JPS63145416A - パラ配向型アラミド繊維 - Google Patents

パラ配向型アラミド繊維

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JPS63145416A
JPS63145416A JP28305786A JP28305786A JPS63145416A JP S63145416 A JPS63145416 A JP S63145416A JP 28305786 A JP28305786 A JP 28305786A JP 28305786 A JP28305786 A JP 28305786A JP S63145416 A JPS63145416 A JP S63145416A
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fibers
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野 本発明は、高性能且つ難燃性のパラ配向型アラミド繊維
に関する。更に詳しくは、限界酸素指数(L.O. I
.)が35を越える高い難燃性と、優れた強度及びモジ
ュラスを兼備するパラ配向型アラミド繊維に関する。
〔従来の技術〕
従来、パラ配向型アラミドはその高い比較度、比弾性率
、優れた耐熱性を有する有機高分子材料であることから
、防護作業衣、ロープ、ゲープル、コード等への利用が
検討されている。これらの利用分野において、上記性能
に加えて、さらに染色性、耐候性、難燃性等のa能の付
与が求められている。通常これらの性質は添加剤を繊維
に混入させて実現される。しかしながら、パラ配向型ア
ラミドにおいては、溶融困難かつ難溶性であるため硫酸
等の特殊な溶媒を用いて溶解したうえ、紡糸する必要が
あるため、一般の溶融可能な重合体と異なり、添加剤を
紡糸原液中に添加することによって種々の機能性を付与
する方法では硫酸系}容媒中での安定性から使用できる
添加剤の種類が限られる。また、物性面からも、添加剤
の混入により高性能発現に必要な微細構造の形成を阻害
する等の好ましくない結果を引き起こす。一方、繊維に
成形された後では高い結晶性、高い分子鎖開力によって
、これら添加剤を添加することは非常に国難である。
パラ配向型アラミドの優れた機械的特性、耐熱性が有効
な分野の中で、レーシングドライバー、消防夫、航空機
乗務員、病院の患者などに対する防護被服、あるいは航
空機の内装材等においてとくに重要でありかつ望まれる
特性は難燃性である。
これまで、アラミド繊維を難燃化する方法として、特開
昭50−12.322号公報、同49−75.824号
公報、同53−35,020号公報および特公昭56−
33.489号公報に、水で膨潤した乾燥していない繊
維に難燃剤等の添加剤を含浸することが開示されている
。しかしながら、パラ配向型アラミド繊維については、
ポリマー濃度の低い紡糸原液を使用し、高温の凝固浴中
へ湿式紡糸する技術について開示されているだけで、そ
の方法によって得られる糸条はボイドが多く、密度が小
さく、著しく強度が小さい。
すなわち、パラ配向型アラミド繊維の最大の特徴である
高強度という特性が損われる。これはそもそも含浸処理
のし易い密度約1.35g/aJ以下の、ボイドが多く
多孔質の繊維をつくることが前提になっていることによ
る。
また、このようにボイドの多い多孔質の繊維に難燃剤が
含浸されているため、堅牢性に欠けるという欠点があり
、難燃剤を重合体に結合させることで堅牢性の低さを補
っているが、十分とは言えない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の通り、パラ配向型アラミド繊維の最大の特徴であ
る高強度、高弾性率という特性と、高い難燃性との両立
は未だ実現されていないのが現状である。従って、本発
明の目的は、優れたabti的物性(高強度、高弾性率
)と高い難燃性の両方を兼備する繊維を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、耐洗濯や耐光の堅牢
度に優れた難燃性のパラ配向型アラミド繊維を提供する
ことにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記問題を解決するため鋭意研究の結果、
特定の含水量のパラ配向型アラミド繊維に難燃剤を含浸
させる方法において、ドープをオリフィスから一旦空気
中に押し出す成形法を採用し、しかも凝固時及び/又は
特定の残酸状態において張力を緩和した工程を設け、該
工程において糸条を難燃剤含有水性溶液と接触させるこ
とにより、高強度、高弾性率を有する、ボイドのない緻
密な繊維であって、且つ、意外にも難燃性に優れ、しか
も″M燃性の堅牢度に優れた繊維が得られることを見出
し、更に研究を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のパラ配向型アラミド繊維は、3.5
以上の3inhを持つパラ配向型アラミドからなる繊維
において、脂肪族リン酸エステル、脂肪族環式リン酸エ
ステル及び芳香族リン酸エステルよりなる群から選択さ
れる一種または二種以上の難燃剤を、繊維の全重量を基
準にして少なくとも0.1重量%のリンを与えるのに十
分な量で含存し、且つ密度が1.41g/cu1以上で
