JP7507139B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
しかし、収納物によって鞍乗り型車両の重心位置に悪影響が及び、走行性能が阻害される事態は好ましくない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、走行性能を損なうことなく収納性を向上することを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
図1及び図2に示すように、鞍乗り型車両10は、パワーユニット12の少なくとも一部を覆うスキッドプレート81を備えている。スキッドプレート81は、前輪13の後方、かつ、パワーユニット12の前方に設けられ、前方からの水、土、及び泥等の飛散物がパワーユニット12の一部に付着したり、前方の障害物等がパワーユニット12の一部に接触したりする事態を抑制する。スキッドプレート81は、前方からの飛散物が前部燃料タンク29A等に付着する事態も抑制することができる。
図3~図5に示すように、フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から後下がりに後方に延びる左右一対のメインフレーム31と、メインフレーム31の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム32と、ヘッドパイプ18から下方に延びる一本のダウンフレーム33と、ダウンフレーム33の下端部から後方に延びてピボットフレーム32の下端部に接続される左右一対のロアフレーム34とを備える。
左右一対のロアフレーム34は、ダウンフレーム33の下端部から左右下方に延びた後に後方に延びる。ピボットフレーム32は、ピボット軸22を支持する。リアフレーム20は、メインフレーム31及びピボットフレーム32に連結される。
排気管61の後端に相当する下流端には、排気マフラー62が接続される。排気マフラー62は、後輪15の左右一方側(右側)に支持され、排気管61からの排気ガスの圧力を低減して外部に排出する。排気管61と排気マフラー62とによって排気装置25が構成される。排気装置25の排気経路には、排気ガスを浄化する触媒が適宜に設けられる。
このスキッドプレート81はクランクケース23の前面を前方から覆う大型カバーに形成される。つまり、スキッドプレート81の前部上端P1(図3)は、クランクケース23の上端よりも上方に位置し、スキッドプレート81の左右端P2(図4)は、パワーユニット12の左右端と同等位置か左右外側に位置している。また、スキッドプレート81の後端P3(図3)は、パワーユニット12及びロアフレーム34よりも後方に位置する。
スキッドプレート81の前部には、左右一対のロアフレーム34に取り付けられる左右一対の被取付部82が設けられる。これら被取付部82は、後方に凹む形状に形成され、前後方向に貫通する孔を有している。
図6に示すように、これら被取付部82は、左右一対のロアフレーム34に設けられた固定部34Kに対し、車体前方から重なる。そして、被取付部82の前方から所定の取付部材83(図4)を固定部34Kに取り付けることによって、スキッドプレート81の前部が左右のロアフレーム34に固定される。取付部材83は、特に制限されるものではないが、例えば、ボルト、ナット、クリップナット、及びクイックファスナー等である。
スキッドプレート81は、カーボン材料から成るメインプレート91と、メインプレート91に上方から重ねられるサブプレート92とを備えている。
メインプレート91は、ダウンフレーム33の下部からロアフレーム34の後下方まで延在すると共に、車体正面視で車幅中心C1から左右に張り出すプレート形状に形成され、クランクケース23の前方及び下方を覆う。このメインプレート91の前部に、左右に間隔を空けて被取付部82が設けられ、メインプレート91の後部に、左右に間隔を空けて着脱部85が設けられる。
このメインプレート91の材料は、カーボン材料の他、樹脂材料や金属材料でもよい。
サブプレート92は、メインプレート91から上方に膨出する膨出形状に形成され、メインプレート91との間に空き空間を区画する。このサブプレート92は、鞍乗り型車両10に取り付けられた場合(図5参照)に、左側のロアフレーム34を基準にして左側に位置する左側膨出部92Lと、左右のロアフレーム34間に位置する中央膨出部92Mと、右側のロアフレーム34を基準にして右側に位置する右側膨出部92Rとを一体に備える形状に形成されている。
このサブプレート92の材料は、カーボン材料の他、樹脂材料や金属材料でもよい。
左側膨出部92L及び右側膨出部92Rは、左右のロアフレーム34よりも車幅方向外側に張り出すので、車体側方からの飛散物から各ロアフレーム34を保護する保護部材として機能することができる。
このように開口部92Kは、簡単に着脱自在な蓋部材96で覆われるので、開口部92Kから左側膨出部92Lに任意の物品100を出し入れすることができ、左側膨出部92Lを、任意の物品100を収納する収納部として利用できる。左側膨出部92Lに収納する物品100は、特に限定されないが、例えば、車載工具やエアバッグボンベである。
図6に示すように、左側膨出部92L内には、前後方向に長い内部空間が形成されるので、2本のエアバッグボンベ100を前後に並べて収納可能である。
本構成では、開口部92Kは、車体側面視で前後方向に長い矩形形状に形成され、エアバッグボンベ100及び車載工具等を出し入れ自在な形状である。但し、開口部92Kの形状や位置等は適宜に変更してもよい。
図9及び図10に示すように、左側膨出部92Lは、左側のロアフレーム34の車幅方向外側の面に沿って上方に膨出し、図9及び図10に示す断面視(車幅方向に沿った断面図に相当)で矩形形状の内部空間を有している。矩形形状の内部空間を有するので、エアバッグボンベ100や車載工具のような物品を収納し易くなる。図9及び図10に示すように、左側膨出部92Lの内部空間の底部には緩衝部材95が配置されるので、左側膨出部92L内のエアバッグボンベ100等の物品は、緩衝部材95によってメインプレート91から作用する衝撃力が緩和される。
