JP3565614B2 - 芳香族ポリアミド成形物及び製法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PPTAと称する)を代表とするパラ配向型芳香族ポリアミド(以下パラアラミドと略称する)からなる成形物及びその製造方法に関し、さらに詳しくは改良された吸湿特性を備えたパラアラミド成形物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パラアラミドは優れた耐熱性、結晶性を有するポリマーであり、フィルムへの成形については米国特許4857255号、米国特許4752643号等にPPTAフィルムが、特開昭58−42649号公報、特開59−45124号公報、特開62−70421号公報等に芳香環に核置換基を有するパラアラミドフィルムが開示されている。一方繊維への成形については、米国特許3819587号、米国特許3767756号、米国特許3869429号、米国特許4016236号、米国特許4419317号、米国特許4374978号等に提案されている。これらのパラアラミド成形物は、優れた機械特性、耐熱性を有しており、種々の用途への応用が図られている。しかしながら、パラアラミド成形物には、かかる長所がある反面、吸湿率が大きく、吸湿膨張係数が大きいという問題点があり、吸湿による寸法変化をおこし易く、例えばPPTA繊維の複合材料においては、吸湿、放湿の繰り返しによるクラックの発生や、フィルムにおいても、高密度磁気記録媒体や高密度プリント配線板等のフィルムの寸法安定性が要求される用途においては問題となっている。
【0003】
パラアラミドフィルムの吸湿特性を改良する方法として、高度の熱処理及び/または延伸により結晶化、配向を進める試みが、特開昭62−246719号公報、特開平6−136156号公報等により提案されており、例えば特開昭62−246719号公報には、凝固、洗浄して得られたフィルムを300℃〜500℃で緊張下にて熱処理する方法が示されている。しかし、これらの方法では、熱処理を高温にすると吸湿膨張係数は低下するものの、伸度低下が著しく、脆いフィルムとなり易い。また、この方法で伸度を保ったフィルムは、吸湿膨張係数の改良が充分ではない。
【0004】
かかる加熱工程における機械物性の低下を防ぐためには、ジ酸クロライドとジアミンを重合させた反応混合物を直接成形する場合でも、一旦ポリマーを単離した後濃硫酸などの無機強酸に溶解して成形する場合でも、凝固後の成形物の酸分をできるだけ除去する必要があるが、水、温水による洗浄だけでは、酸分を充分に除去するのは困難である。特開昭50−102650号公報には、残存するイオン性無機化合物を洗浄により500ppm以下にしたフィルムが記載されているが、この方法でも重合時に発生または成形溶媒として用いた微量の酸性分を除去するのが困難なため、成形時または使用時の加熱により分解し、物性低下が起きやすい問題がある。酸分を効果的に除去する方法として、凝固後のフィルムを一旦アルカリ水溶液で中和した後、水で洗浄する方法が、特開昭62−134229号公報等に示されており、また、繊維の製造についても同様に、濃硫酸ドープから紡糸されたPPTA繊維をネットコンベア上に堆積し、中和した後低イオン濃度の水にて洗浄する方法が特開昭58−91809号公報により提案されている。
【0005】
このように、加熱処理により結晶化度を高め、吸湿特性を改良したパラアラミド成形物の製造においては、重合工程で発生または成形工程で用いられた硫酸、塩酸等の強酸分を除去するために、これらをアルカリ水溶液で中和して完全に除去した後、中和で生成した塩を洗浄する方法が一般的にとられている。
ところで、通常の重合方法で得られたパラアラミドは、モノマーである芳香族ジカルボン酸に由来する末端カルボキシル基を有し、更に濃硫酸から成形されたものについては、ベンゼン環上の核置換基としてスルホン基を有する場合がある。これらの酸性基は、アルカリ水溶液での中和によりアルカリ金属が末端に結合した塩の状態となる。この塩は中性付近では安定なため、末端に結合した金属イオンは中和後の水洗によっては除去することはできない。したがって、通常の方法でアルカリ中和して成形したパラアラミドの成形物は、酸性基に結合した金属イオンを含んでいる。酸性末端基の含量は、カルボキシル基は重合におけるモノマーの供給比、ポリマーの重合度によって変化するが、通常40〜80meq/Kg程度であり、スルホン基は0〜10meq/Kg程度である。したがって、これらの酸性基にアルカリ金属が結合した場合、ナトリウムを例にとると重量比として1000〜2000ppm程度の金属イオンを含む。
