JP2859914B2 - 芳香族ポリアミドフイルム - Google Patents
芳香族ポリアミドフイルムInfo
- Publication number
- JP2859914B2 JP2859914B2 JP2711390A JP2711390A JP2859914B2 JP 2859914 B2 JP2859914 B2 JP 2859914B2 JP 2711390 A JP2711390 A JP 2711390A JP 2711390 A JP2711390 A JP 2711390A JP 2859914 B2 JP2859914 B2 JP 2859914B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- dope
- aromatic polyamide
- present
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パラ配向型芳香族ポリアミドから実質的に
なるフイルムに関する。
なるフイルムに関する。
更に詳しくは、本発明は、電気特性に優れ、且つ優れ
た面配向性により、フイルムの長尺方向(以下、MD方向
と略す)及び幅方向(以下、TD方向と略す)共に優れた
機械特性を示し、且つ長期耐熱性の良好なパラ配向型芳
香族ポリアミドフイルムに関するものである。
た面配向性により、フイルムの長尺方向(以下、MD方向
と略す)及び幅方向(以下、TD方向と略す)共に優れた
機械特性を示し、且つ長期耐熱性の良好なパラ配向型芳
香族ポリアミドフイルムに関するものである。
〔従来の技術〕 ポリ−p−フエニレンテレフタルアミドは、特に優れ
た結晶性や高い融点を有し、また剛直な分子構造の故
に、耐熱性で高い機械的強度を有しており、近年、特に
注目されている高分子素材である。また、その光学異方
性を示す濃厚溶液から紡糸された繊維は高い強度及びモ
ジュラスを示すことが報告され、既に工業的に実施され
るに到っているが、フイルムへの応用例の提案は少な
く、実用化例も未だ知られていない。
た結晶性や高い融点を有し、また剛直な分子構造の故
に、耐熱性で高い機械的強度を有しており、近年、特に
注目されている高分子素材である。また、その光学異方
性を示す濃厚溶液から紡糸された繊維は高い強度及びモ
ジュラスを示すことが報告され、既に工業的に実施され
るに到っているが、フイルムへの応用例の提案は少な
く、実用化例も未だ知られていない。
パラ配向型芳香族ポリアミドの有する問題点として
は、その有用な高分子量のポリマーは有機溶媒に難溶で
あり、濃硫酸等の無機の強酸が溶媒として用いられねば
ならないということが挙げられる。これを回避するため
に、例えば特公昭56−45421号公報では、直線配向型芳
香族ポリアミドの芳香核にハロゲン基を導入した単位
と、芳香核に置換基を持たない芳香族ポリアミドとを共
重合することにより、有機溶媒に可溶とし、それからフ
イルムを得ようとする試みがなされている。しかし、こ
れはモノマーが高価なため、コストが高くなる上に、折
角のパラ配向型芳香族ポリアミドの耐熱性や結晶性を損
なう欠点がある。
は、その有用な高分子量のポリマーは有機溶媒に難溶で
あり、濃硫酸等の無機の強酸が溶媒として用いられねば
ならないということが挙げられる。これを回避するため
に、例えば特公昭56−45421号公報では、直線配向型芳
香族ポリアミドの芳香核にハロゲン基を導入した単位
と、芳香核に置換基を持たない芳香族ポリアミドとを共
重合することにより、有機溶媒に可溶とし、それからフ
イルムを得ようとする試みがなされている。しかし、こ
れはモノマーが高価なため、コストが高くなる上に、折
角のパラ配向型芳香族ポリアミドの耐熱性や結晶性を損
なう欠点がある。
一方、特公昭59−14567号公報には、光学異方性を有
する芳香族ポリアミド溶液をスリットから短い空気層を
介して凝固浴中に押出す方法が開示されているが、この
方法ではMD方向の機械的強度のみ強く、それと直交する
TD方向の機械的強度は極端に弱く、裂けやすいものしか
得られなかった。
する芳香族ポリアミド溶液をスリットから短い空気層を
介して凝固浴中に押出す方法が開示されているが、この
方法ではMD方向の機械的強度のみ強く、それと直交する
TD方向の機械的強度は極端に弱く、裂けやすいものしか
得られなかった。
このように単に芳香族ポリアミドの光学異方性ドープ
を押出し、そのまま凝固させただけでは、吐出方向に過
度に配向するために、フイブリル化し易くTD方向に弱い
ものとなってしまうため、これを改良しようとするフイ
ルム製造方法が種々検討された。
を押出し、そのまま凝固させただけでは、吐出方向に過
度に配向するために、フイブリル化し易くTD方向に弱い
ものとなってしまうため、これを改良しようとするフイ
ルム製造方法が種々検討された。
例えば、特公昭57−35088号公報には、光学異方性を
有する芳香族ポリアミド溶液を、環状ダイから押出し、
インフレーション法を用いてドープの状態で2軸方向に
同時流延させた後、湿式凝固させることにより等方性の
フイルムが得られるとしている。しかし、この方法では
均一な厚みの透明フイルムを得るのが難しく、機械的強
度、殊に引裂強度が低いという欠点がある。
有する芳香族ポリアミド溶液を、環状ダイから押出し、
インフレーション法を用いてドープの状態で2軸方向に
同時流延させた後、湿式凝固させることにより等方性の
フイルムが得られるとしている。しかし、この方法では
均一な厚みの透明フイルムを得るのが難しく、機械的強
度、殊に引裂強度が低いという欠点がある。
また、特公昭59−5407号公報、特開昭54−132674号公
報では、パラ配向型芳香族ポリアミドの光学異方性又は
光学等方性のドープを、ダイ中で押出し方向と直角の方
向に機械的に剪断力を与えることにより、押出し時に押
出し方向とその直角方向の、2軸方向に配向させる提案
をしているが、ダイの構造が複雑で、工業的実施上の難
点がある。
報では、パラ配向型芳香族ポリアミドの光学異方性又は
光学等方性のドープを、ダイ中で押出し方向と直角の方
向に機械的に剪断力を与えることにより、押出し時に押
出し方向とその直角方向の、2軸方向に配向させる提案
をしているが、ダイの構造が複雑で、工業的実施上の難
点がある。
