JP5909465B2 - 射出成形型並びに樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

射出成形型並びに樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形型と樹脂成形品の製造方法とに係り、特に、筒部や深底の穴部を有する樹脂成形品を射出成形する際に好適に用いられる射出成形型の改良と、そのような樹脂成形品を射出成形によって有利に製造する方法とに関するものである。
従来から、樹脂成形品の製造手法の一種として、射出成形手法が知られ、多くの種類の樹脂成形品の製造に利用されている。この射出成形手法を利用して、樹脂成形品を製造する際には、樹脂成形品を成形するためのキャビティ(成形キャビティ)と、射出装置から射出された溶融樹脂を導くランナと、ランナをキャビティに連通させるゲートとを備えた、所謂、射出成形型が用いられるが、かかる射出成形型に対するゲートの設定の仕方によって、最終的に得られる樹脂成形品の品質が大きく左右される。
すなわち、例えば、筒部や深底の穴部等を有する樹脂成形品の製造に際して、射出成形型に形成されるキャビティのうち、筒部や穴部の側壁部を与える筒状空間からなるキャビティ部分の周上の一箇所だけに、細孔状のゲートを設定した場合には、そのようなゲートを通じてキャビティ内に流入した溶融樹脂が、筒状空間からなるキャビティ部分内を周方向の両側方向に流動して、かかるキャビティ部分内で合流するようになる。このため、最終的に得られる樹脂成形品の筒部や穴部の側壁部において、溶融樹脂の流れが合流した部分にウェルドラインが発生して、外観不良が生ずることがあった。
かかる状況下、例えば、特開昭59−143622号公報(特許文献1)等には、円筒状樹脂成形品を製造するのに使用される射出成形型の一種として、製造される円筒状樹脂成形品にウェルドラインを発生させないための工夫が施された射出成形型が、明らかにされている。この射出成形型は、溶融樹脂を導く筒状空間からなるリングランナを有し、このリングランナの軸方向一端部が、環状のリングゲートを通じて、円筒状空間からなるキャビティに連通して、構成されている。このような射出成形型にあっては、溶融樹脂が、リングランナ内を軸方向に流動し、リングゲートを通じて円筒状のキャビティ内に導入されて、かかるキャビティ内の全体を軸方向に流動するようになる。そして、それにより、溶融樹脂が、円筒状キャビティ内を周方向に流動して、キャビティ内で合流するようなことが有利に阻止され、その結果として、最終的に得られる樹脂成形品でのウェルドラインの発生が効果的に防止されるようになっているのである。
ところが、そのようなリングゲートを有する従来の射出成形型には、その構造よりして、以下の如き問題が内在していた。
すなわち、かかる従来の射出成形型では、目的とする樹脂成形品の成形時に、リングゲート内に残存する溶融樹脂が固化した固化物が、リングゲートに対応した環形状乃至は筒形状とされる。一方、細孔状のゲートを一つだけ有する射出成形型においては、かかるゲート内の固化物がピン形状とされる。このため、リングゲートを有する従来の射出成形型を用いて樹脂成形品を得る場合には、樹脂成形品の成形後の型開きにより、リングゲート内の固化物を切断して、リングランナ内に残存する溶融樹脂が固化した余分な固化物を樹脂成形品から切り離した際に、樹脂成形品に残る切断痕、所謂ゲートマークが、細孔状のゲートを有する射出成形型を用いる場合に比して大きくなり、しかも、見栄えの悪いものとなってしまう可能性があった。それ故、リングゲートを有する従来の射出成形型を用いる際には、樹脂成形品の成形後に、樹脂成形品に対して、ゲートマークを除去したり美麗にするための仕上げ加工を行う必要が生ずる場合があり、そうなった場合には、樹脂成形品を製造するのに余分な労力負担や経済負担が課せられることとなるのである。
特開昭59−143622号公報
ここにおいて、本発明は、上記した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、成形された樹脂成形品において、ウェルドラインの発生を効果的に防止することができるだけでなく、ゲートマークを仕上げ加工が必要でない程度に小さく且つ美麗に為すことができる射出成形型を提供することにある。また、本発明は、ウェルドラインの発生が効果的に防止され、しかも、ゲートマークが、仕上げ加工を必要としない程に小さく且つ美麗とされた樹脂成形品を有利に製造し得る方法を、提供することも、その解決課題とするものである。
そして、本発明は、かかる課題の解決のために、樹脂成形品を成形するためのキャビティと、射出装置から射出された溶融樹脂を導く筒状空間からなるリングランナと、該リングランナの軸方向一端部と前記キャビティとを相互に連通する複数の細孔にて構成されて、該リングランナの周方向において互いに間隔を隔てて配置された複数のゲートとを含み、且つ該ゲートにおける前記キャビティ側の開口部の開口面積が、前記リングランナ側の開口部の開口面積よりも小さくされて、前記リングランナにて導かれた前記溶融樹脂が、前記複数のゲートを通じて、かかるリングランナから前記キャビティ内に導入されるようになっていることを特徴とする射出成形型を、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、樹脂成形品を成形するためのキャビティと、射出装置から射出された溶融樹脂を導く筒状空間からなるリングランナと、該リングランナの軸方向一端部と前記キャビティとを相互に連通する複数の細孔にて構成されて、該リングランナの周方向において互いに間隔を隔てて配置された複数のゲートとを含み、且つ前記キャビティに達する貫通孔にコアピンを挿通配置せしめることによって、このコアピンの周囲に筒状空間が形成されて、前記リングランナが構成されると共に、該コアピンの先端側部位が該キャビティに対して突入せしめられて、その突入部分にて、該キャビティの一部が画成されてなり、更にかかるコアピンの挿通配置によって、前記リングランナの軸方向一端部と前記キャビティとの間において、それらを相互に連通する環状乃至は筒状の連通孔が、該コアピンの周りに、該リングランナと同軸的に位置するように形成されると共に、該連通孔の軸直角方向において互いに対向する二つの内面部分のうちの何れか一方の内面部分から他方の内面部分に向かって突出して、該他方の内面部分に当接する複数の突出部が、該連通孔内に、該連通孔の周方向において互いに間隔を隔てて位置するように配されていることにより、該複数の突出部の周方向に隣り合うものの間に、前記細孔がそれぞれ形成されて、それら複数の細孔にて、前記複数のゲートが、該コアピンの軸方向中間部で周方向に配列されて構成され、前記リングランナにて導かれた前記溶融樹脂が、前記複数のゲートを通じて、かかるリングランナから前記キャビティ内に導入されるようになっている