【0006】
従来技術においては、成形物の吸湿性の改良に関してこれらの酸性末端基に結合した比較的微量の金属イオンの影響は何等考慮されていない。これは、ポリマーに結合している微量の金属イオンが吸湿性に影響するという認識が無かったこと、及びこれを除去する有効な手段が見いだせなかったためと考えられる。
一方、不純物の除去に関しては、例えば特開昭62−115036号公報では、PPTAフィルムの製造において、中和後の水洗浄を温水を用い且つ超音波照射下に行なうことを提案している。しかし、この洗浄条件では、成形物に無機塩やアルカリ化合物の形で混在する金属イオンやその対イオンは除去できるが、パラアラミド分子に結合する末端カルボン酸基等の酸性基とイオン結合した金属イオンについては除去できないため、吸湿特性を完全に改良することができない。重合反応混合物をあらかじめ中和して成形に供する場合においても同様である。
【0007】
即ち、優れた機械物性を保ったままで、充分な吸湿膨張係数の改良がなされたパラアラミド成形物については報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
パラアラミド成形物は、機械特性、耐熱性にすぐれているが、従来の方法で製造したものは、水分の吸着量(吸湿率)が大であること、特に吸湿膨張係数が大きいため吸湿による寸法変化をおこしやすく、その成形物の寸法安定性が要求される用途においては問題があった。本発明の目的はパラアラミド成形物の優れた特性を損なうことなく、且つ吸湿率及び吸湿膨張係数が改良されたパラアラミド成形物及びその製造法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に沿ったパラアラミド成形物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。
即ち、PPTAの濃硫酸溶液をキャスト、凝固した後フィルムの脱酸を強化するためにアルカリ水溶液で処理し、水洗浄した後、二酸化炭素水溶液で処理し、さらに水洗することにより従来になく金属イオン含有量を低減できること、それがPPTA分子に結合する酸性基にイオン結合する金属イオンを、二酸化炭素水溶液の酸としての作用により解離させて除去する効果によると推定されること、また得られた金属イオン含有量が特定範囲のフィルムを熱処理して密度を特定範囲にすることにより、吸湿膨張係数、及び吸湿率が小さく、かつ高ヤング率で強伸度の大きいフィルムが得られることを発見した。
【0010】
本発明者らはこれらの知見をもとに、更に研究を重ねて本発明として完成させたものである。
即ち、本発明の第1は、対数粘度が3.5以上のパラアラミドより実質的になり、そのパラアラミド分子に結合する酸性基に結合する金属イオン含有量が10ppm以上500ppm以下、密度が1.390〜1.470であるパラアラミド成形物である。
【0011】
本発明の第2は、パラアラミドの溶液から成形物を製造するに当り、溶液または成形の後成形物を乾燥するまでの工程で、含有する酸成分を中和し、水洗し、次いで0.001重量%以上の濃度の二酸化炭素水溶液で処理し、その後必要あれば水洗した後、乾燥し、次いで350℃〜500℃で熱処理することを特徴とするパラアラミド成形物の製法である。
【0012】
本発明において、成形物とは、長繊維、スフ、不織布等の繊維、パルプ状粒子、フィルム等をいう。
本発明に用いられるパラアラミドとは、次の構成単位からなる群より選択された単位から実質的に構成される。
−NH−Ar1−NH− (1)
−CO−Ar2−CO− (2)
−NH−Ar3−CO− (3)
ここでAr1 、Ar2、およびAr3は各々少なくとも1個の芳香環を含んだパラ配向型の2価の基であり、(1)と(2)はポリマー中に存在する場合は実質的に等モルである。パラ配向型とは、芳香環における主鎖の結合方向がパラ位に位置しているか、または2つ以上の芳香環からなる残基において両端の主鎖の結合方向が同軸または平行であることを意味する。このような2価の芳香族基の代表例としては化1等が挙げられる。
【0013】
【化1】
ここで、Xは −O−、−CH2−、−SO2−、−S−、−CO−の中から選ばれる。また、これらの芳香環の水素原子の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン基、アルキル基、アルコキシ基等で置換されていてもよい。
Ar1,Ar2およびAr3はいずれも2種以上であってもよく、また相互に同じであっても異なっていてもよい。
