本発明の一実施形態の電動アクチュエータ10について、図面を参照して説明する。図面には、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。本実施形態の電動アクチュエータ10は、図示しない車両の駆動装置等の対象物に取り付けられる。つまり電動アクチュエータ10は、車両に搭載される。図1~図3に示すように、電動アクチュエータ10は、モータ部40と、減速機構50と、出力部60と、ハウジング11と、ブラケット20と、バスバーユニット90と、回路基板70と、モータ部センサ71と、出力部センサ72と、コネクタ部80と、を備える。
モータ部40は、中心軸J1に沿って延びるモータシャフト41を有し、中心軸J1はZ軸方向に沿って延びる。本実施形態では、中心軸J1に平行な方向を単に「軸方向Z」と呼ぶ。本実施形態において、モータ部40の軸方向Zの位置と、回路基板70の軸方向Zの位置とは、互いに異なる。つまりモータ部40と回路基板70とは、軸方向Zにおいて互いに異なる位置に配置される。軸方向Zのうち、回路基板70からモータ部40へ向かう方向を軸方向一方側(-Z側)と呼び、モータ部40から回路基板70へ向かう方向を軸方向他方側(+Z側)と呼ぶ。
本実施形態では、特に断りのない限り、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸J1に近づく方向を径方向内側と呼び、中心軸J1から離れる方向を径方向外側と呼ぶ。また特に断りのない限り、中心軸J1を中心とする周方向、すなわち中心軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。
各図においてZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。本実施形態では、軸方向一方側(-Z側)を単に下側と呼び、軸方向他方側(+Z側)を単に上側と呼ぶ場合がある。X軸方向およびY軸方向は、Z軸方向と直交する水平方向である。X軸方向とY軸方向とは、互いに直交する方向である。Y軸方向は、本実施形態の電動アクチュエータ10のコネクタ部80が突出する方向である。以下の説明では、Y軸方向と平行な方向を「突出方向Y」と呼び、Y軸方向の正の側(+Y側)を「突出方向一方側」と呼び、Y軸方向の負の側(-Y側)を「突出方向他方側」と呼ぶ場合がある。また、X軸方向と平行な方向を「幅方向X」と呼ぶ場合がある。
本実施形態において、突出方向Yは、第1方向に相当する。第1方向は、中心軸J1と直交する所定の方向である。突出方向一方側(+Y側)は、第1方向の一方側に相当し、突出方向他方側(-Y側)は、第1方向の他方側に相当する。幅方向Xは、第2方向に相当する。第2方向は、中心軸J1および第1方向と直交する方向である。幅方向一方側(+X側)は、第2方向の一方側に相当し、幅方向他方側(-X側)は、第2方向の他方側に相当する。
本実施形態において、「平行な方向」は略平行な方向を含み、「直交する方向」は略直交する方向を含む。本実施形態において、平面視とは、軸方向Zに沿って上側または下側から観察することを意味する。なお、上下方向、水平方向、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
モータ部40は、モータシャフト41と、第1ベアリング44aと、第2ベアリング44bと、第3ベアリング44cと、第4ベアリング44dと、ロータ本体42と、ステータ43と、モータ部用センサマグネット45と、モータ部用マグネットホルダ46と、を有する。モータシャフト41は、中心軸J1の軸方向Zに延びる。
第1ベアリング44aと第2ベアリング44bと第3ベアリング44cと第4ベアリング44dとは、モータシャフト41を中心軸J1回りに回転可能に支持する。本実施形態において、第1ベアリング44a、第2ベアリング44b、第3ベアリング44c、および第4ベアリング44dは、例えば、ボールベアリングである。
モータシャフト41は、偏心軸部41aを有する。偏心軸部41aは、モータシャフト41のうち第3ベアリング44cに支持される部分である。偏心軸部41aは、中心軸J1と平行で中心軸J1に対して偏心した偏心軸J2を中心として、軸方向Zに延びる円柱状である。すなわち偏心軸J2は、軸方向Zに延び、中心軸J1と径方向の位置が異なる。モータシャフト41のうち偏心軸部41a以外の部分は、中心軸J1を中心として軸方向Zに延びる円柱状である。
ロータ本体42は、モータシャフト41に固定される。ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されるロータコアと、ロータコアの外周部に固定されるロータマグネットと、を有する。
ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側に、ロータ本体42と径方向に隙間をあけて配置される。ステータ43は、中心軸J1を中心とする環状であり、ロータ本体42を径方向外側から囲う。ステータ43は、ステータコアと、複数のインシュレータと、複数のコイルと、を有する。ステータコアは、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数のティースを有する。各コイルは、インシュレータを介して各ティースに装着される。
モータ部用マグネットホルダ46は、中心軸J1を中心とする環状である。モータ部用マグネットホルダ46は、モータシャフト41の上側の端部における外周面に固定される。モータ部用センサマグネット45は、中心軸J1を中心とする円環板状である。モータ部用センサマグネット45の板面は、軸方向Zを向く。モータ部用センサマグネット45は、モータ部用マグネットホルダ46の上面のうち外周部に固定される。これにより、モータ部用センサマグネット45は、モータ部用マグネットホルダ46を介してモータシャフト41に取り付けられる。本実施形態において、モータ部用センサマグネット45は、回路基板70の下面と軸方向Zに隙間をあけて対向する。
減速機構50は、モータ部40に連結される。本実施形態において減速機構50は、モータシャフト41の下側部分に連結される。減速機構50は、ロータ本体42およびステータ43の下側に配置される。減速機構50は、外歯ギア51と、内歯ギア52と、出力ギア53と、を有する。なお、減速機構50は、モータシャフト41の上側部分に連結されてもよい。
