JP2018105280A - 流体機械 - Google Patents

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Yusuke Kinoshita
雄介 木下
慎吾 江波
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慎吾 江波
順也 矢野
Junya Yano
順也 矢野
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【課題】ハウジングにインバータを組み付けるために必要な締結具の増加を抑制すること。【解決手段】カバー15と、回路基板21と、ベース部材24と、第1ハウジング12の底壁12aの対向する部分に、締結具30を挿通する挿通孔S1〜S4を形成する。そして、各挿通孔S1〜S4に締結具30を挿通させて締結することで、第1ハウジング12の底壁12aに対して、カバー15、回路基板21、及びベース部材24を単一の締結具30によって固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、流体機械に関する。
流体機械の一種として電動圧縮機が知られている(例えば特許文献1参照)。電動圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動させる電動モータとを収容するハウジングを有する。ハウジングの外面には、電動モータを駆動させるインバータを収容するカバーが固設されている。また、インバータは、各種の電子部品が実装される回路基板を備えている。インバータの回路基板に実装される電子部品としては、例えば電解コンデンサがあり、電解コンデンサはリードを介して回路基板に実装されている。
特開2003−324900号公報
ところで、ハウジングにインバータを組み付ける場合は、最初にハウジングに回路基板を固定するとともにその状態で回路基板に電解コンデンサなどの電子部品を実装し、その後に回路基板を覆うようにカバーをハウジングに固定する方法が用いられる。しかしながら、このような組み付け方法では、ハウジングに回路基板を固定する例えばねじなどの締結具とハウジングにカバーを固定する例えばねじなどの締結具というように2種類の締結具を必要とする。このため、ハウジングにインバータを組み付ける場合には、ハウジングと回路基板との固定に必要な締結具の数と、ハウジングと回路基板との固定に必要な締結具の数と、を合わせた分の締結具が必要であり、必要な締結具の数が増加する傾向にある。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ハウジングにインバータを組み付けるために必要な締結具の増加を抑制し得る流体機械を提供することにある。
上記課題を解決する流体機械は、流体が吸入される吸入口が形成されたハウジングに電動モータが収容されるとともに、前記ハウジングの外面にカバーが取り付けられ、前記ハウジングの外面と前記カバーとによって区画される収容空間に前記電動モータを駆動させるインバータが収容された流体機械であって、前記インバータは、回路基板を有し、前記カバー、前記回路基板、及び前記ハウジングのそれぞれには、挿通孔が形成されており、軸線方向の第1端部が前記ハウジングの前記挿通孔に締結される締結ピンと、当該締結ピンの前記第1端部とは反対側に位置する第2端部に締結されるとともに前記カバーに押付力を付与する座面を有する押圧部と、を有する締結具を備え、前記締結具は、前記締結ピンの前記第1端部が、前記カバーに形成された前記挿通孔と、前記回路基板に形成された前記挿通孔と、前記ハウジングに形成された前記挿通孔とに挿通された後、前記第2端部に前記押圧部が締結されることで、前記カバー及び前記回路基板を前記ハウジングに固定することを要旨とする。
この構成によれば、カバー及び回路基板は、ハウジングに対して締結具を用いて固定される。このため、ハウジングに対するカバーの固定と、ハウジングに対する回路基板の固定と、を別々の締結具を用いずに、単一の締結具で行うことができる。したがって、ハウジングにインバータを組み付けるために必要な締結具の増加を抑制することができる。