【0014】
本発明のパラアラミドは、これまでに知られた方法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸より製造することができる。具体的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾライド、エステル等に誘導した後にアミノ基と反応させる方法が用いられ、重合の形式もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法等を用いることができる。
【0015】
本発明に用いるパラアラミドには、上記した以外の基が約10モル%以下、共重合されたり、他のポリマーがブレンドされたりして、含有されていることも許される。本発明に用いられるパラアラミドとして代表的なものは、PPTA、クロル置換PPTA、ポリパラベンズアミドが挙げられ、PPTAが最も好ましく用いられる。
【0016】
本発明のポリマーの重合度は、あまり低いと機械的性質の良好な成形物が得られなくなるため、3.5以上好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解して30℃で測定した値)を与える重合度のものが選ばれる。また、成形物の製造上の観点から、一般に対数粘度が8.0以下に選ばれることが多い。
【0017】
本発明の成形物は、パラアラミド分子に結合する末端カルボン酸他の酸性基と結合する金属イオン含有量が10ppm以上500ppm以下であることが必要である。ここで、パラアラミド分子に結合する酸性基とはパラアラミドの末端カルボキシル基や、濃硫酸から成形される場合にベンゼン環上に生じる核置換基であるスルホン基等をいう。金属イオン含有量は、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。ここで金属イオンとは、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属のイオンを意味する。2種類以上の金属イオンを含む場合は、各イオンの含有量の和を意味する。金属イオン含有量が500ppmを超える成形物は、本発明の効果が発揮できず吸湿膨張係数が大きく吸湿による寸法変化をおこし易くなる。ちなみに、金属イオン含有量500ppmは、対数粘度6のPPTAから製造されたフィルムの場合、PPTA分子に結合する酸性基の約30モル%にイオン結合した金属イオンに相当する。即ちそれらの酸性基に結合した金属イオンの大半が、本発明の成形物では除去されていることを意味する。
【0018】
一方、酸性基に結合する金属イオン含有量が10ppm以下の成形物は、加熱による物性低下が大きい等耐熱性に問題がある。
本発明で規定する、ポリマーに結合する酸性基と結合している金属イオンの測定は、通常プラズマ発光分析等の元素分析により行うが、成形物中には中和に用いられたアルカリ化合物、成形物中に存在する無機酸とアルカリ化合物との反応で生成した無機塩等の、金属イオンが混在しているため、これと区別する必要がある。このため成形物を、あらかじめ煮沸して二酸化炭素を除いた水で煮沸することにより、成形物に混在する金属イオンを、対イオンと共に抽出して除去することにより区別することができる。
【0019】
本発明の成形物は、通常その密度が1.390〜1.470g/cm3の範囲にある。この密度の値は四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法により30℃で測定されたものである。密度の好適範囲は、成形物の形態により異なるが、例えば面配向したフィルムにおいては密度が1.390g/cm3、一軸配向した繊維においては1.430g/cm3未満になると吸湿膨張係数が充分低下せず、一方、フィルムにおいては1.420g/cm3、繊維においては1.470g/cm3を越えると機械的性質が損なわれ易く、好ましくない。
【0020】
本発明のパラアラミド成形物として、PPTAフィルムの場合で説明すると、吸湿膨張係数は、金属イオン含有量、密度、延伸条件等によって変動するが、有用なフィルムは35ppm/%RH以下、更に好ましくは30ppm/%RH以下であり、従来45ppm/%RH以上であったPPTAフィルムも本発明では好ましい範囲にできる。
【0021】
本発明のフィルムは、従来のパラアラミドフィルムの機械的特性を損ねることはなく、その全ての方向のヤング率が600kg/mm2以上、であり、好ましくは、全ての方向のヤング率が1000kg/mm2以上である。フィルムにおいては、長さ方向、幅方向の特性がほぼ同等のいわゆるバランスドタイプと、特定方向の特性を高めたいわゆるテンシライズドタイプがあるが、本発明のフィルムでは、そのいずれもが可能である。