外歯ギア51は、偏心軸部41aの偏心軸J2を中心として、偏心軸J2と直交する方向に拡がる円環板状である。外歯ギア51の径方向外側面には、歯車部が設けられる。外歯ギア51は、第3ベアリング44cを介してモータシャフト41に連結される。つまり減速機構50は、モータシャフト41に連結される。外歯ギア51は、第3ベアリング44cの外輪の径方向外側に嵌め合わされる。第3ベアリング44cは、モータシャフト41と外歯ギア51とを、偏心軸J2回りに相対的に回転可能に連結する。
外歯ギア51は、外歯ギア51を軸方向Zに貫通する複数の孔51aを有する。図示は省略するが、複数の孔51aは、偏心軸J2を中心とする周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。複数の孔51aは、偏心軸J2回りに等ピッチで配置される。孔51aは、軸方向Zに直交する断面の形状が、円形状である。つまり孔51aは、円孔状である。
内歯ギア52は、中心軸J1を中心として、中心軸J1と直交する方向に拡がる円環板状である。内歯ギア52は、外歯ギア51を径方向外側から囲う。内歯ギア52の径方向内側面には、歯車部が設けられる。内歯ギア52の歯車部は、外歯ギア51の歯車部と噛み合う。内歯ギア52の歯車部の歯数と、外歯ギア51の歯車部の歯数とは、互いに異なる。内歯ギア52は、軸方向Zから見た平面視で、外周部が例えば正12角形などの多角形状である。内歯ギア52は、後述する第2蓋部材14に対して、中心軸J1回りに回転止めされた状態で固定される。
出力ギア53は、出力ギア本体53aと、複数のピン53bと、を有する。出力ギア本体53aは、外歯ギア51および内歯ギア52の上側に配置される。出力ギア本体53aは、中心軸J1を中心として、中心軸J1と直交する方向に拡がる円環板状である。出力ギア本体53aの径方向外側面には、歯車部が設けられる。出力ギア本体53aは、第4ベアリング44dを介してモータシャフト41に連結される。
複数のピン53bは、出力ギア本体53aの下面から下側に突出する円筒状または円柱状である。図示は省略するが、複数のピン53bは、中心軸J1を中心とする周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。複数のピン53bは、中心軸J1回りに等ピッチで配置される。ピン53bの外径は、孔51aの内径よりも小さい。各ピン53bは、各孔51a内に上側から挿入される。つまり各ピン53bは、各孔51a内に配置される。ピン53bの外周面は、孔51aの内周面と内接する。
出力部60は、電動アクチュエータ10の駆動力を出力する部分である。出力部60は、モータ部40の径方向外側に配置される。出力部60は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、出力部用センサマグネット63と、出力部用マグネットホルダ64と、を有する。
出力シャフト61は、軸方向Zに延びる筒状である。本実施形態において出力シャフト61は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。出力中心軸J3は、中心軸J1と平行であり、中心軸J1から径方向に離れて配置される。すなわち、モータシャフト41と出力シャフト61とは、径方向に互いに離れて配置される。出力シャフト61は、径方向から見て、モータシャフト41、ロータ本体42およびステータ43と重なる。出力シャフト61は、減速機構50を介してモータシャフト41に連結される。なお、モータシャフト41と出力シャフト61とは、軸方向Zに並んで配置されてもよい。
出力シャフト61は、下側に開口する。出力シャフト61は、出力シャフト61の内周面にスプライン溝を有する。出力シャフト61内には、下側から被駆動シャフトDSが挿入される。出力シャフト61と被駆動シャフトDSとは、出力中心軸J3回りに相対回転不能に連結される。詳しくは、被駆動シャフトDSの外周面に設けられたスプライン部が、出力シャフト61の内周面に設けられたスプライン溝に嵌め合わされることで、出力シャフト61に対して被駆動シャフトDSが、出力中心軸J3回りに回転止めされた状態で連結される。被駆動シャフトDSには、出力シャフト61を介して電動アクチュエータ10の駆動力が伝達される。これにより、電動アクチュエータ10は、被駆動シャフトDSを出力中心軸J3回りに回転させる。
駆動ギア62は、出力シャフト61に固定され、出力ギア53と噛み合う。本実施形態において駆動ギア62は、出力シャフト61の外周面に固定される。駆動ギア62は、出力シャフト61から出力ギア53に向かって延びる。駆動ギア62は、軸方向Zと直交する方向に拡がる板状である。図示は省略するが、駆動ギア62は、軸方向Zから見た平面視で扇形状である。駆動ギア62は、出力シャフト61から最も離れた端部つまり出力ギア53側の端部に、歯車部を有する。駆動ギア62の歯車部は、出力ギア53の歯車部と噛み合う。
出力部用マグネットホルダ64は、出力中心軸J3を中心として軸方向Zに延びる略円筒状の部材である。出力部用マグネットホルダ64は、軸方向両側に開口する。出力部用マグネットホルダ64内には、出力シャフト61が圧入される。出力部用マグネットホルダ64は、出力シャフト61の上部に固定される。本実施形態では出力部用マグネットホルダ64が、第2ベアリング44bの径方向外側に配置される。つまり出力部用マグネットホルダ64は、径方向から見て第2ベアリング44bと重なる。出力部用マグネットホルダ64は、軸方向Zから見て、回路基板70と重なる。出力部用マグネットホルダ64は、回路基板70よりも下側に配置される。
出力部用センサマグネット63は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。出力部用センサマグネット63は、出力部用マグネットホルダ64の上面の外周部に固定される。出力シャフト61に出力部用マグネットホルダ64が固定されることで、出力部用センサマグネット63は、出力部用マグネットホルダ64を介して出力シャフト61に固定される。出力部用センサマグネット63は、回路基板70の下面と軸方向Zに隙間をあけて対向する。
