JPH01149302A - 導電性アラミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

導電性アラミドフィルムおよびその製造方法

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JPH01149302A
JPH01149302A JP30708387A JP30708387A JPH01149302A JP H01149302 A JPH01149302 A JP H01149302A JP 30708387 A JP30708387 A JP 30708387A JP 30708387 A JP30708387 A JP 30708387A JP H01149302 A JPH01149302 A JP H01149302A
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film
dope
para
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aramid film
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Goro Furumoto
五郎 古本
Shigemitsu Muraoka
重光 村岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フィルムの長尺方向(以下、MD方向と称す
る)および幅方向(以下、TD方向と称する)ともに優
れた機械的特性を有し、かつ耐熱性に優れた導電性アラ
ミドフィルムおよびその製造方法に関し、特に硫化銅を
フィルム内部に均一に含有することにより導電化された
バラ配向型アラミドフィルムおよびその製造方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PPTA
という)に代表されるパラ配向型の芳香族ポリアミドは
、特に優れた結晶性や高い融点を有し、また剛直な分子
構造の故に、耐熱性で高い機械的強度を有しており、近
年、特に注目されている高分子素材である。その光学異
方性を示す濃厚溶液から紡糸された繊維は高い強度およ
びモジュラスを示すことが報告され、すでに工業的に実
施されるに到っている。また、PPTAのフィルムへの
成形例も幾つか提案されている(例えば、特公昭56−
4521号公報、特公昭57−17886号公報など)
上述のようにパラ配向型アラミドは、優れた機械的特性
と耐熱性を合わせ持つ素材として、種々の分野での利用
が検討されている。特にエレクトロニクス関係の分野に
おいて、上記性能に加えてさらに導電性を付与すること
により、さらに用途の拡大が期待される。電気絶縁体で
ある有機高分子において電気伝導性を付与する方法は多
くの場合導電性物質を混入することにより実現される。
導電性物質としては一般にカーボンブラックが用いられ
るが、導電性の域に到達するには含有量を多くする必要
があるため、カーボンブラックの混入により素材の微細
構造が破壊され、強度低下が著しくなる。一方、金属ま
たは金属塩を含有させることにより導電性を向上させる
方法が知られている。例えば特開昭56−169808
号公報にはシアノ基を介して硫化銅を保持する方法が示
されるが、シアノ基を本来有しない高分子ではシアノ基
を導入する必要があり、また燃焼時の有毒ガスの発生等
安全上からも問題を有する。また、特公昭53−789
号公報には重合体に硫黄酸化物を含浸し、次いで金属塩
の水溶液で処理する方法が開示されている。しかし、パ
ラ配向型アラミド成形物は、その高い結晶性、高い分子
間力に起因する構造の緻密性故に、染色すら困難であり
、上記の方法は通用困難であった。
一方、特開昭50−12322号公報、同49−758
24号公報および特開昭53−35020号公報には水
で膨潤した乾燥していないアラミド繊維に紫外線吸収剤
、難燃剤等の添加剤を含浸することによってアラミド繊
維の耐光性、難燃性等を向上させる方法が開示されてい
る。しかしながら、パラ配向型アラミド繊維については
紡糸原液のポリマー濃度が低く、高温の凝固浴中へ湿式
紡糸されているため、ボイドが多く、密度が小さり1.