また、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記ゲートにおける前記キャビティ側の開口部の開口面積が、前記リングランナ側の開口部の開口面積よりも小さくされる。
そして、本発明は、前記した特徴を有する射出成形型を用いて、射出装置から溶融樹脂を射出すると共に、該溶融樹脂を前記リングランナと前記複数のゲートとを通じて、前記キャビティ内に充填する射出成形操作を行なうことを特徴とする樹脂成形品の製造方法をも、また、その要旨とするものである。
すなわち、本発明に従う射出成形型によれば、筒状空間からなるリングランナ内を軸方向に流動した溶融樹脂が、リングランナの周方向に配置された複数のゲートを通じて、キャビティ内に一挙に導入されるようになる。それ故、かかるキャビティが、例えば筒形状を呈するものであっても、そのような筒状のキャビティの周上の一箇所から溶融樹脂が導入される場合とは異なって、溶融樹脂がキャビティ内で合流することが可及的に阻止され、その結果、最終的に得られる樹脂成形品でのウェルドラインの発生が効果的に防止され得る。
しかも、本発明に従う射出成形型にあっては、リングランナからキャビティ内に溶融樹脂を導入する複数のゲートが、リングランナの周方向において互いに間隔を隔てて配置された複数の細孔にて構成されている。このため、かかる射出成形型を用いて成形された樹脂成形品は、リングランナ内に残存する溶融樹脂が固化した固化物に対して、各ゲート内に残存する溶融樹脂が固化した、ピン形状を呈する複数の固化物を介して接続された状態となる。それ故、本発明に係る射出成形型を用いれば、例えば、ゲート内に環形状乃至は筒形状を呈する固化物が形成される、従来のリングゲートを有する射出成形型を用いる場合に比して、ランナ内やゲート内の余分な固化物を切断した後に樹脂成形品に残るゲートマークを、十分に小さく且つ美麗にできる。そして、それによって、そのようなゲートマークを除去したり美麗とするための仕上げ加工を、樹脂成形品の一連の製造工程から有利に省略することが可能となる。
従って、かくの如き本発明に従う射出成形型にあっては、成形した樹脂成形品において、ウェルドラインの発生を効果的に防止することができるだけでなく、ゲートマークを仕上げ加工が必要でない程度に小さく且つ美麗に為すことができる。そして、その結果として、目的とする樹脂成形品の生産性の向上と製造コストの低減とを、効果的に実現できるのである。
そして、本発明に従う樹脂成形品の製造方法にあっては、ウェルドラインの発生が効果的に防止され、しかも、ゲートマークが、仕上げ加工を必要としない程度に小さく且つ美麗とされた樹脂成形品を、極めて有利に得ることができる。そして、その結果として、目的とする樹脂成形品の生産性の向上と製造コストの低減とを、効果的に実現できるのである。
本発明に従う構造を有する射出成形型を用いて製造された樹脂成形品の一例を示す断面説明図である。 図1におけるII矢視説明図である。 本発明に従う構造を有する射出成形型の一実施形態を、型開き状態において示す断面説明図である。 図3に示された射出成形型を、型閉め状態において示す断面説明図である。 図4のV−V断面における部分拡大説明図である。 図4の部分拡大説明図である。 図6のVII−VII断面説明図である。 図3及び図4に示された射出成形型を用いて、図1に示された樹脂成形品を製造する際の一工程例を示す説明図である。 図8に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図である。 本発明に従う構造を有する射出成形型の別の実施形態の型開き状態を示す、図3に対応する図である。 図10に示された射出成形型の型閉め状態を示す、図4に対応する図である。 図11に示された射出成形型のXII−XII断面における部分拡大説明図である。 図11の部分拡大説明図である。 図13のXIV−XIV断面説明図である。 図10及び図11に示された射出成形型を用いて、図1に示された樹脂成形品を製造する際の一工程例を示す説明図である。 図15に示される工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する射出成形型を用いて射出成形された樹脂成形品の一例が、その断面形態と上面形態において、それぞれ示されている。それら図1及び図2から明らかなように、樹脂成形品10は、外側円筒部12を有している。また、この外側円筒部12の内周面の軸方向中間部には、円板状の仕切壁部14が、外側円筒部12の内孔内を軸方向に二つに仕切るように一体形成されている。更に、そのような円板状の仕切壁部14の厚さ方向一方の面の中心部には、内側円筒部16が、外側円筒部12の軸方向一方側の開口部に向かって同軸的に延びるように、一体的に立設されている。この内側円筒部16は、外側円筒部12の内径よりも小さな外径と、外側円筒部12の1/2の高さに満たない高さを有している。また、かかる内側円筒部16の先端面には、その内周部に、複数(ここでは12個)のゲートマーク(ゲート痕)17が、周方向に等間隔を隔てて並んで配置された状態で形成されている。なお、以下からは、便宜上、樹脂成形品10における仕切壁部14の内側円筒部16形成側を上側と言い、その反対側を下側ということとする。
そして、かくの如き構造とされた樹脂成形品10は、本発明に従う構造を有する射出成形型を用いた射出成形を行うことによって、有利に製造されるのである。
図3及び図4には、樹脂成形品10の製造に用いられる、本発明に従う構造を備えた射出成形型の一実施形態が、型開き状態での縦断面形態と、型閉め状態での断面形態とにおいて、それぞれ示されている。それら図3及び図4から明らかなように、本実施形態の射出成形型18は、固定型20と、この固定型20に対して、その下方に対向配置された可動型22とを有している。
より具体的には、固定型20は、全体として、矩形ブロック形状を呈し、可動型22との対向側とは反対側の上面において、固定型側取付板24を介して、位置固定の固定盤26に取り付けられている。これにより、固定型20が、可動型22の上方において、固定的に配置されている。