出力シャフト61の上端部は、出力部用マグネットホルダ64よりも上側に突出する。出力シャフト61の上端部は、回路基板70よりも上側に突出する。出力シャフト61の上端部には、レンチ等の工具を嵌合可能な操作部OPが設けられる。操作部OPは、例えば、出力中心軸J3に沿って延びる四角柱状または六角柱状である。
モータシャフト41が中心軸J1回りに回転すると、偏心軸部41aは、中心軸J1を中心として周方向に公転する。偏心軸部41aの公転は第3ベアリング44cを介して外歯ギア51に伝達され、外歯ギア51は、孔51aの内周面とピン53bの外周面との内接する位置が変化しつつ、揺動する。つまり外歯ギア51は、中心軸J1を中心として周方向に公転する。これにより、外歯ギア51の歯車部と内歯ギア52の歯車部との噛み合い位置が、周方向に変化する。
内歯ギア52は、ハウジング11の第2蓋部材14に固定されているため回転しない。外歯ギア51の公転により、内歯ギア52と外歯ギア51との噛み合い位置が周方向に一周すると、外歯ギア51の歯車部の歯数と内歯ギア52の歯車部の歯数との差分に応じて、内歯ギア52に対して外歯ギア51が偏心軸J2回りに自転する。外歯ギア51の偏心軸J2回りの自転は、孔51aとピン53bとを介して、出力ギア53に伝達される。これにより、出力ギア53が中心軸J1回りに回転する。すなわち、出力ギア53には、モータシャフト41の回転が減速されて伝達される。
出力ギア53が回転すると、出力ギア53に噛み合う駆動ギア62が、出力中心軸J3回りに回転する。これにより、駆動ギア62に固定された出力シャフト61が出力中心軸J3回りに回転する。このようにして、出力部60には、減速機構50を介してモータシャフト41の回転が伝達される。
ハウジング11は、モータ部40、減速機構50、出力部60、バスバーユニット90、回路基板70、モータ部センサ71、および出力部センサ72を収容する。つまりハウジング11は、モータ部40、減速機構50および出力部60を収容する。ハウジング11は、金属製である。本実施形態ではハウジング11が、例えばアルミニウム合金製である。ハウジング11は、鋳造により作られる。ハウジング11は、ダイカスト製である。ハウジング11は、上側に開口する平面視多角形状のハウジング本体12と、ハウジング本体12の上側の開口部12aに固定される第1蓋部材13と、ハウジング本体12の下側の開口部12bに固定される第2蓋部材14と、を有する。
ハウジング本体12は、多角形筒状の外壁部30と、外壁部30の下側の端部から径方向内側に拡がる底壁部31と、底壁部31に設けられるモータケース部32および出力シャフト保持部33と、を有する。
図2に示すように、外壁部30は、多角形筒状である。外壁部30は、軸方向Zから見て、四角形状である。図1に示すように、外壁部30は、モータケース部32および出力シャフト保持部33を径方向外側から囲う。外壁部30の上側の開口部が、ハウジング本体12の上側の開口部12aである。底壁部31は、下側に開口する開口部を有する。底壁部31の開口部の周縁に、底壁部31から下側に突出する筒状の筒状壁31aが設けられる。筒状壁31aに囲まれる開口部が、ハウジング本体12の下側の開口部12bである。モータケース部32および出力シャフト保持部33は、底壁部31の上面に設けられる。
モータケース部32は、モータ部40を径方向外側から囲う筒状である。本実施形態においてモータケース部32は、中心軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。モータケース部32は、モータ部40を内側に保持する。モータケース部32の内周面には、モータ部40のステータ43が固定される。モータケース部32は、底壁部31から上側に延びる筒状部32bと、筒状部32bの上側の端部から径方向内側に拡がる円環板状の区画壁32aと、を有する。
区画壁32aは、ベアリング保持部32cを有する。ベアリング保持部32cは、軸方向Zから見て区画壁32aの中央部に配置される。ベアリング保持部32cは、区画壁32aの下面から下側に突出する。ベアリング保持部32cは、軸方向Zに延びる円筒状である。ベアリング保持部32cの内周面には、第2ベアリング44bが保持される。
出力シャフト保持部33は、底壁部31から上側に延びる筒状である。出力シャフト保持部33の周壁の一部は、モータケース部32の周壁の一部と繋がる。出力シャフト保持部33は、出力シャフト保持部33を軸方向Zに貫通する孔部33aを有する。孔部33aの内側には、円筒状のブッシュ65が嵌め合わされる。
ブッシュ65は、ブッシュ65の下側の端部から出力中心軸J3を中心とする径方向の外側に拡がるフランジ部を有する。駆動ギア62の上面は、ブッシュ65のフランジ部を下側から支持する。ブッシュ65の内側には、出力シャフト61が嵌め合わされる。ブッシュ65は、出力シャフト61を出力中心軸J3回りに回転可能に支持する。
第1蓋部材13は、回路基板70および出力部60を上側から覆う。第1蓋部材13の上面は、ハウジング11の外面のうち上側を向く頂面に相当する。第1蓋部材13は、有頂筒状である。第1蓋部材13は、下側に開口する収容凹部13bを有する容器状である。第1蓋部材13とハウジング本体12とは、第1蓋部材13を軸方向Zに貫通する複数のネジ部材により締結される。収容凹部13bには、回路基板70の上面に実装される電子部品および被駆動シャフトDSの操作部OPが収容される。収容凹部13bには、例えば、回路基板70に実装されるキャパシタ、トランジスタなどが収容される。
第1蓋部材13は、出力シャフト61の上側に位置する操作開口孔13cを有する。操作開口孔13cには、キャップ15が取り付けられる。キャップ15は、キャップ15の外周面に設けられた雄ネジ部が操作開口孔13cの内周面に設けられた雌ネジ部にねじ込まれることで、操作開口孔13cに着脱可能に装着される。操作開口孔13cのキャップ15を取り外すことにより、操作開口孔13cを通して、電動アクチュエータ10の外部から操作部OPにレンチ等の工具を接続可能である。
第2蓋部材14は、減速機構50および出力部60を下側から覆う。第2蓋部材14の下面は、ハウジング11の外面のうち下側を向く底面に相当する。第2蓋部材14は、有底筒状である。第2蓋部材14とハウジング本体12とは、ブラケット20の後述するブラケット本体部21および第2蓋部材14を軸方向Zに貫通する複数のボルト部材29により締結される。
