JP4043001B2 - 自動二輪車の始動装置 - Google Patents

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JP4043001B2
JP4043001B2 JP16506397A JP16506397A JP4043001B2 JP 4043001 B2 JP4043001 B2 JP 4043001B2 JP 16506397 A JP16506397 A JP 16506397A JP 16506397 A JP16506397 A JP 16506397A JP 4043001 B2 JP4043001 B2 JP 4043001B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルモータによりエンジンを始動させるようにした自動二輪車の始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車の駆動装置には、従来、特開平4‐246241号公報で示されるものがある。
【0003】
これによれば、自動二輪車の車体フレームに、走行駆動用のエンジンと、このエンジンからの動力を入力して後車輪側に伝達する動力伝達装置とが搭載され、また、上記エンジンを始動させる始動装置が設けられている。上記エンジンは、車幅方向に延びる軸心回りに回転自在となるようクランク軸を支承するクランクケースと、このクランクケースから上方に向って突出するシリンダとを備えている。
【0004】
一方、上記動力伝達装置は、その外殻を構成して上記クランクケースの後側に連設されるミッションケースと、上記クランク軸と平行な軸心回りに回転自在となるよう上記ミッションケースに支承される入力軸と、上記クランク軸と共に回転する減小歯車と、上記入力軸に遊転自在に支承されて上記減小歯車に噛合する減大歯車と、上記入力軸と同じ軸心上で上記減大歯車に並設され上記入力軸と上記減大歯車との間の動力伝達を断接自在とするクラッチとを備えている。
【0005】
また、上記の場合、側面視で、上記シリンダと上記クラッチの軸心を通る垂線との間で、上記ミッションケースの上部に上記始動装置のセルモータが取り付けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したシリンダと、垂線との間の前後方向の幅寸法は狭いため、上記セルモータはシリンダとの干渉を避けようとして、上記垂線の近傍に位置することとなっている。
【0007】
一方、上記クラッチは大きなトルクを伝達する必要上、通常、その外径寸法は大きくされている。このため、上記したように垂線の近傍に位置させられたセルモータを、上記クラッチとの干渉を避けるようこのクラッチよりも上側に配設すると、上記セルモータの配設位置が高くなりがちとなる。そして、このようにセルモータの配設位置が高くなる分、車体の重心が高くなるという問題がある。
【0008】
また、上記したように、シリンダと垂線との間は狭いため、ここに配設されたセルモータは上記シリンダに接近した状態となる。
【0009】
よって、上記セルモータに対する保守、点検作業は、上記シリンダに邪魔されて煩雑になるおそれがあり、また、上記シリンダにおける燃焼熱で上記セルモータが加熱されて寿命が低下するおそれもある。
【0010】
一方、上記したセルモータによる電動式の始動装置に代えて人力によるキック式のものを採用する場合、上記動力伝達装置のミッションケースに取り付けられるセルモータに代えて、ほぼその取り付け位置に、キックペダル支持用のキック軸を取り付けることが考えられる。
【0011】
しかし、上記のようにすると、自動二輪車のハンドル等と、ライダーの一般的な体格との関係からみて、上記キックペダルの配設位置が前側に寄り過ぎるおそれがある。
【0012】
よって、上記動力伝達装置に対し、セルモータの取り付けに代えてキック軸を取り付けるということはできず、つまり、電動式の始動装置を備える自動二輪車と、キック式の始動装置を備える自動二輪車とに対し、ある一定形状の動力伝達装置を兼用させることはできないという不都合がある。
【0013】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、始動装置のセルモータをより低く配設させることにより、車体の重心を低くさせて、操縦性を向上させることを課題とする。
