JPS63235521A - アラミド繊維の製造法 - Google Patents

アラミド繊維の製造法

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JPS63235521A
JPS63235521A JP6418787A JP6418787A JPS63235521A JP S63235521 A JPS63235521 A JP S63235521A JP 6418787 A JP6418787 A JP 6418787A JP 6418787 A JP6418787 A JP 6418787A JP S63235521 A JPS63235521 A JP S63235521A
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JP
Japan
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fiber
fibers
dope
para
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JP6418787A
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Takashi Fujiwara
隆 藤原
Tetsuo Kato
哲雄 加藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野 本発明は高性能でかつ諸種の機能を有するパラ配向型ア
ラミド繊維の製造法に関する。更に詳しくは、乾燥途上
の繊維に含浸剤を含浸させ、種々の機能を付与する方法
に関するものであり、例えば染色性、耐候性、難燃性、
易滑性、制電性等を有する高性能アラミド繊維の製造法
を提供せんとするものである。
〔従来の技術〕
従来、パラ配向型アラミドはその高い比強度、比弾性率
、優れた耐熱性を有する有機高分子材料であることから
、防護作業衣、ローブ、ケーブル、コード等への利用が
検討されている。これらの利用分野において、上記性能
に加えて、さらに染色性、耐候性、難燃性等の機能の付
与が求められている。通常これらの性質は添加剤を繊維
に混入させて実現される。しかしながら、パラ配向型ア
ラミドにおいては、溶融困難かつ難溶性であるため硫酸
等の特殊な溶媒を用いて溶解したうえ紡糸する必要があ
るため、一般の溶融可能な重合体と異なり、添加剤を紡
糸原液中に添加することによって種々の機能性を付与す
る方法では硫酸系溶媒中での安定性から使用できる添加
剤の種類が限られる。また、物性面からも、添加剤の混
入により高性能発現に必要な微細構造の形成を阻害する
等の好ましくない結果を引き起こす。一方、繊維に成形
された後では高い結晶性、高い分子鎖開力によって、こ
れら添加剤を添加することは非常に困難である。
これまで、アラミド繊維を染色する方法として特開昭6
0−173187号公報、同60−215884号公報
、同61−6147883号公報および同52−378
82号公報には乾燥糸を硫酸あるいは極性有機溶媒中で
、再膨潤させたうえ染色する方法が開示されている。こ
れらの方法では、染色に高温もしくは長時間を要し、十
分な染色が不可能であり、またそれによる機械的物性の
低下も著しい。また、特開昭54−59476号公報に
は、フィラメントにクリンプをかけてフィラメントを座
屈させ、座屈した部位から染色する方法を開示している
が、この方法では座屈した部位のみしか濃染にできない
点でスフにしか適用できない。
一方、特開昭50−12.322号公報、同49−75
.824号公報および特開昭53−35,020号公報
には大量の水で膨潤した乾燥していない繊維に紫外線吸
収剤、難燃剤等の添加剤を含浸することによってアラミ
ド繊維の耐光性、難燃性等を向上させる方法が開示され
ている。しかしながら、これら公報においては、パラ配
向型アラミド繊維については紡糸原液のポリマー濃度が
低く、高温の凝固浴中へ湿式紡糸されているため、ボイ
ドが多く、密度が小さく、引張強度が著しく小さい。す
なわち、パラ配向型アラミド繊維の最大の特徴である高
引張強度という特性が損われる。これは、これら公報の
技術がそもそも含浸処理のし易い密度約1.35g/c
J以下の、ボイドが多く多孔質の繊維をつくることが前
提になっていることによる。また、本発明者らの研究に
よればたとえ高密度の繊維が得られる方法・条件であっ
ても、50%以上の大量の水で膨潤した繊維に含浸剤を
含浸させて得た繊維は二次的な機械的性能、例えば結節
強度や耐疲労特性に劣ることが判明した。
さらに、特開昭59−94640号公報には、乾燥した
糸条或いは未乾燥の糸条をエポキシ化合物水溶液と短時
間接触させ、該エポキシ化合物で被覆する方法が開示さ
れている。この方法は、ゴムとの接着を高めるため、糸
条の表面を硬化性エポキシ化合物で被覆することを主眼
とするものであって、このような手法は、染色、耐候性
、難燃性などの機能を付与するには利用できない。何故
ならば、これらの機能を付与するには添加剤を繊維内部
まで均一に拡散含浸させなければならないからである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これまで、パラ配向型アラミド繊維の特徴である高引張
強度、高弾性率高結節強度という特性を維持したまま、
染色性、耐候性の向上あるいは難燃化等の機能性付与を
達成することは実現されていないのが現状である。従っ
て、本発明の目的は、高引張強度、高弾性率高結節強度
であって、染色性、耐候性、難燃性、易滑性、制電性等
に優れた高性能パラ配向型アラミド繊維を製造する方法
を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するため鋭
意研究の結果、ドープをオリフィスから一旦空気中に押
し出す成形法を採用し、しかも比較的低い温度で予備乾
