JP3947702B2 - センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法 - Google Patents

センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の液圧式ブレーキや液圧式クラッチの液圧発生源として用いられるセンタバルブ型液圧マスタシリンダの合成樹脂製のピストン製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
四輪自動車等の液圧式ブレーキや液圧式クラッチに用いられるセンタバルブ型液圧マスタシリンダのピストンとして、例えば図5及び図6に示されるものがある。
【0003】
図5は、センタバルブ型液圧マスタシリンダに用いられるピストンの斜視図を、また図6はこのピストンを装着したセンタバルブ型液圧マスタシリンダの断面図をそれぞれ示しており、ピストン1は、液圧マスタシリンダ2に穿設された有底のシリンダ孔3に、ピストンシール4a,4bを介して液密かつ移動可能に内挿されている。ピストン1の中間軸部1aには、長円形のガイド孔5が半径方向に貫通して設けられ、その前後部外側に摺動フランジ1b,1cとシール溝6a,6b,小径軸部1d,1eとが形成されるとともに、前記ガイド孔5とピストン1の先端側面との間の中心軸上に、弁室7aとステム孔7bとからなるバルブ収容孔8が設けられている。
【0004】
このピストン1をシリンダ孔3に内挿する際には、シール溝6a,6bに前記ピストンシール4a,4bを装着し、ガイド孔5にシリンダ孔3を交差して架設されるガイドピン10を挿通し、バルブ収容孔8にセンタバルブ11を摺動可能に収容する。ピストン1とシリンダ孔3の底壁との間には液圧室12が、また中間軸部1a外周の摺動フランジ1b,1c間には補給油室13がそれぞれ画成される。
【0005】
ガイド孔5に挿通されたガイドピン10は、シリンダ孔3を往復動するピストン1の周方向の回動を阻止するほか、ピストン1がシリンダ孔開口部側の後退限に位置した液圧マスタシリンダ2の非作動状態(図6の状態)にあっては、センタバルブ11のバルブステム11bの先端を支承し、センタバルブ11頭部のバルブシール11aを弁室7a底壁の弁座14から離間させて、液圧室12と補給油室13とをバルブ収容孔8を介して連通させ、また、ピストン1が液圧室側に前進する液圧マスタシリンダ2の作動状態にあっては、センタバルブ11のバルブシール11aを弁座14に着座させて、液圧室12と補給油室13との連通を遮断し、液圧室12内部の作動液を昇圧して、液圧式ブレーキまたはクラッチへ供給するようになっている。
【0006】
上記ピストン1は、図7に示す成形型20を用いてその全体が合成樹脂によって一体成形される。この成形型20は、左右型21,22及び注湯ノズル23と、バルブ収容孔用中子24及びガイド孔用中子25とからなっており、これらを突き合わせて、その内部にピストン1の中心軸が縦方向となるようキャビティ26を画成し、該キャビティ26の略中央に、前記ガイド孔5を形成するためのガイド孔用中子25を配置したのち、注湯ノズル23のランナー27と注入ゲート28よりキャビティ26へ溶湯樹脂を注入することにより、図に示すごとき、前記中間軸部1aや摺動フランジ1b,1c,小径軸部1d,1e,ガイド孔5,シール溝6a,6b,バルブ収容孔8の弁室7aやステム孔7bを一体に有するピストン1が成形される(上記の合成樹脂製ピストンが記載される先行技術として、例えば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−159088公報(第2〜3頁,図1,図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにしてピストン1を成形する場合に、注湯ノズル23の注入ゲート28とキャビティ26内部のガイド孔用中子25とは上下関係に位置するため、注入ゲート28からキャビティ26内部に注入された溶湯樹脂は、図7の矢印に示すようにガイド孔用中子25の左右に一旦分岐し、該ガイド孔用中子25の両側を流下したのち、ガイド孔用中子25の下端で合流する。
【0009】
合流した溶湯樹脂は、さらに下側に位置する小径軸部1dを成形するために下方へ流れるため、ガイド孔用中子25直下の合流面が下方向に引っ張られ、図5に示すような湯境29の発生を招く。このような湯境29の発生は、製品の圧縮強度を低下させることとなるため、センタバルブからの応力が作用するピストン1にも極力避けたい。
