JP7465167B2 - 物品素材の鋳造方法及び鋳造品並びに鋳造品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物品素材の鋳造方法と、鋳造品と、鋳造品の製造方法に関する。
下記特許文献1においては、モータケースの内部にオイルや冷却水が進入することを防止するために、鋳造されたモータケース素材を機械加工する面積を減少させる方法が提案されている。この方法では、鋳造時に、モータケース素材の内周面に複数の突部を形成し、鋳造後に、モータケース素材の内周面のうち突部のみを機械加工する。しかしながら、機械加工の面積減少という知見に留まっている。
特開2002-10562号公報
本発明は、流体の滲み出しを効果的に抑制することができる、物品素材の鋳造方法及び鋳造品並びに鋳造品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る物品素材の鋳造方法は、壁面が機械加工されることにより被収容物が収容される径一定の収容孔となる、第一端部側に拡径する鋳抜き孔と、鋳抜き孔の径方向外側に設けられた流路予定部とを有する、物品素材を鋳造する方法であって、鋳抜き孔の壁面のうち流路予定部の径方向内側に、径方向外側に凹んだ逃げ凹部を形成する。
この方法によれば、鋳抜き孔の壁面に逃げ凹部が形成されている。鋳抜き孔の壁面を機械加工する際に、逃げ凹部の形成箇所が機械加工されにくくなる。例えば、逃げ凹部の形成箇所が機械加工されずに残ったり、あるいは、逃げ凹部の形成箇所が機械加工される場合であっても、壁面の他の部分よりも削り代が小さくなる。物品素材の表面は鋳造された状態の素材面である。鋳造によって物品素材の内部には鋳巣が発生している可能性がある。仮に鋳巣が発生していた場合、素材面には鋳巣が露出する可能性が低い。一方、物品素材の表面を機械加工して素材面が除去されて加工面となると、鋳巣が露出する可能性は、素材面に比して高くなる。流路予定部は、例えば、機械加工されて流路となる。あるいは、流路予定部に流路用の鋳抜き孔が形成されている場合には、その流路用の鋳抜き孔を機械加工せずにそのまま流路として使用したり、あるいはまた、流路用の鋳抜き孔に別途のチューブ等を挿入してそのチューブを流路として用いたりする。代表例として、流路予定部が機械加工される場合について説明すると、流路の壁面は加工面となる。そのため、流路の壁面には鋳巣が露出する可能性がある。流路の壁面に鋳巣が露出した場合、流路を流れる流体は、流路の壁面に露出した鋳巣から物品内部に浸入する。一方、逃げ凹部の形成箇所が機械加工されずに残ると、逃げ凹部の形成箇所は素材面として残る。そのため、逃げ凹部の形成箇所には鋳巣が露出しにくい。また、逃げ凹部の形成箇所が機械加工される場合であっても削り代は小さい。そのため、逃げ凹部の形成箇所には鋳巣が露出しにくい。従って、物品素材に逃げ凹部を形成しておくことにより、流路を流れる流体が鋳巣を介して収容孔の壁面から染み出す可能性を抑制することができる。
特に、鋳抜き孔の壁面の第一抜き勾配に対して逃げ凹部の壁面の第二抜き勾配を小さく設定して、鋳抜き孔の第二端部側に向けて徐々に径方向外側に深くなる逃げ凹部を形成することが好ましい。この方法によれば、第一抜き勾配と第二抜き勾配との間の勾配差によって逃げ凹部を容易に形成することができる。
更に、鋳抜き孔を形成するための金型の孔形成部の周面に、第一抜き勾配のテーパ部と、テーパ部に対して孔形成部の先端側に向けて徐々に径方向外側に突出し、第二抜き勾配の突端面を有する凸部とを設けることが好ましい。この方法によれば、テーパ部により主面部を形成することができ、凸部により逃げ凹部を形成することができる。
