長約15cmの単糸をチャック(チャック間10cm)に固定し、20mm/分の速度でチャックに連結したフルスケール100gのセルを上昇させる。チャート紙から中空糸が切れた破断伸度と破断強力を読み取り、S−Sカーブとする。極大点を持たない場合は、初期勾配を延長させた補助線を設ける。二つの補助線が交差した点を降伏点と定義し、その点における強力を降伏強力、伸度を降伏伸度とする。また、極大点を持つ場合、初期勾配を延長させた補助線と、極大点における傾きゼロの補助線が交わる点を降伏点と定義し、その点における強力を降伏強力、伸度を降伏伸度とする。これらの値を用いてヤング率は
ヤング率=降伏強度/糸断面積/降伏伸度
の式で算出する。
透析器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗子で挟んで封止する。37℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、37℃恒温槽で保温した透析器へ純水を送り、透析液側から流出した濾液流量を測定する。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とする。ここでPiは透析器入り口側圧力、Poは透析器出口側圧力である。TMPを4点変化させ濾過流量を測定し、それらの関係の傾きから透水率(mL/hr/mmHg)を算出する。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上でなくてはならない。また回路による圧力損失誤差を少なくするために、TMPは100mmHg以下の範囲で測定する。中空糸膜の透水率は膜面積と透析器の透水率から算出する。
UFR(H)=UFR(D)/A
ここでUFR(H)は中空糸膜の透水率(mL/m2/hr/mmHg)、UFR(D)は透析器の透水率(mL/hr/mmHg)、Aは透析器の膜面積(m2)である。
日本透析医学会が定める「血液浄化器の性能評価法と機能分類」における、血液浄化器の評価法に準じて実施する。透過性能は、β2ミクログロブリンのクリアランスをもって評価する。(非特許文献1参照)。
日本透析学会誌 29(8)1231〜1245(1996)
クエン酸を添加し、凝固を抑制した37℃の牛血液を用いる。牛血漿で希釈し、ヘマトクリットを30%に調整する。該血液を血液浄化器に200mL/min.で送液し、15mL/min.の割合で血液をろ過する。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。溶血を防止する目的で血液浄化器は予め生理食塩水で十分に置換しておく。循環開始5分後に所定のろ過流量を得ていることを確認し、開始15分後から15分おきにろ液を約1ccサンプリングする。また、開始15分後、60分後、120分後に血液浄化器入り口側と出口側の血液をサンプリングし、遠心分離により血漿を得て、これを試験液とする。採取したサンプルをA/G B−テストワコー(和光純薬工業社製)を用いてブロムクレゾールグリーン(BCG法)により、ろ液及び血液・血漿中のアルブミン濃度を算出する。3L除水換算のアルブミンリーク量は次のように求めることができる。30分、45分、60分、75分、90分、105分、120分でサンプリングし、ろ液中のアルブミン濃度を算出する。これらのデータを用い、縦軸にアルブミンリーク(TAL[mg/dl])、横軸にln(時間[min.])(lnT)をとり、表計算ソフト(ex.マイクロソフト社製Excel−XP)を用いて一次近似によりフィッティングカーブを描き、その関係式TAL=a×lnT+bにおける定数aおよびbを求める(相関係数は0.95以上が好ましく、0.97以上がさらに好ましく、0.99以上がより好ましい)。この式TAL=a×lnT+bを用いてT=0からT=240で積分し、これを240[min.]で除することにより、平均のアルブミンリーク濃度[mg/dl]を算出する。求めた平均のアルブミンリーク濃度に30dlを乗ずることにより、本願での3L除水換算でのアルブミンリーク量を得ることができる。ただし、アルブミンリークの経時変化が小さい場合には、単純にTALと時間の1次フィッティングを実施し、その積算面積を240[min.]で除することにより、平均のアルブミンリーク濃度[mg/dl]を算出し、求めた平均のアルブミンリーク濃度に30dlを乗ずることにより、本願での3L除水換算でのアルブミンリーク量を得ることができる。
クエン酸を添加し、凝固を抑制した37℃の牛血液を用いる。牛血漿で希釈し、ヘマトクリットを30%に調整する。該血液を血液浄化器に200mL/min.で送液し、45mL/min.の割合で血液をろ過する。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。溶血を防止する目的で血液浄化器は予め生理食塩水で十分に置換しておく。循環開始後5分後に所定のろ過流量を得ていることをメスシリンダーにろ液を採取して確認し、同時に透析回路の圧力チャンバー部位でそれぞれ血液入口(Pi)、血液出口(Po)、濾液導出部(Pf)の圧力を測定し、
TMP=Pf −(Pi + Po)/ 2
で算出する。同様に240分経過後のTMPを測定し、
△TMP=│TMP240 − TMP5│
により算出する。
また、Qfmax(TMP=100mmHg)は同様にクエン酸を添加し、凝固を抑制した37℃の牛血液を用いる。牛血漿で希釈し、ヘマトクリットを30%に調整する。該血液を血液浄化器に200mL/min.で送液し、30分毎に15mL/min.の割合でろ過速度を上昇させる。このとき、ろ液は血液に戻し、循環系とする。溶血を防止する目的で血液浄化器は予め生理食塩水で十分に置換しておく。ろ過速度変更20分後に、上述の式でTMPをそれぞれ求め、QfとTMPをプロットする。この関係を例えば2次関数といった適当なフィッティングを実施し、TMP=100mmHg時のQfをQfmaxとして算出する。
