各図に適宜示すZ軸は、上下方向を示している。Z軸の正の側(+Z側)は上側であり、Z軸の負の側(-Z側)は下側である。以下の説明においては、Z軸と平行な方向を「上下方向Z」と呼ぶ。また、各図に適宜示すX軸およびY軸は、上下方向Zと直交する水平方向のうちの一方向をそれぞれ示している。X軸とY軸とは、互いに直交している。以下の説明においては、X軸と平行な方向を「第1水平方向X」と呼び、Y軸と平行な方向を「第2水平方向Y」と呼ぶ。また、X軸の正の側(+X側)を「第1水平方向Xの一方側」と呼び、X軸の負の側(-X側)を「第1水平方向Xの他方側」と呼ぶ。Y軸の正の側(+Y側)を「第2水平方向Yの一方側」と呼び、Y軸の負の側(-Y側)を「第2水平方向Yの他方側」と呼ぶ。なお、本実施形態において、上下方向Zは、所定方向に相当し、下側は、所定方向一方側に相当し、上側は、所定方向他方側に相当する。
なお、上下方向、水平方向、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1に示す本実施形態の電動アクチュエータ10は、車両に取り付けられる。より詳細には、電動アクチュエータ10は、例えば、車両の運転者のシフト操作に基づいて駆動されるパーク・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載される。電動アクチュエータ10は、モータ部40と、減速機構50と、出力部60と、ハウジング11と、バスバーユニット90と、回路基板70と、モータ部センサ71と、出力部センサ72と、仕切部材80と、を備える。
以下、電動アクチュエータ10の各部の説明は、電動アクチュエータ10の姿勢が、電動アクチュエータ10が組み立てられる際に後述する組立装置300のベース部310上に配置される姿勢となっている場合について行う。具体的には、モータ部40の中心軸J1が上下方向Zと平行に配置されている場合について、電動アクチュエータ10の各部の説明を行う。なお、車両に取り付けられる際の電動アクチュエータ10の姿勢は、特に限定されず、以下の説明において用いられる上下方向Z等の名称によっては限定されない。
モータ部40の中心軸J1は、各図に一点鎖線で適宜示されている。本実施形態において中心軸J1は、上下方向Zに延びている。言い換えれば、以下の説明において上下方向Zは、中心軸J1の軸方向である。以下の説明では、特に断りのない限り、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
モータ部40は、ロータ40aと、第1ベアリング44aと、第2ベアリング44bと、第3ベアリング44cと、第4ベアリング44dと、ステータ43と、マグネットホルダ46と、第1センサマグネット45と、ナット48と、を有する。すなわち、電動アクチュエータ10は、ロータ40aと、第1ベアリング44aと、第2ベアリング44bと、第3ベアリング44cと、第4ベアリング44dと、ステータ43と、マグネットホルダ46と、第1センサマグネット45と、ナット48と、を備える。本実施形態において、第1ベアリング44a、第2ベアリング44b、第3ベアリング44c、および第4ベアリング44dは、例えば、ボールベアリングである。
ロータ40aは、上下方向Zに延びる中心軸J1を中心として回転可能である。ロータ40aは、モータシャフト41と、ロータ本体42と、を有する。モータシャフト41は、上下方向Zに延びている。モータシャフト41は、中心軸J1を中心として回転可能である。モータシャフト41は、中心軸J1に対して偏心した偏心軸J2を中心とする偏心軸部41aを有する。本実施形態において偏心軸部41aは、モータシャフト41の下側部分の一部である。偏心軸部41aには、第3ベアリング44cが固定されている。偏心軸J2は、中心軸J1と平行である。偏心軸部41aは、偏心軸J2を中心として延びる円柱状である。モータシャフト41のうち偏心軸部41a以外の部分は、中心軸J1を中心として延びる円柱状である。
図2および図3に示すように、モータシャフト41は、小径部41bと、中径部41cと、大径部41gと、を有する。本実施形態において小径部41b、中径部41c、および大径部41gは、モータシャフト41の上側部分の一部である。
小径部41bは、大径部41gよりも上側に位置する。本実施形態において小径部41bは、モータシャフト41のうち最も上側に位置する部分である。小径部41bの上側の端部は、モータシャフト41の上側の端部である。図4に示すように、小径部41bの下端部は、径方向内側に窪む縮径部41fとなっている。縮径部41fの外径は、上側から下側に向かうに従って小さくなっている。小径部41bは、外周面に設けられた雄ネジ部41eを有する。すなわち、モータシャフト41は、上側の端部に雄ネジ部41eを有する。本実施形態において雄ネジ部41eは、縮径部41fを除いて小径部41bの外周面の全体に設けられている。
小径部41bは、小径部41bの上側の端部から下側に窪み中心軸J1が通る中央凹部41iを有する。中央凹部41iの内縁は、上側から見て、中心軸J1を中心とする円形状である。中央凹部41iの内側面は、中心軸J1を中心とし、内径が下側に向かうに従って小さくなるテーパ面である。中央凹部41iは、例えば、モータシャフト41に旋盤を用いた機械加工を施す際に作られるセンタ穴である。
中径部41cは、小径部41bの下側に段差を介して繋がっている。中径部41cの外径は、小径部41bの外径よりも大きい。中径部41cには、第1ベアリング44aが固定されている。より詳細には、中径部41cには、第1ベアリング44aの内輪が嵌め合わされて固定されている。中径部41cの上側の端部は、第1ベアリング44aよりも上側に位置する。
中径部41cは、中径部41cに取り付けられる部材を中径部41cに対して周方向に引っ掛けることが可能な回転止め部41dを有する。中径部41cに取り付けられる部材は、回転止め部41dに対して周方向に引っ掛けられることで、中径部41cに対して中心軸J1回りに相対回転することが抑制される。回転止め部41dは、中径部41cの上側の端部に設けられる。
図3に示すように、本実施形態において回転止め部41dは、下側に窪む凹部である。回転止め部41dは、例えば、中径部41cの上側の端部における外周縁部に設けられている。回転止め部41dは、径方向外側に開口している。本実施形態の電動アクチュエータ10において、中径部41cに取り付けられる部材は、マグネットホルダ46である。また、本実施形態の電動アクチュエータ10が組み立てられる際において、中径部41cに取り付けられる部材は、後述する第1筒部材341である。
大径部41gは、中径部41cの下側に段差を介して繋がっている。大径部41gの外径は、中径部41cの外径よりも大きい。図1に示すように、大径部41gは、モータシャフト41のうちロータ本体42が固定された部分である。大径部41gの外周面には、ロータ本体42が固定されている。大径部41gの上側の端部は、中径部41cに固定された第1ベアリング44aの内輪を下側から支持している。
第1ベアリング44aと第2ベアリング44bと第3ベアリング44cと第4ベアリング44dとは、モータシャフト41に固定されている。第1ベアリング44aと第2ベアリング44bとは、モータシャフト41を中心軸J1回りに回転可能に支持している。第1ベアリング44aは、モータシャフト41のうち大径部41gよりも上側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態において第1ベアリング44aは、中径部41cを回転可能に支持するベアリングである。第2ベアリング44bは、モータシャフト41のうち大径部41gよりも下側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態において第2ベアリング44bは、モータシャフト41の下側の端部を回転可能に支持するベアリングである。
ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されている。より詳細には、ロータ本体42は、大径部41gに固定されている。ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されたロータコア42aと、ロータコア42aの外周部に固定されたロータマグネット42bと、を有する。図示は省略するが、本実施形態においてロータマグネット42bは、周方向に沿って間隔を空けて複数設けられている。
ステータ43は、ロータ40aの径方向外側に位置する。より詳細には、ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側に隙間を介して配置されている。ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側を囲む環状である。ステータ43は、例えば、ステータコア43aと、インシュレータ43bと、複数のコイル43cと、を有する。各々のコイル43cは、インシュレータ43bを介してステータコア43aのティースに装着されている。
マグネットホルダ46は、モータシャフト41のうち大径部41gよりも上側に位置する部分に固定されている。図2および図3に示すように、本実施形態においてマグネットホルダ46は、中心軸J1を中心とする略円板状である。マグネットホルダ46は、例えば、金属製の板部材をプレス加工することで作られている。マグネットホルダ46は、被固定部46pと、マグネット固定部46qと、第1凸部46eと、第2凸部46fと、を有する。
被固定部46pは、モータシャフト41に固定された部分である。被固定部46pは、マグネットホルダ46のうち径方向内側部分である。本実施形態において被固定部46pは、上側に開口し、下側に底部を有する筒状である。被固定部46pは、例えば、中心軸J1を中心とし、上下方向Zに扁平な円筒状である。図4に示すように、被固定部46pは、マグネット固定部46qよりも下側に突出している。
被固定部46pは、底板部46dと、内側円筒部46cと、を有する。底板部46dは、板面が上下方向Zを向く板状である。図3に示すように、底板部46dは、中心軸J1を中心とする円板状である。内側円筒部46cは、底板部46dの外周縁部から上側に突出している。内側円筒部46cは、中心軸J1を中心とする円筒状である。
被固定部46pには、底板部46dを上下方向Zに貫通する孔部46kが設けられている。図4に示すように、孔部46kには、小径部41bが上下方向Zに通されている。すなわち、マグネットホルダ46は、小径部41bが上下方向Zに通された孔部46kを有する。孔部46kの内周面と小径部41bの外周面との間には、周方向の少なくとも一部において隙間が設けられている。なお、孔部46kの内周面と小径部41bの外周面とは、周方向の一部において接触していてもよい。図3に示すように、孔部46kは、円形孔部46iと、矩形孔部46jと、を有する。
円形孔部46iは、中心軸J1を中心とする円形の孔である。円形孔部46iの内径は、小径部41bの外径よりも大きい。円形孔部46iの内径は、中径部41cの外径よりも小さい。図4に示すように、円形孔部46iには、小径部41bが上下方向Zに通されている。円形孔部46iの内周面は、縮径部41fと径方向に対向している。図3に示すように、矩形孔部46jは、円形孔部46iから径方向外側に突出している。矩形孔部46jは、矩形状の孔である。
マグネット固定部46qは、第1センサマグネット45が固定された部分である。マグネット固定部46qは、マグネットホルダ46のうち径方向外側部分である。マグネット固定部46qは、被固定部46pの径方向外側に位置する。本実施形態においてマグネット固定部46qは、被固定部46pを囲む環状である。マグネット固定部46qは、例えば、中心軸J1を中心とする円環状である。マグネット固定部46qは、円環板部46aと、外側円筒部46bと、を有する。
円環板部46aは、内側円筒部46cの上端部から径方向外側に広がっている。円環板部46aは、板面が上下方向Zを向く板状である。円環板部46aは、中心軸J1を中心とする円環状である。円環板部46aは、円環板部46aを上下方向Zに貫通する貫通孔46g,46hを有する。貫通孔46gおよび貫通孔46hは、円環板部46aの径方向内側部分に設けられている。貫通孔46gおよび貫通孔46hは、例えば、矩形状の孔である。貫通孔46gと貫通孔46hとは、中心軸J1を径方向に挟んで配置されている。貫通孔46gの径方向の寸法は、貫通孔46hの径方向の寸法よりも大きい。貫通孔46g,46hには、例えば、マグネットホルダ46をモータシャフト41に固定する際に、位置決め用の治具が挿入される。また、本実施形態では、例えば、貫通孔46g,46hが設けられることで、マグネットホルダ46および第1センサマグネット45を含むアセンブリの回転バランスが調整されている。
円環板部46aの上側の面は、第1センサマグネット45が固定されたマグネット固定面46rである。すなわち、マグネットホルダ46は、マグネット固定面46rを有する。マグネット固定面46rには、溝46mが設けられている。溝46mは、貫通孔46g,46hよりも径方向外側に位置する。本実施形態において溝46mは、上下方向Zに見てモータシャフト41を囲む環状である。溝46mは、例えば、中心軸J1を中心とした円環状である。図4に示すように、溝46mは、例えば、周方向と直交する断面が下側に凸となるV字状の溝である。溝46mの上側の開口は、第1センサマグネット45によって塞がれている。
溝46mには、第1センサマグネット45をマグネットホルダ46に固定する接着剤45bが収容されている。溝46mによって接着剤45bが接触するマグネットホルダ46の表面積を大きくすることができる。これにより、接着剤45bによって、第1センサマグネット45をマグネットホルダ46に強固に固定できる。また、余った接着剤45bが溝46mに入り込むことによって、マグネット固定面46rと第1センサマグネット45との間の接着剤45bの厚さが大きくなることを抑制できる。そのため、第1センサマグネット45をマグネットホルダ46に対して上下方向Zに位置精度よく固定しやすい。これにより、第1センサマグネット45と第1センサマグネット45の磁界を検出するモータ部センサ71との上下方向Zの距離を好適にしやすい。
また、本実施形態において溝46mは環状に設けられているため、環状の第1センサマグネット45の全周においてマグネットホルダ46に対する固定強度を向上できる。また、全周において接着剤45bを溝46mに逃がすことができるため、マグネット固定面46rと第1センサマグネット45との間の接着剤45bの厚さにバラつきが生じることを抑制できる。これにより、第1センサマグネット45をマグネットホルダ46に対して、より上下方向Zに位置精度よく固定しやすい。
外側円筒部46bは、円環板部46aの外周縁部から上側に突出している。図3に示すように、外側円筒部46bは、中心軸J1を中心とし、上側に開口する円筒状である。図4に示すように、外側円筒部46bの内側には、第1センサマグネット45が嵌め合わされている。