また、本発明に係る鋳造品は、壁面が機械加工され、被収容物が収容される径一定の収容孔と、収容孔の径方向外側に設けられた流路と、を有する鋳造品であって、収容孔の壁面のうち流路の径方向内側に、機械加工されずに残された素材面を有している。
また、本発明に係る鋳造品の製造方法は、被収容物が収容される径一定の収容孔と、収容孔の径方向外側に設けられた流路と、を有する鋳造品の製造方法であって、第一端部側に拡径する鋳抜き孔と、鋳抜き孔の径方向外側に設けられた流路予定部と、鋳抜き孔の壁面のうち流路予定部の径方向内側に設けられ、径方向外側に凹んだ逃げ凹部と、を有する、物品素材を鋳造する第一ステップと、物品素材の鋳抜き孔の壁面を機械加工することにより収容孔を形成すると共に、物品素材の流路予定部を機械加工することにより流路を形成する第二ステップと、を含む。
以上のように、収容孔の壁面のうち流路の径方向内側の箇所からの流体の染み出しを抑制することができ、漏れ対策としての含浸処理も不要になる。
本発明の一実施形態におけるモータケース素材を第一端部側から見た斜視図。 同モータケース素材を第一端部側から見た斜視図。 同モータケース素材を第一端部側から軸線方向に見た図。 図3のA-A断面図。 図3のB-B断面図。 図3のC-C断面図。 同モータケース素材の鋳造方法を示す概略図。 同モータケース素材を鋳造するための金型の要部を示す模式図。 本発明の一実施形態におけるモータケースを第一端部側から見た斜視図。 同モータケースを第一端部側から見た斜視図。 同モータケース素材を第一端部側から軸線方向に見た図。 図11のD-D断面図。 図11のE-E断面図。 図11のF-F断面図。 本発明の他の実施形態におけるモータケースを第一端部側から見た斜視図。 本発明の他の実施形態における物品素材を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態にかかるモータケース素材1とその鋳造方法、及び、そのモータケース素材1を機械加工して形成したモータケース5について、図1~図14を参酌しつつ説明する。図1~図6に、本実施形態にかかるモータケース素材1を示している。モータケース素材1は、鋳造により製造され、具体的には、ダイカストにより製造されている。モータケース素材1は、鋳造された状態のものであって機械加工される前の状態のものである。モータケース素材1は、半製品であり、機械加工されることにより完成品であるモータケース5となる。
モータケース素材1は、円筒状である。以下、モータケース素材1の中心線方向を単に軸線方向と称する。また、モータケース素材1の第一端部1a側を前側と称し、モータケース素材1の第二端部1b側を後側と称する。図1及び図2は、モータケース素材1を前側から見た斜視図である。
モータケース素材1は、主鋳抜き孔10と、前軸用鋳抜き孔11と、前環状鋳抜き孔12と、前流路用鋳抜き孔13と、前ネジ用鋳抜き孔14と、後軸用鋳抜き孔20と、後環状鋳抜き孔21と、後流路用鋳抜き孔22と、図示しない後ネジ用鋳抜き孔と、冷却用横孔23とを有している。主鋳抜き孔10と、前軸用鋳抜き孔11と、前環状鋳抜き孔12と、前流路用鋳抜き孔13と、前ネジ用鋳抜き孔14は、モータケース素材1の第一端部1a側、即ち前側に開口していて、前側に鋳抜かれている。後軸用鋳抜き孔20と、後環状鋳抜き孔21と、後流路用鋳抜き孔22と、後ネジ用鋳抜き孔は、モータケース素材1の第二端部1b側、即ち、後側に開口していて、後側に鋳抜かれている。
