JPS63249719A - 導電性繊維及びその製造方法 - Google Patents

導電性繊維及びその製造方法

Info

Publication number
JPS63249719A
JPS63249719A JP7747787A JP7747787A JPS63249719A JP S63249719 A JPS63249719 A JP S63249719A JP 7747787 A JP7747787 A JP 7747787A JP 7747787 A JP7747787 A JP 7747787A JP S63249719 A JPS63249719 A JP S63249719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
fiber
dope
fibers
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7747787A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Kato
哲雄 加藤
Goro Furumoto
五郎 古本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP7747787A priority Critical patent/JPS63249719A/ja
Publication of JPS63249719A publication Critical patent/JPS63249719A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高強度、高弾性率を有しかつ導電性に優れた高
性能アラミド繊維に関する。更に詳しくは硫化銅を繊維
内部に均一に含有することにより導電化されたアラミド
繊維及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、パラ配向型アラミドはその高い比強度、比弾性率
、優れた耐熱性を有する有機高分子材料であることから
、防護作業衣、ロープ、ケーブル、コード等として、又
熱可塑性、熱硬化性樹、指の補強繊維としてその利用が
検討されている。これら利用分野において、上記性能に
加えてさらに導電性を付与することにより、さらに用途
の拡大が期待されている。電気絶縁体である有機高分子
において電気伝導性を付与する方法は多くの場合導電性
物質を混入することにより実現される。一般にカーボン
ブランクが用いられるが、導電性の域に達するにはカー
ボンブラック含有量を多くする必要があるため、混入に
より繊維の微細構造が破壊され強度低下が著しい。一方
、金属又は金属塩を含有させることで導電性を向上させ
る方法が開示されている。特開昭56−169808号
公報ではシアノ基を介して硫化銅を保持する方法が示さ
れるが、シアノ基を本来有さない高分子ではシアノ基を
導入する必要があり、又燃焼時の有毒ガスの発生等安全
上からも問題を有する。特公昭53−789号公報では
重合体に硫黄化合物を含浸し、次いで金属塩の水溶液で
処理する方法を開示している。しかしながらパラ配向型
アラミド繊維においてはその高い結晶性、高い分子間力
により染色すら困難であることが知られている。よって
上記の方法により得られた繊維では表面層の皮膜ができ
るのみで、充分な導電性を示さず、又、耐久性も著しく
低い。
一方、特開昭50−12,322号公報、同49−75
,824号公報およ、び特開昭53−35,020号公
報には水で膨潤した乾燥していない繊維に紫外線吸収剤
、難燃剤等の添加剤を含浸することによってアラミド繊
維の耐光性、難燃性等を向上させる方法が一般的に開示
されている。しかしながら、パラ配向型アラミド繊維に
ついては紡糸原液のポリマー濃度が低く、高温の凝固浴
中へ湿式紡糸されているため、ボイドが多く、密度が小
さく、強度が著しく小さい。すなわち、パラ配向型アラ
ミド繊維の最大の特徴である高強度という特性が損われ
る。これは、そもそも含浸処理のし易い密度約1.35
 g / cra以下の、ボイドが多く多孔質の繊維を
つくることが前提になっていることによる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これまで、パラ配向型アラミド繊維の特徴である高強度
、高弾性率という特性を維持したまま、高い電気伝導性
を付与することは実現されていないのが現状である。従
って本発明の目的は高強度、高弾性率であって、かつ導