【0022】
本発明のフィルムは、全ての方向の引張伸度が15%以上であるのが好ましく、更に好ましくは25%以上である。伸度が15%未満であるフィルムは、裂けやすく実用的でないからである。また、伸度の上限は特に限定はないが、一般には60%以下である。
また、本発明の成形物が繊維の場合においても、従来の方法により得られるパラアラミド繊維の機械的特性は全く損なわれるものではない。例えば、PPTAの液晶ドープから乾湿式紡糸法により紡糸され、例えば、米国特許第4419317号の方法に準じて洗浄され、本発明の二酸化炭素水溶液処理され、乾燥、熱処理されて製造されたPPTA繊維は、密度は1.430〜1.470g/cm3、吸湿率は2.7%以下であり、ヤング率300g/d以上、引張伸度は1.8%以上であることが好ましい。
【0023】
本発明の繊維は、引張伸度が1.8%以上であることが好ましく、さらに好ましくは2.0%以上である。伸度が1.8%未満である繊維は、例えばタイヤコードや複合材料の補強繊維として用いた場合、圧縮、伸長を繰り返した際に疲労破壊を生じやすくなる等の問題がある。伸度の上限は、特に限定されるものではないが、パラアラミド繊維においては10%を超えることはまれである。
【0024】
次に本発明のパラアラミド成形物の製造法について説明する。
本発明を実施する上で、成形物の製造法は、従来パラアラミド成形物を製造するに用いられた方法が任意に用いられる。パラアラミドは融点が高く、溶融成形できないため、例えば、クロル置換PPTAなどの有機溶剤可溶なパラアラミドでは、副生する塩酸を中和して重合反応混合物をそのまま成形溶液(以下ドープと称する)とし、湿式法または乾式法、または乾湿式法にて紡糸または製膜する。有機溶剤に難溶性のPPTAでは、一旦ポリマーを単離した後濃硫酸等の無機の強酸に再度溶解してドープとし、湿式法にて成形することが行われる。
【0025】
PPTA等の成形においては、その液晶ドープから紡糸される繊維は、特別な延伸処理することなく紡糸したままでも、極めて高い配向性を示し、高い強度や高弾性率が得られることが知られるが、一方、液晶ドープから直接凝固させて得たフィルムは、ヤング率及び伸度の異方性が大きいため、等方的な物性を得るのが極めて困難であり、例えば米国特許4752643の様に一旦液晶状態で押し出し、光学等方化した後に凝固させて得たフィルムが用いられる。
【0026】
本発明のドープには普通の添加剤、例えば、増量剤、除光沢剤、易滑材、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔料、溶解助剤などを混入してもよい。
ドープを成形する方法は、本発明を実施する上で特に限定されるものではなく、繊維に成形するにおいては紡糸口金からドープを直接、または一旦空中を走行させた後凝固浴に導いて湿式凝固させるか、熱風中に押し出してドープの溶剤を蒸発させて乾式凝固させる方法等がある。パルプ状粒子を成形するにおいては、ドープを高剪断下の凝固浴中に直接押し出して成形する方法がある。また、フィルムに成形するには、ダイから直接凝固浴に押し出す方法、ダイから一旦エンドレスベルト上にキャストするか、エンドレスベルト上にドクターナイフやその他の方法でドープをコーティングした後、ベルト上で溶剤を蒸発させるか、ベルトと共に凝固浴に導いて湿式凝固させる方法がある。
【0027】
この様に紡糸または製膜などの方法で成形された後、成形物は水洗され、次いで重合時に副生する酸や溶解に用いた酸が残っていれば中和処理された後、必要あれば水洗された後、本発明の特徴とする二酸化炭素水溶液による処理を受ける。
成形された成形物に酸が含まれていると、乾燥、熱処理に際して加熱による機械的物性の低下を生じるため、重合反応物をドープとして成形する場合には、成形に先立ってまたは成形後乾燥される前の工程で、硫酸他の無機酸を用いてドープを調整し成形する場合は、成形後乾燥される前の工程で、酸分の洗浄、除去を行う必要があるが、酸分を含有する成形物をそのまま洗浄したのでは、アミド結合と酸分の親和性のために洗浄に長時間を必要とし、完全に酸分を除去することが困難であり、アルカリで一旦中和した後洗浄することが必須である。
【0028】
中和に用いるアルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のものを用いることができる。