強度が著しく小さい。すなわち、パラ配向型アラミド繊
維の最大の特徴である高強度という特性が損なわれる。
これは、そもそも含浸処理のし易い密度約1.35g/
cJ以下の、ボイドが多く多孔質の繊維をつくることが
前提になっていることによる。
このようにパラ配向型アラミドフィルムに関しては、フ
ィルム中に試剤を導入し、新しい機能を付与する技術は
、染色はおろかいまだ全く開示されていないのが現状で
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、高強度、高モジュラスを有し、かつ高
い電気伝導性を有するパラ配向型アラミドフィルムおよ
びその製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、このようなフィルムを得る方法について
鋭意研究を重ねた結果、パラ配向型芳香族ポリアミドの
光学異方性ドープを支持面上にフィルム状にした後、等
方化し、次いで凝固させ、溶媒を除去して得た、水分率
が50重量%以上の未乾燥フィルムに銅化合物を含む溶
液を接触させ、次いで硫化剤を含む溶液と接触させた後
、乾燥させることにより、機械的特性および導電性に優
れたフィルムが得られることを見出し、さらに研究を重
ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の第1は、2.5以上の対数粘度(ηi
nh)を有するパラ配向型アラミドフィルムであって、
硫化銅を対乾燥フィルム重量比0.5%以上でフィルム
内部に均一に含有し、かつ密度が1.37g/cn以上
、ヤング率が500kg/mm以上であることを特徴と
するフィルムであり、本発明の第2は、対数粘度ηin
hが2.5以上であるパラ配向型芳香族ポリアミドと9
6重量%以上の濃度の濃硫酸、クロル硫酸およびフルオ
ル硫酸からなる群より選択された少なくとも1種の溶媒
とを含んでなる光学異方性ドープを、光学異方性を保っ
たまま支持面上にフィルム状となし、吸湿および/また
は加熱により該ドープが光学等方性ドープに実質的に転
化するまで放置した後、凝固させ、溶媒を実質的に除去
して得られた50重量%以上の水分を含んだフィルムに
銅化合物を含有する溶液を接触させて銅化合物をフィル
ム中に拡散させ、次いで硫化剤を含む溶液と接触させた
後、50℃以上の温度で、収縮を制限しつつ乾燥するこ
とを特徴とするパラ配向型アラミドフィルムの製造方法
である。
本発明に用いられるパラ配向型芳香族ポリアミドは、次
の構成単位からなる群より選択された単位から実質的に
構成される。
−NH−A r 1−NH−−(1) −CO−A r 2− G O−・・・(II )−N
H−A r3−Co −・・・(I[[)ここでAr1
.Ar2およびA r 3は各々2価の芳香族基であり
、(1)と(IF)はポリマー中に存在する場合は実質
的に当モルである。
本発明のポリアミドフィルムにおいて、良好な機械的性
能を確保するために、A r 1 、A r 2および
Ar3は各々、いわゆる、パラ配向型の基である。
ここで、パラ配向型とは、その分子鎖を成長させている
結合が芳香核の反対方向に同軸または平行的に位置して
いることを意味する。このような2価の芳香族基の具体
例としては、パラフェニレン、4.4′−ビフェニレン
、1.4−ナフチレン、1.5−ナフチレン、2.6−
ナフチレン、2.5−ピリンジンなどがあげられる。そ
れらはハロゲン、低級アルキル、ニトロ、メトキシ、ス
ルホン酸、シアノ基などの非活性基で1または2以上置
換されていてもよい。A r 1 、A r 2および
Ar3はいずれも2種以上であってもよく、また相互に
同じであっても異なっていてもよい。
本発明に用いられるポリマーは、これまでに知られた方
法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボン
酸、アミノカルボン酸より製造することができる。具体
的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾラ
イド、エステル等に誘導した後にアミノ基と反応させる
方法、またはアミノ基をイソシアナート基に誘導した後
、カルボン酸基と反応させる方法が用いられ、重合の形
式もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、熔融重合法
、固相重合法などを用いることができる。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドには、上記した以
外の基が約10モル%以下共重合されたり、他のポリマ
ーがブレンドされたりしていてもよい。
本発明の芳香族ポリアミドとして最も代表的なも゛のは