燥を施した特定の含水量の繊維に含浸剤を含浸させかつ
水蒸気処理によって含浸剤の拡散を促進することにより
、意外にも、高引張強度、高弾性率を有するボイドのな
い緻密な繊維であっても染色、耐候性、H燃性、制電性
、易滑性等に優れたパラ配向型アラミド繊維が得られか
つ、結節強度や耐疲労特性のすぐれた繊維であることを
見い出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明のパラ配向型アラミド繊維の製造法は
、3.5以上のηinhを有するパラ配向型アラミドと
硫酸系溶媒から光学異方性ドープをつくり、該ドープを
オリフィスを通して一旦、空気中に押し出した後、凝固
させ、次いで洗浄により該溶媒を実質的に除去し更に1
20℃以下の温度で水分量が15〜45重量%になるよ
うに調製した繊維と含浸剤を含有する溶液とを接触させ
たのち、100〜150℃の飽和水蒸気で処理して含浸
剤を繊維中に拡散させ、次いで120℃以上で乾燥させ
ることを特徴とする少なくとも1.41g/c11以上
の密度を有するパラ配向型アラミド繊維の製造法である
本発明でいう「パラ配向型アラミド」とは、1種または
2種以上の2価の芳香族基が直接アミド基により結合さ
れているポリマーであって、該芳香族基の2価の結合基
同志が1.4−フェニレン(パラフェニレン)、4.4
’−ビフェニレン、1.4−ナフチレンの如く、芳香族
環より同軸的に反対芳香に、または1.5−ナフチレン
、2゜6−ナフチレンの如く平行軸的に反対方向に配置
されているような方向族ポリアミドをいう。芳香族基と
しては、上記の如き単環または多環の炭素環芳香族基の
他に、2.5−ピリリジンや、を表わす) 等のへテロ環芳香族であってもよい。
これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の
低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基
等が1個または2個以上含まれることも許される。
これらのパラ配向型アラミドの典形的な例としては、ポ
リパラベンズアミド、ポリパラフェニレンテレフタルア
ミド、ポリ−4,4′−ジアミノベンズアニリドテレフ
タルアミド、ポリ−N。
N’−p−フェニレンビス(p−ベンズアミド)テレフ
タルアミド、ポリパラフェニレン−2,6−ナックリッ
クアミド、コポリパラフェニレン/4.4’−(3,3
’−ジメチルビフェニレン)−テレフタルアミド、コポ
リパラフェニレン/2.5−ビリジレンーテレフタルア
ミド、コポリパラフェニレンテレフタルアミド/ピロメ
リットイミド、コポリパラフェニレン−イソシンコメロ
ンアミド/テレフタルアミド等が挙げられる。
本発明で使用するパラ配向型アラミドは、その分子を構
成する芳香族基の5モル%までを、上記の特別な芳香族
基以外の2価の芳香族基、たとえば、メタフェニレン基
、3.3’−ビフェニレン等や、2価の脂肪族基、たと
えば、エチレン、ブチレン等で置き換えることも、また
、アミド結合の5モル%以下をエステル結合、尿素結合
、ウレタン結合等により置き換えることも許される。
これらのパラ配向型アラミドの製造法は、本発明を実施
する上で制限されるものではなく、たとえば、該当する
ジアミンおよびジ酸クロライドから、特公昭35−14
399号公報等で知られる低温溶液重合法により容易に
製造できる。
本発明に用いる光学異方性ドープは、これらのパラ配向
型アラミドを、硫酸系溶剤に溶解することにより調製さ
れる。好適に用いられる溶剤は、95重量%以上の濃硫
酸または発煙硫酸であり、他の硫酸系溶媒としては、ク
ロル硫酸、フルオロ硫酸等が知られる。
本発明に用いる光学異方性ドープは、ポリマーおよび溶
剤および溶液の温度により定まる一定のポリマー濃度以
上で得られるものであり、具体的には、個々の組合わせ
につき、光学異方性を観察することで確認されるべきで
ある。一般に、濃硫酸等では10重量%内外以上で光学
異方性を示す。
光学異方性の確認は、スライドグラス上にドープを薄く
伸ばしたプレパラートを、偏光顕m鏡の直交ニコルの間
に入れると、直交ニコルの暗視野が明視野に変化するこ
とにより行なわれるが、ドープを溶解する際に剪断力下
で配向して光を乱反射し、金属様または真珠様の光沢が
見られることによっても確められる。
本発明の製造法によって得られる繊維の機械的物性とし
ては少くとも引張り強度が20 g/d以上、伸度が2
%以上、かつ初期モジュラスが250g/d以上を示す
が如き高性能繊維が対象とされるべきである。従って、
使用されるパラ配向型アラミドポリマーの重合度が一定
の値以上のものでなければならず、少くとも固を粘度(
ηinh)で表わして3.5以上、望ましくは4.5以
上のものを使用する。
また、本発明方法により得られる繊維の密度は1.41
g/cA以上であり、この密度は前述の如き高い機械的
性能を有することの基礎要件である。密度は望ましくは
1.43 g /cd以上である。更に、本発明は好ま
しくは単糸デニールが0.1〜5デニールの太さの繊維
に適用できる。アラミド繊維においてデニールが太いと
、一般に密度が小さくなり、ボイドの多い繊維となり、
このような繊維は含浸剤の含浸が容易であるが、@楯的
性能の点で不充分である。本発明の方法は、最も好まし
くは0.5〜4デニールの太さのマルチフィラメントに
適用される。
かかるパラ配向型アラミドポリマーの紡糸用ドープは、
公知の方法によって調製される。その際、溶剤としては
、工業的には濃硫酸が有利に用いられる。濃硫酸の濃度
は、9′5重景%以上が好ましく、特に高い間を粘度を
有するポリマーを高濃度に溶解する場合には97.5重
量%、さらに好ましくは99重量%以上のものが用いら
れる。
紡糸用ドープのポリマー濃度は、−iに高いほうが高性
能繊維が得られ易いことから濃厚であることが望ましい
。通常、少くとも13重重景以上、好ましくは15重重
景以上とすべきである。濃度が低過ぎると少くとも1.