また、固定型20の可動型22との対向面たる下面の中心部には、キャビティ形成凹所28が設けられている。このキャビティ形成凹所28の底面の中心部には、円柱状突起30が、キャビティ形成凹所28の深さの半分に満たない高さを有して、一体的に突設されている。また、かかる円柱状突起30の中心部にも、高さの低い円柱状の中心突起32が一体形成されており、更に、この中心突起32の周りには、円柱状突起30の先端面、つまり、固定型20の下面において開口する環状凹所34が設けられている。
そして、そのようなキャビティ形成凹所28の内周面形状が、樹脂成形品10における外側円筒部12の外周面に対応した円筒形状とされている一方、円柱状突起30の外周面の形状と先端面の形状とが、外側円筒部12の仕切壁部14よりも上側に位置する内周面部分に対応した円筒形状と、仕切壁部14の上面に対応した円環面形状とされている。また、環状凹所34の形状が、樹脂成形品10の内側円筒部16に対応した円筒形状とされている。かくして、環状凹所34を含むキャビティ形成凹所28の内面形状が、目的とする樹脂成形品10全体の外周面形状と、かかる樹脂成形品10のうちの仕切壁部14よりも上側の内側形状に対応した形状とされているのである。
一方、可動型22は、全体として、固定型20と同様な矩形ブロック形状を呈し、固定型20との対向側とは反対側の下面において、可動型側取付板36を介して可動盤38に取り付けられている。この可動盤38は、その下面に、図示しない型締装置が有する油圧シリンダのラム(図示せず)が取り付けられており、かかるラムの突出乃至引込作動によって、上下方向に移動可能とされている。そして、そのような可動盤38の上下動に伴って、可動型22が、上方に固定的に配置された固定型20に対して接近乃至離隔移動し、それにより、可動型22と固定型20の型閉じと型開きが行われるようになっている。また、可動型22と固定型20との型開き時には、公知の構造により、固定型20と固定型側取付板24とが、上下方向に分離させられるように構成されている。
可動型22の固定型20との対向面たる上面の中心部には、キャビティ形成突起40が一体形成されている。このキャビティ形成突起40は、目的とする樹脂成形品10における仕切壁部14の下面と対応した円形状の先端面と、外側円筒部12の仕切壁部14よりも下側に位置する内周面部分に対応した円筒状の外周面とを有している。かくして、キャビティ形成突起40の外面形状が、樹脂成形品10(外側円筒部12)のうちの仕切壁部14よりも下側の内側形状に対応した形状とされている。
そして、図4に示されるように、可動型22と固定型20とが型閉じされたときに、可動型22のキャビティ形成突起40が、固定型20のキャビティ形成凹所28内に突入配置されるようになっている。それによって、可動型22と固定型20との型閉じ状態下で、それら可動型22と固定型20との間に、目的とする樹脂成形品10に対応した形状を有する成形キャビティ42が、形成されるようになっているのである。
また、かかる射出成形型18においては、固定盤26と固定型側取付板24の長さ方向の一端側部分(図4の左側部分)に、それらを厚さ方向に貫通する挿通孔44が設けられている。そして、かかる挿通孔44内に、スプルーブッシュ46が挿通配置されている。このスプルーブッシュ46は、その軸方向の一端面が、射出装置のノズル48の先端面の当接面たるノズルタッチ面50とされている。また、そのようなスプルーブッシュ46には、軸方向に貫通して延びるスプルー52が設けられている。このスプルー52は、スプルーブッシュ46のノズルタッチ面50の中心部において開口しており、それによって、ノズルタッチ面50に当接配置されるノズル48のノズル孔(図示せず)に連通可能とされている。
一方、固定型20には、ノズル48から射出されて、スプルー52内を流通する溶融樹脂を、前記成形キャビティ42内に導くランナ54が設けられている。そして、ここでは、かかるランナ54が、スプルー52に連通して、水平方向に真っ直ぐに延びるストレートランナ部56と、このストレートランナ部56に連通して、上下方向に延びる筒状空間からなるリングランナ部58とにて構成されている。
より詳細には、本実施形態の射出成形型18においては、固定型20の中心部に、固定型側取付板24と重なり合う上面において開口する中心穴60が、設けられている。この中心穴60は、全体として、細長い円筒形状を呈し、固定型20の下面の中心部(円柱状突起30の先端面の中心部)に設けられた環状凹所34の中心側の内周面部分の径よりも大きく、且つかかる環状凹所34の中心側の内周面部分と径方向に対向位置する内周面部分の径よりも小さな径と、環状凹所34の底面の近傍に底面を位置させ得る深さとを有している。
また、図4に示されるように、固定型側取付板24の中心部と固定盤26の中心部には、それらを厚さ方向に貫通する貫通孔62が形成されている。この貫通孔62は、固定型20に設けられた中心穴60の内径よりも所定寸法だけ小さな径の円筒状の内周面を有し、かかる中心穴60と連通して、同軸的に位置している。
そして、それら同軸的に位置する貫通孔62と中心穴60内には、コアピン64が、上下方向に延びるように挿通配置されている。このコアピン64は、貫通孔62と中心穴60のそれぞれの延出長さの合計値よりも僅かに短い軸方向長さを有する金属製の丸棒材からなっている。
また、かかるコアピン64においては、貫通孔62内に挿通配置される上側部分の外径が、貫通孔62の内径と略同一の大きさとされている一方、中心穴60内に挿通配置される下側部分の外径が、中心穴60の内径よりも一周り小さな大きさとされている。これにより、コアピン64の上側部分の外周面と貫通孔62の内周面とが、互いに密接状態とされている。また、コアピン64の下側部分の外周面と中心穴60の内周面との間には、上下方向に延びる円筒状空間が形成されている。
かくして、本実施形態の射出成形型18では、中心穴60内に、リングランナ部58が、コアピン64の下側部分の外周面と中心穴60の内周面との間に設けられた円筒状空間によって形成されている。そして、このリングランナ部58は、上記のように、コアピン64の貫通孔62への挿通部分の外周面と貫通孔62の内周面とが密接状態とされていることで、貫通孔62内に対して非連通とされている。