、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(以下、PP
TAと略称する)やポリ−p−ベンズアミドである。
本発明の芳香族ポリアミドの重合度は、あまりに低いと
本発明の目的とする機械的性質の良好なフィルムが得ら
れなくなるため、通常2.5以上、好ましくは3.5以
上の対数粘度ηinh (硫酸IQ Q m lにポリ
マー0.5gを溶解して30℃で測定した値)を与える
重合度のものが選ばれる。
本発明のフィルムは少なくとも1.37g/cIa以上
、より好ましくは1.39g/cd以上の密度を有して
いる。これはさきに述べたフィルムの機械的物性を確保
するために必要な密度である。
本発明のフィルムは少なくとも初期モジュラス(ヤング
率)が500kg/mrrr以上、より好ましくは70
0kg/ml’l1以上を有する。これは本発明のフィ
ルムが外力により変形を生じに(くするため、あるいは
薄くても腰が強くあるために必要な条件である。
本発明のフィルムはその内部に均一に硫化銅を含有する
。その含有量は目的とする導電性の程度によって決めら
れるが、通常導電性と言われる、体積抵抗値が102Ω
・ω以下を実現するためには、対乾燥フィルム重量比率
で0.5重量%以上である。なおこの重量比は元素分析
による金属銅の含有量より硫化銅として算出した値であ
る。なお、硫化銅がフィルム全体に均一に含有されてい
るかどうかは、本発明のフィルムの薄切片を作製し、X
線マイクロアナライザを用いて面分析することにより、
容易に確認できる。
次に本発明のフィルムの製造方法について説明する。
本発明のフィルムの成型に用いる光学異方性ドープを調
製するのに通した溶媒としては、96重量%以上の濃度
の硫酸、クロル硫酸、フルオル硫酸またはそれらの混合
物があげられる。硫酸は100%以上のもの、すなわち
発煙硫酸であってもよいし、またトリハロゲン化酢酸な
どを、本発明の効果を損なわない範囲で混合して用てい
もよい。
本発明に用いられるドープ中のポリマー濃度は、常温(
約20〜30℃)またはそれ以上の温度で光学異方性を
示す濃度以上のものが好ましく用いられ、具体的には約
9重量%以上、好ましくは約10重量%以上で用いられ
る。これ以下のポリマー濃度、すなわち常温またはそれ
以上の温度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、
成型されたフィルムが好ましい機械的性質を持たなくな
ることが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定
されるものではないが、通常は20重量%以下、特に高
いηinhのPPTAに対しては16重量%以下が好ま
しく用いられる。
本発明に用いるドープには、ドープ中のポリマー熔解性
を著しく損なわない限り、添加剤、例えば、増量剤、除
光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、溶解
助剤などを混入してもよい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるか1よ、公知の
方法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で
調べることができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温
度、ポリマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量
等に依存するので、これらの関係をあらかじめ調べるこ
とによって、光学異方性ドープをつくり、光学等方性ド
ープとなる条件に変えることで、光学異方性から光学等
方性に変えることができる。
本発明のフィルムを得るには、例えばドープを支持面上
にフィルム状にした後、凝固に先立ってドープを光学異
方性から光学等方性に転化する。
光学異方性から光学等方性に転化するには、具体的には
支持面上にフィルム状にした光学異方性ドープを凝固に
先立ち、吸湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下げ
、溶剤の溶解能力およびポリマー濃度の変化により光学
等方性域に転移させるか、または加熱することによりド
ープを昇温し、同時または逐次的にドープを光学等方性
に転移させるか、あるいは加熱と吸湿を併用することに
より達成できる。
ドープを吸湿させる方法としては、例えば、空気中に一
定時間以上静置することにより達成することができる。
この場合の空気は50%以上の相対湿度を持っているこ
とが好ましい。
また通常の湿度雰囲気にさらに積極的に加湿を施す工夫
は、光学等方性化するまでの時間を短く、また加熱を併