上記流体機械において、前記回路基板は、前記カバーとの間に第1の間隔をおいて配置されているとともに、前記ハウジングの外面との間に第2の間隔をおいて配置されており、前記回路基板と前記カバーとの間には、前記第1の間隔を保持する第1の間隙保持部材が介在されており、前記回路基板と前記ハウジングの外面との間には、前記第2の間隔を保持する第2の間隙保持部材が介在されるようにしてもよい。
この構成によれば、カバーと回路基板の間、及び回路基板とハウジングの外面との間のそれぞれに間隙保持部材を介在させることにより、締結具を用いて固定する場合であっても、カバーと回路基板の間隔、及び回路基板とハウジングの間隔を保持できる。それに伴い、締結具からの押圧力はカバー、回路基板、及びハウジングに確実に伝えられ、良好な組み付け性能を維持できる。
上記流体機械において、前記第2の間隙保持部材は、前記回路基板の前記挿通孔に挿通されて当該挿通孔から突出する突出部を有し、前記第1の間隙保持部材は、前記突出部が挿入される孔を有してもよい。
この構成によれば、カバーと回路基板の間、及び回路基板とハウジングの外面との間のそれぞれに間隙保持部材を介在させることにより、締結具を用いて固定する場合であっても、カバーと回路基板の間隔、及び回路基板とハウジングの間隔を保持できる。それに伴い、締結具からの押圧力はカバー、回路基板、及びハウジングに確実に伝えられ、良好な組み付け性能を維持できる。
上記流体機械において、前記回路基板に実装される電子部品が載置される金属製のベース部材を備えており、前記ベース部材は、前記回路基板と前記ハウジングの外面との間に配置されており、前記ベース部材には、前記挿通孔が形成されており、前記締結具は、前記締結ピンの前記第1端部が、前記カバーに形成された前記挿通孔と、前記回路基板に形成された前記挿通孔と、前記ベース部材に形成された前記挿通孔と、前記ハウジングに形成された前記挿通孔とに挿通された後、前記第2端部に前記押圧部が締結されることで、前記カバー、及び前記回路基板及び前記ベース部材を前記ハウジングに固定するようにしてもよい。
この構成によれば、ベース部材を通じて電子部品の熱をハウジングに伝えることができる。また、締結具からの押圧力によってハウジングとベース部材の密着性を高め、放熱性能を向上させることができる。
本発明によれば、ハウジングにインバータを組み付けるために必要な締結具の増加を抑制できる。
電動圧縮機の全体を示す一部破断図。 インバータの組み付け構造を示す断面図。 インバータの組み付け構造を示す断面図。
以下、流体機械としての電動圧縮機に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。なお、電動圧縮機は車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、電動圧縮機10は、円筒状のハウジング11を有している。ハウジング11は、金属材料製(例えばアルミニウム製)である。ハウジング11は、板状の底壁12aと底壁12aの周縁部から立設する側壁12bとからなる有底円筒状の第1ハウジング12と、第1ハウジング12の開口を塞いだ状態で第1ハウジング12に組み付けられる有蓋円筒状の第2ハウジング13と、を有している。第1ハウジング12の側壁12bには、第1ハウジング12内に流体としての冷媒が吸入される吸入口16が第1ハウジング12の径方向に貫通して設けられている。
第1ハウジング12には、冷媒を圧縮する圧縮部17と、圧縮部17を駆動する電動モータ18とが収容されている。電動モータ18は、回転軸18bと、回転軸18bと一体のロータ18cと、第1ハウジング12の内周面に設けられたステータ18aと、を有している。回転軸18bの軸線方向と、第1ハウジング12の軸線方向とは同一方向である。
電動圧縮機10は、底部15aと底部15aの周縁部から立設する側部15bとからなる有底筒状のカバー15を有する。