さらに、ジャーナル オブ アプライド ポリマーサ
イエンス、第27巻(第8号)、第2965〜2985頁(1982)
には、ポリパラフェニレンテレフタルアミドの光学異方
性ドープを環状ダイより油塗布した円錐状のマンドレル
上に押出すことにより、2軸配向したフイルムを得るこ
とが提案されているが、このフイルムは、機械的強度が
低く、ドラフトをかけた場合に、MD方向の機械的強度は
高いが、TD方向のそれは著しく低いという欠点がある。
イエンス、第27巻(第8号)、第2965〜2985頁(1982)
には、ポリパラフェニレンテレフタルアミドの光学異方
性ドープを環状ダイより油塗布した円錐状のマンドレル
上に押出すことにより、2軸配向したフイルムを得るこ
とが提案されているが、このフイルムは、機械的強度が
低く、ドラフトをかけた場合に、MD方向の機械的強度は
高いが、TD方向のそれは著しく低いという欠点がある。
特公昭57−17886号公報には、パラ配向型芳香族ポリ
アミドの光学異方性ドープを凝固直前に、光学等方性と
なるまで加熱した後、凝固させることによって、透明で
機械的物性が等方的であるフイルムを得ることが記載さ
れている。この方法は、従来の光学異方性ドープより高
性能フイルムを得んとする大方の概念に逆らった独創的
なものであり、これにより光学異方性ドープの極端な1
軸配向性の緩和と同時に、光学異方性ドープの液晶ドメ
イン構造がドープを押出した後も残り、そのまま凝固し
て不透明なフイルムとなってしまうことを回避すること
に成功している。
アミドの光学異方性ドープを凝固直前に、光学等方性と
なるまで加熱した後、凝固させることによって、透明で
機械的物性が等方的であるフイルムを得ることが記載さ
れている。この方法は、従来の光学異方性ドープより高
性能フイルムを得んとする大方の概念に逆らった独創的
なものであり、これにより光学異方性ドープの極端な1
軸配向性の緩和と同時に、光学異方性ドープの液晶ドメ
イン構造がドープを押出した後も残り、そのまま凝固し
て不透明なフイルムとなってしまうことを回避すること
に成功している。
また、特開昭62−115036号公報には、特公昭57−1788
6号公報において凝固後の湿フイルムを、水酸化ナトリ
ウム溶液で中和することで透明性の優れたフイルムを得
ることに成功している。
6号公報において凝固後の湿フイルムを、水酸化ナトリ
ウム溶液で中和することで透明性の優れたフイルムを得
ることに成功している。
この方法で得られたフイルムは長期耐熱性が良いが、
残ったナトリウムの影響のため電気特性が悪い。一方、
水洗強化を行ってナトリウムを除いた場合は、中和無し
でフイルムを製造した場合と同様、機械物性が著しく低
下し、長期耐熱性が劣ることが確認された。しかし、長
期耐熱性及び電気特性の両方に優れたフイルムについて
は具体的には開示していない。
残ったナトリウムの影響のため電気特性が悪い。一方、
水洗強化を行ってナトリウムを除いた場合は、中和無し
でフイルムを製造した場合と同様、機械物性が著しく低
下し、長期耐熱性が劣ることが確認された。しかし、長
期耐熱性及び電気特性の両方に優れたフイルムについて
は具体的には開示していない。
本発明の目的は、既に工業的生産が開始されているパ
ラ配向型芳香族ポリアミドを用いて、電気特性及び長期
耐熱性に優れたフイルムを提供することにある。
ラ配向型芳香族ポリアミドを用いて、電気特性及び長期
耐熱性に優れたフイルムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的に沿った芳香族ポリアミドフ
イルムを得るべく鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得
た。
イルムを得るべく鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得
た。
即ち、特公昭57−17886号公報に開示された技術(パ
ラ配向型芳香族ポリアミドの光学異方性ドープをまず作
り、これを光学等方化して凝固するという方法により、
透明性のある機械的性能に優れた芳香族ポリアミドフイ
ルムが得られる技術)において、凝固後のフイルムを三
価の金属イオンを含む溶液で処理した後、水洗し、且つ
乾燥工程において一般に収縮を制限して、更に150℃以
上で乾燥することにより、電気特性及び長期耐熱性に優
れたフイルムが得られることが判った。
ラ配向型芳香族ポリアミドの光学異方性ドープをまず作
り、これを光学等方化して凝固するという方法により、
透明性のある機械的性能に優れた芳香族ポリアミドフイ
ルムが得られる技術)において、凝固後のフイルムを三
価の金属イオンを含む溶液で処理した後、水洗し、且つ
乾燥工程において一般に収縮を制限して、更に150℃以
上で乾燥することにより、電気特性及び長期耐熱性に優
れたフイルムが得られることが判った。
本発明者らは、これらの知見をもとに、更に研究を重
ねて本発明を完成させたものである。
ねて本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は; 対数粘度ηinhが2.5以上の実質的にパラ配向型芳香族
ポリアミドからなり、しかも三価の金属イオンを含む溶
液で中和された、芳香族ポリアミドフイルムである。
ポリアミドからなり、しかも三価の金属イオンを含む溶
液で中和された、芳香族ポリアミドフイルムである。
本発明に用いられるパラ配向型芳香族ポリアミドは、
次の構成単位からなる群より選択された単位から実質的
に構成される。
次の構成単位からなる群より選択された単位から実質的
に構成される。
−NH−Ar1−NH− ……(1) −CO−Ar2−CO− ……(2) −NH−Ar3−CO− ……(3) (ここで、Ar1、Ar2、及びAr3は各々2価の芳香族基で
あり、(1)と(2)はポリマー中に存在する場合は実
質的に等モルである。) 本発明において、良好な耐熱性を確保するためには、
Ar1、Ar2、及びAr3は各々、いわゆる直線配向性の基で
ある必要がある。
あり、(1)と(2)はポリマー中に存在する場合は実
質的に等モルである。) 本発明において、良好な耐熱性を確保するためには、
Ar1、Ar2、及びAr3は各々、いわゆる直線配向性の基で
ある必要がある。
ここで、直線配向性とは、その分子鎖を成長させてい