用する場合にはその加熱温度を低くできる点から望まし
い実施態様である。相対湿度99%を超えると、低温で
はドープ上に水が凝縮するためポリマーが析出したり、
フィルムの平面性が失われることがあるが、45℃以上
においては、100%以上の相対湿度を用いることもで
きる。
また吸湿と同時または吸湿させた後加熱を併用する方法
においては、例えば、硫酸を溶媒に用いた場合、光学異
方性が実質的に消失し、ドープが光学等方性に転化する
温度は、ポリマー濃度、ポリマーの重合度、硫酸濃度、
ドープの厚み、さらには吸湿の程度により変動するが、
通常約45℃以上が好ましく、またその上限は、ポリマ
ーの分解性を考慮した場合、一般的にあまり高くないこ
とが望ましく、フィルム状のドープの温度が200℃を
超えない程度に選ばれることが望ましい。
この吸湿により光学等方性化する機構は必ずしも明らか
ではないが、おそらく吸湿することによるポリマー濃度
と溶媒濃度の低下により、PPTA−溶媒系の液晶域が
かなり縮小するためであろうと思われる。この吸湿だけ
でも充分光学等方性化するが、これにさらに加熱が伴え
ば、短時間の等方性化が可能となる。この方法は特にド
ープの厚みが厚いときに有効である。
本発明において、ドープの凝固液として使用できるのは
、例えば水約70重量%以下の希硫酸、約20重量%以
下の水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水、約5
0重量%以下の塩化ナトリウム水溶液および塩化カルシ
ウム水溶液などである。凝固浴の温度は特に制限される
ものではなく、通常的−5〜50℃の範囲で行なわれる
凝固されたフィルムはそのままでは酸が含まれているた
め、加熱による機械的物性の低下の少ないフィルムを製
造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行なう必要が
ある。酸分の除去は、具体的には約500ppm以下ま
で行なうことが望ましい。洗浄液としては水が通常用い
られるが、必要に応じて温水で行なったり、アルカリ水
溶液で中和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄
は、例えば洗浄液中でフィルムを走行させたり、洗浄液
を噴霧する等の方法により行なわれる。
本発明において、このようにして製造されたフィルムは
、乾燥させることなく、少なくとも50重量%以上の水
分、好ましくは80重量%以上の水分を含有させたまま
保持し、銅化合物を含有する液と接触させなければなら
ない。水分量が50重量%未満ではいわゆる生乾きの状
態であり、銅化合物の拡散が著しく低下し、実用的程度
に含浸させることができない。
硫化銅の含浸は、1段目の銅化合物の含浸と2段目の硫
化剤の含浸による銅化合物の硫化の2段階からなる。1
段目の含浸に供する銅化合物としては、塩化第二銅、臭
化第二銅、硫酸第二銅、酢酸第二銅、硝酸第二銅等があ
げられる。第2段目の硫化剤としては硫化水素、千オ尿
素、チオアセトアミド、硫化ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウム等があげられる。
含浸条件は、フィルムに必要とされる含浸量に応じて設
定されるべきであり、用いられたポリマーの種類、含浸
剤の種類、フィルムの厚さ等、多くの要因により異なり
、各々の条件で実験的に求めて決定することが望ましい
1段目の銅化合物の含浸時の銅化合物水溶液の濃度は1
0〜50重量%が好ましいが、20〜50重量%がさら
に好ましい。2段目の硫化時の硫化剤の濃度は特に限定
されないが、硫化水素を用いる場合には、飽和溶液とし
て、またその他の硫化剤を用いる場合には10〜50重
量%の濃度が用いられる。硫化後は水洗した後、乾燥さ
れるが、乾燥に先立って延伸することもできる。すなわ
ち、乾燥前の湿潤フィルムを1方向または2方向に1゜
01〜1.4倍程度延伸することにより、フィルムの機
械的性質を向上させることができる。
フィルムの乾燥は、緊張下、定長下またはわずかに延伸
しつつ、フィルムの収縮を制限して行なう必要がある。
もし、洗浄液(例えば水)の除去とともに収縮する傾向
を有するフィルムを、何らの収縮の制限を行なうことな
く乾燥した場合には、ミクロに不均一な構造形成(結晶
化など)が起こるためか、得られるフィルムの平面性が
損なわれたり、カールしてしまうこともある。収縮を制
限しつつ乾燥するには、例えばテンター乾燥機や金属枠
に挾んでの乾燥などを利用することができる。
乾燥に係る他の条件は特に制限されるものではなく、加
熱気体(空気、窒素、アルゴンなど)や常温気体による
方法、電気ヒータや赤外線ランプなどの輻射熱による方
法、誘電加熱法などの手段から任意に選ぶことができる