【0014】
また、上記セルモータに対する保守、点検作業が容易にできるようにすると共に、シリンダで加熱されることによる上記セルモータの寿命の低下を防止することを課題とする。
【0015】
更に、電動式の始動装置を備える自動二輪車と、キック式の始動装置を備える自動二輪車に対し、ある一定形状の動力伝達装置を兼用させることができるよう、つまり、部品の共通化ができるようにすることを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自動二輪車の始動装置は、次の如くである。
【0017】
請求項1の発明は、車体フレーム2と、後車輪15を支承して枢支軸13回りに上下に揺動するリヤアーム14と、走行駆動用のエンジン24と、このエンジン24からの動力を入力しチェーン巻掛手段25を介して上記後車輪15に伝達する動力伝達装置26と、この動力伝達装置26を車体フレーム2に支持させる締結具29と、上記エンジン24を始動させる始動装置27とを設け、
【0018】
上記エンジン24が、車幅方向に延びる軸心回りに回転自在となるようクランク軸31を支承するクランクケース30と、このクランクケース30から上方に向って突出するシリンダ32とを備え、
【0019】
上記動力伝達装置26が、その外殻を構成して上記クランクケース30の後側に連設されるミッションケース43と、上記クランク軸31と平行な軸心回りに回転自在となるよう上記ミッションケース43に支承される入力軸44と、上記クランク軸31と共に回転する減小歯車46と、上記入力軸44に遊転自在に支承されて上記減小歯車46に噛合する減大歯車47と、上記入力軸44と同じ軸心上で上記減大歯車47に並設され上記入力軸44と上記減大歯車47との間の動力伝達を断接自在とするクラッチ48とを備え
上記始動装置27が、セルモータ58と、上記減大歯車47を上記セルモータ58に連動連結させる複数の歯車を有する歯車式の連動手段59とを備えた自動二輪車1において、
【0020】
上記自動二輪車1の前方から後方に向って、上記クランク軸31、入力軸44、およびチェーン巻掛手段25を構成する駆動プーリ25aの各軸心をこの順序で配置し、側面視で、上記クランク軸31と駆動プーリ25aの各軸心を結ぶ第 1 仮想線Fの上方に上記入力軸44を配置し、
【0021】
上記自動二輪車1の前後方向で、上記枢支軸13と入力軸44との各軸心の間に上記駆動プーリ25aの軸心、上記動力伝達装置26の後部を車体フレーム2に支持させている締結具29、およびセルモータ58を配置し、かつ、側面視で、上記枢支軸13と入力軸44との各軸心を結ぶ第2仮想線Gの下方に上記締結具29を配置する一方、上記第2仮想線Gの上方に上記セルモータ58を配置し、
【0022】
側面視で、上記クラッチ48の軸心を通る垂線60よりも後側で、上記ミッションケース43の上部に上記始動装置27のセルモータ58を取り付け、上記連動手段59の複数の歯車のうち少なくとも一つの歯車71の中心は上記セルモータ58の中心よりも後方に位置し、上記セルモータ58の下端は当該歯車71の上端よりも下方に位置するとともに上記減大歯車47の上端よりも下方に位置し、上記セルモータ58の前端は上記減大歯車47の後端よりも前方に位置するものである。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記垂線60よりも後側で、上記ミッションケース43の上部内に上記連動手段59を配設したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0025】
図2、3において、符号1は自動二輪車で、矢印Frはその前方を示し、下記する左右とは上記前方に向っての車幅方向をいうものとする。
【0026】
上記自動二輪車1の車体フレーム2は、その前端部にヘッドパイプ3を有し、このヘッドパイプ3の上部から後下方に向って主フレーム4が延出している。この主フレーム4の延出端から下方に向ってリヤアームブラケット5が延出している。また、上記ヘッドパイプ3の下部から一旦下方に向ってほぼヘッドパイプ3の長さ程度が一本にて延出し、更に、ここから二又状に分岐して延出した後、後方に向ってほぼ水平に延出する左右一対のダウンチューブ6が設けられ、上記各リヤアームブラケット5と、上記各ダウンチューブ6の延出端同士が互いに結合させられている。
【0027】