る結合が芳香族の反対方向に同軸又は平行的に位置して
いることを意味する。
る結合が芳香族の反対方向に同軸又は平行的に位置して
いることを意味する。
このような2価の芳香族基の具体例としては、パラフ
ェニレン、4,4′−ビフェニレン、1,4−ナフチレン、1,
5−ナフチレン、2,5−ピリジレン等が挙げられる。それ
らはハロゲン、低級アルキル、ニトロ、メトキシ、シア
ノ基などの非活性基で1又は2以上置換されていてもよ
い。また、これらの2価の芳香族の特別のものとして、 一般式: (ここで、Xは、4以下の偶数個の原子の連鎖により構
成され、且つ2価の基: が、全体として実質的に共役二重結合性を持つものであ
る。) で表される2価の基が挙げられる。
ェニレン、4,4′−ビフェニレン、1,4−ナフチレン、1,
5−ナフチレン、2,5−ピリジレン等が挙げられる。それ
らはハロゲン、低級アルキル、ニトロ、メトキシ、シア
ノ基などの非活性基で1又は2以上置換されていてもよ
い。また、これらの2価の芳香族の特別のものとして、 一般式: (ここで、Xは、4以下の偶数個の原子の連鎖により構
成され、且つ2価の基: が、全体として実質的に共役二重結合性を持つものであ
る。) で表される2価の基が挙げられる。
Xとしては、具体的には、トランス−CH=CH−,−N
=N−,−CH=N−, などが挙げられる。Ar1、Ar2及びAr3は、いずれも2種
以上であってもよく、また相互に同じであっても異なっ
ていてもよい。
=N−,−CH=N−, などが挙げられる。Ar1、Ar2及びAr3は、いずれも2種
以上であってもよく、また相互に同じであっても異なっ
ていてもよい。
本発明に用いられるポリマーは、これまでに知られた
方法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボ
ン酸、アミノカルボン酸より製造することが出来る。具
体的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾ
ライド、エステル等に誘導した後に、アミノ基と反応さ
せる方法が用いられ、重合の形式もいわゆる低温溶液重
合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法等を用いる
ことが出来る。
方法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボ
ン酸、アミノカルボン酸より製造することが出来る。具
体的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾ
ライド、エステル等に誘導した後に、アミノ基と反応さ
せる方法が用いられ、重合の形式もいわゆる低温溶液重
合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法等を用いる
ことが出来る。
本発明に用いる芳香族ポリアミドには、上記した以外
の基が約10モル%以下共重合されたり、他のポリマーが
ブレンドされたりしていてもよい。
の基が約10モル%以下共重合されたり、他のポリマーが
ブレンドされたりしていてもよい。
本発明の芳香族ポリアミドとして最も代表的なもの
は、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(以下PPTA
と略称する)やポリ−p−ベンズアミドである。これら
の芳香環が核置換されていないホモポリマーを用いる
と、核置換されたコポリマーを用いた場合に比べ耐熱性
がはるかに良いため、耐熱性、機械的物性が高いフイル
ムが得られる。
は、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(以下PPTA
と略称する)やポリ−p−ベンズアミドである。これら
の芳香環が核置換されていないホモポリマーを用いる
と、核置換されたコポリマーを用いた場合に比べ耐熱性
がはるかに良いため、耐熱性、機械的物性が高いフイル
ムが得られる。
本発明に用いる芳香族ポリアミドの重合度は、あまり
に低いと本発明の目的とする機械的性質の良好なフイル
ムが得られなくなるため、通常2.5以上、好ましくは3.5
以上、更に好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(98.5%
濃硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解して30℃で測定した
値)を与える重合度のものが選ばれる。
に低いと本発明の目的とする機械的性質の良好なフイル
ムが得られなくなるため、通常2.5以上、好ましくは3.5
以上、更に好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(98.5%
濃硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解して30℃で測定した
値)を与える重合度のものが選ばれる。
本発明のフイルムは、実質的にパラ配向型芳香族ポリ
アミドからなるポリマーを硫酸等の強酸に溶解したドー
プから製膜するに際し、三価の金属イオンを含む溶液で
中和されたものである。また、三価以外の金属を同時に
含んでいても良い。ここで、三価の金属イオン濃度とし
ては、0.01〜0.2重量%が好ましく用いられる。三価の
金属イオンが未溶解状態で存在していても、また酸イオ
ンの状態で存在していてもよい。
アミドからなるポリマーを硫酸等の強酸に溶解したドー
プから製膜するに際し、三価の金属イオンを含む溶液で
中和されたものである。また、三価以外の金属を同時に
含んでいても良い。ここで、三価の金属イオン濃度とし
ては、0.01〜0.2重量%が好ましく用いられる。三価の
金属イオンが未溶解状態で存在していても、また酸イオ
ンの状態で存在していてもよい。
ここで三価の金属イオンは、Al3+,In3+,Ga3+,Y3+であ
り、その中でAl3+が好ましく用いられる。
り、その中でAl3+が好ましく用いられる。
本発明のフイルムは、三価の金属イオンを通常500〜3
000ppm程度含むものであり、これは主に高分子末端のカ
ルボキシル基、及び高分子中のスルホン基等に結合して
いると考えられるが、他にAl2(SO4)3,AlCl3,In2(S