主鋳抜き孔10は、モータケース素材1の中心線と同軸に形成されている。主鋳抜き孔10は、モータケース素材1の主となる孔であって、主鋳抜き孔10によってモータケース素材1は円筒状となっている。主鋳抜き孔10は、モータケース素材1の第一端部1aに開口している。前軸用鋳抜き孔11は、主鋳抜き孔10と同軸に形成されている。前軸用鋳抜き孔11と前環状鋳抜き孔12は、主鋳抜き孔10の後側に連続している。前環状鋳抜き孔12は、前軸用鋳抜き孔11の径方向外側に位置し、前軸用鋳抜き孔11の径方向外側を周回している。前流路用鋳抜き孔13と前ネジ用鋳抜き孔14は、主鋳抜き孔10の径方向外側に位置する。前流路用鋳抜き孔13は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、二つの前流路用鋳抜き孔13が形成されている。但し、前流路用鋳抜き孔13の個数や配置は任意である。前ネジ用鋳抜き孔14は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。前ネジ用鋳抜き孔14の個数や配置は任意であるが、本実施形態では、六つの前ネジ用鋳抜き孔14が形成されている。
冷却用横孔23は、主鋳抜き孔10に連通している。冷却用横孔23は、互いに間隔をあけて複数形成されており、本実施形態では二つ形成されている。一方の冷却用横孔23は水等の冷媒が入る挿入路であり、他方の冷却用横孔23は冷媒が出る排出路である。
後軸用鋳抜き孔20は、前軸用鋳抜き孔11と連通している。前軸用鋳抜き孔11と後軸用鋳抜き孔20は同軸である。後環状鋳抜き孔21は、後軸用鋳抜き孔20の径方向外側に位置し、後軸用鋳抜き孔20の径方向外側を周回している。後流路用鋳抜き孔22は、後環状鋳抜き孔21の前側に連続している。後流路用鋳抜き孔22は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、二つの後流路用鋳抜き孔22が形成されている。前流路用鋳抜き孔13と後流路用鋳抜き孔22は同軸に位置する。後ネジ用鋳抜き孔は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。後ネジ用鋳抜き孔の個数や配置は任意であるが、本実施形態では、六つ形成されている。前ネジ用鋳抜き孔14と後ネジ用鋳抜き孔は同軸に位置する。
モータケース素材1の外周面には、径方向外側に突出し、軸線方向に沿って延びる複数の前ネジボス30と後ネジボス31と流路予定部としての流路ボス32とが設けられている。前ネジボス30は、モータケース素材1の軸線方向の全長のうち前側部分に局所的に形成されている。後ネジボス31は、モータケース素材1の軸線方向の全長のうち後側部分に局所的に形成されている。前ネジボス30と後ネジボス31は、互いに軸線方向に対向している。前ネジボス30と後ネジボス31は、周方向に間隔をあけて複数ずつ形成されている。前ネジボス30に前ネジ用鋳抜き孔14が形成され、後ネジボス31に後ネジ用鋳抜き孔が形成されている。流路ボス32は、モータケース素材1の軸線方向の全長に亘って形成されている。流路ボス32は、互いに周方向に間隔をあけて二つ形成されている。流路ボス32の前側部分に前流路用鋳抜き孔13が形成され、流路ボス32の後側部分に後流路用鋳抜き孔22が形成されている。前流路用鋳抜き孔13及び後流路用鋳抜き孔22は、何れも非貫通の孔であって、互いに連通していない。但し、前流路用鋳抜き孔13と後流路用鋳抜き孔22が連通していてもよい。また、流路ボス32に、前流路用鋳抜き孔13が形成されなくてもよく、後流路用鋳抜き孔22が形成されなくてもよい。
<逃げ凹部41>
主鋳抜き孔10の壁面は、モータケース素材1の内周面を構成している。主鋳抜き孔10は、断面円形であって前側に向けて拡径している。主鋳抜き孔10の壁面は、主面部40を有している。主面部40は、第一抜き勾配を有している。第一抜き勾配により、主鋳抜き孔10は、前側に向けて拡径している。