なお、中央膨出部92Mは、図9及び図10に示す断面視で上方に膨出する矩形形状の内部空間であって、かつ、左側膨出部92Lよりも左右に長い内部空間を有している。
なお、図9及び図10中の排気管スペース61Sは、スキッドプレート81の内部空間に、排気管61を割り当て可能なスペースの大凡の範囲を示すものであり、排気管61の外形状を示すものではない。
また、メインプレート91には、左側膨出部92L内の物品100との間に作用する衝撃力を緩和する緩衝部材95が設けられるので、走行時の振動等の影響を受けても、物品100、及び、左側膨出部92L内のメインプレート91部分を保護できる。
図11は、変形例に係るスキッドプレート81の分解斜視図である。
サブプレート92の中央膨出部92Mには、上方に開口する開口部92MKが設けられ、この開口部92MKは、蓋部材96Mによって覆われる。蓋部材96Mは、開口部92MKを開閉させる部材であり、例えば、サブプレート92に着脱される部材、又は、サブプレート92にヒンジ機構又はスライド機構等を介して連結される部材である。この構成により、中央膨出部92Mを他の収納部に構成することができる。
これにより、左右一対のロアフレーム34の間に空くスペースを収納部として有効活用できると共に、ロアフレーム34によって、中央膨出部92Mに収納した物品100、及び中央膨出部92Mを保護することができる。
なお、開口部92MKの位置及び形状、及び、蓋部材96Mの構造等は適宜に変更してもよい。これら開口部92MK及び蓋部材96Mは、中央膨出部92Mに物品100を出し入れする開閉部として機能する。
図12は、左側膨出部92L及び中央膨出部92Mを収納部に構成した場合の車幅方向に沿った断面の一例を示した図である。
図12に示すように、サブプレート92の左側膨出部92Lの内面部分には、緩衝部材98が配置され、サブプレート92の中央膨出部92Mの内面部分には、緩衝部材98Mが配置される。これら緩衝部材98及び98Mによって、各膨出部92L,92M内の物品100、及び各膨出部92L,92Mをより保護できる。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
この構成によれば、重量のある物品等を車体下部に収納でき、走行性能を損なうことなく収納性が向上する。
この構成によれば、スキッドプレートを鞍乗り型車両から取り外すことなく物品の出し入れができ、使い勝手が向上する。
この構成によれば、車体側方からの飛散物からロアフレームを保護することができる。
この構成によれば、緩衝部材によって、物品、及び収納部内の下板部分を保護できる。
この構成によれば、スキッドプレートを簡単に着脱でき、パワーユニット周りのメンテナンスが容易になる。
この構成によれば、簡単に他の収納部に物品を出し入れできる。
この構成によれば、左右一対のロアフレームによって、他の収納部に収納した物品、及び他の収納部を保護することができる。
この構成によれば、他の緩衝部材によって、他の収納部内の物品、及び他の収納部内の下板部分を保護できる。
この構成によれば、緩衝部材によって、他の収納部内の物品、及び他の収納部をより保護できる。
11 車体フレーム
12 パワーユニット
18 ヘッドパイプ
23 クランクケース
24 シリンダー部
31 メインフレーム
32 ピボットフレーム
33 ダウンフレーム
34 ロアフレーム
34K 固定部
81 スキッドプレート
82 被取付部
83 取付部材
85 着脱部
91 メインプレート(下板)
92 サブプレート(上板)
92L 左側膨出部(収納部)
92K 開口部
92M 中央膨出部(他の収納部)
92MK 開口部(他の開口部)
92R 右側膨出部
95,95M,98,98M 緩衝部材
96,96M 蓋部材
100 物品
Claims (5)
- 車体フレーム(11)と、パワーユニット(12)の少なくとも一部を覆うスキッドプレート(81)とを備える鞍乗り型車両において、
前記車体フレーム(11)は、ヘッドパイプ(18)から前記パワーユニット(12)の前方に向けて下方に延出するダウンフレーム(33)と、前記パワーユニット(12)の下方に位置するロアフレーム(34)とを有し、
前記スキッドプレート(81)は、前記ダウンフレーム(33)の下部から前記ロアフレーム(34)の下方を後方に延在し、かつ、上板(92)と下板(91)とを有し、前記上板(92)と前記下板(91)との間に収納部(92L)を有し、
前記上板(92)と前記下板(91)との間における前記収納部(92L)と異なる領域に、他の収納部(92M)を有し、
前記上板(92)に、前記他の収納部(92M)に物品を出し入れする他の開口部(92MK)を設けていることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記収納部(92L)は、車体側面側に、物品を出し入れする開閉部(92K,96)を有することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記収納部(92L)は、前記ロアフレーム(34)の車幅方向外側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記下板(91)には、前記収納部(92L)内の物品との間に作用する衝撃力を緩和する緩衝部材(95)が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記スキッドプレート(81)の前部には、所定の取付部材(83)によって前記車体フレーム(11)に取り付けられる被取付部(82)が設けられ、前記スキッドプレート(81)の後部には、当該鞍乗り型車両の一部に引っ掛けられる着脱部(85)が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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