あることを特徴とする繊維である。
本発明でいう「パラ配向型アラミド」とは、1種または
2種以上の2価の芳香族基が直接アミド基により結合さ
れているポリマーであって、該芳香族基の2価の結合基
同志が1.4−フェニレン(パラフェニレン)、4.4
’−ビフェニレン、1.4−ナフチレンの如く、芳香族
環より同軸的に反対方向に、または1.5−ナフチレン
、2゜6−ナフチレンの如く平行軸的に反対方向に配置
されているような芳香族ポリアミドをいう。芳香族基と
しては、上記の如き単環または多環の炭素環芳香族基の
他に、2,5−ピリダジンや、等のへテロ環芳香族であ
ってもよい。
これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の
低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基
等が1個または2個以上含まれることも許される。
これらのパラ配向型アラミドの典型的な例としては、ポ
リパラベンズアミド、ポリパラフェニレンテレフタルア
ミド、ポリ−4,4′−ジアミノベンズアニリドテレフ
タルアミド、ポリーN、N’−p−フェニレンビス(p
−ベンズアミド)テレフタルアミド、ポリパラフェニレ
ン−2,6−ナツタリックアミド、コポリパラフェニレ
ン74゜4’−(3,3’−ジメチルビフェニレン)−
テレフタルアミド、コポリパラフェニレン/2.5−ピ
リジレンーテレフタルアミド、コポリパラフェニレンテ
レフタルアミド/ピロメリットイミド、コポリパラフェ
ニレン−イソシンコメロンアミド/テレフタルアミド等
が挙げられる。
本発明で使用するパラ配向型アラミドは、その分子を構
成する芳香族基の5モル%までを、上記の特別な芳香族
基以外の2価の芳香族基、たとえば、メタフェニレン基
、3.3’−ビフェニレン等や、2価の脂肪族基、たと
えば、エチレン、ブチレン等で置き換えることも、また
、アミド結合の5モル%以下をエステル結合、尿素結合
、ウレタン結合等により置き換えることも許される。
これらのパラ配向型アラミドの製造法は、本発明を実施
する上で制限されるものではなく、たとえば、1亥当す
るジアミンおよびジ酸クロライドから、特公昭35−1
4399号公報等で知られる低温?′8液重液性合法り
容易に製造できる。
本発明の繊維は、少くとも引張り強度が20g/d以上
、伸度が2%以上で且つ250g/d以上の初期モジュ
ラスを有するが如き高強度、高弾性率の繊維を対象とす
るべきものである。従って、使用されるパラ配向型アラ
ミドの重合度が一定の値以上のものでなければならず、
少くとも固有粘度(ηinh)で表わして3.5以上で
あるべきで、望ましくは4.5以上である。また、本発
明の繊維は、前記した高性能の繊維であるために、結晶
配向角が30″以下であることが望ましい。
本発明の繊維において含浸される難燃剤は、脂肪族リン
酸エステル、脂肪族環式リン酸エステル及び芳香族リン
酸エステルより選択される。これらの代表的な難燃剤は
、 (llsczO) 3 P = 05(113co) 
x P = 01(X=1あるいはO〕 などであり、脂肪族置換基、芳香族置換基の水素原子の
一部がハロゲンで置換したものであってもよい。通常、
これらの化合物から一種を選択し、繊維中に拡散せしめ
ることにより難燃化は達成されるが、二種以上の化合物
を拡散含浸させることも許される。
−I%>に、エステル化されていない、例えば、フェニ
ルホスホン酸のようなリン酸化合物も難燃剤として有効
ではあるが、これらの化合物は酸性が強く、パラ配向型
アラミド繊維自体が含浸処理中或いは各種用途での使用
中にt員傷を受け、その結果機械的性能の低下を招くの
で好ましくない。更に、それらの塩は、実際の含浸が困
難であったり、あるいは難燃化の効果の程度が小さいの
でこれらも好ましくない。
本発明の目的である高い難燃性、例えば、35以上のり
、O,1,を具備するためには、繊維全重量に対して少
なくとも0.1重量%のリンを与えるように前記難燃剤
が含有されている必要がある。更に好ましくは、リン含
有量が0.3%重頃以上となるようにする。
本発明のボイドの少ない緻密な繊維において、このよう
な高含率で難燃剤が含有されるためには、後述の如く、
特定の凝固状態で紡出糸条から張力を解放し、水洗及び
含浸するという紡糸方法を採ることが肝要である。
上述した如く、本発明の目的は優れた難燃性と高い機械
的物性を兼備する繊維を提供することにある。即ち、本
発明の繊維は、難燃剤を含有し、ボイドが少なく緻密な
構造を有して難燃性及びその堅牢性にすぐれ、且つ20
 g/dを越える強度、250g/ dを越える弾性率
を示すものであり、これらの要請により、少なくとも1
.41g/cm2以上(好ましくは1.43g/cm2
以上)の密度を有することが必要である。このような高
密度は、後に説明するように、光学異方性ドープも低温
の凝固浴にギャップ紡糸することによって得られる。
本発明において、難燃性の高い堅牢度を保証するために
は、好ましくは、難燃剤が糸条の表層のみならず、中心
部にも十分に含浸されているのが良い。このような好ま
しい含浸態様は、後述のように、張力の解放下に水洗及
び含浸処理することに゛よってはじめて得られ、更に好
ましくは、含浸前に有機溶剤を謂ゆるキャリアとして使
用するのが良く、一層良好な結果を得ることができる。