電性に優れた高性能アラミド繊維及びその製造方法を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するため鋭
意研究の結果、ドープをオリフィスから一旦空気中に押
し出す成形法を採用し、しかも凝固時及び/又は特定の
残酸状態において張力を緩和した工程を設け、該工程に
おいて特定の含水量の繊維に銅化合物を含浸させ次いで
硫化剤と接触させることにより、意外にも、高強度、高
弾性率を有するボイドのない緻密な繊維であっても硫化
銅が内部に均一に分散し、導電性に優れたパラ配向型ア
ラミド繊維が得られることを見い出し、本発明に到達し
た。
即ち、本発明の目的は3.5以上の固有粘度(ηinh
)を有するパラ配向型アラミド繊維であって、硫化銅を
対繊維重量比0.1%以上で繊維内部に均一に含有し、
かつ密度が1.41g/c1以上であることを特徴とす
る繊維によって達成される。
又前記1.41g/cn1以上の密度を有するパラ配向
(ηinh)を有するパラ配向型アラミドと硫酸系溶媒
から光学異方性ドープをつくり、該ドープをオリフィス
を通して一旦、空気中に押し出した後、凝固させ、かつ
、凝固時または/および残存する硫酸系溶媒が対乾燥繊
維比5タラ%以上の洗浄初期に凝固糸条から実質的に張
力を解放し、水分量が80重量%以上の繊維と銅化合物
を含有する溶液とを張力の実質的解放下に接触させて含
浸剤を繊維中に拡散させ、次いで硫化剤を含む溶液と接
触させた後、120℃以上で乾燥させることを特徴とす
る。
本発明でいう「パラ配向型アラミド」とは、1種または
2種以上の2価の芳香族基が直接アミド基により結合さ
れているポリマーであって、該芳香族基の2価の結合基
同志が1.4−フェニレン(パラフェニレン)、4.4
’−ビフェニレン、1.4−ナフチレンの如く、芳香族
環より同軸的に反対方向に、または1,5−ナフチレン
、2゜6−ナフチレンの如く平行軸的に反対方向に配置
されているような芳香族ポリアミドをいう。芳香族基と
しては、上記の如き単環または多環の炭素環芳香族基の
他に、2,5−ピリリジンや、等のへテロ環芳香族であ
ってもよい。
これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の
低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基
等が1個または2個以上含まれることも許される。
これらのバラ配向型アラミドの典型的な例としては、ポ
リバラベンズアミド、ポリバラフェニレンテレフタルア
ミド、ポリ−4,4′−ジアミノベンズアニリドテレフ
タルアミド、ポリ−N。
N’−p−フェニレンビス(p−ベンズアミド)テレフ
タルアミド、ポリバラフェニレン−2,6−ナツタリン
クアミド、コポリバラフェニレン/4.4’−(3,3
’−ジメチルビフェニレン)−テレフタルアミド、コポ
リパラフェニレン/2.5−ビリジレンーテレフタルア
ミド、コポリバラフェニレンテレフタルアミド/ピロメ
リットイミド、コポリパラフェニレン−イソシンコメロ
ンアミド/テレフタルアミド等が挙げられる。
本発明で使用するバラ配向型アラミドは、その分子を構
成する芳香族基の5モル%までを、上記の特別な芳香族
基以外の2価の芳香族基、たとえば、メタフェニレン基
、3.3′−ビフェニレン等や、2価の脂肪族基、たと
えば、エチレン、ブチレン等で置き換えることも、また
、アミド結合の5モル%以下をエステル結合、尿素結合
、ウレタン結合等により置き換えることも許される。
これらのバラ配向型アラミドの製造法は、本発明を実施
する上で制限されるものではなく、たとえば、該当する
ジアミンおよびジ酸クロライドから、特公昭35−14
399号公報等で知られる低温溶液重合法により容易に
製造できる。
本発明の繊維は硫化銅をその繊維内部に均一に含有する
。含有量は目的とする導電性の程度によって決められる
べきであるが、通常導電性と言われる体積抵抗値が10
2Ω・cm以下を実現するたある。なおこの重量比は元
素分析による金属銅の含有量より、CuSとして算出し
たものである。
本発明の繊維はその繊維内部に均一に硫化銅を含有する
。このことは本発明の繊維の薄い切片をつくり、X4i
マイクロアナライザーで面分析することにより容易に確
認できる。
本発明の繊維の機械的物性としては少くとも引張り強度
が20g/d以上、伸度が2%以上、かつ初期モジュラ
スが250g/d以上を示すが如き高性能繊維が対象と
されるべきである。従って、使用されるバラ配向型アラ
ミドポリマーの重合度が一定の値以上のものでなければ
ならず、少くとも固有粘度(ηinh)で表わして3.