図1、図3~図5に示すように、第2蓋部材14は、中心軸J1を中心とする有底筒状のシャフト収容部14aと、中心軸J1を中心とする筒状であり、シャフト収容部14aよりも径方向外側に配置される内歯ギア収容部14bと、ハウジング本体12に固定される固定筒部14cと、軸方向Zから見て出力部60と重なる出力開口孔14eと、を有する。つまりハウジング11は、シャフト収容部14aを有する。
シャフト収容部14aは、第2蓋部材14の下面つまりハウジング11の底面から、下側に突出する。図1に示すように、シャフト収容部14a内には、第1ベアリング44aの外輪が嵌め合わされ、固定される。すなわちシャフト収容部14aの径方向内側には、第1ベアリング44aが保持される。第1ベアリング44aは、シャフト収容部14aに対してモータシャフト41を中心軸J1回りに回転可能に支持する。シャフト収容部14a内には、モータシャフト41の一部が収容される。シャフト収容部14aの内部には、モータシャフト41の下側の端部が配置される。シャフト収容部14aは、内歯ギア収容部14bよりも内径および外径が小さい。シャフト収容部14aは、内歯ギア収容部14bよりも下側に位置する。
軸方向Zにおいて、シャフト収容部14aの底壁と第1ベアリング44aとの間には、予圧部材47が配置される。予圧部材47は、周方向に沿って延びる円環板状であり、例えばウェーブワッシャ等である。予圧部材47は、シャフト収容部14aの底壁の上面と、第1ベアリング44aの外輪の下側の端部とに接触する。予圧部材47は、第1ベアリング44aの外輪に対して上向きの予圧を加える。
図5に示すように、内歯ギア収容部14bは、軸方向Zから見た平面視で、内周部が例えば正12角形などの多角形状である。内歯ギア収容部14bの内周部には、内歯ギア52の外周部が嵌め合わされ、固定される。すなわち内歯ギア収容部14bは、内歯ギア収容部14bの径方向内側に、内歯ギア52を保持する。
固定筒部14cは、軸方向Zに延びる筒状である。図1に示すように、固定筒部14c内には、ハウジング本体12の筒状壁31aが嵌め合わされる。第2蓋部材14は、出力シャフト61の外周面から径方向外側に拡がるシャフトフランジ部61bに対して、下側から接触しまたは隙間をあけて対向する。シャフトフランジ部61bは、軸方向Zから見て、出力開口孔14eの周囲に配置され、出力開口孔14eを外側から囲う。出力開口孔14eは、第2蓋部材14を軸方向Zに貫通する。出力シャフト61の下側の端部は、出力開口孔14eを通して下側に露出する。出力開口孔14e内には、被駆動シャフトDSが挿入される。
図1~図5に示すように、ハウジング11は、ハウジング11の外面のうち径方向外側を向く外側面11aと、外側面11aから突出する第1把持部16と、外側面11aから突出する取付部17と、外側面11aから突出する第2把持部18と、第1把持部16が配置される第1部材11dと、第2把持部18が配置される第2部材11eと、を有する。
外側面11aは、第1蓋部材13の径方向外側を向く外周面と、ハウジング本体12の外壁部30の径方向外側を向く外周面と、第2蓋部材14の径方向外側を向く外周面と、により構成される。つまり外側面11aは、第1蓋部材13、ハウジング本体12および第2蓋部材14の各外周面にわたって配置される。外側面11aは、湾曲面部11bと、平坦部11cと、を有する。
図2に示すように、湾曲面部11bは、出力シャフト61の出力中心軸J3回りに沿って延びる。湾曲面部11bは、出力中心軸J3を中心とし、出力中心軸J3と直交する径方向の外側へ向けて膨出する凸曲面状である。本実施形態では湾曲面部11bが、外側面11aのうち幅方向他方側(-X側)を向く部分に配置される。湾曲面部11bは、第1蓋部材13、ハウジング本体12および第2蓋部材14の各外周面にわたって配置される。
図3に示すように、平坦部11cは、平面状である。本実施形態では平坦部11cが、外側面11aのうち幅方向一方側(+X側)を向く部分に配置される。平坦部11cは、第1蓋部材13、ハウジング本体12および第2蓋部材14の各外周面にわたって配置される。
図4および図5に示すように、第1把持部16は、ハウジング11の外側面11aのうち第2蓋部材14に位置する部分から、径方向外側に突出する。第1把持部16は、中心軸J1回りの周方向に互いに間隔をあけて3つ以上設けられる。本実施形態では第1把持部16が、周方向に互いに間隔をあけて3つ設けられる。すなわち、本実施形態においてハウジング11は、第1把持部16を計3つ有する。第1把持部16は、第1把持本体16aと、凹部16bと、柱部16cと、平面部16dと、を有する。
第1把持本体16aは、外側面11aと接続する。本実施形態では第1把持本体16aが、外側面11aのうち第2蓋部材14に位置する部分と繋がる。第1把持本体16aは、中心軸J1と直交する方向に拡がる板状である。第1把持本体16aの一対の板面は、軸方向Zを向く。
図4および図6に示すように、凹部16bは、第1把持本体16aの一対の板面のうち、下側(-Z側)を向く第1板面16eから上側(+Z側)に窪む。凹部16bは、第1把持本体16aにおいて下側および径方向外側に開口する凹状である。
柱部16cは、凹部16bの底部から下側に突出する。柱部16cは、円柱状である。柱部16cは、軸方向Zに延びる。柱部16cの下面つまり先端面は、平面状である。柱部16cは、第1板面16eよりも上側に位置する。すなわち、柱部16cの先端面は、軸方向Zにおいて第1板面16eよりも上側に位置しており、柱部16cはその全体が凹部16b内に収容される。柱部16cの先端面は、ブラケット20の後述するブラケット本体部21の上側を向く面と軸方向Zに隙間をあけて対向する。本実施形態によれば、ハウジング11をブラケット20に取り付ける際に、柱部16cがブラケット本体部21と干渉することが抑えられ、柱部16cが組み立ての邪魔になりにくい。ハウジング11をブラケット20に安定して固定できる。
図5および図6に示すように、平面部16dは、第1把持本体16aの一対の板面のうち、上側を向く第2板面16fに配置される。平面部16dは、平面状であり、平坦な面により構成される。平面部16dは、第1把持本体16aの第2板面16fにおいて最も上側に位置する。すなわち、第2板面16fのうち平面部16d以外の部分は、平面部16dよりも下側に位置する。柱部16cの下側を向く先端面と、平面部16dとは、互いに平行である。
