JPH01240533A - パラ配向型芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

パラ配向型芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法

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JPH01240533A
JPH01240533A JP6780688A JP6780688A JPH01240533A JP H01240533 A JPH01240533 A JP H01240533A JP 6780688 A JP6780688 A JP 6780688A JP 6780688 A JP6780688 A JP 6780688A JP H01240533 A JPH01240533 A JP H01240533A
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JP
Japan
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film
dope
aromatic polyamide
para
weight
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JP6780688A
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Takenori Taniguchi
谷口 武範
Shigemitsu Muraoka
重光 村岡
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パラ配向型芳香族ポリアミドからなる耐光性
フィルムおよびその製造法に関し、さらに詳しくはフィ
ルムの長尺方向(以下、MD力方向略す)および幅方向
(以下、TD方向と略す)ともに優れた機械的特性を示
し、かつ従来の芳香族ポリアミドには見られなかった優
れた耐光性を兼備するパラ配向型芳香族ポリアミドフィ
ルムおよびその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PPTA
という)に代表されるパラ配向型の芳香族ポリアミドは
、特に優れた結晶性や高い融点を有し、また剛直な分子
構造の故に、耐熱性で高い機械的強度を有しており、近
年、特に注目されている高分子素材である二また、その
光学異方性を示す濃厚溶液から紡糸□された繊維は高い
強度およびモジュラスを示すことが報告され、すでに工
業的に実施されるに到っている。また、PPTAのフィ
ルムへの成形例も幾つか提案されている(例えば特公昭
56−4521号公報、特公昭57−17886号公報
など)。
しかし、これら芳香族ポリアミドに共通する欠点として
、耐光性の悪さが指摘されており、屋外用途が制限され
ていたり、芳香族ポリアミド成形物の表面にポリウレタ
ンやポリ塩化ビニル等の保護層をつけて使用されたりし
ているのが現状である。
これまで芳香族ポリアミド系での耐光性向上の方法につ
いては、N−メチルピロリドン中で、ポリメタフェニレ
ンイソフタルアミドを含むドープ中に、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、および酸化防止剤を添加する方法
によって耐光性を向上させる方法が提案されている(特
開昭61−73764号公報)。しかしながら、この方
法による耐光性の向上は必ずしも満足できるものではな
かった。
パラ配同型アラミドにおいては、熔融困難かつ難溶性で
あるため、硫酸等の特殊な溶媒を用いて溶解した上、製
膜する必要があるため、一般の溶融可能な重合体と異な
り、添加剤を原液中に添加することによって種々の機能
性を付与する方法では硫酸系溶媒中での安定性から使用
できる添加剤の種類が限られる。また、物性面からも、
添加剤の混入により高性能発現に必要な微細構造の形成
を阻害する等の好ましくない結果を引き起こす。
一方、フィルムに成形された後では高い結晶性、高い分
子鎖開力によって、これら添加剤を添加することは非常
に困難である。これまで芳香族ポリアミドの両光化方法
として、水に膨潤した乾燥していない繊維に紫外線吸収
剤等の添加剤を含浸することが、特開昭50−1232
2号公報、同49−75824号公報、同53−350
20号公報および特公昭56−33487号公報に開示