第1ハウジング12の底壁12aにおける電動モータ18側の面とは反対側の面(図1に符号「14」を示す箇所)には、カバー15が、カバー15と第1ハウジング12の底壁12aとによってインバータモジュール20を収容する収容空間19を区画するように取り付けられている。なお、第1ハウジング12の底壁12aにおける電動モータ18側の面とは反対側の面は、ハウジング11の外面に相当する。以降、第1ハウジング12の底壁12aにおける電動モータ18側の面とは反対側の面は、ハウジング11の外面14として説明を行う。収容空間19には、電動モータ18を駆動させるインバータモジュール20が収容されている。つまり、インバータモジュール20は、カバー15によって覆われている。
図2に示すように、インバータモジュール20は、インバータ20aと板状のベース部材24とを有している。インバータ20aは、回路基板21及び各種の電子部品を有している。
回路基板21は、対向する第1面22aと第2面22bとを有し、各種の電子部品が実装される。回路基板21に実装される電子部品には、例えば電解コンデンサ、コイル、半導体素子である。これらの電子部品は、インバータ20aの駆動によって発熱する電子部品である。なお、図2には、電子部品の例示として電解コンデンサ23を図示している。
また、図2に示すように、板状のベース部材24は、対向する第1面24aと第2面24bとを有し、第1面24aと第2面24bとの離間距離がベース部材24の厚みになる。ベース部材24は、金属材料製(例えばアルミニウム製)であり、例えばダイカストによって製造されている。
ベース部材24の第1面24aには、回路基板21に実装される電子部品のうち、特定の電子部品が載置されている。なお、図2には、ベース部材24の第1面24aに載置される電子部品の例示として電解コンデンサ23を図示している。この実施形態においてベース部材24の第1面24aは電子部品の載置面である。一方、ベース部材24の第2面24bは、ベース部材24を第1ハウジング12の外面14に取り付けた際には外面14に接触する接触面になる。なお、ベース部材24の第2面24bと第1ハウジング12の外面14との接触は、面同士による直接的な接触に限らず、第2面24bと外面14との間に介在物(例えば接着層など)を介在させた間接的な接触でもよい。また、ベース部材24の第1面24aは、例えば図2に示すように、ベース部材24に回路基板21を取り付けた場合、回路基板21の第1面22aに対向する面でもある。
以下、図2及び図3にしたがって、この実施形態におけるインバータモジュール20及びカバー15の組み付け構造について詳しく説明する。
この実施形態においてインバータモジュール20とカバー15は、第1ハウジング12の外面14に近い側からベース部材24、回路基板21、カバー15という順で配置され、外面14に取り付けられる。これにより、第1ハウジング12の外面14は、ベース部材24の第2面24bと対向するとともに、ベース部材24の第1面24aと回路基板21の第1面22aとが対向し、回路基板21における第2面22bとカバー15の底部15aとが対向する。つまり、回路基板21は、カバー15の底部15aと第1ハウジング12の外面14との間であって、カバー15の底部15aと第1ハウジング12の外面14のそれぞれに対向して配置されている。また、ベース部材24は、回路基板21と第1ハウジング12の外面14との間であって、回路基板21と第1ハウジング12の外面14のそれぞれに対向して配置されている。そして、回路基板21は、カバー15の底部15aとの間に第1の間隔である距離D1をおいて配置されているとともに、第1ハウジング12の外面14との間に第2の間隔である距離D2をおいて配置されている。
カバー15の底部15aと、回路基板21と、ベース部材24と、第1ハウジング12の外面14を有する底壁12aのそれぞれには、挿通孔S1,S2,S3,S4が形成されている。カバー15の挿通孔S1と、回路基板21の挿通孔S2と、ベース部材24の挿通孔S3とは、何れも貫通した孔である。一方、第1ハウジング12の底壁12aの挿通孔S4は、底を有する孔である。
この実施形態においてインバータモジュール20及びカバー15は、各挿通孔S1〜S4に挿通される締結具30を用いて第1ハウジング12の底壁12aに締結され、固定される。この実施形態においてインバータモジュール20及びカバー15の締結は、ねじ締めによって行われる。また、この実施形態においてインバータモジュール20及びカバー15の締結には、複数の締結具30が用いられる。なお、図2及び図3は、複数箇所ある締結部分のうち1箇所の締結部分を図示しており、1つの締結具30のみを図示している。ここで説明する組み付け構造は、各締結部分において同一構造である。