モジュール生産性は膜面積1.5m2のモジュールを1000本製作し、950本以上の良品を得た場合を○、900本以上949本以下の良品を得た場合を△、それ以下を×とする。不良要因としては、中空糸膜の切れ、折れ、曲がり(中空糸長さ方向に対して15度以上の傾斜曲がりを認めた場合)、つぶれ、リーク、封止剤の充填不良を含む。
それぞれの所望の紡糸原液を窒素雰囲気下、180℃にて4時間溶解し、目視で均一溶解していることを確認したのち、サンプルを採取し、B型粘度計(B-8H-HH)[東京計器製]にて温度50℃での粘度を測定する。
中空糸膜の両端を樹脂で固定化した有効膜面積1.5m2(被処理液接触面基準)モジュールから取り出した両端の端部接着部を約1cm角の大きさに細断する。得られた試料を40℃、200ccの温水中に2時間浸漬して端部接着部からの溶出物を抽出する。得られた抽出液を50倍に希釈した希釈液の245nmにおける吸光度を測定する。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社)21重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルの外側環状部より吐出し、同時に芯液として水を吐出した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に5℃の冷媒を流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を循環し保温した。
ノズルから吐出された紡糸原液は50mm、30℃の空走部を通過させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で70重量%となるように希釈した40℃の凝固液中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。かかる中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にして血液浄化容器に挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2 の血液透析器を作製して種々の評価に供した。評価結果を表1にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社)18重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルの外側環状部より吐出し、同時に芯液として水を吐出した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に0℃の冷媒を流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を循環し保温した。
ノズルから吐出された紡糸原液は80mm、30℃の空走部を通過させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で72重量%となるように希釈した45℃の凝固液中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。かかる中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にして血液浄化容器に挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2 の血液透析器を作製して種々の評価に供した。評価結果を表1にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=172mPa・s、ダイセル化学工業社)23重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルの外側環状部より吐出し、同時に芯液として水を吐出した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に10℃の冷媒を流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を循環し保温した。
ノズルから吐出された紡糸原液は20mm、30℃の空走部を通過させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で60重量%となるように希釈した35℃の凝固液中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。かかる中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にして血液浄化容器に挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2 の血液透析器を作製して種々の評価に供した。評価結果を表1にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社)21重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルの外側環状部より吐出し、同時に芯液として水を吐出した。紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を循環し保温した。芯液は保冷しなかった。