中和後の成形物は、余剰のアルカリ及び中和前に成形物に含まれていた酸分とアルカリの反応で生じた例えば硫酸ナトリウム等の無機塩を含んでおり、これらを洗浄により除去する必要がある。中和後の洗浄液は通常常温の水を用いることができ、超音波照射や低周波振動下に行ってもよい。
【0029】
このように中和後の水洗により、遊離の金属イオンはかなり除去することができるが、水または温水洗浄、超音波洗浄などの従来既知の洗浄法では成形物中の金属イオンの総量を1000〜2000ppm以下とするのは困難である。即ち、中和後の洗浄で除去できるのは、成形物に含有される無機塩、またはアルカリ化合物であり、ポリマー分子に結合する酸性基とイオン結合する金属イオンの除去まではできないからと考えられる。
【0030】
これらの従来の方法で除去できない、ポリマー分子に結合した酸性基とイオン結合している金属イオン含有量の小さい成形物を製造するためには、本発明の特徴とする0.001重量%以上の濃度の二酸化炭素水溶液で処理する必要がある。0.001重量%以上の濃度の二酸化炭素水溶液は、水中に二酸化炭素ガスをバブリングさせる、加圧下に二酸化炭素を水に吸収させる、水中にドライアイスを入れる等の方法で調整できる。空気中には二酸化炭素が存在するため、通常用いられる水にも、最大1ppm程度の二酸化炭素が溶解していることがある。しかし、このような低い濃度の二酸化炭素水溶液では、実用的な時間で金属イオンを洗浄、除去することはできない。
【0031】
二酸化炭素水溶液の濃度の上限は1気圧、20℃においてはでの飽和濃度である、約0.17%であり、この範囲において、処理プロセスに適した濃度を選択することができる。二酸化炭素濃度は、溶液中の他の成分が微量の時は、溶液のpH値から概算できる。0.001重量%は室温付近においてはpH5に相当する。
【0032】
本発明に用いる二酸化炭素水溶液を調整するための水としては、金属イオンの少ないものが望ましく、蒸発残査が50ppm以下の水、更に望ましくはイオン交換水が用いられる。
金属イオンの除去は、具体的には500ppm以下まで行うことが望ましく、好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。
【0033】
二酸化炭素水溶液で処理した後の成形物は、そのまま乾燥に供されても、二酸化炭素の逸散が速ければ乾燥時の加熱によるパラアラミドの劣化は生じないが、必要あれば乾燥に先立って洗浄されてもよい。その洗浄液には、通常イオン交換水が用いられることが好ましい。
成形物に水洗、中和、洗浄、本発明の特徴とする二酸化炭素水溶液処理などを施す方法も特に制限されるものではなく、成形物を連続してこれらの各工程に走行させつつ各処理液を噴霧したり、処理液浴中に成形物を導入し走行させたりすることの他、またこれらの工程を切り離し、各工程毎に成形物を巻き取り、再度次工程に巻き出しつつ送ったり、成形物を巻き取ったまま各処理液中に浸漬することも行われてよい。また、繊維やパルプ状粒子を製造するにおいては、米国特許4016236号、米国特許4374978号他で提案された、ネットコンベア上に繊維を糸山として堆積し、それらの処理を施す方法において、中和、洗浄の後、二酸化炭素水溶液をネット上でシャワー状に降らせることにより処理する方法が好適である。即ち、この方法では、繊維の洗浄がネットコンベア上で行われ、充分な処理時間処理液と接触させられるため、本発明の効果を得易い。
【0034】
水洗処理された成形物は、次に乾燥を受ける。乾燥を受ける前、または乾燥と同時に、または乾燥された後に成形物を延伸することも行われてよく、機械的性質、特にヤング率を向上させるために、好ましい態様である。
乾燥及び熱処理は、成形物の形態、目的、目標とする特性に応じて、弛緩状態、制限収縮下、定長下または僅かに延伸しつつのいずれかの条件で行われてよい。例えばフィルムの場合では、洗浄液(例えば水)の除去とともに収縮する傾向を有するフィルムを、何らの収縮の制限を行うことなく熱処理した場合には、ミクロに不均一な構造形成や結晶化などが起こるためか、得られるフィルムの光線透過率が小さくなったり、フィルムの平面性が損われたり、カールしてしまうこともある。フィルムにおいて収縮を制限しつつ熱処理するには、例えば、クリップテンターや金属枠に挾んで乾燥や熱処理などを施すことができる。
【0035】