第1凸部46eは、円環板部46aから上側に突出している。より詳細には、第1凸部46eは、貫通孔46gの内縁部のうち径方向外側に位置する部分から上側に突出している。第1凸部46eは、例えば、直方体状である。第1凸部46eの上側の端部は、外側円筒部46bの上側の端部よりも下側に位置する。
第2凸部46fは、底板部46dから下側に突出している。より詳細には、図3に示すように、第2凸部46fは、矩形孔部46jの内縁部のうち径方向外側に位置する部分から下側に突出している。第2凸部46fは、例えば、直方体状である。図4に示すように、第2凸部46fは、回転止め部41dに挿入されている。そのため、第2凸部46fが回転止め部41dの内側面に周方向に引っ掛かり、マグネットホルダ46がモータシャフト41に対して周方向に相対回転することが抑制されている。すなわち、マグネットホルダ46が中径部41cに対して中心軸J1回りに相対回転することが抑制されている。また、第2凸部46fを回転止め部41dに挿入することで、マグネットホルダ46をモータシャフト41に対して周方向に位置決めできる。第2凸部46fは、例えば、回転止め部41dに嵌め合わされている。
マグネットホルダ46の上側の面には、下側に窪む収容凹部46sが設けられている。収容凹部46sは、被固定部46pに設けられている。収容凹部46sの内部は、被固定部46pの内部である。マグネットホルダ46が金属製の板部材によって作られている場合、プレス加工によって板部材の一部を折り曲げて収容凹部46sを作ることで、マグネットホルダ46の強度を向上できる。
第1センサマグネット45は、マグネットホルダ46に固定されている。本実施形態において第1センサマグネット45は、接着剤45bによってマグネット固定面46rに固定されている。図3に示すように、第1センサマグネット45は、上下方向Zに見てモータシャフト41を囲む環状である。第1センサマグネット45は、例えば、中心軸J1を中心とする円環状である。第1センサマグネット45は、例えば、板面が上下方向Zを向く板状である。第1センサマグネット45の板面は、例えば、上下方向Zと直交している。第1センサマグネット45は、周方向に沿ってN極とS極とが交互に設けられている。第1センサマグネット45の磁界は、モータ部センサ71によって検出される。
第1センサマグネット45は、内周縁部に、径方向外側に窪む凹部45aを有する。凹部45aは、第1センサマグネット45を上下方向Zに貫通している。凹部45aは、上下方向Zの両側に開口している。図2に示すように、凹部45aには、第1凸部46eが挿入されている。第1凸部46eが凹部45aの内側面に周方向に引っ掛かることで、第1センサマグネット45がマグネットホルダ46に対して周方向に相対回転することが抑制されている。また、第1凸部46eを凹部45aに挿入することで、第1センサマグネット45をマグネットホルダ46に対して周方向に位置決めできる。
図4に示すように、第1センサマグネット45の上側の面は、外側円筒部46bの上側の端部よりも上側に位置する。第1センサマグネット45の上側の面は、モータシャフト41の上側の端部よりも下側に位置する。図1に示すように、本実施形態において、第1センサマグネット45は、回路基板70の下側の面と隙間を介して上下方向Zに対向している。
ナット48は、マグネットホルダ46をモータシャフト41に固定している。より詳細には、本実施形態においてナット48は、マグネットホルダ46を中径部41cの上側の端部に固定している。図4に示すように、ナット48は、内周面に、雄ネジ部41eと噛み合う雌ネジ部48aを有する。ナット48は、小径部41bに締め込まれている。ナット48は、底板部46dのうち孔部46kの周縁部に上側から接触し、底板部46dを中径部41cの上端面41hに押し付けている。上端面41hは、小径部41bと中径部41cとの上下方向Zの間に設けられた段差における上側を向く段差面である。これにより、マグネットホルダ46のうち孔部46kの周縁部は、ナット48と中径部41cとの上下方向Zの間に挟まれてモータシャフト41に固定されている。
このように本実施形態によれば、マグネットホルダ46をモータシャフト41に上側から近づけて孔部46kに小径部41bを通した後、ナット48を小径部41bに締め込むことで、マグネットホルダ46をモータシャフト41に固定できる。そのため、マグネットホルダ46をモータシャフト41に圧入によって固定する場合に比べて、孔部46kの大きさ等のマグネットホルダ46の寸法を厳密に管理する必要がない。これにより、マグネットホルダ46の製造を容易にできる。また、圧入する場合に比べて、マグネットホルダ46をモータシャフト41に容易に取り付けることができる。したがって、電動アクチュエータ10の組み立てを容易にできる。以上により、本実施形態によれば、電動アクチュエータ10の生産性を向上できる。
本実施形態では、ナット48を小径部41bに締め込む際、貫通孔46g,46hには治具が挿入され、当該治具によってマグネットホルダ46は、周方向に位置決めされた状態とされる。これにより、ナット48を小径部41bに締め込む際のナット48の回転に伴ってマグネットホルダ46が供回りすることを抑制できる。したがって、マグネットホルダ46が周方向にずれることを抑制できる。
ナット48の下側の端部は、収容凹部46sに収容されている。そのため、ナット48の上下方向Zの位置をより下側にしやすく、ナット48の上側の端部が上側に突出し過ぎることを抑制できる。これにより、ナット48が他の部品に干渉することを抑制できる。本実施形態では、例えば、ナット48が回路基板70に干渉することを抑制できる。本実施形態においてナット48は、上下方向Zの半分以上の部分が収容凹部46sに収容されている。ナット48の上側の端部は、収容凹部46sから上側に突出している。ナット48の上側の端部は、小径部41bの上側の端部よりも下側に位置する。ナット48の上側の端部は、第1センサマグネット45の上側の面よりも下側に位置する。ナット48の外周面は、収容凹部46sの内周面から径方向内側に離れて配置されている。
図2および図3に示すように、ナット48は、例えば、六角ナットである。本実施形態においてナット48は、緩み止めナットである。そのため、ナット48が緩むことを抑制できる。これにより、マグネットホルダ46がモータシャフト41に対してガタつくことを抑制できる。図示は省略するが、ナット48は、例えば、小径部41bに締め込まれることで雄ネジ部41eのネジ山に押し付けられる板バネ部を有する。この板バネ部から雄ネジ部41eに加えられる応力によってナット48の回転を阻害する摩擦トルクが生じる。これにより、ナット48が緩むことが抑制されている。
図1に示すように、減速機構50は、モータ部40に連結されている。本実施形態において減速機構50は、モータシャフト41の下側に連結されている。すなわち、減速機構50は、ロータ40aの下側に連結されている。減速機構50とステータ43との上下方向Zの間には、仕切部材80が配置されている。減速機構50は、ロータ本体42およびステータ43の下側に配置されている。減速機構50は、外歯ギア51と、内歯ギア52と、出力ギア53と、複数の突出部54と、を有する。
外歯ギア51は、偏心軸部41aの偏心軸J2を中心として、偏心軸J2の径方向に広がる円環板状である。図5に示すように、外歯ギア51の径方向外側面には、歯車部51bが設けられている。外歯ギア51の歯車部51bは、外歯ギア51の外周に沿って並ぶ複数の歯部51cを有する。
図1に示すように、外歯ギア51は、モータシャフト41に連結されている。より詳細には、外歯ギア51は、モータシャフト41の偏心軸部41aに第3ベアリング44cを介して連結されている。これにより、減速機構50は、モータシャフト41に連結されている。外歯ギア51は、第3ベアリング44cの外輪に径方向外側から嵌め合わされている。これにより、第3ベアリング44cは、モータシャフト41と外歯ギア51とを、偏心軸J2回りに相対的に回転可能に連結している。
本実施形態において外歯ギア51は、複数の穴部51aを有する。本実施形態において穴部51aは、外歯ギア51を上下方向Zに貫通している。図5に示すように、複数の穴部51aは、周方向に沿って配置されている。より詳細には、複数の穴部51aは、偏心軸J2を中心とする周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。穴部51aは、上下方向Zに見て円形状である。穴部51aは、内径が突出部54の外径よりも大きい。なお、穴部51aは、底部を有する穴であってもよい。
内歯ギア52は、外歯ギア51の径方向外側に位置し、外歯ギア51を囲む環状である。本実施形態において内歯ギア52は、中心軸J1を中心とする円環状である。内歯ギア52は、ハウジング11に固定されている。内歯ギア52は、外歯ギア51と噛み合っている。内歯ギア52は、基部52aと、歯車部52bと、凸部52dと、を有する。基部52aは、外歯ギア51を囲む円環状の部分である。
歯車部52bは、基部52aの内周面に全周に亘って設けられている。歯車部52bは、内歯ギア52の内周に沿って並ぶ複数の歯部52cを有する。すなわち、内歯ギア52は、複数の歯部52cを有する。複数の歯部52cは、基部52aから径方向内側に突出している。歯車部52bは、外歯ギア51の歯車部51bと噛み合っている。本実施形態において歯車部52bは、周方向の一部のみにおいて外歯ギア51の歯車部51bと噛み合っている。図5の例では、歯車部52bは、右側の部分において外歯ギア51の歯車部51bと噛み合っている。
凸部52dは、基部52aの外周面から径方向外側に突出している。すなわち、本実施形態において凸部52dは、内歯ギア52の外周面に設けられている。凸部52dの径方向外側面は、径方向外側に凸となる形状に湾曲する曲面である。凸部52dは、後述する凹部14gに挿入されている。本実施形態において凸部52dは、凹部14gに嵌め合わされている。
図1に示すように、出力ギア53は、外歯ギア51および内歯ギア52の上側に配置されている。すなわち、出力ギア53は、上下方向Zに見て外歯ギア51と重なって配置されている。出力ギア53は、モータシャフト41に第4ベアリング44dを介して接続されている。出力ギア53は、例えば、上下方向Zに見て、中心軸J1を中心とする円環状である。出力ギア53の径方向外側面には、歯車部が設けられている。出力ギア53の歯車部は、出力ギア53の外周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。出力ギア53は、後述する駆動ギア62と噛み合っている。
出力ギア53の内周縁部は、第4ベアリング44dの外輪に取り付けられた止め輪49の下側に対向して配置されている。止め輪49は、第4ベアリング44dよりも径方向外側に突出している。止め輪49によって、出力ギア53が第4ベアリング44dに対して上側に移動することが抑制されている。
複数の突出部54は、出力ギア53から外歯ギア51に向かって上下方向Zに突出している。複数の突出部54は、出力ギア53の下面から下側に突出する円柱状である。本実施形態において複数の突出部54は、出力ギア53と一体成形されている。図5に示すように、複数の突出部54は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。
突出部54の外径は、穴部51aの内径よりも小さい。複数の突出部54は、複数の穴部51aのそれぞれに上側から挿入されている。突出部54の外周面は、穴部51aの内側面と内接している。複数の突出部54は、穴部51aの内側面を介して、外歯ギア51を中心軸J1回りに揺動可能に支持している。上述したように、本実施形態において出力ギア53は止め輪49によって上側への移動が抑制されているため、出力ギア53に設けられた突出部54が穴部51aから上側に抜け出ることが抑制されている。
出力部60は、電動アクチュエータ10の駆動力を出力する部分である。図1に示すように、出力部60は、モータ部40の径方向外側に配置されている。出力部60は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、滑り軸受65と、第2センサマグネット63と、マグネットホルダ64と、を有する。すなわち、電動アクチュエータ10は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、滑り軸受65と、第2センサマグネット63と、マグネットホルダ64と、を備える。
出力シャフト61は、モータシャフト41の上下方向Zに延びる筒状である。このように、出力シャフト61がモータシャフト41と同じ方向に延びているため、モータシャフト41の回転を出力シャフト61に伝達する減速機構50の構造を簡単化できる。出力シャフト61は、減速機構50を介してモータシャフト41に連結されている。本実施形態において出力シャフト61は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。
出力中心軸J3は、出力シャフト61の中心軸である。出力中心軸J3は、中心軸J1と平行であり、中心軸J1から径方向に離れて配置されている。すなわち、モータシャフト41と出力シャフト61とは、上下方向Zと直交する方向に互いに離れて配置されている。言い換えれば、モータシャフト41と出力シャフト61とは、モータシャフト41の径方向に互いに離れて配置されている。そのため、モータシャフト41と出力シャフト61とが上下方向Zに並んで配置される場合に比べて、電動アクチュエータ10を上下方向Zに小型化できる。図1において出力中心軸J3は、例えば、中心軸J1の右側に位置する。なお、出力中心軸J3を中心とする径方向を「出力径方向」と呼ぶ。出力径方向は、出力シャフト61の径方向である。
出力シャフト61は、下側に開口している。出力シャフト61は、内周面に、スプライン溝を有する。出力シャフト61は、モータシャフト41の径方向においてロータ本体42と重なる位置に配置されている。出力シャフト61の下側部分には、シャフトフランジ部61bが設けられている。シャフトフランジ部61bは、出力径方向の外側に突出している。シャフトフランジ部61bは、出力中心軸J3を中心とする円環状である。
出力シャフト61には、下側から被駆動シャフトDSが挿入されて連結される。より詳細には、被駆動シャフトDSの外周面に設けられたスプライン部が、出力シャフト61の内周面に設けられたスプライン溝に嵌め合わされることで、出力シャフト61と被駆動シャフトDSとが連結される。被駆動シャフトDSには、出力シャフト61を介して電動アクチュエータ10の駆動力が伝達される。これにより、電動アクチュエータ10は、被駆動シャフトDSを出力中心軸J3回りに回転させる。
駆動ギア62は、出力シャフト61に固定されている。駆動ギア62は、出力シャフト61から出力ギア53に向かって延びている。駆動ギア62は、出力ギア53と噛み合っている。図示は省略するが、駆動ギア62は、例えば、上下方向Zに見て、略扇形形状である。出力中心軸J3を中心とする周方向における駆動ギア62の寸法は、出力径方向の外側に向かうに従って大きくなっている。駆動ギア62は、出力径方向の外端部に歯車部を有する。駆動ギア62の歯車部は、出力中心軸J3を中心とする周方向に沿って並ぶ複数の歯部を有する。駆動ギア62の歯車部は、出力ギア53の歯車部と噛み合っている。これにより、駆動ギア62は、減速機構50に接続されている。駆動ギア62には、減速機構50を介してモータ部40の回転が伝達される。