5以上、望ましくは4.5以上のものを使用する。
また、本発明方法により得られる繊維の密度は1.41
g/c++!以上であり、この密度は前述の如き高い機
械的性能を有することの基礎要件である。密度は望まし
くは1.43 g / cJ以上である。更に、本発明
は好ましくは単糸デニールが0.1〜5デニールの太さ
の繊維に適用できる。アラミド繊維においてデニールが
太いと、一般に密度が小さくなり、ボイドの多い繊維と
なり、このような繊維は硫化銅の含浸が容易であるが、
機械的性能の点で不充分である。本発明は、最も好まし
くは0.5〜4デニールの太さのマルチフィラメントに
適用される。
次に本発明の繊維の製造方法について説明する。
本発明に用いる光学異方性ドープは、前述のバラ配向型
アラミドを、硫酸系溶剤に溶解することにより調製され
る。好適に用いられる溶剤は、95重量%以上の濃硫酸
または発煙硫酸であり、他の硫酸系溶媒としては、クロ
ル硫酸、フルオロ硫酸等が知られる。
本発明に用いる光学異方性ドープは、ポリマーおよび溶
剤および溶液の温度により定まる一定のポリマー濃度以
上で得られるものであり、具体的には、個々の組合わせ
につき、光学異方性を観察することで確認されるべきで
ある。一般に、濃硫酸等では10重量%内外以上で光学
異方性を示す。
光学異方性の確認は、スライドグラス上にドープを薄く
伸ばしたプレパラートを、偏光顕微鏡の直交ニコルの間
に入れると、直交ニコルの暗視野が明視野に変化するこ
とにより行なわれるが、ドープを溶解する際に剪断力下
で配向して光を乱反射し、金属様または真珠様の光沢が
見られることによっても確められる。
かかるパラ配向型アラミドポリマーの紡糸用ドープは、
公知の方法によって調製される。その際、溶剤としては
、工業的には濃硫酸が有利に用いられる。濃硫酸の濃度
は、95重量%以上が好ましく、特に高い固有粘度を有
するポリマーを高濃度に溶解する場合には97.5重量
%、さらに好ましくは99重量%以上のものが用いられ
る。
紡糸用ドープのポリマー濃度は、一般に高いほうが高性
能繊維が得られ易いことから濃厚であることが望ましい
。通常、少くとも13重タラ以上、好ましくは15重量
%以上とすべきである。濃度が低過ぎると少くとも1.
41g/CJIの密度を有する高性能繊維が得られない
。しかしながら、高すぎる濃度、例えば22重タラ以上
では、ドープの粘度が高くなりすぎるため、ドープ温度
を高く設定する必要があり、紡糸操作上困難を伴いやす
い。
従って、高過ぎないよう選ばれるべきである。紡糸用ド
ープのポリマー濃度は最も好ましくは16〜20重量%
である。
ドープの調製および使用に当っては、上記ポリマー濃度
範囲においては、ドープは室温付近では固化する場合が
あるため、室温から80℃程度の温度で取扱えばよい。
しかしながら、ポリマーの分解を可及的に回避する観点
から、固化しない限りなるべく低い温度を選ぶべきであ
る。
このようにして調製された紡糸用ドープは、上記のポリ
マー濃度、ドープ温度範囲で光学的異方性を有すること
が認められる。かかるドープは、紡糸口金を通して一旦
空気中に押し出され、ついで凝固浴中に導びかれる。
凝固浴中の凝固しつつある、または凝固した糸条はほと
んど引き伸ばしが行なわれないため、吐出されたドープ
は口金直下の空気中において、引き取りのドラフト(引
き伸ばし)がかかり、引き伸ばされる。この引き伸ばし
において、引き伸ばし率が低いと充分に繊維の物性例え
ば強度、初期モジュラスを高めることが出来ず、また、
高すぎるとこの間でドープ流が切断されるため、通常は
、引き伸ばし率は4〜15倍、好ましくは5〜12倍の
間に設定される。ドープの引き伸ばしが行なわれる空気
中の長さ、即ちドープの吐出される紡糸用口金の面から
凝固浴液表面までの距離は、通常約1〜59mm、好適
には3〜20Iuの範囲に設定されるが、これに限定さ
れるものではない。具体的には、紡糸用口金からのドー
プの吐出速度、上記のドラフト率、フィラメントの融合
機会を少くすること等を考慮して決定されるべきである
ドープの吐出に際し才用いられる紡糸用口金の孔径は、
製造しようとする繊維の太さ、及び上記のドラフト率の
設定により選定されるべきであって、通常は0.05〜
0.10fIの範囲のものが選択されるが、これに限ら