41g/c+Jの密度を有する高性能繊維が得られない
。しかしながら、高すぎる濃度、例えば22重量%以上
では、ドープの粘度が高くなりすぎるため、ドープ温度
を高く設定する必要があり、紡糸操作上困難を伴いやす
い。
従って、高過ぎないよう選ばれるべきである。紡糸用ド
ープのポリマー濃度は最も好ましくは16〜20重景%
で重量。
ドープの調製および使用に当っては、上記ポリマー濃度
範囲においては、ドープは室温付近では固化する場合が
あるため(室温から80℃程度の温度で取扱えばよい。
しかしながらζポリマーの分解を可及的に回避する観点
から、固化しない限りなるべく低い温度を選ぶべきであ
る。
このようにして調製された紡糸用ドープは、上記のポリ
マー濃度、ドープ温度範囲で光学的異方性を有すること
が認められる。かかるドープは、紡糸用口金(オリフィ
ス)を通して一旦空気中に押し出され、ついで凝固浴中
に導びかれる。
凝固浴中の凝固しつつある、または凝固した糸条はほと
んど引き伸ばしが行なわれないため、吐出されたドープ
は紡糸用口金直下の空気中において、引き取りのドラフ
ト(引き伸ばし)がかかり、引き伸ばされる。この引き
伸ばしにおいて、引き伸ばし率が低いと充分に繊維の物
性例えば強度、初期モジュラスを高めることが出来ず、
また、高すぎるとこの間でドープ流が切断されるため、
通常は、引き伸ばし率は4〜15倍、好ましくは5〜1
2倍の間に設定される。ドープの引き伸ばしが行なわれ
る空気中の長さ、即ちドープの吐出される紡糸用口金の
面から凝固浴液表面までの距離は、通常約1〜50m、
好適には3〜20mmの範囲に設定されるが、これに限
定されるものではない。具体的には、紡糸用口金からの
ドープの吐出速度、上記のドラフト率、フィラメントの
融合機会を少くすること等を考慮して決定されるべきで
ある。
ドープの吐出に際して用いられる紡糸用口金の孔径は、
製造しようとする繊維の太さ、及び上記のドラフト率の
設定により選定されるべきであって、通常は0.05〜
0.10額の範囲のものが選択されるが、これに限られ
るものではない。更に紡糸用口金に設けられる孔数は、
製造しようとする繊維の構成によって決定されるべきも
のであり、特に本発明法を実施するに当って格別限定さ
れるものではない。
本発明において、紡糸用口金と凝固浴が分離されている
ことが、密度が大きく (つまりボイドの少なく)、機
械的性質のすぐれた繊維を得るうえで重要である。
本発明の実施に当って、凝固液としては、通常水または
濃度70%までの硫酸水溶液が有利に用いられる。しか
しながら、例えば、塩化アンモニウム、塩化カルシウム
、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等
の如き塩、もしくはそれらの混合物の水溶液、アンモニ
ア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、または、メタノー
ル、エタノール、エチレングリコールの如き有機溶媒も
しくはこれらの水溶液等であってもよく、特に限定され
るものではない。
凝固液の温度は、一般には15℃以下、より好ましくは
1’ 0℃以下に保持されることがよい。何故なら、凝
固浴温度の低い方が、内部に生成するボイドの量が少な
くなり、密度が大きくなって、強度などの機械的性能も
向上するからである。なお、凝固浴温度の下限は特に限
定されず、該凝固浴の組成によって決まる融点(凝固点
)までである。
凝固浴より引出された繊維は、従来の方法と同様の方法
により、水や水性アルカリにて溶剤や凝固浴液が実質的