マグネットホルダ64は、出力中心軸J3を中心として上下方向Zに延びる略円筒状の部材である。マグネットホルダ64は、上下方向Zの両側に開口している。マグネットホルダ64は、出力シャフト61の上部に固定されている。本実施形態においてマグネットホルダ64は、モータ部40の第1ベアリング44aの径方向外側に配置されている。マグネットホルダ64は、上下方向Zに見て、回路基板70と部分的に重なっている。マグネットホルダ64は、回路基板70よりも下側に配置されている。出力シャフト61は、マグネットホルダ64の内側に圧入されている。
第2センサマグネット63は、出力中心軸J3を中心とする円環状である。第2センサマグネット63は、マグネットホルダ64の上端部に嵌め合わされている。第2センサマグネット63は、例えば、接着剤によってマグネットホルダ64と固定されている。出力シャフト61にマグネットホルダ64が固定されることで、第2センサマグネット63は、マグネットホルダ64を介して出力シャフト61に固定されている。第2センサマグネット63の一部は、回路基板70の下側の面と隙間を介して対向している。
出力シャフト61の上側の端部は、マグネットホルダ64の上側の端部よりも下側に位置する。出力シャフト61の上側の端部には、工具を嵌合可能な操作部66が設けられている。操作部66は、例えば、出力シャフト61の上側の端部から下方に窪む穴部である。操作部66の形状は、例えば、上下方向Zに見て、出力中心軸J3を中心とする正方形または正六角形である。
モータシャフト41が中心軸J1回りに回転されると、偏心軸部41aは、中心軸J1を中心として周方向に公転する。偏心軸部41aの公転は第3ベアリング44cを介して外歯ギア51に伝達され、外歯ギア51は、穴部51aの内周面と突出部54の外周面との内接する位置が変化しつつ、揺動する。これにより、外歯ギア51の歯車部と内歯ギア52の歯車部との噛み合う位置が、周方向に変化する。したがって、内歯ギア52に、外歯ギア51を介してモータシャフト41の回転力が伝達される。
ここで、本実施形態では、内歯ギア52はハウジング11の後述する第2ハウジング部材14に固定されているため回転しない。そのため、内歯ギア52に伝達される回転力の反力によって、外歯ギア51が偏心軸J2回りに回転する。このとき外歯ギア51の回転する向きは、モータシャフト41の回転する向きと反対向きとなる。外歯ギア51の偏心軸J2回りの回転は、穴部51aと突出部54とを介して、出力ギア53に伝達される。これにより、出力ギア53が中心軸J1回りに回転する。出力ギア53には、モータシャフト41の回転が減速されて伝達される。
出力ギア53が回転すると、出力ギア53に噛み合う駆動ギア62が出力中心軸J3回りに回転する。これにより、駆動ギア62に固定された出力シャフト61が出力中心軸J3回りに回転する。このようにして、出力シャフト61には、減速機構50を介してモータ部40の回転が伝達される。このような減速機構50の構成によれば、モータシャフト41の回転に対して、出力シャフト61の回転を比較的大きく減速できる。そのため、出力シャフト61の回転トルクを比較的大きくできる。したがって、電動アクチュエータ10を小型化しつつ、電動アクチュエータ10の出力を確保しやすい。本実施形態の電動アクチュエータ10において出力シャフト61は、1周しない範囲内で双方向に回転させられる。
ハウジング11は、モータ部40、減速機構50、出力シャフト61を含む出力部60、回路基板70、バスバーユニット90、および仕切部材80を収容している。ハウジング11は、第1ハウジング部材12と、蓋部材13と、第2ハウジング部材14と、を有する。すなわち、電動アクチュエータ10は、第1ハウジング部材12と、蓋部材13と、第2ハウジング部材14と、を備える。
第1ハウジング部材12は、ステータ43を内部に収容している。第1ハウジング部材12は、上側に開口する開口部12aと、下側に開口する開口部12bと、を有する。本実施形態において第1ハウジング部材12は、金属製である。第1ハウジング部材12は、例えば、ダイカストによって成形されている。図6に示すように、第1ハウジング部材12は、例えば、上下方向Zに見て、多角形状である。
第1ハウジング部材12は、電動アクチュエータ10の筐体を構成する角筒状の外壁部30と、外壁部30の下側の端部から径方向内側に広がる底壁部31と、底壁部31に設けられたモータケース部32および出力シャフト保持部33と、を有する。すなわち、ハウジング11は、外壁部30と、底壁部31と、モータケース部32と、出力シャフト保持部33と、を有する。
本実施形態において外壁部30は、上下方向Zに見て五角形の角筒状である。図1に示すように、外壁部30は、モータケース部32を径方向外側から囲む。外壁部30の上側の開口部が、第1ハウジング部材12の上側の開口部12aである。底壁部31は、下側に開口する開口部を有する。底壁部31の開口部の周縁に、底壁部31から下側に突出する筒状の筒状壁38が設けられている。筒状壁38に囲まれた開口部が、第1ハウジング部材12の下側の開口部12bである。
図6に示すように、筒状壁38は、中心軸J1および出力中心軸J3を囲む環状である。筒状壁38は、第1部分38cと、第2部分38dと、を有する。第1部分38cは、中心軸J1を囲んでいる。第1部分38cは、中心軸J1と中心とする円弧状である。第2部分38dは、出力中心軸J3を囲んでいる。第2部分38dは、出力シャフト保持部33の周囲において略折れ線状に延びて、円弧状の第1部分38cの周方向両端部を繋いでいる。
図1に示すように、モータケース部32および出力シャフト保持部33は、底壁部31の上面に設けられている。モータケース部32は、モータ部40を径方向外側から囲む筒状である。本実施形態においてモータケース部32は、中心軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。モータケース部32は、モータ部40を内側に保持している。より詳細には、モータケース部32の内周面に、モータ部40のステータ43が固定されている。モータケース部32は、底壁部31から上側に延びる筒状部32bと、筒状部32bの上側の端部から径方向内側に広がる円環板状の区画壁32aと、基板固定部32hと、を有する。
区画壁32aは、上下方向Zに見た中央に、第1ベアリング44aを保持する第1ベアリング保持部32cを有する。すなわち、第1ハウジング部材12は、第1ベアリング保持部32cを有する。第1ベアリング保持部32cは、中心軸J1を中心として上下方向Zに沿って延びる円筒状である。第1ベアリング保持部32cは、下側に開口している。第1ベアリング保持部32cの内周面に、第1ベアリング44aが保持されている。第1ベアリング44aは、第1ベアリング保持部32cの径方向内側に隙間嵌めされている。
区画壁32aがベアリングホルダを兼ねることにより、電動アクチュエータ10が上下方向Zに大型化することを抑制できる。第1ベアリング保持部32cの下側の端部の内周縁部は、面取りされている。これにより、第1ベアリング保持部32cの下側の端部における内径は、下側に向かうに従って大きくなっている。
図4に示すように、区画壁32aは、区画壁32aを上下方向Zに貫通するガイド孔32fを有する。すなわち、第1ハウジング部材12は、第1ハウジング部材12を上下方向Zに貫通するガイド孔32fを有する。ガイド孔32fは、区画壁32aのうち第1ベアリング保持部32cの内周面32eよりも径方向内側に位置する部分に設けられている。ガイド孔32fは、例えば、中心軸J1を中心とする円形状の孔である。ガイド孔32fの下側の端部は、第1ベアリング保持部32cの内部に開口している。これにより、ガイド孔32fの内部は、第1ベアリング保持部32cの上側において、第1ベアリング保持部32cの内部と繋がっている。ガイド孔32fの内径は、第1ベアリング保持部32cの内径よりも小さい。ガイド孔32fの内周面は、第1ベアリング保持部32cの内周面32eの上側に段差を介して繋がっている。この段差によって、第1ベアリング44aの外輪が上側から支持されている。
ガイド孔32fの内径は、中径部41cの外径よりも大きい。本実施形態においてガイド孔32fの内径は、大径部41gの外径よりも大きい。ガイド孔32fの内径は、第1ベアリング44aの内輪の外径よりも大きく、第1ベアリング44aの外輪の外径よりも小さい。ガイド孔32fには、モータシャフト41の一部が挿入されている。本実施形態においてガイド孔32fには、中径部41cの上側の端部および小径部41bの下側の端部が挿入されている。ガイド孔32fの上側の端部は、中径部41cの上側の端部よりも上側に位置する。本実施形態においてガイド孔32fには、モータシャフト41が上下方向Zに通されている。モータシャフト41は、ガイド孔32fを介して、区画壁32aよりも上側に突出している。マグネットホルダ46および第1センサマグネット45は、区画壁32aの上側に位置する。
ガイド孔32f内には、被固定部46pの下側の端部が挿入されている。そのため、被固定部46pの下側の端部がガイド孔32fの内部に挿入されていない場合に比べて、被固定部46pをより下側に配置でき、被固定部46pが固定される中径部41cの上端面41hをより下側に配置することができる。これにより、ナット48を締め込む小径部41bをより下側に配置することができる。したがって、ナット48を締め込む小径部41bを設けても、モータシャフト41が上側に大きくなることを抑制できる。そのため、電動アクチュエータ10が上下方向Zに大型化することを抑制できる。本実施形態において被固定部46pの上側部分は、ガイド孔32fから上側に突出している。なお、被固定部46pの全体がガイド孔32f内に収容されていてもよい。
区画壁32aの上側の面には、下側に窪む凹部32dが設けられている。凹部32dは、例えば、上下方向Zに見て、中心軸J1を中心とする円形状である。凹部32dの底面には、ガイド孔32fの上端部が開口している。凹部32dには、マグネット固定部46qの下側の端部が挿入されている。そのため、マグネット固定部46qおよび第1センサマグネット45の位置をより下側に配置することができる。これにより、電動アクチュエータ10を上下方向Zに小型化しやすい。本実施形態においてマグネット固定部46qのうち外側円筒部46bの上端部は、凹部32dから上側に突出している。第1センサマグネット45の下側部分は、凹部32d内に収容されている。第1センサマグネット45の上側部分は、凹部32dから上側に突出している。なお、マグネット固定部46qの全体および第1センサマグネット45の全体が、凹部32d内に収容されていてもよい。
図1に示すように、基板固定部32hは、区画壁32aから上側に突出している。基板固定部32hは、複数設けられている。基板固定部32hは、円柱状である。基板固定部32hは、回路基板70を下側から支持している。基板固定部32hの上側の端面には、雌ネジ孔が設けられている。基板固定部32hの雌ネジ孔には、回路基板70を上下方向Zに貫通するボルト96が上側から締め込まれている。これにより、基板固定部32hには、回路基板70が固定されている。
出力シャフト保持部33は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。出力シャフト保持部33は、底壁部31よりも下側に突出している。出力シャフト保持部33の側面の一部は、モータケース部32の側面に繋がっている。出力シャフト保持部33は、出力シャフト保持部33を上下方向Zに貫通する孔部33aを有する。孔部33aの内側には、円筒状の滑り軸受65が嵌め合わされている。
図6に示すように、第1ハウジング部材12は、固定部34,35を有する。固定部34,35は、底壁部31のうち筒状壁38よりも径方向外側に位置する部分から下側に突出している。固定部34,35は、下側の端面に雌ネジ穴36を有する。すなわち、第1ハウジング部材12は、上側に窪む雌ネジ穴36を有する。固定部34は、筒状壁38から径方向外側に離れて配置されている。固定部35の外周面の一部は、筒状壁38の外周面に繋がっている。固定部35の外周面の一部は、例えば、第2部分38dの外周面に繋がっている。本実施形態において固定部34および固定部35は、それぞれ複数ずつ設けられている。固定部34は、例えば、4つ設けられている。固定部35は、例えば、2つ設けられている。複数の固定部34と複数の固定部35を含む複数の固定部は、筒状壁38の周囲に沿って互いに間隔を空けて配置され、筒状壁38を囲んでいる。
第1ハウジング部材12は、第1封止面38aと、第1締結面37と、を有する。第1封止面38aおよび第1締結面37は、下側を向く面である。第1封止面38aおよび第1締結面37は、例えば、上下方向Zと直交する平坦面である。第1封止面38aと第1締結面37とは、互いに平行である。第1封止面38aおよび第1締結面37は、例えば、加工面である。
なお、本明細書において「或る面が加工面である」とは、或る面が、切削加工および研削加工等の機械加工が施されることによって作られていることを意味する。本実施形態において第1封止面38aおよび第1締結面37は、ダイカストによって成形された第1ハウジング部材12の表面に対して、切削加工が施されて作られた面である。
第1封止面38aの上下方向Zの位置と第1締結面37の上下方向Zの位置とは、互いに同じである。すなわち、第1封止面38aと第1締結面37とは、上下方向Zと交差する同一の仮想平面上に配置されている。本実施形態において第1封止面38aと第1締結面37とは、上下方向Zと直交する同一の仮想平面上に配置されている。
なお、本明細書において「或る面同士が、同一の仮想平面上に配置されている」とは、或る面同士が互いに平行で、かつ、或る面に直交する方向において或る面同士の位置が互いに同じであることを意味する。また、本明細書において「或る面同士が平行である」とは、或る面同士が厳密に平行な場合と、或る面同士が略平行である場合と、を含む。また、本明細書において「或る方向において或る面同士の位置が互いに同じである」とは、或る方向において或る面同士の位置が互いに厳密に同じである場合と、或る方向において或る面同士の位置が互いに略同じである場合と、を含む。第1封止面38aと第1締結面37とは、例えば機械加工の公差の範囲内において、僅かに上下方向Zの位置が互いにずれていてもよい。また、第1封止面38aと第1締結面37とは、例えば機械加工の公差の範囲内において、僅かに互いに傾いていてもよい。
本実施形態において第1封止面38aは、筒状壁38の下側の端面である。第1封止面38aは、上下方向Zに見て開口部12bを囲む環状の面である。第1封止面38aは、中心軸J1および出力中心軸J3を囲んでいる。第1封止面38aは、第1部分38eと、第2部分38fと、を有する。第1部分38eは、筒状壁38における第1部分38cの下端面である。第1部分38eは、中心軸J1と中心とし、中心軸J1を囲む円弧状である。第2部分38fは、筒状壁38における第2部分38dの下端面である。第2部分38fは、円弧状の第1部分38eの一端部から略折れ線状に延びて、第1部分38eの他端部に繋がっている。第2部分38fは、出力中心軸J3を囲んでいる。