O4)3,YCl3等、遊離の塩として存在することもできる。
000ppm程度含むものであり、これは主に高分子末端のカ
ルボキシル基、及び高分子中のスルホン基等に結合して
いると考えられるが、他にAl2(SO4)3,AlCl3,In2(S
O4)3,YCl3等、遊離の塩として存在することもできる。
従来得られているフイルムは、ナトリウムを比較的多
量に含むものであるが、本発明のフイルムにおけるナト
リウムの含量は100ppm以下と少ない。
量に含むものであるが、本発明のフイルムにおけるナト
リウムの含量は100ppm以下と少ない。
本発明のフイルムは、電気特性の中でも主に、体積抵
抗率及び絶縁破壊電圧に優れている。
抗率及び絶縁破壊電圧に優れている。
例えば、体積抵抗率については、従来の方法のフイル
ムの4×1013Ω・cmに対して、本発明のフイルムは約7
×1015Ω・cmであり、100倍以上高くなっている。
ムの4×1013Ω・cmに対して、本発明のフイルムは約7
×1015Ω・cmであり、100倍以上高くなっている。
体積抵抗率は、電気絶縁材料として使用するために非
常に重要な性質であり、体積抵抗率が低いと高電圧下で
の絶縁不良の原因となるばかりでなく、長期間使用後の
マイグレーションの発生を引き起こすこともある。体積
抵抗率低下の原因として、不純物が影響することは従来
から知られているが、本発明のように中和に用いる金属
を変えることにより、このような大きな効果が得られる
ことは全く予想できないことであった。
常に重要な性質であり、体積抵抗率が低いと高電圧下で
の絶縁不良の原因となるばかりでなく、長期間使用後の
マイグレーションの発生を引き起こすこともある。体積
抵抗率低下の原因として、不純物が影響することは従来
から知られているが、本発明のように中和に用いる金属
を変えることにより、このような大きな効果が得られる
ことは全く予想できないことであった。
本発明のフイルムは、機械的物性も極めて高く、例え
ば、強度、伸度、ヤング率はそれぞれ、15kg/mm2、20
%、400kg/mm2以上を有する また、本発明のフイルムは、好ましくは実質的にボイ
ドを含まない。
ば、強度、伸度、ヤング率はそれぞれ、15kg/mm2、20
%、400kg/mm2以上を有する また、本発明のフイルムは、好ましくは実質的にボイ
ドを含まない。
更に、本発明のフイルムは、通常、その密度が1.370
〜1.405g/cm3の範囲にある。この密度の値は四塩化炭素
−トルエンを使用した密度勾配管法により30℃で測定さ
れたものである。この密度の範囲は、公知のPPTA繊維の
それが1.43g/cm3から1.46g/cm3の範囲にあるのに比べて
かなり小さい値である。
〜1.405g/cm3の範囲にある。この密度の値は四塩化炭素
−トルエンを使用した密度勾配管法により30℃で測定さ
れたものである。この密度の範囲は、公知のPPTA繊維の
それが1.43g/cm3から1.46g/cm3の範囲にあるのに比べて
かなり小さい値である。
該密度が1.370g/cm3未満になると機械的物性が添加
し、1.405g/cm3を越えると過剰な面配向性を持った機械
的性質の等方性の損なわれたフイルムとなる。何れにし
ても、このように密度が小さいことから、軽くて高強度
のフイルムが得られることになる。
し、1.405g/cm3を越えると過剰な面配向性を持った機械
的性質の等方性の損なわれたフイルムとなる。何れにし
ても、このように密度が小さいことから、軽くて高強度
のフイルムが得られることになる。
本発明のフイルムとして、以下に述べるX線回折によ
る結晶配向角で定義される面配向性を持っているのが好
ましい。
る結晶配向角で定義される面配向性を持っているのが好
ましい。
X線の入射は、フイルム表面に直角に入射する場合
(以下、TV方向と称する)と表面に平行に入射する場合
(以下、SV方向と称する)とに分けられる。
(以下、TV方向と称する)と表面に平行に入射する場合
(以下、SV方向と称する)とに分けられる。
本発明のフイルムはTV方向からのX線により2θ≒23
゜に大きな回折ピークを持つが、この2θ≒23゜におけ
る結晶配向角が30゜以上であるのが好ましく、更に50゜
以上であるのがより好ましい。更にSV方向からの入射に
より2θ≒18゜の大きな回折ピークが赤道線上に現れる
が、この2θ≒18゜における結晶配向角が60゜以下であ
るのが好ましい。これらの両方の結晶配向角が満たされ
たとき、フイルムの引取方向及びそれと直角な方向の双
方ともに高い機械的性質を有し、また大きい引裂き強度
を有する上で非常に好ましい。
゜に大きな回折ピークを持つが、この2θ≒23゜におけ
る結晶配向角が30゜以上であるのが好ましく、更に50゜
以上であるのがより好ましい。更にSV方向からの入射に
より2θ≒18゜の大きな回折ピークが赤道線上に現れる
が、この2θ≒18゜における結晶配向角が60゜以下であ
るのが好ましい。これらの両方の結晶配向角が満たされ
たとき、フイルムの引取方向及びそれと直角な方向の双
方ともに高い機械的性質を有し、また大きい引裂き強度
を有する上で非常に好ましい。
結晶配向角の測定方法としては公知の方法が採用で
き、例えば次のような方法によって行われる。所定の2
θの角度に計数管を置き、フイルムを180゜回転するこ
とにより、回折強度曲線を得る。
き、例えば次のような方法によって行われる。所定の2
θの角度に計数管を置き、フイルムを180゜回転するこ
とにより、回折強度曲線を得る。
なお、TVにおいては、最高強度を中心とし、前後90゜
の間を回転させる。この曲線の最高強度の、最低強度点
間に引いたベースラインに対する半分の強度を示す点に
対する、回折写真における円弧長を度で表した値(すな
わち、最高強度のベースラインに対する50%の点に対す
る角度)を測定し、それを試料の結晶配向角とする。測
定に際し、フイルムは必要により何枚か重ねて回折強度
を測ることができる。
の間を回転させる。この曲線の最高強度の、最低強度点
間に引いたベースラインに対する半分の強度を示す点に
対する、回折写真における円弧長を度で表した値(すな
わち、最高強度のベースラインに対する50%の点に対す
る角度)を測定し、それを試料の結晶配向角とする。測
定に際し、フイルムは必要により何枚か重ねて回折強度
を測ることができる。