なお、ここでは、コアピン64の先端面と中心穴60の底面との間に、リングランナ部58と連通する円板状空間からなる隙間が形成されている。また、コアピン64の上端側部に、上端部を、それ以外の部分よりも大径化する段部66が設けられ、この段部66が、貫通孔62の内周面に設けられた円環面状の係合面68に対して上下方向において係合している。これにより、コアピン64の貫通孔62内及び中心穴60内への挿通位置が、位置決めされている。
また、図4及び図5に示されるように、固定型20の上面には、断面矩形状の溝部70が、固定型20におけるスプルーブッシュ46のスプルー52との対応位置と中心穴60との間に、水平方向に真っ直ぐに延びるように形成されている。この溝部70は、固定型20の上面において開口する開口部が、固定型側取付板24にて覆蓋されている。これにより、固定型20に対して、ストレートランナ部56が、固体型側取付板24にて覆蓋されて水平方向に延びる溝部70の内側空間によって、形成されている。
そして、そのようなストレートランナ部56が、延出方向の一端部において、スプルーブッシュ46のスプルー52に連通している。また、その他端部が、中心穴60内に向かって開口する接続口72とされて、ストレートランナ部56が、かかる接続口72により、中心穴60、更には、中心穴60内に形成されるリングランナ部58に連通するように、接続されている。
かくして、本実施形態の射出成形型18では、射出装置のノズル48から射出されて、スプルー52内を流通する溶融樹脂が、ストレートランナ部56内に導入され、また、かかるストレートランナ部56内を流通して、固定型20の中心部に向かって水平方向に導かれるようになっている。更に、ストレートランナ部56内を流通する溶融樹脂が、接続口72を通じて、リングランナ部58内に導入されて、リングランナ部58内を下方に向かって流動させられるようになっているのである。
そして、図6及び図7に示されるように、本実施形態の射出成形型18においては、リングランナ部58を、その下端側部分において、成形キャビティ42に連通するゲート74が、固定型20に対して複数個(ここでは、12個)設けられている。
より具体的には、固定型20の中心部には、前記中心穴60内と前記環状凹所34内とを相互に連通する連通孔76が、上下方向に延びるように、複数個(ここでは、12個)形成されている。この連通孔76は、中心穴60や貫通孔62よりも十分に内径の小さな細孔からなっている。また、かかる連通孔76にあっては、下方に向かうに従って次第に小径化するテーパ状の内周面を有すると共に、中心穴60の底面において開口する大径の上側開口部と、環状凹所34の底面において開口する小径の下側開口部を有して、構成されている。
そして、ここでは、そのような連通孔76にて、ゲート74が構成されており、また、かかるゲート74の複数個が、中心穴60と環状凹所34との間において、それら中心穴60と環状凹所34の周方向に一定の間隔を隔てて並んで配置されている。更に、それら複数のゲート74の軸方向両側の開口部のうち、中心穴60の底面において開口する上側開口部(軸方向一端側の開口部)が、中心穴60の底面の外周部にそれぞれ配置されている一方、環状凹所34の底面において開口する複数のゲート74の下側開口部(軸方向他端側の開口部)が、環状凹所34の底面の内周部にそれぞれ配置されている。
かくして、本実施形態の射出成形型18においては、中心穴60内の外周側に設けられたリングランナ部58と、環状凹所34を含んで形成された成形キャビティ42とが、複数のゲート74にて相互に連通している。そして、それにより、リングランナ部58内を下方に向かって流動する溶融樹脂が、複数のゲート74を通じて、成形キャビティ42内に導入されるようになっているのである。また、ここでは、それら各ゲート74が、下方に向かって次第に小径化するテーパ状内周面を有していることにより、各ゲート74の成形キャビティ42内に開口する下側開口部の開口面積が、リングランナ部58内に開口する上側開口部の開口面積よりも小さくされている。
そして、かくの如き構造とされた射出成形型18を用いて、目的とする樹脂成形品10を製造する際には、その作業が、例えば、以下の手順に従って進められる。
すなわち、先ず、図4に示されるように、射出成形型18の可動型22と固定型20とを型閉じして、それら可動型22と固定型20との間に、成形キャビティ42を形成する。
次いで、図8に示されるように、射出装置(図示せず)から射出された溶融樹脂78を、ノズル48からスプルー52内に流入させ、更に、ストレートランナ部56内に流入させる。そして、かかる溶融樹脂78を、ストレートランナ部56内とリングランナ部58内とを流通させた後、複数のゲート74を通じて、成形キャビティ42内に流入させて、成形キャビティ42内を溶融樹脂78にて充填する。
このとき、溶融樹脂78は、成形キャビティ42のうち、目的とする樹脂成形品10の内側円筒部16の上端面を形成する部分の内周部の全周から、かかる内側円筒部16を形成する成形キャビティ42部分内に流入する。そして、かかる成形キャビティ42部分内を、内側円筒部16の軸方向に流動した後、円環板状の仕切壁部14を形成する成形キャビティ42部分内を、その中心部側から外周部側に向かって流動する。その後、外側円筒部12を形成する成形キャビティ42部分内に流入して、かかる成形キャビティ42部分内を、軸方向に流動するようになる。それ故、成形キャビティ42内に、溶融樹脂78の合流箇所が生ずることが有利に回避され得る。
そして、図9に示されるように、成形キャビティ42内に充填された溶融樹脂78を冷却し、固化させた後、可動型22と固定型20とを型開きする。このとき、成形キャビティ42内の溶融樹脂78が固化してなる樹脂成形品10が、可動型22のキャビティ形成突起40にて保持される。これにより、樹脂成形品10を固定型20から離型させる。
また、そのような可動型22と固定型20の型開きによる樹脂成形品10の固定型20からの離型時には、複数のゲート74とランナ54(ストレートランナ部56とリングランナ部58)とスプルー52内にそれぞれ残存する溶融樹脂78が固化した固化物79が、細孔からなる各ゲート74の下側開口部内に位置する固化物79部分において切断されて、樹脂成形品10から切り離される。
なお、前記したように、各ゲート74の下側開口部は、上側開口部よりも小さな開口面積を有している。そのため、そのような各ゲート74の下側開口部内に位置する固化物79部分は、固化物79全体のうちで最も断面積が小さくされており、また、それによって、固化物79全体のうちで最も脆弱な部分(最も引張強度の低い部分)とされている。しかも、かかる固化物79部分は、複数のゲート74の配置位置に対応して、樹脂成形品10における内側円筒部16の上面の内周部に、その周方向において互いに等間隔を隔てて均等配置されている。