れるものではない。更に紡糸用口金に設けられる孔数は
、製造しようとする繊維の構成によって決定されるべき
ものであり、特に本発明法を実施するに当って格別限定
されるものではない。
本発明において、紡糸用口金と凝固浴が分離されている
ことが、密度が大きく (っまりボイドの少なく)、機
械的性質のすぐれた繊維を得るうえで重要である。
本発明の実施に当って、凝固液としては、通常水または
濃度70%までの硫酸水溶液が有利に用いられる。しか
しながら、例えば、塩化アンモニウム、塩化カルシウム
、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等
の如き塩、もしくはそれらの混合物の水溶液、アンモニ
ア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、または、メタノー
ル、工タノール、エチレングリコールの如き有機溶媒も
しくはこれらの水溶液等であってもよく、特に限定され
るものではない。
凝固液の温度は、一般には15℃以下、より好ましくは
10℃以下に保持されることがよい。何故なら、凝固浴
温度の低い方が、内部に生成するボイドの量が少なくな
り、密度が大きくなって、強度などの機械的性能も向上
するからである。なお、凝固浴温度の下限は特に限定さ
れず、該凝固浴の組成によって決まる融点(凝固点)ま
でである。
凝固浴より引出された繊維は、従来の方法と同様の方法
により、水や水性アルカリにて溶剤や凝固浴液が実質的
に中和、洗浄除去される。
本発明の方法においては、凝固時または/および残酸量
の多い洗浄工程で繊維に作用している張力を解放する。
このことは、密度が大きく従って緻密な構造をとってい
るにもかかわらず、含浸の効果を大きくする上で大切で
ある。その理由は、未だ詳しくは解明されていないが、
水で膨潤されているゲル状の繊維の分子鎖の配向性、結
晶の生成などと微妙な関係を有しているものと推定され
る。
繊維の製造において、凝固時に、その糸条から張力を実
質的に解放することは、工業的な生産方法・条件下では
困難であるため凝固浴出の糸条の洗浄工程で、糸条を実
質的に無緊張下に水洗するのが幸便である。このような
方法としては工業的には凝固浴の残存溶媒含有糸条をネ
ットコンヘヤー上に振り込んで、ここで無緊張下に洗浄
するのが好都合である。凝固糸−条物から張力を解放す
る時期は、該糸条物中の残存溶媒量が対乾燥繊維比5重
量%以上、より好ましくは10重量%以上であるときで
あることが、緻密繊維に消化合物を含浸し、次いで硫化
剤による硫化を有効とならしめるため肝要である。逆に
、5重量%より少ない残存溶媒になるまで凝固、洗浄を
進めてからはじめて張力を解放したのでは、含浸が十分
に行きわたらない。
凝固した繊維糸条は、前記凝固状態のときに適当な引取
りロール等の装置を介して、紡浴中より取出され、振込
み装置により処理のためコンベヤー上に振落される。
処理コンベヤー上に堆積された糸山は、コンベヤーと共
に移動し、先ず、水洗工程に導びかれ、溶媒を糸条から
除いた後、次いで含浸処理工程で銅化合物を含浸させた
後、後述のように硫化剤で硫化する。
好ましくは、水洗水は、孔明き板よりシャワー状に、ま
たは噴霧ノズルより霧状に、またはブラシ状の多数本の
繊維に沿って、先山上に供給され、糸山中に含まれる凝
固液を洗浄し、処理コンベヤーを貫流して該コンベヤー
下に排出される。ここで、水洗水の供給方法は、本発明
を実施する上で制限されるものではなく、上記の例に限
定されるものではない。
水洗された糸山は、実質的に無緊張状態で乾燥させるこ
となく、少なくとも80重量%以上の水分量を含有させ
たまま保持し、銅化合物を含有する溶液と接触させ次い
で硫化剤の溶液と接触させ硫化させなければならない。
水分量が80重量%未満ではいわゆる生乾きの状態であ
り、含浸剤、銅化合物および硫化剤を含有する溶液から
の繊維内部への拡散速度が著しく低下し、実用的な量を
含浸させることができない。
含浸の方法は水洗と同様の手段によって処理コンベヤー
上で糸山に銅化合物を含む溶液、次いで硫化剤を含む溶
液を噴霧、シャワーリング等によす供給するか、コンベ
ヤーごと前記処理溶液に浸漬することにより行なわれる