図4に示すように、軸方向Zから見て、各柱部16cの中心同士を仮想直線VL1で結んで得られる仮想多角形VP1の内側に、中心軸J1が配置される。本実施形態において、ハウジング11の重心は、中心軸J1付近に位置する。具体的に、第2蓋部材14の重心は、中心軸J1付近に位置する。本実施形態によれば、ハウジング11の製造時に、切削および研削等の機械加工を第2蓋部材14に対して行うときに、各第1把持部16の柱部16cと平面部16dとを、図示しない把持具で軸方向Zの両側から挟んで把持することにより、第2蓋部材14の保持姿勢が安定する。また、柱部16cの先端面および平面部16dに対してあらかじめフライス加工等を施し、これらの平面度および面精度(面粗さ)を確保することにより、その後工程において、第2蓋部材14の各部への機械加工の精度が安定して高められる。また、柱部16cが凹部16b内に配置されて柱部16cの周囲が窪んでいるため、柱部16cに対するフライス加工が容易である。また、例えば第1把持部16全体をフライス加工するのに比べて、本実施形態では柱部16cの先端面および平面部16dをフライス加工すればよいので、フライス加工領域が小さく抑えられ、フライス加工時間が短縮される。
また本実施形態では、軸方向Zから見て、仮想多角形VP1の内側に、シャフト収容部14aが配置される。第2蓋部材14の重心は、シャフト収容部14a付近に位置する。このため本実施形態によれば、切削および研削等の機械加工を第2蓋部材14に対して行うときに、各第1把持部16の柱部16cと平面部16dとを把持具で把持することにより、第2蓋部材14の保持姿勢がより安定する。
柱部16cの下面つまり先端面は、中心軸J1と直交する方向に拡がる。平面部16dは、中心軸J1と直交する方向に拡がる。本実施形態によれば、柱部16cの先端面および平面部16dが、それぞれ中心軸J1と垂直な平面状であるので、柱部16cの先端面および平面部16dにフライス加工を行いやすく、かつ、柱部16cおよび平面部16dを把持具で把持しやすい。
また本実施形態では、柱部16cが円柱状であるので、例えば柱部16cが角柱状等である場合に比べて、把持具が柱部16cの角に引っ掛かることが抑制され、把持具によって柱部16cを安定して把持できる。
図5に示すように本実施形態では、軸方向Zから見て、柱部16cと平面部16dとが重なる。すなわち、柱部16cと平面部16dとが背中合わせに配置されるので、把持具によって柱部16cと平面部16dとを安定して把持できる。
図4~図6に示すように、取付部17は、ハウジング11の外側面11aのうち第2蓋部材14に位置する部分から、径方向外側に突出する。取付部17は、複数設けられ、具体的には3つ以上設けられる。複数の取付部17は、中心軸J1回りの周方向に互いに間隔をあけて配置される。本実施形態では取付部17が、周方向に互いに間隔をあけて4つ設けられる。取付部17は、取付部17を軸方向Zに貫通するボルト孔17aを有する。ボルト孔17a内には、図3に示すボルト部材29が挿入される。取付部17は、第2蓋部材14とハウジング本体12とを締結するのに用いられる。取付部17は、ハウジング11とブラケット20とを固定するのに用いられる。
図4および図5に示すように、軸方向Zから見て、取付部17の径方向外側の外縁部は、径方向外側へ向けて膨らむ円弧状である。軸方向Zから見て、各取付部17の径方向外側の外縁部同士を仮想直線VL2で結んで得られる多角形状の領域PA内に、柱部16cおよび平面部16dが配置される。本実施形態によれば、多角形状の領域PA内に柱部16cおよび平面部16dが配置されるため、柱部16cおよび平面部16dが取付部17よりも径方向外側に出っ張ることが抑制される。ハウジング11をブラケット20に取り付ける際に、柱部16cおよび平面部16dがブラケット20と干渉することが抑えられ、柱部16cおよび平面部16dが組み立ての邪魔になりにくい。
図2、図3および図7に示すように、第2把持部18は、ハウジング11の外側面11aのうち第1蓋部材13に位置する部分から、径方向外側に突出する。また第2把持部18は、ハウジング11の外側面11aのうちハウジング本体12に位置する部分から、径方向外側に突出する。第2把持部18は、中心軸J1回りの周方向に互いに間隔をあけて3つ以上設けられる。具体的に、第1蓋部材13において第2把持部18は、周方向に互いに間隔をあけて3つ以上設けられる。本実施形態では第2把持部18が、第1蓋部材13に周方向に互いに間隔をあけて3つ設けられる。図示の例では第2把持部18が、第1蓋部材13の突出方向一方側(+Y側)の端部と、突出方向他方側(-Y側)の端部とにそれぞれ配置される。また、ハウジング本体12において第2把持部18は、周方向に互いに間隔をあけて3つ以上設けられる。本実施形態では第2把持部18が、ハウジング本体12に周方向に互いに間隔をあけて3つ設けられる。図示の例では第2把持部18が、ハウジング本体12の突出方向一方側の端部と、突出方向他方側の端部とにそれぞれ配置される。すなわち、本実施形態においてハウジング11は、第2把持部18を計6つ有する。第2把持部18は、第2把持本体18aと、第1凸部18bと、第2凸部18cと、を有する。
第2把持本体18aは、外側面11aと接続する。本実施形態では第2把持本体18aが、外側面11aのうち第1蓋部材13に位置する部分と繋がる。また第2把持本体18aは、外側面11aのうちハウジング本体12に位置する部分と繋がる。第2把持本体18aは、中心軸J1と直交する方向に拡がる板状である。本実施形態では第2把持本体18aが、四角形板状である。第2把持本体18aの一対の板面は、軸方向Zを向く。
図3および図7に示すように、第1凸部18bは、第2把持本体18aの一対の板面のうち、下側を向く第3板面18dから下側に突出する。第1凸部18bは、円柱状である。第1凸部18bは、軸方向Zに延びる。第1凸部18bの下側を向く第1端面18fつまり先端面は、平面状である。
図2および図7に示すように、第2凸部18cは、第2把持本体18aの一対の板面のうち、上側を向く第4板面18eから上側に突出する。第2凸部18cは、円柱状である。第2凸部18cは、軸方向Zに延びる。第2凸部18cの上側を向く第2端面18gつまり先端面は、平面状である。第1凸部18bの下側を向く第1端面18fと、第2凸部18cの上側を向く第2端面18gとは、互いに平行である。