パラ配向型アラミド繊維の場合、単糸デニールが大きく
なると、一般に密度が小さくなるので、難燃剤の含浸が
容易になるが、本発明の繊維は通常約0.5〜6デニー
ル、好ましくは約1〜4デニールのものに適用できる。
次に、本発明の繊維を製造する方法について述べる。
本発明の繊維は、パラ配向型アラミドと硫酸系溶媒から
光学異方性ドープをつくり、該ドープをオリフィスを通
して一旦、空気中に押し出した後、凝固させ、かつ凝固
時または/および残存する硫酸系溶媒が対乾燥繊維比5
重■%以上の洗浄初期に凝固糸条から実質的に張力を解
放し、該溶媒を実質的に除去して得た水分量が80重間
%以上の繊維と難燃剤を含有する溶液とを張力の実質的
解放下に接触させて難燃剤を繊維中に拡散させ、次いで
120℃以上で乾燥させることによって製造される。
本発明に用いる光学異方性ドープは、これらのパラ配向
型アラミドを、硫酸系溶剤に溶解することによりm製さ
れる。好適に用いられる溶剤は、95重量%以上の濃硫
酸または発煙硫酸であり、他の硫酸系溶媒としては、ク
ロル硫酸、フルオロ硫酸等が知られる。
本発明に用いる光学異方性ドープは、ポリマーおよび溶
剤および溶液の温度により定する一定のポリマー濃度以
上で得られるものであり、具体的には、個々の組合わせ
につき、光学異方性を観察することで確認されるべきで
ある。一般に、濃硫酸等では10重量%内外以上で光学
異方性を示す。
光学異方性の確認は、スライドグラス上にドープを薄く
伸ばしたプレパラートを、偏光顕微鏡の直交ニコルの間
に入れると、直交ニコルの暗視野が明視野に変化するこ
とにより行なわれるが、ドープを溶解する際に剪断力下
で配向して光を乱反射し、金属様または真珠様の光沢が
見られることによっても確められる。
かかるパラ配同型アラミドポリマーの紡糸用ドープは、
公知の方法によって調製される。その際、溶剤としては
、工業的には濃硫酸が有利に用いられる。?;硫酸の・
濃度は、95重里%以上が好ましく、特に高い固有粘度
を有するポリマーを高強度に温度に溶解する場合には9
7.5重量%、さらに好ましくは99重量%以上のもの
が用いられる。
紡糸用ドープのポリマー濃度は、一般に高いほうが高性
能繊維が得られ易いことから濃厚であることが望ましい
。通常、少くとも13重量%以上、好ましくは15重量
%以上とずべきである。濃度が低過ぎると少くとも1.
41g/C!Jの密度を有する高性能繊維が得られない
。しかしながら、高すぎる温度、例えば22重量%以上
では、ドープの粘度が高くなりすぎるため、ドープ温度
を高く設定する必要があり、紡糸操作上困難を伴いやす
い。
従って、高過ぎないよう選ばれるべきである。紡糸用ド
ープのポリマー濃度は最も好ましくは16〜20重量%
である。
ドープの調製および使用に当っては、上記ポリマー濃度
範囲においては、ドープは室温付近では固化する場合が
あるため、室温から80℃程度の温度で取扱えばよい。
しかしながら、ポリマーの分解を可及的に回避する観点
から、固化しない限りなるべく低い温度を選ぶべきであ
る。
このようにして調製された紡糸用ドープは、上記のポリ
マー濃度、ドープ温度範囲で光学的異方性を有すること
が認められる。かかるドープは、紡糸口金を通して一旦
空気中に押し出され、ついで凝固浴中に導びかれる。
凝固浴中の凝固しつつある、または凝固した糸条はほと
んど引き伸ばしが行なわれないため、吐出されたドープ
は口金直下の空気中において、引き取りのドラフト(引
き伸ばし)がかかり、引き伸ばされる。この引き伸ばし
において、引き伸ばし率が低いと充分に繊維の物性例え
ば強度、初期モジュラスを高めることが出来ず、また、
高すぎるとこの間でドープ流が切断されるため、通常は
、引き伸ばし率は4〜15倍、好ましくは5〜12倍の
間に設定される。ドープの引き伸ばしが行なわれる空気
中の長さ、即ちドープの吐出される紡糸用口金の面から
凝固浴液表面までの距離は、通常約1〜50龍、好適に
は3〜20*nの範囲に設定されるが、これに限定され
るものではない。具体的には、紡糸用口金からのドープ
の吐出速度、上記のドラフト率、フィラメントの融合機
会を少くすること等を考慮して決定されるべきである。
ドープの吐出に際して用いられる紡糸用口金の孔径は、
製造しようとする繊維の太さ、及び上記のドラフト率の
設定により選定されるべきであって、通常は0.05〜
0.10m5の範囲のものが+5!訳されるが、これに
限られるものではない。更に紡糸用口金に設けられる孔
数は、製造しようとする繊維の構成によって決定される
べきものであり、特に本発明法を実施するに当って格別
限定されるものではない。
本発明の繊維の製造において、紡糸用口金と凝固浴が分
離されていることが、密度が大きく (つまりボイドの
少なり)、機械的性質のすぐれた繊維を得るうえで重要
である。
本発明の実施に当って、凝固液としては、通常水または
濃度70%までの硫酸水溶液が有利に用いられる。しか
しながら、例えば、塩化アンモニウム、塩化カルシウム
、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等
の如き塩、もしくはそれらの混合物の水溶液、アンモニ
ア水’t8 ?Fz、水酸化ナトリウム水溶液、または
、メタノール、エタノール、エチレングリコールの如き
有機溶媒もしくはこれらの水溶液等であってもよく、特