次に、このような芳香族ポリアミドフイルムを得る方
法についてパラ配向型芳香族ポリアミドとしてPPTAを用
いる場合を例にとって述べる。
法についてパラ配向型芳香族ポリアミドとしてPPTAを用
いる場合を例にとって述べる。
本発明のフイルムの製造において、まずPPTAの光学異
方性ドープを調製する必要がある。
方性ドープを調製する必要がある。
本発明のPPTAフイルムの成形に用いるドープを調製す
るのに適した溶媒は、95重量%以上の濃度の硫酸であ
る。95%未満の硫酸では溶解が困難であったり、溶解後
のドープが異常に高粘度になる。
るのに適した溶媒は、95重量%以上の濃度の硫酸であ
る。95%未満の硫酸では溶解が困難であったり、溶解後
のドープが異常に高粘度になる。
本発明のドープには、クロル硫酸、フルオロ硫酸、五
酸化リン、トリハロゲン化酢酸などが少し混入されてい
てもよい。硫酸は100重量%以上のものも可能である
が、ポリマーの安定性や溶解性などの点から98〜100重
量%濃度が好ましく用いられる。
酸化リン、トリハロゲン化酢酸などが少し混入されてい
てもよい。硫酸は100重量%以上のものも可能である
が、ポリマーの安定性や溶解性などの点から98〜100重
量%濃度が好ましく用いられる。
本発明に用いられるドープ中のポリマー濃度は、常温
(約20℃〜30℃)又はそれ以上の温度で光学異方性を示
す濃度以上のものが好ましく用いられ、具体的には約10
重量%以上、好ましくは約12重量%以上で用いられる。
これ以下のポリマー濃度、すなわち常温又はそれ以上の
温度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、成形さ
れたPPTAフイルムが好ましい機械的性質を持たなくなる
ことが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定さ
れるものではないが、通常は20重量%以下、特に高いη
inhのPPTAに対しては18重量%以下が好ましく用いら
れ、更に好ましくは16重量%以下である。
(約20℃〜30℃)又はそれ以上の温度で光学異方性を示
す濃度以上のものが好ましく用いられ、具体的には約10
重量%以上、好ましくは約12重量%以上で用いられる。
これ以下のポリマー濃度、すなわち常温又はそれ以上の
温度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、成形さ
れたPPTAフイルムが好ましい機械的性質を持たなくなる
ことが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定さ
れるものではないが、通常は20重量%以下、特に高いη
inhのPPTAに対しては18重量%以下が好ましく用いら
れ、更に好ましくは16重量%以下である。
本発明のドープには普通の添加剤、例えば、増量剤、
除光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔
料、溶解助剤などを混入してもよい。
除光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔
料、溶解助剤などを混入してもよい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の
方法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調べる
ことができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温度、ポ
リマー濃度、ポリマーの重合度、添加剤の含有量等に依
存するので、これらの関係を予め調べることによって、
光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条件
に変えることで、光学異方性から光学等方性に変えるこ
とができる。
方法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調べる
ことができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温度、ポ
リマー濃度、ポリマーの重合度、添加剤の含有量等に依
存するので、これらの関係を予め調べることによって、
光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条件
に変えることで、光学異方性から光学等方性に変えるこ
とができる。
本発明に用いられるドープは、成形、凝固に先立っ
て、可能な限り不溶性のゴミ、異物等を過等によって
取り除いておくこと、溶解中に発生又は巻きこまれる空
気等の気体を取り除いておくことが好ましい。脱気は、
一旦ドープを調製したあとに行うこともできるし、調製
のための原料の仕込段階から一貫して真空(減圧)下に
行うことによっても達成しうる。ドープの調製は連続又
は回分で行うことができる。
て、可能な限り不溶性のゴミ、異物等を過等によって
取り除いておくこと、溶解中に発生又は巻きこまれる空
気等の気体を取り除いておくことが好ましい。脱気は、
一旦ドープを調製したあとに行うこともできるし、調製
のための原料の仕込段階から一貫して真空(減圧)下に
行うことによっても達成しうる。ドープの調製は連続又
は回分で行うことができる。
このようにして調製されたドープは、光学異方性を保
ったまま、ダイ例えばスリットダイから、移動している
支持面上に流延される。本発明において、流延及びそれ
に続く光学等方性への転化、凝固、洗浄、延伸、乾燥な
どの工程は、好ましくは連続的に行われるが、もし必要
ならば、これらの全部又は一部を断続的に、つまり回分
式に行ってもよい。
ったまま、ダイ例えばスリットダイから、移動している
支持面上に流延される。本発明において、流延及びそれ
に続く光学等方性への転化、凝固、洗浄、延伸、乾燥な
どの工程は、好ましくは連続的に行われるが、もし必要
ならば、これらの全部又は一部を断続的に、つまり回分
式に行ってもよい。
本発明の機械的性質に優れた透明フイルムを得る方法
は、ドープを支持面上に流延した後、凝固に先立ってド
ープを光学異方性から光学等方性に転化するものであ
る。
は、ドープを支持面上に流延した後、凝固に先立ってド