締結具30は、柱状の締結ピン31と、締結ピン31に締結される頭部32と、を有する。締結ピン31と頭部32とは別体構成である。締結ピン31は、軸線方向の両端である第1端部31bと第2端部31cとを有する。この実施形態の締結ピン31は、タッピングねじと同機能を果たし得るように第1端部31b寄りの周面にねじ部31dを有する。また、この実施形態の締結ピン31は、第2端部31c寄りに、頭部32をねじ締めによって締結するためのねじ部31eを有する。
頭部32は、六角フランジ付きの頭部であり、頭部32の座面32a側にはフランジ32bを有する。また、この実施形態において頭部32は、締結ピン31と別体構成であるため、締結ピン31の第2端部31cが挿通される挿通穴(雌ねじ部)32cを有する。
また、この実施形態の取り付け構造では、図2に示すように、カバー15と回路基板21との間に距離D1を保持する第1の間隙保持部材としての第1カラー34が介在されるとともに、回路基板21と第1ハウジング12の外面14との間に距離D2を保持する第2の間隙保持部材としての第2カラー35が介在される。第1カラー34及び第2カラー35は、何れも樹脂製である。また、この実施形態において第1カラー34の長さは距離D1に等しい又はほぼ等しい。また、この実施形態において第2カラー35の長さは距離D2からベース部材24の厚み分を減算した長さに等しい又はほぼ等しい。ほぼ等しいとは、製造上の誤差分(良品としての許容分)を含む範囲である。
以下、図2及び図3にしたがって、この実施形態の電動圧縮機10の作用を、インバータモジュール20及びカバー15の組み付け方法とともに説明する。
この実施形態の電動圧縮機10は、第1ハウジング12の底壁12aに対し、カバー15と、回路基板21と、ベース部材24とが1つの締結具30を用いて取り付けられる。つまり、第1ハウジング12の底壁12aと、カバー15と、回路基板21と、ベース部材24とは、挿通孔S1〜S4に挿通される締結具30によって締結されている。
組み付けに際しては、まず第1ハウジング12の底壁12aの挿通孔S4と、ベース部材24の挿通孔S3と、回路基板21の挿通孔S2との位置を合わせて、これらの挿通孔S2〜S4に締結ピン31を挿通させる。また、ベース部材24と回路基板21との間には第2カラー35を介在させ、第2カラー35にも締結ピン31を挿通させる。このとき、回路基板21とベース部材24は、第1ハウジング12の底壁12aに対してまだ締結されておらず、締結ピン31によって第1ハウジング12の底壁12aに対して位置合わせが行われている状態である。また、カバー15はまだ組み付けられておらず、回路基板21の第2面22bが露出された状態である。この状態において回路基板21の第2面22bに電子部品等を半田付けなどによって実装する。
そして、電子部品の実装後は、カバー15の挿通孔S1に締結ピン31を挿通させ、カバー15が回路基板21を覆うように取り付けられる。また、カバー15と回路基板21との間には第1カラー34を介在させ、第1カラー34にも締結ピン31を挿通させる。この状態では、図3に示すように、カバー15の挿通孔S1と、回路基板21の挿通孔S2と、ベース部材24の挿通孔S3と、第1ハウジング12の底壁12aの挿通孔S4と、に締結ピン31が挿通されている。また、締結ピン31の第2端部31cの付近は、カバー15の挿通孔S1から外に突出されている。
次に、締結ピン31の第2端部31cに座金33を介在させた状態で頭部32を締結させる。これにより、締結ピン31と頭部32とが固定され、締結具30として一体化される。そして、締結具30によってねじ締めを行うと、締結ピン31に形成されたねじ部31dによって第1ハウジング12の挿通孔S4の内面に雌ねじが形成されながら挿通孔S4に押し込まれる。これにより、第1ハウジング12の底壁12aに対し、カバー15と、回路基板21と、ベース部材24とが締結固定される。