に中和、洗浄除去される。
本発明の方法において好ましくは、凝固時または/およ
び残酸量の多い洗浄工程で繊維に作用している張力を解
放する。このことは、密度が大きく従って緻密な構造を
とっているにもかかわらず、含浸の効果を大きくする上
で大切である。その理由は、未だ詳しくは解明されてい
ないが、水で膨潤されているゲル状の繊維の分子鎖の配
向性、結晶の生成などと微妙な関係を有しているものと
推定される。
繊維の製造において、凝固時に、その糸条から張力を実
質的に解放することは、工業的な生産方法・条件下では
困難であるため、層間浴出の糸条の洗浄工程で、糸条を
実質的に無緊張下に水洗するのが幸便である。このよう
な方法としては工業的には凝固浴の残存溶媒含有糸条を
ネットコンベヤー上に振り込んで、ここで無緊張下に洗
浄するのが好都合である。本発明の方法の望ましい態様
にお゛いて、凝固糸条物から張力を解放する時期は、該
糸条物中の残存溶媒量が対乾燥繊維比5重量%以上、よ
り好ましくは10重量%以上である。
凝固した繊維糸条は、望ましくは前記凝固状態のときに
適当な引取りロール等の装置を介して、紡浴中より取出
され、振込み装置により処理のためコンベヤー上に振落
される。
本発明で好ましく用いられる振込み装置としては、惰独
または一対の籠ロールや、単独または一対の歯車状のロ
ール等が、糸条とはX°等線速度またはそれ以上の周速
度となるように回転されて用いられ、また、水等の流体
流と共に流し落すことや、流体流のエジェクターやエヤ
ーサッカーにより吸引して送ること等が用いられる。
振込み装置により振落された糸条は、場合によっては、
直接処理コンベヤー上に堆積されてもよいが、一旦他の
無端コンベヤーまたはローラー上に振落して来由を形成
した後、該来由を処理コンベヤー上に来由の上面と下面
を反転して乗せ替えることが好ましい。処理後の来由よ
り再び糸条を取上げるときに、糸条が反転操作のないと
きには来由の下より乗出されるため、糸条のもつれや毛
羽立ち等の不都合が生じるのとは対照的に、上記のよう
な反転処理を行なうときには、そのような問題を生じな
いからである。
このような反転操作を行なう上で、反転コンベヤーまた
はローラーははソ゛処理コンベヤーと等しい線速度で移
動または回転するが、来由の厚みや反転コンベヤーまた
はローラーの材質や形状によっては、適宜異なる速度に
設定することが好ましい。
処理コンベヤーの構造は、水洗水またはその他の処理液
が該ベルトを貫通して流れ、または浸透する構造である
必要があり、通常、網状、編織物状、多孔板状等の構造
が好ましく用いられ、特別なものとしては多孔板を継ぎ
合わせた構造であってもよい。
また処理コンベヤーの材質は、糸条に付着して持込まれ
る凝固液や処理工程で付与される薬品に耐え、また乾燥
工程および熱処理工程での加熱に耐えるものであること
が必要であり、さらに好ましくは使用中の寸法変化が少
ないことが望まれる。
たとえば、ステンレススチール類の金網や多孔板、ガラ
ス繊維の編織物、フッ素樹脂コーティングしたガラス繊
維網、フッ素樹脂繊維編織物、フッ素樹脂の多孔板また
は多孔シートが用いられる。
処理コンベヤーの移動速度は、糸条の供給速度、すなわ
ち、紡浴からの引取り速度よりも遅く設定されることが
必要で、通常振込率(糸条速度/処理コンベヤー速度を
いう。以下同じ)として約1.2倍以上、特に好ましく
は約10倍以上に設定されるべきである。
処理コンベヤー上における茶巾の糸密度は、振込み率お
よび振込み幅により調節され、通常、乾燥系基準で0.