上記主フレーム4の延出端と、各リヤアームブラケット5の延出端とに締結具9によりシートブラケット10が支持されている。このシートブラケット10は、上記リヤアームブラケット5側から後上方に向って突出し、繊維強化樹脂製(FRP製)でモノコックフレームとされ、中空であって内部空間11を有している。
【0028】
上記ヘッドパイプ3には、不図示のフロントフォークが操向自在に支承され、このフロントフォークの下端には前車輪が支承される一方、上記フロントフォークの上端にはハンドルが取り付けられている。
【0029】
上記リヤアームブラケット5の下部には、枢支軸13によりリヤアーム14が上下に揺動自在に枢支され、このリヤアーム14の揺動端に後車輪15が支承されている。上記主フレーム4の延出端と、上記リヤアーム14との間には緩衝器16がリンク機構17を介して架設されている。上記後車輪15をその上方から覆うフェンダ18が設けられ、このフェンダ18は上記シートブラケット10の後端に支持されている。
【0030】
上記主フレーム4には燃料タンク21が支持され、また、この燃料タンク21の上面から上記シートブラケット10の上面にかけてシート22が載置されて支持されている。
【0031】
図1〜4において、走行駆動用の内燃機関である4サイクルエンジン24と、このエンジン24から出力される動力を入力して後車輪15側であるチェーン巻掛手段25に出力する動力伝達装置26とが上記車体フレーム2に支持されている。つまり、上記エンジン24に、上記チェーン巻掛手段25と動力伝達装置26とを介し上記後車輪15が連動連結されている。また、上記エンジン24を始動させる始動装置27が設けられている。
【0032】
上記エンジン24は、上記車体フレーム2に締結具29により締結されたクランクケース30と、このクランクケース30に車幅方向に延びる軸心回りに回転自在となるよう支承されるクランク軸31と、上記クランクケース30からほぼ垂直に上方に向って突出するシリンダ32とを備えている。また、上記クランクケース30は、上記クランク軸31を支承する左右一対のケース半割り体の組み合わせからなるケース本体30aと、このケース本体30aの左右の各側部開口を開閉自在に閉じる左右ケースカバー30b,30cとを備えている。
【0033】
上記シリンダ32の後面から後方に向って吸気管35が延出している。この吸気管35の中途部には気化器36が介設され、この気化器36には上記燃料タンク21から燃料が供給される。この場合、左側のリヤアームブラケット5は前側に折り曲げられて、気化器36の左側方が車外に向って開放され、この気化器36の保守、点検作業が容易にできることとされている。上記吸気管35の延出端にはエアクリーナ37が取り付けられ、このエアクリーナ37は上記シートブラケット10の内部空間11にて兼用構成され、構成の簡素化が図られている。また、上記シートブラケット10の上面板には、上記内部空間11の内外を連通させる空気導入口38が形成され、また、上記シート22の下面には、自動二輪車1の後方の外部を上記空気導入口38に連通させる溝形状の空気通路39が形成されている。
【0034】
上記自動二輪車1の後方の外部は、上記空気通路39、空気導入口38、エアクリーナ37、気化器36、吸気管35、およびシリンダ32の後面に形成された吸気孔を通して、上記シリンダ32内に連通させられている。
【0035】
一方、上記シリンダ32の前面から一旦前方に向って延出した後、折り曲げられて後方に向って延出する排気管41が設けられ、上記シリンダ32の内部は、このシリンダ32の前面に形成された排気孔、および上記排気管41を通して、自動二輪車1の後方の外部に連通させられている。
【0036】
前記動力伝達装置26は、その外殻を構成して上記クランクケース30の後側に連設されるミッションケース43と、上記クランク軸31と平行な軸心回りに回転自在となるよう上記ミッションケース43に支承される入力軸44と、この入力軸44と平行な軸心回りに回転自在となるよう上記ミッションケース43に支承される不図示の他の一つの減速軸とを備えている。上記ミッションケース43は、上記クランクケース30のケース本体30aに一体成形されたケース本体43aと、このケース本体43aの左右の各側部開口を開閉自在に閉じる左右ケースカバー43b,43cとを備え、上記クランクケース30と上記ミッションケース43との各左側のケースカバー30b,43bは互いに一体成形され、各右側のケースカバー30c,43cは互いに一体成形されている。