【0010】
本発明は、このような実情を背景にしてなされたもので、その目的とするところは、成形による湯境の発生を極力抑えて、軸方向の剛性を充分に確保することのできるセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的にしたがって、第1発明は、成形型内のキャビティに溶湯樹脂を充填して、液圧マスタシリンダのシリンダ孔に移動可能に内挿される合成樹脂製のピストンを成形する方法であって、前記成形型に一体に突設したガイド孔用中子を前記キャビティに突出配置し、前記ピストンの中間部に、前記シリンダ孔を交差してシリンダ孔に架設されるガイドピン挿通用のガイド孔をピストン半径方向へ貫通形成するセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストンを製造する方法において、前記キャビティを、ピストン中心軸が横向きとなるよう配設し、前記ガイド孔用中子の内部にピストン中心軸方向の横ランナーを形成するとともに、前記成形型の外面から前記横ランナーに延びる縦ランナーを形成し、該ガイド孔用中子のピストン軸方向の端面に注入ゲートを開設し、前記縦ランナーから前記横ランナーへ導入された溶湯樹脂を前記注入ゲートから前記キャビティに注入することを特徴としている。
【0012】
第2発明は、前記注入ゲートを、前記ガイド孔用中子のピストン中心軸方向両端部に配設したことを特徴とし、第3発明は前記注入ゲートの少なくとも1つを、ピストン中心軸上に配設したことを特徴としている。
【0013】
第4発明は、前記キャビティのピストン中心軸方向に、センタバルブを収容するためのバルブ収容孔を形成するバルブ収容孔用中子を配設し、該バルブ収容孔用中子の先端側を、前記ガイド孔用中子のピストン中心軸方向一端部から該ガイド孔用中子の内部に突出配置したことを特徴とし、第5発明は、前記ガイド孔用中子のピストン中心軸方向一端部に前記注入ゲートを形成するとともに、該注入ゲートを、前記バルブ収容孔用中子の半径方向に離間して設けたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各形態例を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1〜図3は、第1形態例を示すもので、センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダに用いられるピストン40は、外側に、円柱状の中間軸部40aと大径の摺動フランジ40b,40cと小径軸部40d,40eと周状のシール溝41a,41bとを備え、ピストン中心軸CL上に、ガイド孔42とバルブ収容孔43と肉盗み凹部44とを備えている。
【0016】
ガイド孔42は、中間軸部40aの内側で、ピストン中心軸CL方向へ中間軸部40aと略同一長さの長円形に形成され、かつ中間軸部40aをピストン半径方向に貫通して、両側部を中間軸部40aの外周面に開口させている。ガイド孔42の両端部は半円形に形成され、各端部のそれぞれに凹溝45がピストン半径方向に形成されている。バルブ収容孔43は、一方の小径軸部40dの内側に連続する大径の弁室46aと小径のステム孔46bとからなり、弁室46aは小径軸部40dの外端面に開口し、ステム孔46bは一方の凹溝45に開口している。
【0017】
ピストン40は、合成樹脂を材料に図1及び図2に示す成形型50にて一体成形される。成形型50は、上型51及び下型52と、バルブ収容孔用中子53及び右型54とからなり、これらを突き合わせた内部にピストン成型用のキャビティ55を画成している。キャビティ55は、ピストン中心軸CLが横方向となるように設定されており、前記ピストン40は、このキャビティ55の内部でガイド孔42の開口を上下方向に向けた横向きに成形される。
【0018】
上型51と下型52には、ガイド孔用中子51a,52aが一体に突設されており、上型51とガイド孔用中子51aとの内部には縦ランナー56が穿設されている。ガイド孔用中子51a,52aは、前記ガイド孔42を上半部と下半部とに二分した形状に形成されており、ピストン40の成形時に、双方のガイド孔用中子51a,52aをキャビティ55内に上下から突出させて突き合わせることにより、ピストン40の中間軸部40aにガイド孔42を形成する。ガイド孔用中子51a,52aを突き合わせした際に、これらの内部ピストン中心軸CL上に空間部が画成され、この空間部を横ランナー57となしている。