005〜0.2g/ad、特に好ましくはo、oos〜
O,1g/c+Jの範囲に選ばれる。また、振込み率と
しては、前述の如<1.2倍以上で、上限は10000
倍までの間に、特に好ましくは10倍〜2000倍の間
に選ばれる。茶巾の振込み幅は、具体的には、振込み装
置から反転装置または処理コンベヤーまでの落下距離を
変えたり、振込み装置の前または後に綾振り装置(トラ
バーサ−)を設けたり、振込み装置の後に首振り式のシ
ュートを設けたりすることによって調整でき、繊維糸条
の総デニールや剛性率によっても変わるが、一般に数鶴
から数十Gの間に、特別な場合には1m前後に設定する
ことも可能である。
また、一つの処理コンベヤー上に振込まれる糸条は、1
本に限定されるものではなく、同時に多数本の糸条を適
当な間隔で振込み、処理コンベヤー上で適当な間隔、た
とえば、約1m〜D10mの間隔を置いて多数本の帯状
の茶巾として堆積し、同時に水洗および含浸処理するこ
とも、生産性の点より工業的に好ましい実施形態である
処理コンベヤー上に堆積された茶巾は、コンベヤーと共
に移動し、先ず、水洗工程に導びかれ、溶媒を糸条から
除いた後、次いで含浸処理工程で含浸剤を含浸させる。
好ましくは、水洗水は、孔明き板よりシャワー状に、ま
たは噴霧ノズルより霧状に、またはブラシ状の多数本の
繊維に沿って、来由上に供給され、来由中に含まれる凝
固液を洗浄し、処理コンベヤーを貫流して該コンベヤー
下に排出される。ここで、水洗水の供給方法は、本発明
を実施する上で制限されるものでは4く、上記の例に限
定されるものではない。
水洗工程に先立って凝固を完全にするためや、凝固液を
回収するため等を目的として、凝固液組成または凝固液
と水の混合物または中和剤その他の処理液を、水洗と同
様の手段で茶巾に供給して処理することも行なわれてよ
い。水洗によって完全に糸条より溶剤等を除くことが望
ましいのであるが、実質的には、11000pp以下で
あればその影響が無視できることが多い。
水洗の効果を高めるために、水洗に先立って、または/
および水洗工程中で、または水洗工程の後に、任意の数
の絞りロール等で処理することも好ましい。また同様の
目的で、処理コンベヤー下より吸引することにより、茶
巾および処理コンベヤーを貫流する水洗水の流速を高め
ることも好ましい。水温を高めることも行なわれてよく
、特に本発明を実施する上で制限されるものではない。
なお、好ましい態様ではないが、水洗工程をいわゆるロ
ールプロセス等の張力のかかる方法で行うことも可能で
ある。
このようにして、水洗の完了した、即ち溶媒の除去が実
質的に終った繊維は、次いで、120℃以下の温度で水
分量が15〜45重量%になるように水分の一部を除去
する予備乾燥を行う必要がある。
すなわち水洗の終った繊維は、一般に、約100〜40
0重量%の水分量を有し、この繊維をそのまま含浸処理
に供した場合には、含浸自体は非常に円滑に行えるもの
の、得られる乾燥糸の結節強度が極度に小さいという意
外な事実が見出された。これに対し、本発明の方法、つ
まり水分量を15〜45重景%に重量まで一旦半乾燥し
たのち、含浸処理した場合には著しく結節強度が改善さ
れる。この半乾燥工程は120℃以下好ましくは100
℃以下の温度で行なわれるべきで、高温での乾燥は固い
表面層を形成させるので好ましくない。水分量は好まし
くは20〜40重景%に重量まで半乾燥させる。
半乾燥されて15〜45重量%の水分量に調整された繊
維は、含浸剤を含有する溶液と接触させなければならな
い。含浸の方法は好ましくは、ネット状の処理コンベヤ
ー上で来由に含浸剤を含む溶液を噴霧、シャワーリング
等により供給するか、コンベヤーごと処理液に浸漬する
ことにより行なわれる。また、望むならばロールプロセ
スで行うこともできる。
含浸条件は、繊維に必要とされる含浸量に応じて設定さ
れるべきであり、用いられたポリマーの種類、含浸剤の
種類、溶媒の種類、繊維の単糸デニール、来由密度、処
理コンベヤーやロールの構造等、多くの要因により異な
り、各々の条件で実験的に求めて決定することが望まし
い。
処理液の温度は、室温から用いた溶媒の沸点の間で任意
に設定できるが、繊維内部への拡散速度を大きくするた
めに高温の方が好ましい。処理液中の含浸剤の濃度は通
常0.1〜50重量%である。
溶媒としては通常、水が用いられるが、好ましくは水混
和性の有機溶媒を3重量%以上、更に好ましくは10重
量%以上含む水溶液が用いられる。
このような有機溶媒としては、例えば、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド
、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、アセトニト