【0037】
また、上記動力伝達装置26は、上記クランク軸31の軸心上で、このクランク軸31に取り付けられて、このクランク軸31と共に回転する減小歯車46と、上記入力軸44にその軸心回りに遊転自在に支承されて上記減小歯車46に噛合する減大歯車47と、上記入力軸44と同じ軸心上で上記減大歯車47に並設され上記入力軸44と上記減大歯車47との間の動力伝達を断接自在とする多板摩擦クラッチ48とを備えている。
【0038】
上記クラッチ48は、上記入力軸44にその軸心回りで遊転自在となるよう支承されて上記減大歯車47と共に回転するクラッチ駆動側49と、このクラッチ駆動側49と摩擦接合可能とされて上記入力軸44と共に回転するクラッチ従動側50とを備えている。上記減大歯車47とクラッチ48の各外径寸法はほぼ同じ寸法とされている。
【0039】
上記エンジン24が駆動する際には、上記シリンダ32の吸引力により車外の空気53が上記空気通路39と空気導入口38を通して上記エアクリーナ37に吸入され、ここで浄化された後、気化器36に向わされる。上記空気53が上記気化器36を通過するとき、燃料が混合させられて混合気が生成され、これが上記吸気管35を通して上記シリンダ32内に吸入され燃焼に供される。この燃焼により生じた動力は上記クランク軸31から出力される。また、上記燃焼で生じた燃焼ガスは排気54として上記排気管41を通して車外に排出される。
【0040】
上記クランク軸31から出力された動力(図1中矢印A)は、上記減小歯車46、減大歯車47、および接続動作したクラッチ48を介して上記入力軸44に入力され、この入力軸44が回転させられる(図1中矢印B)。また、上記入力軸44に入力された動力は、減速軸や上記チェーン巻掛手段25を介して後車輪15に伝達され、これにより、自動二輪車1は走行面上を走行可能とされている。
【0041】
前記始動装置27は、電動式であって、始動用駆動源57であるセルモータ58と、上記セルモータ58に上記減大歯車47を連動連結させる歯車式の連動手段59とを備えている。
【0042】
側面視(図1、2)で、上記クラッチ48の軸心を通る垂線60よりも後側で、上記ミッションケース43の上部に、上記セルモータ58が締結具62により着脱自在に取り付けられている。
【0043】
この場合、上記セルモータ58は上記垂線60を基準として上記シリンダ32とは逆方向に位置させられている。このため、上記シリンダ32とセルモータ58とは垂線60を挟んで前後に大きく離れることから、上記セルモータ58に対する保守、点検作業は、上記シリンダ32に邪魔されることなく、容易にできることとなり、また、上記シリンダ32からの熱で上記セルモータ58が加熱されるということも抑制される。
【0044】
また、上記クラッチ48は大きなトルクを伝達する必要上、その外径寸法は大きくされていて、このクラッチ48における上記垂線60の近傍の上部の部分は高いところに位置するが、上記したように、垂線60の後側にセルモータ58を位置させたため、このセルモータ58は上記シリンダ32やクラッチ48との干渉を避けて、より低く位置させることができ、その分、車体の重心を低くさせることができる。
【0045】
更に、上記したようにセルモータ58は上記垂線60の後側でミッションケース43に取り付けられるため、上記セルモータ58の配設位置が上記垂線の前側とされた従来の技術に比べて十分に後寄りとなる。
【0046】
よって、このセルモータ58に代えて、ほぼその取り付け位置にキックペダル64支持用のキック軸65を取り付ければ、自動二輪車1のハンドル等と、ライダーの一般的な体格との関係からみて、上記キックペダル64の配設位置が前過ぎになることが防止されて前後方向でより適正にできる。
【0047】
この結果、電動式の始動装置27を備える自動二輪車1と、キック式の始動装置27を備える自動二輪車1に対し、ある一定形状の動力伝達装置26をあまり大きな改変を加えることなく兼用させることができ、つまり、部品の共通化ができて、部品管理上等で有益である。
【0048】
また、上記垂線60よりも後側で、上記ミッションケース43の上部内に上記連動手段59を配設してある。
【0049】
このため、上記連動手段59も、セルモータ58と共に、シリンダ32やクラッチ48との干渉を避けて、より低く位置させることができる。