このため、可動対22と固定型20の型開き時には、固化物79が、樹脂成形品10から、より容易に切断されるようになる。また、それによって、固化物79が切り離された樹脂成形品10における内側円筒部16の上端面の内周部に不可避的に形成される、固化物82が切り離された痕からなる複数(ここでは12個)のゲートマーク17(図2参照)が、例えば、従来のリングゲートを有する射出成形型を用いたときに生ずるゲートマークよりも十分に小さくされて、より目立ち難く、しかも美麗とされる。
そして、可動型22と固定型20とが型開きしたら、可動型22に設けられたエジェクタピンを有するエジェクタ機構等(図示せず)により、樹脂成形品10を、可動型22から突き出して、離型させる。かくして、図1及び図2に示される如き構造を有する、目的とする樹脂成形品10を得るのである。なお、図示されてはいないものの、可動型22と固定型20の型開き時には、公知の構造により、固定型20が固定型側取付板24から分離されて、その状態下で、複数のゲート74とランナ54とスプルー52内で固化した余分な固化物79が、図示しないエジェクタ機構等により、固定型20やスプルーブッシュ46内から離脱させられることとなる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の射出成形型18を用いれば、溶融樹脂78が流入し、流動する成形キャビティ42内で、溶融樹脂78の合流箇所が生ずることが有利に解消される。そして、それによって、ウェルドラインのない、良好な外観を有する樹脂成形品10を、より一層確実に製造することが可能となるのである。
しかも、本実施形態の射出成形型18を用いれば、成形された樹脂成形品10に不可避的に残るゲートマーク17を十分に小さくして、目立ち難く且つ美麗とすることができる。そして、それにより、ゲートマーク17痕を樹脂成形品から除去するための仕上げ加工を樹脂成形品10の一連の製造工程から有利に省略することが可能となり、その結果として、樹脂成形品10の生産性の向上と製造コストの低減とが、効果的に実現され得ることとなるのである。
また、本実施形態の射出成形型18では、リングランナ部58が円筒状空間にて構成されて、複数のゲート74と連通する下端部とは反対側の上端部において、ストレートランナ部56と接続口72を通じて接続されている。それ故、例えば、リングランナ部58が円環形状とされる場合とは異なって、接続口72から流入する溶融樹脂78が、リングランナ部58の全体に十分に行き渡ってから、リングランナ部58内の溶融樹脂78が、複数のゲート74を通じて、成形キャビティ42内に導入される。これによって、リングランナ部58内から複数のゲート74を通じて成形キャビティ42内に導入される溶融樹脂78の導入量が、各ゲート74毎に略均一な量とされ、これによっても、樹脂成形品10でのウェルドラインの発生が、効果的に防止され得る。また、リングランナ部58が円筒状空間にて構成されていることにより、円環形状とされる場合に比して、リングランナ部58の構造的な強度が増す。また、リングランナ部58が、円環形状とされる場合に比べて、リングランナ部58内に位置する固化物79部分の体積が大きくなるため、かかる固化物79部分の体積収縮量も増大して、そのような固化物79部分が、中心穴60の内周面から確実に剥離するようになる。それにより、固化物79が固定型20から離脱させられる際に、リングランナ部58内に、固化物79の一部が残留することが有利に防止される。そして、その結果、リングランナ部58内の固化物79の一部の残留により、次回の射出成形時におけるリングランナ部58内での溶融樹脂78のスムーズな流動が阻害されて、成形不良が生ずるようなことが、極めて効果的に防止され得ることとなる。
さらに、本実施形態の射出成形型18を用いて成形された樹脂成形品10は、例えば、ABS制御(アンチスキッド制御)を行なう車両用ブレーキ装置に用いられる調圧リザーバ内のピストンヘッド等として、有利に利用される。そして、そのように、本実施形態の射出成形型18を用いて成形された樹脂成形品10を使用することによって、調圧リザーバ、ひいてはブレーキ装置の軽量化と低コスト化とが、これまでの金属製ピストンヘッドを用いていたものに比して、極めて効果的に達成され得るのである。
次に、図10及び図11には、樹脂成形品10の製造に用いられる、本発明に従う構造を備えた射出成形型の別の実施形態が、型開き状態での縦断面形態と、型閉め状態での断面形態とにおいて、それぞれ示されている。それら図10及び図11から明らかなように、本実施形態の射出成形型80は、固定型20と可動型22とを備えた、前記第一の実施形態に係る射出成形型18と同様な基本構造を有している。そして、かかる射出成形型80においては、リングランナ部58と複数のゲート74とが、前記第一の実施形態に係る射出成形型18とは異なる構造をもって設けられているのである。なお、本実施形態の射出成形型80に関しては、前記第一の実施形態に係る射出成形型18と同様な構造とされた部材及び部位について、図3乃至図7と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態の射出成形型80にあっては、固定型20の中心部に、第一貫通孔82が設けられている。この第一貫通孔82は、上部側が下部側よりも大径とされた段付円筒状の内周面を有している。これにより、第一貫通孔82の上側部分が、固定型20の上面において開口する大径孔部84とされている一方、その下側部分が、キャビティ形成凹所28内に向かって開口する小径孔部86とされている。そして、かかる小径孔部86が、成形キャビティ42の一部、具体的には、樹脂成形品10の内側円筒部16を与える成形キャビティ42部分を構成している。かくして、大径孔部84の下側(小径孔部86側)の開口部が、成形キャビティ42内に連通している。
また、第一貫通孔82の大径孔部84内には、リングランナ部形成用ブッシュ88が、その外周面を、大径孔部84の内周面に密接させて、上下方向に延びるように挿入配置されている。このリングランナ部形成用ブッシュ88は、大径孔部84の延出長さと略同一の高さを有している。また、かかるリングランナ部形成用ブッシュ88にあっては、その内孔90の内周面91が、下方に向かうに従って次第に小径となるテーパ面形状とされて、小径の下側開口部の径が、第一貫通孔82の小径孔部86の径よりも所定寸法小さくされている。更に、リングランナ部形成用ブッシュ88の上端面には、その周上の一箇所に、内孔90を側方に向かって開口させる切欠部92が設けられている。