されている。しかしながら、パラ配向型芳香族ポリアミ
ド繊維についてはポリマー濃度の低い紡糸原液を使用し
、高温の凝固浴中へ湿式紡糸する技術について開示され
ているだけであり、この方法によって得られる糸条はボ
イドが多く密度が小さく、さらに強度が著しく小さい。
これは含浸処理のし易い密度約1.35 g /c+J
以下の、ボイドの多い多孔質繊維を作ることが前提にな
っていることによる。
一方、パラ配向型芳香族ポリアミドフィルムに紫外線吸
収剤を含浸する技術はい□まだ全く開示されていない。
ことに、緻密で高□配向の故に機械的性能に優れたパラ
配向型芳香族ポリアミドフィルムに紫外線吸収剤を含浸
することは、機械的性能の減殺なしには不可能であると
考えられてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、高強度、高モジュラスを有し、かつ耐
光性が付与され、しかも両光効果の堅牢性に優れたパラ
配向型芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このようなフィルムを得る方法について
鋭意研究を重ねた結果、パラ配同型芳香族ポリアミドの
光学異方性ドープを支持面上にフィルム状にした後等方
化し、次いで凝固させ、溶媒を除去して得た、水分率が
50重量%以上の未乾燥フィルムと特別な構造の紫外線
吸収剤を含む液とを接触させ、その後乾燥させるという
特別な方法によって優れた機械的特性を示し、しかも耐
光性およびその堅牢度に優れたフィルムが得られること
を見出し、さらに研究を重ねて本発明として完成するに
到った。
本発明の第1は、対数粘度ηi n h 2.5以上の
実質的にパラー配同型芳香族ポリアミドからなり、密度
が1.37g/cut以上、ヤング率が500kg/m
 m 2以上を有し、かつベンゾフェノン系紫外線吸収
剤を0.1〜5.0重量%含有していることを特徴とす
るパラ配向型芳香族ポリアミドフィルムである。
本発明の第2は、対数粘度ηinhが2.5以上である
パラ配向型芳香族ポリアミドと96重量%以上の濃度の
濃硫酸、クロル硫酸およびフルオル硫酸からなる群より
選択された少なくとも1種の溶媒とを含んでなる光学異
方性ドープを、光学異方性を保ったまま支持面上にフィ
ルム状となし、吸湿および/または加熱により該ドープ
が光学等方性ドープに実質的に転化するまで放置した後
、凝固させ、溶媒を実質的に除去して得た50重量%以
上の水分を含んだフィルムと、ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤を含有する液とを接触させ、次いで50℃以上の
温度で収縮を制御しつつ乾燥することを特徴とするパラ
配向型芳香族ポリアミドフィルムの製造法である。
本発明のバラ配同型芳香族ポリアミドフィルムに含有さ
せる紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン誘導体である。ベ
ンゾフェノン誘導体の代表例は下式で表わされる2、2
°、4.4’−テトラハイドロキシ−ベンゾフェノン(
以下、THBPと称する)である。
O3H 該紫外線吸収剤は、少量の添加でも優れた耐光性を示す
。また、耐熱性が高く、添加によるフィルムの不透明化
、着色がなく、機械的物性を損なうこともない。さらに
は、耐洗濯堅牢性にも優れるため、バラ配向型アラミド
フィルム本来の機械的物性、耐熱性を犠牲にすることな
く、堅牢性の高い耐光性を付与することができる。
本発明のフィルムが含有する上記紫外線吸収剤量は、堅
牢性の高い耐光性を得るためにはフィルムのM量に対し
て少なくとも0.1%、特に0.5%以上が好ましい。
また、それらはフィルム中に均一に含有されていること
が望ましい。また、5重量%以上を超えると大半がフィ
ルム表面に粒状に付着し、製品上問題を生じ易い。
本発明に用いられるバラ配同型芳香族ポリアミドは、次
の構成単位からなる群より選択された単位から実質的に
構成される。
NHAr1−NH−(1) −CO−A r 2− CO−・” (II )−NH
−Ar3−Co −・・・(II[)ここでAr1 、
Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基であり、(1
)と(II)はポリマー中に存在する場合は実質的に当
モルである。
本発明のポリアミドフィルムにおいて、良好な機械的性
能を確保するために、Ar1 、Ar2およびAr3は
各々、いわゆるパラ配向型の基である。