主鋳抜き孔10の壁面のうち流路ボス32の径方向内側に対向した対向部には、径方向外側に凹んだ逃げ凹部41が形成されている。逃げ凹部41は、二つの流路ボス32に対応して二つ形成されている。逃げ凹部41は、軸線方向に沿って筋状に延びている。逃げ凹部41の幅(周方向の寸法)は、前側に向けて徐々に広がっている。逃げ凹部41の幅は、前流路用鋳抜き孔13の直径及び後流路用鋳抜き孔22の直径よりも大きいことが好ましく、流路ボス32の幅よりも大きいことが好ましい。逃げ凹部41は、後側に向けて徐々に径方向外側に深くなっている。即ち、逃げ凹部41の径方向外側への凹み量は、後側に向けて徐々に大きくなっている。
逃げ凹部41の壁面は、逃げ凹部41に対して径方向外側に面する凹部主面41aと、凹部主面41aの周方向の両側に連続する一対の凹部側面41bと、凹部主面41aの後側に連続する凹部底面41cとを有する。凹部主面41aは、第一抜き勾配よりも小さい第二抜き勾配を有している。第二抜き勾配は1度以下が好ましい。第二抜き勾配は0度であってもよい。
逃げ凹部41の深さの変化は、第一抜き勾配と第二抜き勾配との間の勾配差によって生じている。逃げ凹部41の後端部(凹部底面41c)は、主鋳抜き孔10の後端部近傍に位置する。逃げ凹部41は、モータケース素材1の第一端部1aまで達している。即ち、逃げ凹部41の前端部は、モータケース素材1の第一端部1aに位置する。尚、逃げ凹部41の前端部における深さが0であってもよい。また、逃げ凹部41がモータケース素材1の第一端部1aまで達していなくてもよく、逃げ凹部41の前端部がモータケース素材1の第一端部1aよりも後側に位置していてもよい。
<鋳造方法>
図7に、モータケース素材1を鋳造するための金型の要部を概略図で示している。鋳造時にモータケース素材1の軸線方向は例えば水平方向とされる。図示しない主型の型開き方向は例えばモータケース5の中心線に対して左右方向とされる。主型は、固定型と可動型とを備えている。
金型は、主鋳抜き孔10を形成するための主孔形成部100と、前軸用鋳抜き孔11を形成するための前軸孔形成部101と、前環状鋳抜き孔12を形成するための前環状孔形成部102と、前流路用鋳抜き孔13を形成するための図示しない前流路孔形成部と、前ネジ用鋳抜き孔14を形成するための図示しない前ネジ孔形成部と、後軸用鋳抜き孔20を形成するための後軸孔形成部200と、後環状鋳抜き孔21を形成するための後環状孔形成部201と、後流路用鋳抜き孔22を形成するための図示しない後流路孔形成部と、後ネジ用鋳抜き孔を形成するための図示しない後ネジ孔形成部とを有している。尚、図7においては、図面の簡略化のため、前流路孔形成部、前ネジ孔形成部、後流路孔形成部、及び後ネジ孔形成部の図示を省略している。主孔形成部100は、軸線方向に沿って駆動される。主孔形成部100の移動方向は、主型の型開き方向に対して直交する方向である。
主孔形成部100の周面には、テーパ部110と二つの凸部120が形成されている。テーパ部110は、主鋳抜き孔10の壁面の主面部40を形成するための部分である。テーパ部110は、第一抜き勾配を有して、主孔形成部100の基端側に向けて拡径している。凸部120は、主鋳抜き孔10の壁面の逃げ凹部41を形成する部分である。凸部120は、テーパ部110に対して径方向外側に突出している。凸部120の径方向外側への突出量は、主孔形成部100の先端側に向けて徐々に大きくなっている。凸部120の径方向外側の端面である突端面121は、第二抜き勾配を有している。凸部120の突端面121により逃げ凹部41の凹部主面41aが形成される。図8に、主孔形成部100を誇張して模式的に示している。尚、説明の簡略化のため、凸部120は一箇所のみ図示している。