ープを光学異方性から光学等方性に転化するものであ
る。
光学異方性から光学等方性にするには、具体的には支
持面上に流延した光学異方性ドープを凝固に先立ち、吸
湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶
解能力及びポリマー濃度の変化により光学等方性域に転
移させるか、加熱することによりドープを昇温し、ドー
プの相を光学等方性に転移させる、又は吸湿と加熱とを
同時もしくは逐次的に併用することにより達成できる。
持面上に流延した光学異方性ドープを凝固に先立ち、吸
湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶
解能力及びポリマー濃度の変化により光学等方性域に転
移させるか、加熱することによりドープを昇温し、ドー
プの相を光学等方性に転移させる、又は吸湿と加熱とを
同時もしくは逐次的に併用することにより達成できる。
特に、吸湿を利用する方法は、加熱を併用する方法を
含めて、光学異方性の光学等方化が効率よく、且つPPTA
の分解を引き起こすことなく出来るので有用である。
含めて、光学異方性の光学等方化が効率よく、且つPPTA
の分解を引き起こすことなく出来るので有用である。
ドープを吸湿させるには、通常の温度、湿度の空気で
もよいが、好ましくは加湿、又は加温加湿された空気を
用いる。加湿空気は飽和蒸気圧を超えて霧状の水分を含
んでいてもよく、いわゆる水蒸気であってもよい。ただ
し、約45℃以下の過飽和水蒸気は、大きい粒状の凝縮水
を含むことが多いので好ましくない。吸湿は通常、室温
〜約180℃、好ましくは50℃〜150℃の加湿空気によって
行われる。
もよいが、好ましくは加湿、又は加温加湿された空気を
用いる。加湿空気は飽和蒸気圧を超えて霧状の水分を含
んでいてもよく、いわゆる水蒸気であってもよい。ただ
し、約45℃以下の過飽和水蒸気は、大きい粒状の凝縮水
を含むことが多いので好ましくない。吸湿は通常、室温
〜約180℃、好ましくは50℃〜150℃の加湿空気によって
行われる。
加熱による方法の場合、加熱の手段は特に限定され
ず、上記の如き加熱された空気を流延ドープに当てる方
法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱による方法
などである。
ず、上記の如き加熱された空気を流延ドープに当てる方
法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱による方法
などである。
支持面上で光学等方化されて流延ドープは、次に凝固
を受ける。本発明において、ドープの凝固液として使用
できるのは、例えば水約70重量%以下の希硫酸、約20重
量%以下の水酸化ナトリウム水溶液及びアンモニア水、
約10重量%以下の硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム水溶
液及び塩化カルシウム水溶液などである。
を受ける。本発明において、ドープの凝固液として使用
できるのは、例えば水約70重量%以下の希硫酸、約20重
量%以下の水酸化ナトリウム水溶液及びアンモニア水、
約10重量%以下の硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム水溶
液及び塩化カルシウム水溶液などである。
本発明において、凝固液の温度は、好ましくは15℃以
下であり、更に好ましくは5℃以下である。何故なら、
一般に、凝固液温度を低くした方が、フイルムに包含さ
れるボイドが少なくなるという傾向が見出されたからで
ある。
下であり、更に好ましくは5℃以下である。何故なら、
一般に、凝固液温度を低くした方が、フイルムに包含さ
れるボイドが少なくなるという傾向が見出されたからで
ある。
凝固されたフイルムは、そのままでは酸が含まれてい
るため、好ましくは水で或る程度酸分を除去し、その
後、三価の金属イオンを含む水溶液で中和する。中和液
の温度は、限定されるものではないが、100℃以下が好
ましい。中和液の濃度は、約0.01〜0.20重量%が好まし
い。中和液との接触時間は通常5秒〜20分程度である。
るため、好ましくは水で或る程度酸分を除去し、その
後、三価の金属イオンを含む水溶液で中和する。中和液
の温度は、限定されるものではないが、100℃以下が好
ましい。中和液の濃度は、約0.01〜0.20重量%が好まし
い。中和液との接触時間は通常5秒〜20分程度である。
中和後の洗浄液としては、水が通常用いられるが、必
要に応じて温水で行ったりしてもよい。洗浄は、例えば
洗浄液中でフイルムを走行させたり、洗浄液を噴霧する
等の方法により行われる。洗浄されたフイルムは、乾燥
を受ける前に湿潤状態で延伸しても良く、機械的高物性
を得るためには湿潤状態で延伸するのが好ましい実施態
様である。
要に応じて温水で行ったりしてもよい。洗浄は、例えば
洗浄液中でフイルムを走行させたり、洗浄液を噴霧する
等の方法により行われる。洗浄されたフイルムは、乾燥
を受ける前に湿潤状態で延伸しても良く、機械的高物性
を得るためには湿潤状態で延伸するのが好ましい実施態
様である。
乾燥は、緊張下、定長下又は僅かに延伸しつつ、フイ
ルムの収縮を制限して行う必要がある。もし、洗浄液
(例えば水)の除去とともに収縮する傾向を有するフイ
ルムを、何らの収縮の制限を行うことなく乾燥した場合
には、フイルムの平面性が損なわれたり、カールしてし
まうこともある。収縮を制限しつつ乾燥するには、例え
ばテンター乾燥機や金属枠に挟んでの乾燥などを利用す
ることができる。
ルムの収縮を制限して行う必要がある。もし、洗浄液
(例えば水)の除去とともに収縮する傾向を有するフイ
ルムを、何らの収縮の制限を行うことなく乾燥した場合
には、フイルムの平面性が損なわれたり、カールしてし
まうこともある。収縮を制限しつつ乾燥するには、例え
ばテンター乾燥機や金属枠に挟んでの乾燥などを利用す
ることができる。
乾燥方法については特に制限されるものではなく、加
熱又は常温気体(空気、窒素、アルゴンなど)による方
法、電気ヒーターや赤外線ランプなどの輻射加熱法、誘
電加熱法などの手段から自由に選ぶことができる。
熱又は常温気体(空気、窒素、アルゴンなど)による方
法、電気ヒーターや赤外線ランプなどの輻射加熱法、誘