【0050】
よって、その分、車体の重心を低くさせることができて、操縦性の点で有益である。
【0051】
図1、2、4において、上記連動手段59は、上記入力軸44と平行に並設されて上記ミッションケース43にそれぞれ締結具67により取り付けられた一対の中間軸68,69を備えている。
【0052】
上記中間軸68,69のうち、一方の中間軸68には、入力歯車71が遊転自在に支承されている。上記始動用駆動源57であるセルモータ58は、その出力軸が図1中矢印Cのように回転して、始動用の動力を出力し、上記入力歯車71はこの動力を入力して図1中矢印Dのように回転させられる。上記した一方の中間軸68には、出力歯車72が遊転自在に支承され、この出力歯車72は上記始動用の動力を出力する(図1中矢印D)。この出力歯車72は上記減大歯車47に直接噛合させられている。また、上記入力歯車71よりも径小で、この入力歯車71と一体的に回転する他の入力歯車73が設けられている。また、上記した一方の中間軸68には、上記出力歯車72と同じ軸心上に並設された他の出力歯車74が遊転自在に支承されている。
【0053】
上記出力歯車72と他の出力歯車74との間にはワンウェイクラッチ76が介在させられている。このワンウェイクラッチ76は、上記一方の中間軸68に遊転自在に外嵌される円環状のインナハウジング77と、このインナハウジング77に遊転自在に外嵌される円環状のアウタハウジング78と、これら両ハウジング77,78を係脱させる係脱手段79とで構成され、この係脱手段79は楔状の溝に嵌入させたコロや、楔作用のコロなどで構成されて周知のものである。
【0054】
上記ワンウェイクラッチ76を構成するインナハウジング77、アウタハウジング78、および係脱手段79は軸方向で互いに同じところに位置させられている。そして、上記インナハウジング77と同じ軸心上に上記他の出力歯車74が並設されると共に互いに一体成形されている。また、上記アウタハウジング78の外周面に上記出力歯車72が一体成形され、つまり、この出力歯車72も上記ワンウェイクラッチ76とその軸方向で同じところに位置させられている。
【0055】
上記した中間軸68,69のうち、他方の中間軸69には、上記入力歯車71に上記出力歯車72を連動連結させる連動歯車組81が遊転自在に支承されている。この連動歯車組81は上記他の入力歯車73と噛合する径大歯車82と、この径大歯車82と共に回転して上記他の出力歯車74と噛合する径小歯車83とを有している。
【0056】
図1、4において、上記セルモータ58の駆動により(図1中矢印C)、入力歯車71と共に他の入力歯車73を回転させれば(図1中矢印D)、この他の入力歯車73が連動歯車組81を回転させ(図1中矢印B)、これに伴い上記他の出力歯車74が回転させられる(図1中矢印D)。この場合、上記他の出力歯車74からワンウェイクラッチ76を介し出力歯車72に動力が伝達されようとするときのみ、上記ワンウェイクラッチ76の係脱手段79がインナハウジング77とアウタハウジング78とを係止させて、上記他の出力歯車74から出力歯車72へ動力を伝達させるようになっている。
【0057】
そして、このように出力歯車72に伝達された動力は、上記減大歯車47と減小歯車46を介してクランク軸31に伝達され、クランキングによる始動が達成される。
【0058】
なお、上記始動装置27において、セルモータ58に代えて、キックペダル64を用いようとするときには、上記中間軸68に代えてミッションケース43に対しキック軸65を回転自在に支承させ、このキック軸65に上記他の入力歯車73を固定させるよう取り付ければよい。なお、上記ミッションケース43におけるセルモータ58の取り付け位置に、このセルモータ58に代えて上記キック軸65を支承させると共にこのキック軸65と共に回転する駆動歯車を設け、この駆動歯車に上記入力歯車71もしくは他の入力歯車73を噛合させるようにしてもよい。
【0059】
図2、5において、上記エンジン24のクランクケース30を前下方から覆ってこれを保護するエンジンガード86が設けられている。このエンジンガード86はFRP製であって、上記した左右ダウンチューブ6,6に左右一対の締結具87,87によって着脱自在に締結されている。
【0060】