本実施形態において第1締結面37は、複数設けられている。複数の第1締結面37は、第1締結面34aと、第1締結面35aと、を含む。本実施形態において第1締結面34aは、固定部34の下側の端面である。第1締結面34aは、複数設けられている。第1締結面34aは、例えば、4つ設けられている。第1締結面34aは、固定部34に設けられた雌ネジ穴36を囲む環状である。第1締結面34aは、第1封止面38aと離れて配置されている。
本実施形態において第1締結面35aは、固定部35の下側の端面である。第1締結面35aは、複数設けられている。第1締結面35aは、例えば、2つ設けられている。第1締結面35aは、固定部35に設けられた雌ネジ穴36を囲む環状である。第1締結面35aは、第1封止面38aと繋がっている。
図1に示すように、蓋部材13は、下側に開口する凹部13bを有する容器状の部材である。本実施形態において蓋部材13は、金属製である。蓋部材13は、例えば、ダイカストによって成形されている。蓋部材13は、第1ハウジング部材12の上側に固定されている。より詳細には、蓋部材13と第1ハウジング部材12とは、蓋部材13を上下方向Zに貫通する複数のボルトにより締結されている。蓋部材13は、第1ハウジング部材12の上側の開口部12aを閉塞している。図示は省略するが、凹部13bには、回路基板70の上面に実装された電子部品が収容されている。凹部13bには、例えば、回路基板70に実装されたキャパシタ、トランジスタなどが収容されている。蓋部材13は、出力シャフト61を上側から覆っている。
蓋部材13は、出力シャフト61の上側に位置する挿入孔13cを有する。挿入孔13cは、上下方向Zに見て操作部66と重なっている。挿入孔13cには、取り外し可能な栓部材15が取り付けられている。栓部材15は、例えば外周面に設けられた雄ネジ部が挿入孔13cの内周面に設けられた雌ネジ部に締め込まれることで、挿入孔13cに着脱可能に取り付けられている。これにより、挿入孔13cは、着脱可能に取り付けられた栓部材15によって開放可能に閉塞されている。したがって、電動アクチュエータ10の内部に挿入孔13cから異物が侵入することを抑制できる。
一方、栓部材15を取り外すことにより、挿入孔13cを介して、電動アクチュエータ10の外部から操作部66に多角柱状のレンチ等の工具を挿入することが可能となる。これにより、工具を出力シャフト61に連結することができる。工具が出力シャフト61に連結された状態において、工具を出力中心軸J3回りに回転させることで、出力シャフト61を回転させることが可能である。
第2ハウジング部材14は、減速機構50を下側から覆っている。本実施形態において第2ハウジング部材14は、金属製である。第2ハウジング部材14は、例えば、ダイカストによって成形されている。第2ハウジング部材14は、第1ハウジング部材12の下側に固定されている。より詳細には、図7に示すように、第2ハウジング部材14は、第1ハウジング部材12の下側にボルト97で固定されている。ボルト97は、雌ネジ穴36に締め込まれている。図8に示すように、ボルト97は、複数設けられている。複数のボルト97は、複数の雌ネジ穴36にそれぞれ下側から締め込まれている。本実施形態において第2ハウジング部材14は、後述するブラケット100と共締めされて第1ハウジング部材12に固定されている。図1に示すように、第2ハウジング部材14は、第1ハウジング部材12の下側の開口部12bを閉塞している。
第2ハウジング部材14は、収容部14pと、フランジ部14cと、を有する。収容部14pは、上側に開口する容器状の部分である。収容部14pは、減速機構50を内部に収容している。これにより、第2ハウジング部材14は、減速機構50を内部に収容している。収容部14pは、第2ベアリング保持部14aと、内側底壁部14fと、内側周壁部14bと、外側底壁部14jと、外側周壁部14kと、円筒部14rと、を有する。すなわち、第2ハウジング部材14は、第2ベアリング保持部14aと、内側底壁部14fと、内側周壁部14bと、外側底壁部14jと、外側周壁部14kと、円筒部14rと、を有する。
第2ベアリング保持部14aは、中心軸J1を中心とする円筒状である。第2ベアリング保持部14aは、上側に開口し、下側に底部14dを有する。第2ベアリング保持部14aは、内側周壁部14bよりも内径が小さく、内側周壁部14bよりも下側に位置する。第2ベアリング保持部14aは、第2ベアリング44bを保持する。第2ベアリング44bは、第2ベアリング保持部14aの径方向内側に嵌め合わされている。より詳細には、第2ベアリング44bは、第2ベアリング保持部14aの径方向内側に隙間嵌めされている。第2ベアリング44bと底部14dとの上下方向Zの間には、予圧部材47が配置されている。予圧部材47は、例えば、周方向に沿って延びる円環状のウェーブワッシャである。予圧部材47は、底部14dの上側の面と第2ベアリング44bの外輪の下側の端部とに接触している。予圧部材47は、第2ベアリング44bの外輪に対して上向きの予圧を加えている。
内側底壁部14fは、第2ベアリング保持部14aの上側の端部から径方向外側に広がっている。内側底壁部14fは、中心軸J1を中心とする円環状である。内側周壁部14bは、内側底壁部14fの外周縁部から上側に延びている。内側周壁部14bは、第2ベアリング保持部14aよりも径方向外側に位置する。内側周壁部14bは、中心軸J1を中心とする円筒状である。内側周壁部14bは、上側に開口している。内側周壁部14bの内部には、内歯ギア52が嵌め合わされている。本実施形態において内側周壁部14bの内部には、内歯ギア52が圧入されている。
図5に示すように、内側周壁部14bの内周面には、径方向外側に窪む凹部14gが設けられている。凹部14gには、凸部52dが挿入されている。これにより、凸部52dが凹部14gに対して周方向に引っ掛かり、内歯ギア52がハウジング11に対して周方向に相対回転することが抑制されている。本実施形態において凹部14gには、凸部52dが嵌め合わされている。
図9に示すように、外側底壁部14jは、内側周壁部14bの上側の端部から径方向外側に広がっている。外側底壁部14jの上下方向Zに見た外形は、筒状壁38の上下方向Zに見た外形と同様の形状である。外側周壁部14kは、外側底壁部14jの外周縁部から上側に延びている。外側周壁部14kは、内側周壁部14bよりも径方向外側に位置する。外側周壁部14kの上下方向Zに見た外形は、筒状壁38の上下方向Zに見た外形と同様の形状である。外側周壁部14kは、上側に開口する開口部14sを有する。図1に示すように、第2ハウジング部材14の開口部14sは、第1ハウジング部材12の下側の開口部12bと上下方向Zに対向している。外側周壁部14kの径方向内側には、出力ギア53が収容されている。
図8に示すように、円筒部14rは、外側底壁部14jから下側に突出している。円筒部14rは、出力中心軸J3を中心とし、上下方向の両側に開口する円筒状である。円筒部14rは、下側に開口する開口部14eを有する。図1に示すように、開口部14eは、出力部60と上下方向Zに重なっている。円筒部14rの内側には、出力シャフト61の下側の端部が嵌め合わされている。出力シャフト61の下側の端部は、開口部14eを通じて下側に露出している。円筒部14rの上側の端部は、シャフトフランジ部61bを下側から支持している。
図9に示すように、フランジ部14cは、収容部14pの上側の端部から径方向外側に広がっている。本実施形態においてフランジ部14cは、外側周壁部14kの上側の端部から径方向外側に広がっている。フランジ部14cは、収容部14pの上側の開口部14sを囲む環状である。本実施形態においてフランジ部14cは、中心軸J1および出力中心軸J3を囲んでいる。
フランジ部14cは、フランジ部14cを上下方向Zに貫通する第2貫通孔14iを有する。すなわち、第2ハウジング部材14は、第2ハウジング部材14を上下方向Zに貫通する第2貫通孔14iを有する。第2貫通孔14iは、複数設けられている。第2貫通孔14iは、例えば、6つ設けられている。複数の第2貫通孔14iは、フランジ部14cが延びる周方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。複数の第2貫通孔14iは、中心軸J1および出力中心軸J3を囲んでいる。図7に示すように、第2貫通孔14iには、ボルト97が通されている。
図9に示すように、フランジ部14cは、第2封止面14hと、第2締結面14mと、を有する。第2封止面14hおよび第2締結面14mは、上側を向く面である。第2封止面14hおよび第2締結面14mは、例えば、上下方向Zと直交する平坦面である。第2封止面14hと第2締結面14mとは、互いに平行である。第2封止面14hおよび第2締結面14mは、例えば、加工面である。本実施形態において第2封止面14hおよび第2締結面14mは、ダイカストによって成形された第2ハウジング部材14の表面に対して、切削加工が施されて作られた面である。
第2封止面14hの上下方向Zの位置と第2締結面14mの上下方向Zの位置とは、互いに同じである。すなわち、第2封止面14hと第2締結面14mとは、上下方向Zと交差する同一の仮想平面上に配置されている。本実施形態において第2封止面14hと第2締結面14mとは、上下方向Zと直交する同一の仮想平面上に配置されている。本実施形態において第2封止面14hと第2締結面14mとは、互いに繋がっている。第2封止面14hと第2締結面14mとは、フランジ部14cの上側の面の一部を構成している。
第2封止面14hは、中心軸J1および出力中心軸J3を囲む環状の面である。第2封止面14hは、外側周壁部14kに沿って延びている。図7に示すように、第2封止面14hは、第1封止面38aと封止材200を介して接触している。封止材200は、第1封止面38aと第2封止面14hとの間の全周に亘って環状に設けられている。
本実施形態において封止材200は、液体ガスケットである。封止材200は、硬化した状態となっている。封止材200は、第1封止面38aまたは第2封止面14hに未硬化の状態で塗布され、第1封止面38aと第2封止面14hとが未硬化の封止材200を介して互いに押し付けられた後に硬化する。第1封止面38aと第2封止面14hとが未硬化の封止材200を介して互いに押し付けられることで、未硬化の封止材200は、薄く引き伸ばされる。薄く引き伸ばされた封止材200の厚さは、例えば、第1封止面38aおよび第2封止面14hに施された機械加工の公差以下となっている。なお、図7においては、封止材200を模式的に示している。
図9に示すように、第2締結面14mは、第2封止面14hの外側に繋がっている。本実施形態において第2締結面14mは、複数設けられている。第2締結面14mは、例えば、6つ設けられている。第2締結面14mは、フランジ部14cの上側の面のうち第2貫通孔14iの周縁部である。各第2締結面14mは、各第2貫通孔14iを囲む環状である。図7に示すように、第2締結面14mは、第1締結面37と接触している。第2締結面14mは、第1締結面37に対してボルト97で固定されている。
図1に示すように、バスバーユニット90は、区画壁32aの上面に配置されている。バスバーユニット90は、円環板状のバスバーホルダ91と、バスバーホルダ91に保持された複数のバスバー92と、を有する。バスバー92は、例えば、6本設けられている。本実施形態においてバスバーホルダ91は、バスバー92をインサート部材とするインサート成形によって作られている。バスバーホルダ91は、例えば、複数のボルト95によって、モータケース部32の区画壁32aに固定されている。ボルト95は、例えば、3つ設けられている。
バスバー92の一方側の端部92aは、バスバーホルダ91の上面から上側へ突出している。本実施形態においてバスバー92の一方側の端部92aは、回路基板70を下側から上側に貫通している。端部92aは、回路基板70を貫通する位置で、はんだ付け、溶接、圧入などの接続方法によって回路基板70と電気的に接続されている。図示は省略するが、バスバー92の他方側の端部は、ステータ43のコイル43cから引き出されるコイル引出線を把持し、半田付けまたは溶接によりコイル43cと接続されている。これにより、ステータ43と回路基板70とが、バスバー92を介して電気的に接続されている。
本実施形態において回路基板70は、モータ部40およびバスバーユニット90の上側に配置されている。回路基板70は、板面が上下方向Zと直交する板状である。回路基板70には、モータ部センサ71および出力部センサ72が取り付けられている。図示は省略するが、回路基板70の上下方向Zに見た形状は、概ね正方形状である。回路基板70は、バスバーユニット90を介して、ステータ43のコイル43cと電気的に接続されている。すなわち、回路基板70は、モータ部40と電気的に接続されている。本実施形態において回路基板70は、第1ハウジング部材12における開口部12aの内側に収容されている。回路基板70は、蓋部材13によって上側から覆われている。回路基板70は、例えば、複数のボルト96によって、モータケース部32の基板固定部32hに固定されている。
モータ部センサ71は、回路基板70の下面に固定されている。より詳細には、モータ部センサ71は、回路基板70の下側の面のうち第1センサマグネット45と隙間を介して上下方向Zに対向する部分に固定されている。モータ部センサ71は、第1センサマグネット45の磁界を検出可能な磁気センサである。モータ部センサ71は、例えば、ホールIC等のホール素子である。図示は省略するが、モータ部センサ71は、例えば、周方向に沿って3つ設けられている。モータ部センサ71は、第1センサマグネット45の磁界を検出することで第1センサマグネット45の回転位置を検出してモータシャフト41の回転を検出する。
出力部センサ72は、回路基板70の下面に固定されている。より詳細には、出力部センサ72は、回路基板70の下側の面のうち第2センサマグネット63と隙間を介して上下方向Zに対向する部分に固定されている。出力部センサ72は、第2センサマグネット63の磁界を検出可能な磁気センサである。出力部センサ72は、例えば、ホールIC等のホール素子である。出力部センサ72は、第2センサマグネット63の磁界を検出することで第2センサマグネット63の回転位置を検出して出力シャフト61の回転を検出する。
図8に示すように、電動アクチュエータ10は、ブラケット100をさらに備える。本実施形態においてブラケット100は、金属製である。ブラケット100は、例えば、金属製の板部材にプレス加工を施すことで作られている。ブラケット100は、ハウジング11に固定されている。ブラケット100は、車両に固定される部材である。電動アクチュエータ10は、ブラケット100が車両に固定されることで、車両に取り付けられる。ブラケット100は、ハウジング11の下側に位置する。なお、図1においては、ブラケット100の図示を省略している。