に限定されるものではない。
凝固液の温度は、一般には15℃以下、より好ましくは
10℃以下に保持されることがよい。何故なら、凝固浴
温度の低い方が、内部に生成するボイドの量が少なくな
り、密度が大きくなって、強度などの機械的性能も向上
するからである。なお、凝固浴温度の下限は特に限定さ
れず、該凝固浴の組成によって決まる融点(凝固点)ま
でである。
凝固浴より引出された繊維は、従来の方法と同様の方法
により、水や水性アルカリにて溶剤や凝固浴液が実質的
に中和、洗浄除去される。
本発明の繊維の製造においては、凝固時または/および
残酸量の多い洗浄工程で繊維に作用している張力を解放
する。このことは、密度が大きく従って緻密な構造をと
っているにもかかわらず、含浸の効果を大きくする上で
大切である。その理由は、未だ詳しくは解明されていな
いが、水で膨潤されているゲル状の繊維の分子鎖の配向
性、結晶の生成などと微妙な関係を有しているものとJ
(I定される。
繊維の製造において、凝固時に、その糸条から張力を実
質的に解放することは、工業的な生産方法・条件下では
困難であるため凝固浴出の糸条の洗浄工程で、糸条を実
質的に無緊張下に水洗するのが幸便である。このような
方法としては工業的には凝固浴の残存溶媒含有糸条をフ
ットコンヘア1−に振り込んで、ここで無緊張下に洗浄
するのが好都合である。凝固糸条物から張力を解放する
時期は、該糸条物中の残存溶媒量が耐乾燥繊維比5重h
t%以上、より好ましくは10重星%以上であるときで
あることが、緻密織組に含有剤の含浸を有効とならしめ
るため肝要である。逆に、5重■%より少ない残存溶媒
になるまで凝固、洗浄を進めてからはじめて張力を解放
したのでは、含浸が十分に行きわたらない。
凝固した繊維糸条は、前記凝固状態のときに適当な引取
りロール等の装置を介して、vj浴中より取出され、振
込み装置により処理のためコンベヤー上に振落される。
凝固浴より引出された繊維糸条が処理コンベヤー上に振
込まれるまでの工程で、該繊維糸条に伸長が加えられる
ことは極力避けられるべきである。
従来の再生繊維や合成繊維を製造する上で強度を高める
ために好んで用いられる未水洗の凝固糸条の伸長処理は
、該ゲル状凝固糸条の構造がより緻密化するためか、含
浸剤の含浸が困難となり、含浸に多大の時間を要するの
で好ましくない。しかしながら、実際には凝固浴中より
の繊維の引出しに必要な張力や、ガイドや、vi込み装
置等での摩擦力により、張力が糸条に加わることは避け
られないことであるが、通常、これらによる張力は約0
、5 g / d以下、特に好適に設計された装置では
約0.2g/d以下であり、積極的に伸長を加える場合
に比べて低いため無視できる場合が多い。
本発明の繊維の製造に用いられる振込み装置としては、
単独または一対の籠ロールや、単独または一対の歯車状
のロール等が、糸状とはソ°等線速度またはそれ以上の
周速度となるように回転されて用いられ、また、水等の
流体流と共に流し落すことや、流体流のエジェクターや
エヤーサッカーにより吸引して送ること等が用いられる
振込み装置により振落された糸条は、場合によっては、
直接処理コンベヤー上に堆積されてもよいが、一旦他の
無端コンベヤーまたはローラー上に振落して先山を形成
した後、該先山を処理コンベヤー上に先山の上面と下面
を反転して乗せ替えることが好ましい。処理後の先山よ
り再び糸条を取上げるときに、糸条が反転操作のないと
きには先山の下より乗出されるため、糸条のもつれや毛
羽立ち等の不都合が生じるのとは対照的に、−h記のよ
うな反転処理を行なうときには、そのような問題を生じ
ないからである。
このような反転操作を行なう上で、反転コンベヤーまた
はローラーはぼソ処理コンベヤーと等しい線速度で移動
または回転するが、先山の厚みや反転コンベヤーまたは
ローラーの材質や形状によっては、適宜異なる速度に設
定することが好ましい。
処理コンベヤーの構造は、水洗水またはその他の処理液
が該ベルトを貫通して流れ、または浸透する構造である
必要があり、通常、網状、編織物状、多孔板状等の構造
が好ましく用いられ、特別なものとしては多孔板を継ぎ
合わせた構造であってもよい。
また処理コンヘヤーの材質は、糸条に付着して持込まれ
る凝固液や処理工程で付与される薬品に耐え、また乾燥
工程および熱処理工程での加熱に耐えるものであること
が必要であり、さらに好ましくは使用中の寸法変化が少
ないことが望まれる。
たとえば、ステンレススチール製の金網や多孔板、ガラ
ス繊維の編織物、フッ素樹脂コーティングしたガラス繊
維網、フッ素樹脂繊維編織物、フッ素樹脂の多孔板また
は多孔シートが用いられる。
処理コンベヤーの移動速度は、糸条の供給速度、すなわ
ち、紡浴からの引取り速度よりも遅く設定されることが
必要で、通常振込率(糸条速度/処理コンベヤー速度を
いう。以下同じ)として約1、2倍以上、特に好ましく
は約10倍以上に設定されるべきであり、それ以下の場
合には、処理コンベヤー上で振込まれた糸条が少なくと
も部分的に伸長された状態となり、水洗または/および
含浸処理工程において糸条に部分的な緊張力を生じるた
め、本発明の目的とする実質的に無緊張状態での処理が
完全に行えないため避けるべきである。
処理コンベヤー上における先山の糸密度は、振込み率お
よび振込み幅により調節され、通常、乾燥系基準で0.