ここで、パラ配向型とは、その分子鎖を成長させている
結合が芳香核の反対方向に同軸または平行的に位置して
いることを意味する。このような2価の芳香族基の具体
例としては、バラフェニレン、4.4′−ビフェニレン
、1.4−ナフチレン、1.5−ナフチレン、2,6−
ナフチレン、2.5−ピリリジンなどがあげられる。そ
れらはハロゲン、低級アルキル、ニトロ、メトキシ、ス
ルホン酸、シアノ基などの非活性基で1または2以上置
換されていてもよい。A r 1 、A r 2および
Ar3はいずれも2種以上であってもよ(、また相互に
同じであっても異なっていてもよい。
本発明に用いられるポリマーは、これまでに知られた方
法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボン
酸、アミノカルボン酸より製造することができる。具体
的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾラ
イド、エステル等に誘導した後にアミノ基と反応させる
方法、またはアミノ基をイソシアナート基に誘導した後
、カルボン酸基と反応させる方法が用いられ、重合の形
式もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法
、固相重合法などを用いること力壬できる。
本発明に用いられるパラ配向型芳香族ポリアミドには、
上記した以外の基が約10モル%以下共重合されたり、
他のポリマーがブレンドされたりしていてもよい。
本発明のパラ配向型芳香族ポリアミドとして最も代表的
なものは、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(P
PTA)やポリ−p−ベンズアミドである。
本発明のパラ配同型芳香族ポリアミドの重合度は、あま
りに低いと本発明の目的とする機械的性質の良好なフィ
ルムが得られなくなるため、通常2.5以上、好ましく
は3.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mj!に
ポリマー0.5gを溶解して30℃で測定した値)を与
える重合度のものが選ばれる。
本発明のフィルムは1.37 g /ctJ以上、より
好ましくは1.39g/cJ以上の密度を有している。
これはさきに述べたフィルムの機械的物性を確保するた
めに必要な密度であり、また紫外線吸収剤の好ましい堅
牢度を維持できる密度である。
本発明のフィルムは、ヤング率が500kg/mm2以
上、より好ましくは700 kg/mm2以上を有する
。これは本発明のフィルムが外力により変形を生じにく
くするため、または薄くても腰が強くあるために必要な
条件である。
次に、このような紫外線吸収剤を含有したハラ配同型芳
香族ポリアミドフィルムを得るための方法について述べ
る。
本発明のフィルムの成型に用いる光学異方性ドープを調
製するのに適した溶媒としては、96重量%以上の濃度
の硫酸、クロル硫酸、フルオル硫酸またはそれらの混合
物があげられる。硫酸は100%以上のもの、すなわち
発煙硫酸であってもよいし、またトリハロゲン化酢酸な
どを、本発明の効果を損なわない範囲で混合して用いて
もよい。
本発明に用いられるドープ中のポリマー濃度は、常温(
約20〜30°C)またはそれ以上の温度で光学異方性
を示す濃度以上のものが好ましく用いられ、具体的には
約9重量%以上、好ましくは約10重量%以上で用いら
れる。これ以下のポリマー濃度、すなわち常温またはそ
れ以上の温度で光学異方性を示さないポリマー濃度では
、成型されたフィルムが好ましい機械的性質を持たなく
なることが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限
定されるものではないが、通常は20重量%以下、特に
高いηinhのPPTAに対しては16重量%以下が好
ましく用いられる。
本発明に用いるドープには、ドープ中のポリマー熔解性
を著しく損なわない限り添加剤、例えば増量剤、除光火
剤、熱安定化剤、抗酸化剤、熔解助剤などを混入しても
よい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の方
法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調
べることができるが、その臨界点は溶媒の種類、温度、
ポリマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量等に