上記エンジンガード86は正面視断面がほぼU字形状をなして十分の強度と剛性が与えられており、このエンジンガード86の内部には前後一対の電装品であるバッテリ88,88が緩衝材89を介して支持されている。つまり、上記エンジンガード86の内部空間が各バッテリ88の収納に有効利用され、その分、車体のコンパクト化が図られている。また、上記各バッテリ88は上記左右ダウンチューブ6,6間に配設されているため、上記各バッテリ88の保護がより確実とされている。また、上記エンジンガード86の各側部には、その内外を貫通させる排水用、軽量化用の貫通孔90が形成されている。
【0061】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0062】
請求項1の発明は、車体フレームと、後車輪を支承して枢支軸回りに上下に揺動するリヤアームと、走行駆動用のエンジンと、このエンジンからの動力を入力しチェーン巻掛手段を介して上記後車輪に伝達する動力伝達装置と、この動力伝達装置を車体フレームに支持させる締結具と、上記エンジンを始動させる始動装置とを設け、
【0063】
上記エンジンが、車幅方向に延びる軸心回りに回転自在となるようクランク軸を支承するクランクケースと、このクランクケースから上方に向って突出するシリンダとを備え、
【0064】
上記動力伝達装置が、その外殻を構成して上記クランクケースの後側に連設されるミッションケースと、上記クランク軸と平行な軸心回りに回転自在となるよう上記ミッションケースに支承される入力軸と、上記クランク軸と共に回転する減小歯車と、上記入力軸に遊転自在に支承されて上記減小歯車に噛合する減大歯車と、上記入力軸と同じ軸心上で上記減大歯車に並設され上記入力軸と上記減大歯車との間の動力伝達を断接自在とするクラッチとを備え
上記始動装置が、セルモータと、上記減大歯車を上記セルモータに連動連結させる複数の歯車を有する歯車式の連動手段とを備えた自動二輪車において、
【0065】
上記自動二輪車の前方から後方に向って、上記クランク軸、入力軸、およびチェーン巻掛手段を構成する駆動プーリの各軸心をこの順序で配置し、側面視で、上記クランク軸と駆動プーリの各軸心を結ぶ第 1 仮想線の上方に上記入力軸を配置し、
【0066】
上記自動二輪車の前後方向で、上記枢支軸と入力軸との各軸心の間に上記駆動プーリの軸心、上記動力伝達装置の後部を車体フレームに支持させている締結具、およびセルモータを配置し、かつ、側面視で、上記枢支軸と入力軸との各軸心を結ぶ第2仮想線の下方に上記締結具を配置する一方、上記第2仮想線の上方に上記セルモータを配置し、
【0067】
側面視で、上記クラッチの軸心を通る垂線よりも後側で、上記ミッションケースの上部に上記始動装置のセルモータを取り付け、上記連動手段の複数の歯車のうち少なくとも一つの歯車の中心は上記セルモータの中心よりも後方に位置し、上記セルモータの下端は当該歯車の上端よりも下方に位置するとともに上記減大歯車の上端よりも下方に位置し、上記セルモータの前端は上記減大歯車の後端よりも前方に位置するものである。
【0068】
このため、上記セルモータは上記垂線を基準として上記シリンダとは逆方向に位置することとなる。
【0069】
よって、上記シリンダとセルモータとは垂線を挟んで前後に大きく離れることから、上記セルモータに対する保守、点検作業は、上記シリンダに邪魔されることなく、容易にできることとなり、また、上記シリンダからの熱で上記セルモータが加熱されるということも抑制されて、その寿命の向上が達成される。
【0070】
また、上記クラッチは大きなトルクを伝達する必要上、その外径寸法は大きくされていて、このクラッチにおける上記垂線の近傍の上部の部分は高いところに位置するが、上記したように、垂線の後側にセルモータを位置させたため、このセルモータは上記シリンダやクラッチとの干渉を避けて、より低く位置させることができる。
【0071】
よって、その分、車体の重心を低くさせることができて、操縦性の点で有益である。
【0072】
更に、上記したようにセルモータは上記垂線の後側でミッションケースに取り付けられるため、上記セルモータの配設位置が上記垂線の前側とされた従来の技術に比べて、十分に後寄りとなる。
【0073】
よって、このセルモータに代え、ほぼその取り付け位置にキックペダル支持用のキック軸を取り付ければ、自動二輪車のハンドル等と、ライダーの一般的な体格との関係からみて、上記キックペダルの配設位置が前過ぎになることが防止されて、前後方向でより適正にできる。