一方、固定型20の上面(固定型側取付板24との重合せ面)には、溝部70が、水平方向に延びるように設けられている。また、この溝部70は、延出方向一端部において、スプルーブッシュ46のスプルー52に連通している一方、延出方向他端部において、接続口72を通じて、第一貫通孔82に連通している。そして、固定型20と固定型側取付板24とが重ね合わされて配置されていることにより、溝部70が、固定型側取付板24にて覆蓋され、以て、そのような溝部70にて、ストレートランナ部56が構成されているのである。
また、第一貫通孔82の大径孔部84内に挿入されたリングランナ部形成用ブッシュ88は、切欠部92を、ストレートランナ部56(溝部70)の接続口72に連通させた状態で配置されている。更に、リングランナ部形成用ブッシュ88は、その下端面を、第一貫通孔82の内周面の軸方向中間部に配置された、大径孔部84と小径孔部86とを段付けする段付け面に接触させる一方、上端面を固定型側取付板24に接触させて、配置されている。これにより、リングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90が、固定型側取付板24による上側開口部の閉塞状態下で、切欠部92と接続口72を通じて、ストレートランナ部56に連通していると共に、下側開口部を通じて、成形キャビティ42内に連通している。
また、固定型側取付板24の中心部と固定盤26の中心部には、それらを厚さ方向に貫通する第二貫通孔94が形成されている。この第二貫通孔94は、第一貫通孔82の大径孔部84内に挿入されたリングランナ部形成用ブッシュ88の大径の上側開口部の径よりも所定寸法だけ小さな径の円筒状の内周面を有し、リングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90と連通して、同軸的に位置している。かくして、第二貫通孔94とリングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90とが、固定盤26と固定型側取付板24と固定型20の中心部を貫通して、上下方向に延びるように配置されている。そして、それにより、固定盤26と固定型側取付板24と固定型20とを跨って、それらの中心部を貫通して延びる中心孔96が、第二貫通孔94とリングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90とにて形成されている。
そのような中心孔96内には、コアピン98が、上下方向に延びるように挿通配置されている。このコアピン98は、中心孔96の延出長さよりも僅かに長い長さを有する金属製の丸棒材からなっている。また、かかるコアピン98は、その上側部分が、大径の円柱形状を呈する基端大径部100とされている一方、下側部分が、基端大径部100よりも十分に小さな径を有する小径の円柱形状を呈する先端小径部102とされ、更に、それら先端小径部102と基端大径部100の間に位置する中間部分が、下方に向かって次第に小径となるテーパ形状を呈する中間テーパ部104とされている。また、かかる中間テーパ部104は、そのテーパ角度が、リングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90におけるテーパ筒状の内周面91のテーパ角度と略同一の大きさとされている一方、小径側の外径と、大径側の外径とが、リングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90におけるテーパ筒状内周面91の小径の下側開口部の内径と、大径の上側開口部の内径よりも、それぞれ、所定寸法だけ小さくされている。
そして、そのようなコアピン98の中心孔96内への挿通状態下で、コアピン98の基端大径部100が、第二貫通孔94内に、外周面を第二貫通孔94の内周面に密接させて配置されている。また、コアピン98の中間テーパ部104が、リングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90内に、外周面106を、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91に対して、所定の距離だけ離間させた状態で、同軸的に配置されている。更に、コアピン98の先端小径部102が、第一貫通孔82の小径孔部86内に、外周面を、小径孔部86の内周面に対して、所定の距離だけ離間させた状態で、同軸的に配置されている。
なお、ここでは、コアピン98の先端小径部102の下端が、第一貫通孔82の小径孔部86内に突入していることで、成形キャビティ42内に突入配置されている。また、コアピン98における基端大径部100の軸方向中間部の外周面に、基端大径部100の上端側部分を下端側部分よりも大径化する段部66が設けられ、この段部66が、第二貫通孔94の内周面に設けられた円環面状の係合面68に対して上下方向において係合している。これにより、コアピン98の中心孔96内への挿通位置が、位置決めされている。
かくして、図10乃至図12に示されるように、本実施形態の射出成形型80では、コアピン98の中間テーパ部104の外周面106と、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91との間に、上下方向に延び、且つ下方に向かうに従って次第に小径となるテーパ筒状空間が形成されている。また、このテーパ筒状空間が、その上部において、前記切欠部92と前記接続口72とを通じて、ストレートランナ部56に連通している一方、小径の下側開口部において、成形キャビティ42に連通している。これにより、そのような上下方向に延びるテーパ筒状空間のうちの下端側部分を除く部分が、ストレートランナ部56と成形キャビティ42に連通し、ストレートランナ部56内を流通する溶融樹脂を受け入れて、下方に位置する成形キャビティ42側に導くリングランナ部58として、構成されているのである。