本発明の目的とする吸湿特性をより高める上で熱処理により結晶化を進めることが肝要であるが、熱処理に当たり、温度、時間等の熱処理条件は、得られる成形物の密度が1.390〜1.470g/cm3となるように選ぶ必要がある。このために、熱処理温度は、350℃以上、500℃以下とする必要があり、400℃以上、450℃以下とするのが好ましい。熱処理時間は、5秒以上10分以下が好ましく、10秒以上60秒以下が更に好ましい。熱処理に係わるその他の条件は特に限定されるものではなく、加熱気体(空気、窒素、アルゴンなど)常温気体による方法、電気ヒーターや赤外線ランプなどの輻射熱の利用法、誘電加熱法などの手段から自由に選ぶことができる。
【0036】
更に、熱処理に次いで、必要であれば、弛緩下に熱処理を施して、成形物の残留歪を除くことも成形物の熱収縮率を低め、寸法安定性を高める上で好ましい実施態様である。この際の弛緩熱処理条件については、取り除くべき残留歪により異なるが、大略上記の第1次の熱処理条件の範囲で、第1次の熱処理条件とは独立に選ばれてよい。
【0037】
【実施例】
以下に本発明の実施態様、本発明の効果について理解を助けるため、パラアラミドとして典型的なPPTAを選び、成形物としてフィルム及び繊維を選んで以下に実施例を示すが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。また、他のパラアラミド、成形品においても同様に本発明の効果が得られるであろうことが容易に理解できるであろう。
【0038】
なお、実施例中、特に規定しない場合は重量部または重量%を示す。
対数粘度ηinhは98%硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解し、30℃で常法で測定した。
ドープの粘度は、B型粘度計を用い0.5rpmの回転速度で測定したものである。
【0039】
フィルムの厚さは、直径2mmの測定面を持ったダイヤルゲージで測定した。強伸度及びヤング率は、200mm×10mmの大きさのサンプルを定速伸張型強伸度試験機を用い、測定長100mm、引張速度50mm/分で測定したものである。
吸湿膨張係数は、50mm×10mm(測定長40mm)の大きさのサンプルを用いエアーオーブンで200℃、2時間フィルムを乾燥させた時から、23℃、55%RH雰囲気で充分吸湿させた時までのフィルムの寸法変化から計算して求めた。なおフィルムの寸法測定は、測定顕微鏡(OLYMPUS製)を用いて測定したものである。
【0040】
吸湿率は、23℃、55%RH雰囲気でのフィルムの平衡水分率である。
なお、パラアラミド成形物は吸湿速度が遅いものが多く、吸湿平衡に達するに必要な時間が長いことに充分留意すべきであり、吸湿処理が不足の場合は吸湿膨張係数や吸湿率の値が見かけ上小さくなり、効果の判定を誤るおそれがある。具体的には、成形物の厚みや太さ、または成形物の形態などにより異なるが、少なくとも48時間上記調湿雰囲気中に放置した後吸湿特性を測定し、更に24時間放置した後の測定値が変化せぬことを確認すべきであり、24時間放置後の測定値が変化しない条件での測定値をもって表示すべきである。
【0041】
密度は、四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法により30℃で測定したものである。
絶縁破壊電圧は、60Hzの交流を6mm直径の電極から100mm×100mmのフィルムサンプルに印加して測定した。
ポリマー分子に結合する酸性基に結合した金属イオンは、あらかじめ煮沸したイオン交換水を用い、成形物をその水中で1時間煮沸して、水で抽出可能な金属イオンを除去した後、成形物を金属イオンの測定に供した。また、ポリマー分子に結合する酸性基に対する金属イオンの結合率は、成形物を製造工程で乾燥する前にサンプリングし、あらかじめ煮沸したイオン交換水にて充分洗浄した後乾燥して得た試料に含まれる金属イオンの量と、本発明の方法により得た成形物に含まれる金属イオン量の比をもって推定した。
【0042】
金属イオン含有量は、誘導結合型プラズマ発光分析装置(日本ジャーレルアッシュ社製 ICAP−575−II)により測定したものである。
(参考例−PPTAの製造)