リル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパツー
ル、エチレングリコール等を用いることができ、これら
溶媒を水に3重量%以上になるように混合することが好
ましい。特に、非プロトン性極性溶媒が含浸時のキャリ
ヤーとして働くため、細デニール繊維の含浸に効果的で
ある。
一方、含浸に供する半乾燥繊維の単糸デニールも重要な
因子の1つである。単糸デニールは大きいほど含浸量は
大きくなる。一般にデニールが大きくなると密度は低下
するが、乾燥後の繊維の密度のわずかな差からは予想も
できないほど拡散速度には差があり、含浸量は大きくな
る。従って、好ましい単糸デニールは乾燥状態で0.5
デニ一ル以上であり、特に好ましくは1.5デニ一ル以
上である。このことは半乾燥糸のわずかな密度の違いが
含浸剤の拡散速度に大きく影響することを意味している
含浸剤としては、付与すべき機能に応じて、染料、紫外
線安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤、抗菌剤
、制電剤等が用いられるが、その他染料等と結合性を有
する化合物等の中から任意に選ばれる。
これら含浸剤としては、例えば、染料ではカチオン染料
、アニオン染料、分散染料等を用いることができるが、
カチオン染料が好ましく用いられる。紫外線安定剤とし
ては硫酸銅、塩化スズなどがあり、また、紫外線吸収剤
としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系或い
はそれらとヒンダードフェノール系とを併用することが
できる。
(、Hし、これら紫外線吸収剤は一般に水に不溶なため
、有機溶媒含有率の高い有機溶媒/水混液を用いるかま
たは有機溶媒のみを用いて溶液とする必要がある。
難燃剤としては、リン酸、リン酸エステル誘導体に代表
されるリン系、ポリハロゲン化物等が用いられるが、好
ましくは水溶性リン系難燃剤が用いられる。界面活性剤
としてはステアリン酸等、高級脂肪族カルボン酸塩、ア
ルコラード、リン酸塩、スルホン酸塩等用いることがで
き、繊維の易滑化に役立つ。また、抗菌剤としては銅化
合物等が含浸される。
一方、親水性ポリマー、例えばポリエチレングリコール
、ポリビニルアルコール、水溶性ナイロン及びウレタン
等の含浸処理も可能である。親水性ポリマーで含浸処理
した場合は、乾燥後の繊維に後から、上記諸機能を付与
する含浸剤を置換導入することができるため、一旦親水
性ボリマーを含浸させることも後加工による機能付与と
いう点で有効である。この原因はこれら高分子の含浸に
より、半乾燥繊維の膨潤した構造がある程度、保たれて
いるためと思われる。
含浸剤は、2M以上を同時に含浸させることもでき、用
途に応じて任意に選択できる。
効果が認められる含浸量は、ポリマー重量当りの含浸量
として、染料では0.01〜20重景%、重量線吸収剤
としては0.05〜5重景%重量燃剤としては0.1〜
30重量%程度であるが、充分な効果を得る0、 1重
量%以上の含浸を行なうとき、或いは単フイラメント内
部まで十分に含浸させるとき特に本発明の方法が威力を
発揮する。
本発明において、半乾燥繊維への含浸効果を高めるため
に、含浸液と接触させた半乾燥繊維を、次に、100〜
150℃の飽和水蒸気で処理することが肝要で゛ある。
この処理によって、含浸剤が繊維の中心部まで拡散して
、含浸による各種の機能付与が十分に行なわれる。こと
に、20 g / d以上の強度を有するが如き繊維、
即ち、繊維の密度が少なくとも1.418 /cd、好
ましくは少なくとも1.43g/CJIである緻密な繊
維への含浸において、飽和水蒸気処理は重要な工程であ
る。
飽和水蒸気処理は、大略1〜60秒の範囲の時間で行な
われる。このとき、ネットコンベヤー等を用いて張力の
ない状態で行ってもよく、またロール間を張力付与させ
ながら走行させている繊維に行うこともできる。
このようにして、含浸処理を施こされたこれら繊維を乾
燥するにあたり、少なくとも120℃以上で乾燥するこ
とが必要である。これは高温で乾燥することによって繊
維の構造が緻密化し、一旦含浸された含浸剤が繊維内部
に強固に保持されるため、繊維からの含浸剤の溶出を低
く抑えることができるからである。乾燥温度は好ましく
は150℃〜300℃である。このことは耐洗濯性に優
れていることをも意味しており、含浸剤を扁分子量にし
たり重合体と結合せずとも含浸効果を永続させることが
できる。
必要であれば、さらに高温で熱処理を行ない、機械的強
度を大にすることもできる。さらに、乾燥に先だってま
たは乾燥と同時に延伸することもできる。乾燥時に1.