【0019】
横ランナー57の上部中央には、前記縦ランナー56が連通し、また横ランナー57の両端部中央部、ピストン40から見ると、ガイド孔用中子51a,52aのピストン中心軸方向の両端部に位置する凹溝45,45の中央部を注入ゲートG1,G1,G2となしており、縦ランナー56から横ランナー57へ導入された溶湯樹脂を注入ゲートG1,G1,G2からキャビティ55の内部へ供給するようになっている。
【0020】
ステム孔46bを成形するバルブ収容孔用中子53の先端側は、成形後のステム孔46bとガイド孔42とを連通させるべく、ステム孔46bよりもやや長く設定されており、かつ横ランナー57よりも若干細く形成されている。したがって、ピストン40を成形する際には、バルブ収容孔用中子53の先端側が、キャビティ55の内の所定位置に突出したガイド孔用中子51a,52aのピストン中心軸方向一端部から、該ガイド孔用中子51a,52aの内部に突出する。このため、ガイド孔用中子51a,52aのピストン中心軸方向一端部では、2つの注入ゲートG1,G1がバルブ収容孔用中子53の先端側上下に位置しているのに対し、このような中子53の突出がないガイド孔用中子51a,52aのピストン中心軸方向他端部では、1つの注入ゲートG2がピストン中心軸CL上に位置する。
【0021】
本形態例は以上のように構成されており、上型51と下型52,バルブ収容孔用中子53,右型54とを突き合わせることにより、その内部にキャビティ55を横向きに画成する。これと同時に、キャビティ55の内部所定位置にガイド孔用中子51a,52aとバルブ収容孔用中子53とが突出し、バルブ収容孔用中子53の先端は、ガイド孔用中子51a,52a内部の横ランナー57に突出する。そして、縦ランナー56と横ランナー57とが注入ゲートG1,G1,G2を通してキャビティ55の内部と連通する。
【0022】
縦ランナー56へ注入された溶湯樹脂は、横ランナー57の中央部に入って左右に分岐し、ガイド孔用中子51a,52aのピストン中心軸方向両端部の注入ゲートG1,G1,G2よりキャビティ55に入ってキャビティ55の全体に充填されて行く。キャビティ55内の溶湯樹脂の流れは、中間軸部40aのいずれかの部分で合流するが、ここでの溶湯樹脂の合流は、特定の形状を持たず、かつ合流した溶湯樹脂はその他の部分へ流れない対面合流であるため、湯境の発生はない。
【0023】
このようにしてキャビティ55に充填された溶湯樹脂は、前記した中間軸部40aや摺動フランジ40b,40c,ガイド孔42,バルブ収容孔43,凹溝45等を一体に持つ製品としてのピストン40となり、また、縦ランナー56と横ランナー57の内部に連続して残存する溶湯樹脂が余剰材40fとなる。ピストン40と余剰材40fとは、凹溝45,45の注入ゲートG1,G1,G2の部分でつながっており、ピストン40は、余剰材40fをつけたまま成形型50から取り出される。そして、ピストン40と余剰材40fとのつながり部分である凹溝45,45に沿って加工刃をいれることにより余剰材40fが分離され、バルブ収容孔43のステム孔46bとガイド孔42とが連通する。
【0024】
本形態例はこのように、成形型50のキャビティ55でピストン40を横向きに成形し、該キャビティ55内へ突出してピストン40のガイド孔42を成形するガイド孔用中子51a,52aに縦横のランナー56,57を設け、さらにランナー57の両端部に注入ゲートG1,G1,G2を設けてピストン40を成形するようにしたから、ピストン40には湯境が発生しない。したがって、このように成形されたピストン40には、センタバルブからの大きな応力にも充分に堪え得る圧縮強度を充分に確保することができる。
【0025】
さらに、ガイド孔用中子51a,52aのピストン中心軸方向両端部に注入ゲートG1,G1,G2を配設したことにより、溶湯樹脂が長円柱形状のキャビティ55の隅々に速やかに極力時間差なく行き渡るようになるので、安定した品質のピストン40が得られる。また、横ランナー他端部側の注入ゲートG2を、ピストン中心軸CL上に配置したことにより、注入ゲートG2から注入される溶湯樹脂が断面円形の中間軸部40aや摺動フランジ40cの各所へ放射状に等量・等速度で拡がるので、凝固時の収縮が均一化する。したがって、真円度が高く品質精度のよいピストン40が得られるようになる。
【0026】