依存するので、これらの関係を予め調べることによって
、光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条
件に変えることで、光学異方性から光学等方性に変える
ことがで合る。
本発明のフィルムを得るには、例えばドープを支持面上
にフィルム状にした後、凝固に先立ってドープを光学異
方性から光学等方性に転化する。
光学異方性から光学等方性に転化するには、具体的には
支持面上にフィルム状にした光学異方性ドープを凝固に
先立ち、吸湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下げ
、溶剤の熔解能力およびポリマー濃度の変化により光学
等方性域に転移させるか、または加熱することによりド
ープを昇温し、同時または逐次的にドープを光学等方性
に転移させるか、あるいは加熱と吸湿を併用することに
より達成できる。
ドープを吸湿させる方法としては、例えば空気中に一定
時間以上静置することにより達成することができる。こ
の場合の空気は50%以上の相対湿度を持っていること
が好ましい。
また、通常の湿度雰囲気にさらに積極的に加湿を施す工
夫は、光学等方性化するまでの時間を短く、また加熱を
併用する場合にはその加熱温度を低くできる点から望ま
しい実施態様である。相対湿度99%を超えると、低温
ではドープ上に水が凝縮するためポリマーが析出したり
、フィルムの平面性が失われることがあるが、45℃以
上においては、100%以上の相対湿度を用いることも
できる。
また、吸湿と同時または吸湿させた後加熱を併用する方
法においては、例えば硫酸を溶媒に用いた場合、光学異
方性が実質的に消失し、ドープが光学等方性に転化する
温度は、ポリマー濃度、ポリマーの重合度、硫酸濃度、
ドープの厚み、さらには吸湿の程度により変動するが、
通常約45℃以上が好ましく、またその上限はポリマー
の分解性を考慮した場合、−殻内にあまり高くないこと
が望ましく、フィルム状のドープの温度が200℃を超
えない程度に選ばれることが望ましい。
この吸湿により光学等方性化する機構は必ずしも明らか
ではないが、おそらく吸湿することによるポリマー濃度
と溶媒濃度の低下により、PPTA−溶媒系の液晶域が
かなり縮小するためであろうと思われる。この吸湿だけ
でも充分光学等方性化するが、これにさらに加熱が伴え
ば、短時間の等方性化が可能となる。この方法は特にド
ープの厚みが厚いときに有効である。
本発明において、ドープの凝固液として使用できるのは
、例えば水、約70重量%以下の希硫酸、約20重量%
以下の水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水、約
50重量%以下の塩化ナトリウム水溶液および塩化カル
シウム水溶液などである。凝固浴の温度は特に制限され
るものではなく、通常約−5℃〜50℃の範囲で行なわ
れる。
凝固されたフィルムはそのままでは酸が含まれているた
め、加熱による機械的物性の低下の少ないフィルムを製
造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行なう必要が
ある。酸分の除去は、具体的には約500ppm以下ま
で行なうことが望ましい。洗浄液としては水が通常用い
られるが、必要に応じて温水で行なったり、アルカリ水
溶液で中和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄
は、例えば洗浄液中でフィルムを走行させたり、洗浄液
を噴霧する等の方法により行なわれる。
本発明において、このようにして製造されたフィルムは
、乾燥させることなく、少なくとも50M量%以上、好
ましくは80重量%以上の水分量を含有させたまま保持
し、紫外線吸収剤を含有する液と接触させなければなら
ない、水分量が50重量%未満ではいわゆる生乾き、ま
たは乾燥された状態であり、紫外線吸収剤を有する液か
らの紫外線吸収剤の拡散速度が著しく低下し、実用的程
度に紫外線吸収剤を含浸させることができない。
本明細書中において、紫外線吸収剤を含有する液は、ベ
ンゾフェノン誘導体が分子状に分散している溶液であれ
ばよい。この場合の溶媒としては、水、有機溶剤(好ま
しくはメタノール、エタノール、アセトン、ジメチルホ
ルムアミド)等が用いられる。
含浸はフィルムを含浸剤含有液中に浸漬するか、または
噴霧、シャワーリングすることによって行なうことがで