O1〜1.05倍程度延伸することで特に高い弾性率に
することができる。また、低張力下または無緊張下で乾
燥させて高伸度にすることもできる。
また、本発明において、硫酸系の溶媒に溶解し成形する
に当り、条件によってはポリマー鎖中の芳香核が一部ス
ルホン化されることがある。これは得られた繊維の機械
的物性の低下を伴なわない範囲においては、含浸剤(カ
チオン染料等)の吸尽力の向上が結果として見られるた
め、積極的にスルホン化を進行させるのも好ましい実施
!c4様の一つである。このようなスルホン化はドープ
の溶解から凝固開始までの間に、ドープを約90℃以上
の高温に保つこと、例えば溶解時の熱や攪拌熱を利用す
ることによって幸便に達成できる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、
これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。
実施例中、特にことわりのない限り「%」および「部」
はそれぞれ重量パーセントおよび重量部を表わす。また
、本発明法において用いられる種々のパラメーターの主
なものは以下の様にして測定されたものである。
〈固有粘度の測定法〉 固有粘度(W 1nh)は、98.5重量%の濃硫酸に
濃度(C)=0.5g/aでポリマーまたは繊維を溶か
した溶液を30℃にて常法により測定する。
く繊維の強伸度特性の測定法〉 繊維糸条の引張強度、伸度、初期モジュラス及び結節強
度の測定はJIS規格に準じ、測定に先立って10cm
当り8回の撚りを加えた糸条について、定速伸長型強伸
度試験機により、把握長20〔、引張り速度50%/分
にて、荷重−伸長率曲線を描き、それより読み取り、ま
たは算出したもので、測定数20個の平均値で表わす。
〈繊維の密度〉 密度の値は四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管
法により、30℃で測定した値である。
〈限界酸素指数〉 難燃性の指標である限界酸素指数(以下、「L。
0.1.Jと略す)は日本工業規格(J I S) K
7201号に基き、燃焼性試験装置(スガ試験機■製、
ON−1型)を用い、ヤーンそのものを試験片として測
定した。試験片が3分間以上あるいは5cm以上継続し
て燃焼し得る最低の酸素流量をAl/man %この時
の窒素流量をBj! /m1n(=11.4−A)とす
ると、L、O,1,は、 によって表わされる値である。
〈洗濯堅牢度〉 含浸剤を含む糸条を0.1重量%の液体洗剤(スコアロ
ール0)を含む水溶液中で60℃にて30分間洗濯し、
次いで40℃の水で5分間すすぎ、水を入れ替えてさら
に40℃の水で10分間すすぐ一連の操作を10回繰り
返した後、風乾した。
参考例(ポリ−p−フェニレンテレフタルアミドの製造
方法) 低温重合法により、次の如(ポリ−p−フェニレンテレ
フタルアミド(以下、r PPTA Jと略す)を得た
。特公昭53−43986号公報に示された重合装置中
でN−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム
70部を溶解し、次いでパラフェニレンジアミン48.
6部を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸ジク
ロライド91.4部を粉末状で一度に加えた二数分後に
重合反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−4
3986号公報記載の方法に従って重合装置より重合反
応物を排出し、直ちに2軸の密閉型ニーグーに移し、同
ニーグー中で重合反応物を微粉砕した。次に、微粉砕物
をヘンシェルミキサー中に移し、はぼ等量の水を加えさ
らに粉砕した後、濾過し数回温水中で洗浄して、110
℃の熱風中で乾燥した。ηinhが5.0の淡黄色のP
PTA95部を得た。
なお、異なったηinhのPPTAは、N−メチルピロ
リドンとモノマー(パラフェニレンジアミンおよびテレ
フタル酸ジクロライド)の比、または/およびモノマー
間の比等を変えることによって容易に得ることができる
実施例1〜7 固有粘度(ηinh)が7.05のPPTAを、ポリマ
ー濃度が18.7%となるように99.7%の濃硫酸に
、温度を80℃に保ちながら溶解し、紡糸用のポリマー
溶液(以下、「ドープ」と略称する)を調製した。
このポリマー溶液は光学的異方性を示すことが直交ニコ
ル下の偏光顕微鏡観察で確認された。
このドープを真空下2時間静置脱泡後、紡糸に用いた。
ドープをギアポンプを通して300メツシユステンレス
金網を8重に巻いたキャンドルフィルターを用いて濾過
後、0.07mφの孔径、100個の孔数を有する紡糸
用口金から511の空気中を通して凝固浴中に押出した
。凝固液としては1.5℃に冷却された10%硫酸水溶
液を用いた。ついで、凝固浴中に導かれた糸条を変向ロ
ールにて変向し、ネルソンロールへ導いた。このとき繊
維中の残存硫酸量は乾燥繊維重量比16.2%であった
。ネルソンロールに引き取られた糸条は、次いで、特公
昭55−9088号公報に示さる装置により、すなわち
、糸条を一対のギヤーニップロール(歯車状のロールが
浅く噛み合い、その間で糸条を送り出すロール)により
反転ネット上に振り込み、次いで処理ネットコンベヤー