このとき、カバー15と回路基板21との間隔は第1カラー34によって保持されるとともに、回路基板21と第1ハウジング12の底壁12a及びベース部材24との間隔は第2カラー35によって保持される。また、締結具30によってねじ締めを行うと、頭部32の座面32aは座金33に密着し、座金33はカバー15の外面に密着する。これにより、カバー15には、締結具30によってねじ締めを行うことで頭部32の座面32aから座金33を介して押付力が付与される。つまり、頭部32は、カバー15に押付力を付与する座面32aが形成された押圧部としての機能を有する。
カバー15に付与された押付力は、カバー15に接触する第1カラー34を通じて回路基板21へ伝えられるとともに回路基板21に接触する第2カラー35を通じてベース部材24へ伝えられる。これにより、ベース部材24は、第1ハウジング12の外面14に対して押し付けられ、外面14との密着性が高められる。
以上により、この実施形態の電動圧縮機10では、第1ハウジング12の底壁12aに対し、カバー15、回路基板21及びベース部材24という3つの構成要素が締結具30によって締結固定される。つまり、カバー15、回路基板21及びベース部材24は、単一の締結具30によって共締めされている。なお、締結具30は複数存在する。そして、この実施形態の電動圧縮機10では、例えば締結部分を3箇所とした場合、3つの締結具30により、第1ハウジング12の底壁12aに対してカバー15、回路基板21及びベース部材24が締結固定される。
したがって、この実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)締結具30は、締結ピン31の第1端部31bが、カバー15に形成された挿通孔S1と、回路基板21に形成された挿通孔S2と、ベース部材24に形成された挿通孔S3と、第1ハウジング12の底壁12aに形成された挿通孔S4とに挿通される。そして、締結具30は、各挿通孔S1〜S4に挿通された後、第2端部31cに頭部32が締結されることで、カバー15、回路基板21及びベース部材24を第1ハウジング12に固定する。このため、第1ハウジング12に対するカバー15の固定と、第1ハウジング12に対する回路基板21の固定と、を別々の締結具を用いずに、単一の締結具30で行うことができる。したがって、ハウジング11にインバータ20aを組み付けるために必要な締結具30の増加を抑制することができる。
また、加えてベース部材24についても、第1ハウジング12の底壁12aに対して単一の締結具30を用いて固定される。このため、第1ハウジング12に対するカバー15の固定と、第1ハウジング12に対する回路基板21の固定と、第1ハウジング12に対するベース部材24の固定と、を別々の締結具を用いずに、単一の締結具30で行うことができる。したがって、ハウジング11にインバータ20aを組み付けるために必要な締結具30の増加を抑制することができる。
(3)組み付けに必要な締結具30の増加を抑えることで、インバータ20aの小型化を図ることができる。つまり、必要な締結具の数が多ければ、締結部分も増加することになるから、締結部分の確保のためにインバータ20a全体のサイズを使用する締結具30の体格を考慮して大きくする必要がある。したがって、この実施形態では、組み付けに必要な締結具30の数の増加を抑制することで、締結部分の増加を抑え、その結果としてインバータ20a全体のサイズを小型化できる。
(4)カバー15と回路基板21の間に第1カラー34を介在させるとともに、回路基板21とベース部材24(第1ハウジング12)の間に第2カラー35を介在させている。このため、カバー15と回路基板21の間隔、及び回路基板21とベース部材24(第1ハウジング12)の間隔を保持できる。それに伴い、頭部32からカバー15に加えられた押圧力は、第1カラー34及び第2カラー35を介して回路基板21、ベース部材24及びハウジング11に確実に伝えられ、良好な組み付け性能を維持できる。
(5)特に、金属製のベース部材24を用いて、ベース部材24に載置した電子部品(電解コンデンサ23など)の熱をハウジング11に放熱させる場合、ベース部材24とハウジング11との密着性は高いことが好ましい。このため、上記(3)欄で記載したように頭部32からカバー15に加えられた押圧力を、第1カラー34、回路基板21及び第2カラー35を介して、ベース部材24に伝えることで、ベース部材24とハウジング11との密着性を高め、放熱性能を向上させることができる。