005〜0.2 g /cJ、特に好ましくは0.00
5〜0.1g/cJの範囲に選ばれる。また、振込み率
としては、前述の如<1.2倍以上で、上限は1000
0倍までの間に、特に好ましくは10 (r1〜200
0倍の間に選ばれる。先山の振込み幅は、具体的には、
振込み装置から反転装置または処理コンベヤーまでの落
下距離を変えたり、振込み装置の前または後に綾振り装
置(トラバーサ−)を設けたり、振込み装置の後に首振
り式のシュートを設けたりすることによって11ム1整
でき、繊維糸条の聡デニールや剛性率によっても変わる
が、一般に数鶴から数十国の間に、特別な場合には1m
前後に設定することも可能である。
また、一つの処理コンベヤー上に振込まれる糸条は、1
本に限定されるものではなく、同時に多数本の糸条を適
当な間隔で振込み、処理コンベヤー上で適当な間隔、た
とえば、約1 mm〜数101嘗の間隔を置いて多数本
の帯状の系中として堆積し、同時に水洗および含浸処理
することも、生産性の点より工業的に好ましい実施形態
である。
処理コンベヤー上に堆積された系中は、コンベヤーと共
に移動し、先ず、水洗工程に導びかれ、溶媒を糸条から
除いた後、次いで含浸処理工程で含浸剤を含浸させる。
好ましくは、水洗水は、孔明き板よりシャワー状に、ま
たは噴霧ノズルより霧状に、またはブラシ状の多数本の
繊維に沿って、系内上に供給され、系内中に含まれる凝
固液を洗條し、処理コンベヤーを貫流して該コンベヤー
下に排出される。ここで、水洗水の供給方法は、本発明
を実施する上で制限されるものではなく、上記の例に限
定されるものではない。
水洗工程に先立って凝固を完全にするためや、凝固液を
回収するため等を目的として、凝固液組成または凝固液
と水の混合物または中和剤その他の処理液を、水洗と同
様の手段で系中に供給して処理することも行なわれてよ
い。水洗によって完全に糸条より溶剤等を除くことが望
ましいのであるが、実質的には、11000pp以下で
あればその影響が無視できることが多い。
水洗の効果を高めるために、水洗に先立って、または/
および水洗工程中で、または水洗工程の後に、任意の数
の絞りロール等で処理することも好ましい。また同様の
目的で、処理コンベヤー下より吸引することにより、系
中および処理コンベヤーを貫流する水洗水の流速を高め
ることも好ましい。水温を高めることも行なわれてよく
、特に本発明の繊維を製造する上で制限されるものでは
ない。
水洗された系中は、実質的に無緊張状態で乾燥させるこ
となく、少なくとも80重野%以上の水分量を含有させ
たまま保持し、含浸剤を含有する溶液と接触させなけれ
ばならない。水分量が80重量%未満ではいわゆる生乾
きの状態であり、含浸剤を含有する溶液からの繊維内部
への拡散速度が著しく低下し、実用的な量を含浸させる
ことができない。
含浸の方法は水洗と同様の手段によって処理コンヘヤー
上で系中に含浸剤を含む溶液を噴霧、シャワーリング等
により供給するか、コンベヤーごと処理液に浸漬するこ
とにより行なわれる。
含浸条件は、繊維に必要とされる含浸量に応じて設定さ
れるべきであり、用いられたポリマーの種類、含浸剤の
種類、溶媒の種類、繊維の単糸デニール、系内密度、処
理コンベヤーの構造等、多くの要因により異なり、各々
の条件で実験的に求めて決定することが望ましい。
処理液の温度は、室温から用いた溶媒の沸点の間で任意
に設定できるが、繊維内部への拡散速度を大きくするた
めに高温の方が好ましい。処理液中のtI燃剤の濃度は
通常0.1〜50重量%である。
溶媒としては通常水が用いられるが、好ましくは、水と
混和性があり、含浸処理後の工程において糸条中より容
易に除去できる有機溶媒あるいはこのような有機溶媒と
水との混合物である。なお、有機溶媒の多くは糸条中に
残存すると、糸条が炎に接触する時却って燃焼を助長す
る方向に働くので、含浸後水洗や乾燥工程で除去するこ
とが望ましい。
使用しうる有機溶媒としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、アセトン等の低沸点の溶媒が適当である
が、個々の難燃剤の溶解性により適宜選択することが肝
要である。特別な場合には、N、N’−ジメチルホルム
アミドやジメチルスルホキシドのような、比較的高沸点
の溶媒でも、含浸処理後、洗浄や乾燥工程で除去するご
とにより使用可能である。
このような難燃剤の処理液は、難燃剤が分子状に分散し
た溶液であることが最も望ましいが、処理液中での難燃
剤の粒子径が0.1μ以下(好ましくは0.01μ以下
)であれば含浸は可能であり、エマルジョン、分散液、
コロイド)8液で処理することもできる。
一方、含浸に供する未乾燥繊維の単糸デニールも重要な
因子の1つである。単糸デニールは大きいほど含浸量は
大きくなる。一般にデニールが大きくなると密度は低下