図7に示すように、軸方向Zから見て、第1蓋部材13の各第1凸部18bの中心同士を仮想直線VL3で結んで得られる仮想多角形VP2の内側に、中心軸J1が配置される。また軸方向Zから見て、第1蓋部材13の各第2凸部18cの中心同士を仮想直線VL4で結んで得られる仮想多角形VP3の内側に、中心軸J1が配置される。特に図示しないが、軸方向Zから見て、ハウジング本体12の各第1凸部18bの中心同士を仮想直線で結んで得られる仮想多角形の内側に、中心軸J1が配置される。また軸方向Zから見て、ハウジング本体12の各第2凸部18cの中心同士を仮想直線で結んで得られる仮想多角形の内側に、中心軸J1が配置される。本実施形態において、第1蓋部材13の重心は、中心軸J1付近に位置する。ハウジング本体12の重心は、中心軸J1付近に位置する。本実施形態によれば、ハウジング11の製造時に、切削および研削等の機械加工を第1蓋部材13に対して行うときに、第1蓋部材13の各第2把持部18の第1凸部18bおよび第2凸部18cを、図示しない把持具で軸方向Zの両側から挟んで把持することにより、第1蓋部材13の保持姿勢が安定する。また、第1凸部18bの第1端面18fおよび第2凸部18cの第2端面18gに対してあらかじめフライス加工等を施し、これらの平面度および面精度(面粗さ)を確保することにより、その後工程において、第1蓋部材13の各部への機械加工の精度が安定して高められる。また、切削および研削等の機械加工をハウジング本体12に対して行うときに、ハウジング本体12の各第2把持部18の第1凸部18bおよび第2凸部18cを把持具で把持することにより、ハウジング本体12の保持姿勢が安定する。また、第1凸部18bの第1端面18fおよび第2凸部18cの第2端面18gに対してあらかじめフライス加工等を施し、これらの平面度および面精度(面粗さ)を確保することにより、その後工程において、ハウジング本体12の各部への機械加工の精度が安定して高められる。また、例えば第2把持部18全体をフライス加工するのに比べて、本実施形態では第1端面18fおよび第2端面18gをフライス加工すればよいので、フライス加工領域が小さく抑えられ、フライス加工時間が短縮される。
第1凸部18bの第1端面18fは、中心軸J1と直交する方向に拡がる。第2凸部18cの第2端面18gは、中心軸J1と直交する方向に拡がる。本実施形態によれば、第1凸部18bの第1端面18fおよび第2凸部18cの第2端面18gが、それぞれ中心軸J1と垂直な平面状であるので、第1端面18fおよび第2端面18gにフライス加工を行いやすく、かつ、第1凸部18bおよび第2凸部18cを把持具で把持しやすい。
また本実施形態では、第1凸部18bおよび第2凸部18cがそれぞれ円柱状であるので、例えば第1凸部18bおよび第2凸部18cのいずれかが角柱状等である場合に比べて、把持具が第1凸部18bおよび第2凸部18cの角に引っ掛かることが抑制され、把持具によって第1凸部18bおよび第2凸部18cを安定して把持できる。
図7に示すように本実施形態では、軸方向Zから見て、第1凸部18bと第2凸部18cとが重ならない。本実施形態によれば、切削および研削等の機械加工を第1蓋部材13およびハウジング本体12のいずれかに対して行うときに、把持具が、軸方向Zに直交する方向において、広範囲に各第2把持部18を把持できる。第1蓋部材13およびハウジング本体12の保持姿勢が安定する。
図4および図5に示すように、第1部材11dには、3つ以上の第1把持部16が設けられる。本実施形態では第2蓋部材14が、第1部材11dに相当する。つまりハウジング11は、第1部材11dを1つ有する。図2、図3および図7に示すように、第2部材11eには、3つ以上の第2把持部18が設けられる。本実施形態では第1蓋部材13およびハウジング本体12が、第2部材11eに相当する。つまりハウジング11は、第2部材11eを2つ有する。本実施形態によれば、ハウジング11の第1部材11dを機械加工する際は、3つ以上の第1把持部16を把持具で把持することができる。第2部材11eを機械加工する際は、3つ以上の第2把持部18を把持具で把持することができる。本実施形態では第2部材11eが、複数設けられる。各第2部材11eの機械加工を、各第2把持部18を把持具で把持することにより行える。
図1~図3および図7に示すように、ブラケット20は、ハウジング11の外面のうち下側を向く底面に固定される。すなわちブラケット20は、第2蓋部材14の下面に固定される。ブラケット20は、金属製であり、例えば板金素材をプレス加工することにより作られる。つまりブラケット20は、板金製である。ブラケット20は、ブラケット本体部21と、第1立壁部22と、取付壁部23と、第2立壁部24と、を有する。
ブラケット本体部21は、中心軸J1と直交する方向に拡がる板状であり、ハウジング11の底面つまり第2蓋部材14の下面に接触する。ブラケット本体部21は、軸方向Zから見た平面視で、外周部が四角形状である。つまりブラケット本体部21は、複数の角部を有する多角形板状である。本実施形態ではブラケット本体部21が、4つの角部を有する四角形板状である。ブラケット本体部21は、突出方向Yに延びる第1辺部21aと、幅方向Xに延びる第2辺部21bと、貫通孔21cと、図示しないボルト挿入孔と、を有する。
第1辺部21aは、ブラケット本体部21の幅方向Xの両端部に、一対配置される。第2辺部21bは、ブラケット本体部21の突出方向Yの両端部に、一対配置される。貫通孔21cは、ブラケット本体部21を軸方向Zに貫通する。図1に示すように、貫通孔21cには、出力シャフト61が挿入される。貫通孔21cには、モータシャフト41が挿入される。貫通孔21cには、減速機構50の一部が挿入される。貫通孔21cには、第2蓋部材14のうち、固定筒部14cの下側の端部、内歯ギア収容部14bおよびシャフト収容部14aが挿入される。貫通孔21cには、ハウジング本体12の筒状壁31aが挿入される。
特に図示しないが、ボルト挿入孔は、ブラケット本体部21のうち、貫通孔21cの径方向外側に位置する部分に配置される。ボルト挿入孔は、複数設けられる。複数のボルト挿入孔は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。図3に示すように、各ボルト挿入孔には、ボルト部材29が下側からそれぞれ挿入され、各ボルト部材29は、第2蓋部材14のボルト孔17aを貫通してハウジング本体12の雌ネジ部にねじ込まれる。つまり複数のボルト部材29は、ブラケット20とハウジング11とを固定する。