(6)締結具30は、締結ピン31と頭部32とを別体構成としている。このため、回路基板21の第2面22bに電子部品等を半田付けなどによって実装する際には、締結ピン31を位置決め用の部材として機能させることで回路基板21を所望の位置で保持することができる。したがって、実装作業を行い易くなる。
(7)また、締結ピン31に対して頭部32を脱着可能としているので、回路基板21をメンテナンスする場合であっても、カバー15を容易に取り外すことができる。そして、カバー15をハウジング11に対して締結具30によって締結した後、頭部32の脱着によってカバー15を取り外しても、回路基板21などは締結ピン31によって所望の位置で保持されていることから、メンテナンスを容易に行うことができる。
(8)締結具30は、締結ピン31によってタッピングしながら締結する構造とした。このため、締結ピン31は、カバー15を取り付け前、すなわち回路基板21への電子部品の実装時には位置決め部材として機能させ、上記(6)に記載の効果を得られるとともに、カバー15の取り付け後はカバー15、回路基板21及びベース部材24をハウジング11に固定する固定具として機能させることができる。このような締結ピン31を用いれば、第1ハウジング12の挿通孔S4に雌ねじを予め加工しておく必要がなく、製造工程を簡素化することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ カバー15と回路基板21との距離D1、及び回路基板21と第1ハウジング12の外面14との距離D2は任意に変更してもよい。これらの距離D1,D2は、回路基板21に実装される電子部品のサイズなどによって任意に定まる値である。
○ 第1カラー34及び第2カラー35の配置を変更してもよい。つまり、第1カラー34及び第2カラー35は、締結具30が挿通されなくてもよく、締結具30を挿通できない離間した位置に配置されていてもよい。なお、第1カラー34及び第2カラー35は、頭部32からカバー15に加えられた押圧力を回路基板21、ベース部材24及びハウジング11により伝えるために、締結部分の近傍に配置されているとよい。
○ また、上記別例のように第1カラー34及び第2カラー35を締結部分から離間した位置に配置する場合、かつ締結具30を挿通させない場合、第1カラー34及び第2カラー35は筒状に代えて柱状としてもよい。また、実施形態及び上記別例において第1カラー34及び第2カラー35の断面形状は円形でもよいし、多角形でもよい。
○ 締結具30の数は、第1ハウジング12にインバータ20aを組み付けるために設定した締結部分の数によって任意に変更することができる。
○ 締結ピン31に対する頭部32の固定は圧入でもよい。また、締結ピン31に対して頭部32を溶接などによって固定してもよい。この場合は、締結ピン31から頭部32が取り外し不能となるため、メンテナンス時には締結具30自体を取り外すことでカバー15を外すことができる。
○ 第1ハウジング12の底壁12aにある挿通孔S4には予め雌ねじが形成されていてもよい。
○ 流体機械は電動圧縮機10に限られず、任意である。例えば、車両に燃料電池が搭載されている場合には、流体機械は、燃料電池に水素を供給する電動ポンプ装置でもよい。この場合、電動ポンプ装置は、水素タンクの水素を圧縮することなく供給するポンプと、ポンプを駆動させる電動モータとを備えているとよい。
○ ベース部材24の第2面24bと第1ハウジング12の外面14との間に介在物を介在させる場合、その介在物はベース部材24上に載置される電子部品(電解コンデンサ23など)の放熱性能を妨げない物が好ましい。
○ カバー15は、カバー15と第1ハウジング12の側壁12bとによって収容空間19を区画するように取り付けられていてもよい。
○ ベース部材24は、例えば接着などによって第1ハウジング12の外面14に接合されていてもよい。この場合、ベース部材24は、挿通孔S3を有さず、締結具30から離間する位置に配置されていてもよい。