硫化銅の含浸は一段目の銅化合物の含浸と二段目の硫化
剤の含浸による銅化合物の硫化の二段階から成る。一段
目の含浸に供する銅化合物としては塩化第二銅、臭化第
二銅、硫酸第二銅、酢酸第二銅、硝酸第二銅等が挙げら
れる。第二段目の硫化剤としては硫化水素、チオ尿素、
チオアセトアミド、硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、等が挙げられる。
含浸条件は、繊維に必要とされる含浸量に応じて設定さ
れるべきであり、用いられたポリマーの種類、含浸剤の
種類、繊維の隼糸デニール、先山密度、処理コンベヤー
の構造等、多くの要因により異なり、各々の条件で実験
的に求めて決定することが望ましい。
一段目の銅化合物の含浸時の銅化合物水溶液の濃度は1
0〜50重景%で重量られるが好ましくは20〜50重
量%である。次いで2段目の硫化時の硫化剤の濃度は特
に限定されないが、硫化水素では飽和溶液としてその他
の硫化剤は10〜50重景%の重量で用いられる。硫化
後は水洗した後、乾燥される。
これら繊維を乾燥するにあたり、少なくとも120℃以
上で乾燥することが必要である。これは高温で乾燥する
ことによって繊維の構造が緻密化し、一旦含浸された硫
化銅が繊維内部に強固に保持されるため、繊維からの硫
化鋼の溶出を低く抑えることができるからである。乾燥
温度は好ましくは150℃〜300℃である。このこと
は耐洗濯性にイ)れていることをも意味しており、導電
の効果を永続させることができる。
必要であれば、さらに高温で熱処理を行ない、機械的強
度を大にすることもできる。さらに、含浸後乾燥に先だ
ってまたは乾燥と同時に延伸することもできる。乾燥時
に1.01〜1.05倍程度延伸することで特に高い弾
性率にすることができる。また、低張力下または無緊張
下で乾燥させて高伸度にすることもできる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、
これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。
実施例中、特にことわりのない限り「%」および「部」
はそれぞれ重量パーセントおよび重量部を表わす。また
、本発明法において用いられる種々のパラメーターの主
なものは以下の様にして測定されたものである。
く固有粘度の測定法〉 固有粘度(ηinh)は、98.5重量%の濃硫酸に濃
度(C)=0.5g/d1でポリマーまたは繊維を溶か
した溶液を30℃にて常法により測定する。
く繊維の強伸度特性の測定法〉 繊維糸状の強度、伸度および初期モジュラスの測定はJ
IS規格に準じ、測定に先立ってlQcm当り8回の撚
りを加えた糸状について、定速伸長型強伸度試験機によ
り、把握長20cm、引張り速度50%/分にて、荷重
−伸長率曲線を描き、それより読み取り、または算出し
たもので、測定数20個の平均値で表わす。
〈繊維の密度〉 密度の値は四塩化炭酸−トルエンを使用した密度勾配管
法により、30℃で測定した値である。
〈洗濯堅牢度〉 硫化銅を含む糸条を0.1重量%の液体洗剤(スコアロ
ール0)を含む水溶液中で60℃にて30分間洗濯し、
次いで40°Cの水で5分間すすぎ、水を入れ替えてさ
らに40℃の水で10分間すすぐ一連の操作を10回繰
り返した後、風乾した。
〈体積固有抵抗値〉 硫化銅を含む糸条をアセトンにて表面付着油剤を除去し
た後、相対湿度65%に調湿した。測定は単糸長10G
で、その両端に導電性ペーストを塗布した後、糸の両端
を電極クリップではさみ、ハイレジスタンスメーター(
横河ハネウェル社)で行ない、体積固有抵抗として算出
した値である。
参考例(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドの製造
方法) 低温重合法により、次の如くポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド(以下、r PPTA jと略す)を得た
。特公昭53−43986号公報に示された重合装置中
でN−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム
70部を溶解し、次いでバラフェニレンジアミン48.