するが、乾燥後の繊維の密度のわずかな差からは予想も
できないほど拡散速度には差があり、含浸量は大きくな
る。従って、好ましい単糸デニールは乾燥状態で0.5
デニ一ル以上であり、特に好ましくは1.5デニ一ル以
上である。このことは未乾燥糸のわずかな密度の違いが
含浸剤の拡散速度に大きく影響することを意味している
。特に、20 g / d以上の引張り強度を有するが
如き繊維、即ち繊維の密度が少なくとも1.41g/c
II!以上、最も好ましくは1.43 g / ca1
以上であるような密度を有する繊維の製造において、繊
維の構造形成の初期において張力を解放する工程を設け
、且つ謂わゆるキャリヤ液で含浸処理する本発明繊維の
製造方法が非常に有効に活用されるのである。
かかる繊維を乾燥するにあたり、乾燥温度は少なくとも
120℃以上、好ましくは150℃〜300 ’Cで乾
燥することが必要である。これは高温で乾燥することに
よっ一ζ繊維の構造が緻密化し、一旦含浸された含浸剤
が、繊維内部に強固に保持されるため、繊維からの難燃
剤の溶出を低く抑えることができるからである。したが
って、本発明の繊維は難燃剤を高分子量にしたり、重合
体と結合させる等、特別な処理をすることなく、優れた
耐洗濯性を有し、耐久性の高い難燃効果を示す。もらろ
ん、難燃効果の持続性を更に高くするため!r’−51
t 燃剤の含浸時、あるいは含浸後に樹脂加工等施すこ
とも可能である。必要であれば、さらに高温で熱処理を
行ない機械的強度を大にすることもできる。
さらに、含浸後乾燥に先だってまたは乾燥と同時に延伸
することもできる。乾、燥時に1.01〜1.05倍程
度延伸することで特に高い弾性率にすることができる。
また、低張力下または無緊張下で乾燥させて高伸度にす
ることもできる。
また、本発明繊維の製造において、硫酸系の溶媒に溶解
し成形するに当り、条件によってはポリマー鎖中の芳香
核が一部スルホン化されることがある。これは得られた
繊維の機械的物性の低下を伴なわない範囲においては、
難燃剤の吸尽力の向上が結果として見られるため、積極
的にスルボン化を進行させるのも好ましい実施態様の−
っである。このようなスルホン化はドープの溶解がら凝
固開始までの間に、ドープを約90’C以上の高温に保
つこと、例えば溶解時の熱や攪拌熱を利用することによ
って幸便に達成できる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、
これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。
実施例中、特にことわりのない限り「%」および「部」
はそれぞれ重量パーセントおよび重量部を表わす。また
、本発明法において用いられる種々のパラメーターの主
なものは以下の様にして測定されたものである。
く固有粘度の測定法〉 固有粘度(ηi n h )は、98.5重量%の′濃
硫酸に・濃度(C)−0,5g/d1でポリマーまたは
繊維を溶かした溶液を30℃にて常法により測定する。
く繊維の強伸度特性の測定法〉 繊維糸条の強度、伸度および初期モジュラスの測定はJ
IS規格に準じ、測定に先立って10 cm当り8回の
撚りを加えた糸条について、定速伸長型強伸度試験機に
より、把握長20ca+、引張り速度50%/分にて、
荷重−伸長率曲線を描き、それより読み取り、または算
出したもので、測定数20個の平均値で表わす。
〈ドープ粘度〉 ドープ粘度はB型粘度計を用い1 r、p、mの回転速
度で測定したものである。
〈繊維の密度〉 密度の値は四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管
法により30″Cで測定されたものである。
く限界酸素指数〉 難燃性の指標である限界酸素指数(以下、L、0.I。
と略す)は日本工業規格(J I S) K7201号
に基き、燃焼性試験装置(スガ試験機■製、0N−1型
)を用い、ヤーンそのものを試験片として測定した。試
験片が3分間以」二あるいは5cm以上継続して燃焼し
得る最低の酸素流量をA l /min 、この時の窒
素流量をB j! /m1n(= 11.4− A )
とすると、L、0. t、は、 L、O,!、 = −x 100 A+B によって表わされる値である。
く繊維中の含リン量〉 難燃剤を含浸した繊維を約50■ないし100■精秤し
、白金製バスケットに入れる。これを酸素気流中で燃焼
させ、燃焼によって生成するガスを0.01規定苛性ソ
ーダl Qmlと水1 Qmlの混合溶液に導き吸収さ
せる。燃焼ガスを吸収させた上記溶液に水を加え、正確
に50m1に定容する。
この?8液をイオンクロマトグラム(り゛イオネソクス
社製グイオネックス10型)に供し、含リン量を測定し
た。その際分離カラムは、TSKゲル−アニオンPW(
東洋曹達製)を充填したカラムを用い、)容離液は0.