○ ベース部材24を介在させずに、電子部品(電解コンデンサ23など)を第1ハウジング12の外面14に直接載置してもよいし、または介在物を介在させて載置してもよい。この別例は、インバータモジュール20がベース部材24を備えていないので、第1ハウジング12に対しては、カバー15と回路基板21とが締結具30によって締結固定される。
○ 第2カラー35に、回路基板21の挿通孔S2に挿通されて当該挿通孔S2から突出する突出部を設ける。一方で、第1カラー34には、挿通孔S2に挿通されて挿通孔S2から突出した突出部が挿入される孔を設ける。これによれば、第1カラー34の孔に第2カラー35の突出部が嵌合され、回路基板21を第1カラー34と第2カラー35とで挟み込むことができ、実装の際には回路基板21を安定して保持することができる。
○ インバータ20aにおいては、回路基板21の第1面22a及び第2面22bに限らず、これらの第1面22aや第2面22bに対向する面に電子部品が実装されていてもよい。
10…電動圧縮機、11…ハウジング、12…第1ハウジング、12a…底壁、14…外面、15…カバー、16…吸入口、17…圧縮部、18…電動モータ、19…収容空間、20…インバータモジュール、20a…インバータ、21…回路基板、23…電解コンデンサ、24…ベース部材、30…締結具、31…締結ピン、31b…第1端部、31c…第2端部、32…頭部、32a…座面、34…第1カラー、35…第2カラー、D1,D2…距離、S1〜S4…挿通孔。

Claims (4)

  1. 流体が吸入される吸入口が形成されたハウジングに電動モータが収容されるとともに、前記ハウジングの外面にカバーが取り付けられ、前記ハウジングの外面と前記カバーとによって区画される収容空間に前記電動モータを駆動させるインバータが収容された流体機械であって、
    前記インバータは、回路基板を有し、
    前記カバー、前記回路基板、及び前記ハウジングのそれぞれには、挿通孔が形成されており、
    軸線方向の第1端部が前記ハウジングの前記挿通孔に締結される締結ピンと、当該締結ピンの前記第1端部とは反対側に位置する第2端部に締結されるとともに前記カバーに押付力を付与する座面を有する押圧部と、を有する締結具を備え、
    前記締結具は、前記締結ピンの前記第1端部が、前記カバーに形成された前記挿通孔と、前記回路基板に形成された前記挿通孔と、前記ハウジングに形成された前記挿通孔とに挿通された後、前記第2端部に前記押圧部が締結されることで、前記カバー及び前記回路基板を前記ハウジングに固定することを特徴とする流体機械。
  2. 前記回路基板は、前記カバーとの間に第1の間隔をおいて配置されているとともに、前記ハウジングの外面との間に第2の間隔をおいて配置されており、
    前記回路基板と前記カバーとの間には、前記第1の間隔を保持する第1の間隙保持部材が介在されており、
    前記回路基板と前記ハウジングの外面との間には、前記第2の間隔を保持する第2の間隙保持部材が介在されている請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記第2の間隙保持部材は、前記回路基板の前記挿通孔に挿通されて当該挿通孔から突出する突出部を有し、
    前記第1の間隙保持部材は、前記突出部が挿入される孔を有する請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記回路基板に実装される電子部品が載置される金属製のベース部材を備えており、
    前記ベース部材は、前記回路基板と前記ハウジングの外面との間に配置されており、
    前記ベース部材には、前記挿通孔が形成されており、
    前記締結具は、前記締結ピンの前記第1端部が、前記カバーに形成された前記挿通孔と、前記回路基板に形成された前記挿通孔と、前記ベース部材に形成された前記挿通孔と、前記ハウジングに形成された前記挿通孔とに挿通された後、前記第2端部に前記押圧部が締結されることで、前記カバー、及び前記回路基板及び前記ベース部材を前記ハウジングに固定する請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の流体機械。
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