6部を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸ジク
ロライド91.4部を粉末状で一度に加えた。数分後に
重合反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−4
3986号公報記載の方法に従って重合装置より重合反
応物を排出し、直ちに2 !i!f!の密閉型ニーグー
に移し、同ニーグー中で重合反応物を微粉砕した。次に
、微粉砕物をヘンシェルミキサー中に移し、はぼ等量の
水を加えさらに粉砕した後、濾過し数回温水中で洗浄し
て、110’cの熱風中で乾燥した。ηinhが5.0
の淡黄色のPPTA95部を得た。
なお、異なったηinhのPPTAは、N−メチルピロ
リドンと七ツマ−(パラフェニレンジアミンおよびテレ
フタル酸ジクロライド)の比、または/およびモノマー
間の比等を変えることによって容易に得ることができる
災ル斑土二工 固有粘度(771nh)が7.05のPPTAを、ポリ
マー濃度が18.7%となるように99.7%の濃硫酸
に、温度を80℃に保ちながら?容解し、紡糸用のポリ
マー溶液く以下、「ドープ」と略称する)を調製した。
このポリマー溶液は光学的異方性を示すことが直交ニコ
ル下の偏光顕微鏡観察で確認された。
このドープを真空下2時間静置脱泡後、紡糸に用いた。
ドープをギアポンプに通して300メソシi、ステンレ
ス金体1を8重に巻いたキャンドルフィルターを用いて
濾過後、0.07 muφの孔径、100個の孔数を有
する紡糸用口金から511の空気中を通して凝固浴中に
押出した。凝固液としては1.5℃に冷却された10%
硫酸水溶液を用いた。ついで、凝固浴中に導かれた糸状
を変向ロールにて変向し、ネルソンロールへ導いた。こ
のとき繊維中の残存硫酸量は乾燥繊維重量比16.2%
であった。ネルソンロールに引き取られた糸条は、次い
で、特公昭55−9088号公報に示さる装置により、
すなわち、糸条を一対のギヤーニップロール(歯車状の
ロールが浅く噛み合い、その間で糸条を送り出すロール
)により反転ネット上に振り込み、次いで処理ネッ1−
コンベヤー上に反転させて乗せた。処理ネットコンベヤ
ー上に乗せられた先山は、シャワ一方式による水洗水に
より洗浄し、約220重量%の含水状態のまま含浸処理
工程で、同じくシャワ一方式にて、表−1の条件で銅化
合物を含む溶液と10分間接触させ、銅化合物を拡散含
浸させた後水洗した。次いで硫化剤を含む溶液を20°
Cにて同じくシャワリングし硫化処理を20分間行ない
、表面付着の硫化銅を水洗除去した後、150℃で乾燥
させた。
処理条件および得られた繊維の性能を表−1にまとめて
示した。
硫化銅の含浸量は繊維の元素分析による銅の含有量より
CuSとして求めたものである。
止笠炎土 実施例1と同様に紡糸したのち、一旦乾燥した糸条につ
いて実施例1と同様の操作で含浸処理を行なった。
止較炭童 ポリマー濃度を12.0%とした他は実施例1と同様の
操作で含浸処理を行なった。
表−1に示すごとく、実施例においていずれも満足でき
る導電効果を示した。一方、比較例1では充分な導電性
は得られず、また比較例2では著しく強度の低い糸条し
か得られなかった。
なお、実施例1〜5及び比較例1の繊維の薄い切片をダ
イヤモンド製ミクロトームでつくり、X線マイクロアナ
ライザーで面分析した結果、実施例1〜5について銅原
子が均一に繊維内部に分散していることを確認した。一
方比較例1では極く表面のみの銅原子の存在しか認めら
れなかった。
以下余臼 〔発明の効果〕 本発明のパラ配向型アラミド繊維は従来の繊維と較べて
本来の優れた機械的性能に加えて導電性が著しく改善さ
れ、その堅牢度においてもすぐれている。
即ち、パラ配向型アラミド繊維に導電性を付与すること
により、さらに新しい分野への用途を拡大していくこと
ができる点で非常に有用である。
かような用途の具体例として、フィラメント、ステープ
ル、チョップトストランド等の形で、静電気の発生をき
らうエレクトロニクス分野、粉じんの多い作業場の防護
衣料として、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の補強繊
維として電磁波シールド材料等の分野で用いることがで
きる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、3.5以上の固有粘度(ηinh)を有するパラ配
    向型アラミド繊維であって、硫化銅を対繊維重量比0.