そして、図13及び図14に示されるように、本実施形態の射出成形型80においては、コアピン98の中間テーパ部104の外周面106と、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91との間に形成されたテーパ筒状空間のうち、リングランナ部58を構成する部分を除く下端側部分が、リングランナ部58と成形キャビティ42とを相互に連通させる筒状の連通孔とされている。また、そのようなテーパ筒状空間の下端側部分を形成する中間テーパ部104の外周面106の下端部とリングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部のうち、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部には、複数(ここでは、16個)の突出部108が、一体形成されている。
それら複数の突出部108は、何れも、比較的に薄肉の平板形状を呈し、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の周方向において互いに等間隔を隔てて配置されている。つまり、複数の突出部108が、コアピン98の中間テーパ部104の外周面106と、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91との間に形成されたテーパ筒状空間のうち、リングランナ部58を構成する部分を除く下端側部分内に、放射状に延びるように配置されている。また、それら各突出部108は、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91からの突出高さが、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部と中間テーパ部104の外周面106の下端部との間の距離と同一の寸法とされている。これにより、複数の突出部108の全てが、その先端面において、中間テーパ部104の外周面106の下端部に当接している。かくして、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の周方向に隣り合う突出部108,108の間に、リングランナ部58と成形キャビティ42とを連通させるゲート74が、それぞれ一つずつ形成されている。これら複数(ここでは、16個)のゲート74は、何れも、リングランナ部形成用ブッシュ88の内孔90よりも十分に内径の小さな細孔にて構成されている。
そして、かくの如き構造を有する射出成形型80を用いて、目的とする樹脂成形品10を製造する際には、その作業が、例えば、以下の手順に従って進められる。
すなわち、先ず、図11に示されるように、射出成形型80の可動型22と固定型20とを型閉じして、それら可動型22と固定型20との間に、成形キャビティ42を形成する。
次いで、図15に示されるように、射出装置(図示せず)から射出された溶融樹脂78を、ノズル48からスプルー52内に流入させ、更に、ストレートランナ部56内に流入させる。そして、かかる溶融樹脂78を、ストレートランナ部56内とリングランナ部58内とを流通させた後、複数のゲート74を通じて、成形キャビティ42内に流入させて、成形キャビティ42内を溶融樹脂78にて充填する。
このとき、前記第一の実施形態に係る射出成形型18を用いて射出成形操作を実施する場合と同様に、溶融樹脂78が、成形キャビティ42のうち、内側円筒部16を与える成形キャビティ42部分内を軸方向に流動した後、円環板状の仕切壁部14を与える成形キャビティ42部分内を、その中心部側から外周部側に向かって流動し、その後、外側円筒部12を形成する成形キャビティ42部分内を軸方向に流動する。これによって、成形キャビティ42内に、溶融樹脂78の合流箇所が生ずることが有利に回避される。
そして、図16に示されるように、成形キャビティ42内に充填された溶融樹脂78を冷却し、固化させた後、可動型22と固定型20とを型開きする。これによって、成形キャビティ42内で溶融樹脂78が固化してなる樹脂成形品10を、可動型22のキャビティ形成突起40にて保持された状態で、固定型20から離型させる。
このとき、前記第一の実施形態に係る射出成形型18を用いて射出成形操作を実施する場合と同様に、複数のゲート74とランナ54(ストレートランナ部56とリングランナ部58)とスプルー52内にそれぞれ残存する溶融樹脂78が固化した固化物79が、かかる固化物79のうちで最も脆弱な部分(最も引張強度の低い部分)である各ゲート74の下側開口部内に位置する固化物79部分において、樹脂成形品10から切断される。このため、余分な固化物79が、樹脂成形品10から容易に切り離されると共に、樹脂成形品における内側円筒部16の上端面の内周部に残る固化物79の複数のゲートマーク17が、十分に小さくされて、目立ち難く、しかも美麗とされる。
そして、可動型22と固定型20とが型開きしたら、前記第一の実施形態に係る射出成形型18を用いて射出成形操作を実施する場合と同様に、樹脂成形品10が、可動型22から離型させられると共に、複数のゲート74とランナ54とスプルー52内に位置する余分な固化物79も、固定型20やスプルーブッシュ46内から離脱させられる。かくして、図1及び図2に示される如き構造を有する、目的とする樹脂成形品10を得るのである。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の射出成形型80を用いる場合にあっても、前記第一の実施形態に係る射出成形型18を用いる場合と同様に、溶融樹脂78の合流箇所が成形キャビティ42内に生ずることが有利に解消されると共に、樹脂成形品10に残るゲートマーク17を十分に小さく且つ美麗と為すことができる。そして、それによって、仕上げ加工を行うことなしに、ウェルドラインのない、良好な外観を有する樹脂成形品10を、より生産性良く、しかも可及的に低コストに製造することが可能となる。
また、本実施形態の射出成形型80においては、固定型20に嵌め込まれたリングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部に、コアピン98の外周面106の下端部に当接する複数の突出部を、周方向に間隔を隔てて設けることによって、細孔からなる複数のゲート74が形成されている。それ故、かかる射出成形型80にあっては、各ゲート74が固定型20に穿設された細孔からなる射出成形型に比して、固定型20や可動型22の強度が十分に高められ得ると共に、それらのメンテナンス性の向上が有利に図られ得る。そして、それによって、射出成形型80の運用性、ひいては目的とする樹脂成形品10の生産性の更なる向上が、効果的に実現され得るのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記第一の実施形態に係る射出成形型18において複数のゲート74を構成する連通孔76の形成個数や形状、大きさ、或いは前記第一の実施形態に係る射出成形型18において複数のゲート74の形成のために設けられる突出部108の形成個数や形状、大きさ等は、適宜に変更可能であることは言うまでもないところである。