ノズルから吐出された紡糸原液は50mm、30℃の空走部を通過させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で70重量%となるように希釈した40℃の凝固液中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。かかる中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にして容器に挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、有効面積が1.5m2 の血液透析器を作製して種々の評価に供した。評価結果を表1にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=154mPa・s、ダイセル化学工業社)18重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルの外側環状部より吐出し、同時に水を芯液として吐出した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に0℃の冷媒を流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を循環し保温した。
ノズルから吐出された紡糸原液は80mm、30℃の空気中を通過させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で希釈し72重量%とした75℃の凝固液中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。かかる中空糸膜の内径は195μm、膜厚は25μmであった。得られた中空糸膜を束状にして血液浄化用容器に挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2 の血液透析器を作製して種々の評価に供した。評価結果を表1にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=266mPa・s、ダイセル化学工業社)21重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルの外側環状部より吐出し、同時に芯液として水を吐出した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に20℃の冷媒を流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で110℃の熱媒を循環し保温した。ノズルから吐出された紡糸原液は50mm、35℃の空走部を通過させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で70重量%となるように希釈した40℃の凝固液中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取った。かかる中空糸膜の内径は200μm、膜厚は20μmであった。得られた中空糸膜を束状にして血液浄化容器に挿入し、両端をポリウレタンで接着固定し、中空糸膜内径基準の有効面積が1.5m2 の血液透析器を作製して種々の評価に供した。評価結果を表1にまとめた。
セルローストリアセテート(6%粘度=266mPa・s、ダイセル化学工業社)21重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルより、水を芯液として製膜した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に5℃の冷媒を周りに流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を周りに流し保温した。これらをブロック中で断熱し、吐出直前まで保温した。
セルローストリアセテートの粘度が高すぎるためか、ノズル内に紡糸原液が詰まり吐出することができなかった。
セルローストリアセテート(6%粘度=162mPa・s、ダイセル化学工業社)13重量%をN-メチル-2-ピロリドン(NMP、三菱化学社)とトリエチレングリコール(TEG、三井化学社)の比が8対2の混合溶液に均一に溶解したものを紡糸原液として、ニ重管ノズルより、水を芯液として製膜した。その際、芯液はノズルをセットするブロック中に5℃の冷媒を周りに流し保冷した。また、紡糸原液はブロック中で80℃の熱媒を周りに流し保温した。これらをブロック中で断熱し、吐出直前まで保温した。
ノズルから50mm、30℃の空気中に吐出させた後、NMP/TEG=8/2の混合溶液を水で70重量%とした凝固液、40℃の中に導いて固化させ、水洗、グリセリン付着処理後、乾燥して巻き取る予定であった。しかしながら、凝固浴中で形成された膜の強度が非常に弱いため、凝固浴中から次の工程に中空糸膜を曳き出すことができなかった。
Claims (4)
- 主としてセルロースアセテート系ポリマーからなり、少なくとも内表面に緻密層を有する非対称構造の中空糸膜において、該中空糸膜の内径が150μm以上250μm以下、膜厚が10μm以上30μm未満であり、該中空糸膜の外表面の開孔率が15%以上30%以下かつ平均開孔面積が孔1個あたり0.01μm2以上0.05μm2未満であることを特徴とするセルロースアセテート系非対称中空糸膜。
- 該中空糸膜の単糸あたりのヤング率が5000kg/cm2以上、降伏強度が25g以上であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアセテート系非対称中空糸膜。
- 該セルロースアセテート系ポリマーを塩化メチレン/メタノール=91/9に6重量%になるように溶解し、温度25℃で測定したときの粘度が140mPa・s超200mPa・s未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアセテート系非対称中空糸膜。
- 該セルロースアセテート系ポリマーがセルロースジアセテートおよび/またはセルローストリアセテートであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のセルロースアセテート系非対称中空糸膜。
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JP2008178814A (ja) | 2008-08-07 |
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