モータケース素材1は、機械加工されて、完成品であるモータケース5とされる。図9~図14に、モータケース5を示している。図9~図14は、それぞれ図1~図6に対応している。モータケース5は、収容孔50と流路51と前ネジ孔52と後ネジ孔を有している。主鋳抜き孔10の壁面が切削加工されて収容孔50が形成されている。前流路用鋳抜き孔13と後流路用鋳抜き孔22とを前後に連通するように流路ボス32が孔加工されて、流路51が形成されている。流路51は、流路ボス32を前後に貫通している。前ネジ用鋳抜き孔14と後ネジ用鋳抜き孔がそれぞれ孔加工されると共にネジ加工されて、前ネジ孔52と図示しない後ネジ孔が形成されている。尚、モータケース素材1の第一端部1aと第二端部1bは、機械加工されることが好ましく、モータケース5の第一端部5aと第二端部5bは何れも加工面とされることが好ましい。
収容孔50は、径一定である。主鋳抜き孔10の壁面のうち、少なくとも主面部40の全体が切削加工される。主鋳抜き孔10の壁面は、鋳造された状態の素材面であるが、本実施形態では、主鋳抜き孔10の壁面の全体が切削加工されている。切削加工によって逃げ凹部41は消滅している。尚、図9~図14において、消滅した逃げ凹部41を二点鎖線で示している。逃げ凹部41の凹部主面41aも切削加工されている。このように、本実施形態では、収容孔50の壁面の全体が、切削加工された加工面となっている。尚、逃げ凹部41の前端部は、収容孔50の前端部の近傍に位置する。
モータケース5の内側には、図示しないモータと、円筒状の冷却スリーブ6が収容される。図12に冷却スリーブ6を二点鎖線で示している。収容孔50に第一端部5a側から冷却スリーブ6が嵌合される。冷却スリーブ6の後端部6aは、収容孔50の後端部の近傍に位置する。冷却スリーブ6の外周面は収容孔50の壁面に密着する。冷却スリーブ6の外周面には、図示しない冷却溝が形成されている。冷却溝に冷媒が流される。モータケース5の一方の冷却用横孔23から冷媒が冷却溝に入れられる。冷媒は、冷却溝を流れた後、他方の冷却用横孔23から排出される。冷却スリーブ6の内側にモータが収容される。モータのステータが冷却スリーブ6の内周面に嵌合する。冷却溝を流れる冷媒によってモータが冷却される。尚、逃げ凹部41の後端部は、冷却スリーブ6の後端部6aの近傍に位置する。
モータケース5の第一端部5aには、図示しない他の部材、例えば前側のカバーがネジ止めされる。前側のカバーは、前ネジ孔52によりネジ止めされる。モータケース5の第二端部5bには、図示しない他の部材、例えば後側のカバーがネジ止めされる。後側のカバーは、後ネジ孔によりネジ止めされる。流路51には、オイル等の種々の流体が流される。
以上のように、モータケース素材1の主鋳抜き孔10の壁面には逃げ凹部41が形成されている。そのため、主鋳抜き孔10の壁面を切削加工する際、逃げ凹部41における削り代(加工代)は主面部40の削り代よりも小さくなる。逃げ凹部41の凹部主面41aにおける素材が厚く削り取られないことから、収容孔50の壁面のうち流路51の径方向内側に対向した対向部に鋳巣が露出しにくい。従って、流路51を流れるオイル等の流体が鋳巣を介して対向部から染み出しにくくなる。そのため、流路51内の流体が冷却溝内の冷媒に混じることが抑制される。また、収容孔50の壁面に漏れ対策としての含浸処理を施す必要もなくなる。主鋳抜き孔10のうち収容孔50となる部分の軸線方向略全長に逃げ凹部41が形成されているので、流路51内の流体の染み出しを効果的に抑制することができる。また、主面部40の第一抜き勾配と凹部主面41aの第二抜き勾配との間に勾配差を設けることによって、逃げ凹部41を容易に形成することができる。金型の主孔形成部100の周面に凸部120を設けることによって、簡単な金型構造によって逃げ凹部41を形成することができる。