図2、図3および図7に示すように、第1立壁部22は、ブラケット本体部21から上側へ突出する。第1立壁部22は、板状である。第1立壁部22は、ハウジング11の外側面11aと対向し、外側面11aに沿って延びる。第1立壁部22は、径方向において外側面11aと隙間をあけて対向する。第1立壁部22は、突出方向Yに延びる部分を有する。第1立壁部22は、一対の第1辺部21aにそれぞれ設けられる。本実施形態では第1立壁部22が、一対の第1辺部21aに1つずつ、つまり計2つ設けられる。
取付壁部23は、ブラケット本体部21から下側へ突出する。取付壁部23は、板状である。取付壁部23は、一対の第2辺部21bにそれぞれ設けられる。取付壁部23は、第2辺部21bに、幅方向Xに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では取付壁部23が、一対の第2辺部21bに2つずつ、つまり計4つ設けられる。
本実施形態によれば、ブラケット本体部21が板状であっても、ブラケット本体部21から軸方向他方側(+Z側)へ突出する第1立壁部22と、軸方向一方側(-Z側)へ突出する取付壁部23とが設けられるため、ブラケット20の剛性が確保される。これにより、出力部60の回転力がブラケット20に作用しても、ブラケット20が撓むことが抑制される。したがって、電動アクチュエータ10を車両の駆動装置等の対象物に安定して固定でき、電動アクチュエータ10の性能が良好に維持される。
また電動アクチュエータ10の製造時には、第1立壁部22をガイドにして、ハウジング11をブラケット20に位置決めしつつ組み付けることができる。このため、組み立てが容易である。また、第1立壁部22がハウジング11の外側面11aと対向し、かつ外側面11aに沿って延びているので、第1立壁部22により強度を高めつつ、ブラケット20の外形をコンパクトに抑えることができる。また、第1立壁部22が軸方向Zにおいて取付壁部23とは反対側へ向けて突出しているので、取付壁部23を用いて電動アクチュエータ10を車両の駆動装置等の対象物に取り付ける際に、第1立壁部22が対象物の部材と干渉することが抑えられ、第1立壁部22が組み立ての邪魔になりにくい。
また本実施形態では、第1立壁部22および取付壁部23により、ブラケット本体部21の周縁部(外周部)を構成する一対の第1辺部21aおよび一対の第2辺部21bの剛性が高められる。このため、ブラケット20が撓み変形することがより抑制される。
第1立壁部22は、湾曲部22aと、ストレート部22bと、を有する。湾曲部22aは、出力中心軸J3回りに沿って延びる。湾曲部22aは、ハウジング11の湾曲面部11bに沿って延びる。本実施形態では湾曲部22aが、湾曲面部11bのうちハウジング本体12に位置する部分および第2蓋部材14に位置する部分に沿って延びる。本実施形態によれば、第1立壁部22が湾曲部22aを有するので、出力シャフト61の回転力に対するブラケット20のねじり強度が安定して高められる。
ストレート部22bは、突出方向Yに延びる。本実施形態ではストレート部22bが、一対の第1立壁部22にそれぞれ設けられる。つまりストレート部22bは、複数設けられる。図3に示すように、一対のストレート部22bのうち、幅方向一方側(+X側)に位置する一方のストレート部22bは、平坦部11cと対向する。一方のストレート部22bは、ハウジング11の平坦部11cに沿って延びる。本実施形態では一方のストレート部22bが、平坦部11cのうちハウジング本体12に位置する部分および第2蓋部材14に位置する部分に沿って延びる。本実施形態によれば、第1立壁部22がストレート部22bを有するので、ハウジング11の外側面11aの平坦部11cに沿って第1立壁部22を配置できる。また第1立壁部22の構造を簡素化できる。
図2に示すように、一対のストレート部22bのうち、幅方向他方側(-X側)に位置する他方のストレート部22bは、突出方向Yにおいて湾曲部22aと繋がる。本実施形態によれば、ストレート部22bと湾曲部22aとが接続されることにより、第1立壁部22の強度がより高められ、ブラケット20の剛性が向上する。
取付壁部23は、ブラケット本体部21の複数の角部にそれぞれ配置される。本実施形態では取付壁部23が、ブラケット本体部21の4つの角部にそれぞれ配置される。ブラケット本体部21の各角部に配置される各取付壁部23により、電動アクチュエータ10を車両の駆動装置等の対象物に安定して固定できる。また、複数の取付壁部23によって、ブラケット20の剛性がより高められる。
取付壁部23は、貫通孔21cの径方向外側に、中心軸J1回りの周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、ブラケット本体部21の貫通孔21cの周囲に複数の取付壁部23が配置されるので、貫通孔21cを設けてもブラケットの剛性が確保される。
取付壁部23は、取付座23aと、取付孔23bと、屈曲部23cと、を有する。取付座23aは、中心軸J1と直交する方向に拡がる板状であり、ブラケット本体部21よりも下側に位置する。特に図示しないが、取付座23aの下面は、車両の駆動装置等の対象物に接触する。本実施形態では取付座23aが、多角形板状である。取付孔23bは、取付座23aを軸方向Zに貫通する。ブラケット20を車両の駆動装置等の対象物に取り付ける際に、取付孔23bにはボルト等が挿入される。
屈曲部23cは、ブラケット本体部21と取付座23aとを接続する。すなわち、屈曲部23cは、ブラケット本体部21の外周部の一部と、取付座23aの外周部の一部とを繋ぐ。本実施形態では、取付壁部23が屈曲部23cおよび取付座23aを有するので、取付壁部23の剛性がより高められる。これにより、電動アクチュエータ10を車両の駆動装置等の対象物に安定して固定できる。
第2立壁部24は、幅方向Xに隣り合う取付壁部23間に配置される。詳しくは、第2立壁部24は、軸方向Zから見て、幅方向Xにおいて一対の取付壁部23間に位置する。第2立壁部24は、ブラケット本体部21から上側へ突出する。第2立壁部24は、板状である。第2立壁部24は、幅方向Xに延びる。第2立壁部24は、一対の第2辺部21bにそれぞれ設けられる。本実施形態では第2立壁部24が、一対の第2辺部21bに1つずつ、つまり計2つ設けられる。