0015モル/1炭酸水素ナトリウl、水溶液と0.0
012モル/1炭酸ナトリウム水溶液の1 : 1 l
nn合成液用いた。また、リンの定量は、あらかじめ既
知量のリン酸二水素カリウムを用いて上記操作を行ない
、作製した含すン量検量線に基づいて行った。
I考例(ポリ−パラ−フェニレンテレフタルアミドの製
造方法) 低温溶液重合法により、次の如くポリ−パラ−フェニレ
ンテレフタルアミド(以下PPT^と略す)を得た。特
公昭53−43986号公報に示された重合装置中でN
−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム70
部を溶解し、次いでパラフェニレンジアミン48.6部
を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸ジクロラ
イド91.4部を粉末状で一度に加えた。数分後に重合
反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−439
86号公報記載の方法に従って重合装置より重合反応物
を排出し、直ちに2軸の密閉型ニーグーに移し、同ニー
ダ−中で重合反応物を微粉砕した。次に微粉砕物をヘン
シェルミキサー中に移し、はぼ等量の水を加えさらに粉
砕した後、濾過し数回温水中で洗浄して、110℃の熱
風中で乾燥した。ηinhが5.0の淡黄色のPPTA
95部を得た。
なお、異なったηinhのポリマーは、N−メチルピロ
リドンとモノマー(パラ−フェニレンジアミンおよびテ
レフタル酸ジクロライド)の比、または/およびモノマ
ー間の比等を変えることによって容易に得ることができ
る。
実施例1 。
固有粘度(ηinh)が7.05のPPTAを、ポリマ
ー濃度が18,7%となるように99.7%の濃硫酸に
、温度を80℃に保ちながら溶解し、紡糸用のポリマー
溶液(以下ドープと略称する)を調製した。このポリマ
ー溶液は光学的異方性を示すことが直交ニコル下の偏光
顕微鏡観察で確認された。
このドープを真空下2時間静置脱泡後、紡糸に用いた。
トープをギアポンプを通して300メソシユステンレス
金網を8重に巻いたキャンドルフィルターを用いて濾過
後、0.07mmφの孔径、100個の孔数を有する紡
糸用口金から5龍の空気中をiinして凝固浴中に押出
した。凝固液としては1.5℃に冷却された10%硫酸
水溶液を用いた。ついで、凝固浴中に導かれた糸条を変
向ロールにて変向し、ネルソンロールへ専いた。このと
き繊維中の残存硫酸量は乾燥繊維重量比16.2%であ
った。ネルソンロールにより引き取られた糸条は、次い
で、特公昭55−9088号公報に示さる装置により、
即ら、糸条を一対のギヤーニップロール(歯車状のロー
ルが浅く噛み合い、その間で糸条を送り出すロール)に
より反転ネット上に振り込み、次いで処理ネットコンヘ
ヤー上に反転さセ・て乗せた。処理コンベヤー上に乗せ
られた来由は、シャワ一方式による水洗水により洗浄さ
れたのち、約220重里%の含水状態のまま同じくシャ
ワ一方式でK −19八〇(川底化学工業(株製。構造
は第1表下図の通り)の10%水?容液を用い、50℃
で30分間、ネットコンベヤー上で含浸処理した。次い
で糸条の表面に付着した余分の難燃剤を水洗した後12
0℃で乾燥し、ワイングーに糸条を捲取った。
実施例2 実施例1と同様に凝固、洗浄した糸条にネットコンベヤ
ー上でトリクレジルホスフェート(TCPと略す)10
%アセトン溶液(45℃)をシャワ一方式で40分間接
触させた後、アセトンにて洗浄し、その後120゛cで
乾燥してワイングーに捲取った。
比較例1 77inh力<2.65のl’PTAをボリマーン農度
が18.7%となるように99.7%の濃硫酸に室温で
溶解しドープを調製した。該ドープを実施例1と同じ方
法で紡糸し、同じようにに一19AOで含浸処理した。
比較例2 実施例1において、K−19/l溶液との接触時間を2
分間とし、他は全て同様の条件で糸条を得た。
比較例3 実施例1において、K−19AOの含浸処理を全く行わ
ずに、糸条を洗浄乾燥し捲取った。この一度捲取った難
燃処理を施さない、乾燥した糸条を再びネルソンロール
により引き取りネットコンベヤー上に振り込み、その後
は実施例1と同じ条件でに一19Aoを含浸処理した。
比較例4 実施例1と同様に紡糸された糸条を、実施例1で用いた
ネットコンベヤーの代わりに、水洗水が糸条と向流に流
れる水洗槽中に走行させて水洗した。この際、水洗槽入
口および水洗槽の出口には、各々送りローラーを設け、
水流の抵抗および糸条を支えるガイド類の抵抗以外の不
必要な張力ができる限り加わらないように、各々の速度
を調整した。洗浄後の糸条は乾燥に先立って、K−19
AQの10%水溶液に部分的に浸したキスロールを通し