尚、上述のモータケース5においては、主鋳抜き孔10の壁面の全体が切削加工された場合を例示したが、主鋳抜き孔10の壁面のうち主面部40のみが切削加工されて、逃げ凹部41の凹部主面41aが切削加工されずに残されてもよい。図15に、逃げ凹部41の凹部主面41aが切削加工されずに残された形態を示している。図15において、凹部主面41aには多数のドットを付して示している。モータケース素材1の主鋳抜き孔10の壁面のうち主面部40の全体が切削加工され、逃げ凹部41は消滅しているものの、凹部主面41aは切削加工されずにそのまま残されている。モータケース5においては、収容孔50の壁面のうち凹部主面41aのみが切削加工されずに残されている。凹部主面41aは、鋳造されたままの素材面(未加工面)である。収容孔50の壁面のうち凹部主面41a以外の部分は、切削加工された加工面である。従って、収容孔50の壁面は、加工面である加工部と、素材面である未加工部とを有する。素材面と加工面との間には段差が生じていてもよいし、段差が生じていなくてもよい。素材面と加工面とが略面一であってもよい。また、モータケース5の収容孔50に冷却スリーブ6が嵌合されない構成であってもよく、例えば収容孔50にモータが直接装着されてもよい。
尚、物品はモータケース5に限られず種々の物品であってよく、物品の形状も種々の形状であってよい。例えば、図16に示すようなブロック状の物品素材7であってもよい。この場合、前流路用鋳抜き孔13と後流路用鋳抜き孔22が形成されている部分が流路予定部となる。収容孔50は非貫通の孔であってよく、凹部であってよい。
1 モータケース素材
1a 第一端部
1b 第二端部
5 モータケース
5a 第一端部
5b 第二端部
6 冷却スリーブ
6a 後端部
7 物品
10 主鋳抜き孔
11 前軸用鋳抜き孔
12 前環状鋳抜き孔
13 前流路用鋳抜き孔
14 前ネジ用鋳抜き孔
20 後軸用鋳抜き孔
21 後環状鋳抜き孔
22 後流路用鋳抜き孔
23 冷却用横孔
30 前ネジボス
31 後ネジボス
32 流路ボス(流路予定部)
40 主面部
41 逃げ凹部
41a 凹部主面
41b 凹部側面
41c 凹部底面
50 収容孔
51 流路
52 前ネジ孔
100 主孔形成部
101 前軸孔形成部
102 前環状孔形成部
110 テーパ部
120 凸部
121 突端面
200 後軸孔形成部
201 後環状孔形成部

Claims (4)

  1. 被収容物が収容される径一定の収容孔と、収容孔の径方向外側に設けられた流路と、を有する鋳造品の製造方法であって、
    壁面が第一端部側に向けて第一抜き勾配で拡径する鋳抜き孔と、鋳抜き孔の径方向外側に設けられた流路予定部と、鋳抜き孔の壁面のうち流路予定部の径方向内側に設けられ、径方向外側に凹んだ逃げ凹部と、を有する、物品素材を鋳造する第一ステップと、
    物品素材の鋳抜き孔の壁面を機械加工することにより収容孔を形成すると共に、物品素材の流路予定部を機械加工することにより流路を形成する第二ステップと、を含み、
    第一ステップにおいて、鋳抜き孔の第一抜き勾配に対して、逃げ凹部の壁面における径方向外側に面する凹部主面の第二抜き勾配を小さく設定することにより、鋳抜き孔の第二端部側に向けて徐々に径方向外側に深くなる逃げ凹部を形成し、
    第二ステップにおいて、鋳抜き孔の壁面を機械加工する際に逃げ凹部を消滅させる、鋳造品の製造方法。
  2. 第二ステップにおいて逃げ凹部を消滅させる際に、逃げ凹部の凹部主面を含めて鋳抜き孔の壁面の全体を機械加工する、請求項1記載の鋳造品の製造方法。
  3. 第二ステップにおいて逃げ凹部を消滅させる際に、鋳抜き孔の壁面のうち逃げ凹部の凹部主面以外の部分を機械加工すると共に、逃げ凹部の凹部主面については機械加工せずに素材面として残す、請求項1記載の鋳造品の製造方法。
  4. 逃げ凹部の幅は、流路予定部としての流路ボスの幅よりも大きい、請求項1乃至3の何れかに記載の鋳造品の製造方法。
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