しかも本形態例は、ピストン40の成形時に、バルブ収容孔用中子53の先端を、ガイド孔用中子51a,52a内部の横ランナー57に突出配置したことにより、ピストン成形後の余剰材40fの切り落としによって、ステム孔46bとガイド孔42とが連通する。したがって、ピストン成形後に、ステム孔46bとガイド孔42とを連通させる専用の孔開け作業が不要となる。
【0027】
次に、本発明の第2形態例を図4に基づいて説明する。なお、前述の第1形態例と同一構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0028】
本形態例は、上記第1形態例と同一形状のピストン40を、第1形態例とは異なる成形型60によって形成する場合を示しており、成形型60は、上型61及び下型62と、バルブ収容孔用中子63及び右型64とから構成されている。上型61と下型62には、第1形態例と同様に、ガイド孔用中子61a,62aが一体に突設され、さらに上型61とガイド孔61aとの内部に縦ランナー66を有しており、ガイド孔用中子61a,62aを突き合わせしてピストン中心軸CL上に画成される空間部を横ランナー67となしている。
【0029】
横ランナー67の上部中央には、前記縦ランナー66が連通している。横ランナー67の一端部側は、先細り状の上下2つの傾斜ランナー67a,67bに分岐しており、該傾斜ランナー67a,67bの先端を、ガイド孔用中子61a,62aのピストン中心軸方向一側部に開口させて注入ゲートG3,G3となし、また横ランナー67の他端部を、ピストン中心軸CL上でガイド孔用中子61a,62aのピストン中心軸方向他側部に開口させて注入ゲートG4となしており、縦ランナー66から横ランナー67へ導入された溶湯樹脂を、注入ゲートG3,G3,G4からキャビティ55の内部へ供給する。
【0030】
ステム孔46bを成形するバルブ収容孔用中子63の先端側は、キャビティ55内の所定位置に突出配置したガイド孔用中子61a,62aのピストン中心軸方向一端部から、該ガイド孔用中子61a,62aの内部に突出しており、ガイド孔用中子61a,62aのピストン中心軸方向一端部に開口する前記2つの注入ゲートG3,G3は、このバルブ収容孔用中子63の先端側から外側に離間して位置している。
【0031】
本形態例は、注入ゲートG3,G3,G4からキャビティ55に溶湯樹脂を充填して、キャビティ55内にピストン40を成形し、また、縦ランナー66と横ランナー67の内部に連続して残存する溶湯樹脂が余剰材40gとなる。ピストン40と余剰材40gとは、注入ゲートG3,G3,G4の部分でつながっており、ガイド孔42の両端部に沿って加工刃をいれることによってピストン40から余剰材40gが切り落とされる。なお、バルブ収容孔43のステム孔46bとガイド孔42とは離型と同時に連通する。
【0032】
余剰材40gを切り落とした注入ゲートG3,G3の痕には若干のバリが残るが、注入ゲートG3,G3は、ステム孔46bの開口部外側に離間しているため、ステム孔46bにセンタバルブのステム(図示せず)を挿通して、ピストン40を実際の使用に供した場合に、注入ゲートG3,G3のバリがセンタバルブの摺動を妨げることはない。
【0033】
なお、ピストンとキャビティの形状は、上記形態例以外のものでもよいことはもちろんである。また、溶湯樹脂注入用の注入ゲートは、ガイド孔用中子のピストン中心軸上以外の部分、例えばガイド孔用中子の側面等の任意に設定することが可能である。さらに、この注入ゲートは、少なくとも1つ以上あれば足りるが、ピストン形状がピストン軸方向に長い形状であることを勘案すれば、ピストン形状に応じて注入ゲートを複数個設定することにより、溶湯樹脂がキャビティの隅々に短時間で行き渡らせることができ、高品質のピストンが得られるようになる。
【0034】
さらに、キャビティを横置きにして、ランナーと注入ゲートとをガイド孔形成用の中子に設ける本発明は、注入ゲート数を任意に設定できて、高品質のピストンを短時間で簡便に成形できることも効果の一つである。また、上述の形態例では、ガイド孔用中子を上型や下型と一体型としたが、本発明は、ガイド孔用中子を単独に設定してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ピストンに湯境が生じなくなるので、センタバルブからの大きな応力にも充分に堪え得る圧縮強度を持ったピストンが得られる。また、キャビティのピストン中心軸上に注入ゲートを設けることにより、溶湯樹脂がキャビティの各所へ放射状に等量・等速度で拡がるので、凝固時の収縮が均一化し、真円度が高く精度の高いピストンが得られる。