電加熱法などの手段から自由に選ぶことができる。
本発明の方法において、全工程を通して連続してフイ
ルムを走行させつつ製造することが好ましい実施態様の
1つであるが、望むならば部分的に回分式に行ってもよ
い。また任意の工程で油剤、識別用の染料などをフイル
ムに付与しても差し支えない。
ルムを走行させつつ製造することが好ましい実施態様の
1つであるが、望むならば部分的に回分式に行ってもよ
い。また任意の工程で油剤、識別用の染料などをフイル
ムに付与しても差し支えない。
以下に実施例を示すが、これらの実施例は本発明を説
明するものであって、本発明を限定するものではない。
明するものであって、本発明を限定するものではない。
なお、実施例中、特に規定しない場合は重量部又は重
量%を示す。
量%を示す。
対数粘度ηinh:98%硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解
し、30℃で常法で測定した。
し、30℃で常法で測定した。
ドープの粘度:B型粘度計を用い、1rpmの回転速度で測
定したものである。
定したものである。
フイルムの厚さ:直径2mmの測定面を持ったダイヤル
ゲージで測定した。
ゲージで測定した。
強伸度及びモジュラス:定速伸長型強伸度測定機によ
り、フイルム試料を100mm×10mmの長方形に切り取り、
最初のつかみ長さ30mm、引張り速度30mm/分で荷重−伸
長曲線を5回描き、これより算出したものである。
り、フイルム試料を100mm×10mmの長方形に切り取り、
最初のつかみ長さ30mm、引張り速度30mm/分で荷重−伸
長曲線を5回描き、これより算出したものである。
体積抵抗率: (イ)フイルムを一辺が約100mmの正方形に切り出
す。
す。
(ロ)膜の厚みをマイクロメーターにて0.001mmまで
正確に測り、第1図−(a)、−(b)の斜線部をAlで
約2,000Åの厚さに蒸着する。
正確に測り、第1図−(a)、−(b)の斜線部をAlで
約2,000Åの厚さに蒸着する。
(ハ)蒸着されたサンプルは、23℃、60%RHの雰囲気
下に48時間放置後に、測定を行った。
下に48時間放置後に、測定を行った。
(ニ)測定方法は、第2図に示すように接続し、1分
間充電して行った。
間充電して行った。
絶縁破壊電圧: (イ)フイルムを一辺が約100mmの正方形に切り出
す。
す。
(ロ)膜の厚みをマイクロメーターにて0.001mmまで
正確に測る。
正確に測る。
(ハ)このサンプルを23℃、60%RHの雰囲気下に48時
間放置後に、測定を行った。
間放置後に、測定を行った。
(ニ)測定方法は、耐電圧計で6mmφの円柱状電極を
使用し、電圧印加は、手動にて約1kv(AC)約15秒の速
度で印加し、測定を行った。
使用し、電圧印加は、手動にて約1kv(AC)約15秒の速
度で印加し、測定を行った。
実施例1 ηinhが5.7のPPTAポリマーを99.7%の硫酸にポリマー
濃度12.0%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ10,200
ポイズだった。製膜しやすくするために、このドープを
約70℃に保ったまま、真空下に脱気した。
濃度12.0%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ10,200
ポイズだった。製膜しやすくするために、このドープを
約70℃に保ったまま、真空下に脱気した。
この場合も上記と同じく光学異方性を有し、粘度は4,
800ポイズであった。タンクからフイルターを通し、ギ
アポンプを経てダイに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、
0.2mm×300mmのスリットを有するダイから、鏡面に磨い
たタンタル製のベルトにキャストし、相対湿度約85%の
約70℃の空気を吹きつけて、流延ドープを光学等方化
し、ベルトとともに、5℃の水の中に導いて凝固させ
た。次いで、凝固フイルムをベルトから引き剥がし、水
中に放置した。
800ポイズであった。タンクからフイルターを通し、ギ
アポンプを経てダイに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、
0.2mm×300mmのスリットを有するダイから、鏡面に磨い
たタンタル製のベルトにキャストし、相対湿度約85%の
約70℃の空気を吹きつけて、流延ドープを光学等方化
し、ベルトとともに、5℃の水の中に導いて凝固させ
た。次いで、凝固フイルムをベルトから引き剥がし、水
中に放置した。
濡れたままのフイルムを、1%の水酸化ナトリウム水
溶液に0.1%の水酸化アルミニウムを溶解した浴中に浸
しておき、次いで流水で洗浄した。洗浄の終了したフイ
ルムを10cm角の金枠に挟み、収縮しないようにして390
℃の熱風乾燥機で約5分間乾燥した。その時の水酸化ア
ルミニウム水溶液濃度とフイルムの結果を第1表に示
す。
溶液に0.1%の水酸化アルミニウムを溶解した浴中に浸
しておき、次いで流水で洗浄した。洗浄の終了したフイ
ルムを10cm角の金枠に挟み、収縮しないようにして390
℃の熱風乾燥機で約5分間乾燥した。その時の水酸化ア
ルミニウム水溶液濃度とフイルムの結果を第1表に示
す。
実施例2 実施例1と同じ方法で製膜し、水中に放置した濡れた
ままのフイルムを1%の水酸化ナトリウム水溶液に0.1
%の水酸化インジウムを溶解した浴中に浸しておき、次
いで流水で洗浄した。
ままのフイルムを1%の水酸化ナトリウム水溶液に0.1
%の水酸化インジウムを溶解した浴中に浸しておき、次
いで流水で洗浄した。
洗浄の終了したフイルムを実施例1と同様に乾燥し
た。得られたフイルムの結果を第1表に示す。
た。得られたフイルムの結果を第1表に示す。
比較例1 実施例2と同じ方法で製膜し、中和処理せずに1昼夜
流水で洗浄し、実施例1と同じ方法で乾燥した。得られ
たフイルムの結果を第1表に示す。
流水で洗浄し、実施例1と同じ方法で乾燥した。得られ
たフイルムの結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1と同じ方法で製膜し、0.1%NaOH浴に30分浸
しておき、次いで、流水で洗浄したフイルムを実施例1
と同様に乾燥した。その時得られたフイルムの結果を第