図8に示すように、ブラケット100は、基部101と、ガイド部102と、取付部103と、を有する。基部101は、板面が上下方向Zを向く板状である。基部101の板面は、上下方向Zと直交している。基部101は、ハウジング11を下側から覆っている。基部101は、上下方向Zに見て概略矩形状である。基部101は、基部101の中央部分を上下方向Zに貫通する貫通孔104を有する。すなわち、ブラケット100は、貫通孔104を有する。貫通孔104には、上側から収容部14pが通されている。収容部14pは、貫通孔104を介して基部101よりも下側に突出している。貫通孔104の内縁は、外側周壁部14kの外周面と隙間を介して対向している。貫通孔104の内縁は、外側周壁部14kの外周面に沿った形状である。
図7に示すように、基部101は、基部101を上下方向Zに貫通する孔部101aを有する。孔部101aは、貫通孔104よりも径方向外側に位置する。図8に示すように、本実施形態において孔部101aは、複数設けられている。孔部101aは、例えば、6つ設けられている。複数の孔部101aは、貫通孔104を囲んで配置されている。孔部101aには、ボルト97が下側から通されている。
図7に示すように、基部101の上側の面は、フランジ部14cの下側の面に接触している。基部101は、フランジ部14cを固定部34,35との間で上下方向Zに挟んでいる。すなわち、ブラケット100は、フランジ部14cを第1ハウジング部材12との間で上下方向Zに挟んでいる。基部101の孔部101aに下側から通されたボルト97は、フランジ部14cの第2貫通孔14iを通り、第1ハウジング部材12の雌ネジ穴36に締め込まれている。これにより、ブラケット100と第2ハウジング部材14とは、ボルト97によって第1ハウジング部材12に共締めされて固定されている。第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とは、第2貫通孔14iを介して雌ネジ穴36に締め込まれたボルト97によって互いに固定されている。
ガイド部102は、基部101の外周縁部から上側に突出している。ガイド部102の上側の端部は、第1封止面38aおよび第1締結面37よりも上側に位置する。ガイド部102の上側の端部は、第1ハウジング部材12の下側の端部と隙間を介して径方向に対向している。図8に示すように、ガイド部102は、複数設けられている。ガイド部102は、第1ハウジング部材12の上下方向Zに見た外形に沿って延びている。
取付部103は、基部101の四隅にそれぞれ設けられている。取付部103は、車両に固定される部分である。取付部103は、板面が上下方向Zを向く板状である。取付部103の板面は、例えば、上下方向Zと直交している。取付部103は、基部101よりも下側に位置する。取付部103は、取付部103を上下方向Zに貫通する取付孔103aを有する。取付孔103aに通されたボルトが車両に締め込まれることで、ブラケット100が車両に固定される。
図10に示すように、上述した本実施形態の電動アクチュエータ10の組立方法は、配置工程S11と、第1組立工程S12と、取付工程S13と、第2組立工程S14と、を含む。本実施形態の配置工程S11から第2組立工程S14までにおいて作業者等は、図11から図20に示す組立装置300を用いる。組立装置300は、電動アクチュエータ10の組立装置である。
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
図11から図13に示すように、組立装置300は、ベース部310と、移動機構320と、押さえ部330と、延長部材340と、を備える。図12および図13に示すように、ベース部310は、第2ハウジング部材14を下側から支持する。本実施形態においてベース部310は、第2ハウジング部材14とブラケット100とを下側から支持する。図11に示すように、ベース部310は、第1ベース部材311と、第2ベース部材312と、第1ピン313と、第2ピン314と、を有する。
第1ベース部材311は、板面が上下方向Zを向く板状である。第1ベース部材311は、上下方向Zに見て、第2水平方向Yに長い長方形状である。第2ベース部材312は、第1ベース部材311の上側の面に固定されている。より詳細には、第2ベース部材312は、第1ベース部材311の上側の面のうち第2水平方向Yの一方側(+Y側)寄りの部分に固定されている。第2ベース部材312は、例えば、第1ベース部材311にボルトで固定されている。第2ベース部材312の外形は、上下方向Zに見て、略正方形状である。第2ベース部材312の外縁は、上下方向Zに見て、第1ベース部材311の外縁よりも内側に離れて配置されている。
第2ベース部材312は、上下方向Zに見た中央部に中央貫通孔312bを有する。中央貫通孔312bは、第2ベース部材312を上下方向Zに貫通している。中央貫通孔312bは、上下方向Zに見て、略円形状である。中央貫通孔312bは、第2ベース部材312のうち第1水平方向Xの他方側(-X側)に位置する側面に開口する開口部312cを有する。
第1ピン313は、第1ベース部材311の上面から上側に突出している。第1ピン313は、例えば、上下方向Zに延びる円柱状である。第1ピン313の上側の端部における上下方向Zの位置は、例えば、第2ベース部材312の上側の面における上下方向Zの位置と同じである。本実施形態において第1ピン313は、複数設けられている。第1ピン313は、例えば、3つ設けられている。2つの第1ピン313は、第2ベース部材312の第1水平方向Xの一方側(+X側)に位置する。残りの1つの第1ピン313は、第2ベース部材312の第1水平方向Xの他方側(-X側)に位置する。
第2ピン314は、第2ベース部材312の上面から上側に突出している。第2ピン314は、例えば、上下方向Zに延びる円柱状である。第2ピン314の外径は、第1ピン313の外径よりも小さい。第2ピン314の上下方向Zの寸法は、第1ピン313の上下方向Zの寸法よりも小さい。本実施形態において第2ピン314は、複数設けられている。第2ピン314は、例えば、2つ設けられている。2つの第2ピン314は、例えば、上下方向Zに見て、中央貫通孔312bを挟んで配置されている。
ベース部310は、ベース部310を上下方向Zに貫通する第1貫通孔315を有する。本実施形態において第1貫通孔315は、第1ベース部材311と第2ベース部材312とを上下方向Zに貫通している。第1貫通孔315は、例えば、円形状の孔である。本実施形態において第1貫通孔315は、中央貫通孔312bを囲んで複数設けられている。第1貫通孔315は、例えば、6つ設けられている。
第1貫通孔315は、大径孔311aと、小径孔312aと、によって構成されている。大径孔311aは、第1ベース部材311を上下方向Zに貫通している。小径孔312aは、第2ベース部材312を上下方向Zに貫通している。小径孔312aは、大径孔311aの上側に繋がっている。小径孔312aの内径は、大径孔311aの内径よりも小さい。図20に示すように、小径孔312aの内径は、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とブラケット100とを共締めして固定するボルト97のヘッド部の外径よりも大きい。
第1貫通孔315の内径、すなわち大径孔311aの内径および小径孔312aの内径は、第1ハウジング部材12に設けられた雌ネジ穴36の内径、第2ハウジング部材14に設けられた第2貫通孔14iの内径、ブラケット100に設けられた孔部101aの内径よりも大きい。第2ハウジング部材14がベース部310に支持された状態において、第1貫通孔315は、上下方向Zに見て、第2貫通孔14iおよび雌ネジ穴36と重なる。図11に示すように、複数の第1貫通孔315のうち一部の第1貫通孔315においては、小径孔312aの内部は、中央貫通孔312bの内側面に開口している。
移動機構320は、押さえ部330を上下方向Zに移動させる。移動機構320は、第1ベース部材311の上側の面に固定されている。より詳細には、移動機構320は、第1ベース部材311の上側の面のうち、第2ベース部材312よりも第2水平方向Yの他方側(-Y側)に位置する部分に固定されている。移動機構320は、例えば、エアシリンダである。移動機構320は、本体部321と、可動部322と、を有する。
本体部321は、第1ベース部材311の上側の面から上側に突出している。本体部321は、例えば、略直方体状である。本体部321の上側の端部は、第2ベース部材312よりも上側に位置する。可動部322は、本体部321から上側に突出している。可動部322は、例えば、上下方向Zに延びる円柱状である。可動部322は、本体部321に対して上下方向Zに相対移動可能である。可動部322の上側の端部には、押さえ部330が固定されている。移動機構320は、可動部322を上下方向Zに移動させることで、押さえ部330を上下方向Zに移動させることができる。
押さえ部330は、ベース部310の上側に離れて位置する。本実施形態において押さえ部330は、可動部322の上側の端部から第2水平方向Yの一方側(+Y側)に延びる細長の板部材である。押さえ部330の板面は、上下方向Zを向いている。押さえ部330は、上下方向Zに見て、第2水平方向Yに長い長方形状である。押さえ部330の先端部は、上下方向Zに見て、中央貫通孔312bと重なっている。より詳細には、押さえ部330の先端部は、上下方向Zに見て、中央貫通孔312bの中央部と重なっている。押さえ部330の先端部は、ベース部310上にモータシャフト41が配置された際に、中心軸J1が通る位置に配置されている。押さえ部330の基端部は、ボルト331によって可動部322の上側の端部に固定されている。
本実施形態において押さえ部330の先端部は、押さえ部330のうち第2水平方向Yの一方側(+Y側)の端部である。本実施形態において押さえ部330の基端部は、押さえ部330のうち第2水平方向Yの他方側(-Y側)の端部である。押さえ部330は、例えば、可動部322の中心軸回りに回転可能であってもよい。
図12および図13に示すように、延長部材340は、モータシャフト41の上側に取り付けられる。延長部材340は、上下方向Zに延びている。図13および図14に示すように、本実施形態において延長部材340は、第1筒部材341と、第2筒部材342と、ピン部材343と、を有する。第1筒部材341、第2筒部材342、およびピン部材343は、例えば、非磁性体である。すなわち、延長部材340は、例えば、非磁性体である。第1筒部材341の材料、第2筒部材342の材料、およびピン部材343の材料は、例えば、ステンレス鋼である。なお、第1筒部材341、第2筒部材342、およびピン部材343は、磁性体であってもよい。
第1筒部材341は、上下方向Zに延びる筒状の部材である。第1筒部材341は、例えば、中心軸J1を中心とし、上下方向Zの両側に開口する円筒状である。図14に示すように、第1筒部材341は、第1筒本体部341aと、引掛部341bと、を有する。
第1筒本体部341aは、中心軸J1を中心とし、上下方向Zの両側に開口する円筒状である。第1筒本体部341aは、凹部341dと、貫通部341eと、を有する。凹部341dは、第1筒本体部341aの下側の端部における外周面から径方向内側に窪んでいる。凹部341dは、径方向外側から見て、上下方向Zに延びる長方形状である。凹部341dの下側の端部は、下側に開口している。貫通部341eは、凹部341dの下側の端部を外周面から内周面まで貫通している。貫通部341eは、下側に開口している。本実施形態において貫通部341eは、第1筒本体部341aの下側の端部から上側に窪む溝である。
引掛部341bは、第1筒本体部341aの下側の端部に固定されている。図15に示すように、引掛部341bは、基部341fと、突出部341gと、を有する。基部341fは、板面が径方向を向く板部材である。基部341fは、径方向外側から見て、上下方向Zに延びる長方形状である。基部341fは、凹部341dの内部に収容されている。基部341fは、ボルト341cによって凹部341dの底面に固定されている。これにより、引掛部341bは、第1筒本体部341aにボルト341cで固定されている。ボルト341cは、第1筒本体部341aの壁部を径方向に貫通して、第1筒本体部341aの内周面よりも径方向内側に突出している。
突出部341gは、基部341fの下側の端部から径方向内側に突出している。突出部341gは、例えば、板面が上下方向Zを向く板状である。突出部341gは、貫通部341eを通って、第1筒本体部341aの内周面よりも径方向内側に突出している。突出部341gの下側の面における上下方向Zの位置は、例えば、第1筒本体部341aの下側の端面における上下方向Zの位置と同じである。
第2筒部材342は、第1筒部材341の内側に配置される。図14に示すように、第2筒部材342は、上下方向Zに延びる筒状の部材である。第2筒部材342は、例えば、中心軸J1を中心とし、上下方向Zの両側に開口する円筒状である。第2筒部材342は、第2筒本体部342aと、フランジ部342bと、を有する。
第2筒本体部342aは、中心軸J1を中心とし、上下方向Zの両側に開口する円筒状である。第2筒本体部342aの外径は、第1筒本体部341aの内径よりも小さい。第2筒本体部342aは、大径部342cと、小径部342dと、を有する。小径部342dの外径は、大径部342cの外径よりも小さい。小径部342dは、大径部342cの下側に段差を介して繋がっている。小径部342dの上下方向Zの寸法は、大径部342cの上下方向Zの寸法よりも小さい。図15に示すように、小径部342dの外周面は、ボルト341cの径方向内側の端部と対向している。
図14に示すように、フランジ部342bは、第2筒本体部342aの上側の端部から径方向外側に広がっている。フランジ部342bは、例えば、中心軸J1を中心とする円環状である。フランジ部342bの外径は、第1筒本体部341aの内径よりも大きい。フランジ部342bの外径は、例えば、第1筒本体部341aの外径と同じである。図13に示すように、延長部材340がモータシャフト41に取り付けられた状態において、フランジ部342bは、第1筒部材341の上側に隙間を介して対向して配置される。
図15に示すように、第2筒部材342は、雌ネジ部342eを有する。雌ネジ部342eは、第2筒部材342の下側の端部の内周面に設けられている。本実施形態において雌ネジ部342eは、大径部342cの内周面と小径部342dの内周面とに跨って設けられている。雌ネジ部342eは、モータシャフト41の雄ネジ部41eと噛み合わされる。雌ネジ部342eの上下方向Zの寸法は、小径部41bの上下方向Zの寸法よりも大きい。雌ネジ部342eが設けられた部分における第2筒部材342の内径は、雌ネジ部342eよりも上側に位置する部分における第2筒部材342の内径よりも小さい。