フィルムの乾燥温度は50℃以上であることが肝要であ
る。さらに好ましい乾燥温度は100〜300℃である
。これは高温で乾燥することによって繊維の構造が緻密
化し、−旦含浸された硫化銅が繊維内部に強固に保持さ
れるため、繊維からの硫化銅の溶出を低く抑えることが
できるからである。このことは耐洗濯性に優れているこ
とをも意味しており、導電性を永続させることができる
また、本発明において、パラ配向型アラミドポリマーを
硫酸系の溶媒に溶解し成形するに当たり、条件によって
はポリマー鎖中の芳香核が一部スルホン化されることが
あるが、これは得られたフィルムの機械的物性の低下を
伴わない範囲においては硫化銅の吸尽力の向上効果が見
られるため、積極的にスルホン化を進行させるのも好ま
しい実施態様の1つである。このようなスルホン化は、
光学異方性ドープの等劣化のための加熱や吸湿時の発熱
等を利用することによって達成できる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが
、これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない
実施例中、特にことわりのない限り「%」および「部」
はそれぞれ重量パーセントおよび重量部を表わす。また
、本発明法において用いられる種々のパラメータの主な
ものは以下のようにして測定されたものである。
く固有粘度の測定法〉 固有粘度(ηinh)は、98.5重量%の濃硫酸に濃
度(C) =0.5 g/dlでポリマーまたはフィル
ムを熔かした溶液を30’Cにて常法により測定して得
たηre1.から下式に基づいて算出した。
し くドープ粘度〉 ドープの粘度は、B型粘度計を用いてlrpmの回転速
度で測定した。
くフィルムの厚さ〉 直径2flの測定面を持ったダイヤルゲージで測定した
くフィルムの強伸度およびモジュラス〉定速伸長型強伸
度測定機により、フィルム試料を100+nX10+n
の長方形に切り取り、最初のつかみ長さ30mm、引張
速度30m*/分で荷重−伸長曲線を5回描き、これよ
り算出した。
く密度〉 四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法により、
30℃で測定した。
く洗濯堅牢度〉 硫化鋼を含むフィルムを0.1重量%の液体洗剤(スコ
アロール■)を含む水溶液中で60℃にて30分間洗濯
し、次いで40℃の水で5分間すすぎ、水を入れ替えて
さらに40℃の水で10分間すすぐ一連の操作を10回
繰返した後、風乾し、洗濯後のフィルムの体積固有抵抗
値で評価した。
く体積固有抵抗値〉 硫化銅を含むフィルムの両面に真空蒸着装置を用いて1
cmX1cmのアルミ電極を蒸着し、この電極に導電ペ
ーストを用いてリード線を装着した。
この試料を相対湿度65%の雰囲気で調湿した後、リー
ド線を電極クリップで挟み、ハイレジスタンスメータ(
横河ハネウェル社製)で電気抵抗を測定し、フィルムの
厚みをもとに体積固有抵抗値(同一フィルムにつき5回
の測定値の平均値)を算出した。
参考例(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドの製造
方法) 低温重合法により、次のごとくポリ−p−フェニレンテ
レフタルアミド(以下、rPPTAJと略す)を得た。
特公昭53−43986部号公報に示された重合装置中
でN−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム
70部を溶解し、次いでパラフェニレンジアミン48.
6部を熔解した。
8°Cに冷却した後、テレフタル酸ジクロライド91.
4部を粉末状で一度に加えた。数分後に重合反応物はチ
ーズ状に固化したので、特公昭53−43986号公報
記載の方法に従って重合装置より重合反応物を排出し、
直ちに2軸の密閉型ニーダに移し、同ニーダ中で重合反
応物を微粉砕した。
次に、微粉砕物をヘンシェルミキサー中に移し、はぼ等
量の水を加えさらに粉砕した後、濾過し数回温水中で洗
浄して、110℃の熱風中で乾燥した。77inhが5
.5の淡黄色のPPTA  95部を得た。
なお、異なったηinhのPPTAは、N−メチルピロ
リドンとモノマー(パラフェニレンジアミンおよびテレ
フタル酸ジクロライド)の比、または/およびモノマー
間の比等をかえることによって容易に得ることができる
実施例1〜6 ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫
酸にポリマー濃度12.0%で溶解し、60℃で光学異
方性のあるドープを得た。このドープの粘度を常温で測
定したところ、14,000ポイズであった。製膜し易
くするために、このドープを約70℃に保ち、真空下に