1表に示す。
しておき、次いで、流水で洗浄したフイルムを実施例1
と同様に乾燥した。その時得られたフイルムの結果を第
1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のフイルムは、優れた電気特性を有しており、
市販のフイルムには見られない高い強度と高いモジュラ
スで表される良好な機械的性質を有し、しかもMD方向と
TD方向に極めてバランスの取れた物性を示す。
市販のフイルムには見られない高い強度と高いモジュラ
スで表される良好な機械的性質を有し、しかもMD方向と
TD方向に極めてバランスの取れた物性を示す。
また、これらの特性のみならず、優れた耐熱性、耐油
性、耐圧性、強酸以外の耐薬品性、構造の緻密性を有す
る。
性、耐圧性、強酸以外の耐薬品性、構造の緻密性を有す
る。
このため、本発明のフイルムは、高速回転する電気機
器の絶縁材料や磁気テープ、フレキシブルプリント配線
基盤、電線被覆材、過膜等に好適に使用することが出
来る。
器の絶縁材料や磁気テープ、フレキシブルプリント配線
基盤、電線被覆材、過膜等に好適に使用することが出
来る。
第1図は、体積抵抗率を測定するためのサンプルを示す
図であり、図中の斜線部はAl蒸着電極である。 第2図は、第1図の断面図であり、図中の黒塗り部はAl
蒸着電極である。
図であり、図中の斜線部はAl蒸着電極である。 第2図は、第1図の断面図であり、図中の黒塗り部はAl
蒸着電極である。
Claims (1)
- 【請求項1】対数粘度ηinhが2.5以上の実質的にパラ配
向型芳香族ポリアミドからなり、しかも三価の金属イオ
ンを含む溶液で中和されることを特徴とする、芳香族ポ
リアミドフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2711390A JP2859914B2 (ja) | 1990-02-08 | 1990-02-08 | 芳香族ポリアミドフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2711390A JP2859914B2 (ja) | 1990-02-08 | 1990-02-08 | 芳香族ポリアミドフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03231931A JPH03231931A (ja) | 1991-10-15 |
JP2859914B2 true JP2859914B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=12212015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2711390A Expired - Lifetime JP2859914B2 (ja) | 1990-02-08 | 1990-02-08 | 芳香族ポリアミドフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2859914B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5616650A (en) * | 1993-11-05 | 1997-04-01 | Lanxide Technology Company, Lp | Metal-nitrogen polymer compositions comprising organic electrophiles |
US5612414A (en) * | 1993-11-05 | 1997-03-18 | Lanxide Technology Company, Lp | Organic/inorganic polymers |
-
1990
- 1990-02-08 JP JP2711390A patent/JP2859914B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03231931A (ja) | 1991-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2859914B2 (ja) | 芳香族ポリアミドフイルム | |
JP2867288B2 (ja) | 芳香族ポリアミドフイルム | |
JPS6239634A (ja) | ポリパラフェニレンテレフタルアミド系フィルムの製造方法 | |
JP2912877B2 (ja) | 芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法 | |
JP2552333B2 (ja) | フイルムの製造方法 | |
JPS62174129A (ja) | ポリパラフエニレンテレフタルアミド系フイルム | |
JP2624528B2 (ja) | フィルムおよびその製造法 | |
JPH0228222A (ja) | アラミドフィルムの製法 | |
JPH01281915A (ja) | フイルムの製造方法 | |
JP2702753B2 (ja) | フイルムの製造方法 | |
JPS63254136A (ja) | 芳香族ポリアミドフイルムおよびその製造方法 | |
JP2710390B2 (ja) | 熱融着性ポリアミドフィルム | |
JPS62216709A (ja) | フイルムの製法 | |
JP2628898B2 (ja) | アラミドフイルムの製造法 | |
JPH0257816B2 (ja) | ||
JPS6247179A (ja) | 圧電性フイルムおよびその製造方法 | |
JPH03417B2 (ja) | ||
JPS62116637A (ja) | フイルム及びその製造法 | |
JP2552332B2 (ja) | フィルムの製造法 | |
JPS6399241A (ja) | ポリパラフエニレンテレフタルアミドフイルムの製造方法 | |
JPS62117725A (ja) | ポリアミドフイルム及びその製造法 | |
JPH02122912A (ja) | フイルムの製造方法 | |
JPH047972B2 (ja) | ||
JPS63243144A (ja) | フイルムの製造法 | |
JPH0260684B2 (ja) |