ピン部材343は、第2筒部材342の内側に配置される。図14に示すように、ピン部材343は、上下方向Zに延びている。ピン部材343は、例えば、中心軸J1を中心として、上下方向Zに延びる円柱状である。ピン部材343は、ピン本体部343aと、ピン頭部343bと、を有する。
ピン本体部343aは、中心軸J1を中心として上下方向Zに延びる円柱状である。ピン本体部343aは、大径部343cと、小径部343dと、を有する。小径部343dの外径は、大径部343cの外径よりも小さい。小径部343dは、大径部343cの下側に段差を介して繋がっている。小径部343dの上下方向Zの寸法は、大径部343cの上下方向Zの寸法よりも小さい。小径部343dの下側の端部は、下側に向かうに従って外径が小さくなる縮径部343eである。縮径部343eの外周面は、テーパ面である。
図15に示すように、小径部343dの外径は、雌ネジ部342eが設けられた部分における第2筒部材342の内径よりも小さい。大径部343cの外径は、雌ネジ部342eが設けられた部分における第2筒部材342の内径よりも大きく、かつ、雌ネジ部342eよりも上側に位置する部分における第2筒部材342の内径よりも小さい。
図14に示すように、ピン頭部343bは、ピン本体部343aの上側の端部に繋がっている。ピン頭部343bは、ピン本体部343aの上側の端部から径方向外側に広がっている。ピン頭部343bは、例えば、中心軸J1を中心とし、上下方向Zに扁平な円柱状である。ピン頭部343bの外径は、例えば、第1筒本体部341aの外径およびフランジ部342bの外径と同じである。図13に示すように、延長部材340がモータシャフト41に取り付けられた状態において、ピン頭部343bは、第2筒部材342の上側に隙間を介して対向して配置される。
本実施形態において延長部材340の外径とガイド孔32fの内径との差は、第1ベアリング44aの外径と第1ベアリング保持部32cの内径との差よりも大きい。本実施形態において延長部材340の外径は、第1筒部材341の外径である。
配置工程S11は、第2ハウジング部材14をベース部310上に配置する工程である。本実施形態の配置工程S11において作業者等は、第2ハウジング部材14の他に、ブラケット100もベース部310上に配置する。第2ハウジング部材14およびブラケット100は、第2ベース部材312上に配置される。ブラケット100の基部101は、第2ベース部材312の上面と接触する。
図12に示すように、ブラケット100は、第1ピン313が取付孔103aに通されて、上下方向Zと直交する水平方向に或る程度位置決めされる。また、図示は省略するが、第2ハウジング部材14は、第2ハウジング部材14に設けられた孔に第2ピン314が通されて、上下方向Zと直交する水平方向に位置決めされる。第2ピン314は、例えば、ブラケット100の基部101に設けられた孔を貫通して、第2ハウジング部材14に設けられた孔に通される。
図示は省略するが、第1ピン313の外周面と取付孔103aの内周面との間、および第2ピン314の外周面と第2ハウジング部材14に設けられた孔の内周面との間には、それぞれ隙間が設けられている。すなわち、本実施形態の配置工程S11においてブラケット100および第2ハウジング部材14は、当該隙間の分だけ水平方向のガタつきが許容された状態で、ベース部310上に配置される。
図13に示すように、ベース部310上に配置された第2ハウジング部材14は、収容部14pが中央貫通孔312b内に挿入される。底部14dは、第1ベース部材311の上面の上側に隙間を介して対向して配置される。第2ハウジング部材14のフランジ部14cは、第2ベース部材312の上側に位置する。
本実施形態の配置工程S11において作業者等は、第2ハウジング部材14に対して、内歯ギア52、出力部60、および予圧部材47を組み付ける。なお、配置工程S11において作業者等は、内歯ギア52、出力部60、および予圧部材47が予め組み付けられた状態の第2ハウジング部材14を、ベース部310上に配置してもよい。
第1組立工程S12は、ロータ40aと第1ベアリング44aと第2ベアリング44bとを含むロータアセンブリ40bを、第2ベアリング44bを第2ベアリング保持部14aに保持させて第2ハウジング部材14に組み付ける工程である。本実施形態においてロータアセンブリ40bは、ロータ40aと第1ベアリング44aと第2ベアリング44bとの他に、第3ベアリング44cと第4ベアリング44dと外歯ギア51と出力ギア53と、を含む。すなわち、本実施形態においてロータアセンブリ40bは、減速機構50の少なくとも一部を含む。
第1組立工程S12において作業者等は、ロータアセンブリ40bを、ベース部310上に配置された第2ハウジング部材14に上側から近づけて、モータシャフト41の下端部に固定された第2ベアリング44bを第2ベアリング保持部14aに嵌め合わせる。このとき、作業者等は、外歯ギア51を第2ハウジング部材14に組み付けられた内歯ギア52に噛み合わせ、かつ、出力ギア53を第2ハウジング部材14に組み付けられた駆動ギア62に噛み合わせる。
なお、「第1組立工程S12において第2ベアリング44bを第2ベアリング保持部14aに保持させる」とは、第2ベアリング44bの少なくとも一部が第2ベアリング保持部14a内に挿入されればよい。図13では、第2ベアリング44bの全体が第2ベアリング保持部14a内に挿入された状態を示しているが、これに限られない。本実施形態のように予圧部材47が設けられる場合、ロータアセンブリ40bを上側から第2ハウジング部材14に組み付けるのみでは、第2ベアリング44bが予圧部材47によって上側に押し上げられて、第2ベアリング44bの一部が第2ベアリング保持部14aから上側に抜け出た状態となる場合がある。
取付工程S13は、モータシャフト41の上側に、上下方向Zに延びる延長部材340を取り付ける工程である。本実施形態の取付工程S13において作業者等は、第1組立工程S12によって第2ハウジング部材14に組み付けられた状態のモータシャフト41に、延長部材340を取り付ける。図10に示すように、本実施形態の取付工程S13は、第1取付工程S13aと、第2取付工程S13bと、第3取付工程S13cと、を含む。
第1取付工程S13aは、引掛部341bをモータシャフト41に対して周方向に引っ掛けた状態で第1筒部材341をモータシャフト41に取り付ける工程である。本実施形態の第1取付工程S13aにおいて作業者等は、第1筒部材341をモータシャフト41に上側から近づけて、図15に示すように、第1筒部材341の下端部を、中径部41cのうち第1ベアリング44aよりも上側に突出している上端部に嵌め合わせる。このとき、作業者等は、引掛部341bの突出部341gを、中径部41cに設けられた回転止め部41dに嵌め合わせる。これにより、突出部341gは、回転止め部41dの内側面のうち周方向両側に位置する面に対して周方向に引っ掛かる。すなわち、引掛部341bがモータシャフト41に対して周方向に引っ掛かる。これにより、第1筒部材341は、引掛部341bがモータシャフト41に対して周方向に引っ掛けられた状態でモータシャフト41に取り付けられる。
このように、本実施形態の第1取付工程S13aにおいては、中径部41cの上端部が第1筒部材341の下端部の内側に嵌め合わされ、かつ、引掛部341bが回転止め部41dに周方向に引っ掛けられた状態で、第1筒部材341がモータシャフト41の上側に取り付けられる。モータシャフト41に取り付けられた状態において、第1筒部材341の下端面は、第1ベアリング44aの内輪に上側から接触している。なお、第1ベアリング44aの外輪は、例えば、第1ベアリング44aにおける内輪と外輪とのガタの分だけ、第1ベアリング44aの内輪よりも下側に下がった状態となるため、第1筒部材341の下端面と接触しない。第1筒部材341の内部には、モータシャフト41の小径部41bが挿入された状態となっている。
第2取付工程S13bは、雌ネジ部342eと小径部41bに設けられた雄ネジ部41eとを噛み合わせて第2筒部材342をモータシャフト41に固定する工程である。本実施形態において第2取付工程S13bは、第1取付工程S13aよりも後に設けられている。そのため、本実施形態の第2取付工程S13bにおいて作業者等は、第1筒部材341が取り付けられた状態のモータシャフト41に対して第2筒部材342を固定する。
第2取付工程S13bにおいて作業者等は、モータシャフト41に取り付けられた第1筒部材341の内側に、上側から第2筒部材342を挿入する。作業者等は、第1筒部材341の内側において、第2筒部材342の下端部をモータシャフト41の上端部、すなわち小径部41bの上端部に嵌め合わせ、第2筒部材342を中心軸J1回りに回転させる。これにより、雌ネジ部342eが雄ネジ部41eに締め込まれつつ、第2筒部材342がモータシャフト41に対して下側に移動する。
ここで、本実施形態の第2取付工程S13bにおいて作業者等は、第1筒部材341を押さえた状態で、第2筒部材342を回転させて雌ネジ部342eと雄ネジ部41eとを噛み合わせる。これにより、第2筒部材342の回転と共にモータシャフト41が回転しようとしても、押さえられた状態の第1筒部材341の引掛部341bがモータシャフト41に周方向に引っ掛かっているため、モータシャフト41の回転が抑制される。したがって、第2筒部材342を中心軸J1回りに回転させて、雌ネジ部342eを雄ネジ部41eに好適に締め込んでいくことができる。これにより、第2筒部材342をネジによってモータシャフト41に容易に固定することができる。
第2取付工程S13bにおいて作業者等は、第2筒部材342の下端部が中径部41cの上端面に接触するまで、第2筒部材342を回転させて、雌ネジ部342eを雄ネジ部41eに締め込んでいく。これにより、第2筒部材342がネジによってモータシャフト41の上端部に固定される。図13に示すように、モータシャフト41に固定された状態において第2筒部材342の上端部は、第1筒部材341の上端部よりも上側に突出している。
第3取付工程S13cは、第2筒部材342の内側にピン部材343を挿入し、ピン部材343の下側の端部をモータシャフト41の上側の端部に突き当てる工程である。第3取付工程S13cにおいて作業者等は、モータシャフト41に固定された第2筒部材342の内側に上側からピン部材343を挿入し、図15に示すように、ピン部材343の下側の端部をモータシャフト41の上側の端部に突き当てる。
本実施形態の第3取付工程S13cにおいて作業者等は、ピン部材343の下端部に設けられた縮径部343eを、小径部41bの上端部に設けられた中央凹部41iに嵌め合わせる。これにより、中央凹部41iの内周面に対して、縮径部343eの外周面が上側から突き当てられる。図13に示すように、モータシャフト41に固定された状態においてピン部材343の上端部は、第2筒部材342の上端部よりも上側に突出している。以上の第1取付工程S13a、第2取付工程S13b、および第3取付工程S13cによって、延長部材340がモータシャフト41の上側に取り付けられる。
第2組立工程S14は、ステータ43が固定された第1ハウジング部材12を、第2ハウジング部材14に組み付ける工程である。第2組立工程S14においては、モータシャフト41に延長部材340が取り付けられた状態である。図10に示すように、本実施形態において第2組立工程S14は、挿入工程S14aと、押さえ工程S14bと、移動工程S14cと、仮固定工程S14dと、取り外し工程S14eと、固定工程S14fと、を含む。
挿入工程S14aは、ステータ43が固定された第1ハウジング部材12のガイド孔32fに、延長部材340を通す工程である。挿入工程S14aにおいて作業者等は、予めステータ43が内部に固定された第1ハウジング部材12をモータシャフト41に取り付けられた延長部材340に対して上側から近づけ、図13に示すように、延長部材340をガイド孔32fに通す。なお、本実施形態の挿入工程S14aにおいて第1ハウジング部材12には、ステータ43の他に仕切部材80も固定された状態となっている。
ここで、本実施形態において組立装置300は、スペーサ部材360をさらに備える。スペーサ部材360は、ロータアセンブリ40bと第1ハウジング部材12との上下方向Zの間に配置される部材である。作業者等は、挿入工程S14aを行う前、または挿入工程S14aを行った後に、スペーサ部材360をロータアセンブリ40bと第1ハウジング部材12との上下方向Zの間に配置する。本実施形態においてスペーサ部材360は、ロータ本体42と仕切部材80とに接触した状態で上下方向Zに挟まれて、ロータアセンブリ40bと第1ハウジング部材12との上下方向Zの間に配置される。
スペーサ部材360が設けられることで、第1ハウジング部材12を移動させてガイド孔32fに延長部材340を通した後に、第1ハウジング部材12を支える力を解除しても、第1ハウジング部材12が重力によって第2ハウジング部材14に意図せず近づくことを抑制できる。このようにしてスペーサ部材360は、ベース部310に支持された第2ハウジング部材14に組み付けられたロータアセンブリ40bと、モータシャフト41に取り付けられた延長部材340がガイド孔32fに通された状態の第1ハウジング部材12とを、上下方向Zに離した状態で保持可能である。
図示は省略するが、スペーサ部材360は、例えば、上下方向Zに見て、第2水平方向Yの他方側(-Y側)に開口するU字状である。そのため、ガイド孔32fに延長部材340を通した後であっても、第2水平方向Yの一方側(+Y側)からスペーサ部材360を、ロータアセンブリ40bと第1ハウジング部材12との上下方向Zの間に挿し込むことができる。また、ガイド孔32fに延長部材340が通された状態において、スペーサ部材360を第2水平方向Yの一方側に移動させることで、ロータアセンブリ40bと第1ハウジング部材12との上下方向Zの間からスペーサ部材360を引き抜いて取り外すこともできる。
本実施形態においてガイド孔32fに通された延長部材340とガイド孔32fの内周面との間には、僅かに隙間が設けられる。これにより、延長部材340は、ガイド孔32f内において、径方向の僅かなガタつきが許容される。
押さえ工程S14bは、ガイド孔32fに通された状態の延長部材340に対して上側から下側向きに力Fを加えて延長部材340を押さえる工程である。本実施形態の押さえ工程S14bにおいて作業者等は、ピン部材343に対して上側から下側向きに力Fを加えてピン部材343を押さえる。
図16に示すように、本実施形態の押さえ工程S14bにおいて作業者等は、移動機構320を用いて押さえ部330を下側に移動させ、押さえ部330の下側の面をピン部材343の上端面に接触させる。作業者等は、押さえ部330がピン部材343に接触した後も移動機構320を駆動させ続ける。これにより、押さえ部330がピン部材343に接触した後も移動機構320によって押さえ部330に下側向きの力が加えられ続ける。したがって、移動機構320によって、押さえ部330を介してピン部材343に下側向きの力Fを加えることができる。