きる。含浸温度は室温から含浸剤含有液の沸点までの間
で任意に設定できるが、高温のほうが好ましい。含浸剤
濃度も0.1〜99重量%の間で任意である。
紫外線吸収剤の含浸は一般に拡散律速であるため、所望
の耐光度に応じて、含浸温度、時間、含浸濃度が決めら
れるべきである。両光効果が認められる紫外線吸収剤の
含有量としては、紫外線吸収剤の対乾燥フィルム基準で
大体0.5重量%以上である。
このようにして紫外線吸収剤を含浸されたフィルムは、
必要ならば表面付着した紫外線吸収剤を洗浄した後乾燥
されるが、望むならば乾燥に先立って延伸することもで
きる。すなわち、乾燥前の湿潤フィルムを1方向または
2方向に1.01−1゜4倍程度延伸することにより、
フィルムの機械的性質を向上させることができる。
フィルムの乾燥は、緊張下、定長下またはわずかに延伸
しつつ、フィルムの収縮を制限して行なう必要がある。
もし、洗浄液(例えば水)の除去とともに収縮する傾向
を有するフィルムを、何らの収縮の制限を行なうことな
く乾燥した場合には、ミクロに不均一な構造形成(結晶
化など)が起こるためか、得られるフィルムの平面性が
損なわれたり、カールしてしまうこともある。収縮を制
限しつつ乾燥するには、例えばテンター乾燥機や金属枠
に挟んでの乾燥などを利用することができる。
乾燥に係る他の条件は特に制限されるものではなく、加
熱気体(空気、窒素、アルゴンなど)や常温気体による
方法、電気ヒータや赤外線ランプなどの輻射熱による方
法、誘電加熱法などの手段から任意に選ぶことができる
本発明において、フィルムの乾燥温度は50“C以上で
あることが肝要である。これは、50℃未満の乾燥では
フィルムの構造の緻密化が不充分(密度が小さい)で、
耐光性の堅牢度が不充分となるからである。乾燥温度は
好ましくは100〜300℃である。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例および参考例(PPTAの製造例
)を示すが、これらの参考例および実施例は本発明を説
明するものであって、本発明を限定するものではない。
なお、実施例中特に規定しない場合は重量部または重量
%を示す。
実施例中の対数粘度ηinhは、98%硫酸100m!
!にポリマー0.5gを溶解し、30°Cで常法で測定
した。ドープの粘度は、B型粘度計を用いlrpmの回
転速度で測定した。フィルムの厚さは、直径2重−の測
定面を持ったダイヤルゲージで測定した。強伸度および
モジュラスは、定速伸長型強伸度測定機により、フィル
ム試料を100u+XIQ龍の長方形に切り取り、最初
のつかみ長さ30mm、引張速度30mm/分で荷重−
伸長曲線を5回描き、これより算出したものである。密
度は、四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法に
より30℃で測定した。
実施例1 ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫
酸にポリマー濃度12.0%で熔解し、60℃で光学異
方性のあるドープを得た。このドープの粘度を常温で測
定したところ、14,500ポイズであった。製膜し易
くするために、このドープを約70℃に保ち、真空下に
脱気した。この場合も上記と同じ(光学異方性を有し、
粘度は4200ポイズであった。このドープをタンクか
らフィルタを通し、約70℃に保ちながらギアポンプを
経てダイに到る1、5mの曲管を通し、Q、3 III
 X 300m1のスリットを有するグイから、鏡面に
磨いたハステロイ製のベルトにキャストし、この流延ド
ープに相対湿度約70%の約90℃の空気を吹き付けて
光学等力比した後、約1分間ベルト上に保持してから、
ベルトとともに0℃の20重量%硫酸水溶液の中に導い
て凝固させた。次いで凝固フィルムをベルトから引き剥
がし、回転ローラを介して約20℃の水槽中を走行させ
て洗浄しく滞留時間約3分)、水分率約400重量%の
フィルムを得た。
このフィルムを5重量%のTHBP (BASF社製、
商品名ユビナール D−50)を含む、30℃に保たれ
たメタノール液とを2分間接触させて含浸させた後、得
られたフィルムを洗浄し、約10cmX15cmのステ
ンレス製の2枚の枠に挟み、150℃に保たれたエアオ
ーブン中で定長乾燥した。結果を第1表に示した。
実施例2 実施例1で得られた400%水分含有フィルムと30℃
に保たれた、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(BASF