低温溶液重合法により、次のごとくPPTAを得た。特公昭53−43986号公報に示された重合装置中でN−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチウム70部を溶解し、ついでパラフェニレンジアミン48.6部を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸ジクロライド91.4部を粉末状で一度に加えた。数分後に重合反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53−43986号公報記載の方法に従って重合装置より重合反応物を排出し、直ちに2軸の密閉型ニーダーに移し、同ニーダー中で重合反応物を微粉砕した。次に微粉砕物をヘンシェルミキサー中に移し、ほぼ等量の水を加えさらに粉砕した後、濾過し、数回温水中で洗浄して、110℃の熱風中で乾燥した。ηinhが6.1の淡黄色のポリマー95部を得た。なお、異なったηinhのポリマーは、N−メチルピロリドンとモノマー(パラフェニレンジアミンおよびテレフタル酸ジクロライド)の比、およびモノマー間の比等を変えることによって容易に得ることができる。
【0043】
【実施例1】
濃度99.5%の濃硫酸にηinhが6.1であるPPTAを60℃で溶解し、ポリマー濃度12%の原液を調製した。この原液の粘度を60℃で測定したところ、4600ポイズだった。この原液は光学異方性を有していた。この原液を、60℃に保ったまま真空下に脱気した。タンクからフィルタを通し、ギアポンプにより送液し、0.4mm×700mmのスリットを有するTダイから、鏡面に磨いたタンタル製のベルト上にドープをキャストし、相対湿度約25%、温度約120℃の空気を吹き付けて、流延ドープを光学等方化し、ベルトと共に20℃の60%硫酸水溶液中に導いて凝固させた。ついで凝固フィルムをベルトから引き剥がし、室温水中を6分間、次に2.0重量%水酸化ナトリウム水溶液中を6分間、更に室温の水の中を6分間走行させて洗浄した後、二酸化炭素約0.01%水溶液(pH=4.5)中を12分間走行させ、更に室温の水中を10分間走行させ洗浄した。洗浄後、フィルムを連続的で1.02倍長尺方向(以下、MD方向と略す)にロール延伸し、次いで幅方向(TD方向)に1.10倍テンターで延伸した後、テンターに挟んだまま定長で200℃で(熱風)乾燥し、更にテンターに挟んだまま定長で440℃のホットプレートで30秒間熱処理した後、耳をトリミングし、厚さ38μm、幅508mmのフィルムを巻取った。得られたフィルムは、金属イオンとしてナトリウムイオンを含み、その量は、38ppmであった。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0044】
【実施例2】
実施例1と同じ方法で製膜し、フィルムの延伸をMD方向1.07倍、TD方向1.23倍とし、乾燥後のホットプレ−ト熱処理を430℃で行った。なお、引き取り速度は製品厚みが38μmとなるように調節した。得られたフィルムは、金属イオンとしてナトリウムイオンを40ppm含んでいた。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0045】
【比較例1】
実施例1において二酸化炭素水溶液処理を行わなかった他は、全く同様にしてPPTAフィルムを製造した。得られたフィルムは、金属イオンとしてナトリウムイオンを1300ppm含んでいた。得られたフィルムの特性を表1に示す。これらの例から、本発明の方法により、Naイオン量が著しく低減できること、吸湿特性、特に吸湿膨張係数が改良されることがわかる。また、絶縁破壊電圧も大幅な改良が見られる。
【0046】
【実施例3、4及び5及び比較例2、3及び4】
実施例1で凝固したPPTAフィルムをベルトから引き剥したものを切り取って、以下の実験に供した。
フィルムは約14cm×28cmの大きさに切り出し、以下の各方法で洗浄他の処理を受けた後、ステンレス鋼製の型枠の間に挟んでフィルムの収縮が起こらないようにし、200℃の熱風オーブン中にて乾燥し、次いで400℃の熱風オーブン中に1分間熱処理した。
【0047】
比較例2として、10℃の流水中で15分間洗浄し、次いで10℃の1%水酸化ナトリウム水溶液中で5分間中和処理し、次いで10℃の流水中で10分間洗浄した。
比較例3として、比較例2で得たフィルムを更に特開昭62−115036号公報の開示に準じて、55℃の温水中で温水を入れ換えつつ超音波照射下に30分間洗浄した。
【0048】
比較例4として、比較例2の中和処理を省略して他は、全く同様に比較例2を繰り返した。
比較例5として、比較例2の洗浄、中和の代わりにイオン交換樹脂で脱イオンした高純水で24時間洗浄した。
本発明の実施例3、4として、比較例2で水洗、中和、水洗したPPTAフィルムを更に二酸化炭素約0.01%水溶液(pH=4.5)中にそれぞれ1時間、24時間浸漬し、次いで10℃の流水中で3分間洗浄した。
【0049】
本発明の実施例5として、比較例3で熱水洗浄したPPTAフィルムを更に二酸化炭素約0.01%水溶液(pH=4.5)中に3分間浸漬し、次いで10℃の流水中で3分間洗浄した。