このようにして、押さえ部330は、ロータアセンブリ40bが、ベース部310に支持された第2ハウジング部材14に組み付けられ、かつ、モータシャフト41に延長部材340が取り付けられた状態において、延長部材340に対して上側から下側向きの力Fを加えて延長部材340を押さえることが可能である。本実施形態では、延長部材340のうちピン部材343が、押さえ部330によって上側から押さえられる。
押さえ部330から延長部材340に加えられる力Fは、例えば、予圧部材47を上下方向Zに圧縮弾性変形可能な程度の大きさの力である。力Fは、延長部材340を介してロータアセンブリ40bに加えられる。これにより、予圧部材47によって第2ベアリング44bの一部が第2ベアリング保持部14aから上側に抜け出ていた場合であっても、予圧部材47を圧縮弾性変形させて、第2ベアリング44bの全体を第2ベアリング保持部14aの内部に挿入できる。
移動工程S14cは、ガイド孔32fに延長部材340が通された状態において、ステータ43が固定された第1ハウジング部材12を下側に移動させて、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを接触させる工程である。本実施形態において移動工程S14cは、押さえ部330によって延長部材340が押さえられた状態で行われる。移動工程S14cにおいて作業者等は、スペーサ部材360を第2水平方向Yの一方側(+Y側)に移動させて取り外し、第1ハウジング部材12を下側に移動させる。第1ハウジング部材12の下側への移動は、作業者等が第1ハウジング部材12等を支持しつつ行われてもよいし、第1ハウジング部材12等が自重によって落下することで行われてもよい。
なお、第1ハウジング部材12等とは、第1ハウジング部材12と、移動工程S14cにおいて第1ハウジング部材12に固定されている部材と、を含む。すなわち、本実施形態において第1ハウジング部材12等とは、第1ハウジング部材12と、ステータ43と、仕切部材80と、を含む。
図17および図18に示すように、第1ハウジング部材12の下側への移動は、第1ハウジング部材12が第2ハウジング部材14に接触するまで行われる。図18に示すように、本実施形態では、第1ハウジング部材12の第1封止面38aと、第2ハウジング部材14の第2封止面14hと、が接触する。図示は省略するが、第1封止面38aと第2封止面14hとの間には、封止材200が設けられている。封止材200は、例えば、移動工程S14cが行われる前に、第2封止面14hに未硬化の状態で塗布される。未硬化の封止材200が第2封止面14hに塗布されるタイミングは、移動工程S14cよりも前であれば、特に限定されない。
移動工程S14cにおいて、第1ハウジング部材12が第2ハウジング部材14に近づけられていくと、ロータアセンブリ40bに含まれる第1ベアリング44aが、第1ハウジング部材12に設けられた第1ベアリング保持部32c内に嵌め合わされて保持される。このとき、第1ベアリング44aの上端部は、第1ベアリング保持部32cの下端部に設けられた面取り部によって、第1ベアリング保持部32c内に案内される。
仮固定工程S14dは、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを仮固定する工程である。仮固定工程S14dは、移動工程S14cと固定工程S14fとの間に設けられる。本実施形態の仮固定工程S14dは、図17から図19に示す仮固定機構350を用いて行われる。本実施形態において組立装置300は、仮固定機構350を備える。
仮固定機構350は、ベース部310に支持された第2ハウジング部材14と、第2ハウジング部材14に組み付けられた第1ハウジング部材12と、を仮固定する。図17および図18に示すように、仮固定機構350は、本体部350aと、仮固定ボルト353と、を有する。本体部350aは、ベース部310との間で第1ハウジング部材12および第2ハウジング部材14を挟む。
本体部350aは、基部351と、突出部352と、を有する。図17に示すように、基部351は、板面が上下方向Zを向く板状である。基部351の外形は、例えば、上下方向Zに見て、略正方形状である。基部351は、基部351を上下方向Zに貫通する貫通部351aを有する。貫通部351aは、例えば、上下方向Zに見て、第1水平方向Xに長い長方形状である。貫通部351aは、基部351のうち第1水平方向Xの他方側(-X側)の縁部に開口している。
図18に示すように、突出部352は、基部351の下面にボルト354で固定されている。突出部352は、例えば、基部351の下面から下側に延びる円柱状である。図19に示すように、本実施形態において突出部352は、複数設けられている。突出部352は、例えば、6つ設けられている。複数の突出部352は、貫通部351aを第2水平方向Yに挟んで配置される突出部352を含む。
図17に示すように、仮固定ボルト353は、本体部350aをベース部310に固定するボルトである。より詳細には、仮固定ボルト353は、基部351を第1ベース部材311に固定するボルトである。仮固定ボルト353は、例えば、4つ設けられている。4つの仮固定ボルト353は、基部351の四隅のそれぞれを第1ベース部材311に固定する。
仮固定工程S14dにおいて作業者等は、本体部350aを、第1ハウジング部材12と押さえ部330との上下方向Zの間に、第1水平方向Xの一方側(+X側)から挿し込み、本体部350aを第1ハウジング部材12の上側に載せる。このとき、貫通部351aには、延長部材340が通された状態となる。また、図18に示すように、突出部352の下面は、基板固定部32hの上側の面に接触した状態となる。これにより、本体部350aは、突出部352を介して、基板固定部32hによって下側から支持された状態となる。
ここで、本実施形態において、第1ハウジング部材12のうち上側の開口部12aの周縁部には、第1ハウジング部材12と蓋部材13との間を封止する封止材が塗布される。そのため、第1ハウジング部材12のうち上側の開口部12aの周縁部に傷等が付くと、第1ハウジング部材12と蓋部材13との間の封止性が低下する虞がある。これに対して、仮固定工程S14dにおいて仮固定機構350は、突出部352を介して、基板固定部32hに支持される。そのため、仮固定機構350を第1ハウジング部材12に対して取り付けても、開口部12aの周縁部に傷等が付くことを抑制できる。これにより、第1ハウジング部材12と蓋部材13との間の封止性が低下することを抑制できる。
本体部350aを第1ハウジング部材12上に配置した後、作業者等は、各仮固定ボルト353を基部351の四隅に設けられた貫通孔に上側から通して、各仮固定ボルト353を第1ベース部材311に締め込む。これにより、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とが、ベース部310と本体部350aとによって上下方向Zに挟持されて、仮固定される。
取り外し工程S14eは、延長部材340を取り外す工程である。取り外し工程S14eにおいて作業者等は、移動機構320によって押さえ部330を上側に移動させて、延長部材340に加えられていた下側向きの力Fを解除する。本実施形態の取り外し工程S14eにおいて作業者等は、取付工程S13において延長部材340を取り付けた手順と逆の手順で、延長部材340を取り外す。
作業者等は、ピン部材343を第2筒部材342の内側から上側に引き抜く。作業者等は、第2筒部材342を中心軸J1回りに回転させて、雌ネジ部342eと雄ネジ部41eとの噛み合いを解除する。このとき、作業者等は、第1筒部材341を押さえた状態で、第2筒部材342を中心軸J1回りに回転させる。すなわち、本実施形態の取り外し工程S14eにおいて作業者等は、第1筒部材341を押さえた状態で、第2筒部材342を回転させて取り外す。これにより、第2筒部材342の回転と共にモータシャフト41が回転しようとしても、押さえられた状態の第1筒部材341の引掛部341bがモータシャフト41に周方向に引っ掛かっているため、モータシャフト41の回転が抑制される。したがって、第2筒部材342を中心軸J1回りに回転させて、第2筒部材342をモータシャフト41から容易に取り外すことができる。
作業者等は、第2筒部材342を取り外した後、第1筒部材341を上側に移動させてモータシャフト41から取り外す。以上により、モータシャフト41から延長部材340が取り外される。
固定工程S14fは、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する工程である。本実施形態の固定工程S14fにおいて作業者等は、仮固定機構350によって仮固定された状態の第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを互いに固定する。図20に示すように、本実施形態の固定工程S14fにおいて作業者等は、組立装置300全体を上下方向Zに反転させる。
ここで、第2ハウジング部材14がベース部310に支持された状態において、ベース部310に設けられた第1貫通孔315は、上下方向Zに見て、第2ハウジング部材14に設けられた第2貫通孔14iおよび第1ハウジング部材12に設けられた雌ネジ穴36と重なっている。そのため、作業者等は、第1貫通孔315を介して、第2貫通孔14iにボルト97を通すことができ、かつ、ボルト97を雌ネジ穴36に締め込むことができる。本実施形態において作業者等は、第1貫通孔315の内部にボルト97を挿入して、ボルト97をブラケット100に設けられた孔部101aおよび第2貫通孔14iに通し、ボルト97を雌ネジ穴36に締め込む。これにより、ベース部310に配置された状態の第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定することができる。
以上により、第2組立工程S14が終了し、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とが互いに固定される。本実施形態の第2組立工程S14においては、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とブラケット100とが互いに固定される。第2組立工程S14の後、作業者等は、仮固定機構350をベース部310から取り外し、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とブラケット100とが固定された組立体を、ベース部310から取り外す。その後、作業者等は、バスバーユニット90、回路基板70、蓋部材13等の組み付けを行い、電動アクチュエータ10を完成させる。なお、バスバーユニット90、回路基板70、蓋部材13等の組み付けは、ベース部310上で行われてもよい。
本実施形態によれば、作業者等は、第1ハウジング部材12に設けられたガイド孔32fに、モータシャフト41に取り付けられた延長部材340が通された状態において、ステータ43が固定された第1ハウジング部材12を下側に移動させて、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを接触させ、固定する。これにより、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを近づけた際に、ロータマグネット42bの磁力がステータ43に作用しても、延長部材340がガイド孔32fの内周面に支持され、第2ハウジング部材14に組み付けられたロータ40aが傾くことが抑制される。したがって、電動アクチュエータ10の組立作業性を向上できる。また、ロータ40aが傾いた状態のままで電動アクチュエータ10が組み立てられることを抑制できるため、電動アクチュエータ10の信頼性を向上できる。
また、本実施形態によれば、ガイド孔32fに通された状態の延長部材340は、押さえ部330によって、上側から下側向きに力Fを加えられて、押さえられる。そして、移動工程S14cは、延長部材340が押さえ部330によって押さえられた状態で行われる。そのため、移動工程S14cにおいて延長部材340を介してロータ40aが押さえられた状態となり、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。これにより、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。また、電動アクチュエータ10の信頼性をより向上できる。
特に、本実施形態のように第1組立工程S12において第2ハウジング部材14に組み付けられたロータアセンブリ40bが予圧部材47によって押し上げられ、第2ベアリング44bの一部が第2ベアリング保持部14aから抜け出る場合、第2ベアリング44bと第2ベアリング保持部14aとの嵌め合いが不十分となって、第2ハウジング部材14に対するロータアセンブリ40bの組み付けが不安定な状態となる場合がある。この場合であっても、押さえ部330によって延長部材340に下側向きの力Fを加えることで、予圧部材47の弾性力に抗して、第2ベアリング44bの全体を第2ベアリング保持部14a内に押し込むことができる。これにより、第2ベアリング44bと第2ベアリング保持部14aとの嵌め合いによって、第2ハウジング部材14に対してロータアセンブリ40bを安定して組み付けた状態で、移動工程S14cを行うことができる。したがって、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する際に、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、延長部材340は、雌ネジ部342eと雄ネジ部41eとの噛み合いによりモータシャフト41にネジ固定される第2筒部材342を有する。そのため、延長部材340をモータシャフト41に対して強固に連結することができる。これにより、延長部材340をガイド孔32fの内周面によって支持することで、延長部材340が連結されたモータシャフト41を好適に支持することができる。したがって、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する際に、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。そのため、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。また、電動アクチュエータ10の信頼性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、延長部材340は、引掛部341bがモータシャフト41に対して周方向に引っ掛けられた状態でモータシャフト41に取り付けられる第1筒部材341を有する。そのため、第2筒部材342を回転させて、第2筒部材342をモータシャフト41に取り付ける際、または第2筒部材342をモータシャフト41から取り外す際に、第1筒部材341を押さえることで、モータシャフト41が第2筒部材342と共に回転することを抑制できる。これにより、モータシャフト41に対する第2筒部材342の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、延長部材340は、下側の端部がモータシャフト41の上側の端部に突き当てられるピン部材343を有する。ピン部材343は、押さえ部330によって上側から下側向きの力Fを加えられて押さえられる。そのため、ピン部材343によって、モータシャフト41の中心を上側から押さえやすい。これにより、ロータ40aを軸精度よく、押さえることができる。したがって、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する際に、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。そのため、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。また、電動アクチュエータ10の信頼性をより向上できる。