【0036】
さらに、ピストンの成形時に、バルブ収容孔用中子の先端側を、キャビティの内部に位置するガイド孔用中子のピストン軸方向一端部から該ガイド孔用中子の内部に突出配置して、ピストンの成形後にガイド孔内部の余剰材を切り落とすことにより、ステム孔とガイド孔とが連通するので、専用の孔開け作業を不要にできる。
【0037】
また、ピストンの成形時に、バルブ収容孔用中子の先端側を、キャビティの内部に位置するガイド孔用中子のピストン軸方向一端部から該ガイド孔用中子の内部に突出配置し、ガイド孔用中子のピストン軸方向一端部に注入ゲートを設けるとともに、該注入ゲートを、バルブ収容孔の外側に離間して配設することにより、注入ゲート痕にバリが残ることがあっても、このバリによってセンタバルブの摺動性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1形態例を示すピストンの成形状態の断面平面図
【図2】 本発明の第1形態例を示すピストンの断面正面図
【図3】 本発明の第1形態例を示すピストンの斜視図
【図4】 本発明の第2形態例を示すピストンの成形状態の断面平面図
【図5】 従来のピストンの斜視図
【図6】 ピストンを装着したセンタバルブ型液圧マスタシリンダの断面図
【図7】 従来のピストンの成形状態を示す断面正面図
【符号の説明】
40…ピストン、40a…中間軸部、40b,40c…摺動フランジ、40d,40e…小径軸部、40f,40g…余剰材、41a,41b…シール溝、42…ガイド孔、43…バルブ収容孔、44…肉盗み凹部、45…凹溝、46a…弁室、46b…ステム孔、50,60…成形型、51,61…上型、52,62…下型、51a,52a,61a,62a…ガイド孔用中子、53,63…バルブ収容孔用中子、54,64…右型、55…キャビティ、56,66…縦ランナー、57,67…横ランナー、CL…ピストン中心軸、G1,G2,G3,G4…注入ゲート

Claims (5)

  1. 成形型内のキャビティに溶湯樹脂を充填して、液圧マスタシリンダのシリンダ孔に移動可能に内挿される合成樹脂製のピストンを成形する方法であって、前記成形型に一体に突設したガイド孔用中子を前記キャビティに突出配置し、前記ピストンの中間部に、前記シリンダ孔を交差してシリンダ孔に架設されるガイドピン挿通用のガイド孔をピストン半径方向へ貫通形成するセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストンを製造する方法において、前記キャビティを、ピストン中心軸が横向きとなるよう配設し、前記ガイド孔用中子の内部にピストン中心軸方向の横ランナーを形成するとともに、前記成形型の外面から前記横ランナーに延びる縦ランナーを形成し、該ガイド孔用中子のピストン軸方向の端面に注入ゲートを開設し、前記縦ランナーから前記横ランナーへ導入された溶湯樹脂を前記注入ゲートから前記キャビティに注入することを特徴とするセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法。
  2. 前記注入ゲートを、前記ガイド孔用中子のピストン中心軸方向両端部に配設したことを特徴とする請求項1に記載のセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法。
  3. 前記注入ゲートの少なくとも1つを、ピストン中心軸上に配設したことを特徴とする請求項1または2に記載のセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法。
  4. 前記キャビティのピストン中心軸方向に、センタバルブを収容するためのバルブ収容孔を形成するバルブ収容孔用中子を配設し、該バルブ収容孔用中子の先端側を、前記ガイド孔用中子のピストン中心軸方向一端部から該ガイド孔用中子の内部に突出配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法。
  5. 前記ガイド孔用中子のピストン中心軸方向一端部に前記注入ゲートを形成するとともに、該注入ゲートを、前記バルブ収容孔用中子の半径方向に離間して設けたことを特徴とする請求項4に記載のセンタバルブ型車両用液圧マスタシリンダのピストン製造方法。
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