社製、商品名ユビナール MS−40)を、5重量%含
んだ水とを5分間接触させて含浸させた後中和を行ない
、得られたフィルムを実施例1と同条件で定長乾燥した
。結果を第1表に示した。
比較例1 実施例1において、T HB P処理を行なわずに洗浄
および同条件にて定長乾燥した。結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1で得られた400%水分含有フィルムを一旦1
20℃で乾燥して、水分含有量約30重量%にした後、
実施例1と同じ条件で含浸処理し、実施例1と同条件で
乾燥した。結果を第1表に示した。
比較例3 実施例1で得られた400%水分含有フィルムに、実施
例1で示した紫外線吸収剤を実施例1の条件で含浸させ
た後、得られたフィルムを約10cmx15cmのステ
ンレス製の2枚の枠に挟み、室温(約23℃)にて風乾
した。結果を第1表に示した。
実施例3 実施例1.2および比較例3のフィルムについて、60
℃温水中にて約30分間水浸漬する方法にて耐水浸漬、
堅牢性を調べた。結果を第2表に示した。
各実施例、比較例について、紫外線ロングライフフェー
ドメータ(スガ試験機(株)社製)にて、63℃100
時間紫外線照射を行なった後の機械的性質の保持率と較
べて耐光性を評価した。
以下余白 (注)紫外線吸収剤(1)、(If)は下記のとおりで
ある。
〔発明の効果〕
本発明のフィルムは、高い強度と高いモジュラスで表わ
される良好な機械的性質を有し、かつ優れた耐光性を兼
備し、さらに優れた耐光性の堅牢度を有する。また本発
明のフィルムは、これらの機械的特性のみならず、優れ
た電気絶縁性、耐熱性、耐油性、耐圧性、強酸以外の耐
薬品性、構造の緻密性を有するため、高速回転する電気
機器の絶縁材料や電線被覆材等に好適に使用することが
できる。
代理人 弁理士 川 北 武 長

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)対数粘度ηinh2.5以上の実質的にパラ配向
    型芳香族ポリアミドからなり、密度が1.37g/cm
    ^3以上、ヤング率が500kg/mm^2以上を有し
    、かつベンゾフェノン系紫外線吸収剤を0.1〜5.0
    重量%含有していることを特徴とするパラ配向型芳香族
    ポリアミドフィルム。
  2. (2)対数粘度ηinhが2.5以上であるパラ配向型
    芳香族ポリアミドと96重量%以上の濃度の濃硫酸、ク
    ロル硫酸およびフルオル硫酸からなる群より選択された
    少なくとも1種の溶媒とを含んでなる光学異方性ドープ
    を、光学異方性を保ったまま支持面上にフィルム状とな
    し、吸湿および/または加熱により該ドープが光学等方
    性ドープに実質的に転化するまで放置した後、凝固させ
    、溶媒を実質的に除去して得た50重量%以上の水分を
    含んだフィルムと、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含
    有する液とを接触させ、次いで50℃以上の温度で収縮
    を制御しつつ乾燥することを特徴とするパラ配向型芳香
    族ポリアミドフィルムの製造方法。
JP6780688A 1988-03-22 1988-03-22 パラ配向型芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法 Pending JPH01240533A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5312851A (en) * 1992-01-22 1994-05-17 Teijin Limited Wholly aromatic polyamide resin composition having enhanced light resistance

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5312851A (en) * 1992-01-22 1994-05-17 Teijin Limited Wholly aromatic polyamide resin composition having enhanced light resistance

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