特に、本実施形態では、小径部41bは、小径部41bの上側の端部から下側に窪み中心軸J1が通る中央凹部41iを有し、ピン部材343の下側の端部は、中央凹部41iに嵌め合わされてモータシャフト41の上側の端部に突き当てられる。そのため、ピン部材343の下側の端部がモータシャフト41の中心に対してずれることを抑制できる。これにより、ピン部材343によってモータシャフト41を安定して押さえることができる。したがって、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する際に、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。そのため、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。また、電動アクチュエータ10の信頼性をより向上できる。
また、本実施形態では、中央凹部41iは、旋盤を用いた機械加工時に作られるセンタ穴である。そのため、中央凹部41iにピン部材343の下側の端部を嵌め合わせることで、ピン部材343によってモータシャフト41の中心を好適に押さえることができる。これにより、ロータ40aをより軸精度よく、押さえることができる。したがって、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する際に、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。そのため、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。また、電動アクチュエータ10の信頼性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、固定工程S14fにおいて、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とは、仮固定機構350によって仮固定された状態で、固定される。そのため、本実施形態のように、固定工程S14fにおいて、押さえ部330から延長部材340に加えられる力Fを解除しても、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とが互いにずれることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、組立装置300は、押さえ部330を上下方向Zに移動させる移動機構320を備える。そのため、押さえ部330を上下方向Zに好適に移動させることができ、押さえ部330によって延長部材340に好適に力Fを加えることができる。
また、本実施形態によれば、第2ハウジング部材14がベース部310に支持された状態において、ベース部310に設けられた第1貫通孔315は、上下方向Zに見て、第2ハウジング部材14に設けられた第2貫通孔14iおよび第1ハウジング部材12に設けられた雌ネジ穴36と重なる。そのため、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とがベース部310上に配置された状態で、第1貫通孔315を介して、ボルト97によって第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定できる。これにより、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とが互いにずれることを抑制しつつ、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを互いに固定できる。特に本実施形態のように、仮固定機構350が設けられる場合には、ベース部310上において第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを仮固定機構350によって仮固定した状態で、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定できる。これにより、上述したように、組立装置300全体を上下方向Zに反転させて、固定工程S14fを行うこともできる。したがって、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、組立装置300は、ベース部310に支持された第2ハウジング部材14に組み付けられたロータアセンブリ40bと、モータシャフト41に取り付けられた延長部材340がガイド孔32fに通された状態の第1ハウジング部材12とを、上下方向Zに離した状態で保持可能なスペーサ部材360を備える。そのため、押さえ工程S14bを行う際等に、第1ハウジング部材12を手などによって押さえておく必要がない。これにより、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、延長部材340の外径とガイド孔32fの内径との差は、第1ベアリング44aの外径と第1ベアリング保持部32cの内径との差よりも大きい。この場合、ガイド孔32fが第1ベアリング44aを第1ベアリング保持部32cに案内できる程度に精度よく作られていれば、ガイド孔32f内において延長部材340が多少ガタついたとしても、第1ベアリング44aが第1ベアリング保持部32cに嵌め合わされることで、ロータ40aを軸精度よく配置した状態で第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定できる。これにより、ガイド孔32fに通される延長部材340によってロータ40aの軸合わせをする場合に比べて、ガイド孔32fの寸法精度を低くできる。したがって、第1ハウジング部材12を作る際の工数および時間を低減しやすく、電動アクチュエータ10の生産性を向上できる。
また、本実施形態によれば、第1ベアリング保持部32cに対する第1ベアリング44aの嵌め合い、および第2ベアリング保持部14aに対する第2ベアリング44bの嵌め合いによって、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14との軸合わせを行う。このように、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14との軸合わせを、直接的には組立装置300で行わないことで、組立装置300を作る際に求められる公差を比較的緩くできる。これにより、組立装置300の製造を容易にできる。
なお、ガイド孔32fに通された延長部材340とガイド孔32fの内周面との隙間は、移動工程S14cにおいて、第2ハウジング部材14に組み付けられた出力シャフト61を、第1ハウジング部材12に設けられた出力シャフト保持部33内に案内できる程度に、小さいことが好ましい。
また、本実施形態によれば、延長部材340は、非磁性体である。そのため、モータシャフト41に取り付けられた状態の延長部材340が、ロータマグネット42bの磁力による影響を受けることを抑制できる。これにより、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定する際に、ロータ40aが傾くことをより抑制できる。したがって、電動アクチュエータ10の組立作業性をより向上できる。また、電動アクチュエータ10の信頼性をより向上できる。
また、本実施形態の電動アクチュエータ10において、小径部41bは、小径部41bの上側の端部から下側に窪み中心軸J1が通る中央凹部41iを有する。そのため、上述したように、ピン部材343を用いて、モータシャフト41を好適に押さえることができる。また、第1ベアリング44aが固定された中径部41cの上側の端部は、第1ベアリング44aよりも上側に位置する。そのため、上述したように、中径部41cの上側の端部に、第1筒部材341の下端部を嵌め合わせることができる。また、中径部41cは、中径部41cの上側の端部に設けられ、かつ、中径部41cに取り付けられる部材を中径部41cに対して周方向に引っ掛けることが可能な回転止め部41dを有する。そのため、上述したように回転止め部41dに、第1筒部材341の引掛部341bを嵌め合わせて、第1筒部材341をモータシャフト41に対して周方向に引っ掛けることができる。また、ガイド孔32fの内径は、中径部41cの外径よりも大きく、ガイド孔32fの内部は、第1ベアリング保持部32cの上側において、第1ベアリング保持部32cの内部と繋がっている。そのため、上述したように、中径部41cの上側の端部に嵌め合わされた第1筒部材341をガイド孔32fに通した状態で、第1ハウジング部材12と第2ハウジング部材14とを固定できる。以上のように、本実施形態の電動アクチュエータ10は、本実施形態の組立装置300および組立方法を用いた場合に、好適に組み立てられる構造を有する。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。電動アクチュエータの組立方法は、図21に示すフローチャートに示す手順によって行われてもよい。この場合、電動アクチュエータの組立方法は、配置工程S21と、取付工程S22と、第1組立工程S23と、第2組立工程S24と、取り外し工程S25と、を含む。
配置工程S21は、上述した実施形態の配置工程S11と同様である。取付工程S22は、第2取付工程S22bと、第1取付工程S22aと、第3取付工程S22cと、を含む。第2取付工程S22bは、第2筒部材342をモータシャフト41に固定する工程である。第2取付工程S22bは、第1組立工程S23よりも前に設けられる。第2取付工程S22bにおいて作業者等は、第2ハウジング部材14に組み付ける前のモータシャフト41に第2筒部材342を固定する。このとき、作業者等は、モータシャフト41を押さえた状態で、第2筒部材342を中心軸J1回りに回転させて、第2筒部材342をモータシャフト41に固定する。
このように、この方法では、モータシャフト41が第2ハウジング部材14に組み付けられる前に、モータシャフト41に第2筒部材342を固定する。そのため、上述した実施形態に比べて、モータシャフト41を押さえる方法の自由度が大きい。具体的にこの方法では、第1筒部材341を用いてモータシャフト41を押さえる必要がない。これにより、延長部材340をモータシャフト41に取り付ける作業の作業性を向上できる。
第1取付工程S22aは、第2取付工程S22bよりも後に設けられる。第1取付工程S22aは、第1組立工程S23の後に設けられる。第1取付工程S22aにおいて作業者等は、第2筒部材342が固定された状態のモータシャフト41に第1筒部材341を取り付ける。第1取付工程S22aのその他の点は、上述した実施形態の第1取付工程S13aと同様である。第3取付工程S22cは、上述した実施形態の第3取付工程S13cと同様である。
第1組立工程S23は、ロータアセンブリ40bのモータシャフト41に第2筒部材342が固定された状態となっている点を除いて、上述した実施形態の第1組立工程S12と同様である。
第2組立工程S24は、挿入工程S24aと、押さえ工程S24bと、移動工程S24cと、仮固定工程S24dと、固定工程S24eと、を含む。上述した実施形態の第2組立工程S14と異なり、第2組立工程S24は、取り外し工程を含まない。挿入工程S24aは、上述した実施形態の挿入工程S14aと同様である。押さえ工程S24bは、上述した実施形態の押さえ工程S14bと同様である。移動工程S24cは、上述した実施形態の移動工程S14cと同様である。仮固定工程S24dは、上述した実施形態の仮固定工程S14dと同様である。固定工程S24eは、延長部材340がモータシャフト41に取り付けられた状態で行われる点を除いて、上述した実施形態の固定工程S14fと同様である。取り外し工程S25は、第2組立工程S24の後に設けられる点を除いて、上述した実施形態の取り外し工程S14eと同様である。
図21のフローチャートでは、取付工程S22の一部のみが第1組立工程S23よりも前に設けられている場合について示したが、これに限られない。取付工程は、全体が第1組立工程より前に設けられていてもよい。この場合、第1組立工程において作業者等は、延長部材が取り付けられた状態のロータアセンブリを第2ハウジング部材に対して組み付ける。
第1筒部材は、単一の部材であってもよい。例えば、上述した実施形態において第1筒本体部341aと引掛部341bとが一体成形されていてもよい。延長部材は、単一の部材であってもよい。延長部材の外径とガイド孔の内径との差は、第1ベアリングの外径と第1ベアリング保持部の内径との差以下であってもよい。押さえ工程は、設けられなくてもよい。仮固定工程は、設けられなくてもよい。電動アクチュエータの組立装置は、仮固定機構を備えなくてもよい。電動アクチュエータの組立装置は、移動機構を備えなくてもよい。電動アクチュエータの組立装置は、スペーサ部材を備えなくてもよい。
第1組立工程において第2ハウジング部材に組み付けられるロータアセンブリは、減速機構の全体を含んでもよいし、減速機構を含まなくてもよい。減速機構の構造は、特に限定されない。上述した実施形態の固定工程S14fにおいては、組立装置300全体を上下方向Zに反転させたが、これに限られない。固定工程S14fにおいて作業者等は、組立装置300を上下方向Zと直交する方向に倒して横向きにし、上下方向Zと直交する方向に沿ってボルト97を締め込んでもよい。
回転止め部の形状は、特に限定されない。回転止め部は、中径部の外周面に設けられたDカット部であってもよいし、中径部の上端面から下側に窪む穴であってもよいし、中径部の上端面または中径部の外周面に設けられた溝であってもよい。
本発明が適用される電動アクチュエータは、電力が供給されることで対象となる物体を動かすことができる装置であればよく、減速機構を備えないモータであってもよい。また、電動アクチュエータは、モータ部によって駆動されるポンプ部を備える電動ポンプであってもよい。電動アクチュエータの用途は、特に限定されない。電動アクチュエータは、運転者のシフト操作に基づいて駆動されるシフト・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載されてもよい。また、電動アクチュエータは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。