上に反転させて乗せた。処理ネットコンベヤー上に乗せ
られた余白は、シャワ一方式による水洗水により洗浄し
、次いで約80℃の熱風循環式の乾燥ゾーンを通過させ
て、約40重量%の含水状態にし、次いでシャワ一方式
にてカチオン染料ダイアクリルレッドGL−N (三菱
化成製)の5重量%含む水溶液及びN−メチルピロリド
ン(以下、rNMPJと略す)を該染料溶液に10及び
50重量%加えた溶液で表−1の条件下シャワーリング
し、その後で105℃の飽和水蒸気ボックス中を通過さ
せる含浸処理を施こして染料を含浸拡散させ、その後本
格乾燥させて、ワイングーにて糸条を巻き取った。
処理条件および得られた繊維の性能を表−1に示す。
比較例1 実施例2において、約80℃の乾燥ゾーンを取り払い、
約2003tli%の含水状態のまま含浸処理を行い、
飽和水蒸気処理もしなかった。結果を表1に示すが、染
着は十分に行え、引張り強度も大きいが、結節強度が小
さい。
比較例2 実施例2において、飽和水蒸気処理をせずに乾燥した。
表1の結果から、染着量の小さいことがよみとれる。
比較例3 ポリマー濃度を12.0%とした他は実施例2と同様の
操作で含浸処理を行なった。
得られた繊維の密度、強度が著しく低く、洗濯後の染料
の堅牢度が低い。本発明の方法により、堅牢度が高く充
分染色された糸条を得ることができる。
なお、実施例1〜7の繊維の薄い切片をダイヤモンド製
ミクロトームでつくり、顕微鏡観察したところ内部まで
染色されていた。一方、比較例2のフィラメントはリン
グ状に染色されており、中心部は未染色のままであった
(以下余白) 実施例8〜10及び比較例4 実施例3と同様の方法にて紡糸した糸条について、洗浄
及び予備乾燥後飽和水蒸気処理及び本乾燥に先立ってコ
ンベヤー上で表−2に示す各種紫外線吸収剤の3重量%
のアセトン溶液を50℃でシャワーリングし、15分間
含浸させた後、アセトンで洗浄し、100℃の飽和水蒸
気で約30秒処理し150℃で乾燥した。
得られた糸条について、カーボンフェードメータを用い
て、63℃×100時間の光照射を行ない、照射前後の
物性測定を実施した。結果を表−2に示す。なお、紫外
線吸収剤の含浸量は含浸した繊維lO■を98%硫酸2
.0mlに溶解した後、500 m lのエタノールへ
注ぎ、ポリマーを再沈させ、4Gグラスフイルターで濾
過後のエタノール溶液の各紫外線吸収剤の最大吸収波長
にて吸光度を測定し、含浸量に換算した値である。
(以下余白) 実施例11〜13及び比較例5 実施例1において得た予備乾燥後の水分率28重重量の
糸条をかぜ巻きとし、表−3に示す難燃剤を用い、実施
例11および12では20重量%の水溶液で、実施例1
3では20fiffi%のアセトン溶液で30分間含浸
処理を行ない、次いで110℃の飽和水蒸気処理をした
のち150℃で乾燥した。
得られた糸条の限界酸素濃度(L、Of)を測定した結
果を表−3に示した。含浸量は元素分析により総すン景
として測定し、算出した。また、実施例1〜7と同様の
方法により切片をつくり、この切片のX線マイクロアナ
ライザー(日本電子型)による面分析の結果、繊維内部
までリンが存在することを確認した。
(以下余白) 〔発明の効果〕 本発明方法により得られるパラ配向型アラミド繊維は、
従来の方法によるものと較べて、特に高引張強度、高弾
性率及び高結節強度を発現する領域、即ち密度の大きい
領域において原糸の物性を損なうことなく優れた染色性
、耐候性、難燃性、制電性、易滑性等が付与された繊維
であり、かつその種々の機能の堅牢度も優れている。
このように本発明方法によって得られたパラ配向型アラ
ミド繊維は、本来優れた機械的性質に加え、従来アラミ
ド繊維の欠点であると言われていた染色性、耐候性、難
燃性、制電性、易滑性等が、付与されたことによって、
これまで使用に制限のあった分野、即ち、色の識別が必
要な分野、屋外に曝露される分野等へ新しい用途を拡大
していくことができる点で非常に有用である。かような
用途の具体例として、フィラメント、スフ、チョツプド
ストランド、トウ、パルプ等の形で、消防夫、飛行室、
レーシングドライバー、ライダー、鉱山作業者等が着用
する防護衣料、高性能タイヤ、トランスミッション、コ
ンベヤーベルトなどに使用するコード、公共ビルディン
グ、飛行機、病院用の耐熱ドラベリー、いす張りやカー
ペットならびに子供、病院患者などの耐熱衣料、ヨツト
セール、ロープ等が挙げられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、3.5以上の固有粘度(ηinh)を有するパラ配
    向型アラミドと硫酸系溶媒から光学異方性ドープをつく
    り、該ドープをオリフィスを通して一旦、空気中に押し
    出した後、凝固させ、次いで洗浄により該溶媒を実質的
    に除去し更に、120℃以下の温度で水分量が15〜4
    5重量%になるように調製した繊維と含浸剤を含有する
    溶液とを接触させたのち、100〜150℃の飽和水蒸
    気で処理して含浸剤を繊維中に拡散させ、次いで120
    ℃以上で乾燥させることを特徴とする少なくとも1.4
    1g/cm^3以上の密度を有するパラ配向型アラミド
    繊維の製造法。
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