    1%以上で繊維内部に均一に含有し、かつ密度が1.4
    1g/cm^3以上であることを特徴とする繊維。 2、3.5以上の固有粘度(ηinh)を有するパラ配
    向型アラミドと硫酸系溶媒から光学異方性ドープをつく
    り、該ドープをオリフィスを通して一旦、空気中に押し
    出した後、凝固させ、かつ、凝固時または/および残存
    する硫酸系溶媒が対乾燥繊維比5重量%以上の洗浄初期
    に凝固糸条から実質的に張力を解放し、水分量が80重
    量%以上の繊維と銅化合物を含有する溶液とを張力の実
    質的解放下に接触させて銅化合物を繊維中に拡散させ、
    次いで硫化剤を含む溶液と接触させた後、120℃以上
    で乾燥させることを特徴とする少なくとも1.41g/
    cm^3以上の密度を有するパラ配向型アラミド繊維の
    製造方法。
JP7747787A 1987-04-01 1987-04-01 導電性繊維及びその製造方法 Pending JPS63249719A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7747787A JPS63249719A (ja) 1987-04-01 1987-04-01 導電性繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7747787A JPS63249719A (ja) 1987-04-01 1987-04-01 導電性繊維及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS63249719A true JPS63249719A (ja) 1988-10-17

Family

ID=13635065

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7747787A Pending JPS63249719A (ja) 1987-04-01 1987-04-01 導電性繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63249719A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005307391A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Teijin Techno Products Ltd 耐熱制電性ミシン糸
JP2010144306A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Teijin Techno Products Ltd 導電繊維およびその製造方法
WO2013105938A1 (en) * 2012-01-11 2013-07-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for removing sulfur from fiber using monovalent salt ion exchange
WO2013105939A1 (en) * 2012-01-11 2013-07-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for removing sulfur from fiber using halide salt ion exchange

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005307391A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Teijin Techno Products Ltd 耐熱制電性ミシン糸
JP2010144306A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Teijin Techno Products Ltd 導電繊維およびその製造方法
WO2013105938A1 (en) * 2012-01-11 2013-07-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for removing sulfur from fiber using monovalent salt ion exchange
WO2013105939A1 (en) * 2012-01-11 2013-07-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method for removing sulfur from fiber using halide salt ion exchange
JP2015509148A (ja) * 2012-01-11 2015-03-26 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 一価の塩のイオン交換を用いて繊維から硫黄を除去する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63288237A (ja) ポリ‐p‐フエニレンテレフタルアミドからのコード
US4016236A (en) Process for manufacturing aromatic polymer fibers
KR101903808B1 (ko) 공중합체 섬유의 제조 및 건조
KR101923762B1 (ko) 잔류 황이 적은 아라미드 공중합체 얀
KR101880336B1 (ko) 할라이드 산 이온 교환을 사용하여 섬유로부터 황을 제거하는 방법
JPS63249719A (ja) 導電性繊維及びその製造方法
KR101911110B1 (ko) 공중합체 섬유의 제조 및 건조
JP6599430B2 (ja) 強度保持が向上した糸条を作製するプロセス、及びそれにより作製された糸条
JPS62149934A (ja) 熱可塑性合成繊維の製造方法
KR101931405B1 (ko) 이온 결합된 할라이드를 갖는 황-함유 이미다졸 섬유
KR101880334B1 (ko) 할라이드 염 이온 교환을 사용하여 섬유로부터 황을 제거하는 방법
KR101909774B1 (ko) 이온 결합된 할라이드를 갖는, 황 및 알칼리 금속 함유 이미다졸 섬유
KR101880335B1 (ko) 잔류 황이 적은 아라미드 공중합체 섬유로부터 유도되는 얀을 제조하는 방법
KR101908750B1 (ko) 공중합체 섬유의 제조 및 건조
JP3565614B2 (ja) 芳香族ポリアミド成形物及び製法
JPH04222217A (ja) ポリフェニレンスルフィド繊維およびその製造方法
JPS63235521A (ja) アラミド繊維の製造法
JPH02216264A (ja) 導電性アラミド繊維の製造方法
JP4664794B2 (ja) メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造法
JPS59116411A (ja) 新規なポリアミド繊維およびその製法
JPS591710A (ja) 新規な構造のポリ(p−フエニレンテレフタルアミド)繊維およびその製法
US4224271A (en) Process for biconstituent polymer compositions
JP4009885B2 (ja) 高弾性率ポリベンザゾール繊維及びその製造法
JPH05230711A (ja) パラ配向型アラミド繊維の製造方法
JPH0474456B2 (ja)