脱気した。この場合も上記と同じく光学異方性を有し、
粘度は4200ポイズであった。このドープをタンクか
らフィルタを通し、約70℃に保ちながらギアポンプを
経てダイに到る1、5mの曲管を通し、0.3 鶴X 
300flのスリットを有するダイから、鏡面に磨いた
ハステロイ製のベルトにキャストし、この流延ドープに
相対湿度的95%の約90℃の空気を吹き付けて光学等
方性化した後、約1分間ベルト上に保持してから、ベル
トとともに0℃の20重量%硫酸水溶液の中に導いて凝
固させた。次いで凝固フィルムをベルトから引き剥がし
、回転ローラを介して約20℃の水槽中を走行させて洗
浄しく滞留時間約3分)、水分率約380重量%のゲル
状凝固フィルムを得た。
得られたフィルムを、第1表に示す条件で銅化合物を含
有する50℃の溶液と5分間接触させ、銅化合物をフィ
ルム中に拡散含浸させた後、水洗した。次いで硫化剤を
含む30℃の溶液と銅化合物を含浸したフィルムを接触
させることにより硫化処理を15分間行ない、その後表
面に付着した硫化銅を水洗除去した。得られた硫化銅含
浸フィルムをステンレス製の2枚の枠に挟み、200℃
に保たれたエアオーブン中で定長下で乾燥した。
処理条件および得られたフィルムの性能を第1表にまと
めて示した。
以下余白 比較例1 実施例1と同じ条件で処理して得た未乾燥の硫化銅含浸
フィルムをステンレス製の2枚の枠に挟み、室温で定長
乾燥した。
比較例2 実施例1で得られた銅化合物を含浸する前のゲル状凝固
フィルムを、−旦150℃で乾燥して水分率5%にした
後、実施例1と同じ条件で硫化銅を含浸させ、水洗、乾
燥して試料を得た。
比較例3 銅化合物の溶液を接触させる時間を0.5分とした以外
は実施例6と同じ条件で処理を行なって試料を得た。比
較例1〜3のフィルムの処理条件および性能を第1表に
あわせて示した。
第1表から明からなどと(、実施例のフィルムはいずれ
も充分な導電性と高い強度、モジュラスを示した。一方
、比較例1の・フィルムは、導電性は高いものの、密度
が低く、また強度、モジュラスともに低いものでしかな
かった。また、比較例2のフィルムは、はとんど導電効
果が得られなかった。比較例3のフィルムも硫化銅の含
有量が充分でなく、従って導電性も不充分であった。X
線マイクロアナライザでフィルム断面の銅の分布を調べ
た結果、実施例1〜4および比較例1のフィルムは均一
に分布しているのに対し、比較例2のフィルムは、ごく
表面のみにしか分布していなかった。
〔発明の効果〕
本発明のフィルムは、高い強度と高いモジュラスで表わ
されるパラ配向型アラミドフィルム本来の良好な機械的
特性と高い耐熱性を有するのみならず、優れた電気伝導
性を有し、さらにその堅牢度に優れている。これにより
、本発明のフィルムは、電磁波シールド材料、各種セン
サ類、電極、静電防止材料、導電プリンタ用ベースフィ
ルム等、より広汎な分野および用途に好ましく用いるこ
とができる。
代理人 弁理士 川 北 武 長

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)2.5以上の対数粘度(ηinh)を有するパラ
    配向型アラミドフィルムであって、硫化銅を対乾燥フィ
    ルム重量比0.3%以上でフィルム内部に均一に含有し
    、かつ密度が1.37g/cm^3以上、ヤング率が5
    00kg/mm^2以上であることを特徴とする導電性
    アラミドフィルム。
  2. (2)対数粘度ηinhが2.5以上であるパラ配向型
    芳香族ポリアミドと96重量%以上の濃度の濃硫酸、ク
    ロル硫酸およびフルオル硫酸からなる群より選択された
    少なくとも1種の溶媒とを含んでなる光学異方性ドープ
    を、光学異方性を保ったまま支持面上にフィルム状とな
    し、吸湿および/または加熱により該ドープが光学等方
    性ドープに実質的に転化するまで放置した後、凝固させ
    、溶媒を実質的に除去して得られた50重量%以上の水
    分を含んだフィルムに銅化合物を含有する溶液を接触さ
    せて銅化合物をフィルム中に拡散させ、次いで硫化剤を
    含む溶液と接触させた後、50℃以上の温度で、収縮を
    制限しつつ乾燥することを特徴とする導電性アラミドフ
    ィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160048815A (ko) * 2013-09-04 2016-05-04 듀폰 테이진 어드밴스드 페이퍼 가부시끼가이샤 도전성 아라미드지 및 그의 제조 방법

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