【0074】
この結果、電動式の始動装置を備える自動二輪車と、キック式の始動装置を備える自動二輪車に対し、ある一定形状の動力伝達装置をあまり大きな改変を加えることなく兼用させることができ、つまり、部品の共通化ができて、部品管理上等で有益である。
【0075】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記垂線よりも後側で、上記ミッションケースの上部内に上記連動手段を配設したものである。
【0076】
このため、上記連動手段も、セルモータと共に、シリンダやクラッチとの干渉を避けて、より低く位置させることができる。
【0077】
よって、その分、車体の重心を低くさせることができて、操縦性の点で有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の部分拡大図である。
【図2】 自動二輪車の部分側面図である。
【図3】 エンジンと動力伝達装置の背面図である。
【図4】 図1の4‐4線矢視断面図である。
【図5】 図2の5‐5線矢視図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車
2 車体フレーム
13 枢支軸
14 リヤアーム
15 後車輪
24 エンジン
25 チェーン巻掛手段
25a 駆動プーリ
26 動力伝達装置
27 始動装置
29 締結具
30 クランクケース
31 クランク軸
32 シリンダ
43 ミッションケース
44 入力軸
46 減小歯車
47 減大歯車
48 クラッチ
57 始動用駆動源
58 セルモータ
59 連動手段
60 垂線
64 キックペダル
65 キック軸
68,69 中間軸
71 入力歯車
72 出力歯車
76 ワンウェイクラッチ
81 連動歯車組
第1仮想線
第2仮想線

Claims (2)

  1. 車体フレームと、後車輪を支承して枢支軸回りに上下に揺動するリヤアームと、走行駆動用のエンジンと、このエンジンからの動力を入力しチェーン巻掛手段を介して上記後車輪に伝達する動力伝達装置と、この動力伝達装置を車体フレームに支持させる締結具と、上記エンジンを始動させる始動装置とを設け、
    上記エンジンが、車幅方向に延びる軸心回りに回転自在となるようクランク軸を支承するクランクケースと、このクランクケースから上方に向って突出するシリンダとを備え、
    上記動力伝達装置が、その外殻を構成して上記クランクケースの後側に連設されるミッションケースと、上記クランク軸と平行な軸心回りに回転自在となるよう上記ミッションケースに支承される入力軸と、上記クランク軸と共に回転する減小歯車と、上記入力軸に遊転自在に支承されて上記減小歯車に噛合する減大歯車と、上記入力軸と同じ軸心上で上記減大歯車に並設され上記入力軸と上記減大歯車との間の動力伝達を断接自在とするクラッチとを備え
    上記始動装置が、セルモータと、上記減大歯車を上記セルモータに連動連結させる複数の歯車を有する歯車式の連動手段とを備えた自動二輪車において、
    上記自動二輪車の前方から後方に向って、上記クランク軸、入力軸、およびチェーン巻掛手段を構成する駆動プーリの各軸心をこの順序で配置し、側面視で、上記クランク軸と駆動プーリの各軸心を結ぶ第1仮想線の上方に上記入力軸を配置し、
    上記自動二輪車の前後方向で、上記枢支軸と入力軸との各軸心の間に上記駆動プーリの軸心、上記動力伝達装置の後部を車体フレームに支持させている締結具、およびセルモータを配置し、かつ、側面視で、上記枢支軸と入力軸との各軸心を結ぶ第2仮想線の下方に上記締結具を配置する一方、上記第2仮想線の上方に上記セルモータを配置し、
    側面視で、上記クラッチの軸心を通る垂線よりも後側で、上記ミッションケースの上部に上記始動装置のセルモータを取り付け、上記連動手段の複数の歯車のうち少なくとも一つの歯車の中心は上記セルモータの中心よりも後方に位置し、上記セルモータの下端は当該歯車の上端よりも下方に位置するとともに上記減大歯車の上端よりも下方に位置し、上記セルモータの前端は上記減大歯車の後端よりも前方に位置する、自動二輪車の始動装置。
  2. 上記垂線よりも後側で、上記ミッションケースの上部内に上記連動手段を配設した請求項1に記載の自動二輪車の始動装置。
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