得られたフィルムの特性を第2表に示す。
この様に、従来の方法である比較例2では1310ppmのNaイオンが残存しており、それを特開昭62−115036号公報の方法に従って更に洗浄してもNaイオン含有量は1280ppmであり、その減少は僅かであることがわかる。一方実施例5ではNaイオン含有量は45ppmとなっている。
【0050】
また、中和処理を省略した比較例4、5では、Naイオン含有量は8ppm以下と少ないものの、フィルムの伸度の低下が著しく、脆いものとなることがわかる。
比較例3では、ほぼPPTAポリマー分子に結合した酸性基に結合したNaイオンのみが残されていると仮定すると、比較例3のNaイオン量と実施例1、2及び3のNaイオン量から、ポリマー分子に結合する酸性基に結合したナトリウムイオンの約96〜97%が本発明の二酸化炭素水処理により除去されていることが推定される。
【0051】
【実施例6及び比較例6】
特開昭58−91809号公報に従ってPPTA繊維を製造した。
実施例1に用いたPPTAを99.4%硫酸中に、ポリマー濃度が18.5%になるように溶解し、0.06mmの径の紡孔100個を持つ紡糸口金から一旦空中に吐出し、7mmの空間を走行した後5℃、20%希硫酸中で凝固させた。凝固した糸条はネットコンベア上に堆積され、軟水を噴霧して1分間予備洗浄し、次いで0.5%の水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して2分間の中和処理をした。次いで軟水を噴霧して2分間洗浄し、次いで二酸化炭素約0.001%水溶液(pH=5.0)を噴霧して5分間処理した後、軟水で2分間洗浄した後、130℃の熱風により乾燥し、次いで350℃の熱風にて4分間熱処理した後、得られたPPTA繊維を巻取った。得られた繊維は金属イオンとしてNaイオンを100ppm含むものであった。
比較のため、二酸化炭素水溶液処理を施さなかった他は全く同様にしてPPTA繊維を製造した。この繊維にはNaイオンが1500ppm含有されていた。これらの繊維の物性を表3に示す。
【0052】
【実施例7及び比較例7】
米国特許4374978号公報の開示に従い、実施例6及び比較例6と同様にして紡糸し、ネットコンベア上で洗浄他の処理を受け、乾燥されたPPTA繊維をネットコンベアからとりあげ、窒素雰囲気下に400℃の熱板で8秒間加熱しつつ1.5g/dの張力をかけて熱処理した後巻き取り、実施例7及び比較例7のPPTA繊維を製造した。これらの繊維の物性を表3に示す。
【0053】
本発明の繊維のNa量が少ないこと、吸湿率が低減されていること、強度やヤング率などの繊維性能は比較例の値が損なわれていないことがわかる。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】
本発明の成形物は、パラアラミド成形物の良好な機械的性質が損なわれることなく、且つ、従来の方法で製造したものに比べ吸湿率、及び吸湿膨張係数が小さく、吸湿による寸法変化を起こしにくい。また、金属イオンが少ないことの他の効果として、吸湿率が小さいことと相まって、成形物の電気絶縁性の向上がみられる他、金属薄膜を成形物表面に形成して用いるに当たっては、金属薄膜の腐食や劣化が生じにくく、金属薄膜を回路として用いるにおいては回路間のリーク電流による金属薄膜の電解も生じにくい。
【0058】
吸湿特性の改良により、複合材料の補強繊維として用いられるにおいては、環境の温湿度変化によるクラックの発生などの問題が解消または軽減され、またフィルムとして用いられるにおいては、高密度磁気記録媒体としての信頼性を高め、また、プリント配線基板としても高密度の配線を可能とする。更に、フィルムに金属薄膜を蒸着またはスパッタして用いるにおいては、吸湿によるカールの発生が少なくなる他、金属薄膜の劣化等が生じにくいため、磁気テープ、フレキシブルプリント配線基板、フィルム状太陽電池基板等への用途が広がる。また、電気絶縁性の向上により、電気、電子機器の絶縁材料としての用途が広がる。
Claims (1)
- パラ配向型芳香族ポリアミドの溶液から成形物を製造するに当り、溶液または成形の後成形物を乾燥するまでの工程で、含有する酸成分を中和し、水洗し、次いで0.001重量%以上の濃度の二酸化炭素水溶液で処理し、乾燥した後350℃〜500℃で熱処理することを特徴とするパラ配向型芳香族ポリアミド成形物の製造方法。
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