本実施形態によれば、ブラケット20に第2立壁部24が設けられるため、ブラケット20が撓み変形することが、より抑制される。また第2立壁部24が、軸方向Zにおいてブラケット本体部21から取付壁部23とは反対側へ向けて突出するので、電動アクチュエータ10を車両の駆動装置等の対象物に取り付ける際に、第2立壁部24が対象物の部材と干渉することが抑えられ、第2立壁部24が組み立ての邪魔になりにくい。
図1に示すように、バスバーユニット90は、区画壁32aの上面に配置される。バスバーユニット90は、円環板状のバスバーホルダ91と、バスバーホルダ91に保持される複数のバスバー92と、を有する。バスバーホルダ91は、樹脂製である。バスバー92は、例えば、6本設けられる。本実施形態ではバスバーホルダ91が、バスバー92をインサート部材とするインサート成形によって作られる。
バスバー92の両端部のうち、第1の端部92aは、バスバーホルダ91の上面から上側へ突出する。本実施形態ではバスバー92の第1の端部92aが、回路基板70を軸方向Zに貫通する。第1の端部92aは、回路基板70を貫通する位置で、はんだ付け、溶接、圧入などの接続方法によって回路基板70と電気的に接続される。図示は省略するが、バスバー92の第2の端部は、ステータ43のコイルから引き出されるコイル引出線を把持し、半田付けまたは溶接によりコイルと接続される。これにより、ステータ43と回路基板70とが、バスバー92を介して電気的に接続される。
回路基板70は、モータ部40およびバスバーユニット90の上側に配置される。回路基板70は、板状であり、一対の板面が軸方向Zを向く。図示は省略するが、回路基板70は、軸方向Zから見て多角形状である。回路基板70は、バスバーユニット90を介して、ステータ43のコイルと電気的に接続される。すなわち、回路基板70は、モータ部40と電気的に接続される。本実施形態において回路基板70は、ハウジング本体12における開口部12aの内側に収容される。回路基板70は、第1蓋部材13によって上側から覆われる。
回路基板70は、複数のネジ96により、モータケース部32の区画壁32aに締結される。ネジ96は、回路基板70と、バスバーホルダ91とを軸方向Zに貫通し、区画壁32aのネジ孔に締結される。
モータ部センサ71は、回路基板70の下面に固定される。詳しくは、モータ部センサ71は、回路基板70の下面のうちモータ部用センサマグネット45と軸方向Zに隙間をあけて対向する部分に固定される。モータ部センサ71は、モータ部用センサマグネット45の磁界を検出する磁気センサである。モータ部センサ71は、例えば、ホールIC等のホール素子である。本実施形態ではモータ部センサ71が、周方向に互いに間隔をあけて3つ設けられる。モータ部センサ71は、モータ部用センサマグネット45の磁界を検出することでモータ部用センサマグネット45の回転位置を検出し、モータシャフト41の回転を検出する。
出力部センサ72は、回路基板70の下面に固定される。詳しくは、出力部センサ72は、回路基板70の下面のうち出力部用センサマグネット63と軸方向Zに隙間をあけて対向する部分に固定される。出力部センサ72は、出力部用センサマグネット63の磁界を検出する磁気センサである。出力部センサ72は、例えば、ホールIC等のホール素子である。出力部センサ72は、出力部用センサマグネット63の磁界を検出することで出力部用センサマグネット63の回転位置を検出し、出力シャフト61の回転を検出する。
図2および図3に示すように、コネクタ部80は、ハウジング11の外側面11aから突出する。コネクタ部80は、ハウジング11の外壁部30に固定される。コネクタ部80には、電動アクチュエータ10を制御する図示しない制御装置が接続される。制御装置は、電動アクチュエータ10に電力を供給する電源を有する。コネクタ部80は、コネクタ本体81と、図示しない配線部材と、を有する。
コネクタ本体81は、樹脂製である。コネクタ本体81は、配線部材をインサート部材とするインサート成形によって作られる。配線部材は、コネクタ本体81に保持される。配線部材は、一部がコネクタ本体81に埋め込まれて保持される。本実施形態において配線部材は、金属製のバスバーである。配線部材は、ハウジング11の外部および内部にわたって延びる。配線部材は、複数設けられる。
配線部材の一端部には、コネクタ部80に接続される制御装置が電気的に接続される。配線部材の他端部は、回路基板70に設けられた孔に通されて、回路基板70から上側に突出する。図示は省略するが、配線部材の他端部は、例えば、はんだによって回路基板70に固定され、回路基板70と電気的に接続される。
コネクタ部80に図示しない制御装置が接続されることで、制御装置の電源から、配線部材および回路基板70を介して、モータ部40に電力が供給される。また、モータ部センサ71の出力および出力部センサ72の出力が、配線部材および回路基板70を介して、制御装置に送られる。制御装置は、モータ部センサ71の出力および出力部センサ72の出力に基づいて、モータ部40に供給する電力を調整し、モータ部40を制御する。このようにして、図示しない制御装置は、電動アクチュエータ10を制御する。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
前述の実施形態では、取付壁部23が取付座23aを有する例を挙げたが、これに限らない。電動アクチュエータ10を取り付ける対象物の形状や配置等によっては、取付壁部23が、取付座23aを有さなくてもよい。この場合、取付壁部23は、例えば、屈曲部23cを対象物に接触させた状態で、屈曲部23cを用いて対象物に固定されてもよい。
前述の実施形態では、第2蓋部材14が第1部材11dに相当し、第1蓋部材13およびハウジング本体12が第2部材11eに相当する例を挙げたが、これに限らない。第1蓋部材13、ハウジング本体12および第2蓋部材14のうち少なくとも1つが、第1部材11dであってもよい。第1蓋部材13、ハウジング本体12および第2蓋部材14のうち少なくとも1つが、第2部材11eであってもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。