また、前記第一の実施形態に係る射出成形型18では、リングランナ部58が円筒状空間からなる一方、前記第二の実施形態に係る射出成形型88では、リングランナ部58がテーパ筒状空間にて構成されていた。しかしながら、リングランナ部58は、筒状空間にて構成されておれば良い。従って、リングランナ部58の形状は、複数のゲート74の形成構造とは関係無く、適宜に設定されるものである。
さらに、前記第二の実施形態では、複数の突出部108が、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部に一体形成されることにより、細孔からなる複数のゲート74が、リングランナ部58と成形キャビティ42とを連通するように設けられていた。しかしながら、複数のゲート74を形成するための複数の突出部108は、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部に代えて、或いはそれに加えて、コアピン98の外周面106の下端部に一体形成しても良い。また、複数の突出部108を、リングランナ部形成用ブッシュ88及びコアピン98とは別個の部材にて構成することもできる。この場合には、例えば、リングランナ部形成用ブッシュ88やコアピン98とは別体のリング部の外周面や内周面に突出部108が設けられて、かかるリング部が、リングランナ部形成用ブッシュ88の下端部に内挿されるか、又はコアピン98の下端部に外挿されることで、突出部108が、リングランナ部58と成形キャビティ42の間に配置されて、それらの間に、複数のゲート74が形成されることとなる。この場合には、リングランナ部形成用ブッシュ88の内周面91の下端部とコアピン98の外周面106の下端部との間、つまり、リング部が配置されるべき環状乃至は筒状空間にて、リングランナ部58と成形キャビティ42とを相互に連通する連通孔が構成される。
なお、リングランナ部形成用ブッシュ88は省略可能である。それ故、リングランナ部形成用ブッシュ88を省略する場合には、例えば、コアピン98が挿通配置される貫通孔の内周面に対して、複数の突出部108が設けられることで、複数のゲート74が形成されることとなる。
加えて、前記実施形態では、本発明を、円筒部を有する樹脂成形品の製造に用いられる射出成形型と、かかる樹脂成形品の製造方法に適用したものの具体例を示したが、本発明は、例えば、深底の穴部を有する形状を初めとした各種の形状を呈する樹脂成形品の製造に用いられる射出成形型と、かかる樹脂成形品の製造方法にも、有利に適用可能であることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10 樹脂成形品 17 ゲートマーク
18,88 射出成形型 20 固定型
22 可動型 42 成形キャビティ
54 ランナ 56 ストレートランナ部
58 リングランナ部 64,98 コアピン
74 ゲート 76 連通孔
91 内周面 106 外周面
108 突出部

Claims (4)

  1. 樹脂成形品を成形するためのキャビティと、射出装置から射出された溶融樹脂を導く筒状空間からなるリングランナと、該リングランナの軸方向一端部と前記キャビティとを相互に連通する複数の細孔にて構成されて、該リングランナの周方向において互いに間隔を隔てて配置された複数のゲートとを含み、且つ該ゲートにおける前記キャビティ側の開口部の開口面積が、前記リングランナ側の開口部の開口面積よりも小さくされて、
    前記リングランナにて導かれた前記溶融樹脂が、前記複数のゲートを通じて、かかるリングランナから前記キャビティ内に導入されるようになっていることを特徴とする射出成形型。
  2. 樹脂成形品を成形するためのキャビティと、射出装置から射出された溶融樹脂を導く筒状空間からなるリングランナと、該リングランナの軸方向一端部と前記キャビティとを相互に連通する複数の細孔にて構成されて、該リングランナの周方向において互いに間隔を隔てて配置された複数のゲートとを含み、
    且つ前記キャビティに達する貫通孔にコアピンを挿通配置せしめることによって、このコアピンの周囲に筒状空間が形成されて、前記リングランナが構成されると共に、該コアピンの先端側部位が該キャビティに対して突入せしめられて、その突入部分にて、該キャビティの一部が画成されてなり、
    更にかかるコアピンの挿通配置によって、前記リングランナの軸方向一端部と前記キャビティとの間において、それらを相互に連通する環状乃至は筒状の連通孔が、該コアピンの周りに、該リングランナと同軸的に位置するように形成されると共に、該連通孔の軸直角方向において互いに対向する二つの内面部分のうちの何れか一方の内面部分から他方の内面部分に向かって突出して、該他方の内面部分に当接する複数の突出部が、該連通孔内に、該連通孔の周方向において互いに間隔を隔てて位置するように配されていることにより、該複数の突出部の周方向に隣り合うものの間に、前記細孔がそれぞれ形成されて、それら複数の細孔にて、前記複数のゲートが、該コアピンの軸方向中間部で周方向に配列されて構成され、
    前記リングランナにて導かれた前記溶融樹脂が、前記複数のゲートを通じて、かかるリングランナから前記キャビティ内に導入されるようになっていることを特徴とする射出成形型。
  3. 前記ゲートにおける前記キャビティ側の開口部の開口面積が、前記リングランナ側の開口部の開口面積よりも小さくされている請求項2に記載の射出成形型。
  4. 請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の射出成形型を用いて、射出装置から溶融樹脂を射出すると共に、該溶融樹脂を前記リングランナと前記複数のゲートとを通じて、前記キャビティ内に充填する射出成形操作を行なうことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
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