、糸条に難燃剤を施与した。この状態で50℃で30分
間放置した後、水洗し乾燥した。
実施例1,2、比較例1〜4における処理条件および繊
維性能を第1表に示した。
比較例1かられかるように、ηinhが小さい糸条にお
いては、充分な難燃性は得られるものの、強度、弾性率
が実施例1,2の繊維と比べて低いものでしかない。
また、比較例2の繊維は′ii燃剤の含浸が不十分で、
高い難燃性が得られていない。
更に、比較例3.4から明らかなように、乾燥した糸条
に対しては難燃剤が浸透せず、また未乾燥糸でも、張力
のかかった状態で処理したのでは実施例のような高い難
燃性は得られない。
実施例1において調製したドープを同じ条件下において
紡口より吐出させ、凝固せしめ、ネルソンロールで引き
取ってネットコンベヤー上に振り込んだ。これをシャワ
一方式で水洗した糸条を以後の処理を行わず、水を含有
した状態のままかせ巻きとし、実施例3〜7、比較例5
〜6の原糸として用いた。この水を含有した糸条の一部
を、ペーパータオルで表面の水分を取り重量を測定した
後、空気循環式乾燥機にて120℃で恒■まで乾燥した
。この糸条の重量を再度測定し、乾燥前後での重量の変
化より水分の含有量を求めた結果、150重量%であっ
た。
実施例3 上記原糸をN、N’−ジメチルホルムアミド(以下DM
Fと略す)中に一晩浸漬し糸条中の水をDMFで置換し
た。この糸条を、TCP 15%を含むDMF溶液に浸
漬し、80℃で60分間加熱した。その後、表面をアセ
トンで洗浄し、減圧乾燥機中、100℃2 Torrで
3時間乾燥した。
実施例4 原糸をトリフェニルホスフェート(TPPと略す)の1
5%アセトン溶液に浸漬し、50℃で60分加熱した。
糸条を取り出し表面をアセトンで洗浄した後120℃で
乾燥した。
実施例5 トリエチルホスフェート(TEPと略す)の15%水溶
液中に原糸を浸漬し、55°Cで60分間加熱した。そ
の後、処理した糸条を水洗し、120℃で乾燥した。
比較例5 フヱニルホスホン酸(PPAと略す)の15%水溶液に
、原糸を浸漬し、50℃で60分間加熱した。処理した
糸条を水洗し、120℃で乾燥した。
比較例6 フェニルホスホン酸ナトリウム(PPA−Naと略す)
の15%水溶液を用い、比較例5と同じように含浸処理
を行った。
実施例3〜5、比較例5.6の結果を第2表に示す。
実施例6 実施例1で得られた糸条を0.1%の液体洗剤を含む水
溶液を用い、60℃で30分間洗濯し、次いで40℃の
水で5分間すすく。水を入れかえてさらに40”C”i
l’IO分水洗し風乾した。この操作を1回、5回及び
10回繰り返し、難燃性の耐久性を評価した。
実、Ilト例7 実施例2で得られた繊維について、実施例6と同じよう
に、難燃性の耐久性を評価した。
実施例6.7の結果を第3表に示す。
第  3  表 実施例6.7の結果から明らかなように、本発明の繊維
は5回ないし10回の洗濯の後も優れた難燃性を維持し
ており、耐久性も併せ持っている。
また、実施例1〜5及び比較例2〜4の繊維の薄い切片
をミクロトームを用いて作製し、この切片のXvAマイ
クロアナライザーによるリンの面分析を行った結果、実
施例1〜5の繊維においては、リンが繊維内部まで存在
するのに対し、比較例2〜4の繊維においては、表層部
のみにしかリンが存在しないことが確認された。
〔発明の効果〕
本発明のバラ配同型芳香族ポリアミド繊維は、従来の方
法によるものと較べて、特に高強度、高弾性率を発現す
る領域において、それら原糸の機械的性能を損うことな
く 、L、0.1.が40を越える優れた耐久難燃性を
兼jiff L−ζいる。
従って、本発明の繊維は、アラミドの応用用途を更に拡
大し、フィラメント、スフ、トウ、チョツプドストラン
ド、パルプ等から、織布、編物、コンポジット等々の形
に加工され、種々の用途、例えば、特に、消防夫、レー
シングドラバ−1うイダー、鋳物作業イ、病院の患者な
どが着用する防護被服、飛行機の内装材や、病院用の耐
熱ドラベリーなど広汎な分野で好ましく利用される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、3.5以上の固有粘度(ηinh)を持つパラ配向
    型アラミドから成る繊維において、脂肪族リン酸エステ
    ル、脂肪族環式リン酸エステル及び芳香族リン酸エステ
    ルよりなる群から選択される一種または二種以上の難燃
    剤を、繊維の全重量を基準にして少なくとも0.1重量
    %のリンを与えるのに十分な量で含有し、かつ密度が1
    .41g/cm^2以上であることを特徴とするパラ配
    向型アラミド繊維。
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